835 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日: 2006/05/25(木) 17:27:51 [ SjukPx1g ]
大海を隔てて相対する“南大陸諸国”と“日本”。
両国は常に互いを「仮想敵国」として軍備拡張と勢力拡大を競い合ってきた。
2つの国を隔てるセレス海の孤島・サンド島。
事件はサンド島の碧く輝く空で起こった。
9月23日
南大陸諸国国防空軍のアレックス大尉率いる飛行中隊が
訓練中に国籍不明機に遭遇
一方的な銃撃の下に交戦状態へと陥った。
結果8名の飛行士と訓練生達が不明機の砲口に散り
急遽若いパイロットを加えた小隊を結成
サンド島の空域を警戒する為に配備された。
翌9月24日
またしても国籍不明機が出現。
スクランブルで上がっていくたった4機の小隊。
公式記録には残らない
“THE UNSUNG WAR”が、ここに幕を開ける
101 名前:名無し三等楽士 投稿日: 2006/10/05(木) 14:26:46 [ SDXUWyVY ]
こんな奇怪なネタが浮かんだ…
『今日もこの収容所では特に何事も起きていない。
ただ、天馬達に運動をさせてあげられないのが気がかり。
何とか運動だけでもさせてあげられないものか?
この抑留が終わったら、また大空を駆け回らせてあげたい。
それと今日、団長がナイトロスの第2王子と結婚させられるという話を聞いた。
団長も皇族だ、いつか誰かに嫁がされるのだろうという覚悟は決めていたが、それが敗戦国の姫としてだなんて余りにも酷過ぎる。
愚痴っぽい方だが、あの方は敗戦国の姫として戦勝国の王子への献上品になるような人ではないのだ。
王子もきっと団長の素晴らしステキカッコ良いところなど、わかりもしない暗愚な男に違いない。
でも、団長のウエディングドレス姿はさぞかしステキだろう、想像するだけで…
ああ…団長ステキ、今日もステキ、明日もきっとステキ、蝶ステキ。
そして第2王子ブチ殺す踏み殺す捻り殺す焼き殺す煮殺す蒸し殺す炒め殺す炙り殺す…』
…と、副長がヤバ目なオーラを出しながら日記を書き綴っていたとき、急に外から風が吹き込んできた。
「…誰だ?」
先ほどまで誰もいなかったその空間に、一人の男が立っていた。
灰色のスーツに身を包み、顔には奇怪なマスク…。
「…変態?」
「失敬な、私の事ははミスターぐれ…ではなく、しっとマスク灰田とでもお呼びください。
今日はあなたにお渡ししたいものがあって参りました。」
そう言って、しっとマスク灰田と名乗る男は副長に布切れを差し出す。
「これは…マスク?」
それはしっとマスク灰田の着けているものと、同じようなデザインのマスクだった。
「そう、それこそしっとマスク。
真のしっとを知るものこそにふさわしい証です。
さあ、被ってみてください。」
しっとマスク灰田は身振りで促す。
「こんなキモいデザインのマスクをなんで被らないと…あれ?何だ、手が勝手に…勝手にうご…うご…」
副長は必死で抵抗するが、徐々にマスクが顔に近づいてくる。
「はっはっは、デザインがキモいと嫌がる人が多いので、手に持ったが最後、強制的に被る使用になっているのですよ。
便利ですなー。」
「何だその呪いのアイテムチックな機能は!?
ちょ、何とかしろ!」
「被ってしまえば脱ぐ事ができます。
諦めなさいな、抵抗は無意味です。」
すぽっと…副長の頭にしっとマスクが被さった。
「むはああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
いきなり両腕を天に突き上げ、奇声を上げる副長。
「しっとの心は」
「親心!」
「押せば命の」
「泉湧く!!」
しっとマスク灰田と副長はガシッと腕を組んだ。
『見よ!しっと魂は暑苦しいまでに燃えている!!!!』
二人の背後にはなんか嫌な炎が燃え盛っているように見えた…
「お見事です。
どうでしょう、マスクの被り心地は?」
「はっはっはっは!実に爽快だ!!
生まれ変わったような気分だな!!!」
ジョブチェンジ(天馬騎士→しっとマスク)なので、生まれ変わったような気がするのは、ひょっとしたら間違いではないかもしれない。
目もぐるぐる渦巻きになっているし。
「そのマスクを被っている間はしっとの炎がある限り、天馬が無くとも空を駆ける事ができ、しっとビームやしっとボイス、しっとスラッガーなどの特殊能力も使用可能です。」
さあ、世のカップルに鉄槌を下すのです!」
「応!では行くぞ!!」
副長…もとい、しっとレディは夜空へと消えて行った…
その後、ナイトロスでは変なマスク被ったハイなねーちゃんが、夜な夜なカップルを襲撃しているという噂がたったとかたっていないとか…
104 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日: 2006/10/06(金) 00:26:23 [ l.fkUc4g ]
日ノ本之国召喚物語
”本日も晴天なり”
「良い天気だな」
「そうですね〜」
農民が空を見上げながら話している。
大雨の季節が終わり畑仕事もいよいよ忙しくなるこの季節、農民達は自分達の生活、また領主達へ納める税のために朝から夕方まで引切り無しに働いている。
今はちょうど御日様がが真南に差し掛かった時間帯、待ちに待った”お昼”の時間帯である。それぞれ妻や母から渡されたパンを食べながら疲れた体を休めている所だ。
また、年代ごとに集まりながら世間話をするのも一つの楽しみだったりする。
「・・そういえばお前、隣村から嫁さん貰うってホントか?」
「あぁ、遠い親戚なんだ、一度も顔会わせた事ないけどな」
「いいよなぁ、俺も女欲しいなぁ」
「お前、許婚がいるだろう」
「いやぁ、あれはあれ、それはそれだよ」
「おぃおぃ、そんなこと言ってるのが彼女にバレたら殺されるぞ」
中高年代の集りの中から1人の巨漢の男がこちらに向ってくる。
「やべぇ、あの娘の父親だ」
浮気性の婚約者は背筋が凍る思いだ。見ると手もガクガク震えている。
「おやっさん、相変わらず地獄耳だな・・・」
「何とかしてくれよ」
「いやいやそれは無理」
その間にも、おやっさんは誰が見ても怒っていると分かる不自然な笑顔をこちらに向けてくる。
この村で一番豪腕なその拳は硬く握られており、いつでも攻撃可能なようだ。
「ひえぇーー」
逃げるのも無駄なこと位わかっている彼は、数秒後は殴られるであろうと目を瞑った。
「・・・何だ、あれは?」
ドスの利いた大声でおやっさんが叫んだ。
「いや、さっきのは冗談ですってお父さん。自分にはお嬢さんだけです。だ、だから、勘弁してください〜〜」
弁解は無駄なのはわかっている。すでに彼は綺麗に拳が自身に決まって数十m飛ばされる姿を想像していた。
「いや、そうじゃない!」
「ぁ、へぇ・・?」
深々と頭を下げていた青年は気が抜けた声を出して目を開けた。
「ど、どうしたんですか」
そこには驚愕の表情を浮かべたおやっさんがいた。そして海の方角を指差す。青年も含め皆が慌ててその方角を見つめるとそこには信じられない光景が目に映ってきた・・・。
!!!・・・・・・陸地が降ってきた!?
ここから海は結構近く、この丘からも天気の良い日なら海を見ることができるが、その日の光景は今までに誰一人として見たことのない物であった。
それは言葉どおり、天に東の空一面を多い尽くす巨大な陸の塊が空に浮かんでいるのだ。そして、それはとてもゆっくりとしたスピードで海に下りていくではないか。
その下の海は塊の影に覆われて黒くなっており、その場所がこのまま埋れて行くのは直ぐに想像出来る。全員、言葉を完全に失っていた。
「た、大変だ!!領主様に大急ぎで知らせるんじゃ!!」
長老の掛け声で我に返った足の速い幾人かが走り出した。それ以外の者は恐怖で足が離れず愕然とその光景を見る事しかできなかった。
「こ、これから、どうなるんだ・・・?」
青年が明らかに裏返った声で呟いた。
「わからん・・・」
一見、表情を崩していないおやっさんの顔からも汗が流れている。
・・・これまでの生活は一変する・・・その場にいた者が思えた事はただそれだけだった。