974 名前: ('A`) 04/02/03 20:43 ID:???

〜リュースートゥ・ミステース島戦記〜
   第1章 〜終わりから始まる物語〜

1942年8月5日…
彼女はその日、大日本帝国三菱長崎造船所で産声をあげた…
一足先に生を受けた長女の後を追うように…

そして1944年10月24日…
産まれ故郷を遠く離れた南の海を彼女は進んでいた
彼女は大怪我をしていた
ほんの2日前の10月22日…
最後の船出をした時には信じられないほどの…

五回にわたる空襲…
魚雷20本、爆弾11発が命中、至近弾は無数…
いかな基準排水量64,000トン、世界最強の破壊力を誇る自らの攻撃に耐えうる装甲をもってしても
それは彼女を海の底へ…
永遠の眠りへと導くには十分であった…

世界の全てを巻き込んだ大戦…
数え切れないほどの死者を出したその戦いが終わってから幾年…
深海に眠る彼女を探す試みは幾度と無く行われたが、それは全て失敗に終わった…

 「 左右均等に打撃を受け、そのためひっくり返る事も無く浮かんでいる時のままゆっくりと沈んだ
  その過程で海流に流されたのだ
  だから彼女は着底する事も無く、今だ海の中を海流に流され、さ迷っているのだろう 」

そう、思われてきた…
彼女が我々の前を波を蹴立てて驀進するその姿を見るまでは…


976 名前: ('A`) 04/02/03 20:44 ID:???

帝国暦、365年…
人が畑を耕し、ゴブリンやオークが闇で蠢き、エルフが森で暮らし、ドラゴンが洞窟の奥底で眠る…
剣と魔法が支配する世界…
帝国が支配欲の触手を伸ばそうとしているリーュスートゥ・ミステース島…
そのリーュスートゥ・ミステース島から程近い海の底で彼女はまどろんでいた

海底で眠る彼女に最初に気付いたのは小さな魚達だった
しかし、彼等はあまりにも小さく、そして無知だったため、彼女の大きさを理解できなかった

その魚達は眠る彼女を家とし、大きく育った
より大きい魚やシーサーペントに襲われる事もあったが
彼女の巨体はその度に襲われる小魚を幾度と無く守った
まるでかつて守れなかった仲間達を守るかのように…

次に彼女に気付いたのは寝床と隠れ家を探していた心優しき人魚達だった
人魚達は以前通りかかった時に彼女が存在していなかったと言う事にまず驚き、
そして、人の手で作られた物体である事と、彼女のその巨大さに更に驚いた
人魚達は驚くと同時に、悲しんだ
彼女の側や体内に散らばっている人骨---かって彼女と友に戦った戦士達の亡骸---の量の多さに…

人魚達の住んでいる海…
その周辺に存在する人々も争う事があった
人魚達はその度に涙を流し、命を落とした戦士達の遺体を埋葬し、弔いの歌を歌ってきた
その人魚達でさえ気が狂いそうになるほど、戦士の亡骸は多かった

残された亡骸を新しく発見するたび、人魚達は悲しみに沈んでいった
武器らしき筒を手に持ったまま息絶えている亡骸…
かっては轟々と燃え盛る炎を内に秘めていたであろう物に寄り添っている亡骸…
そして舵輪を握り締めたまま息絶えている亡骸…
ほとんどの亡骸が生前の場所から離れようとせず朽ちるに身を任せているのを見て人魚達は哀しんだ…

977 名前: ('A`) 04/02/03 20:44 ID:???

亡骸を埋葬し終えた人魚達は何時ものように歌を歌った
死者を天界へと送る歌を…

付近の漁師は人魚達の歌声が波の音の合間に聞こえてくるのを聞いて怪訝そうにした
戦いが無かったのに、最近沈んだ船など無かったのに弔いの歌だったからである
そして、集まっている人魚達の数を目にして更に驚いた
死者が多ければ多いほど人魚達が集まるのを経験として知っていたからである

その人魚達の歌に導かれるようにして、眠る彼女の体内から淡い光を放つ存在が…
今は逝きし戦士達の魂が1つ、2つと集まってきた
それは次第に数を増し、夜にもかかわらず海の中は昼間のように明るくなった
海岸からそれを見ていた漁師達も満月が海の中に沈んだような明るさに驚いた

人魚達の歌を聞いていた戦士達は、最初自分達がこの世にあってはならない存在に成り果てていた事に戸惑い驚いていた
それは人魚達からすれば別段驚く事ではなかった
しかし、戦士達が死を受け入れた事は人魚達を驚かせるには十分だった

戦士達は自分達がなぜこんな世界に…
人の下半身が魚になって…しかも海の中を泳いでいると言う事がまず信じられなかった
どちらかと言うと自分達が死んだと言う事よりも信じられなかった
しかし、眠る彼女の傍らに並ぶ石の柱の列を見て、人魚達が自分達を弔ってくれた事だけは理解した

978 名前: ('A`) 04/02/03 20:45 ID:???

最初から死ぬ覚悟をしていた
彼女と共に死ぬつもりだった
戦士達のその言の葉は人魚達を驚愕させるには十分だった
生きるためではなく、死ぬために戦う…
それが信じられなかった
自分の欲望のためだけに戦う者しか見てこなかった人魚達にはそれが信じられなかった

戦士達は眠る彼女と自分達の墓を見比べた後、人魚達に頭を下げ、
別れと彼女の事を託した後、歌に送られるまま天界へと上っていった
戦士達が天界へと上る光…
それは海岸からでもたやすく見る事が出来た
漁師達は後に語ったと言う

「海の中から太陽が昇った。一度沈んだ太陽が再び天へ昇っていった」

と…

〜リュースートゥ・ミステース島戦記〜
   第1章 〜終わりから始まる物語・糸冬〜


364 名前: 名無し三等兵 04/02/09 23:12 ID:???

>>363
(゚∀゚)<よーし投下しちゃうぞー

自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第12章
../1075/1075381959.html#978
の続き

〜リュースートゥ・ミステース島戦記〜
   第2章 〜目覚めへの時〜

365 名前: 〜リュースートゥ・ミステース島戦記〜 04/02/09 23:13 ID:???

水が高き所から低き所へ流れるように
高潔なる戦士は天上の世界へ
悪しき欲望は汚れし者の所へ

大日本帝国海軍大和戦艦武蔵
彼女は日本を…
いや、元居た世界すら遠く離れた海底に69,100tの巨大な身体を横たえ眠りについていた
彼女と共に戦いそして命を落とした戦士達は、彼女を寝床としている優しき人魚達の祈りが通じ天へと昇っていった

彼女が眠るリュースートゥ・ミステース島から飛竜で二日と半時離れた帝国
悪しき欲望、他の者の幸せを踏み躙り飲み込む帝国の首都でも戦士達が天へ昇る光を目にした

366 名前: 〜リュースートゥ・ミステース島戦記〜 04/02/09 23:13 ID:???

彼女は夢を見ていた
自分が海の底へ引き込まれる時に起こった出来事を…
アブのように襲い来る空を飛ぶ者達と戦い、傷付きそして力尽きたあの日の事を
彼女に敵意を抱き、彼女を亡き者とせんがために揺り篭を飛び立つは地獄猫、飛び込む者、そして復讐者…
飛び込む者が放つ礫は彼女に当れば火柱を、海へと突入すれば水柱を立てて彼女を傷付けた
復讐者が放つ水中を糸を引きながら襲い来る鮫は彼女の柔肌を食い破り水柱を虚空へと伸ばす
重油の血を流し、激痛に悲鳴を上げながらも火矢を滝のように吹き上げ鮫や礫を懸命にかわす彼女
そして、命を賭して戦う戦士達…
そんな彼女と戦士達をネズミのように弄ぶ地獄猫…
地獄猫に引っかかれた戦士達は身体を引き千切られ
飛び込む者が投げ付けた礫により産まれでた火柱によって空を舞い
復讐者が放った鮫によって海の藻屑と化していった
彼女はその度に怒れる赤竜より雄々しく叫び炎を吐き出した
炎より生み出された死を呼ぶ花びらによって地獄猫達は粉微塵にされ悲鳴を上げながら海へと
身体についた燃え盛る炎を消すために海へと飛び込んでいった
しかし、彼女を襲う空を飛ぶ者達はあまりにも多かった
だが、彼女を守るために空を飛ぶ者達は彼女が空を見渡しても
耳をすませても皆無だった

367 名前: 〜リュースートゥ・ミステース島戦記〜 04/02/09 23:15 ID:???

五回にわたる空を飛ぶ者達の襲撃の結果彼女は戦う力を失った
鮫に食い破られた個所から濁流のように流れ込む海水は彼女を前かがみにさせた
止めようとしても彼女の体内を食い破り更に体内を満たす海水…
それが重しとなり舳先すらも…
彼女が帝国海軍軍艦である事を示す菊花紋章も水面下に消えた午後七時…
必死に動いていた心臓を体内を突き破ってきた海水が満たした時、彼女は小さく呟いた

---…もう…もう、いいよね?眠っても…
  …私…もう、疲れちゃった
  …もういいよね、眠っても…---

彼女は小さくそう呟くとその進路を海底へと
永久の寝床となるであろうシブヤン海海底へと向けた
姉の事を…
…姉妹艦大和の事を思いながら武蔵は海の底へと沈んでいった…

368 名前: 〜リュースートゥ・ミステース島戦記〜 04/02/09 23:16 ID:???

彼女はその戦いの時の夢を見ていた
それはまさしく悪夢であった
忘れようとしても忘れられない現実
自分の身体につけられた数え切れないほどの傷が彼女を悪夢に縛り付けていた
彼女は悪夢を見るたび寝返りを打った
そしてその度に彼女の中に残っていた燃える血液が、空気が海中へと放たれた
燃える血液は海を汚し、魚達を殺し、波が洗う真砂を汚した
空気は彼女の上を通りかかった小船を彼女の元へと呼び寄せた
そして、寝返りによって揺れた海は津波となって浜辺の村へと押し寄せた

369 名前: 〜リュースートゥ・ミステース島戦記〜 04/02/09 23:16 ID:???

彼女から流れ出る血液、空気
そして津波に悩まされた心優しき人魚達と魚を採るを生業として海に暮らす者達は
この事を何とかしようと眠れる彼女へと語りかけた
眠りについた彼女は中々起きなかった
しかし、起きない方がいいと言う者も居た
森に暮らす知恵者達…エルフである

エルフ達が言うには彼女は大きく傷付いている
だからもしそまま目覚める事があれば彼女は苦痛のためもがき苦しむ事になるであろうと…
それを道理とした人魚達、漁師達…
そしてエルフ達は彼女の傷を癒す事から始めた
彼女の体を作るは火より産まれた鋼鉄
これは人魚達が海に解けた鉄を集め、村に住む魔導士達が溶かし、そして男達が総出で鍛えた
それを彼女の元へと運び、エルフが彼女の記憶を元に彼女の体を元通り寸分違わぬよう縫い合わせた

370 名前: 〜リュースートゥ・ミステース島戦記〜 04/02/09 23:17 ID:???

彼女の体が産まれた時のようなった頃、彼女の体を癒していた男達、魔導士達、エルフ達は疲れていた
いくら炎を作りて赤熱した鉄を作り出そうとも、いくら赤熱した鉄を鍛えて鋼鉄を作りだそうとも
また、いくら鋼鉄をもって彼女を縫い合わせても終わりが見えなかったから…
男達、魔導士達、エルフ達は人魚達と語り合った

---もうこの辺りでいいじゃないか、血と溜息は溢れなくなったんだから---

と…

彼女は沈む前の姿に戻った
しかし、目覚める事は無かった
彼女の体を治した者達は、血と空気が溢れ出なければ良しとし、彼女を眠りの時のまま留め置く事にした
そして彼女によって揺り動かされた海が暴れてできる津波は人魚達が島の人々に知らせる事とした
彼女は心優しき人魚達が見守る中、このまま眠り続けると思われた
人々やエルフ…
そして人魚達や彼女もそれを願っていた
しかし、時と運命の歯車は動き始めていた
人々が争う時…
戦争の時へと…

371 名前: 〜リュースートゥ・ミステース島戦記〜 04/02/09 23:18 ID:???

彼女より離れ出で天へと上りし戦士達
その光は彼女が眠るリュースートゥ・ミステース島をはるかに離れた帝国でも目にする事が出来た
帝国の邪な主には世継ぎが無かった
しかし、高潔なる戦士達が天へと上る正にその時、帝国は悪しき主の后に男の赤ん坊が生まれた
帝国ではこう歌われた

---日が昇る向きより夜中に火が天へと上るは、帝国が森羅万象に祝福されし印
  我等が主に世継ぎが産まれたるは吉兆の印
  いざや進めん、無敵の兵を
  根こそぎ刈り取らん野蛮なる民を
  刈り取られし首より流れ出でる血で祝杯あげん
  軍船仕立てて攻め込まん---

〜リュースートゥ・ミステース島戦記〜
   第2章 〜目覚めへの時・糸冬〜


684 名前: GAS ◆JHY5AnbB/w 04/11/19 00:08:16 ID:???

投下行きます。

「おい・・ここどこだ?」
背後には俺達が出てきたトンネル、前方には見渡す限り青々とした草原となだらかな丘。
・・・何がどうなってんだ?なんでトンネルくぐった先が草原なんだ?ここは日本だぞ?今の日本にこんなクソ広い場所があるわけないだろ?
こんな・・・
「村岡!無線で本隊と連絡を取れ!」
トラックに乗ってる全員が彫刻のように固まっている状態からいち早く正気に戻ったのは、月島二等陸尉、俺達の上官だった。
「村岡何をしている!無線だ、早く連絡を取れ!」
「は、はいっ!」
村岡は慌てて無線を取ると本隊に呼び掛け始めた。だがその時さらに異変は起こった。
最初に気がついたのは俺・・・松田 稿(コウ)三等陸曹だった。
嫌な予感がした、理由はそれだけだった。荷台に乗っていた俺はその予感に従って素早く振り向いた。
―――目に映った光景に気絶しそうになった。無かった、あるはずのトンネルが無くなっていた。俺達が出てきたトンネルは前方と同じく
見渡す限り青々とした草原になっていた。さっきまであったのに・・・俺は慌てて月島隊長に呼びかけた。
「つ、月島二尉!後ろ、後ろ見てください!トンネルが無くなってます!」
俺の言葉に驚いて俺を除いた全員・・・月島二尉、村岡、吉田、小林が一斉に振り返り、目の前の光景に唖然としている。
「こんな、馬鹿なことが・・・」
吉田が呆然としながら呟いている。
俺はそれを耳にしながら今目にしている光景が本物かわからなくなり、思わず荷台から降りた。
確かな大地と草を踏みしめる感触。頬を優しく撫でる風、それに揺れる草原のくるぶし程度の長さの草・・・
「マジかよ・・・」
足元にはトラックのタイヤ跡があり、五、六メートル後ろ辺りからいきなり出現している。
まるでそこからトラックが現れたのだといわんばかりに。

685 名前: GAS ◆JHY5AnbB/w 04/11/19 00:09:38 ID:???

「村岡!本隊と連絡は取れたのか!?」
「それが・・・何度も呼びかけてるんですが応答が無いんです。携帯電話も圏外でアンテナが一つも立ちません。
後ろを走っていた二号車と三号車にも呼びかけましたが、応答がありません・・・」
「っく!松田、車に戻れ!あの丘の上まで行くぞ、周囲を見渡すんだ!」
「はい!」
俺が慌てて荷台に戻るとトラックは急発進した。

丘の上についた俺達を待っていたのは、森が見える以外は先ほどと変わらない風景と、百メートル程先に横転した二号車だった。
慌てて駆けよると車内にいた三名全員が気絶していた。幸い全員怪我はなくすぐに意識を取り戻した。
だが、何故こんなところに自分達がいるのか、何故気絶したのか。わかる者はいなかった。
俺達はすぐに横転した二号車を一号車を使って起こすと、すぐに周囲を探索した。
二号車がいたのだから三号車もいるかもしれないと思ったからだ。だがいくら周囲を探しても無線で呼びかけても
三号車は見つからなかった。

そうこうするうちに日は沈み、空は赤い月と、明らかに現代の日本では見られない数の星が瞬いている。
・・・もっとも、あれを「月」と言っていいのかわからないが。
あれから俺達は森のすぐそばに小川を見つけ、その近くに火を焚いた。
そして月島二尉が全員を集め、今後どうするのかを静かに説明を始めた。

686 名前: GAS ◆JHY5AnbB/w 04/11/19 00:10:55 ID:???

「皆すでに気がついてると思うが、我々はどこかに迷い込んだようだ。それも道を間違えるなんてレベルじゃない、
あきらかに日本とは別の土地だ。無線で呼びかけてもどこも答えない、携帯電話も同様だ。そこで森沿いに進んで
人家、または町を探そうと・・・・・」
その時だった。今まで静かだった夜の森の中から突然男のゾっとする絶叫と女の甲高い叫び声、そして豚のような叫び声が
多数聞こえてきた。
「な、なんだ!?」
「人の声だったぞ!」
全員が森の方を向き、色めきたっている。
「二尉、なんかヤバそうですよ!なにかに襲われてるんじゃ・・・」
「全員89式に実弾を込めろ!銃剣もだ!四名で助けに行くぞ、ほかはトラックを守れ!」
月島二尉の決断は早かった。吉田がすべて言い終わる前に指示を飛ばした。全員が慌ててトラックに銃弾を取りに行く中
俺は二尉に近づき、小声で話しかけた。
「二尉本気ですか?これは立派な憲法違反ですよ、マスコミにでもばれたら鬼の首でも取ったごとく騒ぎますよ?」
「しかたあるまい、まさか放っておくわけにいかないし人がいる以上町もあるはずだ。助ければ少なくとも周辺の情報
は手に入るだろうし、うまくすれば現在の状況を改善できる。・・・それとも見捨てるか?」
「いえ、ご命令に従います。」
俺は敬礼をしてその場から離れるとトラックに向かって走った。


824 名前: GAS ◆JHY5AnbB/w 04/11/21 21:14:33 ID:???

呼び方を教えてくださった海の人氏と、感想をくれた名無しさん達に深く感謝しつつ、投下行きます。

助けに行くメンバーは小隊長と俺、通信手の村岡陸士長、吉田一等陸士にすぐに決まった。トラックの護衛は、
二号車に乗っていた佐藤陸士長とほか三人に任せ、森の中に入った。
実弾の装填された89式を抱えて走りながら、緊張した顔の村岡が俺に話しかけてきた。
「松田陸曹、さっきから聞こえてくるこの豚か猿みたいな叫び声、なんだと思いますか?」
「さあな、別になんでもいいさ。俺達は命令に従えばいい、考えても仕方ないしな。とりあえず熊だと思っとけ」
「はあ・・・(こんな状況なのに、相変わらずやる気が無いなこの人は・・・)わかりました」
話しをしてるうちにかなり現場近くに来たらしく、襲われている連中と襲っている奴等が見えてきた。
俺達はすぐに走る速度を落とし、森に身を隠しながらゆっくり近づいていった。
現場は長方形に七十メートルくらい開けた広場のような場所だった。襲われてる連中は長方形の真ん中あたりで取り囲まれ、
固まって抵抗している。手には剣や杖らしき物、身に着けているのは鎧やローブみたいな物・・・・・・っておい!?
襲われている連中の格好より襲っている奴らに驚いた。
手に棍棒やナイフ、ここまではいい。姿が異形だった、身長は150pくらい豚と犬を合わせたような醜い顔、赤茶けた体に
腰巻きのようなものだけを身に着けている。そいつらが見える範囲で二十匹以上いる。
抵抗している連中は見える範囲で四人しかいない、このままだと殺されるのは時間の問題だ。
「ヤバイですよ、すぐに助けに行かないとやられちまいますよ!」
吉田が小隊長に進言しているが俺は反対した。
「おいおい、相手の正確な数もわからないのに突っ込めるわけないだろ?しかもあんな化顔が相手だ、周りも暗いこの状況じゃ
返り討ちになるぞ。」
俺が言い終わった瞬間、ローブをきた人間が杖を前に構えると女の声で高らかに叫んだ。

825 名前: GAS ◆JHY5AnbB/w 04/11/21 21:16:12 ID:???

「ファイヤーボール!!」
そう叫んだ瞬間、突然杖の先辺りからバスケットボール程の火の玉が発射され、取り囲んでいた一匹の化顔に命中した。
その瞬間火の玉は轟音を発して炸裂し、そばにいた二匹もろとも吹き飛ばした。
「・・・・・・」
あまりに非現実的な光景に誰も声が出なかった。直撃を受けた化顔は頭部がなくなりピクリとも動かず、巻き添えを食らった
二匹も死んだのか気絶しただけなのか、やはり動かない。
俺は思わず小隊長のほうを振り向き言った。
「あの、助ける必要ないのでは・・?自力で勝ちそうですよ」
「いや・・・助けに入るぞ、どうやら威力はあるがこの状況では連発は出来ないらしい。見ろ」
小隊長に言われて目を凝らして見ると、先ほど火の玉を発射した女性は杖を腰に戻し、細身の剣を手に戦っている。
「しかし小隊長、今の攻撃はなんだったんですかね?杖から火の玉って・・・ファンタジーじゃあるまいし・・・」
「わからん、助けたあとに聞くことにしよう。村岡と吉田は右側に回りこめ、私と松田陸曹はこの位置から襲われている連中の
援護、私の発砲を合図に射撃開始だ。」
『了解!』
村岡と吉田が離れていくのを確認した俺は89式自動小銃を膝立ちに構え、小隊長の発砲を待った。
「まさかこいつを実戦で使うことになるとはな・・・」
小隊長はそう呟きながら同じように膝立ちに構え、化顔に狙いをつけ・・・撃った。

826 名前: GAS ◆JHY5AnbB/w 04/11/21 21:17:57 ID:???

聞きなれた乾いた音がし、銃口から音速を超えた5.56o高速ライフル弾が発射され、やかましい叫び声を上げて先程
火の玉を発射した女に襲い掛かろうとしていた一匹の化顔に命中した。撃たれた化顔はもんどりうって倒れ、そこに
すかさず俺も射撃を開始した。村岡と吉田もほぼ同時に撃ち始める。
暗い夜の森に89式の乾いた銃声が連続して鳴り響き、囲んでいた化顔は次々と撃ち倒されていく。襲われていた連中は
何が起こっているのかわからず硬直している。
だが・・・・・・
「マズイですよ小隊長、こっちの位置がバレたみたいです。おまけに数が多すぎます!どんどん森から出てきますよ!」
俺は89式の引き金を引き続けながら小隊長に声をかけた。化顔は、俺達のちょうど向かい側の森から次々と出てくる。
こっちはたった四人、相手は数十匹。しかも周りは暗く、光源は月と星明りのみ。
ちくしょう、こうなると思ったから止めたのに。このままじゃこっちまで全滅だぞ!
「君達早くこっちに来い!逃げるんだ!」
小隊長が声を張り上げているが連中はまったく動こうとせず、仲間と顔を見合わせている。
「何やってんだ、さっさとしろ!死にたいのか!」
「仲間が二人怪我をしてるの!置いていけないわ!」
初めての実戦でキレかけてた俺が怒鳴ると、向こうも焦りを含んだ声で怒鳴り返してきた。
この状況でさらに怪我人かよ!どこまでついてないんだよ、俺達は!
「松田、怪我人を引きずって来い!」
「・・・了解!小隊長、援護お願いします!」
俺は一気に飛び出すと、四人がいるところまで銃剣付きの89式を抱えて全力で走った。

投下終了。
駄文ですが、少しでも楽しんでもらえれば幸いです。



135 名前: GAS ◆JHY5AnbB/w 04/11/29 22:17:30 ID:???

投下開始。

「怪我人はこの二人だけなんだな!?もういないな!?」
四人はローブ姿の女が二人と、鉄製の鎧を身に着けた男女の女三人男一人だった。全員返り血と自分の血に濡れている。
倒れている怪我人は皮の鎧を身に着けた男女二人だった。俺達が駆けつける前にやられたようだ。
二人とも足や腹などむき出しの部分をやられている。特に女の方は左膝の少し上の傷が深く、出血がかなりひどかった。
すぐに応急処置を施したかったが、グズグズしてると俺達まで囲まれる状況だったので、傷口をタオルで
縛るだけでこの場から離れることを優先した。
「俺はそっちの男を担ぐから、お前は女を背負って走れ!」
「お、お前らいったい何者だ・・・ゴブリンをこんな短時間でこんなに倒すなんて、いったいどんな魔法を・・・」
「いいからさっさとしろ!囲まれるだろうが!」
俺は鎧姿の男にそう怒鳴ると火の玉を発射した女に聞いた。
「おい、あんたさっきのあの火の玉もう一回できるか?」
「え?え、えぇ出来るけど・・・私はあんた、じゃないわ。ミルファって名前があるわ。」
女は・・・ミルファは名乗りながら、俺を深い緑色の目で睨みつけた。
「そんなことどうでもいい、出来るならあいつ等に最大威力でぶちかませ。怯んだ隙に一気に逃げるぞ、急がないと
この女が手遅れになる。」
「・・・わかった、でも逃げるってどこに?森を抜けて草原を走るの?怪我人を連れてたらとても逃げ切れないわよ!」
それがわかってんなら、なんで見捨てて逃げないんだよ!一緒に死んだら意味無いだろうがっ!
俺はそう怒鳴りそうになりながら、苛立ちを含んだ声で早口で言った。
「俺達には移動手段があるんだよ、そこまで逃げ切れればなんとかなる。わかったら早くしろ!」
「わ、わかったわよ。」
ミルファは杖を腰から外して構えると、流れるような旋律で聞いたこともない言葉を唱え始めた。
俺はそれを耳にしながら皮の鎧を身に着けた男の怪我人を背負うと、ミルファが火の玉を出すのを待った。

136 名前: GAS ◆JHY5AnbB/w 04/11/29 22:18:03 ID:???

「ファイヤーボール!」
先程出した時より二周りは大きい火の玉が杖から発射され、化顔・・・ゴブリンが出て来ている側の森、小隊長達が銃撃を加えている方に
命中した。
「いくぞ!」
俺は背後で大きな炸裂音がするのを聞きながら、怪我人を背負い走り出した。

「小隊長、怪我人二名とその他四名引きずって来ました。そっちの女の怪我人はすぐに治療が必要です!」
俺は怪我人を背負いながら言った。
「よし、トラックまで逃げるぞ。村岡、吉田!手榴弾をくらわせてやれ!逃げるぞ!」
村岡と吉田が手榴弾を一発ずつ投げつけ、こちらに走って来た。すぐに手榴弾の炸裂音と悲鳴が聞こえてきた。
俺達はそれを耳にしながら全力で来た道を戻り始めた。
「小隊長、自分も吉田もあと89式の弾1マガジンしかありません!」
「もっと弾を持って来るべきだったな・・・手榴弾まだあるか?」
「ありません、まさかあんな化物があんなにいるとは・・・」
「無いものねだりをしてもしかたない・・か。村岡、トラックに残してきた隊員にエンジンを掛けておくように無線で伝えておけ。
あと怪我人がいるから応急処置の準備もだ。・・・『敵』に襲われていることも忘れずにな。」
「り、了解!」
村岡が無線で連絡を取り始める。その時さっきミルファとか名乗った女が話しかけてきた。
「ねぇ、あなた名前は?こっちは名乗ったんだから教えてくれてもいいんじゃない?」

137 名前: GAS ◆JHY5AnbB/w 04/11/29 22:18:53 ID:???

「・・・松田 稿だ。」
・・・この女状況わかってんのか、逃げてるのに悠長に自己紹介してる場合じゃないだろ?
「あんた・・ミルファはずいぶん落ち着いてるな、状況ちゃんとわかってるか?俺達は逃げてるんだぞ。」
「大丈夫、あれだけやられればすぐには追いかけてこないわよ。それよりさっきゴブリンを倒した魔法はなんて言うの?
あなた達がやったんでしょ、あんな凄い魔法みたこともないわ。大きい音がしてゴブリンがバタバタ倒れたじゃない。」
魔・・法?
「ちょっと待て、魔法ってのはさっきお前がやった火の玉のこと・・・だよな?」
「当たり前じゃない、ほかに何があるのよ。」

・・・マジかよ、じゃあさっきの流れるような旋律で聞いたこともない言葉はやっぱり『呪文』だったってのか?
冗談キツ過ぎるぞ!魔法なんてものが地球上にあるはずが・・・地球、上?まさか・・・
その時俺の中で、認めたくなかった結論が出た。どれだけ呼びかけても返事の無い無線、圏外のままつながらない携帯、
日本では絶対見られない風景、見たことも無い化物、助けた連中のおかしな格好、そして・・・魔法。
ここは俺達のいた世界じゃ・・・ない?

俺は自分の出した結論に怪我人を落としそうになりながら、それでも全力で走った。トラックと隊員の姿が視界に入る。
「小隊長、後ろ追いかけて来てます!ヤバイっスよ、追いつかれます!」
一番後ろにいた吉田が悲鳴に近い声で叫んでいる。クソ、もうトラックはすぐそこだってのに!
後ろからゴブリンの叫び声が近づいてくる。小隊長たちが走りながら1マガジンしかない89式を連射している。
あと10m・・・
「何あれ、あれがコウが言ってた移動手段なの!?」
5m・・・
「そうだよ!」
着いた!俺達はなんとかトラックまで辿り着くと重傷の女を二号車、俺達を一号車に乗せ急発進した。

投下終了。駄文ですいません・・・
暇な時に読んで頂ければ幸いです。






565 名前: GAS ◆JHY5AnbB/w 04/12/19 01:31:10 ID:???

◆YXzbg2XOTI氏と名無し対戦車兵氏乙です!自分も投下行きます。
F世界軍に占領された日本で暴動(反乱?)が起きたらこんな感じになるんだろうか?

「将軍、ここももう駄目です。どうかお逃げを!」

腹心の部下である魔道士が魔法を放ちながら後退して来る。
道には刃物を持った男女が所狭しとひしめきながら押し寄せてくる。すでに各地に駐屯していた軍は
合流地点に到達する前に暴徒の群れに襲われ壊滅するか致命的な打撃を受け、生きて合流できたのは
少数だった。
くそ、腰抜けだと聞いていた異世界人が暴動を起こすとは、本国の馬鹿どもがッ!これの一体どこが
『おとなしい』んだ!おそろしく凶暴ではないか!

「将軍、トウキョウ湾の本隊と繋がりました!」
「貸せ!・・・一体何をしている、さっさと援軍を送れ!このままでは全滅するぞ、妖魔兵団をよこせ!」
妖魔兵団さえいれば平気なはずだった。だが返ってきたのは泣き声交じりの悲鳴のような声と扉に何
かを叩きつける音だった。
「無理です!こちらも襲われて・・・ゴブリンもオークもトロールもやられました。もう扉の
向こうは異世界人でいっぱいです、しかも停泊中の艦隊も襲われているみたいなんです!・・・あいつら
まるで別人です!昨日まで従順だったのにいきなり武器を持って押し寄せt・・・」
ガン・・ガン・・ドガン!!
「いたぞ、F世界の奴等だ!殺せ殺せ殺せ!!」
バシュン!魔法での遠距離会話が切られた。今向こうで何が起こってるのかは明白だった。

「クソッ。生き残った者を集めろ!艦隊まで一気に駆け抜けるぞ!船に乗れれば助かるぞ!」
我々はわずかな希望に向かって走り始めた・・・・・・

566 名前: GAS ◆JHY5AnbB/w 04/12/19 01:31:52 ID:???

この日起きた暴動は日本国民とF世界軍双方合わせて死者30万人を超える大惨事になった。
これは組織だった鎮圧が出来なかったF世界軍の対応のまずさとそして・・・・・・・・・・・・・・・・
日本人の『スイッチ』を入れてしまった日として長く記憶されることとなった。

投下終了。
・・キレたときの日本人はなんでもやりそうな気がします・・・




652 名前: GAS ◆JHY5AnbB/w 2005/03/29(火) 06:39:40 ID:???

とある町の寂れた酒場・・・
「またかよ!?これで何回目だ、あいつらに仕事を横取りされるのは!」
男は苛立たしげに机を叩いた。
「仕方ないわよ、あっちは依頼料タダなんだもの・・・おまけに私達に依頼するより確実で早いしね・・・」
女は椅子に深く腰掛けながらため息をつくように話した。
「だけどよ!このまま仕事を横取りされたら・・・!もう金がないんだぞ!?俺達はどうやって暮らしていけば・・・!」
「・・・・・引き時かもね、もうこの国に冒険者の居場所はなくなってきてるもの・・・」
女の台詞に男は目を剥いた。とても今まで生死を共にしてきた相棒の言葉とは思えなかったからだ。
「本気で言ってんのかよ!?そんな情けねぇこと・・・」
「じゃあどうしろってのよ!!」
言葉を最後まで聞かず、女は椅子を蹴立てて男にまくしたてた。
「どこのパーティーも状況は同じなのよ!?あの異世界人達が帝国を追い払ってこの国に居座ってから!
モンスター退治も、山賊退治の仕事もあいつ等に取られて、商人達も護衛を私達じゃなくて異世界人に頼んでる!
もう・・・!」
言葉を切り、椅子に体を投げ出すように座りながら女は言葉を続けた。
「もう、ほかに選択肢が無いじゃない・・・。別の国に行っても稼げる当ても無い、行くにしても資金もないし・・・
もう冒険者を続けていくのは無理よ・・・・・・・」
女は俯き男は拳を握り締め、現実を噛み締める。お互いの間に静かな時間が流れる。一緒に戦ってきた仲、もう次の言葉は
わかってるのだ。別れを経験するは初めてではないのだから。
やがて男は静かに口を開き、
「・・・十年以上冒険者やってきたけどよ、お前と組んでた三年が一番楽しかったよ。」
グラスを持ち上げる。
「私も。一緒に戦えてよかったよ・・・じゃあお互いの新たな道に」
女も顔を上げ、寂しそうにグラスを持ち上げる。
『カンパイ』

256 名前: ヘタレ戦記 ◆Qw6vB8RRO. 04/11/01 14:59:17 ID:???

SS投下っす。批評、批判、罵倒なんでもいいから感想よろしくお願いします。

1989年アフガニスタン北東部・バンジシール峡谷。

 照りつける太陽の中、数機のヘリコプターが谷間を這うように飛んでいた。
兵員を満載したMi-8ヒップとその上空援護に当たるMi-24ハインドD。機体に
はいずれも赤い星。紛れもないソ連軍所属の証だった。
 ソ連は間近に迫った、アフガニスタンからの撤退をにらみ状況を彼らに
とって少しでもマシなものにしておくために、アフガニスタンきっての
ゲリラ戦の名手「バンジシールの獅子」ことマスードの暗殺を謀った。
KGB「ヴィンペル」を主体とした急襲部隊を派遣したのだ。

 完全な敗北。情報が漏洩していたのか、急襲チームはマスード
の罠にはまり、着陸と同時にマスード配下の圧倒的多数のムジャヒディンの
待ち伏せを受けたのだ。
 聞くもの全てをゾッとさせる飛翔音をあげながら、飛来するRPG。爆発炎上
する、ヒップ。上空援護のハインドも燃料タンクに直撃を受け墜落していく。

 かろうじて地面に降り立った隊員たちも、最早、任務の遂行はおろか、
自分たちの生存そのものが不可能であることを悟った。

2004年
 
 日本は消えた。
 この異常事態に対し国際的な調査団が編成され、原因の究明にあたった。
長期に渡る調査と研究が行われ、その結果、判明したことが一つだけある。
「現在知られている、いかなる物理法則、あるいは研究中の仮説をもってしても
かかる異常事態を説明することはできない。」
 要するに何も解らないと言うことがわかっただけだった。

257 名前: ヘタレ戦記 ◆Qw6vB8RRO. 04/11/01 15:03:38 ID:???

 嫌になるほど青い空。
あんなことがあったというのに空は青いままだ。
まるで右往左往する俺たち人間をせせら笑っているようだ。
日本を未曾有の混乱に陥れた「大異変」
突如として、世界中からの通信は途絶えた。
情報の収集のため、政府が派遣した調査船団のまえに
現れたのは誰も見たことも聞いたことなのない国々だった。
言葉すらろくに通じず、遙かに劣った文明レベルしかもたず、
鉄鉱山や炭坑の存在と「魔法」なる不可思議な力の存在
こそ確認されたものの、日本がなにより必要とした石油は
そこにはなかった。もちろん食料生産力も低く、日本に食料
を輸出できるほどの余力もない。
 
石油や食料の輸入のめどはたたないことで、当然、物価は高騰し、
値を上げた政府は当座の対策として食料品や石油関連製品
についての配給制施行を決定、街からは自動車が姿を消し、
もはや人通りすらほとんど無い。
かつて、あんなにやかましくて鬱陶しかった街は、とても、静かになった。
未来に希望がもてない国民の気分は荒み暴動は頻発。
つい昨日も食料の略奪騒ぎがあったばかりだ。
 
 ついでと言っては何だが俺の私生活も滅茶苦茶だ。
俺の名前は、水城克己、27歳。妻からは一方的…でも
ないが離婚され、職場も追われ、絶望的な資源不足に
あえぐ今の日本で、大流行の職業、ゴミあさりに転職して
細々と生計を立てている。
 養育費と慰謝料の支払い、今月、待ってもらえないかなあ
…無理だよなあ、あいつらも生活かかっている。
何があっても取り立てようとするだろう。

258 名前: ヘタレ戦記 ◆Qw6vB8RRO. 04/11/01 15:08:17 ID:???

 「おーい、水城、てめえにお客さんだぜぇ。」
親方の胴間声が広い埋め立て地全体にこだまする。全く、
あのオヤジの元気なことといったら。毎度なことながら何を
食ってるのか不思議に思えてくる。
…いや、そんなことはどうでもいい。こうしてはいられない。
とっととここから、逃げなくては。
「安心しろ、かみさんじゃねえからよぉ!」
は?ということは…なおさら、まずい!俺が払わなくちゃ
いけないのは養育費だけではないのだ!
「いつものチンピラ借金取りでもねえ。だから、そんなゴミ箱
の中に隠れようとするな!あ、こら、すっぽり中まで入りや
がって!あーあ蓋まで閉めてるんじゃねえ!いいから来い
ったら来い!てめえが、そうやってバカやってると話が
すすまねえんだよ!」

259 名前: ヘタレ戦記 ◆Qw6vB8RRO. 04/11/01 15:08:49 ID:???

俺は親方に退きずられながら、埋め立て地に面した道路に
やってきた。そこに止まっていたのは、「大異変」の前、
そう、乗用車があらかた絶滅する前ですら、あまり見かけな
かったような型落ちのポンコツ軽乗用車だ。そして、運転席の
ドアが開き、中からその俺の客を名乗る人物が姿を現した。
70はとっくのむかしすぎているであろう、老人だった。
身につけているものは質素というより、むしろ、野暮ったく、
あか抜けない。顔もひどく田舎臭い。田舎で老後の楽しみに
自宅裏庭の小さな畑を耕している、農家のご隠居さん。
そんな感じの老人だ。
 だが、今の日本で軽とはいえ乗用車に乗って移動できるって
だけでもたいしたものだ。
この老人、見かけによらず、大物なのか?
老人は俺の姿を見るなり、開口一番こういった。
「…不機嫌そうじゃの。水城二尉。」
ああ、不機嫌だ。俺は20代後半くらいの高級スーツがよく
似合うなぞめいた雰囲気の美女が高級車に乗って颯爽と
登場するんじゃないかって期待してたんだから。
それに今、確かにこのジイさんは俺のことを二尉と言った。
何で俺が昔、自衛隊にいたってことを知っているんだ?そん
なことは、親方にも言ったことはない筈だ。

260 名前: ヘタレ戦記 ◆Qw6vB8RRO. 04/11/01 15:09:50 ID:???

「何じゃ鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしておるの?
私は君のことなら何でも知っておるのじゃよ、ほっほっほ。」
ニュータイプかなにかか?このジジイ、俺が今、言おうとした
ことを知っていたかのように先回りしやがった。
「あんたが俺の何を知っ…」
「防衛大学卒。成績は中の中。その後、陸上自衛隊に入隊
するも、ギャンブルと女で身を持ち崩して、職場を追われ、
妻子にも逃げられ、おまけに、いかがわしい金融業者から
莫大な借金をしておる。はっきり言って明日の命すら危うい
じゃろうな。まさにどん底。人間の屑という言葉がぴったり
当てはまるのが君じゃ。そうじゃろう?」
とことん、いけすかねえクソジジイだった。言われたことは
確かに全て事実だ、それでも、いや、だからこそ、腹が立つ。
「さて、では本題じゃ。私は回りくどい言い回しと言うものが
大嫌いでのう。だから単刀直入に言おうと思うのじゃ。
私は君を買いに来た。君はこれから海を渡り、戦争をしに
行くことになる。」

262 名前: ヘタレ戦記 ◆Qw6vB8RRO. 04/11/01 16:06:26 ID:???

 今、日本の海を挟んで西隣にはオストマルク王国という国がある。
前国王が王太子ともども東隣の新興国ゼムリャ帝国との戦争に
敗れ戦死して以来、貴族や国民たちは動揺し、その政情は不安定だ。
王位継承を巡る争いの後、前国王に唯一残された王女が、10代の
若い女王として即位したものの、国民や貴族たちは不安をもっている。
 ゼムリャ帝国は、この機会を逃さず、オストマルク王国を虎視眈々と
狙っている。準備がととのえば、帝国はその時点で侵略を始めるだろう。
帝国軍は強大かつ精強、結束も固い。総指揮官たる皇帝ドミトリーから
して常勝無敗の英雄として名高い。
 対して王国軍は政情不安もあってまとまりが悪く、編成もかつてのヨー
ロッパ中世の軍隊のように騎士とその従士たちの寄せ集めに過ぎず、
また、女王は若くもちろん戦争の指揮などしたことはない。
いざ本当に戦争となったら、どう考えても王国の不利は明らかだ。
 貴重な石油を大量に浪費することが間違いない、戦争はできることなら
したくはない、政府は既に王国情勢に対する非介入を決定していた。

 だが、ここで、それでは困る連中がでてきた。
すでに、オストマルクの鉄鉱山と炭坑に大量の投資をしている、大財閥、
瑞穂グループだ。
散々、ロビー活動をやってみたものの政府としても無い袖は振れない。
鉄鉱石や石炭は比較的、長持ちするものと思われていたのだ。

263 名前: ヘタレ戦記 ◆Qw6vB8RRO. 04/11/01 16:11:21 ID:???

 「君は侵略の危機に直面する、オストマルクに出向き、軍事顧問と
して軍隊の訓練と近代化にあたる。帝国軍が本当に攻めてきたら、
じゃ、その時は、実戦の指揮もしてもしてもらわんとな。」
あのいけ好かない悪魔の使いのクソジジイこと瑞穂グループ総帥
、敷島道明はまるで、俺がすでに話を承諾したかのような口振りで
話を続けた。だが、こっちとしては正直、腰が引けていた。何しろ実戦だ。
俺が今まで自衛隊でやってきたことちは違う、下手をすれば死ぬ。俺は
人になんといわれようと、死ぬのが怖い、とても怖い。それに、何故、
俺が直接日本を侵略してきているわけでもない帝国とやらと戦わな
くてはならない?

「報酬は手付けに1000万、毎月給与として100万、それから成功
報酬として2000万。そう、給与明細は無いが領収書もいらんよ、
全部、私のポケットマネーじゃからな。」

 だが、結局、俺に選択の余地はなかった。クソジジイが提示してきた金額
は断るにはあまりに魅力的だった。来月分の借金の支払いが滞れば、
担保として俺に生命保険をかけているヤクザどもは俺をコンクリ漬けにして
東京湾に放り込むだろう。そして、俺にはその借金の利子すら払う当て
がなかった。それに養育費と慰謝料だって払わないわけにはいかない。
全部、自分がまいた種だった。

>>261
いんや違いますよ。つか、読んだことないっす。


308 名前: ヘタレ戦記 ◆Qw6vB8RRO. 04/11/05 16:41:52 ID:???

ちょっと時間かかっちゃいましたけど、>>263の続き行きます。

午前三時、言われたたとおり港までやってきた。

 埠頭には手はず通り、一隻の船が接岸している。建造されて30年はたって
いるであろうボロ船だった、赤さびだらけどうやって浮いているのかが不思議
なくらいの代物だ。
 聞こえるのは波の音だけ、祖国の名誉と行く末をかけて堂々と出征するわけ
でもないから音楽隊の演奏だの家族の見送りだの贅沢は言えないが、それにし
ても寂しすぎる船出だ。こうなっては、あの、やかましくて厚顔無恥もいいと
このプロ市民の方々の抗議活動もあった方がマシなようが気がしてくるから不
思議なものだ。
 心中、不安と不満だらけだったが、今更、ガタガタ言っていても始まらない。
俺はのろのろとゆっくり、慎重に船に乗り込むことにした。だいたいタラップも
船同様もボロボロでそうしないと踏み抜いて海に落ちてしまうかもしれない。

309 名前: ヘタレ戦記 ◆Qw6vB8RRO. 04/11/05 16:42:43 ID:???

 いざ、実際に乗ってみて驚いた!外見はボロボロでも中身は瑞穂グループが
誇る最新鋭の…なんてことは無く、中身も外見通りの救いようもないオンボロ
だった。
 このボロ船の積み荷は表向き、オストマルク向けのおもちゃ(貴族たちに珍
重されているらしい)といことになっている。だが、当然のことながら、実際
には違う。本当は輸出は御法度の筈の銃火器の類、在日米軍の横流しらしいも
のや、スクラップ置き場から持ち出されたとおぼしき自衛隊の廃用装備、しま
いにはもとはヤクザのもちものだったとしか思えない共産圏の装備まである。
おもちゃはおもちゃでも物騒極まりないな大人のおもちゃだ
 それに、俺と同じようにクソじじいの犬に成り下がった、大馬鹿者が俺を含め
て4人。一応揃って自衛隊もしくは軍のOBだ。 まずは山崎元陸曹、30前後
くらいの薄暗い船内でも何故かサングラスを外さない2m近い筋骨隆々フラン
ケンシュタインもどきの大男だ。確かに強面ではある。だが、鬼軍曹というより、
むしろ、まるで、俺の天敵で一番苦手な人種ヤクザか何かだ。

310 名前: ヘタレ戦記 ◆Qw6vB8RRO. 04/11/05 16:44:59 ID:???

次に、石川元陸士、いかにもオタク臭い、がりがりチビだ。さっきから装備
品のチェックと称して船内にある銃器をいじくり回している。弾はもちろん装
填していないが、それでもやめて欲しいもんだ。それに、にやにやと薄ら笑い
を浮かべながら、ときどきぶつぶつ独り言を言っているのが何とも薄気味悪い。
オタクの通例通り年齢はわかりにくいが、25歳前後、おそらく俺よりか、い
くらか年下ってあたりだろう。
 そして、最後の一人は金髪で長身の白人だ。外見は優男風だが、自ら志願し
て戦場に飛び込もうという男だ、もしかしたら、見かけによらず元米海兵隊の
猛者か何かか?他の面子が余りにも不安をかき立てるようなのばかりなんで、
俺は願望混じりに一人で勝手にそう思いこんでいた。だが、このマテオッティ
元軍曹、何を隠そうイタ公だということだ。もとはフォル何とかって言う旅団
の所属だったらしい、が何にせよイタ公であることには違いない。今から行く
のは戦場でナンパ旅行じゃない。なんでよりにもよって、逃げることと降伏す
ることにかけては世界一のイタ公を連れて行かなくちゃならないんだ?問いつ
めたい、小一時間(ry
 
 …やっぱり、この話受けるのやめときゃよかった。



296 名前: メイドさんの戦塵 04/01/24 11:27 ID:???

 食糧問題は何とか解決しつつあった。
 少なくとも、1千万の単位で餓死者を出すよ
うな自体は回避されつつあった。
 何の事は無い。北海道を始め、全国で転作
と二毛作を行った結果である。特に北海道で
の甜菜から馬鈴薯、蕎麦への転作が効果的
だった。
 何より作れば飛ぶように売れていく状況と
豊富な労働力が、食糧生産増加の背中を突
き飛ばしたと言える。


297 名前: メイドさんの戦塵 04/01/24 11:40 ID:???

 新満州の開拓は順調に進んでいた。
 だが、新満州の開拓はあくまでも失業対策
であり、本土の食糧需要を満たせるほどもの
ではない。
 新満州の本年度開拓予定面積は24万haで
ある。10aあたりの平均収穫量を150kgとする
と、1人あたりの年間消費量にほぼ等しい。
 よって、新満州では240万人分の食糧を生産
できる。二毛作される作物も勘定に入れれば、
360万人分ぐらいは生産可能だろう。
 巨大な数字ではあるが、本土の食糧不足が
数千万人の単位である事を考えれば、焼け石
に水だった。

350 名前: メイドさんの戦塵 04/01/24 20:12 ID:???

「上海で海自の陸戦隊が暴れてる?」
「居留民保護の為の、現地の官吏と小規模な
抗争が拡大したようです」
「気がついたら大騒動になっていたという状況
かね?」
「はい」
「速やかに降伏するように伝えたまえ。私は近
衛声明を出すつもりはないぞ」
「士気の崩壊が懸念されます」
「軍が暴走するよりマシだ」
「南方群島の存在が確認されています」
「それがどうした?」
「石油が出るかもしれません」
「で、南方群島とやらを制圧する為には上海が
必要だと言いたいのかね?」
「大規模な通商国家が存在しています。土人の
島ではありません」
「なら、なおさら戦はできんな。上海の馬鹿ども
にとっとと降伏するように連絡しろ」


248 名前: メイドさんの戦塵 04/01/26 19:27 ID:???

「原子力空母? 何に使うつもりだ? イスカ
ンダルまで放射能除去装置でも取りに良くつ
もりか?」
「南洋群島の油田調査に使います」
「既存の護衛艦は使えないのかね?」
「ましゅう1隻分の燃料があれば、満州開発に回
した方が確実です。原子力船が使えないならば、
南洋の調査は延期するべきでしょう」
「空母である必要があるのかね?」
「いろいろとヘリが必要になりますから」
「当たればでかい大博打か。…良かろう。今回は
貴様等の勝ちだ、何隻欲しい?」
「とりあえず、一隻あれば十分です」


343 名前: メイドさんの戦塵 04/01/27 00:03 ID:???

「おにーちゃん、ご飯できたよーーー」
 秋津二尉はメイドさんに呼ばれて、キッチン
に戻ってきた。テーブルの上にはちょこんと丼
が二つ載っている。中身はいつもの如く蕎麦
だった。
「また蕎麦かあ…」
「ぜーたく言わないの。本土じゃ御飯が食べら
れない人もいるんだから」
「そー言われてもなあ…」
 転移後しばらくの体験か、メイドさんは粗食が
気にならないらしい。しかし、転移後の本土を
ほとんど知らない秋津二尉には「食糧の節約」
という概念は受け入れがたいものがあった。


455 名前: メイドさんの戦塵 04/01/31 13:04 ID:???

 新満州の物流に、深刻な問題はないハズだっ
た。24万haの入植地は広大だが、約40km×約
60kmの長方形でしかない。列車や輸送車両で、
物資を数百km運搬しなければならないような事
態は当面は考えられていなかった。
 約8300総トンのRORO船で本土から運ばれた
肥料、殺虫剤、種苗は新旅順港で揚陸され、隣
接する物流基地に集められる。そこで物資が仕
分けされ、開拓地に配布される。
 内陸部で発見された油田を開発すると言うイレ
ギュラーさえなければ、物流に問題は無いはず
だった。


456 名前: メイドさんの戦塵 04/01/31 13:05 ID:???

 秋津二尉が発見した油田は、非常にのんびり
としたペースで開発が進んでいた。十分なイン
フラが存在すれば、急速な開発が行われただろ
う。だが、そんなモノは新満州の荒野には存在
しなかった。
 油田の埋蔵量は非常に多い。順調に開発が
進めば、数十年間は発電用重油の不足を心配
する必要はなくなるらしい。冬場の暖房の為の
燃料確保にもなる。
 しかし、諸般の事情から、開発は遅々として進
まなかった。


457 名前: メイドさんの戦塵 04/01/31 13:06 ID:???

 男達は黙々と木の苗を植えていた。
 国内で植林していたNPOから巻き上げた苗
は少量で、極々僅かな面積にしか植樹出来な
かった。
 しかし、数年後には先行植樹されたアキグミ
が小さな林を造り、ナラやブナなどの広葉樹が
植樹可能な土壌を作り出すだろう。
 見渡す限りの荒野も、数十年後には豊かな
森林へと変貌している。男達はそう信じていて
疑わなかった。



540 名前: メイドさんの戦塵 04/01/31 21:13 ID:???

 新満州方面隊は北部方面隊から転用された
二個師団を基幹に、各地の施設団から抽出さ
れた人員と機材、大量の予備自衛官補を混ぜ
合わせてでっち上げられた。
 輸送と運用上の都合、特科も機甲科も存在
しないが、特に問題は無いと判断された。陸自
内部には反対の声もあったが、展開先の新満
州には小規模な馬賊しかいない。機甲科と特
科を運ぶ余裕はないと却下された。


541 名前: メイドさんの戦塵 04/01/31 21:14 ID:???

 本来の計画であれば、開拓地には十分な護
衛がつくハズであった。順調過ぎるほど順調な
開拓計画に、誰もが正気を失っていたのかもし
れない。
 政府による開拓以外に、民間資本と兼業農家
を中核とした開拓団が小さくない規模で入植を始
めていた。それ自体は悪いことではない。国内
の失業率はやたらと高かったし、新満州に農作
業のノウハウを持つ人間は不足気味だった。


542 名前: メイドさんの戦塵 04/01/31 21:14 ID:???

 それは非常にシュールな光景だった。
 カチューシャとエプロンドレスを身につけたメ
イドさん達による塹壕戦とである。
 彼女達は来襲するオークから村を守る為に
塹壕に立て篭もり、9mm機関短銃で接近する
オーク達を追い払い、後方から81mm迫撃砲で
死をばら撒いた。
 棍棒しかもたず、背後から奇襲する知恵もな
いオーク達に抵抗する術は無かった。


543 名前: メイドさんの戦塵 04/01/31 21:16 ID:???

『ムキーーー。次こそは絶対、絶対に負けない
の事アルよ』
『セ、センザン様、その発言はヤヴァ過ぎです(汗)』
『次こそは大陸打通三千里アル! キンピラ
ゴロツキを一網打尽アル!』
『ああ…、もおダメだ…』
『早速、呪術師どもを呼ぶアル!』
『は…はあ? まさかとは思いますが(滝汗)』
『そのまさかアル! 呪術師どもをかき集めて
「猛き者」を召喚させるアル! これで我等の
勝利は間違いないアルの事よ、ポコペン!』



622 名前: メイドさんの戦塵 04/02/01 02:48 ID:???

「本土で流行しているおやつです」
 謎の坊主はそう言って、メイドさんにビニール
袋を手渡した。袋の中には大きなサツマイモが
六個入っていた。
「早速焼いてきますね〜〜。あ、お茶も入れなきゃ」
 心底嬉しそうに、メイドさんはサツマイモを焼き
に行く。
「お座り下さい」
「では、遠慮無く」
「本土の食糧事情は良くないようですね」
「間食が取れるのです。良くないと言えば罰が
あたりますよ」
「それはそうですけど…」
「あなたは自衛隊が積極的に攻勢に出るとした
ら、何時頃になると思いますか?」
 

624 名前: メイドさんの戦塵 04/02/01 03:02 ID:???

「資源の調査に五年。開発に十年。兵器の整
備と兵士の訓練に五年。どう急いだとしても二
十年以上は先になるでしょう」
「この世界にとっても二十年は短くはない時間
です。自動小銃は無理でも、火縄銃のような銃
器を開発しているでしょう。下手をすれば日華
事変のやり直しです」
「僕のような娑婆っ気満々な奴に言っても仕方
がないと思いますけど」
「娑婆っ気が抜けている方はやる気マソマソでして
な。この腐れ坊主の戯言に、耳を貸して下さる方
はいらっしゃらいません」
「そう言われてもなあ…」



855 名前: メイドさんの戦塵 04/02/14 01:50 ID:???

「鉄道と油田を平行開発ですか? 相変わ
らず無茶な事を言いやがりますね」
「君の精神状態には配慮する。だがね、君
等は私の後任に、暖房用の油の確保に失
敗しますたと言わせたいのかね?」
「それはまあその通りでしょうが、パレンパ
ンの精油所を占領して修理しろと言うのと
はワケが違いますよ」
「どれだけ少量でもかまわん。とにかく大陸
から油を持って来い」
「政治的意義ですか」
「人はパンだけで生きるにあらず、だ。厄介
な事にな」
「鋭意努力しますですよ。あまり期待されると
困りますが」


856 名前: メイドさんの戦塵 04/02/14 01:52 ID:???

 命令は単純だった。
 大陸の油を本土に持って来い、それだけ
だった。しかし、付随する文章はかなりイヤ
な事実が書かれていた。
「諸君らが輸送した油の量が、来年の凍死
者数を決定するだろう」
 関係者は困惑した。
 数百Kmのパイプラインや道路や線路を設
置する時間は、無い。長期的な計画としては
別途進行しているが、とにかく今年の冬を乗
り切るだけの油がいる。
 誰もが頭を抱えた。


863 名前: メイドさんの戦塵 04/02/14 11:59 ID:???

 新満州油田から新旅順までの距離、約
1000km。
 大部分の土地が測量さえ済んでいない。
 当事者は今年の冬が始まるまでに測量
が終われば良い方ではないか、とさえ思っ
た。
 そして、通常ならば決して選ばれない
手段が選択された。
 輸送機である。
 航空機を使えば、道路も線路も必要な
い。いかに輸送効率が悪かろうと、未来
永劫航空輸送するわけではない。C-130
Hなら非舗装滑走路でも大丈夫だろう。
輸送量の少なさは数で何とかする。いや、
とにかく大陸から油が来るという事実が
必要なのだ。
 諸般の事情から、またしても無謀な輸
送計画が発動される事になった。


864 名前: メイドさんの戦塵 04/02/14 12:03 ID:???

 秋津二尉は久しぶりに開拓地の連隊本部
に顔を出していた。顔を出すなりいきなり本
土行きの連絡機に押し込められ、本土の病
院の隔離病棟に押し込められた。一週間の
検査を終えて、無罪放免される。
「とりあえず、怪しい黴菌はおらんようだから
安心したまえ」
「他に言う事はないのか」
「現地人とほとんど接触のない開拓民でさえ、
新満州風邪が流行している。はっきり言うと、
新種のインフルエンザが流行しているわけだ」
「それで?」
「日常的に現地人と接触している君が健康
でいられるのは非常に有難い事なのだ。心
当たりはないかね?」
「向こうの女に手を出さなかったとか、生水
飲まなかったとか、出来る限りレーション
食ってた、ぐらいかなあ」
「向こうの女には手を出してないということ
は、メイドさんには手を出したと言う訳か。
このロリコンめ」


236 名前: メイドさんの戦塵 04/02/15 21:47 ID:???

投下開始します。

 日本の軍隊がファンタジーな世界に進出
したのは今回が最初ではない。
 60年程前に、帝國陸軍がシナというオリ
エンタル・ファンタジーな世界に進出した事
がある。その際、シナの軍隊の士気と装備
は劣悪で、戦争は三ヶ月で方が着くと思わ
れていた。
 もちろん、そうは問屋が卸さなかった。


237 名前: メイドさんの戦塵 04/02/15 21:48 ID:???

 日本政府は気前良く、ジャガイモやサツマ
イモの種芋を帝國の人々にばら撒いた。
 悪気があったわけではない。ただ、その結
果について希望的な観測を持ちすぎただけ
だと言える。大陸での収穫の増大は輸出余
力の増大に繋がり、日本国民の食糧事情改
善に非常に有効であるハズだった。
 だが、帝國の官僚達は、日本から来た根菜
類の収穫量を知って恐怖した。このように収
穫量の多い作物が広まれば人口は著しく増
加し、社会が大規模な変動を起こすだろう。
輸入過多も解決していない。
 もはや、座して看過できる状況ではなかった。


238 名前: メイドさんの戦塵 04/02/15 21:50 ID:???

「え”?」
「つまりですね、我が帝國は世界の中心で
あり、世界で最も文化的な国家なのです」
「はあ…」
「陛下は誠に慈悲深きお方でありまして、貴
国、いえ、貴方達を帝國の民として認めて
あげようと仰られております。涙を流して喜
んでいただきたい」
「いや、しかし…」
「天下に王土ならざるは無し、と言います。
無駄な事は止めて、帝國に服従しなさい。
悪いようにはしませんから」
「…遠慮します」

今回は以上です。




403 名前: メイドさんの戦塵 04/02/17 00:51 ID:???

 伝統的な手法による外交交渉の失敗に
より、帝國では久しぶりの外征が行われよ
うとしていた。もともと文治国家なので、外
征などは片手で数えるほどもしたことが無
い。しかも、上は皇帝から下は一兵卒に至
るまで、戦下手を自覚していた。高位の武
官達はこぞって皇帝に考え直すように上奏
した。
 しかし、文官どもは考えを変えず、皇帝も
文官の言い分、二十万の帝國軍が敗れる
はずがない、を信じていた。
 かくして、騒動の扉は開かれたのである。


405 名前: メイドさんの戦塵 04/02/17 00:52 ID:???

 戦を行う為には大量の物資が必要である。
 したがって、帝國は食糧の買占めを行い、
食糧の輸出を禁じた。
 これがとんでもない事態を引き起こす事に
なる。



637 名前: メイドさんの戦塵 04/02/18 00:07 ID:???

投下開始

 帝國の食糧禁輸政策を聞いた日本政府
は極度に狼狽した。
 出来るはずの無い食糧自給を出来ると強
弁し、在庫と転作で時間を稼いで輸入先を
確保する腹だったのが見事に外れてしまった。
 戦争が始まれば、少なからず当てにして
いた帝國からの食糧の輸入が途絶える。新
満州の開拓も大幅に遅れるだろう。その結
果として、本土では少なくは無い餓死者が出
る。正直に言えば餓死者は数万人単位、政
府発表より一桁多い、で発生している。当局
者は餓死者が出るのは仕方が無いが、その
責任を問われるのは死んでも嫌だった。
 そして、いくらなんでも帝國に臣下の礼を
取るわけにもいかない。
 鉄と血とケロシンのみが問題を解決しえた。


639 名前: メイドさんの戦塵 04/02/18 00:09 ID:???

「F-2で、九州から渡洋爆撃か」
「帝国の臨海都市を空爆して、我々の戦力を
理解してもらいます。椰子らも自分の頭の上
から爆弾が落ちてくるとなれば考えを変える
でしょう」
「めちゃくちゃ嫌な作戦だな、をい」
「毎度の事ですが、我々は閣下以上にこの
作戦を嫌がっております。ええ、もう断言でき
ます」
「今の状況では仕方があるまい。F-2行ッテヨシ」
「オマエモナー」

以上です。

779 名前: 仮題 ◆7ekwL0V8mo 04/02/02 00:39 ID:???

海上自衛隊第101護衛隊は海を蹴立てて疾走していた。

旗艦「つがる」以下護衛艦「はっこうだ」「とうや」
輸送艦「せいかん」。
海面下には潜水艦「うすしお」が潜んでいる。

目的はこの異世界ドンゴワナの漁民を脅かし
海上交通を妨害している害獣を除くこと。
当初は護衛隊の司令部は日本政府の許可なく
交戦行動をとる事に難色を示していたが最終的に隊司令が決断した。
「民の危急を救うためとあらば、動かない訳にはいかない」

我々が戦う事になった害獣は「プス・サイギツム」という。
…見たことも聞いたこともない名前だ。

780 名前: 仮題 ◆7ekwL0V8mo 04/02/02 00:40 ID:???

海上自衛隊第101護衛隊は未知の海を滑るように進む。
天候は良く波も穏やかだが、演習とは違う重苦しい雰囲気が漂っている。

敵を知らずに戦闘を仕掛ける程愚かしいことはない。
出港前にプス・サイギツムに遭遇したという漁民や船乗りから、
情報を聞き出してみたが…

「海から盛り上がった巨大なバケモンだった。なんというか、青白い色をしていた」
「魚や鯨の類じゃないのだけは確かだ。わしもこの海で40年漁をしとるが、
あやつみたいのを見たのは初めてじゃ」
「水の下には巨大な腕みたいなものが無数にあって、
 それがゆらゆらと蠢いているんだ。二度と見たくねぇ」

話を聞く限りでは、ものすごい化け物らしい。

この海にはクラーケンとかシーサーペントとか言われるような、
海の怪物がいるのかもしれない。
未知の海で未知の生物を相手にして、我々は果たして勝てるのだろうか?
一抹の不安を、誰もが胸の底に隠していた

781 名前: 仮題 ◆7ekwL0V8mo 04/02/02 00:41 ID:???

海上自衛隊第101護衛隊の間では緊張が高まりつつあった。

旗艦「つがる」の艦橋では、隊司令と艦長が低い声で会話を交わしていた。
「艦長。そろそろ目標の海域だな」
「はい」
「レーダーには写らないか?」
「まだ、それらしいものは補足できていないようです」
「海は広い。巨大生物といっても、発見するのは難しいな」
そのとき当直員から報告の声が上がった。
「目標、プス・サイギツムらしきものを視認しました!」
「うむ」
艦長もゆっくりと双眼鏡を眼に当てる。

「いよいよ大海の大怪獣 プス・サイギツムとご対面か!」
「恐怖の海の害獣、プス・サイギツム!」
「血も凍る海の殺戮者、プス・サイギツム!」
「あれがプス・サイギツム…?」
艦長の眉間にしわがよるのが見えた。

782 名前: 仮題 ◆7ekwL0V8mo 04/02/02 00:43 ID:???

海上自衛隊第101護衛隊はいよいよ目標に近づきつつあった。

「あれが…プス・サイギツム?」
「え、あれが海の大怪獣プス・サイギツムだって?」
「司令!あれがプス・サイギツムですか?」
艦橋は妙にざわついてきた。
艦長が一つ、咳払いをしてからおもむろに口を開いた。
「司令。その、本職には、あれは…」
「私にも見えてるよ、艦長」
司令の返答は、待ちにまっていた相手を目の前にしていると
いうのに妙に静かだった。

恐怖の海の大怪獣、プス・サイギツム!

それは巨大なくらげだった。


990 名前: 仮題 ◆7ekwL0V8mo 04/02/04 02:01 ID:???

海上自衛隊第101護衛隊の首脳部はようやく衝撃から立ち直りつつあった。

ロランもGPSも使えぬ未知なる海をはるばると来てみれば、
待ち構えていたのは大くらげ。
司令以下、やる気を大幅に減じたのは止むを得まい。

だが。
プス・サイギツムこと大くらげを客観的に見てみると
これはこれで化け物と呼んでもおかしくはない代物ではあった。
地球にはこれだけでかいくらげは存在しない。
奴の大きさは、海面に出ている所だけでもこの船より
少し小さいぐらい、ということは直径100mは越えているだろう。
鋼鉄の護衛艦の上から見ていても青みがかった乳白色の物体が
海上からこんもり盛り上がっている様は、正直気色が悪い

991 名前: 仮題 ◆7ekwL0V8mo 04/02/04 02:03 ID:???

「この世界の木造船の甲板はあれより低いでしょう。
至近距離で見たドンゴワナ人が、得体の知れない怪物と思って怯えるのは
判らなくもありません」
「ううむ」
「ところで司令、どうします?」
「どうって、何をだ?」
「極私的な意見を言わせて頂ければ」
「いただければ?」
「今すぐ敵前大回頭して帰りたいです」
「そうはいかんだろう」
「戦うんですか?あれと?」
「仕方がない、ここまでそのつもりで来たんだからな」
「くらげと、そのう、本気で?」
「あいつを退治するとクランボーと約束した以上、やむをえん」
司令は物凄く嫌そうな口調でその名を口にした。
「とにかく、約束は果たさねばらならん。あのプス・サイギツムを攻撃する」
「…了解しました。ところで司令。
 プス・サイギツムの攻撃、というか、退治方法ですが」
「退治方法?」
「どうやって攻撃すべきでしょうか」

992 名前: 仮題 ◆7ekwL0V8mo 04/02/04 02:05 ID:???

海上自衛隊第101護衛隊の首脳部は当惑していた。

「どうやってって…」
海上自衛隊、いや全世界のいずこの海軍が、
くらげ相手の海戦を想定しているであろうか。
我々は、人類の戦史上初めての戦闘に直面していたのである。

「あのプス・サイギツムですが、おそらくカツオノエボシの
仲間ではないかと推測されます」
当直員が艦の図書室から引っ張り出したと思われる
『図鑑・水の生き物』
より「くらげ」のページを指しながら報告した。
「確かに似ている」
艦長は上から図鑑を覗き込みながら言った。

993 名前: 仮題 ◆7ekwL0V8mo 04/02/04 02:06 ID:???

■カツオノエボシ
「烏帽子のような形をした浮き袋の下に、
数メートルにも達する青く長い触手があり、
一見、青っぽいビニール袋に似ている。
南方系のクラゲで、本州の太平洋岸に
カツオが到来する頃に、海流に乗って
南海からやってくる。
長い触手には魚などを捕らえて食べるための
強烈な毒を備えた刺胞があり、ヒトにとっても
毒が強く危険なクラゲである。
刺されると電撃を受けたような激痛が走ることから
「電気クラゲ」の異名がある。
浜に打ち上げられた個体でも刺胞が生きていて
刺されることがあるので、触ってはいけない」

「毒を持っているとは物騒なくらげだな」
「カツオノエボシへの攻撃方法について、何か書いてないか?」
当直員はしばらく真剣な顔で図鑑を探していたが、
「…のっておりません」
しばらくすると残念そうな表情で報告した。
「仕方がない、正攻法で行こう」
司令があきらめ口調で指示を出した。


548 名前: 仮題 ◆7ekwL0V8mo 04/02/06 02:47 ID:???

人の迷惑顧みず、こっそり投稿いたします。

おとぼけ自衛隊がお気に召さない方は、
お手数ですがスルーをお願いいたします。

======================================================
海上自衛隊第101護衛隊は苦戦していた。

最初に打ち込まれたのは「つがる」の20mm機関砲だった。
猛烈な発射音ととともに曳航弾がプス・サイギツムに叩き込まれた。
青白い体から飛沫のようなものが上がった。
が、プス・サイギツムの巨体には殆ど影響がないように見える。
「撃ち方、止め!」

続いて、「つがる」の76mm砲がプス・サイギツムに照準を合わせる。
「撃て!」
命令一下発射された弾は、見事ど真ん中に命中した。

すぽん。

そんな形容をしたくなるぐらい、見事に何も起きなかった。
命中した弾丸はプス・サイギツムの体に吸い込まれただけで
炸裂しなかったのだ。

549 名前: 仮題 ◆7ekwL0V8mo 04/02/06 02:50 ID:???

『図鑑・水の生き物』の記載によると、くらげの体は
大半がゼラチン質で出来ている。
つまりは巨大なゼリーに向かって機関砲や大砲だのを
撃ち込んではみたものの、あまり有効ではなかったらしい。

「効果なし、か」
艦長は双眼鏡をのぞきながら顔をしかめた」
「司令。次はどうします?アスロックか、それとも魚雷を使いますか?」
「止めよう」
司令は直ちに否定した。
「あれが相手じゃ、信管がまともに動作するかわからん。
例え効果があったとしても、勿体なさすぎる」

550 名前: 仮題 ◆7ekwL0V8mo 04/02/06 02:52 ID:???

海上自衛隊第101護衛隊の戦闘は膠着状態に陥っていた。

機関砲はだめ、主砲もだめ、ミサイルはもったいなくて使えない。
偉そうにふよふよと浮いているプス・サイギツムを見ながら
司令はぼやいた。
「くらげ相手にここまで苦戦するとは、なぁ」

一方そのころ。
二番艦「とうや」の艦橋では艦長と航海長が双眼鏡で
プス・サイギツムを眺めながら会話を交わしていた。
「しかし反撃してこんな」
「そりゃそうでしょう。くらげだし」
「ガンディーが見たら喜ぶだろうな」
「はい?」
「敵の攻撃に対して一切反撃せずにひたすら耐え、
しかもなお自らを失わぬ。
非暴力・不服従を体現してるじゃないか」
「そうでしょうか」
航海長の返答は、できうる限りだけ感情を表さないよう配慮したものだった。
「何をもってくらげの反撃とするか、本官にはわかりませんが」
「私にだって判らん」

だがその時、プス・サイギツムは反撃の準備を整えていたのだった。
…異世界でもガンディーの理想を実現するのは困難であるらしい。


553 名前: 仮題 ◆7ekwL0V8mo 04/02/06 02:55 ID:???

「もう少し接近して、やつの様子を見てみるか?」
「いや、下手に近づかん方がいいでしょう。
さっきの図鑑にもありましたが、カツオノエボシは長い触手を持ち、
その触手には強力な毒があります」
「毒?」
「はい。人間でも刺されると最悪の場合死に至る事があるそうです」
「待て、艦長!奴の毒は触手にあるんだな?」
「はい、正確にいうと…」
「うすしおに連絡しろ!」

================================================================

ところで、航行中の護衛艦は潜行中の潜水艦と連絡ってとれるのでしょうか。
とれなかったら「うすしお」ちょっとピンチかも。


47 名前: 仮題 ◆Qv6ztbH1IY 04/02/14 19:38 ID:???

新スレ記念にSS投稿いたします。

例によってズッコケ自衛隊は好みではない方や
ええ加減な描写が許しがたい諸氏は
お手数ですがスルーをお願いいたします。

===============================================
「こちら「つがる」。「うすしお」応答せよ」
「こちら「うすしお」」
「気をつけろ、今プス・サイギツムは貴艦の直上にいるぞ」
「プス・サイギツムを発見したのか!奴は一体どんな化け物なんだ?」
「奴の正体は…その、何だ」
「?」
「奴の正体は、くらげだ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

返事が返ってくるまで、たっぷり30秒は経過した。
「くらげと言うと、あの、海に浮かんでいるまるまっちぃ水棲生物か?」
「そうだよ、そのくらげだよ。中華料理の素材に使われてるくらげだよ」
「待ってくれ。」
「うすしお」通信士の声には、不審と困惑が絶妙にブレンドされていた。
「我々は、くらげを退治しにここまで来たのか?!」
「結果的には、そういう事になるわな。」
返答は、表現にしがたい感慨に満ち満ちていた。


50 名前: 仮題 ◆Qv6ztbH1IY 04/02/14 19:39 ID:???

「それにしてもくらげかよ…」
「ただ、並みのくらげじゃない」
「空でも飛んでるのか?」
「違う!くらげが空を飛べる訳がないだろう」
「それじゃ何だ。」
「大くらげだ。」
「大くらげ!?そんなもん、日本の近海にだってたくさんいるぞ。
わざわざ俺達が出張ってくるほどのもんじゃないだろう」
「でかいと言っても1mや2mじゃあない。」
「ほう、してサイズは如何ほど?」
「そうだな、ざっと見で傘の直径が100mぐらいある」
「100m!?見間違えと違うのか?」
「こっちもそう思いたいんだが。目の前を遊弋している以上無視もできん。」
「すまん。まだちょっと信じられない」
「しょうがないな。しかし、何かとてつもない生物がいるのだけは確かだぞ」
「…とりあえず、了解した。」
「それと、司令からの伝言だ。奴は、おそらくカツオノエボシの
仲間と思われる。有毒な触手を持ってる危険なくらげにつき、
十分警戒されたし。以上だ」

52 名前: 仮題 ◆Qv6ztbH1IY 04/02/14 19:40 ID:???

「つがる」との通信を終了した通信員は、「うすしお」艦長に報告した。
「艦長、くらげがいるそうです」
「そうか。それでプス・サイギツムは見つかったのか?」
「プス・サイギツムがくらげなんです」
艦橋は大きく息を吸い込んだ。
「もう一度、頼む」
「「つがる」からの連絡によると、プス・サイギツムの正体は
全長100mはある大くらげ、だそうであります」
「くらげが100mでプス・サイギツムなのか?」
「ですから100mある大くらげがプス・サイギツムだということです」
・・・ ・・・ ・・・ 

「結局、「つがる」はどうしろと言ってきたんだ?」
「十分警戒されたし、とのことです」
「判った」
とは言ったものの、艦長は納得していなかった。
(くらげがどうやって攻撃してくるというんだ。馬鹿馬鹿しい)

ところがまさにその時、プス・サイギツムの魔手が「うすしお」に
襲いかかろうとしていたのだった。

53 名前: 仮題 ◆Qv6ztbH1IY 04/02/14 19:42 ID:???

水測員の声が上がった。
「艦の左舷上方500mより、接近してくる物体があります。」
発令所に緊張が走る。
「大きさは?」
「全長は100mを越えています。」
「形は?」
「紐のような形状をしています。」
「ひも?」
艦長は即座に命令を下した。
「速度増速、面舵!」

味方と判断できるもの以外は近づけない。
それは潜水艦の行動の鉄則である。

「物体、なおも接近中。」
===============================================

今回は以上でございます。
次回いよいよ「うすしお」とプス・サイギツムの激闘!?


250 名前: 仮題 ◆Qv6ztbH1IY 04/02/21 14:10 ID:???

「ということで、本艦には被害は全くない。安心されたし」
「了解。それは良かった」

「うすしお」の無事を確認した「つがる」の艦橋では、
司令と艦長がため息をついていた。

「しかし阿呆なくらげだな。餌じゃないと判ったらとっとと離せばいいものを」
「しょせんくらげの浅知恵か、それともプス・サイギツムなりの意地なのか…」

何にせよ、くらげの心を人間が図るのは無理というものである。
とにかくプス・サイギツムは「うすしお」に巻きつけた触手を
外そうとしない。

「害がないといっても、これ以上触手にまとわりつかれているのも嬉しくない。
よって、これより奴を引っぺがすべく増速する。以上」

251 名前: 仮題 ◆Qv6ztbH1IY 04/02/21 14:11 ID:???

一方そのころ。
輸送船「せいかん」は、三隻の護衛艦より2海里ほど離れた海域を航行中だった。

甲板では、
「護衛艦隊はプス・サイギツムと遭遇したらしい」
「プス・サイギツムの正体は一体何なんですかね?
海蛇?クラーケン?それとも甲冑魚?」
「くらげだとさ」
「くらげ?」
「くらげだよ。さっき「つがる」から通信が入ったそうだ」
「またまた。僕をからかうつもりですか」
「とんでもない。ほれ、見てみろ」
「え!?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「こちら、「せいかん」。本艦に巨大な物体が接近中!」
「そっちにいったか。奴が大怪獣プス・サイギツムだ」
「確かに先ほどの連絡通りの姿をしてます、が、しかし…」
「まあ、あまり心配するな。くらげだし」
「しかし、くらげにあるまじき、物凄い速度で移動してるんだが!」

白波を蹴立てて迫り来るプス・サイギツム。
それはプス・サイギツムの脅威の能力、ウォータージェット推進の術!

252 名前: 仮題 ◆Qv6ztbH1IY 04/02/21 14:13 ID:???

いう訳では別にない。
単に海面下を走る「うすしお」に引きずりまわされているだけなのだが、
そうとは知らない「せいかん」は慌てふためいた。

「どう見てもあれは普通のくらげじゃない。
衝突でもされたらえらい事だぞ」
「せいかん」艦長が機関砲の準備を命令しようとした時だった。

プス・サイギツムは大きく弧を描きながら右に旋回を始めた。
「せいかん」の前に、白く綺麗なウェーキが描かれる。

目の前で回れ右して去っていく巨大くらげを見ながら、
「せいかん」乗組員は唖然としていた。
「何なんだ、ありゃ」

253 名前: 仮題 ◆Qv6ztbH1IY 04/02/21 14:16 ID:???

「奴め、意外にしつこいです」
ぐるっと廻って元の海域に戻ってきた「うすしお」は
「つがる」と交信を再開した。

「ご苦労」
司令は苦笑した。
「いっそのこと、そいつをそのまま引っ張っていってくれんか?」
「ええっ?」
「こいつがプス・サイギツムでございと見せ付けてやれば、
クランボーも文句はいえんだろう、それに」
司令は声を低めた。
「ドンゴワナ人に、これ以上当てにされても困る。
始末はドンゴワナ人に任せることができれば、こちらとしても好ましい」
「確かに。しかし・・・」
「うすしお」艦長はしばらく考え込んだが、やがて残念そうな声で返答した。
「本艦の残燃料から換算しますと、プス・サイギツムをずっと
牽引していくのは困難です」
「そうだな、それがあった。了解した」
司令はため息をつくと交信を終了した。

「燃料、か」
===============================================

今回は以上でございます。




679 名前: 帝都攻略戦 04/01/19 02:25 ID:???

キイィィィィーーーーーーン

闇夜の中、空母型護衛艦(16DDH)がベースとなる自衛隊初のSTOVL運用改良型軽空母から次々と爆装したF-35が飛び立っていった。
それらの飛び立っていった先には東京ほどではないが光があふれており、大きな港がある街だった。
そう、この世界において日本と戦争をしている国であり大陸を征服しようとしている軍事国家、帝国の首都だ。
あの事件、『魔法都市ネリェントス市街戦』から日本という国は良くも悪くも大きく変わった。
共産党や左翼団体、そして民衆の政府への批判や反戦デモの気運が高まる中、ある時期総理大臣候補である議員の演説が引き金だった。


680 名前: 帝都攻略戦 04/01/19 02:26 ID:???

「あなたたちの事なかれ主義と状況を見ようとしない視野の狭さ、自分に危害がかからなければどうでもいい国民達、本当に今置かれている状況を理解した上でこのようなことを言っているのですか!?
我が国は民主国家だ、このような事態を生み起こした責任はあなた方にこそありえるのですよ!
我々がこうして安全にいられるのだって自衛隊の隊員が必死に戦っているからだというのに・・・・・・恥ずかしくないのですか!!!
それだけじゃない、この国に入ってくる資源だって自衛隊が輸送しているのを護衛しているからこそ供給されている!
だからこそ、今でも生活水準が守られているのです!それなのに誰もそれを理解しようともせずに・・・ハッキリと言わせてもらう!!!!!!!!!!
貴様達のそのような考えが、日本を滅ぼそうとしているという事がわからんのか!平和平和というが・・・いいか、世の中そんなに甘くできてなんていない!
平和なんていうのは口で言っているだけで成り立つほど簡単なものじゃない!そして今の政府も国民も馬鹿だった。だからこんな事が起こりこれだけの犠牲者が出た!
こうなったたのは、貴様らのその無定見さが原因ではないか!いいか、第一こんな重大事件を察知できなかっただけで、その無定見さを暴露している事がわからんのか!
マスコミは自衛隊の制止を聞かずに敵地に取材に行って勝手に惨殺された女性カメラマンのときは英雄扱い、しかし死んだ彼女を救出に行って二人機動隊員が負傷、
一人は今でも重態だというのにそれにはまったく触れていない・・・これではあんまりではないか!!!!!!!自分の事を棚に上げ、現場の苦労すら知らずに自衛隊に

『行くには行け、死んでも見向きはしないからね。平和のために散った勇気あるジャーナリストは賞賛するけど自衛隊の人たちには敬意を払うつもりはないからね』

と好き放題な事を言っているにも等しいのだぞ!!!勝手な事を言うのもいい加減にしろ!!!!!!!!!!!」


681 名前: 帝都攻略戦 04/01/19 02:29 ID:???

この演説の後、反戦団体は新政権の調査の結果、帝国側に勝手に情報を流していた事が明らかとなりほとんどが解体、メンバーも逮捕されることとなった。
うるさいマスコミも視聴率稼ぎのために自衛隊が虐殺を行ったニュースを勝手に捏造した事が明らかとなり沈静化、国民も堪忍袋の緒が切れた政府を恐れて静かになる。
最も最初はデモなども起こったが、政府による帝国側が行った残虐非道な行為の放送を連日見せられた挙句の果てに、間接的にこの責任は国民にもあると言われ反論できなくなる。
また自衛隊に保護されたエルフの女性が討論番組に自主的に出演、
「自衛隊の人たちのおかげで私達は助かりました。なのに自分たちの事は棚に上げて彼らの苦しみも知らずに人殺し呼ばわりする国民さん達・・・そういうあなた達は私達に対して一体何をしてくれたのですか?」
と指摘される。
こうして新政権は自衛隊兵器のコスト削減案と大規模な兵器工場建設を実行に移す。
そして最後は戦争に関する法律の改正(後に憲法第九条も改正され自衛隊は日本国防軍となる)だった。
なお肝心の資源の問題に関しては反帝国同盟に、「帝国への首都を直接叩く作戦を行うために協力してほしい」と要請、これには兵器製造のための必要な資源の優先輸出も含まれていた。
政府は同盟各国首脳を東京へ招集、そこで詳しい作戦内容を説明。

682 名前: 帝都攻略戦 04/01/19 02:31 ID:???

作戦の内容は
『同盟軍が大規模な陽動作戦により帝国軍をかく乱、敵首都が海岸線にあるのを最大限に利用、その隙に自衛隊の精鋭部隊が海上から艦隊及び上陸部隊によって深夜、帝都に奇襲攻撃をかけます。
最初に空母の艦載機の空爆及び護衛艦の砲撃による重要拠点の破壊、次に戦闘ヘリと輸送ヘリの兵による上陸拠点の確保、最後に上陸部隊による帝都の完全制圧です』
これには自衛隊の兵器の凄まじさを知っている同盟側も納得し早速作戦のためにも戦力の建て直しがが始まった。
部隊の再編及び軍備が整うまで自衛隊では魔法の対策が講じられる。
これには帝国軍によって蛮族と蔑まれ故郷を焼かれ、自衛隊に保護されたエルフの一族が全面的に協力をしてくれた。
また非公式ながらも機動強襲軍というアメリカで言えば海兵隊のような、陸海空の精鋭によって構成された実行部隊組織を発足、これは有事における初動作戦の他警察の手に負えないテロリズムに対応するための組織であり攻略作戦の際には早速投入されることとなった。
エルフやドワーフなども一部の自衛官が既にわずかではあるが現地で採用しており主にドワーフは整備士として、エルフは魔法の対策アドバイザーとしてそれぞれ活躍していた。
こうして着々と日本の戦力は整えられていった。
新型の13500t空母型護衛艦(最近計画中16DDH)のSTOVL運用改良型には米軍の開発段階にあった(日本にたまたまあった試作機を量産した)F-35を搭載。
また同タイプの艦に配備が進んでいたオスプレイや戦闘ヘリを搭載。
64式小銃は回収、工場で生産された89式小銃が全兵士に行き渡り、物資の補給も完了。
拳銃のほうも装弾数15発タイプの新型の開発、量産が開始され、一部が機動強襲軍にも配備される。
そしていよいよ補給が完了した護衛艦、F-35やヘリを搭載した空母型護衛艦、完全武装した兵士を満載した輸送艦多数によって編成された自衛隊艦隊は帝都攻略のために進撃を開始した。
帝国は気がついていなかった・・・・・・自分達のやった行為が日本という名の眠れる獅子を覚ましてしまったことを・・・・・・・・・・・・。


869 名前: 帝都攻略戦 04/01/22 11:01 ID:???

『こちら黄色い13、目的地に到達、黄色い4、間違いないか』
『こちら黄色い4。同盟軍の情報どうりです、間違いありません』

異世界の帝国軍から見れば恐るべきスピードをもつ航空機群、F-35が帝都上空に襲来しつつあった。
帝都の主要施設を破壊するために・・・。

(帝国に故郷を焼かれて自衛隊に助けられ、隊長に出会って初めて空を飛んで・・・この短い間に色々あったな・・・・・・)

黒い肌に尖った耳、そうして整った美しい顔に銀髪、彼女こと黄色い4と呼ばれた機体のパイロットは日本人ではなくダークエルフと呼ばれる種族であった。
彼女の故郷はこの世界から見てもかなり異端と言えた。
何故ならその里ではホワイトエルフもダークエルフも共に敵対せずに暮らしていたからである。



871 名前: 帝都攻略戦 04/01/22 11:02 ID:???

もともとエルフという種族はダーク、ホワイトに関係なく大抵は外界との交流を絶った上で森から一生出ずに暮らし、そしてお互いを敵対存在とみなしているのが普通だ。
また普通エルフといえば長寿と一般的に言われているがそれは生殖能力を代償、または森とリンク(契約といった形で)することによって成り立っている。
しかし外界とある程度交流しているエルフにはそれが当てはまるとはいえない。
なぜかというと木がゆっくりと成長するように森の生活は天災などが起こらない限りに大規模な変化は起こらない。
そのためか未開の地に生きているエルフは一生外界に出ることはなく性欲もほとんどなく寿命も長い。
しかし森と比べると外界ははるかに危険に満ちておりいつ死ぬかわからない。
そのため種を残すためにも生物の環境適応能力の一環なのか、高い魔力はそのままで生殖能力が向上し代わりに寿命が短くなり人間とほぼ同じになる。
つまりエルフは森と契約したうえでその狭い領域で生きているからこそ長寿でいられ、生存領域が広がれば生殖能力が高くなり寿命が縮むという。


872 名前: 帝都攻略戦 04/01/22 11:03 ID:???

彼女達の一族はこの対立構造と閉鎖的状況をよしとはせずに随分と昔からこの二つの種族の融和を時間をかけて成し遂げていた。
それだけでなく外界との交流も盛んに行いその地で栽培できる特別な薬草で薬を作って売り、その資金で里を守るためにドワーフの武器を購入し武力を整えたり、また他国の情報を積極的に集めて外交を行うことでその地の独立を維持し続けていた。
それゆえにこの一族はその特異性故に帝国に目をつけられ帝国は自分の勢力に加えこもうとした。
しかし彼らはそれを断り中立性を維持し続けた。
結果的に彼らは帝国の怒りを買い滅ぼされることとなる。
この殲滅戦の際には密かに一部のダークエルフやホワイトエルフも関わっていた。
彼らからすれば大体的に人間と必要以上に交流しているという点はともかく互いの共存などを掲げるなどまだ一部を除いて異端の考えでしかなく、しかも排他的及び選民的思想もあって目障りこの上なかった。
彼女の一族は里を守るためにも必死に抵抗したが帝国軍の数はあまりにも膨大であった。
結果里は完全に焼き払われ男達は全滅、ダークエルフの彼女の唯一の肉親でもある父親も戦死、生き残ったのは女子供達だけという有様だった。
そしてその生き残ったエルフ達も追撃部隊によって絶体絶命の危機に陥る。
その時今度は母親が彼女をかばって死んでしまう。
彼女にも命の危機が迫る、だが危機一髪のところを自衛隊のヘリ部隊の攻撃によって何とか助かったのだった。
その時彼女は初めて目にする空を飛ぶ兵器に目を奪われ航空自衛隊に入り空を飛ぶ力を手にしようとした。
大切なもの、生き残った一族を守る為にも・・・・・・。


873 名前: 帝都攻略戦 04/01/22 11:04 ID:???

しかしパイロットになる過程においての初めての経験、まったく未知の分野を学ぶ苦労は並大抵ではなく挫折しそうになる。
くじけそうになった時、彼女は1人の若いF-15パイロットに出会った。
彼と話しているうちに彼は若手のエースであり家族をネリェントスの事件で失ったということを知る。お互い大切な家族を失った似た者同士だからだろうか・・・その過程において二人は自然に惹かれあい、彼の手助けのためもあってか彼女は異例の速さでパイロットとなる。
この初めて音速で空を飛んだことは彼女にとって永遠に忘れられないこととなるだろう。
また彼に豆腐という食物を教えてもらいそれは彼女の好物となった。
そして二人はとうとうある夜に・・・・・・。
その後非公式ながらも機動強襲軍が発足、彼と彼女はそこに引き抜かれることとなる。
彼は「黄色い13」、彼女は「黄色い4」という名称を与えられ彼の部下となった。


874 名前: 帝都攻略戦 04/01/22 11:05 ID:???

(それから私は公私ともども隊長のパートナーとなり今帝国に引導を渡そうとしいている・・・・・・)

その彼女の回想も敬愛し愛する隊長「黄色い13」の言葉によって現実に戻された。

『予定どうり目標を破壊、帝都制圧を完遂させる為にも障害は全力で排除せよ。各機、我に続け!』
『「了解!」』

これが最初の機動強襲軍、空中機動隊の精鋭、「黄色中隊」の初の出陣だった。


47 名前: 名無し4等兵 03/08/31 01:15 ID:???

『・・・第2歩兵連隊より戦闘団司令部へ!目標地点のコブリン集落の制圧に成功!これより残的掃討に入る!おくれ!』
『機甲第一大隊より戦闘団司令部。戦車3台が戦闘不能に陥るものの敵岩人形約40の撃破に成功。追撃許可を求む。』
『司令部より第1歩兵連隊へ、ヘリの報告ではその集落の北400に石炭鉱山が存在する。ハーフエルフの集落の防御に2個中隊を残し前進せよ。』

「圧倒的だな・・我が軍は・・・」
周囲を見下ろす高地の上に戦闘団本部を移した秋山一佐は戦場を見下ろしながら呟く。
はるか彼方の森林に薄っすらと連続した閃光が走り、やや遅れた形となって爆音が断続的に聞こえてくる。
多数の155mm榴弾砲と120mm迫撃砲の複合砲撃である。その凄まじさたるや6キロ後方の師団本部にまで振動が伝わっきていそうな程だった。
一体あの砲火の下で一体どれほどのコブリンやホワイトエルフが死んでいるのだろうか。
「奴らも資源調査隊を襲いさえしなければ、もう少し長生きできたでしょうに・・・」
情報参謀の堀三佐が望遠鏡を覗き込みながらそう呟く。
「なに。所詮は奴らは異民族だ。いずれは戦わざるを得なかったんだよ。」
作戦参謀の瀬川二佐が地図の上の重要拠点の印を指先でなぞりつつそう答える。
その顔は自分が立てた作戦が大成功に終わりつつある事に満足しているのか、笑顔である。
「一佐。臨時防衛庁より暗号電文です。
 『本作戦終了後、秋山一佐の第2戦闘団は歩兵、戦車各一個大隊および補給大隊を残し警備に残し第4師団制圧下のバークレー(地名)へ迎え。
 命令書は追って送る。』
 との事です。」
本部通信中隊の隊員がわざわざ暗号化された無線文を手に秋山にそう報告する。


66 名前: 名無し四等兵 03/09/02 23:31 ID:???

「お疲れ様です戦闘団長。どうでした?フランクスの皇太子とお会いになったと聞いておりますが。」
駐屯地に到着した秋山一佐を本部宿舎玄関で出迎えた瀬川二佐が尋ねる。
屋内からの光が逆光になって誰だかわからず、一瞬秋山は声をかけてきた瀬川の顔を目を凝らすようにしてじろじろと眺めてしまった
「・・戦闘団長?私の顔に何か・・?」
じろじろと眺められた瀬川が困惑しながら秋山に尋ねる。
再びその声を聞いてやっと秋山は声をかけて来た相手が誰であったのかを理解した。
「瀬川二佐か?すまんすまん。急に明るい所に来たものだからな 逆光で一瞬誰だか判らなかったんだ。」
そう言いながら秋山は室内に入っていく。瀬川も納得したと言うふうに軽く頭を上下した後、司令部を案内する。
外見は質素極まりないが、所々に置かれている家具がこの本部宿舎の元の持ち主の趣味がよかった事を示していた。
「ところで戦闘団長。先ほどもお聞きしましたがフランクスの皇太子はどのような人物ですか?」
歩きながらふたたび瀬川が秋山に尋ねる。
「おおそうだったな。武人には見えん、まるで女の子のような皇太子だったよ。」
「はあ・・。女の子のような・・ですか。」
「うむ。護衛兵も女ばかりで編成されていた。あれで本当に皇太子を護衛できるか心配だが・・・」

67 名前: 名無し四等兵 03/09/02 23:33 ID:???

そうこう話している内に案内先にたどり着いてしまう。
「こちらの部屋をお使いください。この屋敷の元持ち主の部屋だそうです。」
「そうか。ありがとう。少し広すぎる気がするが・・ありがたく使わせてもらうよ。
 あと、通信部隊をすぐ隣に配置しておいてくれ。一応ここも最前線だからな。」
斎藤が部屋の中に秋山の荷物を運び込んでいくのを片目に秋山が瀬川に指示を出す。
何かあったときにすぐに反応できる司令部、『司令部は眠らない』が彼のモットーだった。
「承知しております。先ほど堀三佐がそのように指示しておりました。」
「そうか。所でその堀三佐の姿が見当たらないが・・彼は如何したのかね?」
秋山が辺りを見渡して瀬川に尋ねた。すぐ近くにある通信室や司令室にも姿を見せていなかった。
「は。彼は先ほど『情報収集に行って来ます』と言い残して島内の視察に向かいました。」
「なるほど。仕事熱心なことだ。」

68 名前: 名無し四等兵 03/09/02 23:34 ID:???

そこから6キロ離れたフランクス軍陣地近くの高地にて

「こちらです。堀三佐殿。フランクス軍の駐屯地がおもしろいほど丸見えです。」
先行していた偵察班の隊員が堀のところに現れ、観測拠点に案内する。
「ありがとう三曹。フランクス軍の様子はどうかね?」
ライトをつけないで徐行して観測拠点にたどり着いた堀は小型トラックから降りて偵察班の隊員に尋ねる
「は。連中、なっちゃいません。この第一陣地は警備が2000人規模の陣地なのに百人以下の警備しかいません。
 食糧庫や装備庫の配置も拙いです。奇襲を受けたら武器を装備できないままやられるでしょう。
 それに指揮官がいるところが丸分かりです。あの一番大きなテントです。ご覧になりますか?」
そう言って偵察班の小隊長が暗視装置つきの双眼鏡の前蓋を外し堀に差し出した。
「ありがとう三曹」
そう言って望遠鏡を受け取り陣地を覗き込む。確かに司令部場所が一目瞭然である。
双眼鏡の倍率を更に上げていく。金髪の美少年が軍服らしき服を着込んで何事か集まった指揮官らしき人物達に何事か指示している。
おそらく恐らくあの少年が皇太子辺りだろう。そう当りをつけておいて偵察を続ける。
周りの近衛兵らしき兵士達は比較的真面目に警備についているが、少し離れた警備兵達は欠伸半分で歩哨に立っていた。
それを見て堀はあきれるのと同時に彼の中にあった不安が一つ消滅するのを感じた。
(連中が外務省に泣きついたと言うのは本当らしいな。これなら裏切ると言う事もあるまい)
彼自身としては、この訓練とやらが欺瞞工作でこの島を占領しに来たのではないかという疑問もあったのだが、あまりに力の入っていない陣地を見て安心した。
「ふむ。別に怪しい兆候も無し・・・だな。よろしい。三曹。引き続き偵察任務を続け陣地に何か動きがあるたび連絡してくれ」
そう呟いたあともしばらく陣地を見渡したが兆候は見つからず堀は双眼鏡を三曹に返し指示を出しながら小型トラックに乗り込んだ。
「は。了解しました。」
双眼鏡を片手に抱えたままの三曹の敬礼に答礼を返した堀は、来た時と同じく無灯火で再び駐屯地目指して帰っていった。

69 名前: 名無し四等兵 03/09/02 23:37 ID:???

同時刻。フランクス軍陣地
「姫、先ほど挨拶にまいられた秋山騎士団長の所の幕僚が偵察を終え、帰還する模様です。」
水晶を覗き込んで遠視を行なっていた偵察魔術師がそう報告する。
前もってこの陣地を偵察しやすそうな場所に偵察隊を送り監視カメラ代わりに偵察水晶を置いて来させておいたのであった。
「そうですか。やはりこちらを秋山将軍も此方を完全に信用・・と言う訳には行かなかったようですね。
 で、どのような様子でした?この陣地を見てこちらが裏切る気があるように見えるとは思いませんが。」
姫と呼ばれた女性が苦笑しながら作戦地図を広げてあるテーブルから魔術師のほうを振り返る。
「はい。『別に怪しい所は無し・・』とか言っていたので一応信用してくれたのだと思います。ただ、偵察部隊はその場に残して行きましたが・・・」
それを聞いた姫と呼ばれた人物の傍にいた老宰相が姫と呼ばれた人物に語りかける
「ほら姫、言った通りになったでしょう。所詮は外国軍です。信用する方が間違いなんですよ。
 私は連中の国の外交官の態度を見たときからわかっていたんです。」
それとなく、『それ見たことか!』というふうに胸をはりそう意見を述べた。
「あの態度のでかい二ホンの外交官のポケットに盗聴用の魔術符を忍び込ませて盗聴していたら敵国である蓬莱国とも交渉を続けている事が判明しましたしね」
別の宰相もそう述べた。よほどその様子が腹に据えかねたらしい。その瞳には怒りの色が浮かんでいた。
「あはは、、耳が痛いですね・・・しかし彼らの力を借りない事には祖国を取り返すことさえ出来ません。
 彼らが蓬莱国より私達が操りづらいと考えれば私たちを見捨てて蓬莱国と手を組むでしょう。
 ここは一つ、 彼らが操りやすい国家を演じる事でこちらを利用しようとしている日本の外交官の裏を書いて
 二ホンの秋山将軍の騎士団の知識や力、そしてその武器を存分に利用してやりましょう。」
姫と呼ばれた人物が演説口調でそうみなに告げた。周りの宰相たちや兵士達が首を縦に振った。
祖国を取り戻す為なら利用できる物は悪魔でも利用する。それが彼らの心情であった。

227 名前: 名無し四等兵 03/09/20 22:06 ID:???

>>69の続き〜

3週間後・・・
「・・このように、河川を渡河する場合の基本戦術は『敵に遠く川を渡る』事が基本だ。
 河川を渡河する際に敵部隊と遭遇した際、指揮官は即座に敵戦力の評価を行なわないといけない。
 一つ目は敵戦力はどの規模か? 次に敵火力はどの程度か?味方からどの程度の支援を受けられるのか?・・などだ。 
 この世界では青銅砲や散弾魔法とやらの火力が歩兵部隊レベルの最大の火力だが・・」
教壇の上に立った瀬川二佐の部下の三佐がホワイトボードに描かれた地形を指差しながら渡河作戦の難しさを説明していく。
各部隊の指揮官、つまり騎士クラスの身分の指揮官達がその説明を手元の羊皮紙に書きとめながら傾注する。
その中には明らかに人間でない者もいる。
頭が犬のコボルト族もいれば背中に生えた大きな翼が生えたフェザー族はパイプ椅子に堅苦しそうに座りながら説明に耳を傾けている。
この光景は自衛隊が彼らを訓練しだしてから2日ごとに観測できる光景であった。

「順調に士官の訓練も進んでいるようだな瀬川二佐。」
ジャングルの中に立てられた木製の校舎・・・というより寺小屋のような士官学校の中を視察してきた秋山が自身の作戦幕僚にそう話し掛ける。
「は。この調子ならあと1,2ヶ月で何処に出しても恥ずかしくないぐらいにまで彼らは成長してくれるでしょう。」
その瀬川の発言に、うんうんと満足げに頷いた秋山は窓際・・と言っても窓はなくただの枠があるだけの窓だがそこまで移動して外を眺めながら続ける。
屋外では体力強化の為の行軍から帰った指揮官とその部下達が整列して部隊長の観閲を受けていた。
それを見ながら秋山が最近の蓬莱軍の情勢を知らせた。
「ところで君に伝えておかないといけない事がある。
 偵察にでたハヤブサ(LR-2)がここから東に750kmのウェワクで敵船団が集結中なのを確認した。
 多数の輸送船と集積物資の量から相当数の兵と物資が集結しているのは間違いない」

230 名前: 名無し四等兵 03/09/20 22:50 ID:???

「堀君の考えでは、まず間違いないそうだ。船の数と集結物資の量から考えて数週間以内に上陸してくる模様だ。
 現在彼はレイ島の上空偵察写真から敵戦力の評価をしてもらっている。すぐに結果が出るだろう。
 すぐに君も戦闘団本部に戻ってもらう。すぐに用意してくれ。」
「解りました。所でこのことはフランクス軍に?」
瀬川二佐が席を立ち最低限必要な荷物を準備しながら秋山に尋ねる。もともと荷物を整理しておいたお陰もあってすぐに準備が完了する。
「もちろん伝令を走らせたよ。皇太子からもフランクス軍の指揮権もこちらに譲渡するようにすると連絡があった。」
斎藤を伴い玄関に向かって歩きながら秋山は瀬川の問いに答える。そして続けた。
「君はこれから本部に戻り堀君達と共同で3日以内に敵上陸地点の想定と反撃作戦を立て始めておいてくれ。
 わたしはこれから一度直接皇太子と会って話を詰めてくる。たのんだぞ。」
「は。任せておいてください」
秋山が皇太子に会いに行くのを敬礼で見送った後、瀬川も本部に向かうジープに乗り込んだのだった。


241 名前: 名無し四等兵 03/09/21 08:53 ID:???

防衛機密
第一(秋山)戦闘団司令官
 200X年××月○○日
 5部作成その第2号
    戦闘団作戦幕僚長官掌―伝達は将校によるべし
《リ号》攻勢訓令

<一般企図>
 蓬莱国及びその同盟国の態度は、陸上自衛隊をして攻勢をとるの止むなきに至らしめた。
故に本攻勢は、使用し得る限りの全戦力をもって遂行せらる。
 ギニア島北部に対する本攻勢の目的は、
ウェワク、マダソの各港湾都市を占領することによりギニア島北部に橋頭堡を築き
その後の速やかなる攻勢によって北西部及び東南部の資源地帯を占領し敵の補給線を遮断して
首都ポートレスビーに対する進撃路を確保し最終的にギニア島奪還する事にあり。
 しかしながら戦術としては海上における先制攻撃が禁じらた為、攻勢の初期に置いては
守勢を取り、敵上陸部隊を排除した後に攻勢に転じる事とする。

<軍隊区分及び各任務>
本攻撃は予の統一指揮下に第一戦闘団、フランクス軍、本島の守備に当る西部方面隊普通科連隊をもって実施せらるべく、
その最初の目的は、我がニューブリテン島に上陸を試みる強力な蓬莱軍の一部を上陸地点で撃破し、
さらに航空、海上自衛隊の協力のもと、敵船団に対する攻勢を試み、敵戦力を可能な限りニューブリテン島周辺で撃滅する事により
その強力な部隊をもって躊躇することなく攻撃を続行し、迅速にギニア島北部に橋頭堡を築くための前提条件を作為するにあり。
 これが為、第一戦闘団、フランクス軍、西部方面隊普通科連隊はニューブリテン島南部及び東部の上陸想定地点に企図を秘匿しつつ
敵上陸部隊を迎え撃つべく準備配置に付き、敵上陸に備えての陣地を構築し、戦闘団の戦車2個中隊及び第二普通科連隊を輸送船団に
搭乗させ、敵の退却と同時にマダソに橋頭堡を築くべく開進す。

242 名前: 名無し四等兵 03/09/21 12:33 ID:???

「・・・以上が本作戦の概要です。
 皇太子殿下には御身の安全の為、親衛隊、宰相たちと共に第四師団占領下のバークレーに避難していただきたく考えます。」
秋山一佐が皇太子に作戦の概要を説明する。
その説明が行なわれている司令部は人払いが行なわれ、皇太子とフランクス軍幹部数名と親衛護衛隊長だけが秋山の説明に聞き入っていた。
給仕の兵が退出する前に置いて行った人数分の紅茶らしき飲物からは既にゆげが消えかけていたが、まだ誰も手を伸ばしていなかった。
「もちろん皇太子用に最上級の宿を貸切、部屋も用意させました。警備体制の方も既に体制が整っています。ですので・・・」
すぐに移動してください。と秋山が続けようとした時、突然皇太子が彼の発言を遮り発言する。その目は真剣だった。
「秋山殿。その事について一つ頼みごとがあるんですが宜しいですか?」
「は。どうぞ皇太子」
秋山がその剣幕にやや驚きながら発言を続けるように促す。それに答えて皇太子も口を開いた。
「それでは秋山殿、実は私は秋山殿の騎士団、いえ戦闘団の戦闘をこの目で見てみたいのです。それも出来うるかぎり最前線の状況を」
「は。・・・しかしながら前線は危険であり皇太子の身の安全を保障できません。私としては皇太子には退避していただきたいのですが・・」
秋山が予想外の注文に驚きながら皇太子の視察に難色を示す。彼の身の安全を保障しきれないからである。
「・・・身の危険は解っています。しかし、私が、
 フランクス再興を目指す皇太子である私が後方に逃れていたのではフランクスの威信にかかわります
 国家を背負う皇太子たるもの、出来うる限り前線に近い位置にいなくてはならないのです。」
皇太子が胸の前で手を握り締め力説する。
「わかりました。しかしこちらにも1つ条件があります」
秋山が人差し指を立て強調しながら皇太子に条件を告げる。
「なんでしょう秋山殿?」
「皇太子の身の安全を守る為に常に私と行動を共にしていただきます。よろしいですか?」
秋山の最低条件だった。勝手に戦場をうろうろされては敵と間違えて射殺されるかも知れないからだ。


298 名前: 名無し四等兵 03/09/25 00:35 ID:???

>>242 の続き〜

「はい。喜んでご同行させてもらいます」
皇太子の側はその条件をあっさりと飲む。秋山にとってはそれが意外だった。
さては最初からこれが狙いだったか?そう秋山は思いつく。だがもう遅かった。
(まあ視界内に納めておけば無茶をさせずにすむだろう。)
そう考え秋山は頷き、やや満足げに皇太子に返答した。
「わかりました。私はこれで失礼しますが敵部隊が近海に到達次第、皇太子に迎えの者を越させます。
 ほかに何か必要な物があれば此方に連絡してください。」
「わかりました。そのときは宜しくお願いします。」
その後、秋山は皇太子たちに見送られつつ帰途に着いた。

・・・・・・・・・
一週間後、蓬莱軍の上陸船団はニューブリテン島の西端の海岸地帯に到達した。

その船団の先頭付近に蓬莱軍が誇る上陸支援艦、山桜は位置していた。
細身で極端に後方にマストが傾斜した船体は遠くから見ると旧日本海軍の駆逐艦に姿が似ていた。
この快速武装艦、此方の世界ならボルチモア・クリッパーと呼ばれる威容を誇る船体に分厚い軽金属の板を貼り付けて
突撃魚の突撃やシーサーペントの噛み付きに備えていた。
もちろん船体に鋼板を貼るのはこの世界では常識であり、外洋に出るためには必需の備えであった。

299 名前: 名無し四等兵 03/09/25 00:38 ID:???

その船体の中央部よりやや後方、そこに第二上陸部隊を指揮する将軍、牟打口が搭乗していた。
彼の任務は無事に上陸部隊を上陸させる事、そして中央部に向かう本隊に共同して西海岸全域を制圧する事であった。
「・・・偵察部隊の報告はどうか?」
船首に立って木製の上陸妨害物が山ほど置かれたこれから上陸する予定のステラニ海岸、
・・・自衛隊側の呼称で西部03海岸を望遠鏡で確かめながら牟打口将軍は隣に控えていた部下に尋ねた。
それに応じて部下が大きな魔道石に問い掛けると、
航空偵察部隊から『海岸線に数箇所、前哨らしきものを発見す』との返答がやや遅れて返って来た。
その報告に耳を傾けながら上陸ポイントの海岸を見ていた牟打口は突然森の中から次々と黄色い光が上がり
低空飛行をしていた有翼人数名が撃墜され生き残った偵察兵が慌てて上昇していくのが確認できた。
やや遅れて連続した爆発音がその森のほうからかすかに聞こえてきた。
悲鳴に近い声で偵察部隊が『我攻撃を受ける。ポイント〜〜』と報告して、慌てて引き返してくる。
「・・・やはり我々が此処に上陸する事は見抜かれていたようだな。」
牟打口はそう呟くと、望遠鏡から目を離し傍に控えていた作戦参謀の方に向き直り命令を出した。
「これよりマスケット作戦を開始する。
 先ほどの攻撃から沿岸部に敵の陣地がある物と考えられるが、元々本作戦は強行上陸作戦である。
 予定通り艦隊の全火力を集中して沿岸部を魔撃、砲撃して敵戦力を削らせ
 三十分後、歩兵の第三クワトロ連隊および魔術工作大隊を第一派として上陸させ上陸障害物を撤去させ
 ゴーレムを上陸させて一気に片をつける。宜しいか諸君。」
作戦参謀達が顎を上下に動かし其れを肯定する。其れを見た牟打口が満足げに頷き作戦開始の命令を出した。
「只今をもって本マスケット作戦を開始する!諸君らの奮闘を願う!」


360 名前: 名無し四等兵 03/09/29 20:51 ID:???

まあ面白いかどうかは見る人に任せるとして、更新>>299の続き〜

一方そのころ、沿岸部に生えている林の中に作られたジグザグ塹壕から400m海岸に伸びた連絡壕の
先頭の位置に、一週間前に出来たばかりの半地下トーチカの警戒用前哨があった。
そこには今にも攻撃してきそうな敵上陸船団の動きに備える為、小隊本部の隊員達が息を潜めて待ち構えていた。
もちろん中に入りきらない隊員達は外の塹壕の中で待機している。
彼らの前哨は海岸から100mに渡って続く砂浜からやや一段上がった自然堤防の上にある。
その眼前には前哨の手前50mの位置にある4歩2歩の間隔で張られた屋根型鉄条網の姿と
海側に向けて波間に斜めに突き刺さった多数の電柱のような木製上陸障害物の姿があった。
もちろんその先に慌しく動き出した上陸船団の姿もおぼろげに確認できる。
「小隊長。中隊本部から連絡です。『作戦通り敵が海岸に上陸してから30分防いだら前哨を放棄して後退しろ』だそうです」
無線機に耳を傾けていた隊員が小隊長の折原三尉に上層部からの命令を伝えた。
ちょうどその時、山桜の放った試射弾が間の抜けたような音を立てて飛んできて海岸のちょうど中央、有刺鉄線のすぐ近くで爆発する。
その衝撃で砂塵が数十メートル舞い上がり直径二メートルほどのクレータ―を作っていた。それを見た隊員達がどよめく。
だが折原三尉は動じることなくそれに応じ無線機を操作していた隊員に「中隊長に了解したと伝えてくれ。」と答えると
すぐに作戦地図を広げ各分隊長を集めてあらためて後退の順番と相互支援についての指示を出した。
「我々が後退を開始すると同時に航空自衛隊のF-4とF-2が対地爆撃と対艦攻撃を海岸に行う事が決定している。
 また負傷者がでた場合、出来るだけ早い段階で後送しろ。つれて帰れなくなるぞ。何か質問はあるか?」
各分隊長が何も言わないのを確認した折原三尉は改めて彼らに激を入れた。
「よし!なら蓬莱軍とやらの歓迎パーティーの始まりだ!たっぷりと鉛弾をプレゼントしてやれ!」
その言葉を聞いた分隊長が各自の任地に戻ると同時に、大量の光の矢の雨と砲丸のような丸々とした砲弾が彼らの陣地に降り注いだ。

361 名前: 名無し四等兵 03/09/29 20:52 ID:???

「戦闘団長。上陸の気配を見せていたもう片方の輸送船団の上陸が始まりました。予想通り西部の03海岸です。」
堀三佐が通信部隊からの報告を受けて戦闘団本部で作戦地図とにらみ合っていた秋山一佐に報告する。
その報告に従い瀬川二佐が上陸ポイントにプラスチック製の矢印をおいて進行方向を書き込んでゆく。
沿岸部の詳細地図には普通科一個大隊、戦車2個中隊などと書かれた模型が置かれている。
戦車中隊の模型の方はコンビニや玩具屋などで売られていたワールドタンクミュージアムの74式と90式であり、
これは情報参謀の堀三佐の私物であった。
それはさておき、海岸から1,5キロ離れた大隊本部周辺にはフランクス軍の騎兵隊と長弓射手、
あわせて1個大隊が総予備として置かれているのも確認できた。秋山のすぐ隣で皇太子もそれを覗き込む。
だが彼は自衛隊式の部隊表記が判らない為、一体どれぐらいの戦力が表示されているのかは判らなかった。
「そうか。・・よくわかった。現地を守備する橘三佐に念を押しておけ。
 作戦通り『ある程度、敵を上陸させてから本格的な反撃に入るように』とな。」
今回の作戦は上陸部隊の粉砕が目的である。
敵の本隊が上陸しない段階で反抗を開始したのでは蓬莱軍はこの地点への上陸を諦めて本隊との合流を図るかもしれない。
それでは敵の上陸を防ぐ事はできるが上陸部隊に大打撃を与える事は出来ない。
敵の第二陣で送られてくると考えられる敵主力が上陸を始めた時点で反抗作戦を行なう予定であった。
もちろん敵の主力が上陸してしまう為、上陸部隊の戦力は一気に膨れ上がるため反抗はやや難しくなる。
しかし敵は主力を上陸させてしまっている為、もはや後戻りは出来ない。
反抗部隊を押し返し完全な橋頭堡を築き上げるか、それとも海へ追い落とされて全滅または降伏するかであった。


866 名前: should be(800) 04/01/29 19:30 ID:???

逃げた。ひたすら走った。
何も見えない暗闇を、無我夢中で走った。
何処へ逃げるのか?何処から逃げるのか?
何も解らなかった。

暗い、灰色の空が見えた。
冷たくて生暖かい雨を気にする風でもなく、とにかく走った。
体が重い。疲れと体中の傷のせいだろうか?
それとも背負っているバッグと小銃が原因だろうか?
それすらも解らないまま、走り続けた。

…疲れた。もう足が動かない。
気が付くと、茶色い壁に寄りかかり、うずくまっていた。
ザー、ザーと止むことの無い雨が体温を奪ってゆく。
体が震える、歯がガチガチとなる。何も考えられなかった。

顔を隠す腕は、緑と茶色がまだら模様を描いている。
見覚えの無い服だ。脇に置かれたバックも、覚えの無い形をしている。

ザー、ザー、ザー。
雨は止まない。

…俺って、誰だっけ…。
思考が白いまま、目をつむった。

867 名前: should be(800) 04/01/29 19:31 ID:???

───目の前に広がるは、赤。
一面の赤に、人形が倒れていた。
人形は、頭に穴が開いていたり、胴体で分かれていたり、部分が損失していたりと、
ひどく不恰好だった。出来の悪い、人形だ。

俺の体は、赤が飛び散っている。
人形から跳ね返った赤だった。それはとても温かい。
その鼻をつく匂い、気持ちが悪い。

…向こうから、また人形がやってくる。
そんなにバラバラに壊されたいのか?
銃を向け、引き金を引き、30体目の人形をバラバラにした───


869 名前: should be(800) 04/01/29 19:33 ID:???

…で…か?

…あ…?何だ…?

…丈…ですか?

よく…聞こえねぇよ…寝かしてくれよ…明日は早朝訓練だっつーのに…?
あれ…ソウチョウクンレン、って何だっけ…?

…大丈夫、ですか?
「…ん?」

まだぼやける目に、顔が映った。…女だ。俺の顔を覗いている。
その顔は美しい。アジアや欧米の顔立ちでもない。
まるで、触れば壊れそうな、ガラスの彫刻のような雰囲気をまとい、
幻想的なイメージを呼び起こす白いフードをかぶっている。

「アンタは…って、いたたたたたたた!!」
起きようとした身体に物凄い痛みを感じて、思わず顔を歪めた。
「あぁ…まだゆっくりしていてください。貴方、体傷だらけなんですよ」
「傷だらけ…? そういえば…」
周りを見渡す。それは見覚えの無い光景だった。
質素な木造の部屋に、あまり飾り気の無い装飾。小さな窓から外を見れば、もう暗い。
俺は上半身に包帯を巻かれ、ベッドに横になっていた。
「ここは…」
「私の家です。道で倒れていた貴方を連れてきました。意識が戻りかけていたので、呼んだのですが…」
すっと、フードを下ろす女。そこには…
「み みみ耳…耳ー?! ってあいたたたたたたた!!」
「ああ! 大人しくしてって言ったのにー…」

彼女は耳が長かった。

870 名前: should be(800) 04/01/29 19:34 ID:???

「え、ええ、エルフだぁ…?」
「エルフですよ?」
いや待て落ち着け。夢だ。夢に決まってる。
いきなり知らない街で、いきなり知らない部屋で、
果てはいきなり耳の長い女ときたもんだ。
夢以外に何が考えられる?
ああ、俺だって人並みにゲームはやったさ。RPGが好きだったな。ロケットではない。
そうだ、ゲームの夢でも見てるんだな。そういえばソードオブファンタジアの最新作が出たっけ。
確かストーリー出だしは、見知らぬ街で主人公が女の子に拾われて、こう言われるんだ。

「もしかして、勇者さま?」
くすくす、と笑うエルフ。…存在感がありすぎる。
「…違います」

この夢とはほど遠いやり取りで、俺は現実逃避をあきらめた。


24 名前: should be ◆elf/Z0/Xog 04/01/29 22:51 ID:???

彼女の名は、ニーナ。
人種はエルフ…まぁ、ゲームでよくある存在と思って結構だろう。
彼女は道端で倒れている俺を拾い、この部屋で看病をしてくれた。
「本当に、すっごいケガだったんですよ?」
「はぁ…ほとんど痕は無いけど?…体は痛いけど…」
「魔法ですよ、私、治癒魔法が使えるんです」
「…マホー、ね…」
いまいち信じきれなかったが、言及はしなかった。
「貴方、名前は? 私だけ名乗るのは不公平」
「あぁ、忘れてた…俺の…名…前は…」

───?!
思い、出せない…?!
「どうしたの?」
「俺の…名前…」
「思い…出せないの?」
「…」
しまった。とてつもない忘れ物をしてしまった。
何も思い出せない。畜生、おかしな世界に迷い込んだ挙句、記憶まで忘れるとは!
背筋が凍る。一瞬にして、ありとあらゆる不安が俺を襲った。
名前は? …『知らない』。
家は? …もしもこの世界に家があってもそれを忘れた。
家族は? …思い出せない。
友達は? …思い浮かばない。
俺はどこから来た? …解らない。

…俺はこれからどこに帰れば?

25 名前: should be ◆elf/Z0/Xog 04/01/29 22:52 ID:???

「あぁ…そういえば、貴方首からこんなものを下げていたけど…」
見かねたニーナが、銀色のチョーカーを差し出してきた。 …ドッグタグだ。
不思議なものだ、記憶は無くてもモノの名前は解る。いや、解るというより、体が反応した…?

「タカヤ…?」
銀板に刻まれた字…そこには、俺の名前があった。
「陸上自衛隊西部方面隊…第8師団、第12普通科連隊所属…結城…タカヤ。タカヤ、だ」
いまいち、しっくりと来ない。俺が持っていたドッグタグなら、俺の名前なのは間違いないのだが。
「リクジョージエイタイ…? …タカヤね。うん、いい名前だ」
「…そうか?」
どこか三文小説のようなくだりに、思わず苦笑いをしてしまった。
しかしその文句にですら、俺は温かみを覚えた。

何も解らない世界で、自分のことすら解らない俺を癒すのには、十分すぎた…。

26 名前: should be ◆elf/Z0/Xog 04/01/29 22:52 ID:???

───自衛隊…そうだ、その名前には覚えがある。俺はそこに勤めていた。
覚えはある。だが、実感が無い。まるで、掴もうとすればどこまでも遠くへ消える、虹のように。
重火器の扱い方。戦法、身体の使い方。全ては体が覚えている。

確かに、自衛隊で習ったこと、日本での思い出…それは存在する。
しかし、どれもこれも、像が浮かばず…ただ、感覚としてのみ、残っていた。

俺の記憶は、全てが霧のようだった───

27 名前: should be ◆elf/Z0/Xog 04/01/29 22:54 ID:???

その後、実に3日。
俺は彼女の家で世話になっていた。
帰る家どころか自分の身元さえわからず─ドッグタグの刻印は、全て覚えが無いモノだった─、
何も解らないままなので、とりあえず彼女の言葉に甘えていた。

その間、ニーナの事や、この辺り周辺の知識など、色々なことを教えてもらった。
「後ですね、この街の外、夜怖ーい怪物が出るんで、絶対に一人歩きしないでくださいよ?」
「あぁ…わかった。約束する」

「…私ね、ここからずっと先のエルフの集落から、恋人と一緒に駆け落ちしてきたんです。
はは、タカヤにこんな事言ってどうするんでしょう」
もう別れましたけど、と付け加えるニーナ。その表情は、どこか憂いを帯びていた。

ふー、と彼女は一呼吸間を置いた。

この辺りは元々ファブールという国の領地だったが、隣国の侵攻にあい、
隣国の領土として属することになったという。
このあたりを統べている領主の街が、隣国によって占拠されたのだ。
もっとも、領土が異なっただけで、この街の市民の生活は特に変わった様子は無いようだが。

噂によると、元々国力が弱かった隣国が攻め入るほどの力を得たのは、
異世界からの召喚獣を使い、その圧倒的な力を駆使しているから、だそうだ。

「───」
その話に、どこか突っかかるものを覚えた。

28 名前: should be ◆elf/Z0/Xog 04/01/29 22:55 ID:???

その日は雨だった。
激しい雨音をぼんやりと聞きつつ、借りている部屋で外を見つめる。
「………」
まさか、ずっとニーナの世話になるワケにも行かないだろう。

こんこん、とドアが鳴った。
「タカヤ? 入るよ」
ニーナがそっと部屋に入ってくる。
「ん? どうした?」
「えっと…お客さん」
「…客?」
誰が? 俺に? この異世界で? …誰だ?
渋い顔をしながら、玄関へ向かった。


653 名前: should be ◆elf/Z0/Xog 04/02/01 04:42 ID:???

玄関に、まだ雨で濡れている男が立っていた。
「よう。俺は高木、高木恵一。お前と同じ、この世界に呼び出され、逃げ出した自衛隊員だ。
まったく、探すの苦労したぜ? 名前は?」
角刈りの頭に、無精ひげを生やしたガタイの良い男がニカっと笑った。

───自衛隊。俺が、所属していたはずの集団。
彼は言った、お前と同じ自衛隊員だと。彼は、俺が何者か知っている?
「タカヤ…。アンタ…俺が何者か、知っているのか?」
この男…タカギから、俺が何者か、聞きださねばなるまい。
「…? まぁ、そこら辺は後で話す。タカヤ。ちょいと付き合ってくれないか?」
後ろでニーナが心配そうな顔をする。
「タカヤ…」
「大丈夫だ、ニーナ。すぐ帰るよ」
「姉ちゃん、ちょっとコイツを預かるぜ。悪いようにはしないって」
男に道を示してもらうように、雨の中俺は進んでいった。

654 名前: should be ◆elf/Z0/Xog 04/02/01 04:43 ID:???

タカギの後をついて行く。
人はほとんど居なかった。雨の中、二人の男は小さな木造の倉庫へたどり着く。
場所は、この街の北と行ったところか。ニーナの家は南なので正反対である。
「ここだ」
音を立てず、中へ入る。
中には、8人の男が居た。

「紹介しよう。君と同じ、日本から召喚された、隊員達だ。
右から、池田、山本、島田、木村、谷、坂本、山岡、幹谷。そして俺、高木」
よろしく、と順に敬礼をしてゆく男達。
思わず…体が勝手に、敬礼をする俺。

「とある人物からの情報でな。タカヤ、君が『逃げ出した』との伝えを聞いて、君を探した。
彼等も同じような方法で、私が集めた」


655 名前: should be ◆elf/Z0/Xog 04/02/01 04:44 ID:???

「…俺は…なぜこの世界に? この世界は一体? 何が起こったんだ?」
今まで誰にも質問できなかったことを聞く。何かを…少なくとも俺よりは何かを知っている彼に問い詰める。
「まあ、落ち着け、ひとつずつ説明する。
まず…この世界は、俺達自衛隊がいた世界とは別の世界…ということはイヤでもわかるな。
俺達は、元の世界…日本からこの世界へ召喚された」
日本…ああ、覚えが…体が覚えている。俺が属していた自衛隊が守らなければならない国。
「まぁ…なぜ自衛隊が選ばれたか、その理由は知る由も無いがな」

タカギは続ける。自衛隊がこの世界に召喚されたその理由を。
この大陸─俺達がいる街が存在する大陸だ─は2つの大きな国家が存在する。
ファブール王国と、ビジィ国。そしてこの国家は近年、争いを起こす。
ビジィ国がファブールの広大な領土を我が物にせんと、宣戦布告をする。
元は軍事力が低いはずであったビジィ。実際、戦争序盤はファブールに押されていた。

しかしある日を境に、ビジィがファブールの軍勢を払いのけ、更には領土を広げつつある。
この街は元々ファブールの領地だったのだが、そんなビジィの勢いに押され、ついにはビジィの領土となった。
ビジィの猛攻の原因には様々な理由があったのだが、その中の最も重大な要素として、自衛隊が召喚されたことがあった。

「つまり自衛隊はその国の戦争兵器として召喚された、というわけか…」
なんだか夢物語みたいだな、と俺は付け足す。
「ああ。…だが、重要なのはその先、召喚術がどのようなモノなのか、だ」
タカギが険しい顔を、さらに歪めた。


162 名前: 後任伍長 ◆Qfgu9VQ56g 04/01/30 12:31 ID:???

かなり前に防衛庁職員が主役の話を書こうかなと書き込んだものです
ネタを少々もらいつつこんな感じで・・・

「じゃ長峰さん、上の方には宜しく言っといてくださいな」
前線に設けられた駐屯地にいる間、右も左もわからない僕を世話してくれた小山田二尉がそういって僕に手を振った。
僕も軽く頷くと答える。
「わかりました。補給の方は後方をせっつかせますよ。臨時補給廠の件はまかせてください」
そういうと僕は迎えのヘリの方に歩き出した。もちろんそのヘリは下っ端の僕だけを迎えにきたわけではないけれど
ここは帝国を急追する自衛隊の最前線だ。ヘリで運ばなければならない物資も多いんだろう。弾薬とかかな?
まぁいいや、そんな事を気にしてもしょうがない。僕はただの防衛庁職員だ。
僕がこんな最前線に送られたのは補給状態を調べなければならなかったからだ。
それも今日で終わり、今度はヘリで大陸沿岸の港町に帰って臨時補給廠の設営を行う仕事につく。
港町に帰れば今日一晩くらいはちゃんとしたベッドでゆっくり休めるだろうか?
まぁこの最前線で日夜戦う自衛官の人はそんな贅沢できないんだけれども・・・


163 名前: 後任伍長 ◆Qfgu9VQ56g 04/01/30 12:32 ID:???

ヘリが積んできた荷物を下ろす間、僕はだらだらとそんな事を考えていた。
ふと僕が目を上げると奇妙な集団が目に入った。正確に言えば奇妙な女の子と数人の自衛官。
女の子は多分僕よりも年下、20歳にもなっていない感じがする。しかし貫禄というのかな、周囲を圧する雰囲気を持っていた。
おそろしくサイズのあっていない作業服を着ているその女の子と一瞬目が合った。
怖いな、何で僕をそんなに睨みつけてくるんだ。周囲の自衛官も辟易した態度の様だが。
僕は近くにいた一士を捕まえて聞いた。
「なぁあの子どうしたの?現地の人みたいだけど」
「え?・・・ああ捕虜っすよ。たしか将軍様。このあいだの合戦で捕まったんだけどそれからが大変で」
どうやら奥さまモード全開の奴を捕まえてしまったらしい・・・
「尋問しようとする間も早く殺せだの自害させろってうるさくてうるさくて、それで面倒だから後方に送ることにしたんですよ。
長峰さんも大変っすね、しばらくお姫さんの相手をしなきゃならないんだから」
僕は大事なことを聞いたような気がして振りかえった。
「あれ、聞いてませんか。長峰さんの他に便乗者はあのお姫さんだけですよ。一応手錠とかかけるんでしょうけど」
「いや、そうじゃなくて・・・お姫様だって?」
「本人が言っていたんですよ。これでも私は王族の一員であるからして生き恥がどうとか」
これは帝国に対する人質になるのかな?見てるとヘリの乗員に手枷をされたそのお姫様を渡すと見張っていた隊員は帰ってしまった。
おいおい敵国のお姫様なんだろ誰か見張れよ・・・そう考えているとヘリの乗員の一人が近づいてきた。

164 名前: 後任伍長 ◆Qfgu9VQ56g 04/01/30 12:34 ID:???

「防衛庁の長嶺さんですね。すいませんけどあの捕虜の見張りをお願いしますね」
一瞬僕は何かを聞き間違えたのかと思った。僕が見張り?そう言うのは自衛官の仕事だろう。
「すいませんね、なにぶん人員不足なものでしてね。それとこれ渡しておきますから」
そう言うと僕は拳銃を渡された。もちろん9mmのSIG、P220。いや9mm自動拳銃だっけ?
困惑する僕に乗員は更に言った。
「当機はエンジントラブルでしばらく飛べませんから。ああ大丈夫です、すぐに直ります。その間機内で待機していてください」
あの子と二人っきりで?冗談・・・ではないらしい。まぁいいけどさ。毛むくじゃらのおっさんを相手にするよりもはましだろう。
その時はそう考えたんだけれどもね・・・


453 名前: 後任伍長 ◆Qfgu9VQ56g 04/01/31 12:28 ID:???

昨日の続き

僕はP220と一緒に渡された書類を一瞥した。彼女に関しての尋問の結果ね・・・
お名前はユニア・フォン・・・・にわかには発音できないな。とりあえず偉そうな名字だ。
ちらりとユニア嬢の顔を見てから名前を見る。ユニアちゃんね、近くで見ると、いや遠くからでもいいけどこの子可愛いなぁ
と純粋培養の僕はその時考えてしまっていた。純粋培養って何かって?
僕のように中学を出てからずっと大学まで工学系の学部にいる男の人の蔑称。
ようするに青春を野郎ばかりの集団で過ごすと言うことだ。僕なんか七年間女の子がクラスメートになったことが無いぞ。
うん、これ以上は悲しくなるからやめよう。さらに書類を読み進めるが・・・すぐに止まった。
分かったのはこれだけ、一つ、彼女は帝国の同盟国いや属国かな、そこの王女だと言うこと。
二つ、嫌になってくるが彼女の世界では高貴な人が捕虜になるのは恥らしいと言うこと。
分からないでもないけどお嬢さん。捕虜になった以上は自衛隊じゃ殺さないと思うよ。
段々と頭が痛くなってきたぞ。ファンタジーな世界って面倒なんだな・・・



454 名前: 後任伍長 ◆Qfgu9VQ56g 04/01/31 12:31 ID:???

とりあえず僕はユニア嬢に声をかける。何事も最初はコミュニケーションを取りましょう。
「えーと、こんにちは。僕は防衛庁の長嶺士朗と言います。貴方の監視役を勤めますので宜しく」
出来うる限り友好的に見えるであろう笑顔をみせて僕は右手を差し出した。P220はベルトに挟んだ。
ああ、にもかかわらずユニア嬢は僕の右手を無視してくれたよ。純粋培養よありがとう。次に何をすればいいのかわからない。
「おぬしは誰じゃ」
暫し固まってしまった僕にかけられたのは、彼女の外見通りの可愛らしい声だった。いや、多少不信そうなものも入っていたけれどもね。
ユニアは無理やり着せられたのだろう作業服を掲げて見せた。もちろんまわりの自衛官も同じものを着ている。
そういえば僕が今きている服は周りから見れば奇妙かもしれない。
一応はこれも「作業服」だよ。高校のものだけれども。
僕に下された前線への派遣命令は急だった。それまでは僕は防衛庁でスーツ着て仕事していた。
さすがに前線にスーツ着ていくわけにも行かないし、ごたごたのお陰で正規の作業服は支給されないし・・・
そんなわけで僕は目立たない色だからいいだろうと自分を納得させて実習服を着たのでした。やっぱり変かな。
もちろんここまでの経緯を説明してもユニアが理解するとは思えない。
「えーと、僕は戦闘部隊じゃなくて補給って分かるかな?食料とか武器とかの貯蔵と運搬とかの係りだから制服違うの」
なんかデジャブだ。その時彼女が見せた侮蔑の目線・・・コミケ参加者を見る出社中のお姉さんの視線、あれは冷たかったなぁ
畜生、今彼女に軍隊と補給について小一時間説明したい。
「取り敢えずあれに乗って。貴方は港町まで移動します。そこで尋問をうけますから」
意外にも彼女は素直にヘリに乗った。興味津々といった顔で周囲を見渡す。
僕は少しばかり嫌な予感がしていた。まさか逃げ出すつもりじゃないだろうな・・・
まぁすぐに飛び出すだろうから脱出はすぐに死に繋がるが、うん?ユニアは死にたがっているのか?
それからしばらくの間、僕はいやがるユニアに無理やりシートベルトをつけさせたのだった。
頬の擦り傷は勲章だと思おう。そこ笑うな。いや

377 名前: 後任伍長 ◆Qfgu9VQ56g 04/03/09 12:29 ID:???

「異界の門」をくぐり抜けるとそこには鬱蒼とした森林が広がっていた。
ユリアはついさっきまでいた筈の神殿に敷き詰められていた石畳の感触を思い出しながら後ろを振り返った。
そこには「門」を開くのに使われる大岩がそびえていた。
大岩は大陸各地に点在していた。「異界の門」はその大岩と大岩とを繋ぐ転移呪文だった。
かつての古代魔法王国時代には転移魔法専門のギルドまで存在していたほどに有名なものだったが、いまでは使い手は極少数になっていた。
それどころか古代王国の知識が急速に忘れ去られる中で「異界の門」の存在自体が人々の知識から消え去っていた。
大岩たちはあるものは町の中で砕かれ、またあるものは農村のものに御神体として扱われた。
ユリアは「異界の門」を使ったことで疲労していたが、まだ休むわけには行かなかった。
これから鉄鳥を撃ち落す為の火焔呪文を使うための魔方陣を構成しなければならないのだ。
どうやらジエータイとやらの鉄鳥も疲労するらしく飛ぶ時は最短距離を選んでいた。
ここは前線あたりと港町との中間地点だったから異世界の鉄鳥は間違い無くここの上空を通過するはずだった。
それというのも大岩は主な街道の拠点に配置されているからだ。
ユリアはその事実に感謝すると魔方陣を描き始めた。

378 名前: 後任伍長 ◆Qfgu9VQ56g 04/03/09 12:32 ID:???

大人が中で寝転べるくらいの大きさの魔方陣を書き終えたとき、すでに太陽が一番上に来る頃になっていた。
手ごろな大きさの岩を見つけるとユリアはそこに腰掛けて昼飯の入ったバスケットを開けようとした。
周囲に漂う生活臭を感じたのはその時だった。石に腰掛けるとそこから手の届くところに焚火をした跡があった。
しかもその跡は入念に消され、遠目には全く気がつかなかったのだ。他にも注意して見ると大岩の下に吹き固められたにしては多すぎる量の枯葉が堆積していた。
ひょっとするとここを寝床にしているものがいるのかもしれない。
だがこの大岩は現在の街道からはやや離れている。古代魔法王国時代の戦争で辺りの地形が変わってしまったからからだ。
だからこの辺りには村落は存在しないはずだった。ひょっとすると盗賊かもしれない。
ユリアは用心することにした。そんな彼女を大岩の上から見つめる目があった。

2スレ前くらいの防衛庁職員の続きです。
自然消滅したわけではないのです。研究室で1日中炉の調子見ていたり、某戦艦アクションゲームに熱中していただけなのです
しかも今回短いのです。ゴメンナサイ



44 名前: 名無し三等兵 02/11/15 00:31 ID:xMfqya0t

信じる、信じないはあなたの自由だが、、、、
終戦間近のある夏の日。
私の率いる五式戦四機編隊は某所を哨戒飛行中、全長70m程もある龍と遭遇した。
龍はまっしぐらに襲いかかってきたので、否応なしに空戦になってしまった。
こんな相手は初めてなので、私達はたちまち動揺してしまった。
スロットルレバーを最大まで押し込み、更に離昇ブーストレバーまで引く。
龍の背後を取ろうと翼端から雲を引きつつ垂直旋回、しかしこれがいけなかった。
グラマンやシコルスキーに通用したこの方法も、龍が相手では意味がなかった。
奴はスピードも落とさず蛇のようにうねりながら翼端雲の内側を回って来るではないか!
最後尾の一機は不運だった。
基地の始動車なら一呑みにしてしまう程の巨大な顎が開き、その五式戦に迫って、、、閉じた。
後ろを振り返る私は恐怖で目も逸らせないまま、その光景を見守るしかなかった。
閉じた顎の隙間から、ねじ曲がった主翼と機首がはみ出ているのが見えた。
噛み砕かれた衝撃でカウリングは剥がれ、プロペラはひしゃげてしまっている。
それはまるで、ハエトリ草に捕らえられた虫の様に、哀れな物だった。

46 名前: 44続き 02/11/15 01:04 ID:xMfqya0t

龍はぬいぐるみで遊ぶ犬のごとく獲物をくわえ頭を振り回している。
頭を一振りする度に、五式戦だった物の破片がバラバラと飛び散っていく。
搭乗員のN軍曹はもはや生きていまい。
、、、私は確信した、奴は遊んでいるのだ。
今の攻撃もただの「甘噛み」に過ぎない。
陸軍航空隊が最後に送り出したこの機体も、B-29の
倍以上もある龍の前ではオモチャに等しかった。
だが幸か不幸か、奴が獲物で「遊んで」いるうちに、
生き残った私達三機は奴の1000m上空に占位する事が出来たのだ。

81 名前: 44続き 02/11/15 17:32 ID:xMfqya0t

続きが読みたいと言ってくれた方がいらしたので続きをば、、、

僚機のN軍曹はあの巨大な龍に噛み砕かれてしまった。
だが彼が奴に弄ばれているうちに、生き残った私達三機は奴の1000m上空に
占位することが出来た。結果的にN軍曹は囮になったのだ。
彼の死を無駄にしてはならない。
「まず俺が奴を射撃する。奴が俺を追い始めたら貴様らも降ってやるんだ」
「了解!」
「機動性では敵わん。絶対に深追いはするな、
いつもの敵さんを見習って一撃離脱だ」
「分かりました!」
私は機体を翻すと、龍に向かって急降下を開始した。
奴は初めのオモチャに飽きたのか、もはや戦闘機だったのかも分からない
スクラップを放り捨てると、ワニを思わせる顎を開いてこちらに突進して来る。
その内側は醜く鋭い牙の林、、、
照準器のオレンジ色に光るリングの中に奴の頭を捕らえ、
機首の20o、主翼の12.7o機関砲を同時発射。
操縦桿と方向舵ペダルを少し動かし照準を修正しつつ、三秒間も撃ち続けた。

128 名前: 44続き 02/11/17 23:25 ID:???

四門の機関砲が呻り続ける。
私の放った射弾は幾条もの白煙の筋を残して奴の頭に降りかかり、
爆竹の束を投げつけんばかりに炸裂した。
グロテスクな頭部から、鱗とも牙ともつかぬ物がバラバラと剥がれ落ちる。
およそ三秒間の射撃の内、最後の一秒は回避機動を伴ったため、
奴の首筋を撫でるように掃射する形になった。
百二十発余りの射弾はほぼ全弾命中。これだけ的が大きくては、
当たらないはずが無い。
ぬらぬら光る奴の体と、鋸の刃に似た背角が愛機の翼端をかすめていく。
少しでも触れようものならN軍曹の二の舞だろう。
方向舵ペダルを蹴飛ばして、最後に迫ってきた棘だらけの尻尾を辛うじて避ける。
本当に危険だった。





1 名前: 名無し三等兵 02/11/13 00:59 ID:VKtPLg3m

200X年 アジア某国で勃発した紛争に日本国政府は重武装の自衛隊をPKF派遣することを決定。
しかし、出航した輸送艦隊は突然消息を絶つ…
隊員達が気が付いたとき、そこは戦乱の異世界だった!

ハイテク兵器VS剣と魔法

戦国自衛隊のノリでいて新たなジャンルを開拓すべし




213 名前: 名無し三等兵 02/11/22 01:19 ID:???

占領後のダークエルフの村にて好き勝手に振舞う放蕩自衛隊員たち。
「オイ、手を抑えてろ」
「やっぱりダークと言えどもエルフは上玉揃いだ」
「い、いやあぁぁぁぁ・・!!」
服を破かれあられもない姿になったエルフの娘を押さえつける。高貴な裸体が男たちの欲望によって蝕まれそうになったその時。
「馬鹿野郎!何ヤッテやがる!!」
手にした89式を空に向けて乱射し、曹長が仲裁に入ってきた。
「きたねぇ事止めろ、獣どもめ!」
上半身裸の隊員達を押しのけ、エルフの娘に外套を着せる。
「チェッ、あんたは御清潔だよ」
曹長は罵る隊員達を一度睨み付けると、涙を流して怯える娘を連れて村に戻って行った。



275 名前: 名無し三等兵 02/11/22 21:34 ID:???

「山内三曹。連中の話している言葉分かるか?」
「いえ、さっぱりです。聞いたこともありません」

小銃を構えた自衛隊員らの先で、彼女らは透き通るような声でなにやら話しあっている。
どうやら向こうでもこちらの存在がなんなのか考えあぐねている様子だ。
それを雰囲気に感じ取った小隊長は身振り手振りで意志の疎通をはかる。

「とにかくだな、ココは日本という国の富士山麓。分かるか、フジサンだ」

長耳の少女達はその隊員の動作を不思議そうに見つめながら首を傾げる。

「まぁ…悪党じゃあなさそうだが」

小隊長はその娘のマリンブルーの瞳を見ながらそう呟いた。
それが、異世界とのファースト・コンタクトであったとは、その時の自衛隊員らに知る由もなかった。


286 名前: 名無し三等兵 02/11/22 22:29 ID:???

「クーガー1、2。国籍不明機への武力行使を許可する」

「ラジャ。これより攻撃に移行する」

攻撃許可と同時に檜山二尉はミサイルの発射ボタンを押した。

「クーガー1 FOX2!」

短い噴射音が聞こえたかと思うと、白煙の先で異形の生物が炎に包まれた。
しかし百匹を超える内の一匹を叩き落としたにすぎない。
尚も進路を変えない生物の群れ。
スクランブルのF15二機は積んでいるミサイルを次々と群れに撃ち込んでゆく。
一匹、また一匹と火達磨になる異生物。

「ファイアリング・ロック解除! クーガー1 FOX3!」

檜山は20o機関砲弾を照準もつけずに群れの密集部分にばら撒いた。
まとめて五、六匹が血飛沫を上げ、きりもみになって落下していくのがすれ違いに確認できた。

「二尉殿! このままでは…」

「分かっている! 地対空ミサイルはまだなのか!?」

機関砲弾すら撃ちつくした二機のイーグルはそのままなす術もなく群れの周囲を警戒飛行するしかなかった。

……実際こんな感じだと思われ


450 名前: 名無し三等兵 02/11/24 01:26 ID:???

>>448
81式短SAMに叩き落とされる竜騎士団…シュールかもしれん。

次々と火達磨になるドラゴン達、強兵と大陸に名を知らしめる竜騎士団も、イメージホーミングミサイルの前には鈍重な的でしかなかった。

「こ…これが異世界の魔導兵器なのか!? うわあああああ!!」

「谷に逃げ込んでかわせ!」

しかし、谷の中で待ち構えていた87式高射砲の容赦ない対空砲火によって一匹、また一匹と脱落してゆく。

「初めての実戦が怪獣退治とはな」

複雑そうな表情で戦果を確認する陸自隊員ら。
それを自由解放軍のメンバーたちは驚愕の眼差しで眺めていた。

「あの最強と謳われた竜騎士団をたった十分で…信じられない…」


680 名前: 名無し三等兵 02/11/28 23:24 ID:???

10万の兵力をゲートを通して日本へ侵攻させる異世界の大帝国。
死力を尽くして本土を守る陸自。
弾が尽きてかけても、自衛官たちは家族のため、恋人のため、ゲリラ戦を展開して敵に挑む。

上村は佐藤のオーガーに食いちぎられた右腕を必死になって押さえ、唱えるように彼を励ました。

「大丈夫だ佐藤! これでユキちゃんと会えるぞ!」

助からないのはもう分かっていた。
それでも、あきらめずにはいられない。

「ああ…ユキ…ごめんな…クリスマスには時間取れないみてえだ…」

うわごとのように小さく呟き、一筋の涙が佐藤の瞳から頬を伝う。
その瞬間、彼の心臓は微かな生命の鼓動を止めた。

「佐藤…佐藤ーーーー!? う、ううぅ」

泣き崩れる上村。また部下を失った。息子同然だった部下を。
その時、敵の新手の魔獣部隊の咆哮が聞こえてきた。
血に飢えた声だ。

「畜生! かかって来いクソファンタジー野朗どもめっ!!」

上村は佐藤の右腕が掴んだままの最後の一発である対戦車ロケット砲を担ぎ、奴らへと向けた…。

702 名前: 名無し三等兵 02/11/29 01:00 ID:???

ファーストコンタクト後、自衛隊員らの目の前には騎士団が整列。
馬上から見下ろされる隊員達はいい気がしない。
その時、向こうから89式装甲戦闘車がやってくる。

「ここいらは悪路ばっかしで高機動車じゃ進めんな。あたた、腰がいたいわ」

そういいながら降車する自衛隊側代表の一佐。
しかし目の前の騎士団は馬が暴れて恐慌状態。

「異世界人はやかましいものだな一曹?」

「は、全くであります」




196 名前: 名無し三等兵 02/12/06 18:45 ID:???

肩を大きく上下させながらも、ローブの女は薄く目を開け現状を確認しようとした。
目の前にいる、この人が何者なのか、ローブの女には知りようがなかった。
ローブの女の視線が、山河の上で止まる。山河は大きく肩を上下させながら
まるで恋人に添い寝しているかのように9mm機関拳銃を横抱きにしていた。
今にも腰を動かしそうな様子に、ローブの女は思わず顔をしかめた。
おお、桜ちゃん・・・山河は9mm機関拳銃を抱きしめて、胸のうちでつぶやいた
・・・僕を守っておくれ、桜ちゃん。
山河は自分に支給された9mm機関拳銃に、密かに桜ちゃんなる名前を付けていた。
部隊で指揮官をしている間は、生命を託す銃という実感に乏しかったが
演習場に居るときは心をこめて桜ちゃんと呼んでいる。
桜ちゃんという名前は、N○K教育テレビを見ているうちに、何となく思いついた
のだが、山河には天啓としか思えなかった。
9mm機関拳銃は、二十九歳独身の山河にとっては、妻であり、恋人であり
姉であり、妹であり、母であり、娘であり、そして何より頼りになる相棒にして唯一無二の親友だった。
山河は童貞である。そして初体験の相手は、9mm機関拳銃と決めている。
夢の中では、彼の9mm機関拳銃、いや桜ちゃんは、柔らかい肉体と鋼鉄の意志・・・
仮に銃に肉体と意志があると認めたとしても、どちらも「鋼鉄」と形容されるべき
ではあるが・・・を持つ、立派な人格として登場し、山河に胸を焦がす
切ない思いをさせる相手だった。

197 名前: 名無し三等兵 02/12/06 18:45 ID:???

しかし、しかし、しかし・・・。
山河はふいにわき上がってきた腹立ちに衝き動かされ、9mm機関拳銃の遊底に連結する
槓桿に左手をかけると、勢いよく後ろへ引いた。
後退した遊底は、弾倉上端の送弾板に引っ掛かって停止、薬室は開いたままになる。
山河はしばらく開いた薬室の、クロームメッキした金属の肌を見つめていたが
やがて顔をくしゃくしゃにすると涙をポロポロとこぼした。
遊底が後退したままストップするのは、弾倉が空だからである。
弾倉の中にこめられた弾丸をすべて撃ちつくすと、次の弾倉をたたき込みやすくするため、
薬室が開きっ放しになる。山河は9mm機関拳銃を持たされていたものの、弾丸までは
支給されていなかった。桜ちゃんは完璧ではない。いや惨めとさえいえる状態なのである。
それが山河を泣かせた。
「このやろう」山河は行き場のない怒りを、ローブの女にぶつけた。



281 名前: 名無し三等兵 02/12/07 21:33 ID:???

アルビオン国海軍フリゲート艦「フィリピ」は、かつてイベリア国の戦列艦であり彼らが拿捕した艦、そし
ていまや敵の手に渡った艦を追跡していた。
敵艦の右舷艦首から硝煙が噴出し、ほぼ同時に中部甲板に被弾した。
「四番砲で2人やられました」と、カーターが舷側の下を除く前こごみの姿勢で言い、それから両艦の間隔を
じろっと見ながら「くそっ!危なくなるぞ」とひとりごちた。
これこそ、オルレンブロウルが艦尾甲板をひとり歩きつつ、幾度も思い描いた状況だった…
しかし、その瞬間全てが変化した。
信じがたいほど濃い霧が両艦を覆い尽くした。
50メートルも差が無かったにも関わらず、メンマストまでもが見えなくなった。
「いったい、これは…?!」カーターが混乱した様子で呟いた。
ほんの数分前まで雲ひとつ無い熱帯の抜けるような晴天だったのが、いまやまるで冬季のドーバーのような
深い霧に覆われていた。
オルレンブロウルは、強い追い風を受けていたのが今や凪いでいることに気付いていた。
どれほど時間が経ったのかは判らない。しばらくすると、序々に霧が晴れ始めた。


282 名前: 続くのか? 02/12/07 21:34 ID:???

しかし、敵艦の姿は全く見えない。
「おーい、艦影だぞぉ!左舷艦首2点(22度30分)に艦影!」フォアマストのトップから見張員が怒鳴った。
「左舷艦首…?」カーターは、途方に暮れた顔をしてオルレンブロウルを見た。
両艦は、互いの針路が鈍角に交わるように航走していた。それが左舷艦首にいるというのはいかにも腑に落
ちない。
オルレンブロウルは苦労してトゲルン・マストのトップに辿りつき、望遠鏡を向けた。
「違う…」その艦は、明らかにナディビダットではなかった。マストは視認できない。極めて巨大な構造物
が艦体の上部に鎮座し、その側面には六角形の物体が貼り付けられていた。さらに、凪ぎの状態で1ノット出
ていない「フィリピ」に対して、その艦は明らかに10ノット以上、場合によっては20ノットほどの速力で接
近してくる。よく見ると上部に小型のマストがあるが、明らかに帆を張るためのものではない。マストには
白い円筒形の物体と、回転する棒状のものがついているようだった。
オルレンブロウルは甲板に下りた。甲板では士官達が望遠鏡をその不明艦に向けていた。
しかし、彼らは知らなかった。その世界が、彼らの世界とも、また不明艦の世界とも異質なことを。



427 名前: 名無し三等兵 02/12/12 15:55 ID:???

最近ここを知りまして、私もちょっとだけ…
戦いになるならこんなことが発端になるのかなあ と思って書いてみました。

自衛隊の野営地

「はい、現地住民約十名に向けて、合計82発を発射しました」
直立したまま1曹は答えた。
「民間人をか」
「わかりません」
正直言って、あれが民間人かどうかの判断は付かない。
やっと水場を見つけたと連絡を開始した時、突然襲われたのだ。
女もいた。彼らは何かに取り憑かれたように、到底勝つ気があるとは思えない
原始的な武器を持って向かってきた。
GPSも効かず、中央との連絡も取れない。自分がどこにいるのかもわからない
ストレスの中で得体の知れない集団に襲われれば、部下が発砲してしまったのも
無理のない話かもしれない。
「まずいことになったな」
野村は椅子にかけたまま思案した。
住民を殺してしまったのは確かなようだ。そしてその報復としてだろう、昨晩、
夜間警戒していた隊員の2名が矢の刺さった状態で発見され、3名がいまだ行方不明だ。
食料はまだ一ヶ月もつが、ここがどこなのか、日本はどちらかなどの情報が
得られない以上、ここでじっとしているわけにはいかない。

その直後、野村は捜索中の一隊が 住民に襲われ応戦中との報告を聞くことになる……

428 名前: 名無し三等兵 02/12/12 15:58 ID:???

>>427 の続き(?)です。 タイミング悪かったかな……すみません>>426さん

ファンタジー世界住人の会議

「犠牲者の傷口から発見されたものです」
アムサリは机の上に、いくつかの鉄の破片を転がした。
「おそらく、この小さな塊が、黒い棒から打ち出されたものでしょう」
乾いた音とともに次々と仲間のエルフが殺された。機械巻き上げのクロスボウでも、
これほどの音と威力は出ない。
「相手はどういう者だったのか?」
ドワーフが尋ねる。
「言葉が通じなかったため、素性はわかりません。格好は、」アムサリはちらりと隣を見た。
「人間でした」
「わ、我々はそんな武器など持っていない。それにどんな猟師だって、エルフの泉で
火を使うなど馬鹿げた事はしない」
人間の国を治める王が答えた。
「では人間でもないのだろうか…」
アムサリは腕を組んだ。
そう言われれば、人間は奇抜な格好を好むとはいえ、さすがに濃緑色のまだら模様を
全身にまとったりはしないだろう。
「しかし森の守り手を殺した者に、裁きを受けさせないわけにはいかない」
アムサリはエルフの代表として発言した。
「まだらの服の一団については我々に任せて頂きたい」

その部屋に、断りもなく一人のエルフが飛び込んできた。
「大変ですっ、ルー村が、村が壊滅しました!」





532 名前: 名無し三等兵 02/12/15 14:38 ID:???

こういう異世界モノの面白さに、価値観の決定的な違いとかがありますよね。
相手を助けてみたら、相手に食人習慣がある上にそれを敬意と共に行っているとか。
以下妄想

「やれやれ、ファンタジーでは悪役のダークエルフやら妖魔の味方で召喚かい。
敵さんからあんた等を守りきれば、還してくれるんだろ?」
「ええ。まあそう邪険にしないで貰いたいわね。私もあの子達も、ゴブリンや
オーク達ね、あの子達も感謝してる。一方的に守れ、さもないと還さないなんて脅迫なんだけど、
許してもらいたい。できれば、でいいわ。許されないことをしているのだから」
「ここまで来て、もう遅いさ。俺達は、あんた等を襲ってたあの騎士達を……あんた等の命を守る
なんてお題目のために、殺したんだ。そして、俺たちが生きて帰るためにまた殺すんだろうからな」
「?なんなのですか、それは……なにか気になることでも」
「何って……人を、殺したんだぞ。自分のエゴのため…おい!ちょっとまてよ!あいつ等一体
何やってんだよ!死んだ騎士達の…肉をくって、食ってるぞ!!」
「そうですけど。ああ、貴方達が先に行うべきですよね。失礼しました。直ぐに……」
「そうじゃねぇよ!なんで、人を食べるんだ!?」
「お互いに欲するものだから、命をかけて奪い合った。その相手への敬意のため、ですが。
勝者のみが糧を得るのではなく、敗者と一つとなることで共に勝利の恩恵を得る……そうでしょう?
ある物に価値を見出した。だから全力で、それこそ命がけで奪う。それだけの価値があるから。
命がけで奪わないということは、それは侮辱でしょう。相手にも、欲した物にも。
王国は私達の持つ太古の禁呪に価値を見出した。だから、命がけで奪う。
私達は彼等の豊かな国に価値を見出した。だから、命がけで奪う。
命がけで奪う、これが誇りですし、奪われるものへの敬意……
これは、神聖な、互いの誇りと正義に敬意を払う儀式なのですよ」

食人習慣のある相手に味方しなければならん、という葛藤をどうするか、
などと考えたり。勝手な妄想失礼。

551 名前: 名無し三等兵 02/12/15 22:43 ID:???

大陸標準暦520年8月末 メリア公国領 港町パレート 検閲所

名も無き騎士「傭兵と流れの魔道士合わせて,50人か・・・・.大した物だな?」
入港許可証を取りに来た大手商会の手代は,大真面目に首を横に振って返事を返した.
「うちの船団は,10隻からなる大規模なものですよ。.この位の用心しませんと.最近じゃ海竜(シーサーペント)が出るって話ですので」

「そうだな,化け物といえば,首都で空を飛ぶ巨大な影が目撃されたそうだ.なんでも,轟音と共に息吹を吐いて行くとか何とか・・・.」

///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


「これが偵察に出たF4ファントムの持ち帰った映像です。」

「ば、馬鹿な!ワシは認めんぞ・・・・・・・・突如出現した大陸など!?」
「首相閣下。 「コレ」は間違いなく現実の映像です。」
其の時、横に座っていた小太りの男が発言した
「しかし君〜 馬鹿げた話だと思わんかね。 ある日突然、見たとも無い大陸が日本の近くに出来たなんて」
「お言葉ですが、外務大臣。 大陸が出現したのではなく・・・日本が大陸の横、云え我々の元板居た世界では無いところに出現したのです。
その証拠に、他国と連絡が取れないでは有りませんか!?」
まさか、自衛官が国務大臣に反論するとは思ってなかったのであろう。
小太りの男 外務大臣もムッとした顔で抗弁した・・・・・
「キミ〜 馬鹿言っちゃいけないよ。 漫画の世界じゃ無いんだよ!」



182 名前: 181−3曹 03/01/08 19:53 ID:???

『実行時エラー'13' indexが有効範囲にありません』

じゃん、と言うエラー音と共に、×印のついたダイヤログが画面中央に現れる。
見た瞬間に、ああまたか、とため息が出てくる。
「はぁ、何が原因だっつんだよー」
頭をかきむしりつつ、キーボード横のタバコに手を伸ばす。
軽く振ってくわえようとして、初めてそこでからっぽだと言う事に気がついた。
「やれやれ…息抜きがてら買ってくるか…」
軽く頭を振って、俺は背もたれにかけてあった制服の上着に袖を通すと、部屋を出た。

俺の名前は北方直(きたがた ただし)。
こう見えてもれっきとした陸上自衛官で、階級は3等陸曹だ。
ただし、普通の自衛官とはちょっと毛色の違う仕事をして居る。
『訓練支援用のプログラム開発』
それが、俺に与えられて居る今の仕事だ。


183 名前: 181−3曹 03/01/08 19:53 ID:???

自販機に向かいながら、あれこれと思考をめぐらせて見る。
(恐らくあそこのルーチンに変な所があると思うんだが、あそこ何かいじったっけな?
そういや昨日うちの班長の指示で変更加えた場所があったっけ、あそこだな恐らく)
そんなことを考えながら、無意識のうちに自販機に金を入れ、タバコと釣りを取り出し
て、自分のPCの前に座り、せっかく買ってきたタバコにも手をつけず、当たりをつけた
場所を調べ始める。

結局その日も、消灯ラッパが聞こえてから慌てて今日の作業を保存して、家に帰ると言
う、いつもながらの光景が展開される事になった。
「うー疲れた。さて、とっとと帰ってメールだけチェックして寝るか…」
警衛に付いてる陸士に形だけの敬礼をして、門を出た俺は、途中いつも寄って行くコン
ビニに向かい歩き出した。

ばちばちばちっ。
歩き出して数分後、突然、何やら弾ける音が聞こえ出した。
「何だ? 静電気でもたまりすぎたかな?」
そう思った瞬間、視界が真っ白になった………。




471 名前: 460 ◆J7z.h5RuXk 03/01/23 00:44 ID:???

突撃をするメイド達
彼女達の武装はマジックアイテムと一見箒に見える短槍という装備だ

彼女達は突撃で迫りつつある敵に対しマジックアイテムを投擲し

敵よりも先に攻撃を仕掛けてきた

その投げ出されたマジックアイテムは敵を凍らせ動けなくさせていた

しかし、それも束の間で予備兵力として敵が温存していた数騎の竜騎士達がいきなり反撃に出来てきた

そして、その敵のブレスにより一人二人とメイド達が苦悶の声を出しながら灰になっていた

もちろん、体制を取り直した彼女達もただやられているだけではなかった

「くらえ!エリーの仇!」
彼女がそう叫ぶと筒を構えて竜騎士に向けて発射した
彼女が使ったのは使い捨ての対ドラゴンマジックアイテム-ドラグーンキラーと呼ばれていた
攻撃は見事に命中し竜と騎士をもろとも焼き尽くし地へと落ちて行った

彼女達が竜騎士たちにとらわれている間に重歩兵たちが単縦陣を取り突撃してきた





495 名前: 460 ◆J7z.h5RuXk 03/01/24 14:27 ID:???

それを見た彼は通信用のオーブを持ち指示を出した
「各小隊の被害状況と残りキラーの本数を報告されたし」

「こちら第一小隊、小隊長以下10名死亡。私、ミレイ軍曹が指揮をとってます!キラーは残り13本」
正面に位置していた第一小隊は敵の竜騎士によって損害を受けていた
第一期の基幹メンバーの彼女が死んだか・・・・彼はそうほかには聞こえない声でつぶやいた

「こちら第二小隊、負傷2名死者3名。キラー残り10本」
散開して攻撃したおかげで被害は少ないもののキラーの残り本数が少なくなってる

「こちら第三小隊、死者負傷者ともに無し。残りキラーは20本」
第一、第二が反攻攻撃により比較的無傷ですんでいた

「こちら第四小隊、死者負傷者無し、キラー定数あります!」

引き続き彼は指示を出した
「第四小隊は敵正面に展開、第二小隊は右翼に展開、第三小隊は左翼に展開、第一小隊は第四小隊と合流」

すばやく彼女達が指示されたように展開した

「第四第一小隊は敵正面に向けてドラグーンキラーを発射、第三第二小隊は敵側面をねらえ」

ざっ!とまるで合わせたかのように彼女達がドラグーンキラーを敵に向けて水平に構た

「これより、発射指示を出す!号令が出次第発射しろ!」

300・・290・・270・・・250!

「撃て!」

彼の号令によりいっせいにドラグーンキラーが火を吹いた

496 名前: 460 ◆J7z.h5RuXk 03/01/24 14:57 ID:???

弾煙と炎が敵を包む
と、次の瞬間
数は減ったものの死をも恐れず突撃してくる敵があった
こうなったらもはや玉砕覚悟での突撃しかないか!彼は焦っていた
いつもならマジックアイテムや彼女達でどうにか成るが敵はそれを
上回る防御力を要している・・・それにマジックアイテム対策もされているようにも
見える・・・
かれがそう思案してたとき
「後方に多数の飛行物体を確認!」
「敵か!?」
「アンノウです!」
しまった!敵は最初から挟み撃ちを考えていたのか!
「全小隊に告ぐ!」
彼がそうイをとしていたとき
「待ってください!通信が入ってます」
そういうと彼は通信用オーブに耳を当てた
「我、親衛竜騎士隊支援必要ナリヤ?」
女王直属の部隊がやって来た
「我、親衛メイド中隊、支援請ウ」
「ひぃいいい高い!ああああ」
「魔術師殿少しは落ちてください!」
「だって高いんだよ!空飛んでるんだよ!」
「何度も申し上げた通り・・・・」


497 名前: 460 ◆J7z.h5RuXk 03/01/24 14:57 ID:???

あー・・・この世界で唯一の知り合いが乗ってるのか・・・
「おい!高橋!おちつけ!」
彼はなにやら怯えている男に向けてオーブを使って話し掛けた
「その声は!遅れてすまなかった!大規模魔法開発で死にかけていた!」
「あーこほん」
彼を乗せていた女性が咳をたてた
「降りてください・・・」
そういうと彼女は彼の目の前に竜を下ろし高橋を地上に降ろした!
「おお!ブラザー」
と、高橋はそういうと彼に抱きついてきた
「なにがブラザーだ」
彼は高橋をはがすようにして言った
「そんなつれない事いうなよー俺とお前はこの世界で二人しかいない同じ世界の人間なんだから」
「とりあえず、敵が迫ってきているんだが・・・」
彼は望遠鏡で図ってみるともうそこまできていた
「だー大丈夫!今日開発した魔法でいちころさ!」
高橋はそういうといきなり高速で一人ごとを言い出した
その間に敵は近づきつつあるが親衛竜騎士隊が敵の突撃を阻んでいた
高速で独り言を言っていた高橋がいきなり目を見開いて手を天にかざし叫んだ
「実行!」
次の瞬間敵の頭上に雷雲が出来て敵に対して雷を落としていった
「フハハハハハハハ見たか!この魔法を!」
高橋はかなりハイテンションになっていた
彼の目の前には全滅した敵部隊とあまりの出来事に呆けた顔をした味方しかなかった・・・


504 名前: 460 ◆J7z.h5RuXk 03/01/25 00:40 ID:???

>>502
そうっす
>>503
とりあえず彼と呼ばれる人です
名前は・・・谷崎健一でいいや
登場人物
女王=帝国を取り仕切る人 彼にメイドを指揮するように言った人
親衛竜騎士隊の高橋を乗せていた女性=実は隊長
彼(谷崎健一)=自衛官、一人召喚され、メイド部隊の指揮を執っている。
高橋雄二=プログラマー、プログラム言語と魔法の言語がすごく似通っていてそのおかげで重宝されている人
谷崎と共にマジックアイテムの開発とかもしている
舞台設定とか
大陸を二分する帝国と共和国が戦火を交えている
その影響で戦災孤児が増え
男は兵隊として女は城のメイドとして社会福祉と教育の一環としてしている
で、軍のほうで谷崎が指揮する兵隊がなくて(将軍達の反対もあって)
城にいるメイドたちを谷崎の下に編成、訓練して指揮して戦うことになる
尚、女王から親衛隊の中から数名谷崎のサポートと新兵の教育のために派遣されている
第一期=小隊で運営研究など将来のための基幹要員の教育を主にしてる(小隊の小隊長や教育教官として)
第二期=第一期メンバーにより3個小隊規模の新兵の教育
第三期=第一、第二メンバーにより2個中隊規模の教育、訓練
現時点では後1つの中隊があるが教育過程で戦場に出せる状況ではない
親衛メイド中隊について
主に第一期メンバーと第二期メンバーの優れた人員によって運営されている精鋭部隊
ちなみに女王の親衛ではなく谷崎のための部隊という具合であるが上記の通りを指す場合が多い
ちなみにメイド部隊は女王が指示を出し谷崎が指揮をするといったぐあいの
帝国軍の数の上では計算されない部隊である
女王の指示によって谷崎の指揮するメイドたちが補充される
その場合、谷崎とメイドの間に新しい宣約が結ばれる
こんな感じの設定です
固有名詞と増やしていきたいと思います





711 名前: 名無し三等兵 03/02/05 23:55 ID:???

続き
「・・以上だ。それと今作戦開始時よりエルフィール派遣部隊を東部方面軍と改名。本土にいる西部方面軍はそのままだ。
次に第一作戦を『白い翼』第二作戦を『日本の牙』と名付ける。」
安部陸将が集まった各部隊長に告げる。
「なお先ほども言ったが『白い翼』作戦の最重要目的は制空権の確保及び爆撃による敵要塞及び陣地の完全無力化である。
これによりグラナダ平原及びグリュプス高地及びリルム砂漠を順に突破し敵首都を目指す『日本の牙』作戦の進撃路を確保する。
これにより戦争の早期終結を目指す。
第一作戦は本日23:00を持って発動する。諸君の奮闘に期待している。」
安部の敬礼に対し各部隊の指揮官が一斉にパイプ椅子から立ち上がり敬礼を返した。

その頃川口は整備班の隊員たちの趣味によって何度もペイントしなおされたF-15Eを少し離れた場所から感慨深げに眺めていた。
最初は整備班長の趣味で機首部分に黒いチューリップが描かれていたが、その後いくつかの経緯をたどった後
青を主体にした迷彩色に固定されていた。ついでに尾翼には左側にワルキューレ右側に青いメビウスの輪が描かれていた。
「どう?かっこいいでしょ?」
傍を通りがかった陸が工具箱を地面において川口に話しかける。
「ん?なんだ陸さんか。・・確かにこの迷彩は良いと思うけどあの尾翼のマークは一体・・・」
そう言ってメビウスの輪を指差す。
「ああ あれ私が描いたの。上手でしょ?整備班の隊員たちの間でも評判が良いんだから」
「いやでも勝手に・・」
そこまで言いかけた川口に詰め寄り途中で会話を封じる
「あら?何か文句があるのかしら?」顔は笑顔だが声には何故か威圧的な空気が含まれている
「いえ!文句なんてありませんよ」「そう」そう言って少し離れる
「あ〜あ これが色っぽいお話だったらなあ・・」川口がそう呟く
「はい?今何か言わなかったかな?どうも聞き取れなかったんだけど」
今度は襟首を掴み陸が耳元で呟く。何故か今度はマジで切れかかっている。

712 名前: 名無し三等兵 03/02/05 23:57 ID:???

今度は襟首を掴み陸が耳元で呟く。何故か今度はマジで切れかかっている。
「いえ!何でもありません!!」「まあいいわ。聞かなかった事にしてあげる。」
そう言って工具箱を持ち上げると足早に倉庫の方に行ってしまった。

「おっ ちょうどいい。川口!!ちょっと来い!!」「ああ 探しましたよ川口さん!ちょっと来てください。」
川口が格納庫から出ると寺井と一緒に水城三尉が彼を呼んだ。
水城三尉はもともとはF-15DJのパイロットだったが機体不調の調査と修理をしている間にこちらの世界に飛ばされてしまい
そのせいで修理が遅れている間にちょうど手が空いているからという理由でWSO(兵装システム士官)にされたという経歴を持っていた。
だが彼女に特に不満など無くむしろF-15Eに乗れる事を素直に喜んでいた。
という訳で数週間前から川口や寺井たちとよく一緒に行動していた。
「ほれ、これを見てみろ。」そう言って寺井が航空写真と色々な図形が描かれたコピーを川口に突き出した。
「なんですか?これ?」川口が寺井に尋ねる。
「この前撮って来た航空写真だ。・・こことここに有る魔方陣をみてみろ」
そう言って真ん中に三角形が描かれた魔方陣と星型が描かれた魔方陣を指差した。
「ああ はい。たしかになんか図形が描いてありますね。」
「これは自分達の世界で言う所の対空陣地に当たるものらしい。これが・・ええと・・なんだったけ?」
「資料によるとシューティングスター・・AAみたいな物です。もう一つの方はレッドタイガー・・こちらは短SAMみたいな物らしいです」
そういいながら水城が資料で確認していく。
「資料によるとレッドタイガーは熱追尾ですね。回避方法っと・・なになにファイアーボールのような火系魔法を後方に浮かべる。
フレアのことかな?・・・有効射程はかなり広いと書いてありますね。」
「かなり広いって・・そんないい加減な。」自分の資料も確かめてみる。確かにかなり広いと書いてあった。
「なに 詳しい事は後で作戦士官でも聞けばいい。一応向こうの世界から魔術の専門家も来るそうだし」
寺井がそう言った後タイミングよく呼び出しがかかった。
「ほら お呼び出しだ。行くぞ。」
戦後初の宣戦布告の時がゆっくりとしかしながら確実に迫ってきていた。




443 名前: 03/03/20 09:16 ID:???

「衛星だって?」
臨時政府の内閣情報局長がとんきょうな声をあげた。
「ええ、打ち上げる必要があるんです」
一見、ぼんやりした青年が繰り返した。
「まず、衛星を打ち上げてください」
「あんたは今がどんな非常時か---」
「まぁ、話を聞こうじゃないですか」
声を荒げかけた局長を、自衛隊の制服を来た男が宥めた。
「GPSも駄目、衛星通信も出来ない、気象情報もない。
我々は目と耳を奪われたも同然なのですから衛星は欲しいところですよ」
ぼんやりした若者-気象庁からやってきた野島と名乗っていた-が
うれしそうに頷いた。
「なんとか打ち上げてもらえませんか?」
「無茶をいうな・・・」野島のとぼけた反応に毒気を抜かれた局長が
眉間に手をやった。
「気象衛星からの情報がなくなって天気予報が難しいことは分るが、そんな
ハイテク製品、九州じゃ作れないんだ、それに-」
「打ち上げ待ちの偵察衛星があるじゃないですか」
野島がうれしそうに言った。
「あれ、使えませんか?」


444 名前: 03/03/20 09:38 ID:???

「あれ、使えませんか?」
「君---」絶句した局長にかわって自衛隊-航空自衛隊だった-の男が
口をはさんだ。
「偵察衛星がどんなものか知っていますか?極軌道に乗せられるとはいえ、
大陸のような広範囲を観測できる高度は飛べません。いわば望遠鏡を
飛ばしているようなものなんです」
「ええ、それで十分です」野島はほとんど笑い出しそうな声で答えた。
「福岡の大学がN電気と共同開発していたスパコンがあるんです。能力は
だいたい”アースシュミレータ”ぐらいあるんですよ。友達がそいつを
いじってるんですが、仕様があまりにもそっくりなんでアースブラヤって
呼んでるんです。これが-」
「ほう?---で、何を思い付いたんです?」辛抱強く自衛官が尋ねた。
「この世界の、九州から少なくとも半径3000・の地図が作れます」
野島は涎の糸を引いた笑顔をぐぃ、と近付けた。



74 名前: 名無し三等兵 03/05/11 13:19 ID:otFVq/sY

突如として東の海に出現したニホンなる国については御存知であろう。
彼の国は軍事力ばかりが語られるているが、それは一面でしかない。
例えば硝子や陶器。エルフィールでは裕福層しか所有していないこれらを
一般市民が日常に使用しているのである。
また、山の民を悩ませる“痒い草”を塗料にかえ工芸品(漆器と呼称)を
造りだす。見た事のある者も多いだろう。
何より驚愕すべきは全国民の九割以上という識字率の高さである(中略)。

〜商工ギルドの派遣調査員の報告より抜粋〜

チョトSSを書いてみました。お目汚しでなければ幸いです。



16 名前: 名無し三等兵 03/05/22 20:41 ID:???

チョイネタ、敵特殊部隊の基地襲撃

「よし!諸君傾注しろ!!
諸君らの長らくの努力によって異世界人が作った戦闘機とやらという怪鳥の巣、滑走路とかいう物の下まで到達する事が出来た!
まず諸君らにその事を感謝しておく!そして諸君らに将軍直々に新たな三つの命令である!
これより我らはその怪鳥の駆除およびその巣と奴らが空に飛び立つ為に必要な滑走路を完全に破壊する。
そしてもう一つの命令は基地に所属する敵兵どもを完全に駆逐する事である!!
この作戦成否は、現在敵本陣目掛けて突撃を続けている予備戦力をも投入したゴーレム師団の強行突入の成否にも係わって来る。
厳しい任務ではある。・・だが!諸君らならば遂行しうる物と私は確信している。
・・・・よし!作戦開始時刻である!
よもや悪魔のような魔道具や兵器を使う奴らといえどもよもや我々の攻撃に気付いてはおるまい!
第一中隊は敵監視塔の制圧!第二中隊は敵宿舎及び怪鳥の殺害!
第三中隊は滑走路を完全に破壊しろ!修復作業の邪魔になるよう呪いをかけるのも忘れるな!
そして私の小隊は脱出路の確保及び全部隊の援護を行なう。
いいか!忘れるな!任務の成功失敗にかかわらず脱出の際はこの洞窟から撤退する!
よし!いいな!それでは・・・突入!!!!


226 名前: 名無し一等兵 03/05/31 18:34 ID:???

うむ、少し書いてみた

@…遠征軍の臨時司令部は、この国の国境近くにある都市『カオフック』に置かれていた。
かっては、その国はおろか周辺国はもちろん、辺境までに響いた面影はすでになく
その地は都市と言うより、かってと言う言葉が似合いそうな廃墟に等しい場所だった。
さすがに司令部が置かれている周辺の建物は、廃墟ではなかったが…。
司令部が置かれている場所は、その都市のほぼ中央で、比較的に損害の少なかった
ホテルを接収し使っていた。
警備上、いくら損害の少ない建物とはいえその建物は警備しにくいものではあったが、
ここが選ばれたのは、『空』の敵からの攻撃を軽くするために選ばれたのだった。
司令部の周りは、見た目では厳重の警戒をしていたが、見張りの兵達の士気は
どうみても高いものではないようだった…。
しかし、負け戦の上、撤退に撤退を重ねこの地まで退却してきたはずなのに、
いまだ軍隊のていをなしているのは逆に賞賛されるものだった。
普通、負け戦の場合いくら本国ではないとは言え、バラバラになってもおかしくない
のにどうにかまとめ上げているのは驚異的だった。

227 名前: 名無し一等兵 03/05/31 18:35 ID:???

A他の部隊…貴族に率いられた部隊や都市連合の部隊、他の種族の部隊[(注)元々、
人族や山の民、地の民など以外は軍隊は持たない。部族ごとや一族ごとに分かれ、
血の盟約、神意の契約、古の掟などにより集まるので大軍はもたない、今回彼らは
撤退を始めた時点で解散しめいめいで退却していた]などは、
統一した指揮がとれず、逃亡兵、略奪、反抗などが横行し壊滅した部隊まである。
彼らが、ここまで軍として維持しているのはひとえに司令官の力量とカリスマだった。
司令官は兵士からの叩き上げで、その能力と運に助けられ司令官まで昇りつめたのだ。
一兵士が司令官になるのは奇跡に近いものだった。
3しかし、その運も尽きようとしていた…。


228 名前: 名無し一等兵 03/05/31 18:36 ID:???

Bなんとか、国境近くまで撤退してきたが、周辺を敵勢力に囲まれていたのだ。
唯一、あいてるのは東のほう…本海だけったが、すべての兵隊をのせられるだけの
船などなく、また敵の海上勢力も不明だった。
食料、武器などは備蓄分がありすぐには滅ぼされることはなかったし、
都市の周りには防壁と堀があり、数回の攻撃ははね返す力がありそのため、
敵もうかつには攻撃はしてこない。


229 名前: 名無し一等兵 03/05/31 18:36 ID:???

Cもちろん、一番恐ろしい敵…ドラゴン騎士団の主力、飛竜部隊に対応するため、
司令部の上には、ドラゴン用目潰しや対空弾[(注)かって使われいた香草の煙や
大きい音で脅す爆音弾ではなく、火薬と鉄の玉を入れた爆裂弾、香辛料を混ぜた
粉末や興奮剤を入れ『竜』を暴走させるような粉末を入れた破裂弾など]が
多数設置してある。
もちろん、気休め程度だがそれがないとあるとでは、兵達の士気が全然違うのである。
と言っても、本当にどこまで効果があるかわからないが…。

230 名前: 名無し一等兵 03/05/31 18:37 ID:???

D元々、開戦の時点でこの遠征は予定されていなかったのである。
隣国であり同盟軍の盟主が無断ではじめた戦のいわば尻拭いのため、戦いそのものに
反対していた本国から、条約により遠征軍が急遽編成され後方支援ために
派遣されたのである。
最初、派遣が決まった時、周辺地域の治安警備のために軽装備を考えられたが
司令官が何があるかわからないと言う意見が通り、完全装備で編成された。
派遣直後は、治安警備を任務としていたが戦火が広がり支援を要請され、仕方なく
支援のため増援を決定された。「(注)本国の命令]
しかし、盟主国や貴族達が今回の戦の西域制圧の余勢を駆って『彼らの』領域まで
攻め入ってしまったのである。

231 名前: 名無し一等兵 03/05/31 18:38 ID:???

E当初、奇襲という要素と『彼らの』準備不足、何より彼らは戦争をしたことがなかった
ため、『解放』した地域はかなりに達しこのまま同盟軍が言う正義の戦争…
解放の戦いは勝利に終わると思われた…。
各国もこのさい『彼ら』の領域も人族の領域に組み込み、そして彼らそのものも
解放[(注)あくまでこちらの考え]しようとした。
しかし、あれがおこり…彼らが来たのだ…


237 名前: 名無し三等兵 03/05/31 21:40 ID:???

リメイクしてみました。
題 バトルオーバー九州 IN異世界

とある世界にとある国家があった。その国の名は『エルフィール』
ユージア大陸の東の果てにあるこの国はとても農業が盛んであったた
しかしながらそれ以外に取り柄はなく、農作物を国外に大量に売りさばき国家として生計を立てていた。
半世紀ほど前にはエルフィールは異世界の物を召還できる魔石『賢者の石』を使い異世界の武器、兵器を召還し大陸制覇を目指したが
召還された兵士達の裏切りによって大陸全てを敵に回した戦争で負けて以来、国王は平和外交を貫き周りの国と波風立てないようにしてきていた

そんな中、事件が起こった。エルフィール軍が盗賊の残党を追って知らず知らずのうちにバートランド国境を突破
たまたま国境近くの村で山賊達が村から強奪した物資で宴会を開いていたのを確認した指揮官が山賊の拠点だと誤認したのだった。
古今東西山賊や海賊、それに類する弱小な拠点を発見した数に勝る正規軍が採る行動は一つ 敵拠点の殲滅である。
長弓射手や魔法使いが射手が遠距離から火矢や魔法の矢の雨を降らし山賊たちを浮き足立たせた所に
騎馬歩兵達とユニコーンにまたがった胸甲騎兵達、合計150人が突入した。
生き残る人間など皆無に等しかった。建物から一歩でも出れば山賊と間違えられ問答無用で切り倒され、
建物の中に居た人間は建物ごと火炎魔法で念入りに焼殺された。



238 名前: 名無し三等兵 03/05/31 21:41 ID:???

エルフィール軍が山賊どころか村人一人残らず殲滅した所にたまたま通りかかった国境警備隊ははあわてて引き返しその事を上司に報告。
慌てた上司が状況を確認する事もせずに王都に向かって急を告げたものだから大変である。
国王が慌てて各地の部隊に反撃に出るよう伝達。たまたま演習を行なっていたためすぐに出撃できた竜騎士団と魔術大隊を投入。
彼らは忠実に国王の命を守り国境近くで山賊狩りを行なっていた騎兵部隊他を瞬時に撃破。
そのまま北西部の要衝を次々と陥落させ首都エルフィールドに向かって直進していった。
全く理由もわからず戦争を吹っかけられたエルフィール軍は準備不足と兵力不足で各地で連戦連敗。
それを聞いた辺境部隊で逃亡が多発 バートランドに寝返る部隊まで出始めていた。
何とかマシュ将軍の率いる第三外人魔術降下師団が首都手前で敵を押し留める事に成功したが首都陥落は時間の問題だった。
そこでダ・ゴール国王は先の戦争以来封印されてきた『賢者の石』を使う事を決意。
60年ぶりに異世界のモノが召還されようとしていた。

太陽系第三惑星の極東地区ではちょうど大規模な戦争が行なわれていた
2004年6月15日の北朝鮮の奇襲によって再燃した朝鮮戦争は当初、北朝鮮の圧倒的有利のうちに進められた。
不運な事に在韓米軍は5月のうちに韓国政府の要請によって韓国国内から撤退し沖縄などの軍事基地まで後退してしまっていた。
韓国第三歩兵師団の必至の防戦をも突破し、議長府回廊を直進した北朝鮮軍は2日間に及ぶの激戦の後、6月28日韓国の首都ソウルを占領。さらに南進し続けていた。
それを見た各国政府は17日に緊急招集された安全保障理事会で北朝鮮に対する避難声名を発すると共に韓国救援のための国連軍の派遣を決断。
総勢22ヶ国からなる国連軍が編成された。


239 名前: 名無し三等兵 03/05/31 21:45 ID:???

まず第一陣として沖縄に駐留していたアメリカ海兵隊を中心とする上陸部隊が釜山から上陸し防衛線の構築を急いだ。
7月1日、国連軍、35度線防衛ライン構成。
これにより北朝鮮軍の進攻は平沢、源州、江陵を結ぶ防衛ラインで停止、戦線は停滞した。
そして8月15日、国連軍第二次クロマイト作戦発動、元山にアメリカ、イギリス、フランスを中心とする国連軍上陸。平壌目指し一直線に突入していった。
国際世論に脅迫されるようにして日本も在韓邦人の救助の名目の下参戦を決定、富士教導団を主力とする臨時編成の一個師団が元山に上陸し、
さらに米軍との共同訓練で空中給油訓練を受けていた新田原のF-4EJ、築地のF-15j、F-2が米軍機と共に出撃し北朝鮮軍に対し攻撃を開始した。
これに怒った北朝鮮首脳陣は大阪、東京対し、通常弾頭の労働1号を発射し、日本政府を恫喝した。
ミサイルの着弾により14名の死者が出た事で国内は揉めに揉めたが結局この攻撃が切っ掛けになって議会では本格的に地上部隊の投入するという考えが主流になりつつあった。
防衛庁は官房長官からの密命を受けて上陸部隊の編成、及びその埋め合わせの為に部隊の移動を開始。
予備自衛官を招集したうえで第四師団などの主力部隊から部隊を引き抜き60年ぶりの戦争の為に九州に集めていた。



240 名前: 名無し三等兵 03/05/31 21:50 ID:???

>>238 第4惑星の間違いかも・・

「最上陸将補。北海道の第四師団から部隊が到着しました。」
「小林君か、いま報告は受けたところだ。」
幕僚達が居並ぶ作戦会議室では国内で起こったテロや破壊工作に対処する為、通信官が幕僚達の周りを走り回っていた。
最上が情報を
「先ほど敵のゲリコマによって関門鉄道トンネルと関門橋が爆破された。
すまんが松本三佐、42連(第42普通科連隊)から一個大隊ほど引き連れてってトンネルの方の警備と救助活動に当ってくれんか?
県から協力要請が来たんだ。橋の方は警察とレスキューが受け持ってくれるそうだ。」
「分かりました。松本三佐、関門海峡トンネルの警備及び救助活動の指揮をとります。」
最上と敬礼を交わした三佐は踵を返すとやや足早に会議室を退席して行った。それと入れ替わるようにして別の通信官がメモを握り締め会議室に飛び込んできた。
「緊急連絡!阿蘇山上空に熱源反応!新田原のイーグル4機スクランブルに上がりました!」
持ってきたメモも見ずに通信官が一気に送られてきた通信内容を報告した。
会議室から一瞬にして音が消滅しその場に居合わせた幹部達は一斉に其方の方向に顔を向けた。
「何だ?ミサイルか?ノドン?それともスカッドか?」
小林が今正に自分の頭の上にミサイルの弾道が落ちてくる姿を浮かべながら冷静に通信官に尋ねた。
「は?・・いえ。其処まで分かっておりません。ただ突然阿蘇山の上空に熱源が現れたとしか・・・」


242 名前: 駄文書き 03/06/01 02:01 ID:???

1だおーさんにささぐ

「そろそろ現実を見つめないか」(○経新聞 正論)

「九州か異世界に召喚されてからもう一年が過ぎようとしている。臨時政府の指揮の下落ち着きを取り戻しつつある中、
あいも変わらず“自衛隊の海外派遣反対、基本的人権を守れ”という愚にもつかない戯言を言う輩が少なくない。
とんでもない話だ。今九州を一歩出れば無法地帯が広がっているのである。さらに北朝鮮よろしくわが国に巨砲の照準
を合わせるオーランがあるというのに。自称平和主義者はこの世界は人権、社会秩序が戦国時代以下であるのに丸腰で
他国を闊歩せよというのか、エルフィールの在外邦人を見捨てよと言っているに等しい。
また、ゴブリン、オークなる種族を“原住民”と呼ぶのも過ちである。連中は秩序を知らず、略奪を生業にしている。
原にエルフィール人が街道を歩いていただけで虐殺された事は枚挙にいとわない。
正に害虫そのものである。平和主義者は第二次朝鮮戦争から何も学んでいない無能者である。彼らのせいでこれ以上同
胞が死なない事を祈りたい。

鹿児島大学助教授 薩摩隼人


443 名前: 名無し無等兵 03/06/10 02:58 ID:2C7253US

実戦を経験していない自衛隊を妄想してみる

これまで一度も戦争どころか実戦さえも経験したことのない上に、発砲もろくにしたことがない
自衛隊員にはその光景はあまりにもショッキングであった…
そして、その体を空中に浮かべる巨大な翼を振り上げ…飛竜のドラゴンは、あたりの兵士たちを
永遠に動けないようにし…その燃えるような血のような
赤い目を、今度はその恐怖におびえた隊員達に目を向け、まるでこれからかなでる晩
餐会のためにかなでる音色のオープニングのために唸り声をあげた …。
「え!?ひっ…!?」
心臓を鷲掴みされるかのような恐怖の感覚が彼等を襲う。
ただの恐怖ではない…。人間の心の奥に眠っている理性を超えた恐怖…
まさしく本能という人の心を縛る鎖…その鎖がはじけとんだのだ。
そして恐怖に駆られた者の心の中で、今まで抑えていた…鎖が切れた。
「○○○…え?いいから!う…撃て…は、早く…う、う撃てぇぇぇぇぇぇ!!」
誰だかわからない悲鳴のような叫び声を上げ、それを機にまるで弾かれたかのように
その場にいたほとんどの隊員が小銃を構えて半狂乱に発砲を開始した。
耳をつんざく銃声…鳴り響く炎の演奏…(砲炎)。
ドラゴンに次々と式自動小銃から放たれた炎の光…高速ライフル弾が着弾してゆく。
が、弾丸は鋭い金属音と火花を散らして弾かれ、見た目には、ダメージは無に等しかった。
「ば、ば、ばかな!?き、きかないだと!?」
それから…人のかなでる重苦しい歌声はあたりをつつみ…途中から飛竜たちの歌声も
加わり…あたりに人と竜のコラブレーションがかなでられた。
片方の歌声が聞こえなくなるまで・・・

てな、かんじで書いてみました。


512 名前: 名無し三等兵 03/06/16 07:55 ID:???

東富士演習場市街地戦訓練場の中でも取り分け目立つ大きな建物の一室。
そこにはテーブルが一つと椅子が一つだけある。しかもテーブルの上には何やら大小様々な部品の様な物が散らばっている。
そこに黒いプロテクターを着込んだ男が2人入ってきた。一人はヘルメットを外しており手にはストップウォッチがある。
もう一人の男は完全に防具を着込んでいる。ヘルメットを外している方の男はテーブルの傍らで立ち止まり、完全に防具を
着込んでいる男は椅子に座りテーブルをに肘を着き、バイザーを上げ、テーブルに散らばっている部品をまじまじと見つめた。
「おい、ぼっとしてるんじゃないぞ水野。」
ヘルメットをかぶっていない方の男が声を発した。
「分かってますよ、澤井陸曹長。」
水野はわざとらしく答えた。この二人は階級は同じである。
「ったく、もう始めるからな。」
澤井がストップウォッチのスタートボタンに指を当てる。水野は背筋を張り、椅子に座りなおす。
「3・・2・・1・・始め。」
始めの合図と共に水野の手が動き出し、テーブルに散らばる部品を組み上げていく。そしてあっと言う間にその部品の
一部は拳銃へと姿を変えた。まだ水野の手は止まらない。残りの部品もどんどん組み上げていく。そして残りの部品は小銃になった。
「完了だ。」
「よし、点検する。」
澤井が水野が組み上げた銃を手に取り点検する。
「異常無しだ。おい、喜べ、最高記録を3秒更新しているぞ。」
「それはどーも・・・給料が増えるわけでもない、非番の日ができるわけでもない、激しくどうでもいいことだな。」
水野は拳銃と小銃を受け取りながら言った。


842 名前: 名無し三等兵 03/07/20 00:24 ID:???

「おーい司令部の人ー誰でもいいから答えてくれー」

物資の割に人気が少ない補給拠点に若い女性の声が響く。
無線機を操作しているのは秋山香織二等陸尉。
たまたまこの拠点の近くを移動していた中隊の臨時中隊長である。

「・・・あーダメね、思いっきり規定を無視した通信を送ってもダメだわ」

先ほどから本部へ連絡を試みていたのだが、思いつく限りのありとあらゆる手順で連絡を取ろうとしても無理だった。
彼女と交代するまで通信を担当していた陸士長は、その言葉を聞くとまったく自然な動作で拳銃を抜き、口に咥えて発砲した。
銃声と共に彼の12年に及ぶ長い自衛隊経験が詰まった脳味噌が飛び散り、天幕のあちこちに付着する。
だが、周りにいた隊員たちはすぐにあきらめた表情を浮かべて陸士長の死体を片付ける。
その光景を眺めながら秋山二尉は呟いた。

「どうして、こんなことになってしまったの」

843 名前: 31 03/07/20 00:41 ID:???

お目汚しですが参加させてください。

ふと目が覚めた。演習の最中、轟音が鳴り響いてもそれは訓練のはずだった。
ところが、突如眼前に土砂を噴き上げながら、せまり来る爆風を視認して、
あわてて塹壕に飛び込み、銃と頭を抱きしめるように守った。
そこから先は闇。 気がつけば、夜空。幸いにも64式は、砂を食んでいない。

「……夜?」

土砂に半ば埋まっていたから同僚が見過ごした? まさか。点呼は必ずするからありない。
口の中の砂を吐き出しながら、辺りを見渡した。そこはなだらかな丘の上だった。
はるか先の森に続く道の脇に自分はいた。夜なのにだいぶ明るい。
月光の下、62式やら、64式、89式がまわりに散らばっている。それを見て、総毛だった。

「バッカヤロ。こんなとこに置きっぱにしやがって班長にドヤされるぞ」

あわてて拾いに向かう。しかし明るい夜だった。いくら月夜といえどあまりに明るい。
今日は満月だったろうか? 夜空を見上げるとそこには7つの月が在った。

「……ハア?」

現状が認識できない。俺は夢を見ているのだろうか。そのまま地面にへたり込む。
なんだか猛烈に眠くなってきた。

「なんだ。やっぱり夢だ。めちゃくちゃ眠いじゃねえか」

彼はそのままぱったり気絶した。


844 名前: 31 03/07/20 00:46 ID:???

一抹の陽光を浴びて、目を覚ますと、すでに空は薄明。太陽が地平線にあるせいか、
昨日見えた7つの月はすでに4つが姿を消し、残りの3つも順に姿を消そうとしている。

「……OK。ここが日本どころか地球じゃないのはよくわかった」

むくりと上体を起こし、体に異常がないか調べる。服を脱ぎ、体に変な斑点とか、
あざがないか調べるが見る限りそんなものはない。
近くに川がないか見渡してみたがみつからない……。
というよりも、丘の上だということをすっかり忘れていた。

とりあえず目に見えるところに変化はない。まだ予断を許さないが、ここには正常な空気があるようだ。
ためしに自分の名前と所属、実家の住所と電話番号を唱えてみたが、酸素過多でラリッたりもしていない。
今度こそ、両足でしっかりと大地に立ち、ピョコンとジャンプしてみる。いつもより体が若干軽い気がする。
ふむ。1G ※1 にちょっと満たない程度だ。7つの月があるというのに、地球環境とぼぼ同一というのはありがたかった。

……できれば夢であってほしいのだが、そうではなさそうだ。

845 名前: 31 03/07/20 00:49 ID:???

ジャンプした足元には、昨日ぶったおれる前に集めた62式機関銃1丁と50発のベルトリンクが1つ、
89式小銃13丁と予備マグが26個、64式小銃が7丁に予備マグ38個、小銃はすべてカートキャッチャーがついている。
sig220が2丁に予備マグ3個、カールグスタフが一門に弾3発が転がっている。
幸運なことにだれかが密かに忍ばせていたらしい6-24×50のスコープ ※2 がひとつ。
ほかは自分が持っていた装備一式である。

さて、どうしたものか。とりあえず、64式のマガジンに弾が入っているかか確認し、チャージングボルトを引いて装弾、
セイフティをかけておく。ここは異世界。何がおきるかわからない。そのことを肝に銘じるべきだとおもった。
必要なら殺すことも覚悟せねばならない……。
そもそも人間がいるのか甚だ疑問ではあったが。

それから、62式機関銃からベルトリンクをぬきとり、さらにそこから弾をぬく。
62式を捨てるという提案に脳内会議は満場一致で可決した。シグは2丁ともいただくことにする。
上官にバレたら懲罰ものだが、おそらく自分以外の自衛官に会うことはないだろう。84ミリはいざというときに使えるだろうから持つことにしよう。
小銃は……ほかの小銃の予備マグの数からいって、バレルを焼き尽くすほどの弾数はない。
バレルの予備は89式、64式、それぞれ1本でいいだろう。弾を撃ちつくしたときが、自分の最後であろうから。
あとは耐久性の弱いパーツを何セットか持てばいい。

そうして、小銃を分解するべく、自分のバックパックから工具を取り出したときに、
女性の悲鳴が遠くから聞こえてきた。

846 名前: 31 03/07/20 00:52 ID:???

「なんだ?」

すばやくブッシュに伏せて、双眼鏡で声がした方向をみる。だいたい150メートル。

そこには。

ヨーロッパの貴婦人みたく、長いひらひらの服を着て、バスケットを持った女子供が、
彼らより複雑な装飾が施された服装をした騎乗する男女6人に追い回されていた。
よく見ると、彼らは人間でなかった。いや、人間だが耳が長い。耳長の連中は、弓矢を次々に放ち、
そのうちの一本が、子供の柔らかい太ももを貫いた。子供が悲鳴を上げて、もんどりうって倒れる。
その子の母親らしい女性が、振り返ったところを、別の耳長の放った弓矢が彼女のふくらはぎを貫いて、
女性は聞くに耐えぬ悲鳴をあげた。命中するたびに彼らは歓声を上げている。彼ら耳長達は、
彼女らを殺そうとはしていない。明らかに嬲って遊んでいる。

どっちに味方するべきか。もう腹は決まっていた。

スコープを組み立てる時間はない。双眼鏡をおっぽりだし、64のセイフティを親指ですばやく解除、
タにセレクターをあわせる。フロント、リアサイトをしっかり覗き、目標はもちろん、弦を大きく引き絞っているあの耳長男に!

「当たれ!」

ターンと、爆竹のような軽い音が、丘陵を流れていく。
7.62ミリの弾は矢を放とうとしていた耳長男の左肩に命中した。その男は当然のことながら落馬して、ついぞ動くことはなかった。
心臓に近い部位だったせいか、落馬したときに頭を撃ったのか、ここからでは状況がよくわからない。
残りの耳長達が、こっちを指差して矢を放ってきた。すくさま近くのブッシュに移動すると、
そのうち男とおもわれる短髪の二人がこちらに駆けてきながら、さらに矢を放つ。
矢の速度は当然ながら、銃弾よりも遅かったが重く、正確にこちらを狙ってきていた。
あわててまた移動すると、自分がさっきまでいた場所に7本の矢が次々に刺さる。

848 名前: 31 03/07/20 00:56 ID:???

ほかの女子達は、二人を見捨ててどんどん走り去っていく。おそらくは近くに町なり村なりあるのだろう。
走れ! 走って応援を呼んでくれ。逃げていく一団を見てそうおもっているうちに、耳長の男達はずいぶん距離をつめていた。

「もう一発ぶちこまねえとわからないのか?」

タン と今度は、騎乗の男に狙いをつけ、撃つ。今度は胸部にあたったのか、のげぞるように後ろに吹き飛び、落馬した。
耳長達は自分達とまったく違う武器を使っているとようやく認識したのか、落馬した二人を器用に拾いあげると、もと着た道へ全速力でかけていく。

自分は、自衛官だ。だがそれは、現代日本の話であってここでは、生き残るためにはなんだってする。
いやしないと生き残れないだろう。まさか、こんなも早く決断するときが訪れるとは思っていなかった。

彼らを逃がせば、恐らく最低でも一個小隊以上の兵力を持って報復される。あの豪華な服装を見れば、
富裕層の人間だということは容易に想像がつく。ということは、富に加えて兵力があるとおもっていい。
彼女達の村なり町なりは攻撃されるだろう。彼女達を守るような余剰兵力が彼女たちの住む場所にあるかどうか甚だ疑問だった。

ならば……することはひとつだけだ。

バイポッドを展開し、プローン姿勢で彼らを狙う。セレクターはレ。日本が誇る64式自動小銃。フルオート時のコントールのしやすさでは世界一の小銃だ。
ストックをしっかりと、肩付けし、左手は肩とストックを。右手はグリップと引き金を。

こんなとき、何故か、あの言葉が浮かんだ。別に信徒でもないが、今、この場にこそ、この言葉がふさわしいのではないか。
そう思った。

「エイメン」

64式がフルオートで、鉛弾を吐き出していく。その衝撃でハンドガード、リアサイトが脱落したが、
ゆっくり3つを数える間に18発の弾が迷うことなく彼らと馬を貫通し、その動きを止めた。



892 名前: 31@_| ̄|○ 03/07/21 19:46 ID:???

「わかった。子供から手当てをしよう」

子供はアマール、アマールと母親を呼んでいる。たぶん、お母さんという意味なのだろう。

「エナール……セレデ・モータラターニーナ・イリーネタホット」
「アマール! ミータネシノ・モニーヘナノ・リタマーイ・ニトハン」
「……ごめん。何いってんだかさっぱりわかんねえ」

そういうと、子供はきょとんとこっちを見た。

「男の子だろ? ちっとだけ我慢してくれよ」

そう言うと、

「オト…コノ……コダロ?」

と、こっちの言った事を復唱した。さっきの会話を聞く限りでは、日本語語みたいに、母音で発音する言語みたいだった。
これは案外覚えやすい言語かもしれない。知性があり、話の通じる相手には対話が最上の戦術である。
いつだったか、その台詞を聞いた故郷は最早帰れる見込みは今のところない。

「そう。ちょっとだけ我慢してくれ」

男の子は枝を口にしてきゅっと目を閉じた。矢をひきぬくべく、力を込めた。

そのときだった。

「オーシェルメイア・シェルベース!」

母親が何かを指差して叫んだ。丘陵の先、この親子を置いて先に逃げた一団。その連中が、騎馬隊をつれて戻ってきたのだ。
轟く馬蹄の音が腹に響く。念のため、89式をひろいあげ、いつでも撃てる体制だけはとっておく。


893 名前: 31@_| ̄|○ 03/07/21 19:48 ID:???

騎馬隊は12騎で、うち二頭立ての大八車に先ほどの女子供達が乗っていた。騎馬隊は全員皮鎧を着ていて、
油断なくこちらにむけてクロスボウを構えていた。腰には帯刀もしている。馬の背には槍もある。矢がつきたら、
槍で、それも尽きたら剣で攻撃するのだろうという事は容易に想像できた。

「イェンセ・ハーシェネス! ガリオン!」
「トールネオ!」

母親はまた何事か叫んで、子供も何かを言って手を振ると、ようやくクロスボウを下ろした。
見れば、スリングベルトのようなものでつながれていて、首から提げることができるようだ。
あんな重いものを首から提げて疲れないのだろうか。

念のためか、女子供の大八車をおいて、騎馬隊の10騎だけがやってきた。いかにも騎士様でございといったなりたちの連中だった。
隊長らしき、中年の男が馬から降りて、母親に話かけた。

「トシハ・モノンナ・マクン?」
「エナール・ミレート・マサントマ」

相変わらず、何をいってるんだかわからないが街だか村だかの守備兵なのは間違いなかった。
連中はこっちのことをじろじろと見て、敵かどうか訝しんでいるのがありありとわかる。
なにしろこちらは緑に茶をまぶした奇妙な模様の服を着ているし、鉄兜もかぶている。
あげくに不思議な形をした変な鉄の棒をもっている。こいつ何者だ? 彼らの目がそう語っていた。

「ルヘト・マターマンナ・シマ?」
「モーリ・テイスッシトーナ・エルブ」

母親が俺を指差して、なんちゃら語で話している。中年の隊長はこちらを一瞥して、耳長の死体のところに歩いていった。

「エルブ・シナーナレト・ミーント」と隊長がいったその瞬間

ラー! ラー! ラー!

と、この騎馬隊の連中が歓声をあげた。

894 名前: 31@_| ̄|○ 03/07/21 19:50 ID:???

いきなりの事におどろいていると、隊長はこちらの手をつかんで「イスターダ」と真摯な目で握手してきた。
たぶん、ありかどうとか。助かったとかそういう意味なんだろう。

「アマネ・シーン・トア?」

そう語りかけてもこちらは言葉がわからない。怪訝な顔をしているのがわかったのか、自分の胸をたたいて、ガリオン・ザイエンと言った。
母親を指差して、アリス・ザイレン、子供をさしてはエナール・ザイレンと言った。どうやらこの隊長の家族だったようだ。
そして「アマネ・シーン・トア?」というのは名前はなんだ?という意味らしい。

俺は、自分の胸をたたいて、ケンジ・サカキと言った。

「……サカキ?」「サカキ・サーナート」「ハッハッハー」と笑いが回りからこみ上げてきた。なんだ。俺なんかへんなこと言ったか?

きょとんとしていると、ガリオンが、大八車にいる連中にむかって叫んだ。

「ヘレーナ! サカキ・グルンド・コーナ・ネーニカタ・キクーラ!」

ヘレーナと呼ばれた女がにっこりわらって、赤ん坊を高い高いした。ま、まさか……

「ケンジ」とガリオンは俺の名を呼んだ。

「イータレミナーナ・サカキ・シケ」
「ええ!? マジかよ……」

真実を知って愕然とし、座り込んだ俺を皆が笑った。緊張をようやくほぐすことのできた、明るい声だった。

酒姫賢治は、この世界に「赤ん坊」として今、ここに「生誕」した。

つづく


895 名前: 31@_| ̄|○ 03/07/21 19:54 ID:???

これが筆者が『赤ちゃん』に取材を申し込んで最初に聞いた挿話である。この後は諸氏も知っている『ストーリー』
(これも彼が異世界から持ち込んだ言葉であるが)へ展開していく。さて、その栄光の物語を彼に取材して知りえた真相を、
今後、このエルナール・バチスタが本誌に連載する予定なので諸氏はラグレ代を少し削って、本誌を購入してほしい。
価格は10マルヒーネ 年間購読だと5セメンハ。2週に一回発行の予定。

※1 1G とうてい信じられない話だが、彼のもといた世界は、体重は星の大きさや重さによって決まるらしい。というのも、
人間は星の中に住んでいるので、すべからく星の影響を受けているのだそうだ。1Gというのは、彼の世界の基準で、
人間がもっとも住みやすい体重で暮らせる星という意味らしい。この説明には驚くべき事が隠されている。
彼の世界は星々を自由に行きかう術があるのだ! そう思い聞いたところ、観測はできるものの、移住についてはまだ研究段階であり、
他の星に移住するには今後の研究を待たねばならないそうだ。ちなみに我々の世界は1Gにちょっと満たない世界だそうで、
そのせいか背の高い人が多いねと彼は説明してくれた。いまいちよくわからなかったのだが、引力なる力が働いており、それが強いと、
背丈は低くなるが、腕力など体が丈夫で力が強くなり、引力が弱いと背丈は高くなるが、体力は比例して小さくなるという。したがって、
引力が強すぎず、弱すぎない最も適正な値が1Gというらしい。ドワーフ達は、はるか昔、他の星より移住してきた亜人達の末裔なのかも
と彼はいった。ドワーフ族が信仰するディスティック神は他の星より来たという神話があるのは周知の事実である。
遥か神代の時代から伝えられてきた伝説は、ときとして真実が含まれるのかもしれない。

※2 6-24×50のスコープ

アルハ戦役で彼が使い続けた魔法の品。これで幾多の戦果をあげた。しかし戦役終了と同時に破損し、その役目を終えた。
現在、戦役資料館に大切に保存され静かな永の眠りについている。

896 名前: 31@_| ̄|○ 03/07/21 19:58 ID:???

第1話 「赤ちゃん大地に立つ」 終了。 次回 第2話 「猿から人間へ」 の予定

当方仕事がめっさ忙しくて、月1回更新できればいいほうですので、続きを書きたい方
どうぞご自由に。こっちもそのつど修正パッチあててかきますんで。



48 名前: 名無し三等兵 03/08/31 01:17 ID:???

秋山が訝しげに眉をひそめ隊員から暗号文を受け取り目を通していく。
「たしかにバークレーに移動しろと書いてあるな・・あんなマングローブもどきしか無いような所に何をしに行けと言うんだ・・?
堀三佐、何か心当たりはないかね?」
「は。・・・バークレーは第四師団の完全な支配下にあり、残念ながら我が戦闘団が移動せねばならない理由は思い当たりません。
しかしながら敵側に無線機が存在しないこの世界に置いてわざわざ暗号電文で移動命令を出してきた所を考えますと、
本島の連中には聞かれたくない特殊な作戦が有るのかも知れません。」
堀三佐が思いついた事を報告する。
確かに特殊な作戦でもなければわざわざ秋山戦闘団を呼び出す事は無いだろう。
小規模な反乱や紛争なら第三師団の方が武装や人員の面で優れているのでそちらで鎮圧するだろう。
「まあ移動すれば判る事か・・」

『われ第一普通科連隊、作戦目標の占領に成功せり、敵部隊を殲滅した。送れ』


126 名前: 名無し三等兵 03/09/12 18:58 ID:???

とりあえずチョイネタ。
『冒険中の日本人冒険者、遺跡調査完了!日本に帰還!』読捨新聞

先月の一日に新大陸に冒険に向かった熊本出身の男性(23)がリーダーを務める探検隊が本土に帰還した。
彼らが調査に向かったのは新発見された56番島、航空自衛隊の偵察機が発見した島で大きさは対馬ほどの大きさ。

冒険者の構成は時限流の道場で訓練を受けた日本人13名と有翼人4名、国籍不明の冒険者10名の合計27人で、
先日、アルマイネ港を出発したきり行方不明になっていたが今月の16日、
サクト湾沖で海上警備に当たっていた海上自衛隊の護衛艦に発見され18日無事アルマイネ港に帰還した。
冒険者達が持ち帰ったてきた遺跡から発掘した宝石類はアルマイネの古美術商の鑑定により日本円で約5億の価値された。
だがもっと価値があったのは、彼らが薬草として持ち帰ってきた大量の草木である。
日本各地の大学や研究所がこれらの購入を申し出ており、一部の薬草は100g50万を越える値段で取引される模様である。
「この薬草、ミガ草はこの世界の白血病に類似した病気の特効薬であるらしいのだが、
もしかすれば白血病の特効薬が出来るかもしれないのだろうか。」
と、大金を出してミガ草を購入した某研究所の所長は語っている。

冒険隊のリーダー(23歳)は次のように語る。
「自分は道場で一番腕が立ったため、この世界でも充分戦えると思っていたが考えが甘かった。
自分の甘さのせいで友人のコボルト族の一人が重傷を負ってしまった。
この世界に回復魔法があって本当に良かった。」
更に彼は次のようにも本誌に語ってくれた。
「最初は単なる金儲けで計画した冒険だったが、この世界の自然にふれていたらそんな事はどうでも良くなってしまった。
その辺に生えている草木の一本一本が、とても興味深くて、そして危なっかしくて冒険が楽しくて楽しくて仕方なかった。」

多くの日本人に利益を彼らの冒険はこれからもずっと続いていく。

150 名前: 名無し三等兵 03/09/17 01:13 ID:???

男気のある曹士なら行くね。佐官・尉官はまず駄目。己が一番可愛い。
ただ、行く奴は中隊の中でも非主流派だな。集団に飽き飽きしてるか、
なあなあの雰囲気が大嫌いな奴。本気で「何か」を守ろうとこの組織に
入ったが、幻滅した人間で無いとと云う前提が入るが・・・。
変わり者が多いのが、陸自の高射部隊だと聞くがね。あいつらは、
たしかに変わってた…。師団高射の奴等。部隊の防空を担当するんだけど、
皆が皆、「一番先に潰されるのが俺たちだ」って認識してた。上は大隊長
から下は二等陸士まで。異様だったよ。

151 名前: 名無し三等兵 03/09/17 01:51 ID:???

「…ここで死んだら、誰かが泣いてくれる…。そうですよね、山田2曹」
迷彩服の上に、胸鎧だけを着けた西士長が俺に笑いかけていた。奴の右手に
握られた長剣が、震えていた。奴等は殺す者を撰ばない。それがこの世界の
住人だろうが、異世界から来た住人だろうが、生者を呪って居る事には変化
はない。ただ、俺には西の言いたい事が痛いほど解る。
「ああ、少なくとも、感謝はしてくれる。守ってくれたって…」
人のために命を投げ出して戦い死んでも、この世界にはあからさまにお前
達の死は『犬死』だったと嘲笑する奴等は居ない。それがせめてもの救いだ。
「…来るぞ。お互いさんざん莫迦やってきたが、もう、終わりかもな」
俺は両手に持った大剣を高く掲げた。俺は此処に居る事を『誰か』に示す
ために。組織の歯車として終わらなかった事を、誇るために、名乗る。
「陸上自衛隊第13高射大隊第2中隊2等陸曹、山田浩二、ここにあり!」
「同じく陸曹候補士陸士長、西和弘、推参!」
お互い、組織にはなじめない同士だったが、愛着はある。俺たちの世界の
仲間達がこの名乗りを聞いたら、目を剥くだろう。
「お前達と一緒にされたくはない」
と。俺達は微笑み合うと、雄叫びを上げ『奴等』の群れの中へ突撃した。
とまあ、こんなもんですかね? 150?


156 名前: 名無し三等兵 03/09/17 04:17 ID:???

「また、その変な靴磨いているのか。アンタも飽きないな?」
子供の背丈しかないホビット族のビルピが、俺を笑った。未だに
コイツが俺よりも歳を喰っているとはとても思えない。餓鬼みたい
な奴に笑われているのでは、西に示しがつかない。俺は靴の中で拳
を握り締めた。今度こそ、殴ってやる。黙らせる!
「ビルピさん、これはね、自分達の誇りなんですよ」
西が自分の靴を半長靴を磨きながら、ビルピに応えていた。
「この靴は、自分達の物ではなく、国家から託されたモノなんで
す。自分達はただの靴すらも無駄にはしないと言う、誇りです」
西は一旦言葉を切り、俺を見た。安易に刺激するなと云いたいの
だろう。中隊に居た頃から、よく気が付く奴だった。
「…戦士の、心得か。武器や道具に心を砕けば、必ずそれは報い
てくれる。だが、女はそうでもない。裏切る時もある…」
普段は無口な、ドワーフ族のガドがビルピの前に立っていた。
「戦士を愚弄するとは、それ相応の覚悟が必要だぞ…ビルピ」
「よ、よしてくれよ…。別にアンタに云ったわけじゃあ…」
俺はガドに目礼した。ガドは重々しく頷いた。敵の前に立つ
前衛だけが解る、意識の共有だった。敵を倒す事が俺たちの使命だから。


161 名前: 名無し三等兵 03/09/17 06:31 ID:???

「補給の遅れるのには、慣れているからな」
俺の台詞に、西は苦笑していた。昼飯を持ってきてくれたエルフ族のフェイ
は、西を突っついて云った。
「ねえニシ? 何が可笑しいの?」
西が俺に応えても良いか、目で促すと、俺は頷いた。
「山田2曹と自分が居た部隊は、本隊よりも遠く離れた位置に配備されて、
空から来る敵の監視と撃破を担当するんですよ。酷い時には、昼食と夕食
が重なった時もありましたから。それも訓練時に…。実戦じゃ草を食べろ
と言ってる様な物です。つまり、山田2曹は遠まわしに感謝しているんで
すよ。この包囲された状況でよく食事を持ってきてくれた、と」
相変わらず、敵を作らない奴だ。口も巧いし、機転も利く。BやUの幹部連
中より、よっぽど有能だ。まあ、俺には負けるが。
「で、フェイ。何しに来た? わざわざ死にに来たか? んぅ?」
「まさか。手伝いに来たの。…ねえヤマダ? …ニシ、貸してくれる?」
…目的はそれか。西があからさまに動揺しているのは見なくても解るな…。
ちゃんと俺には説得したなんて云いやがって、この大馬鹿野郎が…。
「西!」
「はい、西士長!」
「20分お前にやる。説得には何分欲しい?」


164 名前: 暇人X 03/09/17 11:44 ID:???

「なあに、自衛隊ではな、出来の悪い士官を叱り飛ばすなんて俺の部隊じゃ毎度の事だ」
「…よく生きていられるな? ヤマダ? この世界の軍では、抗命は即処刑だがな」
俺達の部隊長、『姫将軍』は目を丸くして俺を見ていた。俺の事を何か不思議な生物を
見るような目付きが、ご大層な綽名に似合わず少女染みて見え、俺は戸惑った。西が居な
いと俺はどうも調子が狂う。口の巧いあいつの、合いの手が欲しいところだった。
「ン…。現場を知らん人間に解らせるには、言葉じゃ足りんのさ」
『姫将軍』が顔を伏せた。以前俺が戦場跡に無理矢理連れて行った時の、自分の醜態を
思い出したのだと気付いた俺は慌てて言葉を継いだ。
「あ、あんたの事じゃない。司令部の事さ。大袈裟に言わないと動かないだろう?
あの山に陣取られると、こっちがまずい事に気付いているくせに、部隊長は誰も
云わん。異邦人の俺なら、多少の無作法も許されると…」
「…爽快だったぞ。あの男を面罵し、頬桁を張り飛ばしたのはヤマダが初めてだ」
「アイツは一体誰なんだ? 一番偉そうだからやったんだが」
『姫将軍』は含み笑いして言ったものだ。『妾の父者ぞ』と…。俺は国王を張り飛ばした
と云う事に気付いた。愕然とする俺を、『姫将軍』は指を指して笑っていた。


168 名前: 済みません。軍事板でした。 03/09/17 16:40 ID:???

「女ぁ…!? 女に戦争、出来るかよ? なあ、西?」
「山田2曹、ジェンダーと言う物を知っておいでですか?」
「そんなモンは娑婆の理屈だ。使えねえ奴は使えねえ! 全く…」
実際、俺は苦りきっていた。俺達が2人だけになった経緯も、この世界に
跳ばされた中隊の糞幹部が、斥侯にWACなんぞ使って道に迷ったのを部隊
総出で捜しに行かせ、戦力を分散させたのが原因だった。当のWACはと云
えば、用を足してる時に襲われたらしく、下半身丸出しで死体になっていた。
西の奴は埋めてやろう等と言っていたが、俺は中隊の皆の埋葬を優先させた。
入隊した以上、コイツは兵士だ。女だ何だは関係ない。為すべき事を為さず
に勝手に行動した、コイツの自己責任だった。何よりも俺の居場所を無くした
奴を許せなかった。西と俺がこの世界で生き残っているのは、僥倖と云えた。
「山田2曹? 何処へ? もう夜中ですよ? 」
「西、忘れたわけじゃあ、無いよな? 俺達の中隊が2人を残して全滅した
のは誰の御蔭か?…今回の仕事、降りるぞ。西。命令だ。戦争の指揮が今
回始めてで、しかも女。こんなモン、負けてくれって云ってるのと同じだ。
直接断ってくる。理念だけじゃあ、生き延びられん。違うか、西?」


169 名前: 路線修正! 03/09/17 17:10 ID:???

俺達は中隊の持っていた装備を使うことは出来なかった。64式小銃には弾は無く
銃剣には刃さえ付いていない。3t半に牽引された牽引された機関砲の弾薬は有ると
は云え、2人で運び出すには重すぎた。結局俺達の下した決断は、放棄だった。
3t半を森の中に偽装して隠すと近くの村に下り、日頃鍛えた土方仕事で口に糊する
生活が続いた。言葉が何故か通じたのが幸いだった。西と俺がその間に得た情報は、
「この世界は小国が乱立していること」「火薬は未だ無いこと」「鉄は貴重品」
である事だった。俺は最初の一つに心引かれた。
「なあ、西? 俺達の今後だが…」
「墨家思想なら賛成です。山田2曹も、宣誓をしましたよね?」
決まりだった。俺達は村の鍛冶屋に64式小銃を10丁持って行き、鍛冶屋と共に
2振りの剣を打ち上げた。俺達の「専守防衛」の傭兵生活が始まったのだ。


219 名前: 還ってきた男 03/09/20 02:49 ID:???

「…髪から手を放せ! 痛いっ! …う…っく…? !?」
「見ろ! 目を見開いてよく見ろ! これがお前の指揮に従って死んで
行った奴等だ! 鼻を抓むな! お前はこうなる事を知ってて投射兵
器…弓兵に重装騎兵を突撃させたのか!?」
山田は『姫将軍』の頭を右手で掴み、白目を剥いて倒れている騎兵の死
体に無理矢理向けさせた。恨めしそうに天を仰ぐその生気の無い表情は、
今まで人の死とは無縁だった彼女の精神にとって耐え難い物であった。
「あ…あぁ…あ…ウグッ…!」
それが何であるか認識した途端、『姫将軍』は嘔吐した。山田は軽く背
を叩き、嘔吐が治まるまでさすり続けた。
「遊びじゃあ、無いんだ…」
自分達がこの世界に飛ばされた時の事を山田は思い出していた。正直に
云えば、陸自に入ってから『人を殺す』覚悟をしてはいたが、心の何処か
で『ありえないこと』と軽く流し続けていた。
それが現実となり、目の前に自分の殺した『人』の死体を見た瞬間に、
山田は罪悪感を覚えない自分に恐怖したのだ。『生命の大切さ』など考え
もしなかった、自分に。意外と簡単だな、と流してしまった事に。
「…指揮官ならな、自分の部下がこう云う顔して死ぬんだって念頭に置
いて作戦を立てろ。死地に赴かせる事がどう云う事か解ったか? ン?」




482 名前: モノカキ三等兵 03/10/29 22:08 ID:???

とりあえずプロローグみたいなものを書き込んでみます。
他の作者様方と違って面白くないかもしれませんが・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・

とある世界に、事故で異世界から駐屯地ごと召還された緑色の服の兵士達がいた。
その異世界から召還された兵士達は、始めは何がなんだかわからない状態だったが、
なぜか言葉が通じた召還術士から情報を聞き出し自分達が置かれている状況を確認すると、
緑色の兵士たちは元の世界に帰ろうと、元の世界に帰るのに必要な物資を集めはじめた。
だが緑色の兵士たちは必要な物資を集めるだけのこの世界で通用する通貨を所有していなかった。

そこで緑色の兵士たちを纏める将軍はやむを得ずこの世界で生活していく為に
緑色の兵士たちを『何でも屋』として働かせて通貨を稼ぐ事にしたのだ。
かれらは北へ南へと駆けずり回って王国や都市国家などと契約して、その通貨を稼ぎ、
元の世界に帰る為に必要な物資を購入、および採集するための予算に充てたのだった。

そして今回のお話は、そんな『何でも屋』になった緑色の兵士たちの中の、ひとりの下士官のお話である。
・・・・・・・・・・・・



539 名前: 504 03/11/12 19:50 ID:???

萌え話書けた。注意;飯島ゆうすけ嫌いな人は見ないように。

この世に神様がおられるというなら、この所業に人類を見限るでしょうか?
海水浴に集まった娘たちにメギドの焔に曝すなどという暴挙に・・・・。
お国のために尽くすのが罪だというなら、功徳とは一体何なのでしょう?
南海の楽園は一瞬で赤く染まり、私たちは炎に包まれました。
私は頑丈に生まれたので即死は免れましたがそれだけ長く苦しみそうです。
目の前では豊乳の牛飼いの娘と女ガンマンがもがき苦しんでいます。彼女たちはしきりに父親に助けを求めているのがあまりにも哀れでした。
メギドの焔を演出したのは実の父親であるのに・・・・。
友達の多くは炎の中に消え、残るはゲルマンの女騎士のみになりました。彼女は運命を悟ったのか、それとも諦めたのかうずくまり動かなくなりました。
そろそろ私も限界です。お父様、先立つ不幸をお許しください・・・・。

気を失ってどのくらい経ったでしょうか? 私はどこかの入り江に打ち上げられていました。
植物が妙です。さっきまでいたのは南太平洋でしたのに北方の樹木だらけです。
人は見当たりません。まるで忘れ去られた楽園の様。
それから数年、私は独りぼっちで泣きながらすごしました。
ある朝、人影の集団がやってきました。色々な人がいます。背が高くて耳の長い人、逆に背が低くて髭モジャな人、欧米人ぽい人、東洋人ぽい人、もろもろ。
どうやら彼らは戦火を逃れてきた様です。取りあえず様子を伺ってみると私の姿を見る事ができる人がかなり多いのに気がつきました。かつては山本おじさまを始め、
指の数ほどもいなかったのに・・・・不思議です。


540 名前: 504 03/11/12 19:51 ID:???

私の身体に住み始めた人たちとはすぐに仲良くなりました。どうもここは異世界らしく私の同族も沢山いるそうです。とりあえずシルキーの名を貰いました。
友達になった子供たちが親になりさらに彼らの子供たちと友達になり・・・・。
私は幸せでした、あの日がくるまでは・・・・。
甲板で子供たちと遊んでいると遠くに巨大な石人形が見えました。大きさは特20型くらいで周囲に黒い長耳と小さい鬼の妖怪軍団が迫ってきます。
住民たちは必死に抗戦しましたが多勢に無勢、次々と倒れていきました。
私も念力で抵抗しましたが10体倒すのがやっと、ついに子供たちのところまで迫ってきました。
鬼が気味悪い笑顔を浮かべるサマが視認できる距離にいます。もう駄目、諦めて目を閉じかけた時、奇跡は起きました。
轟音を上げ石人形が倒れました。恐る恐る空を見上げとそこには見慣れた機体が飛んでいます。
一式陸上攻撃機! かつては桜花を収納していた胴体からX兵器らしきものが飛び出し石人形の股間を直撃、撃破しました。もしや噂のエロ爆弾?
おまたを攻撃とはなんていやらしい。
零戦が機銃掃射し、5式や4式がそれに続きます。沖には軽空母の影もありました。
思わぬ援軍の出現で妖怪軍団は総崩れになりほうほうのていで逃げ出していきます。よく見ると援軍は旭日旗を掲げたかつての同胞たちでした。
異郷に迷い込んで60余年、もう会えないと思っていた同胞に会えるなんて夢のよう・・・・。
彼らは私の姿が見えない様だけど、一目仲間に会えただけでも幸運です。

戦死した住民を兵士たちとともに埋葬し、ささやかながらも祝宴が行われました。
私は第一砲塔に座って眺めていました。その時です。
「君、もしかして・・・・」
振り返るとまだ若い兵士がいます。あなたには私の姿が見えるの?
「じっちゃんが言っていた事は本当だったんだ・・・・」
じっちゃん? そういえばこの人には見覚えが・・・・そうだわ!
私の身体をよく洗ってくれた水兵さんに似ている! 山本おじさまを含めて私を感じられた数少ない一人。アメリカ軍に引き渡される瞬間に立会い、涙で別れたあの人だ。
次の瞬間、私は彼の胸に飛び込んでいました。


541 名前: 504 03/11/12 19:52 ID:???

それから彼に色々な事を聞きました。
朝鮮半島の暴君が九州を攻撃してこの世界に召還された事、北の大国との戦争の事、西の果てに日本人の町がありそこへ遠征している事。
できれば私も共に戦いたい。でも彼は言いました。
「もういいんだよ、君は第二の艦生を歩むといい。あの子たちと共に」
そう指差す先には子供たちが篝火の周囲で歌っています。
そうですね。私の戦争はもう終わっているのですね。
でもせめて祈らせてください・・・・あなた方に御武運を・・・・。

(戦艦 長門の艦魂、シルキーの語部より)





586 名前: 575 03/11/17 13:40 ID:???

ではお言葉に甘えて・・・

2003年12月08日 防衛庁中央発令所

「極東ロシア軍がスクランブル機を展開!」「米第七艦隊台湾海峡に展開。直衛機を展開中」

耳を塞ぎたくなる報告が相次ぐ。
能登半島への北朝鮮の潜水艦座礁事件から始まった極東クライシスは、もはや誰にも止められない所まできていた。
前日の午前9時ごろ、多数の国民・警察官殺害を殺害しつつ逃走を続けていた北朝鮮軍特殊部隊は、対応として自衛隊が行った山狩りで殲滅された。
それが公式に会見で語られるのと時刻を同じくして発射されたテポドンが、驚異的確立で東京ドームに着弾。
搭載されていた毒ガスがドーム内に充満し、そこでライブを行っていた国民的アーティスト『ミステル』ごとファンを全員死亡させた。
国内世論は当然紛糾し、死亡者リストの中に政財界の重鎮の孫が数多く含まれていたことが仕上げをした。
信じられない速度で自衛隊の報復攻撃が承認され、中国等からの非難を無視して準備は進められていった。
復讐に燃える日本の勢いは凄まじく、舞鶴港では海上自衛隊所属揚陸艦『おおすみ』『しもきた』が大量の兵士を既に飲み込み、現在は物資の登載中。
そして、港には近隣基地からかき集められた物資が次々と到着している。
自主的に出社した社員達によって緊急増産が行われている工場から運び出された弾薬が、警察の交通規制によってガラガラの高速道路を両斜線使って輸送中であり、その上

空はこれまた弾薬を満載したヘリコプターが埋め尽くしているという、日ごろ補給を気にしている自衛隊にとっては夢のような状態だった。

587 名前: 575 03/11/17 13:49 ID:???

王国暦794年 王都『ベイク』郊外

悲鳴を上げながら魔道士が倒れ伏す。
その頭部には数本の矢が生えている。
兵士たちが全速力で駆け抜けていく。その手には剣も盾も握られていない。
運の悪いものが足に矢をもらい、転倒する。だが、助けを求める彼の事など誰も見向きもしない。
彼らには、港で出港準備をしている輸送船に乗る以外には、皆殺しか自害の道しか残されていないからだ。

「頼む!誰か助けてくれ!誰k・・・」

必死に助けを求める彼の頭部を誰かが踏む。
血と歯が飛び散り、喉から漏れる唸り声以外を発することができなくなる。

「急げ!水軍は待ってくれんぞ!!」


588 名前: 575 03/11/17 13:50 ID:???

「中国が警戒レベルを上げました。日本海側の基地から次々と航空機の離陸を確認・・・米軍に向かっています!!」

指揮所内が凍りつく。
中米開戦。
小説の中にしかないような悪夢が、現実になろうとしている。

「米第三艦隊が緊急出航、台湾へ向かっています」「B-2ステルス爆撃機の出撃を確認」

加速。

「米大統領がエアーフォースワンに搭乗した模様」「中国海軍フリゲート艦、集結しつつあります」

加速していく。

「フィリピン・マレー、その他東南アジア諸国のデフコンが次々と1になっていきます!」

恐怖が、加速していく。

「ベトナム軍と中国軍が交戦状態に入りました!」「中国空軍の動きが活発になってきました!」「東南アジア諸国より警戒機の離陸を確認!」
「ロシア軍も次々と警戒機を上げています!ヨーロッパ各地のNATO軍も同様です!」
「米中機接触まで5秒!4・3・2・1・交戦状態に入りました!」「中国艦隊対艦ミサイルを発射、米艦隊はこれを迎撃。応射しています!」
「中国内陸部にミサイル着弾を確認。1,4,7,8なおも増加中!」「中国がミサイルを次々と発射しています!!」

「始まったぞ!」「高射群の展開急げ!」「こんごうを早く日本海側へまわせ!!」

真っ青な顔をした隊員たちが慌てて指示を出す。
もはや安全保障会議など開いている場合ではない。
一刻も早く守りを固め、敵を撃破しなくてはならない。
そうしなければ、国が消える。

589 名前: 575 03/11/17 14:22 ID:???

都内某所

「自衛隊は引っ込めー!!」「警察は消えろーー!」「日中友好の輪を守れー」

現状を正しく理解できない集団が電気店前を行進している。
と、不意にそれまで流れていた報道特番が消え、日本国旗を背にした壮年の男性が現れる。

「これより臨時ニュースをお伝えします。これより臨時ニュースをお伝えします。この放送をご覧の方は、できるだけ多くの方に声をかけご覧になってください」

日本中のサイレンが一斉に鳴り出す。
都内あちこちの広報車、いや、日本全国の自治体の広報車も同様だ。

「政府広報をお伝えします。本日午後3時5分。大泉総理大臣は、内閣総理大臣による特別非常事態宣言を日本全土に発令いたしました。この放送をご覧の皆様は、可能な限

り早く帰宅し、戸締りを厳重にしてください。なお、地方自治体・警察消防、ならびに自衛隊の誘導には必ず従ってください。政府広報をお伝えします・・・」

さすがに、集団がざわめく。
一切の事情を知らせずの一方的な宣言。
前方を見れば、機動隊たちは異常なまでの数が到着、号令をあげながら次々と展開している。

「これは最後の警告だ!直ちに解散せよ!繰り返す!これは最後の警告だ!解散せよ!!」

「整れーつ!」「第二中隊遅いぞ!」「バリケード設置終わりました!」

警告と同時に複数の命令が漏れ聞こえてくる。
そのいずれもが通常では聞けないものだ。

そして

「検挙ぉーーー!!!」


590 名前: 575 03/11/17 14:33 ID:???

銃声。
数名の機動隊員が、そのジュラルミン製の盾に穴を開けて倒れる。
集団の先頭に立っていた若者たち。彼らの肩から下がっていた鞄が火を噴いたのだ。

「畜生!応戦しろ!!」

自身も叫びつつ小隊長が銃を抜く。
だが、若者たちはワンテンポ早く彼に狙いをつけ、その脳漿を部下たちにぶちまける。
頭を失った胴体が倒れる瞬間、何の偶然か引き金が引かれ、弾丸が発射される。
そして、親に強引に連れられてここへ来ていた今年で7歳の少年の、短い人生が閉じた。

「いやぁぁぁぁ!!」

絶叫する母親が金切り声を上げながら機動隊に突進し・・・ようとし、最前列を越えたところで三発の弾丸を受け、絶命する。
それを見ていた群集にどよめきが走る。警察は、私たちを本気で殺そうとしている。
命までも主義信条にささげる気のない大学生が列を離れようとし、運悪く足を滑らせ転倒する。
不運な彼の足を誰かが踏んだ。

「うわぁぁぁゲェ」

叫んだ瞬間、機動隊の発射した催涙ガス弾がその大きく開かれた口に綺麗に着弾。
喉を強引に切り裂いて体内に侵入する。
不運な彼は体中の穴から催涙ガスと血を噴出しながら息絶えた。

591 名前: 575 03/11/18 02:17 ID:???

「俺も乗せてくれ!」「頼むよぉ!!!」「友軍を見捨てるのか!?畜生!戻ってきやがれ!!」

港へと到着した兵士達は眼前の光景に衝撃を受けた。
なんと、水軍の艦艇は既に港を離れ、帆を広げて遠く離れようとしているのだ。

「水軍は俺達を見捨てる気か!?」

傷ついた将軍が叫ぶ。
既に参謀や親衛隊はあの世へと進撃してしまっている。

「おのれ水軍め!おのれぇぇぇ!!!!」

喚き続ける将軍。
だが、彼の罵りはそこまでだった。
空を切る音がしたと思った瞬間、彼はその乗馬共々無数の矢によって串刺しとなり、唸り声すら漏らせずに絶命したからだ。

「てっ敵だぁぁぁ!!」

最後尾あたりにいた兵士が叫ぶ。
彼らが友軍に対して呪詛の念を唱えている間に、港はいつの間にか追いついていた敵軍によって完全に包囲されていたのだ。
怯える兵士達が悲壮な決意を固める前に、敵軍は港へとなだれ込んできた。



721 名前: 名無し三等兵 03/12/05 15:07 ID:???

チョイネタ。

大臣「国王。遂に隣国ロベスティリアの首都が日本国軍自衛隊によって陥落しました
ロベス国王は対日包囲同盟国のポリド国に亡命されたもようです。」
国王「むむむ・・遂に隣国まで・・もはや我が領土に攻め込んでくるのも時間の問題か・・
かくなる上は我等も対日包囲同盟に参加して一戦交えてくれる!!者共!戦の準備じゃ!!」
大「お待ちください国王!我が国とほぼ同等の軍事力を持つロベスティリアが1週間で破れたのです。
我が国に到底勝ち目はありませぬ!」
王「うむ・それは確かだな・・そなたはどうしたらいいと思う。大臣」
大「我が国は日本と同盟を結ぶべきと考えます。」
王「日本と同盟を結ぶ?!そんな事が可能なのか?大臣!」
大「可能です。オーラン大陸同盟との戦いで対包囲網作戦に兵力の殆んどを縛られている日本は
戦力の殆んどを拘束され一国でも多くの同盟国を求めていると聞き及んでおります。
そこに我が国の方から同盟を結びたいと使者を送れば、喜んで同盟を結ぼうと言う物にございます」
王「なるほど。だが日本とてただでは同盟に応じてくれまい。」
大「そうですな・・では今年16になられたララ姫を日本の皇帝と嫁がせては?
これならば日本の皇帝も納得するでしょう。
それに上手くいけば将来王の血を引くものが日本の皇帝になられるやもしれません」
王「ふむ。それはいい考えだ。この話はそちに任す。」
大「はは。お任せあれ。」

数週間後

大「国王、日本が同盟に応じました。なぜか婚姻は断わられましたが。」
王「ふむ。我らの計画に気付かれたか?」
大「さあ・・向こうから見れば人質が手に入るいいチャンスですのにねえ・・」


741 名前: 名無し三等兵 03/12/06 01:35 ID:???

>>219
「あのなぁ、前に巧く言った戦術がな、そのまま通用すると思う時点で間違いなんだよ」

姫将軍の涙で滲んだ目が、力なく茫然と俺を見上げていた。俺は姫将軍の眼を見下ろした。
負け犬の目だ。飼い殺しの俺たちと同じ瞳だ。開戦前の生気溢れたこの娘には似合わぬ態度だった。
俺は半長靴で、へたり込んだ姫将軍の前の地面を力一杯踏み込んだ。踝の辺りまで、靴がめり込む。

「見ろ。よく見ろ。普通に踏んだだけでこうなるんだ。増してやなぁ、金属鎧を着込んだ重装騎兵が
どうなるか、少しでも考えたのかオマエは? 斥侯は出したか? 敵の配置や狙いを読んだか?
敵の軽装騎兵の退却が擬態だと疑わなかったのか? そんなに父上に褒めて欲しかったのか? 」

姫将軍は俺を睨み上げた。…筈だったが、泣き出していた。今更ながら、後悔したのだろう。
だが死んだものは還って来ない。…俺の同期や仲間もだ。コイツの指揮の拙劣さの果てに殺されたのだ。
しかし、自衛隊の尉官や佐官には無い良さがこの娘にはある。学習能力に好奇心、押し出しの華麗さだ。
二度と同じ間違いは繰り返さないだろう。二曹の俺が言うのも難だが、鍛えればいい指揮官に為るだろう。

「ヤマダ…。妾は如何すれば良かったと其方は申すのだ…答えぃ! 応えぬならばっ…」

姫将軍は立ち上がり、腰の剣を抜き、俺の喉元に突きつけた。俺は素早く懐に潜り込み、姫将軍の頬を張った。
人にモノを頼む態度では無いその態度が、民主教育を受けた自衛隊員の俺のカンに障ったからだった。

742 名前: 名無し三等兵 03/12/06 02:07 ID:???

「王族だか何だか知らないが、俺の指揮官は総理大臣だ。血統で命令するな!
そんなに知りたいんだったら教えてやる! いいか? ここ数日の降雨により
地盤が弱くなっている上に、地形が擂鉢状…って解らんだろうな…。高杯状に
なっているだろう! 降りていくのは簡単だが、上がるのはどうだ? ん? 」

姫将軍は腫れた頬を押さえながら、黙って俺を見ていた。徐々にその怜悧に整い
過ぎた美貌が歪んでいく。己の馬鹿さ加減に気がついたのだ。敵に嵌められた事に。

「敵の軽装騎兵は…彼奴の陽動だったのだな…。軽装騎兵ならば…この緩い傾斜
でも登攀可能…しかし我方の騎兵にとっては岩山を登攀するに等しいのだな…。
妾がもう少し…用心していたならば…この者達は…。者どもよ…妾を許せ…。」

唇を噛んだ姫将軍は、自らの長く美しい黒髪を後ろ手に握り、右手に握った剣を振るった。
左手に握った髪を、戦場を吹く風に散らす。…コイツなりの死者への詫びのつもりだろう。
俺は被ったテッパチを目深に被り直した。…年甲斐も無く、ぐっと胸に来ちまったからだ。




66 名前: 名無し三等兵 04/01/13 17:17 ID:adPvUONu

「直径1000kmの範囲内を時空転移させる? 不可能だ」
「我々の力だけはな。だが、神々の協力を取り付けている」
「しかし・・・」
「幸い、向こう側、ミズホの国のエントロピーは異常に増大している」
「時空交換によるエネルギーの大規模な移動はまず発生するまい」
「それは確かなのだな」
「ああ。でなければ、あんな事を計画するものか」

「実行されるのですね」
「ああ。我らの計画発動が僅かに早い。列島の魔力を集束し、神界への
門を開く。我らはかの地にて世界と生命についての叡智を得て、世界を
あるべき形へと変革するであろう・・・」

「時空転移キタ━━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━━!!!!」
「キタ━━━━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━━━━!!!!」
「椰子らは大規模な空間転移の影響をどう考えてるのか、問い詰めたい。
小一時間問い詰めたい」
「世界の命運如きで騒ぐ輩は逝ッテヨシ」
「オマイモナー」
「・・・我ら竜族は事態を静観する。しかし、竜王諸賢は介入の準備は怠ら
ぬように・・・」
「('A`)マンドクセーー」


68 名前: 名無し三等兵 04/01/13 17:27 ID:???

日本列島の大部分が異世界に「召喚」されて、半年が過ぎた。
日本政府は東方大陸の主要国家である「帝国」と国交を結び、沿
海州北部への入植権を得た。
交渉はあっけなく終了したが、理由は非常に単純だった。沿海州
北部は帝国の実行支配化になく、その寒冷な気候は農耕に適さない。
他人にくれてやった事にしても、それほど惜しくはない土地のよう
だった。
無論、日本政府も貰って頭を抱えたわけではない。
帝国の技術であれば不可能でも、日本で寒冷地用に品種改良され
た作物ならば生育に問題はないと思われたのだ。
というわけで、自衛隊が入植団の先遣隊として東方大陸の沿海州
北部、通称満州へ派遣されたのである。

「満州」のとある寒村に連絡所が作られる事になった。
最初は普通科の連中を1個小隊を駐屯させるつもりだった。
だが、しかし。
余分な蓄えというものが存在しない寒村に、そんだけの人間を派
遣できるわけがない。食料の輸送も大変である。諸般の事情から、
連絡士官という名目で、二尉を一人置き去りにすることになった。
無論、置き去りにされる事になった二尉は泣いて許しを請うたが、
それで許されるはずもない。
彼はラジオの電波も届かぬ辺境で、しばらくテント暮らしをする
事になる。
我らが哀れな主人公の名を、秋津二尉という。
どこかで聞いたような名前というのは気のせいである、多分。



70 名前: 名無し三等兵 04/01/13 19:27 ID:???

秋津二尉は悩んでいた。
食料や住居に問題はない。部隊が設置した仮設住居はそれなりの
居住性があり、食料も十分に残してくれている。無線機の調子も悪
くはない。
秋津二尉の頭痛の種は、隣接する集落の長からの「貢物」だった。
さきほど、集落の長が置いていった貢物は、簡潔に説明するなら
ば15歳前後の少女である。この世界の常識で言えば十分に「女」
なのだろうが、秋津二尉の守備範囲からは少々外れていた。無論、
その貢物が可愛らしい少女で、しかもメイドさんであれば秋津二尉
もいささか違う反応、ハァハァしたであろう。だが、人なのかオークな
のか良く解らない生き物が相手では、至極良識的な反応をするしか
なかった。困った秋津二尉はとりあえずその貢物を頭から丸洗いに
する事にした。
「他のSSは美少女メイドさんなのになんで漏れだけ…」

88 名前: 名無し三等兵 04/01/14 00:36 ID:???

秋津二尉は風呂を沸かし、奇妙な生き物の衣服を脱がし始める。
衣服の構造は簡素で、奇妙な生き物も従順に従った。
だが、ゴシゴシと無遠慮に洗い始めると、それはいきなり猛烈な
抵抗を開始する。奇妙な生き物に殴られたり蹴られたりしながらも、
秋津二尉はなんとか洗い終わる。
洗い終わった奇妙な生き物は、十五歳ぐらいの人間の少女である。
秋津二尉は軽い眩暈を覚えた。


89 名前: 名無し三等兵 04/01/14 00:37 ID:???

数分後、秋津二尉は少女をそのままの格好にしておく事に、いさ
さか問題があることに気がつく。
彼は慌てて予備の衣服を取りだし、かなり大きすぎだが、少女に
着せ始める。
少女はそんな「主」を不思議なモノを見る目で見つめている。
秋津二尉の前途は非常に多難であった。


90 名前: 名無し三等兵 04/01/14 00:49 ID:tUzOlKYO

夜中にオークが襲撃をかけて来たので、秋津二尉が89式タソでヌッ
殺した。
で、その翌朝。
簡易住居の前に、数人の村人が現れる。
彼らは満面の笑みを浮かべ、手には昨晩くたばったオークの頭を
持っている。
はっきり言って、超グロい。
しかも、村人は両膝をついて気色の悪いオークの頭を、さも貴重
なモノでもあるかのように秋津二尉に捧げようとする。
秋津二尉は即座にオーバーアクションなボディランゲージで、拒
絶の意思を示すと、村人達は歓声を上げ集落に戻っていく。もちろ
ん、彼らの手にはオークの頭がある。
「もしかしてあれは…」
秋津二尉の理性は、オークの頭が大変な御馳走であると言う事実
を知識として理解しながらも、即座に否定した。


91 名前: 名無し三等兵 04/01/14 00:50 ID:???

秋津二尉の日記より

オークをヌッ殺した翌日の午後、各務一尉から連絡があった。
マー将軍とかいうオークの親玉がそっちの方にいるらしいから気
をつけておけ、だそうだ。
もう襲撃されてます、と答えると弾薬を送っておく、とか言いや
がった…。
もおダメだ。


96 名前: 名無し三等兵 04/01/14 01:01 ID:???

秋津二尉の日記より

またオークがくるかもしれないので、少女にも銃器の使い方を教える。
試しに89式を持たせてみたら、800m先のオークを一発でヒットさせる。
すげー。
このことを各務一尉に無線で報告すると
「今から迎えに行く」
というので
「交代要員が確保できたのですか?」
と聞くと
「おまえじゃない。女の子のだ」
と言われる。
欝だ。



271 名前: 暇人X 04/01/15 03:47 ID:???

「ねえ、坂井士長、あの女の締まり、どうなんでしょうね? イッパツ、お願いしたくありません? 」

一緒に立哨に就く、平松一士が俺に言った。現地の若い女(人間種)を指し、日本語で大声で抜かす様
は、大多数の陸上自衛官の品性を如実に顕していた。「酒・金・女・パチンコ」を唯一の愉しみとする、
『柵の中』の住人にとって、この世界に駐屯地ごと『跳ばされた』現実は、受け入れがたいものであった。
彼等にとっての『娯楽』が失われたあの時、暴動寸前まで行ったのだ。

「恥ずかしく無いのか? オマエは? 恥と言う字を『漢字』で書けないだろう? …黙れ糞虫! 」

奴は不満そうに黙った。俺は『営内』での最先任陸士だ。この破廉恥漢を外出させる許可を調整するのも
全ては俺の心一つで決まるのだ。外出一つ取るにしても許可制だ。まず、残る人間は当直。その他に非常時
の要員として若干名残らなければならない。俺は営内班長に『金』を貸しているので、金玉を握っているの
も同然だ。外出には、中隊長の許可に、営内班長の許可が『建前上』必要だ。その他に、先任陸士である俺
の、『外出調整簿』の残留人員の調整が必要となるのだ。前出の『若干名』は、士クラスから選出される。

「難なら半年外禁にしてやろうか? 平松? 」
「…女に興味ないって態度取るから、坂井士長ホモ呼ばわりされるんスよ?」

俺は溜息を吐いた。国防の事など、部隊で俺と対等に喋る事の可能な人間は、『営内』では皆無だった。
唯一小隊長だけが、かろうじて、俺と世界情勢も交えて話す事の出来る人間だった。俺は、孤独だ。
…はっきり言う。俺は一種の共同体であるこの『営内生活者』から、かなり浮いていたのだ。




486 名前: >>402 04/01/17 17:22 ID:???

ミッドガルド暦50年6月25日・・・
コーラル半島西部の国カウルの首都サウラ東方の山野には深い霧が立ち込め、静寂があたりを覆っていた。
午前四時、その静寂を打ち破り、東部に位置するコーラル国による魔砲撃の一斉射撃が国境線全域に渡って行なわれた。
それに引き続いて、歩兵七個兵団、ゴーレム一個旅団を第一線とする神聖コーラル軍が怒涛の西進を開始した。

・・これが、その後三年間に渡ってコーラル半島で同族同士が相戦い、17の民族が参加したコーラル戦争の幕開けである。


(この世界では機械文明のレベルは16世紀初期程度ですが、
魔法文明の発達により、農業や商業、魔法工業が活発であり、人口、経済は相当の物と、勝手に定義しました)
(また、戦争形態は攻撃魔法やクロスボウや火縄銃などの投射兵器が増えた結果、
剣や槍は廃れたが全てが戦場から消えた訳ではなく、いまだ予備(近接)兵器として運用中。)
(魔法は無限大に使用できる物ではなく体力などを消費して使用されるので、過度の連発は生命に係わる。
魔法具の類に魔力を込めることも可能。その場合、魔力の有無に係わらず、魔法使用可能)

・・・・て感じの話ですが、提出して宜しいでしょうか?
>>1の[ハイテク兵器VS剣と魔法 戦国自衛隊のノリでいて新たなジャンルを開拓すべし]
や>>2の暫定ガイドラインに抵触しそうなんで確認させてください。

516 名前: 名無し三等兵 04/01/17 22:29 ID:???

一陸士の回想
私が、敵に向かって1発ほど110mm携帯対戦車榴弾を打ち込んでみたら、間合いを詰めすぎていた味方ファンタジーも数名吹っ飛でしまった。 南無 これの威力を今まで知らなんだよ。
と、次の瞬間、敵軍の前線にいたらしい小癪な魔法使いが、
バックファイアめがけて光の弾を放ってきた。熱い、バディの○川も吹き飛ばされるのが見える。 しまった無用心すぎたか・・・
地面に転がった私を、なんとか担ぎだしてくれた衛生科の奴(悪いけど名前は知らん)が言うには、私が担架の中の終始半笑いを浮かべていたので、とてもキモかったらしい。
そんなことより、負傷者収容の為だけに、虎の子の高機動車使う作戦はどうかと思うが。 まあいいや。元から車載機銃の弾無いんだし。
軽い火傷を負ったので、私はその後の状況から離れたが、件の光弾を放った魔法使いは捕らえられ、○沢がわざわざ“斬首”したらしいと聞いた。
日ごろ正真Sだろと皆にからかわれていた男だが、やっぱり逝っちゃってたか。 しかし、そんなもので○川が浮ばれることがあるかよ!
数日後、燃料節約を考え苦力やらダチョウの化け物が黙々と引っ張る艀に車両を載せ、延々200キロ程上流に移動する作戦が開始された。 満足な地図も道も無いから、ファンタジーな奴等の言うことを聞くしかない。
苦力や、艀の徴用によって原住民が散々な目にあっているらしいが、あまり気にしないことにする。
所詮、奴等の大将も、私たちを徴用される連中と同じような捨て駒程度にしか思ってないんだろうな。
これじゃ国も乱れるよなと素人でも気づくぞ。 土人めが
士気は下がる一方だ。原住民の女の娘に手を出した亀○が、○井(小隊長)達に蛸殴りされた、
その上亀○は娘から素敵なプレゼントまで戴いてしまったらしく、大河の水面にささやかな飛沫を振りまこうとするたびに、悲鳴を上げている。 阿呆は死ななければ・・・・
一方で、特科の奴等は前の戦で大きな手柄を揚げた称えられ、ファンタジーな奴等から無理やり下女を宛がわれている。
「こいつら何言ってるマタークかわかんねぇ」
とか口では言ってても、正直まんざらでもなさそうな顔をしている。 畜生。 お前らの砲、もう残弾が5発そこらの癖に良い目見やがって


521 名前: 名無し三等兵 04/01/17 22:47 ID:???

秋津二尉は村長を呼び、二回目の補給物資に入っていた鍬と大豆
を手渡した。ついでに、この豆は畑に播くんだぞ、と身振りと手振
りで村人に教えておく。食われてしまうと、色々と不都合が起きる。
村人は秋津二尉に大層感謝したらしい。また生物を捧げようとし
たのだが、二尉は丁重に断った。
「いいんですか、タダであげちゃって?」
「うん。将来的には、あの人達と貿易しなきゃいけないんだから。
必要な先行投資だよ」
「時間かかりそうですね」
「ま、とりあえずは食糧を輸出できるようになってもらわないとね」
「でも、原住民なんて畑の肥料にしてしまえってゆー人もいますよ」
「米国人の失敗を繰り返す必要はないよ。ここは彼等の土地だし」



602 名前: 名無し三等兵 04/01/18 03:20 ID:???

>>599
>>600
どうか、もう一度ご協力お願いします

ファンタジー世界に迷い込んだ上官が似たような口調で狂う、ってのも面白いな。

新手のCGか? 妄想癖でもあるのかこの世界の住民は?
森の深くでやってればいいものを、わざわざ異世界の住人に対して?
何の気でいる? 軍事裁判にかけるぞ? 何なんだこの世界は?

604 名前: 名無し三等兵 04/01/18 03:33 ID:???

ああそうか、これは夢だな! 飛び切りの悪夢だとも!
今風のファンタジーに毒されたと言うのか? 小官は?
小官が深層心理で望んでいたとでも貴様達は言うのか、この耳長族どもめ!
ふん、生意気にも弓など構えおってからに! 小官を脅迫する気か?
宜しい、撃て。貴様達は小官の夢の住人だからな? 小官を傷付けられる筈が無い!


605 名前: 名無し三等兵 04/01/18 03:40 ID:???

>>604
ワロタ
絶対、そういう人間が出てくるよなぁ。
いきなりまさにファンタジーの世界に迷い込み、
テレビの中でしかみられないような形をした動くもの、バカみたいな魔法うんぬん
頭のお堅い人とかマジでこうなりそう。

「上官殿!しっかりしてください!これは現実なんです!」

606 名前: 名無し三等兵 04/01/18 03:42 ID:???

何を躊躇っている? 何故小官を哀れむ様な目で見る?
そこの耳長族の女、弓を貸して見ろ! 構え方が為っておらん!
弓と言う物はこう扱う! 小官は幼年学校時代、弓道を齧った事が有る!
引き絞る時は一気に! 矢を放つ時はこう! …ぎゃあ? 当たったか。
ふん、夢の癖に断末魔の叫び声を上げるとは…慮外者め。男らしく死ね!
何を震えている、女? ふむ…なかなか生気に満ちた良い目をしている。
小官を今にも刺し殺しそうな目だ。フン、刺すなら刺せ、命なら既に捨てている!

607 名前: 名無し三等兵 04/01/18 03:51 ID:???

国民のために捧げた小官の命、貴様等に呉れて遣る程、安くは無いぞ!
フフフ…! これは小官の夢である! 夢であるからには、何をしても良い!
きゃあ? 喚け喚け! 貴様等は人では無い! 従って人権も糞も無いのだ!
小官は未だ童貞では有るが、夢で有るので本来ならば手弱女にすべきでは無い
破廉恥行為すら小官の夢では許されるのだ! この様な防御効果も少ない、
肌もあらわな革鎧など引ん剥いてくれるわ! 暴れるな痴れ者めが!
…こんな物なのか? 女性の胸と言う物は? 案外、固くて小さい物なのだな…?


609 名前: 名無し三等兵 04/01/18 04:04 ID:???

痛い! 小官の腕を噛むな小娘…? 痛い、だと?
最近の小官の夢も進化した物だ。夢で痛覚を覚えるとはな…?
喚くな! 日本語で話せ! 何? 『乱暴しないで?』
話せるではないか? やれば出来るものだな? やはり小官の夢だ!
小官は全能者である! もっと揉んでくれるわ! ハーッハハハッ!!
何を震えて居るか? 息を荒げて? 頬が紅いぞ? むむ?
小さな胸の頂が固くしこって居るぞ? 『意地悪?』 …何を抜かす!
馴れ合いは小官の望む所では無いわ! 行って良いぞ、娘。 何故離れん?
何? 早く逃げて? 敵に、自分の夢の産物に、背を向け逃げる愚者では
無いぞ小官は! ? 『何時までも一緒よ?』 宜しい! その意気や良し!
小官の指揮下の警務隊の野営地が近くに有る! 小官の部下が歓待するぞ、娘!


611 名前: 名無し三等兵 04/01/18 04:15 ID:???

『小隊長? 阿室二尉?』 おお、小官を呼ぶのは小林一曹では無いか!
貴様も小官の夢に出て来れる身分に成り上がったか!
? 『その腕にぶら下がっているエルフ娘は何処で捕まえたか?』
痴れ者! 斜め右向けェ、右! その場に腕立て伏せの姿勢を取れ!
いィーち! これは罰だ! 小官が良しと言う迄続けろ! この短躯が!
何だ娘? 『可哀相』? …喜べ隼人、モトイ、小林一曹。その場に立て!
ご婦人の言に免じて赦してやらんでも無い。『元は同期の癖に、偉そうに』?
…聞こえたぞ? 隼人ォ? その場に腕立て伏せの姿勢を取れィ!



613 名前: 名無し三等兵 04/01/18 04:33 ID:???

おお、紫田 塊曹長では無いか? 何? 『俺にも廻してくださいよ小隊長?』
貴様ァー! その場に腕立て伏せの姿勢を取れィ! 『元は大学の同期だろ?』
だからこそ赦せん! 娘、相済まぬ。この様な獣どもばかりなのだ…。
御蔭で童貞の小官は肩身が狭い…。誰が腕を上げろと言った『カイ・シデン』!
『ハヤト・コバヤシ』! 貴様等がこの、阿室 礼 『ニ尉』と同等の口を聞くのは
百年も千年も早いわ! 『わたしは二千歳だけどね』? 娘、法螺話は止すが良い…。
発育不良の…その、なんだ…当節の小学生よりも幼く見える汝がだ、見栄を張る必要が
無いぞ? おお、無頼人三佐! 『歯を食い縛れ?』 …ぶったな! オヤジにもぶたれた事無いのに!
あうっ! 二度もぶったな! む、娘…良いのだ…。余り痛くは無かったのでな…。
何? 『風の精霊魔法で仕返ししてあげる』? 小官の上官に対して失礼だぞ!


617 名前: 名無し三等兵 04/01/18 04:58 ID:???

ふむ、娘、そう言えば小官は未だ汝の名を尋ねては居なかったな?
『或る亭主は、染む、大勲位?』…解らん。以後『中曽根』と名乗るが良い。
誰も咎めん。『アルテイシア・ソム・ダイクン』? 長いぞ中曽根!
以後小官に付き従うならば許容せよ! 良いな娘、いやさ『中曽根』よ!




654 名前: 402 04/01/18 21:37 ID:???

前スレに書き込んだ実験文の続きです。

6月28日、アースランド国の戦闘介入が行なわれた直後、南海岸付近で異変が起きる。
ヴァルハラの戦没艦隊の信濃、赤城、レキシントンなどに代表される空母から多数の航空機が飛び立ち、南岸一帯の制空権を獲得、
また、戦艦、重軽巡洋艦による艦砲射撃が繰り返され道路阻絶やコーラル軍の士気、物流を削り取り、進撃を遅滞させた。
コーラル軍第二軍団も補給警備部隊に防空部隊を配置し、多数の敵機を撃墜した物の、焼け石に水のような効果でしかなかった。

バードマウンテンの戦い(序文)

31日、地上軍の投入を決意したアースランド国は自国の領土、ヴァルハラに駐留する兵士たちに出撃命令を出した。
ヴァルハラの戦士達とは異世界に於ける戦死者にだけが集められて作られた部隊である。
しかし日頃の訓練で『本気で戦う。→殺されたら数ヵ月後にヴァルハラの館で蘇る→最初に戻る』と言うような訓練をしていたお陰で
いざと言う時に戦力が足りず、アースランド国の周りに出没する化物やアースランドの宿敵ヨツンヘイム国などの
脅威に備える兵を抜くと、新入りを集めて構成された一個大隊ほどの即時投入が限界であった。

この第3支隊の編成は普通科2個中隊と対戦車小隊、迫撃砲小隊(120mm迫×2)、
そしてそれを日米混成砲兵大隊の一部(FH-70×10)が支援していた。

第3支隊の任務は、続いて投入される予定の日米英軍人で構成された24師団が
後方の『ピョンテク』『アンノン』両都市に投入されるまでの数日間を、遅滞行動で稼ぐ事であった。
ピョンテク、アンノンの線は南北の線が最も短く、また付近を流れる河川を防御に利用できるなど、理想的な防御線であった。

655 名前: 402 04/01/18 21:39 ID:???

味方のカルア軍の撤退を横目に、7月5日午前三時、第3支隊はバードマウンテン北部の高地に到達。
カルア軍を追撃するコーラル軍を前に、ここに陣地を設定した。

指揮官の斎藤二佐は、稜線付近の道路南側の117高地に第一普通科中隊の主力、その南側の92高地に第二普通科中隊を配備。
道路を挟んで117高地の北側に位置する95高地に第一中隊から一個小隊を配置にさせた。
また、117高地西側に120mm迫撃砲を展開、砲兵大隊の宮井三佐が一キロと二キロ真南の高地に別々に砲兵陣地を築く。

だが、対戦車火器と言ってもその大半は84mm無反動砲であり、しかも対戦車榴弾は全体でたった16発しか装備されていなかった。
その上対戦車地雷も無く、時間的に対戦車障害物を設ける余裕すらないと言う有様であった。

夜が明け始める。この日は小雨が降っている上に雨雲が低く垂れ込め、航空機の支援は受けられそうに無い。
しかしながら視界は広く、12km先にある『ウオーターフィールド』の町まで見渡せた。

7時過ぎ、道路上を8体のゴーレムを先頭にコーラル軍の大縦隊が西進してくるのが視界に入る。
緊張の中に待ち受ける将兵。数人の手には指向性散弾のスイッチが握られていた。
やがて敵部隊が陣前3キロに迫った時、斉藤二佐の指揮のもと、混成砲兵の一斉射撃が轟然と開始された。
午前8時30分、対コーラル戦争に置いて地上砲兵の初弾発射の瞬間である。

将兵は、コーラル軍のゴーレムやその将兵が爆煙の中に包み込まれるものと信じた。
ところがゴーレムは何事も無かったかのように陣地に近づいてくる。
さすがに随伴歩兵は一人も生き残っていないようではあったが、ゴーレムが速度を落とす様子はない。
ゴーレムが『117高地』に構築した陣地の手前400mに到達した時、斉藤二佐は対戦車兵器を持つ隊員に射撃を命じた。

656 名前: 402 04/01/18 21:43 ID:???

10基のM2重機関銃が火を噴く。元々は対戦車にも使える様に設計された機関銃。近距離なら装甲車両でも撃破しうる代物である。
だがゴーレムに効果は無い。それどころか逆に魔法や火薬の入った樽を投擲しつつ坂を登ってくる。
対戦車兵がつづけて84mm無反動砲に一斉に後方に向かって爆炎を吐かせる。それとは逆に正面に向かって砲弾が飛び出していく
対戦車小隊長の二尉が自ら操作して50mも満たない距離で側面から命中弾を浴びせたが、一体を各坐させただけに終わる。
ゴーレムは手当たり次第に小火器で抵抗する隊員達を駆逐するとそのまま『バードマウンテン』の町を目指し前進していく。

コーラル軍ゴーレムが峠と『95陣地』と『117陣地』の間の峠を突破して下りに差し掛かると、
今度は後方にて『パックフロント』を形成して待ち構えていたFH70×5門が155mm榴弾の直接照準で歓迎パーティを開催する。
直撃や至近弾を食らったゴーレムが一体、また一体と次々に撃破、または足を引きちぎられ各坐させられていく。
だが抵抗も長くは続かない。ヴァルハラでのソ連軍との共同訓練でパックフロントの技術を学んでいた砲兵たちだが、
元々直接敵を撃破しようと展開していたのではない。
陣地転換の時間が無いと判断した為に、無理やりその場にパックフロントを形成したのだった。

そんな陣地が長く持つはずは無かった。爆薬投擲と蹂躙により陣地は速やかに蹂躙され、
生き残った33体のゴーレムたちは道路上に投棄された車両を破壊炎上させつつ『バードマウンテン』を目指し西進を続けた。

693 名前: 名無し三等兵 04/01/19 13:24 ID:???

「えー ドワーフのみなさん これは私達の国では「ヘリコプター」と呼ばれるモノでして・・・」
「うほっ いい鉄の塊!どないなっとんじゃい?」
「こないなもんよく作ったのう 強度はどうか?」
「うむ、ハンマーで叩いても壊れそうに無いぞう」
「わーーー!!そこそこ!!ハンマーで叩かないで!!大人しくしてーーー!!」

694 名前: 名無し三等兵 04/01/19 13:34 ID:???

そうそう、こんな感じ。
逆にエルフだと、

「えー エルフのみなさん これは私達の国では「ヘリコプター」と呼ばれるモノでして………」
「うっ! なんて醜悪な………」
「こんな鉄の固まりを………この国の人間共の品位が知れるな………」
「うむ………まったく、長老の命令とは言え、なんて不快な国だ………」
「………」

695 名前: 名無し三等兵 04/01/19 14:12 ID:???

で、飛んだらこうだ。
「なんだ?!もしかして、飛んでいるのか?!」
「飛んでますよ、現在高度2000mです」(俺よく知らないんでここらへんは脳内補完)
「2000m・・・?」
「そうですね・・・あなた方のいた森の隣の山と同じくらいの高さです」
「なんだと・・・!ま、魔力は感知できなかったぞ!?一体どうやって・・・」
「あ、悪魔の乗り物だ・・・」
「うぅ・・・気持ち悪い・・・うえー降ろしてー」
「悪魔め!一体何をしたんだ?!長老、私達はどうなるのでしょうか!!」
「いや、それは乗り物酔い・・・降ろせといっても・・・」

696 名前: 名無し三等兵 04/01/19 16:07 ID:???

ドワーフが町工場に見学に来て
「こ、この横回転のろくろ(旋盤)はどこで売っているのだ!」
「この刃物の鉄は今までのどんな鋼よりも硬いぞ、恐るべし…」
「この鋏尺(ノギス)、売ってくれ!」
と大騒ぎ。
ついでに熟練工の不足してる製造業がF世界に求人の手を伸ばして
双方の品質向上が…



725 名前: 名無し三等兵 04/01/19 19:17 ID:???

ブラック・ドラゴンズ・リバー流域の開拓はそれなりに順調に進
んでいるように見えた。すでに100世帯ほどが入植を済ませ、慣
れない畑仕事に取り組んでいる。種も仕掛けもないわけではない。
陸自によってあらかじめ開拓され、青々と繁る作物にあふれた畑が
植民者達に引き渡されているのだ。来年の今頃も同じ光景が見られ
る保証は誰にも出来なかった。
医療は当面は自衛隊が提供する予定だが、すでに複数の開業医が
活動を開始している。遠くない将来、医療部隊は本土に撤収するだ
ろう。問題は教育だった。各地の公立校職員から志願者を募集して、
当面の義務教育は何とかなる予定である。移民数が増加すれば教員
の不足が懸念されていた。


726 名前: 名無し三等兵 04/01/19 19:19 ID:???

帝国は状況にほぼ満足していた。
不毛の地である沿海州北部は、異世界人の努力で豊穣の地
となりつつある。帝国北部を荒らしていたオークも、異世界人の
軍に駆逐された。
後は果実が熟すまで待ち、熟れた果実を摘み取れば良い。
いかに不可思議な魔術を駆使するとはいえ、帝国軍20万の軍
勢に抵抗できるはずはない。


728 名前: 名無し三等兵 04/01/19 19:22 ID:???

帝国が問題と感じていたのは交易である。
現在、帝国は西方及び南方諸国に「工業製品」を輸出し、代償に
銀を輸入して大儲けしていた。当然、異世界人も良きカモとなる事
を期待、いや信じていた。
しかし、奴らは全く文化というものを解せず、帝国の産物を購入
しようとしないのだ。それだけならば野蛮人相手に商売はできない
と諦めもつくが、妙に輸入が多い。
しかも、輸入品は魔法のように良く効く薬や、非常に品質の良い
武具、不可思議な工芸品が魔法のように次から次へと現れる。
現在の所、異世界人は穀物やら燻製やらを買いあさっているから
良いようなものの、まともに銀を要求されれば帝国経済は破綻しか
ねなかった。



858 名前: 名無し三等兵 04/01/22 02:36 ID:???

小ネタを投下。

異世界の森林の調査に出かけた陸自隊員と林野庁職員。
日の出の頃から登山を開始して、ちょうどお昼時でランチタイム。

陸自 「なんだかんだいって、時々変な動物が出る以外は日本の山とそう変わらないですね」
林野庁「そうですね。実家の長野の山奥となんとなく似ていますよ」
陸自 「空気は美味いし、メシも美味いし、いいところですね・・・・・・あれ?」
林野庁「どうしました?」
陸自 「いや、あそこにいるのは・・・犬かな?」
林野庁「・・・犬ですね。こっちの世界にも犬はいるんですね」
陸自 「エサをやってみよう」
林野庁「大丈夫ですか?」
陸自 「大丈夫、大丈夫。漏れ犬好きだし、実家でも犬はたくさん飼っていましたから」

エサをやったり、遊んでやったりと、その野良犬との邂逅は
激務の続く自衛隊員にとって心の安らぎとなった。
が、これがその後、思いもよらぬ事態を引き起こすとは彼は想像だにしなかった(w

午後。

林野庁「あのぉ・・・あの犬、なんかついてくるんですが」
陸自 「・・・まぁ、そのうち飽きると思うよ」
(続く)

859 名前: 名無し三等兵 04/01/22 02:39 ID:???

夕方。

林野庁「まだついてくるんですけど」
陸自 「・・・(汗)・・・と、とりあえずここらでキャンプすることにしよう
あ、あの犬も多分番犬代わりになるだろうし(滝汗)」

夜。なんか犬が耳つき尻尾つきのローティーン少女に変身しやがった。

犬娘 「ご主人様!私を飼ってください!!」
陸自 「な、なんだって〜〜〜〜(AA略」
犬娘 「前のご主人様だったお婆さんは先月亡くなってしまったので、新しいご主人様を探していたのです!!」
陸自 「・・・・・・(激汗)」
林野庁「(激しくジト目)・・・どうすんのよ?」
犬娘 「ねぇ〜〜〜いいでしょ?お願い、この通り!!(手を合わせて頭を下げている)
私たち犬族はご主人様がいないと生きていけないのですよぉ(寂しそうに耳がぺたんと垂れている)
ちゃんとトイレも決まったところでするし、ゴハンも自分で用意できるし、手間もかかりませんから!」
陸自 「あ、いや、その、ねぇ・・・、普通の犬だったらともかく、女の子じゃかなり問題が・・・」
犬娘 「私、普通の犬ですよ?だったら問題ないですね♪(にっこり)」
陸自 「そ、そういう意味でなくてね・・・」
林野庁「・・・ひょっとして、こっちの世界の犬って、人間に変身するのが普通なのか?」

・・・・なんか変な方向の萌えネタ書いてしまって、少々自己嫌悪(w


864 名前: 名無し三等兵 04/01/22 03:24 ID:???

>>860
野良のままだと異世界版の保健所が怖いと言ってみるテスト。
あと怪しげな業者に捕まって変なところに売り飛ばされたりとか。

>>861
>もちろんかまってやること。
それだ!!

>>863
それもイイ!

ついでに少しだけ続いてみる。

陸自 「とにかく、ダメなものはダメなの」
犬娘 「そんなぁ〜〜〜。ご主人様は犬好きだといってましたし、 実家ではたくさん犬を
飼っていたそうですから相性バッチリだと思ったのに、なんでダメなんですか?ズルいですよ」
陸自 「それとこれとは話が別!」
犬娘 「う〜〜〜、昼間はあんなに可愛がってくれたのに・・・。
それに、私が何も言わないのをいいことに、あんなところやそんなところまで体中を撫でまわして、
私、すっごく恥ずかしかったんですからね!(顔真っ赤)・・・・・・まぁ・・その・・気持ちよかったですけど・・・」
陸自 「う・・・・・(顔が激しく青ざめる)」
犬娘 「せきにん、とってくれますよね?」
陸自 「・・・・・・・・・・・(がっくり)」
林野庁「おまえの負けだな・・・・・・にしても、どう報告するつもりだ?」
陸自 「・・・・・・・・・・・もうだめぽ」
犬娘 「♪(しっぽがパタパタしている)」





315 名前: 名無し三等兵 04/01/24 15:52 ID:???

数週間後
部下「司令。また8500tタンカーが・・・ベトナム沖で怪物にやられました」
司令「・・・・やはり単独行動させるのは危険すぎる。護送船団形式に切り替えねばならん」
部下「は、しかし小官は、司令が以前幕僚監部に提案した際に、
『輸送量の低下するから無理』と言われた記憶がありますが」
司令「『物資が遅れるのと物資が届かない、どちらが望みか?!』と脅迫してやれ! ・・・・・・・・丁寧にな」
部下「了解しました」

数ヵ月後
部下「やはりセイロン帝国攻略は不可能な模様です。敵艦隊の大半を沈め、
敵中央、ならびに東北南方艦隊を制圧したものの、武器弾薬燃料が足りずに前進が出来ない模様です」
司令「・・・そうか。なら防衛線を下げてシンガポールまで護衛群が引き上げてくるだろうから、海上護衛に護衛艦を回せるな」
部下「いえ・・・最後の決戦とばかりに敵首都に対して強行突入作戦を行なう模様です。」
司令「・・・・・・弾薬燃料が無いのに?」
部下「・・・小官が聞いた噂では、この海上護衛総隊から弾薬燃料艦船を引き抜いて行なうつもりだとか・・」
司令「なんだと!!仮に敵帝国を撃破してもまだ海賊や残党、それに怪物に対処せねばならんのだぞ!?
艦隊司令部に電話を繋げ!!」

316 名前: 名無し三等兵 04/01/24 15:53 ID:???

司令「艦隊特攻を行なうと聞いたが本当か?」
艦隊「今此方から電話をかけようととしていた所です。具体的な作戦は・・・・・」
司令「・・・しかし幾らセイロンに行って127mmを撃ちまくると言っても、
そんな事したら仮に成功しても、その後の東南アジア周辺海域に展開する事すら敵わなくなるぞ。」
艦隊「その公算も大いにあるんですか・・・狙いは他にもあるそうなんです。
陸上自衛隊が大陸で敵首都に迫っているというのに、海上自衛隊が敵首都に近づく事すら敵わないでは
黙っていられる訳が無いという気持ちが強いそうです。
幕僚長が読む予定の訓辞がここにあるので読んでみましょう。
『・・・壮烈無比の突入命令を出したるは、海上自衛隊総力をこの一戦に結集し、
光輝ある海上自衛隊水上部隊の伝統を発揚すると共に、その栄光を後期に伝えんとす。』」

司令「・・・・・国をあげての戦争に、水上部隊の伝統が何だ!!水上部隊の栄光が何だ!!馬鹿野郎!!」

ガシャン!!(電話を切る音)

部下「・・・・・終わりましたね。」
司令「もう付き合いきれん・・・」

これで終わりっす。



872 名前: 名無し三等兵 04/01/25 21:50 ID:???

>>814
「帝都攻略戦」でもなければSSですらないのですが、

F世界に飛ばされた日本。当初の混乱を切り抜け事態を把握した政府は愕然とした。
世界経済から切り離され、枯死は時間の問題。
官民合同の話し合いの場が持たれ、「日本生存の為には帝国主義も已む無し」と云う
国民的合意を形成するに至った。

「我等こそが世界の支配者である」彼等はそう自認していた。ちっぽけな大地にしがみつき
自分たちこそが唯一の文明人と信じて疑わない夜郎自大の大夏人、いつまでたっても
遅れたままのヒンドゥースターナ、ちっぽけなシーサン・パンナ諸国。
どれも取るに足りない。
「海を支配する我等こそが世界の支配者なのだ」
彼等はそう自認していた。
彼等の名はセイロン帝国。




873 名前: 名無し三等兵 04/01/25 21:51 ID:???

1年、それが結論だった。産業構造を再編し、国民生活を制限し、
日本が自由に動ける時間の、それが上限だった。

「奴らはいったい何者なのだ?」
我が帝国の対大夏拠点のフォルモサ沖に現れた「奴ら」は恐るべき力の持ち主だった。
最初に接触した艦隊は成す術も無く海の藻屑と化した。
飛行機械、潜水艦、風に依存しない内燃動力船、概念上の存在でしか無かった
筈の空想機械で武装せる異形の艦隊。
だが「奴等」の真の恐ろしさは装備の優越ではなくそのソフト、我等にとって
未知の概念を装備したソフトの優越にあった、しかし。
「奴等は焦っている」
理由は解らない。しかしそれだけは解っている、そしてそれが解っていれば
充分だった。それさえ解っていればあの「ニホン」とか自称する連中に
一泡吹かせてやれる……。

「あの『ニホン』とか云う連中を引き摺り回してやれッ!!」


874 名前: 名無し三等兵 04/01/25 21:52 ID:???

「……こ…、ここまでやるか!?」
「……してやられたか」
フォルモサ降伏
ルソン陥落 生存者0
ミンダナオ陥落 生存者0
パラワン陥落 生存者0
スラウェシ降伏 セイロンに宣戦布告
カリマンタン降伏 セイロンに宣戦布告
シンガサリ降伏 セイロンに宣戦布告
アチェ降伏 セイロンに宣戦布告

ニホンの遣り口は邪悪や悪辣を通り越して過酷そのものだった。
奴等はまず最初に降伏の勧告と本国からの独立と宣戦布告を要求する、
これを受け入れれば自治を認め一切の手出しをしない。
では拒否すれば? ……虐殺だ。
降伏も、助命嘆願すらも受け付けずに女子供に至るまで。

かくして帝国は植民地の政治的信頼を勝ち取る為、
勝ち目の無い決戦に引きずり出される羽目となった。
決戦場は……、アンダマン海!!

「ぎりぎり間に合ったか」
虐殺も殺戮も好きでやった訳じゃない、仕方ないだろ?
それ以外に生きる道が無いんだから。
アンダマン海決戦、
「これが最後の戦いだ」

あれ? 日本が悪者だ。

558 名前: 名無し三等兵 03/11/15 14:55 ID:???

ちょっと長くなるけど小説投下してみます。

面白くなければ黙殺してください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・
ことの始まりはポロッコロという街でとあるさえない召還術士が古ぼけた街の古本屋で数百年前に書かれたと思われる古文書を発見したのが始まりであった。
召還術士がその古文書を解読してみると太古の昔に忘れ去られたはずの禁断の召還魔術のことが事細かに書かれていたのである。
召還術士は古文書に記されていた通りに各種魔法具および触媒を10年の歳月と全財産を費やして集めた。
そしてその成果を貴族連盟や召還術士連盟に見せ付けるため、ポロッコロ街外のチョバム平原に呼び出して召還術を試みたのだった。


559 名前: 名無し三等兵 03/11/15 14:57 ID:???

そして、遥かなる時空の彼方から彼らは召還されたのだった。
現れた数キロに及ぶ施設と集積物資の山・・それを見た召還術士と見物人たちは歓喜に沸きかえったが、
突如としてチョバム平原に召還された自衛隊の方はたまった物ではなかった。
いきなり辺り一面の風景が果てしなく広がる大草原に姿を変えたのだから。
元々召還される前の世界で戦争が迫っており気が立っていた自衛隊は訳も分からないまま
突如として基地の中に現れた召還術士及び見物人たちを有無を言わさず待機中であった戦車中隊で制圧すると尋問を始めた。
抵抗しようとした貴族の護衛のゴーレムは瞬時に120mmにより粉砕されただの土くれに姿を変えた。
それを見てあわてて状況を説明する召還術士と責任を召還術士になすりつける見物人一同。そして泣き出す召還術士。
自衛隊の方も泣きたい気分ではあったが、とりあえず見物人たちを解放して駐屯地の外に放り出した後、
何とか泣き止ませた召還術士からすぐに元の世界に帰れるのかどうかを問いただした。
召還術士は道具さえ揃えばすぐにでも元の世界に送り返せると説明し、それには莫大な費用と時間がかかる事を説明した。
それを聞いた自衛隊は止む無くその道具が見つかるまでの間、この世界に留まらざるをえなくなってしまったのであった。

この世界にたどり着いてから1週間後、このままでは部隊を維持できないと考えた自衛隊幹部はある決断をした。
それは必要物資を探すためとその資金確保を行なう為に、万能商会を設立して隊員達を各地の都市に部隊を派遣すること。
そしてポロッコロの北に位置する商業都市カステルデボヤーンにも折原三尉を小隊長とする部隊が配置されたのだった。

560 名前: 名無し三等兵 03/11/15 15:00 ID:???

商業都市カステルデボヤーン

大陸を横断する主要交易路に面する市場に面接した大陸有数の商業都市の1つである。
エルフの涙から作られた宝石。ドワーフが掘り起こした魔鉱石を加工して作り上げた振るたびに炎を発するという魔剣等々、
大陸中から集められたありとあらゆる商品がその市場に並んでいた。
そして多量の珍しい商品が並べば自然と人通りも増え、客が増えるに従い商品も充実度を増すという具合に、
その市場とそこから莫大な収益を得る街は大きく発展していっていた。・・・だが当然のように人が増えれば問題も増える。
街の中で暴れる犯罪者や盗賊が急増したのである。そして・・その日もブラウン通りの一角の酒場で盗賊団が暴れていた。

「警備隊長!駄目です!連中はかなり高位の魔術師を多数連れています!!
暴動鎮圧の為、酒場に突入したアシュ小隊長ほか40名が返り討ちにあって撤退してきました!!
開き直った盗賊どもは周辺を占拠し店の従業員及び店長を人質に取り都市政府に10億リラを要求しています!!」

盗賊団との交渉に当たっていた交渉人の警備隊員の使いが慌てて市場警備の責任者であるトーマスの元に飛び込んできて
交渉人の教え通り、突入部隊が撃退された事と犯人達の要求を要約して簡潔に伝えた。
それを聞いた警備隊長のトーマスは吸っていた葉巻をくわえたままの姿勢で一瞬固まり、
次の瞬間には椅子を蹴って立ち上がり交渉人の使いに対して怒鳴りつけた。

561 名前: 名無し三等兵 03/11/15 15:01 ID:???

「突入部隊が撃退された?・・それに10億リラだと?・・都市政府の年間予算の50分の1だぞ!払える訳が無いじゃないか!」
怒鳴りつけられた交渉人の使いが慌ててまるで銅像のように背筋をピシッと伸ばして
直立不動の体制でその怒鳴り声に返答する。
「は!交渉人のリオ殿もそのように盗賊どもに仰られました!
しかしながら盗賊どもは都市政府が10億リラを払わない場合は人質を皆殺しにして街に火を放つと息巻いております!」
警備隊長のトーマスは苛立ち気に葉巻を灰皿に押し付けてから乱暴に椅子に座りなおし対応策を考え始めた。
彼の直属部隊は三個小隊から成り立っている。そしてその中でも最も戦力を保持していたのがアシュ・マークの指揮する第一小隊であった。
その第一小隊が訳も無く撃退された所を見ると敵は相当の戦力を保持していると考えられた。
そんなところに弱兵ばかりの第二第三小隊を投入した所で返り討ちに会うのは火を見るより明らかであった。
「止むをえん・・・剣士ギルドに借りを作るのは癪に障るが・・・
剣士ギルドが市場警備隊になにかあった場合には協力させると約束していたアルベルトの第二部隊を呼んで来い。
魔剣士ばかり集めた奴の部隊なら鎮圧できるはずだ。」
だがその警備隊長の提案を事務の隊員が不可能だと否定する。

562 名前: 名無し三等兵 03/11/15 15:04 ID:???

「無理です警備隊長殿。
剣士ギルドと魔術士ギルドの主力の連中は西のアボールの森に出たファイアドラゴンをしとめるために街を出ています。
支援に向かった警備部隊も帰ってくるのに1週間はかかるでしょう。」
警備隊長の傍に控えていた事務の隊員がその後も淡々と戦力となりうる殆どのギルドが都市を離れている事を説明してゆく。
盗賊ギルドは裏切り者の追跡中。商人ギルドは大規模な通商ライン設立の為その大半が遠く離れた異国の都市に滞在中。などなど
結局の所、まともに部隊として活動できるのは教会の聖職者協会と召還術士ギルドだけであった。
しかも聖職者教会には回復魔術系を使う神父や牧師しかいないため突入戦力にはなりえず、(シスターなどは問題外
召還術士ギルドはゴーレムやドラゴンを呼び出して戦うというその性質から、逆に攻撃力が高すぎて人質救出などの細かい芸は一切出来ないのであった。
「くそ!それでは金を払うか方法が無いではないか!!」
トーマスが苛立ち気に机の上に再び手の平を叩きつけて黙り込んでしまう。
こうなったら方法は三つ・・実質は2つしかない。
1つ目は金を払って人質を救出し、盗賊団を一時的に見逃し後に追撃することである。
だがこの方法は盗賊団を補足できなかった場合、金銭を持ち逃げされてしまうので都市政府が認めないだろう。
しかも追撃に参加できる部隊はほとんど町にいない。よって逃げられることになる。
そうなれば金目当てのテロリストや盗賊団がこの町を狙ってくることも十二分に考えられた。
2つ目の方法は人質を無視して召還術士ほかを投入して盗賊団を撃滅することである。
これなら盗賊団は壊滅させれるであろうが、人質に多数の犠牲者が出る。
その上このカステルデボヤーンという町では都市政府法と住民に凶悪なまでの人権意識があるので実現は不可能に等しい。
3つ目の方法は『何もしないこと』である。だがこれでは事態が悪化することはあっても好転する見込みは無いので無意味な選択肢だった。

563 名前: 名無し三等兵 03/11/15 15:07 ID:???

隊長の沈黙につられる様にして周りに居た警備隊の隊員達も一人、また一人と黙り込んでしまっていった。
だれもかれも名案が思いつかない。
全員が黙り込んでしまった所で、先ほどの事務の隊員が不適な微笑を浮かべながら発言する。
「警備隊長殿。自分にいい考えがあります。ですがそれには少しばかり纏まった予算・・
そう。50万リラ程の予算をいただければ今日中に奴等を制圧して見せます。」
「・・・その程度の額なら何とか賞金首用の予算から出せる事は出せるが・・何に使うのかね?アスティア君。」
警備隊長が不審そうに事務の隊員を見ながら静かな声でその用途について尋ねた。
事務の隊員が実に楽しそうな顔でそれに答えた。
「まあ任せて置いて下さい。ポロッコロで知り合った世界最強の万能商会『自衛隊』に盗賊どもを鎮圧させます。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
と、いったんここまでです。
続きは数時間後に書き込む予定です。


571 名前: 名無し三等兵 03/11/15 21:22 ID:???

1時間後・・
「・・・本当にこんな連中に頼んで大丈夫なのかね?アスティア君」
警備隊長のトーマスが自身の目の前で突入の為の作業を続ける迷彩色で前進の色を統一した男達の姿を見て
人質救出作戦が失敗するのではないかと漠然と不安になり、すぐ隣で同じく自衛隊の作業を見つめていた部下に尋ねた。
「ええ。彼らなら訳も無く盗賊どもを処理してくれる事でしょう。」
「しかしだな・・いくらガンナーでも鎧もつけないとは無謀極まり無いと思うのだが?」
「警備隊長殿。彼らがボロッコロでフォンストン卿の護衛のゴーレムを一瞬で破壊したのは間違いの無い事実です。
彼らの実力はわたしが保証しますよ」
不信感を隠せない警備隊長をアスティアが宥めすかしている所へ1人の隊員が歩み寄っていく。
「どうも。陸上自衛隊第11師団の会計科の柊三尉です。契約者のアスティア・マークス氏ですね?
契約の確認に来ました。」
契約書と簡単な市街地図を手にした柊三尉がアスティアに手を伸ばし握手を求めながら要件を告げる
「ああ、こちらこそよろしくヒイラギさん。
こちらは私の上司、市場警備の責任者のトーマス警備隊長です。」
「よろしく頼むヒイラギ殿。」
柊三尉が彼とも握手を交わしたのち次の用件を告げる。
「こちらこそよろしくお願いしますトマース警備隊長。
さて、先ほども申しましたように契約の確認のほうについてですが、
救出作戦のほうの指揮については、完全に此方に一任していただきます。
また、人質に犠牲者が出た場合は契約通り犠牲者一人につき3000リラを返還します。
責任も我々に押し付けてもらって結構です。
その代わり、建物などの損害にはやむをえない事として諦めてください。
そのかわり、盗賊団は一人残らず無力化する事をお約束します。」

572 名前: 名無し三等兵 03/11/15 21:26 ID:???

「わかりました。警備隊長もそれでいいですか?」
柊が契約書を読み上げるのを聞いていたアスティアがトーマスの方に振り返り確認を求める。
「うむ・・それで基本的に問題はない。だがヒイラギ君。代わりに1つだけ質問がある。」
トーマスが右手の人差し指を立てながら確認を取ってくる。
柊がそれに答えるように、そしてその発言を促すようにトーマスのほうに向き直る。
「それは君達の武器と防具についてだ。
君達の持っている銃で君達が有名なガンナーたちと同じような戦い方をするのは理解できる。
だが火縄式なら最低でも装填に30秒はかかるだろうし魔法式にも見えない。
市場で噂になっている噂のフリントロックでも装填時間は似たようなものだろう。
そんな武器では迅速な戦いには向かないのではないのかね?
しかも防具もつけていない。これでは敵の反撃に備えられないだろう。」
そう。人質救助の任務である以上、作戦開始から終了までの時間は出来るだけ短く終わらせなければならない。
時間が長引けばそれだけ奇襲効果が薄れてしまう上に、人質の安全が脅かされてしまうからだ。
それゆえ、発射間隔の長いと『されている』火薬式の銃を人質救助作戦に使うことを彼は特に疑問視したのだった。
それを聞いた柊三尉が納得したという風に頭を数回うなずき返答する。前回の仕事のときも似たような事を言われたからであった。
「ああ。なるほど・・・前の契約者も同じような事を言われました。
ですが安心してください。我々の銃は火縄式でも魔法式でもありません。
しいて言えば『機械式』です。」
それを聞いてもトーマスはまだ不審気に柊を睨むような目で見ていたが疑っていても仕方が無いと決心したのか、
「『機械式』・・よく解らんが・・・弓程度には発射速度があるということだな?
・・わかった。君達の思うようにやってくれ。医療体制は此方で整えておく。」
「解りました。そうしていただけると助かります。」
柊が頷く。双方が合意に至ったのを確認したアスティアは部下に合図して荷馬車に積んであった一抱えもありそうな袋三つを柊の所に持っていかせた。
「ヒイラギ殿。これが前払い分の25万リラ分の金だ。残りは救助作戦が終わり次第直ぐに荷馬車ごとそちらに譲ろう。」

618 名前: 572の続きUP中 03/11/27 23:34 ID:???

それを受け取った柊は同じ会計課の部下達を集めて中にきちんと金が入っているのを確認させる。
隊員の一人が金をその手に取り薬品に浸す。だが変化はない。
次は計りに載せて比重を調べた。彼が手書きの化学表と照らし合わせた結果、ほぼ金の比重に等しいことが判明する。
それを見ていた柊が確認した事をトーマスに伝えた。
「確かに金ですね。確認しました。それでは本格的に部隊の展開を始めたいと思います。
出来れば交渉人の方にはしばらく盗賊団との交渉を続けさせてください。
急に交渉を打ち切れば怪しまれますので。」
「わかった。交渉人には此方からそう伝えておく。よろしく頼むぞ。」
そう言ってトーマスが柊に向かって握手をもとめ手をのばした。柊がそれに応じた。
「お任せください。トーマス警備隊長。直ぐに事件を解決させて見せます。
それでは市外で待機中の第一特別編成中隊に連絡をいれて市街地に展開するよう伝えます。
では、契約完遂後にまた。」
そう言って柊はその場を立ち去ろうとした。がトーマスが彼を呼び止める。
「ヒイラギ殿、伝令を出すならうちの警備部隊から足の速いものを数人お貸ししよう。」
柊が足を止めて振り返って丁寧に感謝と断りの言葉を述べた。
なぜなら柊には伝令を走らせるよりもっと素早く情報を伝える手段があったからである。
そうかれは無線機と言う触媒を使い、人間の数千倍以上足の速い『電波』という名の伝令を走らせたからであった。
「トーマス隊長・・直ぐに面白いものが見れますよ。」
無線連絡が済んだのを確認したアスティアが嬉しそうにそうトーマスに耳打ちした直後、
近くの街壁の大門がゆっくりと蝶番の軋む音を立てながら
ゆっくりと開き、そこから幾つもの鉄の塊がエンジン音を響かせながら何列も連なりゆっくりと突入してきた。
「な・・」
それを見たトーマスや警備部隊の隊員達は開いた口がふさがらない。
彼らには街門をくぐり74式戦車を先頭として突入してくるその光景は、さながら地獄の門から出てきた悪鬼羅刹の
進軍の様に見えたのだった。
「だから言ったでしょう?連中に任せておけばどんな連中も恐くないって」
一人アスティアがうれしそうにそう呟く。だが、その言葉は警備隊長に伝わる事はなかった。

619 名前: 572の続きUP中 03/11/27 23:53 ID:???

同時間、数人の自衛官達が街のいたるところの高所を目指して移動を開始し始めていた。
彼らは普通科連隊の中から特に優秀な射撃能力を持つものや重火器を集めて作った支援射撃班である。
彼らが向かっているのは犯人が立てこもっていると思われるブラウン通りを見下ろせる市場ある教会の鐘楼の屋上であった。
教会に残って留守番をしていたシスターたちに聖職者ギルドからの紹介状を見せ教会に入る許可を得て、
彼女達に案内されて鐘楼の最上階を目指し階段を上っていた。。

「それにしても・・聞けば聞くほど変わった武器ですね。火薬式の銃なのに火蓋や火縄をつけるところが無いなんて・・」
鐘楼への案内ついでに、支援射撃班の隊員の持っていた銃について質問していたシスターがそう呟く。
「そうかな?自分の国じゃこれが普通だったんだけどね。」
M2重機関銃を肩に担いだ隊員がそう返答する。
白く整えられた装いのシスターの横をフル装備の迷彩服の男達が歩く。なんとも不思議な光景であった。
「凄く化学文明が進んだ国なんですねえ。羨ましい限りです。
この大陸南部の国は殆ど魔術国家ですから火薬を使う武器は、あんまり使われないから発展しないんですよ。」
屋上に繋がる長い円状の階段を上りながらシスターがそう答えた。
「なるほど・よくわかりませんが・・・・そう言うものなのかも知れませんね・・」
M2重機関銃を肩に担いだ隊員もそう呟き、先を行くシスターの後に続いた。
階段の側壁の上部に思い出したかのように空けられた円形の窓から、光の帯が入ってきている。
その光は窓の形に合わせたように筒状に伸びて光の帯のように階段を照らし出していた。
その光の帯を遮りながら彼らが階段を上り続けると・・・といってもせいぜい数十秒だが・・・階段の終わりに近づいたらしく
階段に入り込んでくる光の量も一気に増えてきていた。
「さて、やっと到着ですね。此処の先が最上階です。」
「案内ありがとうございました。 此処から先は我々だけで救出作戦に移らせてもらいます。」
「あなた方に神のお力添えがありますように・・」
彼女のその言葉に見送られて支援射撃班の隊員達は踊り場に踏み出したのだった。

620 名前: 572の続きUP最終便 03/11/28 01:10 ID:???

「各部隊指揮官より松村中隊長に連絡。
教会の第一支援射撃班、凱旋門の第二狙撃班が配置完了。
彼らからの報告ではブラウン通りに展開する敵兵力の総数は確認されただけで35人、
建物内にも相当数の目標と見られる人影が確認され注意が必要と連絡がありました。
また、通りの北側に家具と思われる物体を積み上げてバリケードが築かれているとの事です。
南側にも三箇所でベンチを複数並べて障害物を構築しています。
なお、市外に展開する特別支援射撃分隊もたった今配備を完了したとの事です。」
無線機を傍受して各部隊から集められた情報を纏めた三曹が中隊長である柳一尉にそう報告する。
「わかった。ありがとう三曹。引き続き情報を収集するよう支援射撃分隊に伝えてくれ。」
「了解!」
再び無線機に向き直った三曹を尻目に、柳一尉は先ほどから市街地図を眺めながら作戦を考えていた。
集合を掛けられて集められた各部隊の小隊長がそれに習うように地図を覗き込む。

この街の構造事体は非常に簡単であった。
フランスの首都、パリのように凱旋門を中心として円心状に主要道路が延びているという物だった。
今回盗賊団が人質を取って立てこもっているブラウン通りは北から時計回りに数えて、
ちょうど12時の方向に伸びた大通りであり、また、市場に比較的近いため、商業施設が集中している地区であった。
そのブラウン通りのほぼど真ん中に位置する酒場を中心に盗賊団は展開していたのだった。
それだけなら対したことは無いがバリケードを築かれているとなれば話は別だった。
戦車、歩兵にはたいした障害にならないが、キャタピラで無い車両、
軽装甲車や普通科の主力である96式APCは装輪装甲車である為、タイヤ半径以上の障害物を乗り越えられないのであった。



362 名前: 名無し三等兵 03/09/29 21:31 ID:???

気晴らしに書いたのを投下します。お気に召したら幸いです。

深夜の町工場、場老人は10m弱の影を見上げていた。
かつて戦を共に生き、そして先に逝ってしまった物言わぬ戦友との再会をかみ締めて。
(もうすぐだ。もうすぐ再び戦う刻が来る。もっとも相手は米英軍ではないがな。)

第二次朝鮮戦争の渦中で起きた“九州召還事件”より二年。日本臨時政権、通称九州政府および日本国民は日常を取り戻しつつあった。北朝鮮との戦争では破壊工作にさらされ、召喚されてからは魔法テロと災難続きが九州人を強くしていたのであろうか。
臨時政府首相・・・・は各地の食料生産計画や産業開発の視察、E国用心との会談とスケジュールを消化し最後に訪れた場所し到着した。そこには「羽黒鉄鋼製作所」という看板の下、海上自衛隊海将補‘‘‘‘、そして大柄な老人がまちうけていた。

「ようこそ我が研究所へ。歓迎しますぞ総理」
「あ、ああよろしく」
老人は羽黒だ名乗り挨拶を交わすと工場の内部へと促した。
「ところで・・・・」
総理が口を開く。
「今後我国の行く末を決める・・・・“じーく”でしたか。そろそろ教えてくれてもいいのではないかね?」
「まあ総理、百聞は一見に如かずですよ」
(海将補、妙に機嫌がいいな。海自強化に関係あるのだろうか?)
そんな事を考えながら歩いていくと広いガレージの様な場所にでた。そこには飛行機の姿が闇に浮かんでいる。軽い失望が・・・・の胸を過ぎった。
「羽黒さん、このセスナもどきが“じーく”ですか?」
フッ、と羽黒翁が電灯のスイッチをいれた。そこには・・・・
「こ、これは!!??」



363 名前: 名無し三等兵 03/09/29 21:35 ID:???

驚愕の叫びとともに総理の脳裏にある航空機の名が浮かび上がってきた。
日本男子が一度は通る道。興奮と感動を抑えきれずにいたが、羽黒の含み笑いでわれに返った。解らない、何故これがこんなところに?
「羽黒さん、これは一体? それに君も知っていたのか?」
召喚という前代未聞の自体とはいえ一般市民が武器製造、ましてや戦闘機械を作り保持するなど許可が出るはずが無い。先日もE国に火縄銃を密輸出しようとした一団が捕まったばかりである。しかも海上自衛隊が絡んでいるとは!
「申し訳ありあせん総理。機密保持を徹底するためいたしかたなかったのです。その事については謝罪します。しかし・・・・」
「分かっている。だがここまできたら私に報告する義務があるはずだ」
「はい、では羽黒さん」
「おうよ。実はな・・・・」

そこで彼が聞いたのは簡単な概略と陳情だった。詳しい事は後日防衛会議で発表するとして帰路についた。
なお、羽黒鉄鋼製作所で三者が出会った事はもちろん、その場所へ総理が来た事も公式記録には収録されていない。



364 名前: 名無し三等兵 03/09/29 21:47 ID:???

九州は一応平和な時が続いていた。
中国に押されていた製造業もE国貴族の贅沢品需要が拍車をかけ、ガラス、陶磁器、紙の輸出が伸びている。失業問題も収まりつつあった。
だが見通しある者には次なる戦乱の匂いを敏感に感じていた。
北の大国A国は1年前の戦争、後にA戦役とよばれる―――終結後周辺諸国を併合。講和条約で南部油田地帯(このころは油田は確認されていない)を失ったものの、もともと不毛の荒野だったので大した痛手ではなかった。逆に陸軍は戦前より充実しているくらいなのだ。
南では海洋国家G国が情報不足から南西諸島に上陸し、領有宣言を行うなどトラブルが頻発していたのである。
そんな状況下で第六回総合国家戦略会議(仮)が開かれた。



365 名前: 名無し三等兵 03/09/29 21:51 ID:???

議会では防衛庁長官が報告をしていた。
「・・・・対馬や五島列島周辺でワイバーンとおぼしき目撃談が多く寄せられております。また、蓬莱諸島では海賊の襲撃によりE国と我国の人間が合計二十名殺害されています」
「・・・・襲撃では無いものの、G国海軍が西南諸島沖で勝手に臨検を行っております。主権国家としてこの様な暴挙を見過ごす理由はありません。」
頭の痛い問題である。資源を得られるのはうれしいが、それらを独力で守らねばならない。自衛隊の航空戦力はドラゴンを屠り、先の戦争で五倍の戦力差を跳ね返したが、野党や左翼活動家の反応は散々なものだった。
戦闘行為が全くの合法であったのをあらゆる言論媒体で論破されると、今度は費用対策が良くないと噛み付いてきたのである。連中の言う事にも一理ある。ワイバーンやG国海軍を蹴散らすのは護衛艦数隻で可能だが、只でさえギリギリの予算枠を越えかねない。
「・・・・以上の事柄から防衛費の増額を提案します」
「馬鹿な! この状況下で防衛費増額ですと? 国債を発行してもだれも買いませんよ。一体何処にそんな予算があるんです!?」
財務大臣が抗議した。
「増額、といっても微々たる量ですよ。少なくとも下らん道路を造るよりはね」
「それは私への皮肉かね?」
建設省大臣が口を挟むがもれを手で制す。
「まずはこの映像をご覧ください」
照明を消し闇の中を映像機がカタカタと音を立てる。
スクリーンに移ったそれはかつて無敵を歌われたが時代の要求に答えられず散っていった大空のサムライ。その名は――――
「零式艦上戦闘機、この試作機体を再設計し量産します。名づけて・・・・」
防衛庁長官が間を区切った。
「『ジーク計画』」



366 名前: 名無し三等兵 03/09/29 21:53 ID:???

会議室がどよめく。
ジェット戦闘機全盛の時代にレシプロ機なんぞ帝国海軍万歳な内容だ軍靴の音が聞こえる自衛隊の予算獲得のための架空案など勝手な憶測が聞こえる。
「ウッフォン、続けてくれたまえ」
総理が促す。
「では・・・・」

内容は画期的なものだった。モスキートよろしく木製の零戦を造る、予算はF2の約百分の一で製造可能、士気の高揚にも役立つ、模型が売れる(これ蛇足)etc・・・・。
「質問よろしいか。ゼロ戦の弱点たる防御力は? それに木製では湿度で長期使用に耐えられない。それはビルマ戦線が証明しているが?」
「新素材ミスリルを装甲に用います。またE国から魔術師を招聘し“形状保持”の呪文をかけます。耐久性はシミュレーションにおいては未被弾で約二十年と出ております」
「スペックは? 当時の零戦と同じでは話にならん」
「最大時速100k、航続距離2200k、増櫓付で3300k、12.7mm機銃×2が標準で約100キロの爆弾を搭載可能、現地での改造で対艦仕様や水上機試用と用途により改造可能です。さらに・・・・」
その後も説明は続いた。実現性も予算も決して不可能は範囲でないと参加者全員理解した。説明が終わり総理が起立する。
「この計画を承認しようと思う。諸君、何か意見はあるかな?」



367 名前: 名無し三等兵 03/09/29 21:55 ID:???

ある日の昼刻、野獣は獲物を値踏みしていた。魚を積んだ小船が西へと航行している。今日はたらふく食えそうだ。二歩足に寝返った同族が来る前に食らってやる!
ふと西の空を見ると何かが近づいてきた。

「こちらジークワン、ボギーを視認! ワイバーンと確認セリ!」
「よろしい、攻撃を許可する!」
「了解!」
ワイバーンも零戦に気づいたようだ。(聞こえやしないが)咆哮を上げて突撃してくる。
「所詮は獣か」
零戦は右旋回でかわすとワイバーンのバックをとる。想定より容易、奴の旋回性能は速度に比べて思いのほか悪い様だ。
12.7mm機銃が火を噴く。野獣が肉塊になるのにそう時間はかからなかった。



369 名前: 名無し三等兵 03/09/29 21:58 ID:???

同刻、西南諸島西30km地点では逃走劇が繰り広げられていた。
海賊団頭領は上機嫌だった。見つけた獲物が美味しそうだからだ。最近は海軍の取り締まりも厳しくなっているので目立った営業は控えてきたが、これでやっと懐が潤う。
こちらはフォーク陣を組むガレアス三隻。太陽を模った旗の国、ニホンの輸送船ごとき相手にならない。西方水平線にG国海軍の戦艦が見えるが追いつきはせん。先行していた2隻があと300mの所で東方から三つの飛行物体が接近してきた。
「(ワイバーンか?)各艦、対空戦闘用意!」
風の精霊魔法で命令を下す。飛行物体が散った。見張りに視認させるが確認できるは艦隊を値踏みするかの様に旋回する一機のみ。
「(あれが噂のニホンの空飛ぶカラクリか!?)せ、旋回する飛行物体に向け掃討開始!」
重バリスタやクロスボウによる射撃がくるが数百kmで飛ぶものに当てるのは至難の技。しばらく旋回物体を相手にしていた時、先行する二艦が爆発炎上した。
(な、何だ? 何が起こったというのだ!?)
内心パニックを起こしかけていたが手下達の手前表に出す訳にはいかなかった。手早く索敵と迎撃を命じる、が遅かった。旋回していた一機が迫ってきたのだ。気の利いた者がクロスボウを放つが弾き返される。
(太陽を背に降下する戦法が竜騎士の間にあったっけ・・・・)
何かが高速で飛んでくる・・・・それが頭領の最後に見た光景だった。

「こちらゼロワン、目標の消滅を確認。これより帰還する」
飛行物体の乗員はふと海を見た。そこには手を振って挨拶する輸送船の乗込員、そして大きな背びれがたむろするのが映し出された。

翌日の新聞の三面記事は零戦の大活躍が踊っていた。
『南海に神風吹く!』『勝利! 東シナ海掃討戦』『大空のサムライの帰還』etc・・・・
羽黒翁はA新聞を一瞥してゴミ箱に投げ捨てると急ぎの仕事が無いのを理由にバーボンをぐい飲みした。上手い、久しぶりに上手い酒だ。
「ウェーハッハッハッハッハッ! 流石だ! 流石ワシの戦友だわい!」
喧しい老人の高笑いが工場に木霊した。



447 名前: 362 03/10/10 00:45 ID:???

零戦リファイン書いたモンです。
タイトルは『鋼鉄の葬送』 では

G国籍の武装商船『フランシス・ガルシア』は五島列島沖で停泊していた。 表向きには帆の破損による航行障害の修理である。だが――――
海底では二人の男が巨大な金属塊を調べていた。海中で生身の人間が活動できるわけは無く、二人とも“水中呼吸”と“減圧”の魔法で防御しているのだ。
「ワルター君、思ったとおりだ。ここは宝の山だぞ」
「そうでしょうか? 私には鉄屑にしか思えませんが?」
「ゴミですら有効活用するのが技術だよ。ほら、さっさと手伝いたまえ」
男たちは金属塊を対象に儀式を開始した。それは正統な魔術師の間では外法と呼ばれる学派、死霊魔術系統のものだった。黒く、濁った霊魂が金属塊を包む。
「ニホン海軍よ・・・・情報は独占しこそ価値があるのだよ・・・・」



448 名前: 362 03/10/10 00:47 ID:???

事の始まりは一ヶ月程遡る。
海洋国家G国では御前会議において日本への対応を決めかねていた。
商工ギルドは東方貿易の権益が日本の船団に脅かされるとする一派は日本との開戦を主張した。
反対に海軍は日本と友好関係を結び新たな交易路、商業圏を開拓すべしと主張するのである。二つの勢力は議会内でほぼ半々である。
「・・・・我がG国は海洋貿易により成り立っている国家です。農業、畜産は食べていくのがやっと、必然的に海に出る他ありません。
国民がE国より文化的は生活ができるのも海洋貿易あってこそ! しかるにニホンの大型商船が本格的に南海に乗り出せば、
我が商工ギルドの計算で約23%の収益減少が見込まれます。何もニホンを滅ぼせとは言いません。海軍力の撃滅し、海洋貿易を諦めさせればよろしいかと」
商工ギルド頭取クリストバル・ガルシアの演説に議会がざわめく。この国にとっての貿易は生命線である事は皆重々承知だからだ。
「失礼ながらガルシア殿は何も分かっていない」
王立海軍元帥ラファエル・フェレロは反論した。
「先の戦争で北の大国A国が誇る黒竜航空隊はニホン軍に壊滅させられております。我が王立海軍が戦えば、勝ったとしても壊滅は免れません。その隙をE国に漬け込まれるだけで得策ではありません!」
「ほほう、海賊退治に出かけて獲物がさらわれて逃げ帰ってきた方のいう事は流石に説得力がありますなあ」
「小官を愚弄なさるか!?」

449 名前: 362 03/10/10 00:48 ID:???

「止めよ! この席においては国家の行く末の舵取りである! 下らん痴話喧嘩は許さん!」
国王カルロスX世が止める。
「これは失礼つかまりました。どうぞ御平に・・・・さて」
ガルシアはわざと咳払いをした。
「私は何も大規模海戦を考えている訳ではまりません。通商破壊で十分です。作戦に参加する艦艇もこちらで用意するゆえに、陛下にあらせましては吉報をおまちくださいませ」
結局会議ではガルシア案が可決され作戦が開始されたが、フェレロ元帥は一葉の不案を覚えた。

五島列島沖、漁師の翁は見事3匹目のマグロを吊り上げた。召還された時は九州の漁業が壊滅するのではないかと言われていたが、どうやらその心配は杞憂の様だ。
獲った狸の皮算用を考え港に帰ろうとした時、水平線に何かが集まっているのが見えた。
(鯨だろうか? そうならまた近海捕鯨が再開できそうだが・・・・)
双眼鏡を取り出して覗いた先にあったのは彼が子供の頃に見たそのままの姿だった。
ヘタリ、とその場に尻餅をつく翁。彼は半世紀以上前の出来事を思い出した。
「英霊だ・・・・英霊が黄泉帰ってワシらに復讐しにきたんじゃあ!」

佐世保では基地、市街問わず『謎の潜水艦出現』の話題で持ちきりだった。
五島列島沖での目撃情報は鯨の見間違えではないかと思われたが、伊予灘でも同様の目撃があると流石に無視できなくなった。
その渦中、海上保安庁から種子島近海で貨物船と潜水艦の衝突事故ありとの報が入った。海上自衛隊はちよだ級を派遣、潜水艦は回収され艦内から35名のF世界人の死体、1名のエルフと思われる生存者が見つかった。


450 名前: 362 03/10/10 00:51 ID:???

佐世保海上自衛隊基地では潜水艦の調査と対策が話し合われていた。
「検査の結果種子島で回収された潜水艦はイー58。原子爆弾を運搬した米重巡洋艦、インディアナポリスを撃沈した艦です」
技術仕官の発表に会議室がどよめく。
「この不可思議な現象についてはE国からお招きした魔術師、ユリアさんから説明があります」
技術仕官にうながされて女性魔術師が起立した。
「皆さんの疑問である潜水艦なる艦を魔法で運用できるか、の問いですが、それは可能です。
物言わぬ金属塊に命を吹き込む付与魔術と海流を操る精霊魔法がそれを可能にします。
しかしながらあの艦に付与された魔術は艦内のあまりの瘴気の濃度から死霊魔術であると思われます。
恐らく遭難者や戦没者の亡霊を纏わりつかせているのでしょう」
参加者の何人かが眉をひそめた。英霊を亡霊呼ばわりするとは何事か、思ったからだ。
「これら死霊魔術は解呪されると亡霊が暴走しやすいのです。もちろん、対策はなされていると考えられますが一時的に行動不能にする事は可能です」
「解呪も範囲は?」
「30人で儀式を行えば半径(少し計算する)・・・・おおよそ10キロです」
「・・・・いけるな」
と、ある仕官が呟いた。捕虜にしたエルフ(E国とは違う種族らしい)から復活させた潜水艦は10隻だと聞き出していたからだ。
その後も会議は続いた。
1週間後、潜水艦撃滅作戦『群狼狩り』が発動された。

恐れていた事が起きた。
大陸の日本租借地から帰還するタンカーが雷撃を受けたのである。幸い、火災と原油流出は最小限にと止められたが、物価は10%程上昇した。
また、伊予灘の漁港では艦載砲らしき砲弾が打ち込まれ12人が死傷するなど待ったなしの状態になった。
五島列島沖ではおおすみ級輸送艦の甲板で魔術の儀式がおこなわれた。情報によるとこのあたりでは潜水艦の目撃情報が多く、集結地点ないし航路と思われるためである。
日本籍船舶襲撃の報告相次ぐ中で、嬉しい知らせもあった。伊予灘に現れた潜水艦は出撃したP−3対潜哨戒機によって4隻撃沈されたというものだった。残るはあと5隻。



451 名前: 362 03/10/10 00:53 ID:???

潜水艦隊提督ジェロニモはあせっていた。対馬を回遊して集結するはずの別働隊との連絡が途絶えたのだ。十中八九補足され撃沈されたと思われる。
しかし今は最大のチャンスでもあった。旧イー402『グラナダ』を旗艦とする潜水艦隊の先に大型輸送船が航行しているのである。僚艦がやられたといっても所詮は廃品利用と傭兵風情、一人一殺できればよい。目標の大型輸送艦に向けて魚雷発射を命じた。
F世界に魚雷なる兵器は無い。見てくれだけをコピーに、“火球”を付与して亡霊を憑依させた日露戦争以前のシロモノである。それでも亡霊に自動追尾させるのは脅威であった。
おおすみに魚雷が迫る。死を覚悟する自衛官たち。その刹那、儀式は完成した。

「な、何だとう!」
その光景を見たものは後に語る。江川達也の漫画の様だと・・・・。
信じられない事に魚雷群がおおすみギリギリで停止したのである。不気味な亡霊の姿を湧き出させて・・・・。
亡霊の出現を遠方より確認したPー3は潜水艦隊へと迫った。
対潜魚雷が投下され水柱が上がる。遅れて千切れた人間の死体が浮いてきた。


452 名前: 362 03/10/10 00:54 ID:???

「僚艦フェリペ、マヌエル、アルブケルケ轟沈! マルケッタ、降伏しました!」
「水雷室から伝達! 亡霊が暴走しました!」
通信士が叫び、艦内がどよめく。
「あわてるな! “消音”の魔法で潜伏せよ! 水雷室、機関室、艦橋には神聖魔法の付与がなされている! ここまで亡霊はやってこれはしない!」
ジェロニモ提督の一喝で静まる艦内。船員を落ち着かせると彼は帰還を命令した。
「作戦そのものは失敗だったが、新兵器の試験としては成功だ」
「何故です?」
副長が尋ねる。
「廃品利用が思いのほか効果的だったという事だよ、ワルター君。ニホンの近海にはまだ戦闘艦が沈んでいるからねえ。
今回の作戦には間に合わなかったが、南の深淵には巨大兵器が眠っているのだ。我々は戦闘情報を持ち帰り、次の作戦に備えるのだ。次はその巨大兵器で・・・・フフ」
「流石は提督、先の先まで・・・・」
そこまで言って副長は気がついた。11人いる! 艦橋は10人体制であったはずだ。副長は自分と提督を除いて打ち消していった。通信士、調音士・・・・出入り口付近に立っている男には見覚えがない!
「き、貴様何者だ!? ここには亡霊は入れないはず!?」
『亡霊? 笑止! 我、既に空ナリ!』
刹那、提督は男に短剣で指されていた。不思議と血は出ない。男は副長に向かい近づく。
『浮上させろ』
艦橋に逆らう者は誰一人いなかった。




453 名前: 362 03/10/10 00:57 ID:???

戦いは終わり、おおすみが鹵獲艦から捕虜を収容している。
潜水艦隊との戦いは撃沈7、鹵獲3、捕虜105 名で終わった。民間人に死者は出たものの、海上自衛隊に失われた艦艇、人員は無く完全勝利と言えるだろう。
鹵獲艦の内マルケッタは損傷が激しいためその場で海没処分された。イー58は記念艦として保存され、イー402は近代改装を施して次の航海を待つという。
捕虜たちはG国の商工ギルドに雇われた事実が発覚し、後の国交締結交渉は自衛隊が軍港を低料金で使用できる権利をもぎ取るのに貢献したという。
ちなみに商工ギルド代表ガルシアは横領が発覚し逮捕された。その後はようとして知れない。
最後まで謎だったのが旗艦グラナダの不可解な降伏である。実際、グラナダは対潜哨戒網に引っかかっておらず。黙っていれば逃げ切れたのだ。
捕虜の中には亡霊にやられたという者がおり、自衛隊では“眠りを妨げられ英霊が祟ったのだ”と噂したという。

THE END


39 名前: 名無し土方 ◆cDIj6u5gc. 02/12/04 01:27 ID:???

んじゃ、俺もちと参戦(謎)
ちくしょう、笑いたければ笑ってくれていいぞ(自藁

「こちらサクラ08、サクラ08、キク11状況知らせ、キク11状況知らせ、送れ」
「こちらキク11、こちらキク11、原住民と接触、獣に襲われていた原住民を救出、繰り返す、原住民と接触し、これを救出、送れ」
「サクラ08、状況了解。キク11、原住民とのコミニュケーションは可能か? 送れ」
「キク11、現在コミニュケーションを試みている。繰り返す、現在コミニュケーションを試みているところだ、送れ」
「サクラ08、状況了解。・・・・・・今位置評定ができた。キク11、原住民の装備について知らせ、送れ」
「キク11、原住民は衣服と若干の装飾具、あと、杖のようなものを携帯している。ヨーロッパの中世のような印象を受けた。繰り返す、ヨーロッパの中世風の格好をしている。送れ」
「サクラ08、状況了解、今からヘリと収容要員を出す。・・・・・・G2から本郷三佐も同行するようだ。ヘリのコードは、カヤ03、繰り返す、ヘリのコードはカヤ03。キク11、原住民と友好的な状態を維持せよ、繰り返す、原住民と友好的な状態を維持せよ、送れ」
「キク11、了解。原住民と友好的な状態を維持しつつ、カヤ03の到着を待つ。終わり」

40 名前: 名無し土方 ◆cDIj6u5gc. 02/12/04 01:27 ID:???

山川は、目前の女性を安心させるように、両手の武器を地面に下ろし、何も手にしていないことを見せつつ微笑んだ。
そしして、相手が落ち着いた様子を見せたところで、微笑みつつ、指先で自分を示しつつ、ゆっくりと名乗った。
「やまかわ、やまかわ」
目の前の耳の長いことが目だつ、そして繊細なつくりの容貌をした、彼自身の価値観から言うなら、素晴らしく美しい女性は、彼を指差し、同じように繰り返した。
「ヤマカワヤマカワ?」
「やまかわ」
「ヤマカワ?」
「やまかわ」
君は?
そういう意味合いを込めた表情で、山川も女性に対して指差す。
「?」
彼には理解できない、R音の多いなめらかな発音の言葉に、鸚鵡返しに発音しようとして、彼は口ごもってしまった。
くすり、と、笑みがこぼれた女性の表情に、困ったような表情を浮かべて、頭をかいてみせる。
「・・・・・・・・・・・・・・」
と、女性は、手にしていた杖を振りかざし、山川の口では到底発音できない抑揚をつけた音律を唱え始めた。
いぶかしげに女性を見つめ続ける山川に向かって、最後に女性は杖を向け、一声大きく何かを叫ぶ。
はっとした山川の耳に、今度ははっきりと日本語で女性の言葉が流れ込んできた。

139 名前: 名無し土方 ◆cDIj6u5gc. 02/12/05 20:01 ID:???

その大広間は、人やエルフだけではなく、多くの種族らの代表が集まり、殺気だった喧騒に包まれていた。
その中で、異界から召還された謎の軍隊の指揮官達は、悠然と出された飲み物をすすりつつ、会議が始まるのを待っている。
「諸君、静粛に、静粛に!」
この会議、すなわち冥王による侵略に対処するための作戦会議を主催している、人族の王の一人が、錫杖を激しく床に叩きつけて注目を引こうと声を張り上げた。
王は、人族、エルフ族、ドワーフ族、その他の種族代表らの名前を呼び、会議への出席の謝辞を述べ、そして目前に迫る冥王の脅威について長々と演説をした。
「我々、光と正義の陣営に所属する全ての者達が団結し、憎っくき冥王ばら奴とその配下どもを相手に闘い続けるならば、この戦争の勝利は必ずや我らのものとなろう!
さればここに、諸卿らに希望に満ちた知らせをば伝える名誉に預かったことを、大いなる喜びとともに申し上げたい。
こちらにおわす方々こそ、我ら光と正義の陣営に合力下さる為に異界より参られた、軍団の将軍らであらせられる!
さ、どうぞここに集った高貴なる方々に、自己紹介を!」

140 名前: 名無し土方 ◆cDIj6u5gc. 02/12/05 20:01 ID:???

王に促され、緑色や茶色やらのまだら模様の服を着た男達の一人が、謝辞の変わりに軽く会釈をして立ち上がった。
「初めまして皆さん。
自分は、貴方方が仰るところの異界の国から召還されてこの世界に来た軍隊の指揮官である、福田定一陸将と申します。
短い期間でしょうが、皆さんと共に戦うことになりますが、よろしくお願いいたします」
福田と名乗った男を見て、多くの者達が声にはならない落胆の溜息をついた。
福田は、中肉中背で眼鏡をかけた、穏やかでしごく普通の表情と態度を示している、とても一軍の将とは思いがたい印象を与える男であったのだ。
彼が着ている、ごてごてとポケットやら何やらがついた緑色や茶色やらのまだら模様の服も、とてもではないが一軍の将が着るには相応しいとは思えない。
そして、淡々と挨拶をしたのは、福田だけではなかった。
その幕僚達も、名前と階級を述べ、軽く頭を下げただけですぐに着席してしまう。
会議を主催した王だけが、福田達がそういう男らなのであることを知っていたかのように、何事も無かったかのように会議を続けた。

141 名前: 名無し土方 ◆cDIj6u5gc. 02/12/05 20:01 ID:???

「それでは、皆さんこちらをご覧下さい」
具体的な軍議に入り、福田陸将の幕僚の一人である駒城一等陸佐と名乗った男が、大きな地図を前に説明を始めた。
各種族の長達は、その地図を見て今度は驚嘆の溜息を漏らした。
「この地図は、敵、冥王の策源である都市から、侵攻を受けている各国の戦線までを大雑把に示したものです」
そこには、丘陵や河川、森や城や町や村々が、ことごとく細大漏らさず記されている。
平野や森林は緑色、丘陵から山嶺にかけては茶色、城や村等は赤色で記され、街道もことごとく明記されていた。
駒城一佐は、指し棒を手に赤色や青色のインキのペンで、地図の上に矢印や丸印を次々と書き込んでいく。
「さて、冥王の軍は、現在主力がこの街道を南下し、この城砦都市の攻略に当たっています。
また、いくつかの別働隊が、ここと、ここと、ここの街道を移動し、各都市への攻囲乃至は運動戦を行い、主力の側面防御に当たっています。
これに対して、皆さんの軍勢は、こことここに主力が展開し、敵の浸透に対処しつつ、冥王軍主力の戦闘行動を妨害しつつ、攻囲の解囲を目指しているわけです」
駒城一佐の説明は、現時点の錯綜しているはずの状況を、あまりにも明快にまとめあげていた。
「敵は、皆さんが大規模な軍の動員が可能となる農閑期に入る前に、この城塞都市を陥落させ、街道網の要所を確保した上で連接する各国の連携を乱し、来年以降に各個に撃破することを目標としていると考えられます。
これに対し皆さんは、これまでは連合軍を編成し、敵の攻囲を解くべく攻撃を仕掛けては、撃退されてきました。
ここで我々は、皆さんに対し、全く別の作戦を提案するものです」

189 名前: 名無し土方 ◆cDIj6u5gc. 02/12/06 03:51 ID:???

小高い丘の頂上にそびえる石造りの砦を双眼鏡で眺めつつ、新城二等陸佐は、82式指揮通信車の上でいかにも不愉快そうに口の端をゆがめて笑みらしきものを浮かべていた。
いくつもの尖塔が空を指して伸び、木柵と空堀とで丘の周囲を囲っている、いかにも中世ヨーロッパ風の砦である。
「支隊長、指揮官集合いたしました」
指揮車に駆け寄ってきた女性幹部が、柔らかな、だがはっきりと凛とした声で用件を告げる。
なにやらわけのわからない唸り声をあげた新城二佐は、一言、ご苦労、とだけ呟くと、のそのそと指揮車内へと降り、指揮所へと移動した。

「敵は、街道を扼する位置にある丘の頂上に砦を設置し、丘全体を木柵と空掘の障害物を構築して防御陣地を構築している」
バラクーダによって偽装した指揮所で、新城二佐は、集合している各級指揮官らに向かって、速成の地図と要塞の配置図を指示棒で指し示しながら状況説明を行っていた。
「敵はオーク兵が300と、トロル等の大型生物が少数であるようだ。
オーク兵の半数が弓兵であり、20基強の設置型クロスボウが城砦内の設置されている事が確認されている。
城砦周辺に敵の増援となる規模の部隊は存在せず、一日一度の騎馬兵での連絡便が、唯一の通信手段と考えられる。
ああ、魔法については判らん、俺にではなくそちらの魔法使い殿にお聞きしろ」
いかにもつまらなさそうな新城の口ぶりに、自衛官の指揮官らの声にならない失笑が漏れる。
同行していた人間の魔法使いは、場の雰囲気に合わせたのか、苦笑気味に砦にはゴブリンの魔法使いがいるらしいと口にした。
そして、人間やエルフの魔法使いに比べるならば、その能力は決して高いものではないとも付け加える。

190 名前: 名無し土方 ◆cDIj6u5gc. 02/12/06 03:51 ID:???

「それでは、指揮官の構想を述べる。
作戦目的は、街道の確保のために布陣する敵戦闘部隊を撃滅し街道を確保することにあり、目標として、障害である敵砦を無力化し占領することである。
妹尾三佐の普通科中隊は、街道を主攻軸として砦へ接近し、戦車中隊と施設中隊の支援の元これを攻略する。
漆原三佐の普通科中隊は、この森を迂回し、砦から視界外となるこの位置に、街道を火制可能なように展開し、後退する敵を側面から攻撃、これを殲滅する。
漆原三佐の中隊への火力支援として、重迫小隊を2個、直協支援に当てる。
残りの部隊は、予備として小官が指揮する。
各部隊は、我の意図の隠蔽に注意し、敵に事前に察知されることを避けるよう務めるようにしろ。
妹尾三佐の役目は、言うなれば勢子だ。
敵を砦から追い出し、我々が設定したキルゾーンへと追い込むのが役目だ。
敵を掃討するのは、漆原三佐の中隊の任務だ。
そうだ、捕虜は取っても構わないが、一人たりとも逃がすな、確実に仕留めろ。
作戦発起は、1時間後、1100だ。
作戦発起のコードは「アイリーン」、作戦中止のコードは「モグ」。
コード「モグ」が発令されたならば、即座に部隊を纏めて現地点まで撤収せよ。
何か質問は?」
無言のまま見つめ返してくる部下達に、大して面白くもなさそうに肯くと、新城二佐は口の端をゆがめて笑みらしい代物を浮かべて見せた。
「よろしい、それでは諸君、状況開始をせよ」

191 名前: 名無し土方 ◆cDIj6u5gc. 02/12/06 03:51 ID:???

戦車教導隊第2中隊長の善行三佐は、90式戦車の車長席で攻撃発起命令が下るのを待ちつづけていた。
指揮下の戦車中隊は、それぞれ敵の砦からは陰になる反斜面に待機し、いつでも発進できるようにエンジンをアイドリングさせて待機している。
彼の中隊の後方には、妹尾三佐の普通科中隊が、高機動車に搭乗して街道上に待機している。
「トラ01より各部隊へ、コード「アイリーン」、繰り返す、コード「アイリーン」だ。終わり」
「シバ21より各車、コード「アイリーン」、繰り返す、コード「アイリーン」、状況を開始せよ、送れ」
喉当て式のマイクへと語りかけると、間髪いれずに指揮下の90式戦車各車から、了解の返信が善行三佐のヘッドセットに入ってくる。
操縦手は、90式戦車を発進させると、僚車との位置を確認しつつ丘を乗り越えて街道上へと前進し始めた。
善行三佐は、覗いている最高倍率10倍にもなる車長用ペリスコープを旋回させ、中隊の様子を確認しつつ、周囲の状況を視察した。
中隊長車の90式の左右に、1個小隊4輌づつの90式が4本の指を広げたかの様な隊形で散開しつつ展開し、前方と左右方向に砲塔を向けて全周を警戒しつつ前進していく。
「シバ21より各車、速度を40kmにあげる。警戒隊形のまま前進せよ」
中隊は、街道を離れると、そのまま速度を落とさずに路外へと乗り出した。
油圧制御のサスペンションのおかげで、起伏のある荒地でありながら、時速40kmで突っ走ってもほとんど揺れているようにすら感じることもない。
砦では、多数のオークが慌てふためいた様子で持ち場へと走り、銃眼から弓矢やカタパルトをこちら向けているのが見える。
さらに、多数のオークの弓兵が木柵へと展開していく。
その突然の事態に慌てふためくオーク達の様子に、善行三佐は敵の士気練度がそれほど高くは無いこと、そして味方の攻撃が奇襲になり成功しつつあることを理解した。

192 名前: 名無し土方 ◆cDIj6u5gc. 02/12/06 03:52 ID:???

善行三佐は、自身の搭乗する90式の後ろに続く90式戦車1個小隊と、施設中隊と普通科中隊とを確認し、再度マイクに手をやった。
すでに中隊は砦から2000mほどもの近くに接近しており、ペリスコープの倍率をそれほど高めなくても、敵状が手にとるように確認できる。
「シバ21より各車、射撃開始せよ。繰り返す、各車、射撃開始せよ」
事前の打ち合わせどおり、第一小隊は敵砦のカタパルトを、第二小隊は木柵に向かってHEAT-MPを続けざまに射撃し始めた。
鋭くひっぱたくような発射音とともに90式の120mm滑腔砲が火を吹き、着実に一発ごとに敵のカタパルトを吹き飛ばし、木柵を破壊していく。
善行三佐も、戦場全体をペリスコープで確認しつつ、砲手に何本もある砦の尖塔の窓を目標として指示し、HEAT-MPを射撃させた。
連続して爆発が繰り返し、爆散するオークやトロルの肉隗が飛び散るのがペリスコープ越しにも確認できる。
既に砦までの距離は1000mを切り、吹き飛ばされた木柵の隙間から見えるオーク兵に向かって、同軸機銃で射撃を行っている戦車もいる。
砦からは、黒々とした煙が立ち昇り始めており、内部で火災が発生しているのが確認できた。
「シバ21より各車、現在位置に停止し、後続部隊の到着を待て。繰り返す、各車現在位置に停止し、後続の到着を待て。射撃は各車長の判断で継続せよ、射撃は各車長の判断で継続せよ」
善行三佐は、砦の手前300mで中隊を停止させ、後続の普通科と施設科の到着を待った。
ほんの数分の間に起きた事態に、なすすべもなくオーク達は恐慌をきたし、もはや部隊としての統制を失って逃げ惑っている。
90式各車の数発づつのHEAT-MP射撃によって、砦はまたたく間にその戦闘力を喪失してしまったかのように、善行三佐の目には見えた。


859 名前: 名無し三等兵 02/12/31 20:09 ID:???

「こちらエコー41。森林を北上する人陰・・・いや、ゴブリンを19名確認。
ブリーフィングの時に通達された魔法使いと思われる戦力はいない。オーバー」
「了解。敵の装備等は?」
「あれは、、、棍棒だ。クロスボウのような物を所持しているものもいる。
攻撃許可を求める。オーバー」
「了解。攻撃許可を出す。」
「了解。攻撃に入る。」
ゴブリン達も空から接近する謎の黒い影に驚き、森に身を隠そうとした。
しかしそれより早く、ブラックホークの両弦に配置されているミニガンが火を吹いた。
凄まじい発砲音と共に森の木々を巻き込んで、ゴブリン達を挽肉にして行く。
ゴブリン達の半数が雨霰とふる機銃掃射に倒れたかと思われたその時、
「待った!9時の方向から何かが接近!!」
ミニガンの射手から警告が飛ぶ。
「RPGか?どうしてこの世界に!」
「回避運動!つかまれ!」
ぐぉっ、とヘリが大きく傾く。危ういところで「何か」はそれて行った。
「何だ?あれは・・・RPGにしては速度が遅すぎる・・・」
パイロットがひとりごちると、
「多分・・・あれが魔法と言ったやつなんだろう・・・火の玉か。無茶苦茶だな。」
火炎弾を間近に見た銃座についていた隊員が驚きをあらわにしながら答える。
そう。この世界では自分達が元いた世界の常識等通用しないのだ。
その事を改めて彼等は実感した。

んで、この後火炎弾の射手と交戦する、と。
こんな感じでしょうか。文才0ですな。



866 名前: 859 02/12/31 21:57 ID:???

この話は859の3週間前に遡る。

「召還?」
突然の事に彼は驚いて、思わず椅子から立ち上がってしまった。
「はいそうです。この劣勢を覆すためにはそれしかないようです。」
「でも召還って失敗するかもしれないんだろう?」
「はい。召還に失敗すれば、最悪儀式場ごとこの町が吹き飛びます。」
「むう。また偉く危険な儀式みたいだな。」
「そうですね。」
「で、俺に同席しろと?」
「ですねぇ。王国騎士団長クライン殿。」
やけににこにこと使いが答える。今、王国騎士団長と呼ばれた彼、クライン・トーマスは、
若干27才にしてここ、クロル王国騎士団団長に抜擢された優秀な騎士である。若さと人柄、その穏やかな外見
もあいまって周囲の人間には人望がある。
はぁ。と、彼はため息をつく。まったく。なんでそんなことせにゃならんのだ。
おれたちだけじゃ不十分ってか。
「・・・まぁいい。いつ始まる?儀式は。」
不機嫌に聞くと、椅子に座っている彼に命令を伝えに来た使いは立ち上がった。
「・・・今すぐに?」
使いはまたもにこやかな笑みを返してきた。


146 名前: 名無し3曹 02/12/05 21:16 ID:???

200X年 日本海沖
不審船を停戦させた護衛艦「これっきり」は14名の立入検査隊を派遣した
内火艇は隊員を移譲させた後突如として消滅した!続いて「これっきり」も海霧にかすむように消えた
みれば、自分たちがいる船も近づくまでに見ていたものとは明らかにちがう。
それまで、船橋に翻っていたのは某国の国旗であった。今のそれはクロス・ボーンである。
いや、船橋でさえない。それは彼らが知識としてしか知らない帆船のマストであった。


148 名前: 名無し3曹 02/12/05 21:34 ID:???

とりあえず、立検隊指揮官はこの船の様子を探ることにした。
「訓練どおりやればいい。普段どおりにな」
「一班は左舷、二班は右舷だ。三班は船橋、いや、中部士官室付近だ。
四班は三班の支援だ。この船を制圧せよ!かかれ!!」
号令に即応し、隊員は制圧を開始した。

彼らの前に最初に姿をあらわしたのは骸骨戦士の一団だった。
先頭を進んでいた上川3曹はぎょっとしたものの、相手の殺意に
反応しすぐさま9MM拳銃の引鉄をひいた。
ズキュン!ズキューン!
拳銃弾をものともせずやつらは向かってくる
「ウオーッ」
たまらず、彼は恐怖の声を上げた。



149 名前: 名無し3曹 02/12/05 21:43 ID:???

「どけっ上川!」
二番目に位置していた小窪3曹が構えていた
M−3マシンガンを連射した。
ドドドドドドドド!!
他艦では、9MM機関拳銃にとってかわられた
M−3だがその弾丸は45口径弾であり、威力は段違いだ。
瞬く間に、骸骨戦士5人を破壊した。


203 名前: 小窪3曹 ◆Unk9Ig/2Aw 02/12/06 23:07 ID:???

名無し土方さんうまいなア では、私のほうの続き

襲撃を退けた第二班班長、植田2曹は無線で報告する。
インカム型の無線機は行動を制約しないように選ばれたものだ。
もっとも、ごく短距離でしか使用できないのは欠点だが、船上の使用には差し支えない
「指揮官!乗員は骨です!」
「骨だア?死んでるのか?」
「いや、骨でも動きます。ホラー映画の世界ですよ、ここは。」
「注意して進め。予定を変えるつもりはない。この船のコントロールを奪う。」
「了解!」
ターン!タターン! ドドッ!ドドド!
銃声が轟く。第二班だけではない。各班すべてが、骸骨戦士による襲撃を受けている。


310 名前: 小窪3曹 ◆Unk9Ig/2Aw 02/12/09 00:05 ID:???

「次から次にっ、畜生!上川、ちょい頼む!」
小窪は弾倉交換のために後退した。破壊したものを含めて、骸骨戦士は10ほどいる。
ヒュンッ
空気を切り裂いた矢が上川3曹のこめかみを貫いた。
「上川?!畜生、どこから撃ってきやがった?」
「あそこです!班長っ」
ドーン
マストの上に人影を認めた林3曹がレミントン散弾銃を発砲した。反動がきつい。
ドーン
もう一発撃つ。マストから敵が落下した。第二の狙撃よりも早く排除できたのは幸運だった。
しかし、肩が痺れるように重い。大きすぎる反動と、船内での取り回しの悪さから装備を取
りやめかけた代物だったが、威力は十分。拳銃弾のように短射程でないのも良い。

一方で上田2曹は正面の骸骨戦士を迎え撃つ。
バーン バーン
長剣を振りかぶって突進してくる。そこを眉間のあたりを狙い撃った。
一発や二発では倒れない。
「小窪!早くしろ!」
10発、一弾倉撃ちきった。これで2体しか破壊できなかった。のこりは3体だ。
ドーン
痺れをこらえて林3曹が撃った。重いのを我慢すれば、近代船と違い構造物が少なく甲板の
広い帆船なら、とり回しにはさほど苦労はない。ひきつけて、頭部を撃つ。単純に威力だけを
考えれば、散弾銃が一番強いだろう。残りの骸骨戦士を叩き伏せるのにそれほど時間はかからなかった。


343 名前: 小窪3曹 ◆Unk9Ig/2Aw 02/12/09 21:30 ID:???

「上川…。死んじまったのかよ!」
「仇はとった…。」
「班長、くだらん感傷はやめてください。」
「何だと、小窪!」
「次は俺たちの番かも知れません。敵はまだいるでしょう。」
戦友の目を閉じさせると、小窪3曹は弾帯から弾倉を取り出した。全部で三つある。
「一人一個でかまわないですね。」
「…」(お前の身代わりみたいなもんじゃないのか?)
「…」(1術校じゃ、死体からかっぱらうような真似、教えるのか?)
二人の視線が痛い。
(身代わり?確かにそうだ。しかし、まったくの運不運だ。どうしろってんだ!
敵の再利用を防ぐためなんだよ。常識だ、常識!だいたい、弾は十分にあるのか?
形見の弾で助かるのは嫌なのかよっ)
上田2曹、林3曹のほうが序列は上だ。しかし、立検隊員としてみれば、その課程を
修了してきた小窪とはレベルが違う。海上自衛官のほとんどと同じで個人戦闘など
知識以上に知りはしないのだ。
ぎすぎすした空気のまま三人は上甲板を進んだ。結果的にこれは良くない結果を生
むことになるのだが。



364 名前: 小窪3曹 ◆Unk9Ig/2Aw 02/12/11 00:54 ID:???

第一マストにいたもう一人の黒エルフ狙撃手は第一班の散弾銃手が射殺したようだ。
上田2曹と第一班長は無線で互いの状況を確認していた。その間にも、先頭を進む小窪3曹は
同じく、第一班の先頭と合図を取りながら前甲板へと進んでいく。両舷の制圧は、どちらかが
突出することなく行うことが望ましい。構造物に邪魔されてなかなか難しい。訓練で使用して
きた護衛艦、輸送艦、民間タンカーとは明らかに船体構造が違う。船内制圧班の行動が成
功していれば、もうすぐ、前甲板の出入り口から敵が追い出されてくるはずだ。
もし、手こずっているようなら、逆にその入り口側から進入し挟撃するという手もある。その
場合、鋼鉄船体の現代艦にくらべて木造船体の帆船は無線にノイズは入りにくい。通信阻害が
低い分、実行はたやすい。
つとめてよい方向に考えを持っていく。戦場における生き残りのコツのひとつだ。
前甲板に人影を認めた。どうやら武装はしていないようだ。可能であれば捕獲したい。何か情
報が得られるかもしれないからだ。
「前甲板に人影。制圧します。」
左舷の先頭と指先で合図する。左手で突入の合図、指を折ってカウントダウン。
3、2、1…0突入。目標は一人しかいない。M3を突きつければ終わりだ。抵抗すれば撃つ。


562 名前: 小窪3曹 ◆Unk9Ig/2Aw 02/12/16 20:43 ID:???

>>364以来の続きということになるんだけど
ちょっとROMしかしてなかったかなり進んでいるなあ。ま、364のつづき

「Don't move or I'll shoot you!」(動くな!さもなくば撃つ!)
決して流暢な英語ではないが、この状況で通じない意思ではない。たとえ、
英語をまったく話せないという人間でも銃を突きつけられれば、相手が何を
しようとしているかわかるはずだ。もっとも、逆に暴れ回る可能性もないで
はないが、その時はその時である。
相手との距離は3メートル。これより近ければ、近接武器での反撃を受ける
かもしれないし、これより遠ければM3では、相手の突進に対応できない。
構えつつ、すばやく相手を観察する。
白くゆったりした着衣。おおきなフードのために顔は良く見えない。何か陶
器の破片をあしらった首飾りをつけているが、女だろうか?一見したところ、
武器らしいものはもっていないようだ。
フレクスリサーチ(身体検査)にあたるため第一班から二人が進み出た。拳
銃を構えた一班長と拳銃を収めた班員の組み合わせだ。上川3曹がいればメ
インに、小窪はサブ(警戒員)になるはずだったが、上川はもういない。損
害を出さなかった、第一班を正直恨めしくさえ思った。
少し後方で上田2曹が指揮官に上甲板の制圧がほぼ完了したことを報告して
いるのが聞こえてきた。
警戒を一班のサブに引き継ぐ。言葉は要らない。訓練どおり、滑らかな動き
で立ち位置を交代する。
その時である。白い服の男が何かを呟いたのは。
「…! ……!!」
誰の声か最初はわからなかった。言葉とは思えない言葉。細い声だが、強い
声。それは「力ある言葉」であった。





660 名前: 小窪3曹 ◆Unk9Ig/2Aw 02/12/19 23:14 ID:???

>>562
「なに?!こいつ!!」
「骸骨が?!」
白い服の男は首飾りを引きちぎって足元の甲板に落とした。つぶやく声とともに部品の
一つ一つが骸骨戦士に変わっていく。
ザシュッ
シュンッ
「みんな、下がれ!」
上田2曹の指示は一瞬遅かった。一班員は骸骨戦士の剣げきに、一班長は白い服の男が
発した声と同時に倒れていたからだ。
骸骨戦士は9人。楔隊形を組むや、二人の遺体を踏み越えて立検隊員に向かってくる。
骸骨戦士の巨躯に隠されて男の姿は見えないが、あの声が聞こえた。
「…!……!!………!!!」
ブブブーン
低い音とともに、石の人形が現れた。
「撃てっ、小窪、撃てっ!」
ドドドドド ドドドドド


661 名前: 小窪3曹 ◆Unk9Ig/2Aw 02/12/19 23:28 ID:???

>>660
「肥後田3曹、加勢しろっ」
ドドドドド ドドドドド
骸骨戦士の楔隊形、白兵戦なら無敵だ。攻撃はリーチの長い長剣、防御はズラリと並ん
だ円形中型盾。文字通り鉄壁といえる。
だが連射火器主体の現代装備の前に密集隊形を組んで防御力を上げようという戦術は逆
効果だ。M3二丁の火力にたちまち一掃されてしまった。残りは石の人形だけだ。白い
服の男はどこに消えたか姿が見えない。
石の人形、ロボットだろうか?いや、外観が石のロボットなど聞いたこともない。ふと、
有名なアニメを思い出した。子供のころにみたものだ。今でも、たまに再放送がある。
しかし、しかし、そんなものはありえない!
ドドドドド
一連射して無意味さを知った。
「こいつにはきかない…」
それでも撃つ。撃つしかない。それ以外にどうして恐怖を克服できようか?
「肥後田っ、小窪っ!5秒持ちこたえろ、5秒!」
後ろから第一班の散弾銃手、和久田3曹の声が聞こえた。





749 名前: 小窪3曹 ◆Unk9Ig/2Aw 02/12/24 19:44 ID:???

>>611
「林、スラッグ弾だ。こいつならいける。」
「はい!」
手持ちの弾倉は通常弾がひとつ。装弾してあるのをふくめればみっつ。そして
スラッグ弾がひとつ。通常弾は散弾、対人用。スラッグ弾も対人用だが立検隊
唯一の遠距離火力。通常弾と違い一発弾で、威力は小銃弾に勝るとも劣らない。

「五秒たちましたよ、五秒!」
「うっせー!もちっとゆっくり数えろ!」
「ひーっ!来たぁ!」
「よし、おまえら、さがれ。林!頭狙うぞ、頭っ」
「了解、頭狙いっ」
石人形の動きはひどく緩慢だ。そうでなければ、威嚇以上の効果が望めない火
器で持ちこたえることなどできない。
ドーン
ドーン
「林!こいつが壊れるまで撃て!」
「了解!」

750 名前: 小窪3曹 ◆Unk9Ig/2Aw 02/12/24 19:44 ID:???

ドーン
ドーン
「肩が痛いのは我慢しろ。でなきゃ死ぬ」
「了解」
何発撃ちこんだろう。石人形が前のめりに倒れた。

「やった!」
「やったぞ!」
「まだだ、起き上がるかもしれん!小窪、頭を撃て。完全に破壊する」
ドドッドドッドドッ
短連射でM3の残弾を石人形の頭部に叩き込む。予備弾奏倉はあとひとつ。無駄に
はしたくない。無数のヒビがはいった石人形のうつろな顔が脆くはじける。胴体
は相当に硬かったのに、なぜこれほど脆いのだろう。
「ひいっ、足が!」
ビクビクッと石人形の右足が動いたがそれを最後に動く気配はない。

「木偶が、手こずらせやがって。海に捨てちまえ。」
誰かがつぶやいた。確かにそのとおりだ。わけのわからないものが同じ船内にあ
るのは気味が悪い。さっきの骸骨戦士の死体もそうしよう。



776 名前: 小窪3曹 ◆Unk9Ig/2Aw 02/12/26 21:06 ID:???

>>749
「白い奴、どこに消えた?」
「舷側のぞいてみろよ?」
肥後田3曹、小窪3曹が確認したが舷側にはりついてはいない。
「海に消えたとしか思えんが?トチ狂って自殺か?」
周囲を警戒していた林3曹が
「班長、骸骨の死体が…、いや、骸骨はもともと死体なんですが…」
「どうした?」
「死体が消えました!」
「何?」
上田2曹が振り返ると、先ほどまで骸骨戦士が転がっていたところには
砕けた骨があるだけだ。骨か?男の首飾りは陶器に見えたが、そう思って
みると陶器のようにも見える。人骨にしてはおかしな形、大きさ。恐竜
化石の歯を思い出したが、いくらなんでもそれはない。
あれだけ大きいと思った石人形も、陶器と水晶の欠片を残して消失した。
「わからんことだらけだな。」
「班長、これからどうしましょう?」
「ん、まて、通信きた…」
インカム越しに状況を報告する。たった今、交戦していた敵の死体が消
えたことも含めて。


851 名前: 842 03/07/20 01:28 ID:???

記憶を辿って最初に思い出すのは、あの忌々しい閃光だった。
私たちをこんなふざけた場所に送り込んだ元凶であろうあの閃光・・・
極東ソ連軍の戦力移動は、軍事アナリストさん曰く『大規模な演習で見られるもので、警戒する必要はない』だそうで。
上層部も示威行動だろうと見ていたようね。何しろ予備行動をほとんど取っていなかったんだもの。
ま、ソ連はその頃ヨーロッパ方面でNATO相手に総力戦を行っていたのだから無理もないわ。
でも、第七艦隊が不在の愚かな日本政府相手には、それほどの大軍が必要ないのは私でもわかる。
で、案の定攻めてきた。
こっちはあれやこれやと法整備だ何だって騒いでる間にスクランブルと護衛艦やられてなし崩し的に出動。
それで勝てるわけがないのよね。
んで、私の中隊は連戦に継ぐ連戦でボロボロになって、補給拠点に逃げ込む羽目にあって、補給や補充や休息を取ったところであの閃光。
気が付けばこんな妙なところに来てる。


853 名前: 842 03/07/20 01:44 ID:???

一日目、まあ気が付いたときには夜中だったけど、怯える隊員たちを叱咤激励して、ワイヤフェンスを張り巡らせて警備シフトを組んで、そこの陸士長をどやし付けて。
忙しかったけど、まだ気が楽だったわね。何しろ、その後から今まで私たちはずっと敵の攻撃にされさr・・・

PAPAPAPAPAN!!!

また始まったわね。

「秋山二尉!敵襲です!すごい数です!!」
「慌てないで!すぐに全員を起こして周囲を警戒させて!第一小隊は私と一緒に、後は計画に沿って!」
「はっ!!」

大慌てですっとんでいく伝令。
思えば、最初の夜もこうだったわね。

854 名前: 842 03/07/20 02:16 ID:???

わけのわからない状況に放り込まれた私は、気が付けば最上位者だった。
否応なく指揮官として指示を下したり報告を聞いたり。
いい加減うんざりしだしたところで天幕に戻ってみれば、すぐさま会議の招集。
で、5時間耐久会議の開幕。

PAPAPAPAN!!!

「発砲!?」

中隊本部であれやこれやと会議をしていた私に鋭い銃声が響いた瞬間、この拠点中が大騒ぎになったのは良く覚えているわ。
ちょうど会議をお開きにして休もうと決まった瞬間だったから。
すぐにあっちこっちの天幕から隊員たちが湧き出てきて、口々に警戒を呼びかけながら散らばっていく。
古参の陸士長が叱咤激励し、若い一士が情けない声を出しながら走り出す。
実戦が始まってからは珍しくない光景。

855 名前: 842 03/07/20 02:17 ID:???

「敵はどこか!?」

手短な陸士長に尋ねる。
彼は64式小銃を構えながら答える。

「わかりません!規模、装備も不明です!」
「ほっ、報告します!」

いつのまにか後ろに来ていた若い一士が敬礼しながら叫ぶ。
中隊本部以外は無線封鎖しているので、伝令として秋山を探し回っていたようだ。

「状況は?」
「現在ゲート付近で交戦中、敵の正体は不明ですがすごい数で押し寄せてきます!!」
「落ち着きなさい、機関銃はもう配置したの?」
「い、いえ、すぐに手配させます!」
「ええ・・・そこの二人!」

少し離れたところにいた一士二人に声をかける。

「彼の護衛をしてあげて。陸士長」
「はっ」
「ついてきなさい!」

856 名前: 842 03/07/20 02:25 ID:???

疲れきってる体を鞭打って仮設のゲート、とはいってもどかせるようにしたワイヤフェンスがあるだけ、に駆けつけると、そこは銃声とマズルフラッシュ、そして硝煙の匂いが支配する天国だった。
体の奥底から力が湧いてくるのがわかる。
フラッシュに照らし出される私の顔は、妙な具合に歪んだ笑みを浮かべていることだろう。
銃声はいつ聞いても心地よいものだ。
気が付けば、私は射撃命令を改めて出すのも忘れて64式を構えていた。
連射に設定し、狙いを定め、トリガーを絞る。

PAPAPAPAPAPAN!!!

肩に心地よい振動が、視界一杯にフラッシュが、鼻腔の奥まで硝煙の匂いが、染み込んでいくのがわかる。
そう、これでこそ戦争、制空戦だか水際戦闘だか知らないが、これこそが戦争なのよ!!


863 名前: 842 03/07/21 06:47 ID:???

「秋山二尉、こいつを見てください」

最初の襲撃を退け、厳戒態勢のまま夜が明けた二日目の朝。
運悪く新品のまま実戦に投入された三尉が見せたものを忘れることは一生できないと思う。
子供ほどの背丈、茶褐色の肌、尖った耳、裂けた口。
それはどう好意的に見ても人間ではなかった。
ここはアフリカの奥地かつ前人未到の大秘境、これが伝説のピグミー族の正体だったんだ!!・・・ってのなら話は変わるけど。
そんなMMR的な展開じゃないことはわかってる。
内戦しまくりのアフリカで電波が一切入らないってのはいささか無理があるし、大体衛星電話が繋がらないんだから地球上であるとも考えにくいし、第一、私あの毎週人類が滅ぶ漫画嫌いだし。
それにしても、アレだけの数の危機を掻い潜っていつものように戦争してる人類って凄いわね。
んで、目の前の死体。
私の可愛い部下たちを殺した奴ら。
昨夜は警戒線を掻い潜って何人もの喉をぶった切ったこいつらは、親愛なる指導者の部下等ではなかった。
動くのはみんな蜂の巣にしちゃったから話は聞けないし、まあ言葉が通じるとも思えないけど。
確かめなくてもそれだけはわかった。
おかげで余計混乱するけどね。

864 名前: 842 03/07/21 06:51 ID:???

「こいつら何者なんでしょうか?」

銃剣で死体の頭をつっつきながら聞いてくる。
私に聞かれたって困るわ。
と答えたいけど、そういうわけにもいかない。
仮とはいえ最上級者で部隊指揮官である私が優柔不断なところを見せるわけにはいかない。
ええい、どうして私がこんなに悩まないといけないのよ!
せっかく陸将補の彼氏もできて、バラ色の本庁勤務が決まった所だって言うのに!!
そもそもがソ連がいけないのよ、ユーラシアでドンパチやってればいいものを欲張って日本に手を出してくるから!大体からして政治家がバカばっかりだからこんなことに・・・・



865 名前: 842 03/07/21 07:05 ID:???

「・・・・・すか?・・・てるんですか?聞いてるんですか二尉殿!?」
「はっ、はい?ごめんなさい、考え事をしていたの。で、なに?」
「・・・弾、切れてますよ」
「へ?」

気がつけば戦闘は終了していた。
どうやら相当疲れているみたいね。発砲している内に気分がハイになったところまでは覚えているけど・・・
腕時計によると、えーと、今は三日目の2241時ね。三度目の敵襲があった、私は応戦していたと。周りは?
周囲は照明弾で明るく照らし出されている、塹壕から動くものを全て撃ちまくっていた隊員たちも、今では負傷者の搬出と敵負傷兵の捜索を行っているみたい。
流石に手際もよくなってるわね。最初の頃はビビって逃げ出した奴もいたけど、今じゃ少なくとも塹壕に入ってる奴はちゃんと応戦してるわ。
私はっていうと、64式を構えてずっと引き金を絞り続けていた。
例によってフルオートだったから、当然弾は切れている。

「お疲れのようですね、山田陸曹長!」
「はっ山田陸曹長ここです」

866 名前: 842 03/07/21 07:05 ID:???

直ぐに山田陸曹長がやってくる。
どうやら私の事が視界に入る場所で戦っていたみたい。
正直私はこの人が苦手。
保安隊時代からの叩き上げで、来年には退官予定だった彼は、共産党党首ですら敬礼しそうな威厳と迫力を持っている。
当然ながら鬼より厳しく、一般隊員も新品三尉も恐怖の代名詞扱いをしている。
そんな彼は私をやたらと可愛がってくれる。
もちろん卑猥な意味ではなくてよ?

867 名前: 842 03/07/21 07:07 ID:???

彼とは三尉として任官して部隊に配属されてからの付き合い。まあ所属が変わっていないから当たり前だけど。
付き合いといっても男女のそれではないわよ?もちろん肉体とかそういうのでもない。
まあ、強いて言えば師弟関係、かな?
国際情勢のキナ臭い匂いを嗅ぎ取っていた私の彼氏が山田さんをわざわざ私の下に来るように手を回したと聞いたのは、演習で私の小隊を彼の一個班が殲滅して、後日負けた理由を実に48項目に渡って細かく徹底的に説明された後だったわ。
一年経った時の演習で、彼の一個班を小隊総出で追い詰めて降伏させたとき、山田さんは凄く嬉しそうだった。

「失礼ながら、三尉殿は見事にモノにされたようでありますな」

シワの目立つ顔から私に向けた敬意と相変わらずの威圧感を発しながらそう言われた時、不覚にも泣いてしまった。
で、駐屯地に帰ってからその事で『士官とは部下の前では・・・』と説教を受けまくって、結局彼への評価はあまり変わらなかった。
実戦をするようになってからは感謝しまくりだけどね。


873 名前: 842 03/07/21 14:24 ID:???

「・・・殿、秋山二尉殿!」
「はっ、ひゃい!」

失敗、また回想にふけっていたみたい。
あーあ、これでまた『失礼ながら、もしこの瞬間に敵襲があったなら、二尉殿は殉職なされておりますよ。何回も。一杯昇進できて羨ましくあります』なんてネチネチと言われるのよ。

「真に失礼ではありますが、自分に指揮をさせては頂けないでしょうか?」
「え?」
「連戦で年甲斐もなく熱くなってしまいまして、いえ、勝手すぎました。申し訳ありません」

そう言って敬礼する。
しかし、視線は『そろそろ休め』と言っている。

「そうね、では山田陸曹長。明朝1200まで臨時で指揮を任せる」
「はっ!了解しました。二尉殿、あちらに天幕が空いております。お考えを整理なされてはいかがでしょうか?」
「そうしよう、では後は任せる」
「はっ!」

参ったわね、疲れ切っていることはバレて当たり前として、まさか休むためのテントまで用意されてたとは。
しかも休むんじゃなくて『考えを整理する』ってことは、よほどのことがない限り呼ばれることはない。
つまり何か起こるまで休めるって事。
ま、彼がこういう事をするのは今日に始まった話じゃないから、感謝してさっさと寝ることにしますか。

874 名前: 842 03/07/21 14:25 ID:???

「やれやれ、やっと寝る気になったようですね」

フラフラしながら天幕へと向かっていく秋山を見ながら新品三尉が言う。

「三尉殿、何も聞いてはいらっしゃらないんでしょうか?」
「そういえば、事が起こってから話すのは初めてでしたね。ええ、もちろんながら聞いていませんよ」

新品三尉、つまり任官されたばかりの三等陸尉とは思えない表情を浮かべながら応じる。
こう見えて俺は情報本部の人間だ。
実際には28なんだが、童顔を利用してこの役を演じている。
おっと、年齢詐称なんて言わないでくれ、仕事なんだ。
ほんとは機密なんだけどね、この人速攻で見破った上に、自分の部隊の中に知らないことがあるのが大嫌いらしくてね。
なんとかっていう陸将補から上に話が行ったらしく、気がつけば護衛っていう名目で関わっていやがった。
ま、おかげで仕事が楽で助かるけどね。

875 名前: 842 03/07/21 14:26 ID:???

「以前にもお話したでしょう?自分は混乱に乗じて国内に潜入した北の工作員を消すのが仕事です。こんなSFチックな展開は想定すらしていませんよ」
「申し訳ありませんでした。通信のほうは?」
「無理、一切受信なし。あーあ、彼女、怒ってるなぁ・・・」

ことさらにふざけた態度で応じる彼に、しかし山田は腹を立てなかった。
情報本部から派遣されてきた人間だが、彼とて人間。疲れることも弱気になることもある。

「三尉殿、お休みになられては?」
「いいねぇ、じゃあせっかくだから指揮官殿と親睦を・・・冗談ですよ」

温和そうな表情を浮かべた陸曹長を見て、慌ててフォローする。
まったく、この人がこの表情を浮かべるときは、相手を心から褒めるかキレた時だけだからな。
さて、さっさと退散するかな。

「それでは先に休ませてもらうよ陸曹長」
「はっ、後はお任せください三尉殿」

876 名前: 842 03/07/21 14:27 ID:???

「やれやれ」

背筋を伸ばす。
これで事実上の最上位者は自分となったわけか。

「さっそくあれやこれやとやらねばな」

現在は三日目の2300時。
秋山二尉が戻る前に厄介ごとを減らさないと。
まだ大規模な部隊長としての要領を掴んでいないあの人には荷が重過ぎる。
早速自分は行動を開始した。
警備状況を再確認し、まずいと思うところは人員を増やした。
また、武器弾薬および糧食の残量も計算させた。
どれが無くなってもおしまいだからな。
幸いなことに武器弾薬は集計が終わらないほど多量に存在することがわかった。
糧食のほうは、充足率が60%程しかない我が中隊に対しては一ヶ月以上食いつなげるほどの量が存在しているらしい。
戦闘での消耗がこんなところで幸いするとは皮肉なものだ。
燃料のほうは73式タンクローリーが10台、それとドラム缶10本。残りはガソリンタンクに入っているだけ。
よほどのことがない限り車両はエンジンすら動かせない。

877 名前: 842 03/07/21 14:49 ID:???

「武器があるのはありがたいですな。施設さんがいてくれたおかげで水も困りません」

書類をめくりながらそう言ったのは、自分が信頼を置いている金田三等陸曹である。
主計課に所属しており、帳簿の管理をさせたら天下一品だ。
だが、少し人物的な面で問題はある。

「糧食は?」
「前にも言いましたように食いつないで一ヶ月。ああ、今のペースで人が減り続けるともう少し伸びますね」

これだ。この男、隊員のことを帳簿上の数字としか見ていない。
ひとたび有事となれば、消耗する人間の数を数字として扱う自衛隊主計課としては、数字を見て嗚咽を漏らすものより、まるでいつもの日常業務でもやっているかのように

できるこのような男が必要なのはわかるが。

「そうか、燃料は施設の浄水器に優先的に・・・」
「ええ、優先的に回しています。まあ他に使い道ありませんしね」
「そうだな。ああ、重火器の方は?」
「いろいろ揃ってますよ。あとで報告書をお持ちします」
「そうしてくれ・・・ん?なんか騒がしいな」

878 名前: 842 03/07/21 14:50 ID:???

表が騒がしいことに気が付いたのは金田との会話が一段楽した頃だった。
銃声が聞こえないことから敵襲ではないな。
大方、また脱柵だろう。
見通しのまったく立たない現状に絶望して脱柵する隊員は後を絶たない。
逃げたところでどこへいけるいうものでもあるまいに。

「たたた大変です!」

大慌てで年配の陸士長が飛び込んでくる。

「何事か」
「騎乗した外人みたいな連中が三人、馬車に脱柵した連中を何人か乗せてきました!秋山二尉との面会を求めておりますっ!」
「な、なに!?わかった、すぐに行こう。金田三曹、君も武装しておきたまえ」
「いいですよ、重いですし、私まで戦うことになったらもうおしまいですし」
「好きにしたまえ、君、行くぞ」
「はっ!」


911 名前: 842 03/07/22 23:31 ID:???

諸王国暦794年豊穣の月3日 天幕の中

「いかが思いますか?」

騎士アンドレーが私に尋ねるのはこれで3回目だ。
この男、切れ目と引き締まった体からは予測できないほど臆病だったようだ。
本国に戻り次第、騎士は除名だな。
まったく、まさかこの妙な連中といい、いったいどうなってしまったというのだ?

「二尉!」

表から怒号が聞こえる。
どうやら下士官が連れてくるとか言っていた指揮官か。
しかしイッシだのリクソウだの、こいつらの階級は聞きなれないものばかりだ。
魔王の手先だとは思わぬが、万が一ということはある。
このような少人数でくるべきではなかったな。

「ゴロウズ上級騎士様、表の声は・・・」
「黙っておれ」
「は、はっ」

912 名前: 842 03/07/22 23:36 ID:???

「失礼します。秋山二等陸尉殿をお連れしました。当部隊の指揮官であります」

天幕の中から私を紹介する山田さんの声が聞こえる。
相手は『騎士』だっていうことだけど、これはいよいよもって嫌な感じね。
いわゆる仮想戦記とかいうやつ?そんな感じ?
冗談じゃないわよまったく。

「楽にしてください。私が秋山です」

入ってみて驚いた。
明らかに動きづらい重そうな、しかも真っ白で目立つ鎧。
アホみたいに大きな剣、脇に置いてあるのはこれまた大きな兜。
儀礼以外じゃ着けたくないわね。
相手は驚いているみたい。ま、女の指揮官じゃしょうがないか。

913 名前: 842 03/07/22 23:41 ID:???

「失礼します。秋山二等陸尉殿をお連れしました。当部隊の指揮官であります」

天幕の中から私を紹介する山田さんの声が聞こえる。
相手は『騎士』だっていうことだけど、これはいよいよもって嫌な感じね。
いわゆる仮想戦記とかいうやつ?そんな感じ?
冗談じゃないわよまったく。

「楽にしてください。私が秋山です」

入ってみて驚いた。
明らかに動きづらい重そうな、しかも真っ白で目立つ鎧。
アホみたいに大きな剣、脇に置いてあるのはこれまた大きな兜。
儀礼以外じゃ着けたくないわね。
相手は驚いているみたい。ま、女の指揮官じゃしょうがないか。

914 名前: 842 03/07/22 23:42 ID:???

「あ、あなたが本当に指揮官なのか?情人などではないのだな?」

まあ疑うわよねー見たところ封建時代チックな格好だし。
それにしてもジョウジン?常人・・・・情人ですって!?

「それはどういう意味でしょうか?私を侮辱しているのか?」

必要以上に冷たく答える。
慌てて山田陸曹長が視線で抑えてくる。
分かってはいるけど、言っていい事と悪いことがある。

「ももも、申し訳ありません!」

慌てて二人組みは謝る。
片方は明らかに狼狽している。
ま、いいか。

「いえ別に。脱走兵がお世話になりました。それでお話とは?あいにくと金銭当は持ち合わせておりませんが・・・」
「それはいいのです。まずはこれを」


910 名前: 842 03/07/22 23:30 ID:???

「現状は?」

乱れた髪もそのままに秋山二尉がやってきた。
やっとのことで取れた睡眠を邪魔されて不機嫌そうだ。
だが、指揮官があんなことでは困る。これが片付いたら一言言ってやらねば。
ひとまずは

「はっ、所属不明騎乗した白人男性が三名、数名の部下ともに脱柵者を連れて二尉殿に面会を求めております。あちらです」
「え、ま、待ってよ、私英語は苦手なのよ」
「ご安心を例の米田三尉殿、例の新品三尉殿です、が語学に堪能なご様子であります」
「そ、そう、行きましょう」


相手が通されている天幕に入る前、ちらりと馬車や馬を見てみる。
驚いたわ、だって馬も馬車もまるで式典にでも出るような派手な装飾を施されているんだもの。
その脇には白人男性たちが4人ほど、御者らしい男と一緒にこちらを睨んでいる。
何よ?なんか文句でもあるの?
そりゃあ前線で女の幹部自衛官は珍しいだろうけどそんなあからさまにジロジロ見なくたっていいじゃないのよ!大体その妙な格好や腰に差してる剣みたいなのは何よ?この64式で・・・

「二尉!」
「ひゃい!」

あちゃあ、山田さん怒り出しちゃった。




123 名前:ルール違反申し訳ないです :03/12/17 16:03 ID:???
「要救助者全員を確保しました」

 救出部隊長に副隊長が報告する。
 ここはオルフェノス大陸南端にある奴隷商人のアジトである。
 今から一週間前、アメリカ西部の某所にて発生した魔法テロでさらわれた女性達を救うため、合衆国は一個中隊の救出部隊を派遣した。
 全軍を動かさなかったのは、誘拐事件に対してそこまで大々的に反応したのでは大国としての威信を守れないからである。

「設置は?」

「既に完了しております」

「よろしい、我々も撤収するぞ。総員撤収!!」

「了解!撤収ー!!」

 号令と共にLZ周辺を確保していた隊員たちが集まってくる。
 さすがに歴戦の勇者達だけあって、倍する敵兵相手に一人も減っていない。
 部隊長を載せたヘリが舞い上がり、それにわずかに遅れて兵達を満載したヘリが宙へと舞い上がる。

124 名前:ルール違反申し訳ないです :03/12/17 16:09 ID:???
「隊長」

 避難場所へと移動するヘリの中で、副隊長が隊長に声をかけた。

「なんだ?」

「一体どうして民間人の誘拐事件に私たちが出張ってきたのでしょうか?聞けば別のヘリにはデルタやシールズもいるらしいじゃないですか。
 おまけに置いてきたあれ、核ですよ」

「ああ、簡単だよ。連中がさらってきた女性の中に、我らが大統領閣下の愛娘も入っていたからさ」

「なるほど、パパはご立腹なわけですね」

「そうだ、連中もバカな事をしたもんだよ。聞いた話じゃ、始めは俺達が撤収した後に戦略核攻撃を仕掛けようっていう案で進めようとしてたらしい」

「ま、まさか」

 そこまで言って副隊長は顔を蒼くする。
 あの大統領ならやりかねない。

「ま、そういうことさ、お、そろそろ降下地点だな。無線を貸してくれ」

 パイロットからインカムを受け取る。

「ヒヨドリ01よりパパへ、間もなく降下地点」

<了解ヒヨドリ01、こちらでも確認している。高度を下げ、予定地点に降下せよ>

「了解」

125 名前:ルール違反申し訳ないです :03/12/17 16:24 ID:???
 隊員たちを乗せたヘリ部隊は、徐々に高度を下げつつ空き地へと降下した。
 着陸と同時に隊員たちが飛び出し、周囲に散っていく。

「ヒヨドリ01よりパパへ、着陸完了」

<了解ヒヨドリ01。カウント10から伝える。11・10・9・8・7・6・5・4・3・2・1・0!!>

 無線からカウント0が伝えられると同時に、奴隷商人のアジトに仕掛けられた核兵器が発動。
 周囲に点在していた13の村、3つの町を巻き込んで盛大なきのこ雲を作り上げた。

 この一週間後に米軍はオルフェノス大陸に侵攻、虐殺としか形容できない戦闘を繰り返し、世界征服をあっという間に達成した。
 しかし、それは世界にとって幸福だったに違いない。
 なぜなら、アメリカによる世界征服から10年後、魔界より蘇った魔王軍による全面戦争が勃発したからである。
 まあ、キリスト教を信仰するアメリカは嬉々として水爆を使用し、わずか三日で戦乱は解決したわけだが。





330 名前:名無し三等兵 :03/12/24 20:07 ID:???
序章 北海道 召喚

北海道 千歳空港

「もう今年も終わりか・・・」
千歳空港の管制塔の主任は仕事仲間とを話していた。
「年越しに海外なんていいご風情だな」「そのせいで俺らはもっと忙しくなるしさー旅行しているやつらのろいたいよ。」
「ほんとだよなー」くだらない雑談を繰り返していると急に忙しそうに走ってきたオペレーターが来た
「大変です、主任!!」「ど、どうかしたの?」
いつも冷静沈着のオペレーターがものすごい同様している、ただ事ではないこと感じとった主任はききかえした
「それがレーダーに映っていた飛行機がすべて消えてしまったんです!!」
一時呆然とした主任達であったがいきなり笑いはじめた
「君エイプリフールにはまだ早いよ、いや新手の新年の挨拶かい?」
「違います、本当です速く来てください!!」むりやり袖をひっぱられて半信半疑のままでレーダーの所までつれらていった
「なんだこれは・・・故障か?」「いえ、すべてがこの状態で・・どうすればいいでしょう?」
レーダーには確かに何も映ってない故障かとうかがうほどだった

青函トンネル内部 北海道の県境の近く

「ふーん ふーん ふーん ふっ!」鼻歌を歌いながら車を運転している男が突如鼻歌をやめた
なぜなら彼の目の前にいきなり土の壁がでてきたからである。
「なんだ映画の撮影か?」「どうして土の壁が?」とまった車から出てきた運転手たちが土の壁をみて感想をもらしている
先程鼻歌を歌っていた坂西二尉も驚いて車からでてきた
「なんなんだこれ?」と言った瞬間目の前の壁から土がうかびあがり始めてきた
「やっぱ映画だろどっかにカメラ回ってんだろ!特殊効果なんてやめて早く土の壁をなくせよ!」
誰かがそう叫んだ瞬間浮かび上がってきた土の壁から突如人型の人形みたいなものができ始めた
そして動き始めたのである一番近くにあった坂西二尉の車が踏み潰された
「あーーーーーーーー!!!俺の車ー」土の人形より車が踏み潰されたほうが坂本の衝撃はでかかったらしい
坂本二尉以外の人達は悲鳴を上げながら逃げ出した
皆が逃げていったことが判り坂本二尉もやっと状況が判り逃げ出した

331 名前:名無し三等兵 :03/12/24 20:08 ID:???
坂本二尉が丁度トンネルを抜け出した時目の前にパトカーが沢山並んでいたその中から警官が一人でてきた
「中に残っている人はあなたで最後ですか?」
坂本二尉は答えた
「ああそうだよ、それに俺の車も踏み潰された・・畜生!!」
「愚痴はいいから早く安全な所へ、早く!」
さっきの警官が坂本二尉をせかしているそのとき・・
ドスン! ドスン! どうやら土の人形がこちらへ歩いてきているらしい
坂本二尉を安全な所をやった警官は持ち場に戻り銃を構えた 真ん中にいる巡査部長が拡声器でこう発言した
「そこにいる人形に告ぐ!それ以上こちら側に来ると銃を発砲するぞ!すぐに止まりなさい」
しかし土の人形は一向にとまる気配を見せない
「やむえん・・・・撃てーーーーー!!!!!」
パトカーの周りにいる警官たちが一気に土の人形に撃ち始めた
「すげえ」「映画みたいだ」さきほど青函トンネルから逃げてきた人達が言い始めた
しかし・・・・
土の人形は一向に止まる気配を見せてない頭がふっとんだがまだ動いている
警官たちも玉切れをおこしリロードしている
「はやく撃てー!!じゃないとやばいぞ!!」「わかってますよ!巡査長!」
すでに目前にせまった土の人形に再度、警官たちがいっせい発射しやっとのことで人形を倒した
「やったぞ!倒したぞー!」警官たちや安全な場所にいた坂本二尉や避難した人達が喜んでいる
「SATの出番はなかったですね巡査部長」「たしかになこれで怪物退治の名誉は我々のものだ!喜べ諸君!」
巡査部長はいささか興奮気味だ、坂本二尉を助けた警官が巡査部長にあることを聞いた
「あの部長、中の状態を確認しなくていいのですか?」「おおそうだったな、各員集まれ、集合!!」
巡査部長の声で集まった警官たちはトンネルの中に突入するメンバーを決めトンネルの内部に入っていった
「やれやれこれで一安心かな、おやケータイが・・・」突如坂西二尉のケータイがなった。
「おい!坂西か」「どうしたんだ西?」

332 名前:名無し三等兵 :03/12/24 20:09 ID:???
電話の相手は坂西の親友の西二尉であった
「大変だ、札幌にテロリストがあらわれったってよ!警察のSATまででたけど対処できてないらしい、俺達にも治安出動の名目で出るかもしれない」
「まじかよ・・・・せっかく冬休みまでとって故郷に行こうとしたのに・・・それよりさ今」
「ごたくはいいから早く来い」
一方的に電話をきられた坂本二尉は仕方なく車に乗ろうとしたが・・
「あーーーーー俺の車トンネルの中にあるし壊れてる!!タクシーでもあるかな・・・」
と言った瞬間トンネルの中から多数の銃声と叫び声が聞こえた

少し前に戻り機動隊がトンネルの内部に入った直後

「うわーーひどいですねこれは・・・」
そうゆうのも無理はないあちらこちらに乗り捨てられた車がかたぱっぱしから踏み潰されて壊れている
潰された車を乗り越えて土の壁付近に到着すると丁度そこにはローブを着た謎の男が立っていた
先程の巡査部長が拡声器を使いうるさい声で怒鳴った
「君ーー、早く安全な所に避難しなさい!!」
しかしローブをまっとっている男は拡声器の声など聞こえないようだ、物思いにふけっている。
巡査部長は拡声器の音量を最大にしさらにうるさい声で「君ーーーーは・や・く避難しなさ」「うるさいぞ!!愚民ども!!」
拡声器の声に負けないぐらいいやそれ以上のどでかい声で叫んだ
「そうだ君たちだな僕が作ったゴーレムを壊したのは・・・・殺してやる!!」
「君なに言ってんだ!!そんな物騒なこといわずに早くこちらへ来なさい!」
「うるさい、うるさいうるさいだまれーーー」
ローブを着た正体不明の人物は甲高い声を上げながら両手から電撃をだし地面に両手をたたきつけた
その瞬間先程の土人形(ゴーレム)ができたようにアスファルトの道路から人間と同じぐらいの大きさの人型が浮かび上がりはじめた
その不思議な光景に機動隊は目を奪われた「なんなんだあれは・・」動揺した声も聞こえてくる
「僕、偉大なる魔術師アレイドスーンの華麗なるゴーレム召喚術を目に焼き付けて死ぬがいい!!はははっははっははーーー」
甲高い笑い声をさえぎるようう機動隊が銃を構えた、状況を理解した巡査部長が機動隊に命令したのだろう。
「あの生まれかけの人型を狙え!よし!撃てーーーーーーーーー!!!」
PAN!!PAN!!PAN!!

333 名前:名無し三等兵 :03/12/24 20:10 ID:???
生まれかけの人型にあたりある程度は倒されたが、まだ20体以上残っている
巡査部長は叫んだ
「何をしているさっさと倒さんかーーー!」
他の警官が答える
「部長もう弾がないんです!!」
「なに!!」
「こうなりゃ、肉弾戦でやつらを倒すぞ!!」「はっ!」
機動隊が体制を立て直しているうちに何体かの小型の人型(ミニゴーレム)が完成し機動隊に襲ってくる
「うおーーーーーー!」
機動隊が金属製の盾を使い突撃してくるミニゴーレムに応戦しはじめた
「こいつ!」「壊れろ!」威勢のいい掛け声とともにミニゴーレムを殴たっり警棒を使いミニゴーレムに攻撃をしかける
BAKI!BOKI!
意外にミニゴーレムは簡単に壊れていく
「ちっ!まだ時間がたってないからか土の強度が弱い・・・」
先程現れた魔術師アレイドスーンが愚痴をこぼす
「やれーーーそしてあの男を取り押さえろ!この騒動の原因はあいつだーー」
ミニゴーレムの壁を打ち破り魔術師をとり押さえようとした機動隊に巡査部長は激励のエール(と本人は思っているようだ)を送っている
しかし機動隊が取り押さえようとした瞬間突如としてアレイドスーンの姿がきえた
機動隊がいなくなったアレイドスーンの姿をさがそうと辺りを見回しているとアレイドスーンの声がどこからともなく聞こえてきた
「今日のところは見逃しておこう、私の任務は終わったからな、ここより君たちの町のほうが大変になっていると思うけどな、はっはっは」
そういうと周りから声が聞こえなくなった

378 名前:北 :03/12/25 18:44 ID:???
銃声の音など気にせずなんとかタクシーに乗りつけた坂西二尉は基地に到着した
同じように年明け休暇をとっていた他の自衛官も非常収集で呼ばれて基地の前にはある程度の交通渋滞がおきていた
「あー、ここでいいです」坂西二尉はそういってタクシーから降りた
基地の前では他の隊員も数多くみつけたみんな愚痴をたれている
さっさと準備をした坂西二尉は集合場所にいき先程電話をかけてきた西二尉のとなりについた
「遅いぞ、もっと早く来い」「仕方ないだろ」
少しだけ会話をし二人ともだまりこけたなんせ戦う相手がテロリストである緊張しているのであろう他の隊員達も黙っている
後ろから宮元一曹が話しかけた「坂西さん俺らホントにテロリストと戦うんですか?俺信じられないんですけど。」
坂西が答える
「俺もそう思うよ、ほんとに戦うのかな?いや戦えるのか俺ら。」「馬鹿者!戦えるにきまっとる!!」横の西二尉がすぐさま答える
「それに今回の演習をねらったテロだ、この程度でわれら自衛た・・・」「話に割り込んですまんが演習ってなんだっけ?」
不機嫌そうな顔をして西が答える
「ロシア、アメリカ、中国と一緒にやる合同演習だよ!だからこの前から他の自衛隊の基地の人達が沢山来てただろう!

379 名前:北 :03/12/25 18:45 ID:???
あーーーーー、すまん忘れたごめんごめん。」
「たく・・・・」会話が終わりしばらくしてから指揮官達が並んでいた坂西達の目の前にたった
「諸君!年末で忙しい所に来てくれてまず、ありがとう早速だが今からいう作戦を実行してもらいたい作戦名は「飛んで火に入る夏の虫作戦」だ」
「どんな作戦名だよ・・・」「ダサい・・・」少しながら自衛官達が作戦名に不平を漏らした
指揮官は無視して続ける
「この作戦の内容はまず札幌にいる大量にいるテロリストいや化け物共を一箇所に集めて撃退する。」
「化け物なんだそれは!」西が化け物という単語に動揺して大きな声をあげた
指揮官はすこしも動揺せず答えた「そうだそのとおりだ我々の相手は化け物だ、だから容赦せず叩きのめしていい。」
「もしや化け物って・・・・」坂西は青函トンネルででてきたミニゴーレムのことを思い出した
「これを見てほしい、見てのとおり人間ではない土の化け物みたいだろ?我々はこの化け物の名前ミニゴーレムとなずけた。君たちにはこいつらを
大道路に誘導してしてほしい、誘導したあとそこに仕掛けた爆弾で第一波攻撃をするもしこれでやられなかった場合戦車と戦闘ヘリで攻撃をしかける
これで作戦終了だ。」
「そんなに簡単に誘導出来るんですか?」唯一このむさい男達の中で女性の波江二尉が質問する
「ああ大丈夫だ奴等は極端に臆病でな、勝ち目がないと悟るとさっさと逃げていってしまうその敵の習性を使い敵を大道路に誘い込み攻撃する、どうだ
簡単だろ?」「敵はどんな武器を持っているんですか?」「剣らしきものを持っているが殺傷力はないに等しい、今応戦している警察達もまだ殉職者がでてないからな。」
「わかりました・・」質問を終えた波江二尉は席座った
「それでは質問もないだろう、いまから飛んで火に入る夏の虫作戦を開始する!


415 名前:ゴトウ :03/12/26 04:39 ID:???
さすがにこれはあんまりでは・・・・・・・・・(涙)
気持ちいい自衛隊の快進撃の話というのはないのでしょうか・・・。
ここまでやられたんですから国民もまともになって一気に敵を叩くという話を書きませんか?
たとえばこれを機会に自衛隊や国会の急進派が実権を掌握、マスコミや左翼、反対勢力に対しては、

416 名前:ゴトウ :03/12/26 04:40 ID:???
「あなたたちの事なかれ主義と状況を見ようとしない視野の狭さ、自分に危害がかからなければどうでもいい国民達、
 我が国は民主国家だ、このような事態を生み起こした責任はあなた方にこそありえるのですよ!
 我々がこうして安全にいられるのだって自衛隊の隊員が必死に戦っているからだというのに・・・・・・恥ずかしくないのか!!!
 それだけじゃない、この国に入ってくる資源だって自衛隊が輸送しているのを護衛しているからこそ供給されている!
 だからこそ、今でも生活水準が守られているのです!それなのに誰もそれを理解しようともせずに・・・ハッキリと言わせてもらう!!!!!!!!!!
 貴様達のそのような考えが、日本を滅ぼそうとしているという事がわからんのか!平和平和というが・・・いいか、世の中そんなに甘くできてなんていない!
 平和なんていうのは口で言っているだけで成り立つほど簡単なものじゃない!そして今の政府も国民も馬鹿だった。だからこんな事が起こりこれだけの犠牲者が出た!
 こうなったたのは、貴様らのその無定見さが原因ではないか!いいか、第一こんな重大事件を察知できなかっただけで、その無定見さを暴露している事がわからんのか!
 マスコミは自衛隊の制止を聞かずに敵地に取材に行って勝手に惨殺された女性カメラマンのときは英雄扱い、しかし死んだ彼女を救出に行って二人機動隊員が負傷、
 一人は今でも重態だというのにそれにはまったく触れていない・・・これではあんまりではないか!!!!!!!自分の事を棚に上げ、現場の苦労すら知らずに自衛隊に
 『行くには行け、死んでも見向きはしないからね。平和のために散った勇気あるジャーナリストは賞賛するけど自衛隊の人たちには敬意を払うつもりはないからね』
 と好き放題な事を言っているにも等しいのだぞ!!!勝手な事を言うのもいい加減にしろ!!!!!!!!!!!」

417 名前:ゴトウ :03/12/26 04:41 ID:???
この演説の後、反戦団体は新政権の情報操作によって帝国側に勝手に情報を流していた事が明らかとなりほとんどが解体、
うるさいマスコミも視聴率稼ぎのために自衛隊が虐殺を行ったニュースを勝手に捏造した事が明らかとなり沈静化、国民も堪忍袋の緒が切れた政府を恐れて静かになる。
こうして新政権は自衛隊兵器のコスト削減案と大規模な兵器工場建設を実行に移す。
そして新型の13500t空母型護衛艦(最近計画中)のSTOVL運用改良型に米軍の開発段階にあった(日本にたまたまあった試作機を量産した)F-35を搭載。
部隊の再編が整うまで自衛隊では魔法の対策が講じられる。
64式小銃は回収、工場で生産された89式小銃が全兵士に行き渡り、物資の補給も完了する。
こうして補給が完了した護衛艦、F-35を搭載した空母型護衛艦、完全武装した兵士を満載した輸送艦多数によって編成された自衛隊艦隊は帝都攻略のために進撃を開始した。



492 名前:Let'sだめ人間 :03/12/28 21:15 ID:???
自衛隊員単独な感じで・・・
導入部

アスドガルド帝國の帝都から地方に向かう道で馬車の窓から外を見渡す
・・・
考えてみると三ヶ月前までは
目を覚ますと知らないところだし、異界から人間だとかなんだかんだとわけのわからないうちに話が進み
兵士(自衛隊員)で士官だとわかると将兵不足の折から、兵を指揮して戦えという始末だ。
もちろん断るが異界から来た人間がどうやって生活するのかと言われると
しぶしぶ承諾せねばならなかった。
代わり自給自足できるだけの領土と金と人員を用意はしてもらったが・・・
ちなみに指揮をする兵士も館兼拠点でとの事だ
準備が整うまでこの世界と国のことを調べたりした
そして準備ができた現在・・・

めぐり行く景色を眺めてみるといきなり視界が開け館兼拠点が見える
館の前に着き、馬車から降りると、館までの道の両端にはまるで漫画のようだがメイドたちが並んでいる
そして、一人の女性がこちらに向かってやってきた
「はじめまして、この館の管理を引き受けているアンリといいます」
どうやらこのメイド達のTOPのようだ
「よろしく、自分は吉田卓郎といいます」
挨拶が終わると彼女の誘導で執務室まで移動をする

493 名前:Let'sだめ人間 :03/12/28 21:16 ID:???
執務室
「ご主人様、これをどうぞ」
彼女から封筒を受け取る
「はい」
受け取って封をといて読んでみる
{残念ながら兵員の確保はできず 亜人間の獣人族のメイド1000人を兵士として組織すること 以上}

#獣人族-亜人間である獣人族は奴隷に近い身分でそのほとんどがメイドなどの人間に従属する職業しか選べない

「…」
「何とかかれてました?」
封筒からアンリへと向けるとさっきはカチューシャで気付かなかったがうさみみがあるではないか
「ええと」
手紙を渡す
・・・
「どうやら私達の嘆願が叶って良かったです」
彼女はうれしそうだ
「…どういうことだ?」
また、わけの分からない事だ
「私たちが奴隷身分なのはご主人様もご存知だとは思いますが・・・」
アンリ曰く戦争に参加し国に貢献できれば地位の向上もありあえ得るということだ
「なるほど…」
かつて古代ローマでも武装して戦争に参加した市民の発言力があるように
彼女たちも市民権を得ようとしているのは理解ができる
「ご主人様、よろしくお願いいたします」
深々とうさみみが垂れる位までお辞儀をする





507 名前:名無し三等兵 :03/12/28 23:36 ID:???
>>439-445
を見て書いてみましたw
しかし、自衛隊はでないし地味な話になりそうなんで駄作になってしまった(爆

「遥かな誓い…リメンバーマジックシティー」

ある一団が荒野を進んでいた…。
性別はもちろん年齢、服装はまちまちでどんな集団か見ただけではわからない。
足元もふらつき、かなり疲労しているようで、一団が長期間の移動をしているがわかる。
その集団には女、子供はもちろん、複数の異種族もまじっていた。
このような集団は『この世界』ではきわめてまれだった。
下は十代から上は五十代の差もあり、ヒト族のほかに小人、獣人、エルフのほかに、
『この世界』では忌み嫌われているダークエルフらしい姿まで見えた。
内面的にはどうか見た目ではわからないが、表面的には共に協力しあいながらの
移動だった。
この集団のリーダーらしき者は、ヒト族らしかった。
これは『この世界』ではきわめて珍しいことだった。
エルフやダークエルフが対等ならともかく、ヒト族の命令に従うのは彼らの慣習にはないはずだったからである。
また、この集団の大部分を占めているヒト族たちのほうでも獣人、小人に対して
対等に話や作業をしていた。
この不可思議な集団はあきらかに何者かから追われているようで、隊列を組んでいた。
先頭には、偵察をかねているのかエルフとヒト族の数名が集団から離れ前方を進み、
後方には戦士らしい屈強な男や獣人達が後ろを警戒しながら進んでいた。
中心には女性や子供、小人、魔導師(?)らしい老人を置き、その周辺をヒト族の
男達が固めていた。

508 名前:名無し三等兵 :03/12/28 23:36 ID:???
ファンタジー世界を襲う大いなる脅威(アメリカ軍の侵略)に対抗すべく、異世界からの勇者の召還を試みたら
平行世界からソ連軍を召還してしまうと

ファンタジー世界を舞台に後先考えない、傍迷惑なアメリカVSソ連の戦争開始!

509 名前:名無し三等兵 :03/12/28 23:37 ID:???
「旦那、まずいよ…さっき小暮さんと確認したらもう食料に余裕がないよ!
つめれば少しは伸ばせるけど…それも限度があるし…どうする?
馬鹿食いする赤頭も我慢しているけど焼け石になりそうだ。
どこかで、狩か木の実やなんかを集めなければしまいには腹へって動けなくなるぞ!
とにかく何とかしないと『やつら』に見つかるのが早いか俺達が先にくたばるかの
チキンレースになりそうだ…。」

リョーは旦那と呼ぶリーダーの男に話しかけた。

「…水は?」

男は逆に尋ねた。

「水は3日前に見つけた水溜りからかなり多く汲んでおいたからまだまだ余裕はあるよ。
なんせ食い物がなくなる前に水がなくなると『俺達』はすぐ渇き死にだからな…。
まあ、そのせいで食い物をあまり持てなかったんだけど…水がなくなるよりはましだしね。」

リョーはかわいた笑顔をした。

「仕方ない…水は最優先だからな。しかし、弱ったぞ…こんな見晴らしのいい所で
小休止なんかできんし…かと言って先生にも無理させられないしな…。…で、食料は
どのくらいもつんだ?」

リーダーの男はいかつい顔をさらにしかめて尋ねた。

「そうだな…今のままだと、二、三日…ってとこだな。一日二食を最低ラインにするともう
三日ぐらいはもつと…思う。一日一食にしたらさらに一週間はもつと思うが…動けなくなるほうに食料三日分をかけるよ、俺は!んでもって、先に進んでこのまま死の
チキンレースを続けるか、二日前の森林にもどって『あいつ』に頑張ってもらうか…
どちらにしろろくなもんじゃないけど…後は残っている栄養剤で一時しのぎしても体は
もたないし…あ〜あ、最悪。どちらにせよ旦那、決めてくれよ。」

リョーは最悪の状況なのに顔には出さずにこの男らしい返答をした。

510 名前:名無し三等兵 :03/12/28 23:39 ID:???
「わかった…。背に腹は変えられないということか…。よし…、リョー!!
先頭にいるあのだんまりに連絡してくれ。周辺で休める場所か姿を隠せるくぼみか何か
があるか捜せと。見つかったらすぐ知らせろ、と。一緒にいる相田には前方の警戒を
続けさせろ。…しかし、あいつだけでは心配だな。応援に何人かやってくれ。メンツは
おまえにまかせる。相田はそれでいいとしてあのだんまりには誰をやるかな…あいつは
嫌がるだろうが連絡できるやつがいないとこちらが困るからな。あのだんまりにバックアップ
できるのは…あの赤頭ぐらいだが…行ったそばからもめだすだろうし…仕方ないな。
赤頭を行かせろ。そうだ!なんか言ったら俺の指示だといえ。いいな?
あと後方の連中にも連絡してくれ。現地点を確保、そこで警戒してくれと。
何かあったらやりすごすか戦闘はできるだけ避けろと、いいな!忘れるな、
戦闘は避けろとな。」

そこまで一気に話すと旦那と呼ばれる男は、真ん中にいる『先生』と呼ばれる男が
いる所に向かった。


512 名前:名無し三等兵 :03/12/28 23:41 ID:???
「マジかよ!あの赤頭とだんまり!?最悪のメンツじゃん!旦那!考えなおせよ!
またもめごとがおきるぜ!。」

しかし、リョーの言葉には返答せずに言い終えると、いかつい顔を叩きでかい声を出し
気合を入れなおしそのまま中央に向かって歩いて行ってしまった。
やれやれと言うしぐさをしたが仕方なしにリョーは命令を守り伝言を伝え
あんのじょうぶつくさ言う赤頭の悪たれは聞き流しながら前に行かせ、後方に無線で
知らせ現地点で止まらせ警戒線を張った。
中央のメンバーにも穴を掘らせ停止中もできるだけ露出をなくそうと努力していた。

指示をあちこちに出しながらリョーは、あらためて周囲を見渡した。
かなり疲労している『先生』と呼ばれる老魔道師、穴掘りをしているつもりだろうが
はたから見るとどうしても泥遊びとしか思えない小人と幼子、年配なのにあちこち
気配りする小暮、怪力で穴を掘る獣人、それにじゃれるようにまとわりつく女の子達、
何もせずにただ立っている異種族やすぐさぼる5人組、それに雷を落とす旦那、
よくもまあこんなメンツでここまでこれたもんだぜ、とリョーはあらためて思っていた。








547 名前:名無し三等兵 :03/12/29 15:49 ID:???
 マスコミの無理解を糾弾するSS

『い、いあやだああああ! 死にたくないいいい!』
『往生際が悪いぞ(放送禁止用語)野郎!』
 拘束されおびえるF世界人を自衛官が引きずっていく。
 時間は夜に高感度カメラを使用しているのか画面はモノクロである。
 自衛官は穴の近くに男を座らせると腰の拳銃を抜いた。そして――――
 
 PAN!

 血だか脳漿だかが飛び出るのが確認できた。ガックリと倒れ数度痙攣する男。
『自業自得だ、この(差別用語)!』
 自衛官は穴に死体を放り込み吐き捨てる様に言った。
 ガサガサと音がして不意に自衛官がこちらを振り返った。両手にはさっきの拳銃を構えている。
『そこにいる者、出てこい! さもなくば発砲する! 繰り返す・・・・』
 撮影者は警告に従わず回れ右で逃げ出す。揺れる画面から三発の銃声が轟いた。



548 名前:名無し三等兵 :03/12/29 15:49 ID:???
「本田さん、貴方も意地悪な人ですね。こんなシーンを隠し撮りしているなんて」
 陸上自衛隊二佐の階級章をつけた男が苦笑いした。平穏を保っているが僅かな貧乏ゆすりが居心地の悪さを示している。
「別に意地悪で持ってきたわけではありませんよ。取材で必要だからです。そこで・・・・」
 本田と呼ばれた細面の記者が咳払いした。
「この“現地人虐殺事件”についてインタビューいたしい。どうですか?」
「この映像の場所はどこですか?」
「先の北方戦役における最初の占領地、アルダートです」
「アルダートねえ・・・・」
 二佐が引き出しから戦役の資料を取り出す。パラパラと捲りアルダートからの報告書を再確認する。
「ああこの報告ですね、“再三にわたって警告を出したにも関わらず人身売買を行っていた組織を強制捜査及び解体、責任者を処刑”とありますね。何か問題でも?」
「大有りです!」
 本田が身を乗り出す。
「私は現地に潜入していたのですよ! そこではロクに裁判も行なわず自衛官が住民の処罰を行っていました! この処刑された男性もそうです。証人の証言だけで物証は殆ど無かった!」
(あんたの口からそんな台詞が出るとはねえ)
 二佐は心の中で毒ついた。彼も戦役ではアルダート会戦を戦い、映像の人物も勇敢に戦った一人として記憶していた
 また、この本田という記者の素性も拍車をかけた。
 本田は召還事件前には捏造記事の疑いの絶えなかった人物である。 反国家、反自衛隊記事での常連でもあった。
 その後二十分程インタビュー(の様なモノ)が行われ本田は退室する。帰り際に“この映像は公開させていたたきます”と捨て台詞を吐いた。
 やっかい者がいなくなりフウ、と息をすると二佐は電話をとった。
「私だ、例のセンセイに繋いでくれたまえ。ハーフエルフの娘、といえば通じるよ」


549 名前:名無し三等兵 :03/12/29 15:51 ID:???
「あの映像が使われた時はビックリしましたよ。百人切りの捏造と違って実際に行っていましたからね」
 佐世保に向かう馬車(資源不足のため復活している)の中で二佐は防衛問題に好意的な議員と談笑していた。
「戦地で軍隊が治安活動を行うのはよくある事ですから」
「以外だったのはゴリゴリの左派のはずの教授が自衛隊を擁護した事です」
 本田が宣言した通りあの処刑映像は深夜の討論番組で公開された。
 もともとその番組もやらせ疑惑があったが、仕掛け人と目される教授が掌を返し自衛隊用語論を立ち上げたのだ。
 あっけにとられた左派はろくな反論もできず、本田もわけの分らない事を言って番組は終了した。
「あのセンセイはですねえ、調査目的で大陸に渡っていた時に女を買ってたんですよ。しかも15歳、むこうでも法定年齢未満ですから犯罪です」
 F世界ではたいていの国では売春は合法だったが、一応過酷な搾取の禁止と年齢制限をもうけている。
「それで脅したわけですか。いやはや二佐もエグイまねをなさる」
「これは手厳しい。しかし戦場では強い敵より足を引っ張る味方の方が厄介ですからしかたありません」
「同感ですね。連中はこっちの世界の事を何にも分っちゃいない」
 やがて佐世保基地のゲートが見えていた。二佐はIDカードを見せて敷地内へと入っていった。


737 名前:名無し三等兵 :04/01/05 02:57 ID:nl7KU1+D
・・・・東京都内に住んでいた祖母が亡くなり遺産を相続することになった。
両親もすでになく、兄弟もこれといった親戚もいない為だったが、戦前の中堅地主
の最後の一人だった祖母が堅実な性格だった為か結構な資産を継承した。
堅実だった祖母らしく亡くなる前に懇意にしていた弁護士と相続税他の全てを
処理しており私が行ったことといえば祖母の葬儀と遺品の整理、そして弁護士の
立会いの元、様々な書類に署名捺印をしたことぐらいだった。
とりあえず、贅沢をしなければ孫の代まで食うには困らない程度の資産を有する身と
なり、また継承した資産の七割が国内企業の株だった為異世界転移後の日本でも
資産が減ることはなかった。・・・・いや、外国企業との競争が無くなりこの世界
の帝国からかなりの領土と資源を奪い取った今、増えているというべきだろう。


738 名前:名無し三等兵 :04/01/05 03:13 ID:nl7KU1+D
元々、勤勉とは言えない性格で気楽な独身暮らしである。
完全に日本領となったこの世界の元帝国都市に別荘がわりの館を構えようと考えたのも
好奇心と暇つぶしからだった。
今だに本土との行き来は完全に自由化されておらず、貨幣レートも日本に有利に決められている
この都市で元は帝国貴族のものだったという館の買取りと現地権力に対する鼻薬は
一年分の配当金にも満たない額で達成された。
これがあるから購入したと言って良い前の主の膨大な蔵書を日本語が堪能な現地人に翻訳させ
帝国撤退後に職を失った元お抱え料理人の作る料理に舌鼓を打つ。
市の祭りや、多くの信者を集める教会への定期的な(この世界では多額の)寄付、
そして、自治政府と自警団上がりの警察に対する献金は私がここでささやかな特権を
持つことを自然と正統化した。
そんなある日、以前とある理由で縛り首から救ってやった盗賊ギルドの幹部から使いが来た。
「旦那さまだからお教えするのですが、・・・実はまもなくここで市がたつんでさあ」
「君たちがいうのだから、表だったものではあるまい。盗品市だね」
「それもあるんですが、一番の売りは人間、しかも若くてきれいな生娘たちなんです」

740 名前:名無し三等兵 :04/01/05 03:34 ID:nl7KU1+D
紫色の髪の男はそこでいったん言葉を切った
「人身売買は日本の法でも自治政府の法でも厳罰がしょされる。君の主は私に
 そのような境遇になれと」
視線に冷たさがにじみ出たのだろう。男は顔色を変えてしゃべり出した
「め、滅相もない。そんなことを親方に言われたらあっしなんざあっという間に
 埋められちまいます。それにこの市には結構なお偉方も参加されるんですぜ。
 娘達は奴隷ですが、法律上は年季奉公ってことになりますから」
「ふん、で、どんな商品がでるんだ。教育も無い田舎娘などは願い下げだよ」
「それが、旦那の国が帝国をやっちまったせいで今回は出物が多いんです。
 なんでも結構上位の帝国貴族が大勢領地や荘園を無くしてますから。
 戦争で家族を失った元令嬢が出品されるという話もあるんでさ」
 後腐れがない奴隷娘か・・・興味はあるな
「判った。面白そうだと親方に伝えてくれ。それと・・・君もご苦労だった。
 飲み代にでもしたまえ」
「金貨を・・・ありがとうございます! 旦那 なんかありましたらこのゴヌフの
 声をかけてくだせい。何でもやりますぜ」
「そうか その時は頼んだよ」
「まかせてくだせえ」

747 名前:名無し三等兵 :04/01/05 19:19 ID:???
そして、市が立つ日が来た。
目立たせない為だろう大勢の近隣の住民と自治政府のお偉方が集まる年に一回の祭りの最後に
それは開かれた。
いつものように無料の食事と振舞い酒を出す露店を私の名前で祭りに出し、教会と地元警察に
献金と協賛金を渡し祭りへのお偉方としての参加を断ると表向きは特にすることはなくなる。
奴隷市か・・・・話でしか聞いたことがないが一度見ておくのもいいだろう。
そんな気持ちで承諾した話だったが、日が近づくにつれうきうきしてきた。
もっとも、特に執着している娘が出品されるわけではないしこういった場で見当はずれなことをして
場を荒らすようなことはしたくない。
そこでゴヌフと多少の金を使って事前調査を行った。さすがにセリにさんかする人間は
判らなかったが、商品のリストと経歴と容姿については前もって手に入れることができた。
「ご苦労だった。ところで商品にはずれはないだろうね」
念をおす私にゴヌフは
「旦那 そんな風評が立ったらギルドの信用にかかわりやす。間違い無く今回の商品は
 健康で育ちのいい生娘でさぁ」
「そうか・・・そうだろうね。ところで当日の案内と護衛の手配を頼みたい。
 親方にはその旨を手紙に書いた。いいかね」
「おまかせを。何かあっても旦那には指一本触れさせませんぜ」



978 名前:402 実験中 :04/01/17 22:26 ID:???

設定
(この世界では機械文明のレベルは16世紀初期程度ですが、
 魔法文明の発達により、農業や商業、魔法工業が活発であり、人口、経済は相当の物と、勝手に定義しました)
(また、戦争形態は攻撃魔法やクロスボウや火縄銃などの投射兵器が増えた結果、
 剣や槍は廃れたが全てが戦場から消えた訳ではなく、いまだ予備(近接)兵器として運用中。)
(魔法は無限大に使用できる物ではなく体力などを消費して使用されるので、過度の連発は生命に係わる。
 魔法具の類に魔力を込めることも可能。その場合、魔力の有無に係わらず、魔法使用可能)

ミッドガルド暦50年6月25日・・・
コーラル半島西部の国カウルの首都サウラ東方の山野には深い霧が立ち込め、静寂があたりを覆っていた。
午前四時、その静寂を打ち破り、東部に位置するコーラル国による魔砲撃の一斉射撃が国境線全域に渡って行なわれた。
それに引き続いて、歩兵七個兵団、ゴーレム一個旅団を第一線とするコーラル軍が怒涛の西進を開始した。

・・これが、その後三年間に渡ってコーラル半島で同族同士が相戦い、17の民族が参加したコーラル戦争の幕開けである。



979 名前:402 実験中 :04/01/17 22:27 ID:???
このときカルア軍は北から順番に第17連隊、第1師団、第7師団、第6師団、第8師団が国境線付近に展開し、
首都カウルに首都警護師団(近衛)を配備し、首都後方の『テジョン』に第2師団、『クワンジュ』に第5師団、
そして半島最東端にある港湾都市『プサ』の東70キロ、
国境線から250kmの地点の地点にある『テグ』と呼ばれる町に第3師団を配置していた。

だが、殆んどの兵士が24日の外出許可令で外出、休暇中であり、
国境線沿いの第一線部隊も大隊級の部隊が警備についていただけであった。
ホビット族出身のホワイジン大佐の指揮する第17連隊とその他一部の部隊だけが正面のコーラル軍の動向に不安を感じ
外出休暇を禁じ、警戒態勢に付いていた。

このような状況下で6月25日にコーラル軍の奇襲攻撃を受けたカルアの状況は混乱の一語に尽きた。
カルア軍はたちまち危険な状況に陥ってしまったが、
早朝、さらに前夜の宴会の影響もあり、通信球とよばれる魔具をもってしても
軍幹部や政府首脳にはなかなか情報が伝わらず、サイ参謀総長に報告が届いたのは25日午前6時であった。

その30分後、全軍に非常呼集を発令。これが、戦争中の作戦命令第一号となる。
が、陸軍本部の登庁は送れ、中には2日酔いの状況のまま登庁してくるものさえいた。
しかも通信球と呼ばれる魔具は高価であったため軍幹部と大金持ち、各方面の警察の本部クラスしか所持していない為に
兵がなかなか集まらないと言う事態すら招いたのであった。

進攻から3時間後、サイ参謀総長は予備師団である第2、第3、第5師団に首都カウルへの集結を命じる。
また、カウル市民に対し、コーラル軍による進攻を伝えつつも、カルア軍の勇猛果敢ぶりを伝え、
市民に平静を保つように呼びかける。

またこの頃、アースランド軍の駐留武官の指揮官の松本二佐は本国のヴァルハラ軍団を直接管轄する
スクルド参謀総長にこの事を報告。その許可を得て一番兵力の少ない第17連隊にヘリ機動にて増援を送り出す。
ヴァルハラ軍団は異世界に於ける戦死者の魂をワルキュリアがかき集めてきた物であり、
その装備も異世界の戦闘で失われた物で構成されていた。この部隊に所属する者は全て戦死者である。

980 名前:402 実験失敗 :04/01/17 23:40 ID:???
カルア軍第一線部隊は即座に外出、休暇中の全将兵を呼集し、集まり次第前線への投入を開始したが、
兵力を逐次投入する形となってかえって混乱を招き、効果的な部隊運用は難しく成っていた。

それでも第一線部隊は健闘し、圧倒的なコーラル軍の攻勢に耐え戦線の崩壊を防いでいた。
ホワイトジン大佐の指揮する第17連隊と増援の陸上自衛隊の普通科中隊は機関銃陣地や砲迫陣地を築くなどして善戦したものの、
四倍以上の兵力差は同にもならず、自衛隊は全ての輸送ヘリを失って第17連隊船舶に便乗して両部隊ともに西へ向かって撤退し始める。

その三日後、首都カウル陥落、カルア国は首都をウオーターフィールドに移転させた。
同日、アースガルドの視察団が訪れ前線をして回った折原陸将が最前線から程近い橋を訪れ警備中の下士官に話し掛けた。
現場の士気と現状を知るためである。

「きみ。この橋は何時まで守れるかね」
「閣下。私も閣下と同じように軍人です。中隊長が守れと言うのならば死ぬまでこの橋を守り続けます。」
「・・わかった。直ぐに本国に戻って援軍を引き連れてこよう。其れまでこの橋を守り続けてくれ」

その後本国に戻った視察団は大規模兵力の投入を本国に要求。それによりアースガルドの王オーディンは戦争への介入を決定。
その日のうちに待機してあったヴァルハラ戦没艦隊により南海岸に対し、艦砲射撃を開始する。
30日、ヴァルハラ陸軍部隊の派遣が決定。

7月1日、直ぐに転用が可能であった第3支隊を空輸にて敢行する。翌日、全部隊がテジョに到着する。
3日後、ウオーターフィールド陥落、
7月4日、その日、異世界の戦死者で構成された第3支隊とコーラル軍がバードマウンテンに置いて戦闘に入った。

・・・・
これじゃ面白くないな・・




132 名前: プロジェクトX風異世界交流 04/01/26 06:31 ID:???

エーックス!
(暴風雨が吹き荒れ、それに耐えている家屋)
ここ異世界の地にも台風は来る。
F県榊市のまほろばの森はその中で風雨に
しかし過去最大の土石流をおこす事は少ない。
まほろばの森達が保水を行っているためである。
(広大な森が広がる。)
またエルフ達とドワーフ達の探索の魔法が伏流水の流れをチェックし、大規模な地滑りをおこさぬよう、砂防ダムに誘導する。

(ツナギを来たエルフ達が呪文を唱えている様子、雨中合羽で出て行くドワーフと人間)
これらのシステムがこの地域一体を守っている。
だが、森が出来上がったのも比較的新しく、当初は禿山同然だった。
(昔の映像が映し出される。禿山だらけの森)

森は異世界の隣人達の協力と種族を超えた知恵の元、蘇ったのだ。
(ちょっとくたびれた自衛官の姿、若いエルフ達の集団、頑固そうな親父)

これは森の復活と神聖にかけた人々のドラマである。

133 名前: プロジェクトX風異世界交流 04/01/26 06:31 ID:???

(地上の星が流れると同時に様々なテロップ)

異世界移転による、燃料不足、土砂崩れ
このままでは森は死ぬ。
異世界の森は豊かだった。
隊舎で出会った二人の若者
私達の森の親になってください。
立ちはだかる防疫の壁と種族の世界観
私達は、森の種族である。
鉄でできた機械を通した水など飲めない。
鉄も森も地から湧き出たものです。
何故育たない?
魔術の壁、科学の壁が
迫りくる大型台風
世界樹を守れ!
ドワーフ工兵とエルフの魔道部隊は間に合うのか
精霊達の宴を成功させよ。
(テロップ終わる)

134 名前: プロジェクトX風異世界交流 04/01/26 06:33 ID:???

異世界の移動より10年、日本の森は荒れ果てていた。
召還されて以来、石油は比較的貴重品となった。
勢い庶民の生活用煮炊きには木材を頼る日々が続いた。

(暖炉、石炭ストーブが売れている様子、囲炉裏端で料理をする奥様)

当初、政府も貴重な化石燃料を保護するためにも、これらの伐採に基本的な規制をかけなかった。
だが3年、5年と続くうちに、日本の森は過度の伐採に蚕食されていく。
また人々も地味な植林よりも、食料の自給を高めるために一生懸命だった。
誰も森を省みなかった。
その中で起ったのが、台風9号による同時土石流の悲劇であった。
強い大型台風である9号は猛威を振るうが、
精々2、3箇所の土砂災害を起こす程度のものだろうと、地方自治体は楽観視していた。

ようやく戦争は終わり、比較的安定した燃料が異世界からもたらされようとしていた。
前の豊かさを取り戻せるのだ。人々はそう信じて疑わなかった。

だが九号はそのような楽観を打ちのめした。
避難勧告を行わなかった地域一体から土石流が発生。鉄砲水が人々を襲った。
砂防ダムも役に立たなかった。それどころかより大きな被害を与える原因となった。
家も流された。食料の元となる田畑は崩壊した。
死者100名を越す大惨事であった。
(土石流で流される家屋、農土。病に倒れる人々)
被害にあった人々は地方に戻ってきた人々が殆どだった。
とても消防団では対応しきれず、
救援に駆けつけたのは戦役より帰還していた自衛隊が借り出されることになった。

大陸より帰還して1週間にもならなかった。
久しぶりの祖国を見た兵士達は驚いた。森が消えている。
緑はこんなに少なかったのか
荒れ果てた山々に呆然としながら、隊員達は救助活動に励んだ。
その中で2人の若者が出会ったことから、プロジェクトは始まる。


189 名前: 名無し三等兵 04/01/26 14:29 ID:???

日本が召喚されてから一部の自衛隊はこの世界の調査のために出発、その中には異例の速さで若くして幹部になった僕もいた。
彼女との出会いは異世界の大陸で初めてゲームに出てくるようなモンスターに襲われた時だった。
彼女曰く、見聞を広めるために旅に出たのはいいがここらあたりに来た時道に迷ってしまい、
その時僕らを襲っているドラゴンの姿を見てとっさに魔法で助けたのだという。
一部の頭が固い人達は、魔法というものを見て面食らってしまったが。
だがそういったものに免疫がある僕はすぐに彼女、ルーシャと溶け込めたこともあり彼女からこの世界のことを聞いてみた。
内容はやはりここが異世界だということを再認識させるには充分だった。
結局一度報告の為本土に帰還することとなった、しかし彼女自身僕らに興味を持ったらしくて同行を申し出てきたのだ。
これには反対の声も出たがここが異世界だという証拠が一つでも多く必要だという結論が出る。
その後の話し合いの結果、この世界の説明役及びガイドとしてルーシャは僕らと行動を共にすることになるのだが・・・。
厄介なのはその姿だった。
ルーシャの格好はこの世界の金属、ミスリルで作られたビキニそのものの鎧に身をまとい、手には弓を持っていた。
右腰には細長い長剣レイピア、左腰にはコンパクト化された旅の荷物、後ろの腰には弓に使う矢があった。
当然格好については何とかできないかという意見が上がる。
しかしルーシャが言うには、
「私たちエルフは自然の力を感じ取ると共に空気中に存在するマナを肌から吸収、そのマナを体内で魔力に還元、
それをちょっとずつ放出する形でその身に纏う事により、その身を守る目に見えない鎧を形成します。
もちろんその強度には限界がありますけどね・・それとある程度体温の調節も可能なのです。
そのため露出する肌が多ければ多いほどマナの吸収効率が良くなる仕組みになっているんです。
どうしてもと言うのならあなたたちの軍服を着ますけど・・・それだと魔法の効果が低下してしまうんです」
結局彼女は格好はそのままで、自衛隊に入ることとなった。
女気の無い自衛隊員達にとっては嬉しいことこの上なかったが・・・。


190 名前: 名無し三等兵 04/01/26 14:30 ID:???

その後いろいろあって彼女に告白され、今では部下から恨みがましく見られる日々が続いている。
今僕らは自衛隊の魔法の対しての対処法のレポートを作成中だ。
ちなみにルーシャは魔法の対策アドバイザーとして活躍している。
彼女は相変わらずの姿、今ではその格好にはもうなれたものだが。
そしてあたりまえとなった二人きりの食事を楽しんでいる。
ただルーシャは相変わらず自衛隊の戦闘糧食の食べ方に苦戦しているようだ。
彼女が言うには

「食べ物はおいしいのですが袋やカンヅメをあけるのが難しいんです・・・」

無理も無い、彼女の世界ではまだこういった物は発明されてないのだから。
また彼女は箸の使い方を覚えたいというので時々手伝ってあげている。

「ここはね、こうするんだよ」
「ありがとうございますシンヤ、いつもいつもすみません」

ま・・・こんな日も悪くない・・・か。
そんな二人にとっては何気ない日常だった。


203 名前: エフル 04/01/26 15:26 ID:???

隊長A「えー。今回、我々に与えられた命令は、本隊のドドメ砦進行のサポートだ」
隊員B「サポート、とは具体的にどのような活動を行うのですか?」
隊長A「うむ、本隊は日本時間26日ニイニイマルマルにドドメ砦進行を行う。
そこで、同時刻にドドメ砦左方よりトラップによるけん制を仕掛け、
砦内部の霍乱を行う。そして、その一角を担うのが…」
エフル「拙者なのだな?」
隊長A「その通り。我々は発破などをしかけ、城壁の一部を爆破。
敵がこちらへ向かって来たのを確認しだい、君の魔法で我々の撤退の手助けをしてもら

う」
エフル「まかせてください。血の雨を降らしてしんぜよう!」
隊長A「…いや、そこまではしなくてもいいです…」
エフル「なんだと?! 貴様、どの口で言った台詞か! 口でクソ垂れる前に『ダダー』と言え

!」
隊長A「ダダー?!」
エフル「いいですかぁ? あなた達の居たなるほどザ・ワールドでは知ったこちゃないですが、
この世界の人たちはあなた達の想像をはるかに絶した対応をしてきます」
隊長A「ダダー! 例えばどのような反撃が予想されますか? ダダー!」

エフル「私の知っている情報では、あの砦には数多くのマジシャンが存在します。
あなた方の使う『れぇだぁ』…大体どのようなモノかは教わりました…と
同等の能力を秘めた魔法、自動迎撃魔法等もありえます。
あなた達は魔法を足の指から舐めている…程度の加減など、命を落とすだけです。
よろしかったですか?」
隊員ABCD「ダダー! 了解しました!どの様な対処をとればよいでしょうか! ダダー!」
エフル「そうだな、まずは先ほどの作戦通り、『バクダン』で壁を破壊した後、
そこの『ミニにタコで団地妻』で威嚇をしましょう。そこへ私が爆雷魔法を仕掛けます


隊員D「ダダー! MINIMIです! ダダー!」
エフル「しまった!そうでした。ありがとう、家のフェレットでマッキントッシュしていいぞ」

231 名前: 名無し三等兵 04/01/26 18:00 ID:???



日本がこの世界へ召喚されてから、もうどれだけの時間が経ったろう。
未知の文明との接触は様々な不幸を呼んだが、
とりあえず自衛隊が大活躍しなければならない様な事態は収束に向かいつつあり、
著名希望の三尉である俺もようやく暇が取れるようになった。

「いや〜、楽しみッスね三尉〜」
「俺なんかカメラ持って来ちゃったであります」

浮かれた声を出しながら隣りを歩いているのは、共に厄介事をくぐり抜けて来た仲間二人だ。
面倒なので友人A・Bと呼称する。
俺達はある料理店に向かっていた。 休暇が取れたら真っ先に行きたいと思っていた店だ。
そこはちょっと前にテレビで紹介されてから一躍有名になり、
今ではお客が遠路はるばる並びにやって来るという繁盛ぶりを見せている。

「あ、見えましたよ! あれですかね」

Aが指差す先には、なるほど長蛇の列が見える。
どういう訳か男しかいないその列の最後尾に俺達も並んだ。
前にいる大勢の客はどういう訳かソワソワしたりニヤニヤしたりで、変に落ち付きが無い。
AとBもカメラのチェックをしたり、何故か服装を正したりと、挙動がどんどん不振になってくる。
まあ、それも仕方ないことだ。 これから俺達が入る店は、まさに楽園と呼ぶに相応しい…
おっと、想像しただけで鼻血が。

232 名前: 名無し三等兵 04/01/26 18:01 ID:???



かなりの長い時間を待たされて、ようやく店の入口が俺達の眼前に迫った。
小便は済ませたか? 神様にお祈りは? 部屋のスミでガタガタ震えて命乞いをする心の準備はOK?
俺が先頭になり、覚悟を決めて店のドアを開けた。
カランカラン、とベルが鳴る。
その途端に…

「いらっしゃいませ〜!」

くはあ。
来た、来ましたよ。
エルフにケモノ耳、天使みたいな羽に蝙蝠羽、他にもわんさか。
俺達を出迎えてくれたのは、人間とは異なる様々な種族の、とびっきりの美女たちだった。
AもBも、当然ながらこの俺も、完全に( ゚д゚)ポカーンとしている。
目の前にある地上の楽園の様な光景が、現実であるという実感が今一つ湧いて来ない。

「お客様?」

ああ、やめろ、ネコミミ少女。 不思議そうな顔で俺を見つめないでくれ。 それだけでイッちまう。
いち早く我に返ったBが、この素晴らしい景色を永遠に保管しようと素早くカメラを構えた。
その瞬間に、朱塗りの六尺棒がカメラのシャッターに突き付けられた。

「お客様、当店では許可無く撮影は禁じられております」

そう言ってこちらを睨むのは、皮製の防具を纏ったエルフの少女だ。 用心棒的なものだろうか。
そんな武器持って凄まれても困る。 Bはあんたの姿も写真に収めたいだろうな。


236 名前: 名無し三等兵 04/01/26 19:11 ID:???

ちょっとばかり即興で考えたネタ。
プロット代わりに投下してみる。

文章が稚拙なので、あんまり期待しないで下さい。


「日本国自衛隊エインヘイヤル中隊」

設定:召喚国ヴィンドヘイム 敵国ヴァルランド
召喚された自衛隊員は20XX年に勃発した戦争での戦死者、英霊。
ヴァルランドの侵攻により窮地に立たされたヴィンドヘイムは、異世界より英霊の軍隊を召喚する魔法を実行する…

237 名前: 236 04/01/26 19:12 ID:???

…その国は、滅亡の危機に瀕していた。
戦の発端は、どこの世界にもよくあること。 天候不良による飢饉、食糧不足。
飢える自国の民を救うため、豊かな他国に戦を仕掛け、肥沃な領土を、食料を奪い取る。
痩せた土地しかない貧しい国に、他にどれだけの選択肢があっただろう。
貧しさゆえに一切れのパンを盗む貧民を、誰も責められぬように。
親は飢えた子を、夫は飢えた妻を、領主は飢えた領民を、王は貧しい荒れ果てたこの国を、救いたいと願った。
だから、奪うことにした。 奪わなければ、明日を迎えず飢え死にする。
明日に畑の穂が実って飢えから逃れられようとも、今日死んでしまえば意味は無い。
既にそこまで差し迫った危機ゆえに、仕方なく仕掛けた戦だった。

戦を仕掛けられた豊かな国は、当初すぐに戦は終わるものと思った。
貧しい国にはろくな食糧の備蓄も無く、軍備をそろえる国庫も無く、兵の数も少なかった。
それ故に、油断していた。 死ぬ物狂いで襲い来る敵の力を見誤ったのだ。
将兵の油断と怠慢から戦線は突破され、崩壊し、敵の侵入を許してしまった。
飢えた獣と化した兵たちは、村々を襲い、奪い、殺し、焼き払った。

やがて、当初の国同士の力関係は、数ヶ月で逆転した。


238 名前: 名無し三等兵 04/01/26 19:14 ID:???

彼女は海上自衛隊初の原子力空母である。
本来ならば、彼女はフォークランド紛争時の
アトランティック・コンベアに船舶用原子炉と将
来型護衛艦用試作モーターを積んだような特
設航空機支援艦になるハズだった。
しかし、彼女の運命は人の思惑と安全基準と
関連法規を越え、商船構造とは言え見た目は
立派な「原子力空母」となった。
彼女の名を「やまと」と言う。


239 名前: 236 04/01/26 19:14 ID:???

大地に馬蹄の音をとどろかし、槍の穂先をそろえて、騎士たちが突撃する。
人も馬も甲冑に身を包んだ重装騎士の突撃を阻めるものなど、この世に存在しない。
迎え撃つ歩兵達は、細い長槍を地面に突き立てて斜めに構え、槍衾をつくって対抗しようとする。
が、槍の数は兵士の数に比べて明らかに少なく、まばらで、また、重装騎馬の突撃を食い止めるには、信じられないほど細く頼りない。
それでも、身軽な武装しか持たない歩兵達は必死の形相で槍にしがみ付いていた。
目前に迫る騎兵の踏み鳴らす馬蹄の音に、全員が蒼白となっている。
無理も無い。 数十秒後にはこのほぼ全員が馬の脚に蹴散らされ、踏み潰されて死んでゆくのだから。

「…もう少し引き付けよ。 この距離ではまだ最前列しか射程に入らない」

歩兵達の隊列の数歩前に、黒いローブをまとう小柄な人影が立っていた。
怯えながら、蹂躙されるのを待つ彼らと違って、その人影は随分と落ち着き払っている。
背後に立つ兵士達と見比べても、その格好は随分と簡素、かつ軽装であり、戦場では少し違和感があったかもしれない。

「フェニヤ殿、まだ、まだ待たなくてはいけませんか!?」

槍を構える兵士の一人が恐怖に怯えきった、震える声でその人物の背中に叫んだ。
彼は、後ろを振り返らずに「もう少し」とだけ呟いた。
騎馬の轟く馬蹄が、すぐ、目前まで迫る。
隊列の中からひい、という悲鳴やうめき声が漏れ、最後列の兵士達の中にはそっと逃げ出そうとする者も見られた。

『来たれ風の精霊 …打ち鳴らせ嵐の鐘 今頭上に来たりて 天を割らんが如く鳴り響いたり』

ローブの人物が、右手を頭の上に差し伸べて、呟きだした。
その声は、朗々と歌うようにその口から漏れて、後列の兵士達の耳にまで届いた。
雁の隊形を取って突撃する重装騎士たちの、大地を揺るがす轟音が歩兵たちの数メートル手前まで近づく。

『闇より生まれ闇を切り裂く光の刃 天空を走り のたうつ光の蛇とならん』

241 名前: 236 04/01/26 19:15 ID:???

歩兵達が、もう駄目だ、と目を瞑りかけたその時。
ローブの人物が突如として声を張り上げて、叫んだ。

『今 我が敵のことごとくを 打ち砕け!!』

瞬間、轟音とともに閃光が走り、重装騎士たちの馬蹄も、兵士達の悲鳴も、皆もろともに飲み込まれる。
百万本の剣を一度に砕いたような、あるいは大きな太鼓を千個も並べて一度に叩いたような、山をもとどろかすような爆音が、歩兵達の鼓膜を進撃し、多くは槍も剣も捨てて、皆一様に耳を押さえて大地にひれ伏してうずくまった。

…やがて、爆音が遠く聞こえなくなり、兵士達は瞑っていた目を開けた。
大地のあちこちが黒く、野火でもあったように黒く焦げ、肉の焼ける異臭がする。
見ると、ローブの人物が立っていて、その先には黒焦げになった人馬の遺体が連綿と続いていた。

「…しばらくは、これで敵も追撃を仕掛けてこないだろう。 砦に戻るぞ」

歩兵達は呆然として、地面にへたり込んだままローブの人物を見上げていた。
フェニヤ、と先ほど兵士に呼ばれたその人物は歩兵達を振り返り、ふん、と鼻で笑うと、そのまま真っ直ぐ歩兵達を掻き分けて歩き始める。
兵士達は、ぽかんと口を開けて、ふぬけたような表情で彼を見つめたまま、立ち上がることができないでいた。
その頬に、ポタリ、と水滴が一つ落ちて、フェニヤは空を見上げた。
空を、黒い雲が渦巻き…ポツ、ポツ、と雨が降り始める。
彼は、それが今しがた自分が使った魔法の影響によるものだ、ということを知っていた。

「……」

フェニヤは、それを特に感慨のない瞳で見つめた。


243 名前: 236 04/01/26 19:17 ID:???

「…では、戦を止めるには降伏しか無いと申されますか」

半透明のくすんだガラス窓に打ち付ける激しい雨粒を見つめながら、貴族の服を着た少女が呟く。
場所は砦の会議室。 長方形の長い卓を囲んで、4人の人物が椅子に腰を降ろしている。
少女は、四人に背を向ける形で、窓際に立って、暗い窓の外を見ていた。
既に日は落ちかけ、もともと透明度の薄いガラス板は何も映さない。
ただ、窓に張り付いた幾つもの水滴が、流れて涙のような跡をつくっていた。
壁側の席に座った髭面の貴族が、告げる。

「…ヴァルランドの軍勢は我が方の領土の3分の2を占領し、勢いづいております。 対して、我らは主力の3個騎士団を喪失。 残ったのは傷病兵ばかり。 もはや、我らに抵抗する戦力は残されておりませぬ」
「講和はどうなりました?」
「…開戦の時点で、その道は閉ざされました。 先王がヴァルランドの使者をことごとく斬って捨てたのが、今更ながら悔やまれます」

今度は、その向かいの席に座るやや若い貴族が答えた。
少女…ヴィンドヘイム国の現女王は、今は亡き父を思い出した。
傲慢で、尊大で、選民意識の鼻についた、狭量な王。
父が半年前、再三に渡り食料の援助を求めるヴァルランド国の使者の要求をはねつけ、あまつさえ殺してさえしなければ…
国中の倉庫に唸る麦の半分でも、あるいは辺境の小さな領土の一つでも、くれてやればよかったのだ。
それを惜しんだが為に、いまや国土の半分は敵の手に落ち、民は苦しんでいる。

「これ以上戦を続ければ、民の苦しみは一層増すでしょう。 ただでさえ、勝敗の帰趨は既に決しております。 もはや…」


245 名前: 236 04/01/26 19:20 ID:???

少女とて、それはわかっている。
もう既に、勝ち目は無い。 数少ない兵力を結集させたこの砦が落ちれば、あとは無防備な町や村が残るばかりだ。
今日、見方の魔法使いの放った雷の魔法でどうにか一日落城を先延ばしに出来たものの、明日も上手く行くとは限らない。
だが…いま降伏しても、降伏せずに戦ったときと同じようにヴァルランドの兵は我らの領民を殺すだろう。
元々が、略奪のための戦争なのだ。
戦争で一度勢いに乗った兵の流れは、容易には止まらない。 本流のように押し寄せて、そして全て奪っていく。
それに、飢饉で飢え苦しんだヴァルランドの民は、冷たい態度で援助を断ったヴィンドヘイムを恨んでいる。

「剣を取り戦っても、敗れ、殺され、奪われる。 剣を捨て降伏しても、やはり、殺され、奪われる。 どちらを選んでも結果は同じさね」

卓の隅、少女から一番離れた席に座っていた、茶色いローブを着た老婆が、しわがれた声を出した。
しわの深く刻まれた土気色の顔、曲がった背。
少女は、老婆のほうに顔を向けた。

「…さて、どちらになさるね。 結果は同じだが、過程は違う。 雄々しく戦って死ぬか、負け犬のように惨めに死ぬか。 選ぶのは、スヴァンヒルド、あんただよ」

老婆は白く濁った瞳を、女王…スヴァンヒルドに向ける。
その目は既にめしいていたが、老婆にはまるで物が見えているかのようでもあった。

「…フレック、私は、迷っています。 国が滅ぶのを、容易には受け入れられません。 しかし、運命から逃れることも出来ません」


246 名前: 236 04/01/26 19:23 ID:???

フレックと呼ばれた老婆は喉の奥でくつくつと笑う。

「もうすぐ国も民も貴族も全て死ぬというのに、まだぐずぐずしているのかい。 さっさと決めちまいな。 あたしは、どっちだっていいんだがね。 でも、スヴァンヒルド、あんたが最後まで戦って死ぬことを選ぶんなら、力を貸してもいい」
「その言葉は真ですか、魔女フレック!?」

老婆の言葉に先に反応したのは少女ではなく若い貴族だった。
老婆は彼の問いには反応せず、スヴァンヒルドが「それはどういうことですか」と口にしてから、ようやく答える。

「ヴァルグリンドの門。 天上、地獄、異界より、遥か昔に死んだ英霊を呼び出す魔法の儀式さ。 それを行なえば、あるいは、ヴァルランドの忌々しい略奪者どもを、押し返す事も出来るかも知れないね。 ただし…」

ただし、と老婆は一呼吸置いてから言った。

「…呼び出される英霊が、どんなもので、どの程度の力になるのかは、全くわからない。 一つの賭けさね。 天を突くほどの巨人の軍勢が呼び出されるかもしれないし、
くるぶしより小さな小人の軍隊がやってくるかもしれない。 全く持って、期待も保障もできないよ。 それでもいいんなら、あたしは構わない」


…今日書いたのはここまでで。 次に書くときは自衛隊側の描写になると思う。
自分、軍事には疎いのが心配の種。 F世界以上に稚拙で矛盾と突っ込みの入れどころに満ちた文章になると思う。


289 名前: エフル 04/01/26 22:19 ID:???

───彼は見た。満天の星空と漆黒の闇に、炎に照らされながらそびえ立つ、
漆黒の肌、赤い眼、純白のふんどしの奇跡の魔法使いを───

隊員A「エフルさま、本隊より通電、『ハデにやりやがってください』です」
エフル「そうですか、すばらしいですか」

隊員D「ダダー! 爆破装置設置、完了しました! ダダー!」
隊員A「了解、作戦開始時刻まで待機」
エフル「ふが ふが ふが」
隊員C「作戦開始時刻まであと1分…各員カウントダウン開始」
隊員D(5 4 3 2 1…)
エフル「ぶわーーーーーっくしょい!!」
見張り「誰だ?! 敵襲! 敵襲ーーー!! カーンカーンカーン」
隊員B「わー! わー! 矢! 得意技! 矢来ちゃったよ!」
隊員D「わきゃーーーー!! エ エフルさまーーー!?」
エフル「失敬!」

隊員A「何をしてる! 爆破!」
隊員D「ダダー! 爆破!」
見張り「な、なんだ?! 砦が燃え…!」
エフル「さあ、イッツショータイム、私の魔法を受け止めて!」
隊員B「エフルに…光が集まってゆく、エフルの股間に光が集まってゆく!」
エフル「レリーーーーーーーズ!!」
隊員A「コレが…エルフの魔法…」

290 名前: エフル 04/01/26 22:20 ID:???

隊員B「本隊より通電! 『ドドメ砦突破セリ ヨクヤッタ』!」
隊員A「たった一撃で、砦の半分をふっ飛ばした… エフルさま、アレは一体…」
エフル「私はホンタイの命令通り、ハデにやりやがっただけですぞ」
隊員A「ダダー! 壮観でした、ダダー!」

隊員D「ところでエフルさま、あの魔法はどういったモノなのですか?」
エフル「そうですね、かいつまんで説明しちゃうと、
周囲のManaを一箇所に集中させ、魔力による爆発でそれらを撒き散らし、
さらにそれを破裂させて攻撃する魔法なんですよー?」
隊員C「クラスター爆弾みたいなものか… 名称みたいなの、あるんですか?」
エフル「ダダー! ぬるぽ です! ダダー!」
隊員B「ガッ!」
エフル「あいたー! 何するアルニダ!?」
隊員B「あ?! ダダー! 申し訳ございません!思わず手が! ダダー!」
エフル「もう… 忘れられないじゃないですか…」
隊員B「 ? ! 」


310 名前: エフル 04/01/26 22:53 ID:???

隊員A「おねがいします」
エフル「私は断固拒否」
隊員B「おねがいですから服を着てください」
エフル「私はハラキリクンフーなのだ」
隊員C「意味が解りません」
エフル「服だけはイヤ!」
隊員D「味方の識別だと思ってください! 誤射されちゃいます」
エフル「………」

隊員A(なんとか…防弾チョッキだけは着せたけど…チョッキにふんどし。なんか、ものすごくヤバイ人に見える…)
エフル「………」
隊員C(うわ、もんのすごく機嫌悪そう…(´Д`;))
隊員D「あ、あぁ、お、物凄くお似合いですぞ!! ささ、ついでにこのズボンも…」
隊員C「あ! 余計なコトいうな…?!」

エフル「ふ…服を着せられるとは何たる屈辱!素肌を晒すことはMana溢れる自然と同化すること!
魔法を操る我等エルフにとって! 衣服は! 否! 断じて否ァアァアアァ!」
隊員ABCD「ダダー! 落ち着いてください! ダダー!」
エフル「ええい! 更には事及んでズボンなど! 私のA.T.フィールドがハッキングされる!
こうなったら…あなた達に…エルフの魂(スピリット)、見せてさしあげやがるッ!」
隊員ABCD「うわーーーーーーーー!! ふんどし下ろさないで! おろさないで!!
見たくねーーーーーー!!見たくねーーーー!!」
エフル「ぽろっ」

隊員A「なぁ、この世界って、不思議だらけだよな」
隊員B「そうですね。何もかもが、我々の想像をはるかに超えている」
隊員C「我々の常識というものは、なんとちっぽけなモノか」
隊員D「とぅーーるるる とぅーーーるるる」
隊員B「…蟻が像に挑むなど、到底無茶なコトなんだよな…」
隊員A「見てはいけないものを見てしまったな」
隊員C「そうですね…」
隊員D「とぅーーるるる とぅーーーるるる」


345 名前: 鞭でみんなをぴしりと叩き1/4 04/01/27 00:10 ID:???

「あ〜そこから1キュービットほど左です。」
「そうそう。その点を重心に1辺2.5キュービットの正三角形を頂点を北に向けて。」
「×○△◇。」
「何ですか〜?よく聞こえませんよ〜。」
「×○△◇!!」
「聞こえません!こっちへ来なさ〜い。」

少年が、てろてろと歩……いやスピードはともかく、走っているようだ。
100メートル程の距離を30秒くらい駆けてようやくたどり着く。
ぜぇぜぇと肩で息をしている。
「ま……巻尺の……長さが……足りま……せん。」
「そうですか、困りましたねぇ。
ああ!そういえば、私の机の引き出しに5キュービットのが入っているはずです。」
「ええ〜!研究所まで取りに行くんですか〜?」
「日没まで時間がありません。急いで取って来なさい。」
「悪魔……」
「なにか言いましたか?」
「い、いえっ、なにも。」
「駆け足!」
「ハイ……」
アジエ15歳。魔道研究所召還科所属で私の部下。素直で物覚えは良いが、体力は無い。

346 名前: 鞭でみんなをぴしりと叩き2/4 04/01/27 00:11 ID:???

一時間後、地面には完成した魔法陣と、うずくまる少年の姿があった。

確認の為、古文書に目を通す。
「それにしても、ずいぶん古そうな本ですねぇ。お師匠様、どこで見つけたんですか?」
「王立図書館第一分館……」
の裏の古本屋の100G均一の棚……と、こっそり心の中で付け加えた。
印刷後1000年は経とうかというボロボロの本。
元の色がわからない程変色したその表紙には、古代エルフ語でこう書いてある。

「ゴブリンにもできる!!簡単召還術入門」

体験者の声
『鉄の馬乗ってる。先月召還して契約しに行ったら見た瞬間に即決した。
カッコイイ、マジで。そして速い。アクセルを踏むと走り出す、マジで。
ちょっと感動。しかも機械だから魔力も必要なくて良い。
異世界軍は野蛮と言われてるけど個人的には良い人たちだと思う……』

「あっ!西側の第二魔方陣の外周円を忘れていました。」
「!!!」
アジエに目を向けると、彼は目を見開き、魚のように口をパクパクさせている。
「あ……ど……な……」言葉になっていない。
「駆け足!!」
「ハィ……」

347 名前: 鞭でみんなをぴしりと叩き3/4 04/01/27 00:12 ID:???

中心部の魔方陣に杖を立てる。すると、ぼうっと青白い光が陣を満たし、
それは次々に隣接する魔方陣に広がっていく。全体に広がりきると、光は黄を帯びた白になり、
地面を離れて、空中に浮いた。そのまま、星の瞬く空へと吸い込まれてゆく。幻想的な光景。
「きれいですねぇ〜。」少年は、いつの間にか元気を取り戻していたようだ。上を見上げ感嘆する。
その時、にわかに空が曇り杖に稲妻が落ちる。
「きゃ!」「わっ!」
稲妻が開けた雲の裂け目から光が降り注ぎ、巨大な光の柱が形作られ、森が強烈な光に照らされる。
獣のうなり声。バサバサバサと大きな羽音。どうやら、森の動物達の安眠を妨げてしまったらしい。

まさか本当に成功するとは……

「お師匠さま。今なにかおっしゃいましたか?」

「いえ、なにも。」
おっと、思わず声に出てしまったか、あぶないあぶない。
まあとりあえず、これで来年度の予算枠は確保できる。
何しろ……『救世主』の召還に成功したのだから。

348 名前: 鞭でみんなをぴしりと叩き4/4 04/01/27 00:13 ID:???

それどころか、召還獣の働き次第では予算の増額や人員増もありうる。
そうなれば、手の届かなかったラルゴ碑文やミルメコの宝珠、
戦争とかで最近とみに値段が釣り上がっているミスリル製の実験用具、何もかも買い揃えることができる。
人手が増えれば、もっと大規模な準備が必要な儀式も可能になる。
にへらと口元が緩む。その上、給料UPも夢じゃない。そしたら、あのボロ家を引き払って、
もっと大きな所に引っ越そう。欲しかった本も買える。手持ちの金が無くて、
このあいだの古本市で逃した『アムル王朝期性風俗辞典』あれは惜しいことをした。
これからは、そんな事もなくなるだろう。だいたいあの王がどケチなのが……

「おお〜。」

アジエの大きな歓声に、妄想から現実へと引き戻される。
そうだった、まだ儀式の最中なのだ。一番大切な仕上げが残っている。
最後まで、気を抜くわけにはいかない。ぎゅっとアンクレットを握り締める。
「??それにしても……」
光が薄れるにつれ、露になるその姿。
光輝を背負ったその姿はまるで……まるで……

「箱?」



351 名前: エフル 1/2 04/01/27 00:29 ID:???

隊員D「え、エフルが今日の食事当番?」
隊員A「そうだ。彼が言い出したんだ」
エフル「私の森の伝統的猟奇を味わってください」
隊員B「料理…ね」

隊員C「で、どんなのを作るの?」
エフル「…スパイス。ここに、世界のありとあらゆるスパイスがある。
スパイスは食欲を増進し、そして風味をもたらす。
過去の料理人達は、更なる香料を求め、走り、そして厨房に向かう」
隊員B「あの…?」
エフル「スパイスはいかなる料理にも使われ、そして愛されていった…
しかし! この料理ほどスパイスを前面に押し出し、
その効果を引き出したものはないだろう!」
隊員C「目が逝ってますよ…?」
エフル「今日の料理の鉄人! そのメニューは!! カ レ ー ! !」
隊員D「あなた、研修中に何を見てきたんですか!!」

352 名前: エフル 2/2 04/01/27 00:30 ID:???

隊員D「なぁ。カレーに使えるような食材、あったっけ」
隊員B「さぁ…エフルが自前で用意したとか言ってたけど」
エフル「ふんふんふーん ふふん♪」
隊員C「彼はさも機嫌がよさそうに、鼻歌を口ずさんでいる」
隊員D「そして、煮え立つ鍋を前に、おもむろにそのフンドシへと手を伸ば…」

隊員B「まてーーーー!! エフル!! 待ってくれーーーー!!」
エフル「Why? なんですか? 何か気になることでも?」
隊員D「気になりすぎだ!! なぜ股間へ手を伸ばす!!」
エフル「なぜって… 貴様、スパイスなくしてカレーはクリエイトできませんですよ?」
隊員C「うぉわぁっ?! フンドシからスパイスのビンが!!」
隊員B「待って!! おねがい、入れないで!!」
エフル「あらあら、そんなに楽しみなんですか? 大人しく果報を寝て待ってやがってください」
隊員D「そういう問題じゃ… ってあー、入れちゃった…」

エフル「おーう、まだ足りませんネ。 別のスパイスを入れましょう!そうしましょう!」
隊員B「またフンドシから出てきた?!」
隊員C「今日はメシ抜きか…」
エフル「ッポーーーウゥ!!」


364 名前: 名無し三等兵 04/01/27 01:52 ID:???

エフルパクりネタ
TVで日本に紹介されたエフルさん

隊員B「ダダー!エフル殿!!よろしいですか!!ダダー!」
エフル「なんだ!!コノヤローー!!」
隊員B「ダ、ダダー!実は今度、この小隊にTVクルー来る事になりまして・・・」
エフル「な、なんだってーーーーーーーー!!」
隊員B「は、はい。それで是非エフル殿にも取材を・・・」
エフル「・・・」
隊員B「ど、どうかなさいましたか?」
エフル「とうとう・・・私が箱の中に出現できる事が達成されまくるのでしょうな!!」
隊員B「へ?・・・ま、まあ、そうなるでしょうな・・・」
エフル「分かりました!!了承です!!またあう日をこう御期待!!」
隊員B(嫌な予感・・・)



365 名前: 名無し三等兵 04/01/27 01:59 ID:???

TVで日本に紹介されたエフルさん その2

女性キャスター「あの〜彼が噂のエフルさんなのですか?」
ディレクター「ちょっと・・・濃い方ですね。」
隊員C「まあ、危害は加えないと思いますんで、安心してください・・・」

エフル「見てください!!この純白のふんどし!!今日のこの日の為に新調したふんどしです!!イカス?イカス?」
隊員B「ダー!!イカスです!!ダー!!」(なにやってんだろ・・・俺・・・)

女性キャスター「・・・」(顔を赤くして、ある一部分をチラチラ見ている)
ディレクター「まあ、おもしろい素材だと思うけど、本来の意図と違った放送になりそうですね・・・」
隊員C「・・・否定はしません」(ていうか、できんよなあ・・・)


367 名前: 名無し三等兵 04/01/27 02:07 ID:???

TVで日本に紹介されたエフルさん その3

なんだかんだで取材終了。そして後日。
隊員B「お!あの取材の放送、今日みたいだぞ。」
隊員C「へ〜、どれどれ・・・なあ、疑問に思った事を素直に発言して良いか?」
隊員B「・・・なんとなく分かるが許す。送れ。」
隊員C「なんで、深夜枠なんだ。確か、夕飯時に流れるニュースの取材だと聞いたが・・・」
隊員B「・・・エフル殿の器はニュースで取り上げられる程、小さくはなかったって事だろうなあ・・・」
隊員BC「・・・・・・」

エフル「ふははははは!!!!非常に楽しみであります!!!ふはははははははははH!!!」

後日談。エフルのフィーバー振りを撮った取材フィルムは、本土の青少年の夢を粉々に砕いただけでなく、
主にやらないか方面の腐女子達の食指を疼かせまくり、その道ではカリスマの存在になったとかならないとか。

368 名前: 名無し三等兵 04/01/27 02:10 ID:???

TVで日本に紹介されたエフルさん おまけ
放送後、その日の内に2CHで祭り。しかもそこに本人降臨。3ヶ月もの間、話題をかっさらう存在になった。


372 名前: 名無し三等兵 04/01/27 02:26 ID:???

女性エルフが衛生科に配属されるという話を聞いて暴れる隊員CD。

「何で俺たちのところは野郎エルフなんだ!?」

しかし冷静な隊員Bが彼らを諭す。

「なあ、おまえら逆に考えてみろよ。エフルみたいなやつに癒されたいか?」



395 名前: 名無し三等兵 04/01/27 03:19 ID:???

短い話ですが投下させてもらいます。
狂気を中和する役目になってくれたら幸いです。

エルフの女性が衛生科に配属されてきた。
そんな彼女に早速出番がやってくる。

「もう大丈夫ですから、すぐに治しますからね」

得意の回復魔法で隊員の傷をたちまち治療していく。
ちなみにマナの吸収効率を高めるためにビキニアーマーを装備したままである。
彼にはまさに彼女は天使に見えた。

「俺もお願いします!!」
「ずるいぞ貴様!自分も自分もー!」

そのセクシーな姿もあってかおかげでかすり傷でも手当てしてもらおうと来る隊員達だった。



400 名前: 名無し三等兵 04/01/27 03:50 ID:???

エルフの青年が衛生科に配属されてきた。
そんな彼に早速出番がやってくる。

「もう大丈夫です、すぐに治しますから」

得意の回復魔法で隊員の傷や痛みをたちまち治療していく。
ちなみにマナの吸収効率を高めるためにふんどし姿のままである。

「どうもありがとうございます(*´Д`)」
「ウホッ!」

そのセクシーな姿もあってかおかげで用がなくても見に来るWAC達だった。

418 名前: ふんどしばかりもなんなので・・・その1 04/01/27 10:41 ID:???

ある女性自衛官と女性エルフ。

とある難民キャンプで保護した女性エルフAさん。(日本国は同盟中であるエルフを優先的に保護している)
既にぼろぼろになった衣服が、難民生活の過酷さを物語っていた。
そんな彼女に、同性としての同情から服をプレゼントしようとキャンプへ招待した。
初めは緊張気味だった彼女も、私が同性である事も手伝ってか、段々と打ち解ける様になって来た。
そこで、本題に入る。

「・・・それでね、ぜひあなたに何着か服をプレゼントしたいの」
「え、あ、あの・・・申し出は大変ありがたいのですが・・・」
「あ、そんなに遠慮はしないで、私、古着とか好きで、余る程持ってるから」
「い、いや、そうではなくて・・・」
「そうね、まずは下着からよね・・・サイズあうかしら・・・」

と、衣類収納ようのボックスより下着を取り出したその時だった。


419 名前: ふんどしばかりもなんなので・・・その2 04/01/27 10:49 ID:???

ある女性自衛官と女性エルフ。2

「きゃー!!かわいいーーーーー!!」
(へ?)
あっけに取られてしまった。さっきまで、おどおどした態度で喋っていた彼女が突如豹変してしまった。
私はなにがおきたのか、わからなかった。
「いや〜ん!これもかわいい!!・・・これも、フリフリがついててかわいい!!」
「あ、あの・・・」
「本当にもらっていいんですか?」
きらきら輝いた少女の様な眼で私を見つめるAさん。私が断れるはずがなかった・・・。

翌日、とんでもない光景が展開する。
彼女が早速私があげた服を着て、キャンプ地を歩いていた。周りの自衛官は立ち止まってそれを見とれている。
確かにその服をまとった彼女は、女の私から見ても見とれる程の美しさだった。

ランジェリー姿でなければ・・・



437 名前: ぼちぼちネタっぽいものも食傷気味? 04/01/27 12:36 ID:???

ある自衛官の嘆き。

「なあ、最近思ったんだけどよ」
「ん?なんだ」
「慣れって不思議だよな。前はむしゃぶりつく様に見てた光景も、今じゃこうして眺める余裕すらあるんだ・・・」
「・・・そうだよなあ。初めはみんな騒いでたモンだけど、いまじゃ当たり前だもんなあ」
「俺達もこの世界来て変わったよな。少なくとも順応性は高くなった。大抵の事には驚かなくなったもんな」
「言われてみればそうだな。魔法を喰らった時には、小隊中がパニックになったモンだけどな」
「・・・慣れて来たんだよなあ。この世界に」

・・・・・・・「ハア・・・」・・・・・・

ふんどし姿とランジェリー姿のエルフ達を眺めながら、二人は溜め息をついた。




452 名前: 名無し三等兵 04/01/27 13:43 ID:???

ここは山奥の冒険者養成施設。

ここでは親を失った孤児や養えなくなった子供を引き取り、立派な冒険者に育てる施設である。
今日も教官達による愛のこもった指導の声が山に響いていた・・・

「おい!!38番!!腰が高いぞ!!」
足下の線香を跨ぐ様に足を大きく広げ、中腰の態勢のまま腕に水を並々ついだお椀を手の平にのっけて、腕を水平に保つ。
さらに頭の上には、これまた水をたたえたお椀。これらの訓練で身体の気の流れを整える訓練。
1クラス総勢40名は、この訓練の真っ最中であった。
「ハ、ハイ!!」
「だめだ!!もっと落とせ!!膝を水平にしろ!!」
教官は持っていた棍棒で、股を開かせ膝を無理矢理折る。
38番の少女は、必死にお椀を落とすまいと踏ん張ったが、空しくも頭の椀を割ってしまった。
「なんだ!!だらしない!!こんな事では槍ごときに串刺しだぞ!!」
そう言い放つと教官は、おもむろに水の入った椀を取り出し、無理矢理水平にさせた膝にそれを置いた。
まわりで眺めていた生徒達は顔面を蒼白にする。
「線香一本追加!!いいな!!」
教官の無慈悲な言葉に、
「ハイ!!わかりました!!」
と、涙まじりに返答する少女38番であった・・・


470 名前: 名無し三等兵 04/01/27 15:24 ID:???

真面目に書いてる途中でふと思いついたちょいネタです。
面白くなければ無視してくだされw戦死者の軍隊ネタが元ネタですw
『日ソの戦死者が異世界に召還されますた』

日ソ戦死者の部隊は補給不足を気合と根性で補い、チハやBT戦車を先頭に
まるで旅順攻防戦や東部戦線を思い出させるような方法で高地にある敵の陣地に向かい前進を開始する。
既に双方共に大半の矢や火器を使い果たしている為、そこではまるで中世のような戦闘が行われる事になった。

戦死者の軍隊は小銃の先に銃剣を装着し、或る物は縁をグラインダーで磨き上げたスコップを手に、思い思いに突撃していく。
それをドワーフは弾の切れた火縄銃を捨てタワーシールドと槍で形成したファランクスで迎え撃つ。エルフの長弓射手達が最後の矢を放ち始めた。
魔法と矢、それに対抗するように放たれるわずかな銃弾と砲弾。それらが上空を支配した。
バタバタと双方の将兵が倒れていった。だが戦争の行方に左右する高地の為、双方一歩たりとも引かない。

投石器の投石がBT戦車を大破し、反斜面陣地に備えられたバリスタの放った丸太のような矢がチハを貫いて各坐させる。
BT戦車を大破させた岩が将兵を踏み潰しつつ転がっていく。

逆に此方の戦車砲がそれらを正確に撃破する。擲弾筒と迫撃砲が長弓射手を蹂躙し最後の義務を果たした。

魔法使いの放つ魔法が突撃するをなぎ倒し、機関銃が逆にファランクスを打ち崩していく。
残された少ない重機関銃の弾がファランクスの最前線に立っていたドワーフ達を楯ごと貫き尽く殺傷する。
だが全てを殲滅しきれるほどの弾薬は無い。縦深が深いがために生き残ったドワーフが一歩前に出て隙間を塞いだ。

『万歳ーーーーー!!』『URAAAAA!!!!』
時の声を上げつつ突撃してゆく将兵と戦車。迎え撃つファランクス。


・・・この勝負の行方は誰にもわからない
ただ勝つにせよ負けるにせよ、凄惨な戦闘になることだけが解っていた。


544 名前: 名無し三等兵 04/01/27 22:27 ID:???

某月某日(入植1ヶ月と18日目)

さて、漏れがこの開拓村に異動してからはや1ヶ月半が経過したわけであるが。
一月も経ちゃあ村民全員(200人ちょっと)の顔も覚えるてぇもんだわな。
今夜はウチの村のオタ同志2人と今週発売のエロゲ何買うかの相談(と称した飲み会)。
んな辺境でする話ではないがまあオタの性だ。注文から1週間以内には届く。宅急便マンセー。
で、何故エロゲオタがこんな場所くんだりで開拓やっとるかというと、職安の募集の
「臨時公務員急募 月給25万」
に引っかかったからだわ。こげなとこでの仕事だとわかっとったら応募せんわ。シッパル。
今現在の漏れの身分は臨時公務員。仕事は…まあ、この村役場の事務員と称する
農業以外の何でも屋だわな。
今の漏れの仕事といえば、村中の家に電話回線とPCのセットアップをすることとなっておる。
建物も初日にここに連れて来られた時はテント村だったんだが、今は阪神のアレみたいな
仮設住宅がメイン。
役場も建築現場にあるみたいなプレハブ(最初からあった)。なんかこう、役場より高い建物が
無いのが田舎だわな。

545 名前: エフル 1/2 04/01/27 22:28 ID:???

流れを読まずに投下

隊員A「えー 集まってもらったのにはワケがある。知らせだ、良い知らせと悪い知らせ」
隊員B「エフルさまが居ないですけど…」
隊員A「まぁ その なんだ…ちぃっとやりづらい。連絡はちゃんとやっておく」
隊員C「で、知らせというのは… …良い方からお願いします…」
隊員A「うむ… 新たな補充要員として、また魔法使いがやってくる。エルフだ」
隊員D「ヤな予感…」

隊員A「でだ…悪い方というのは…」
隊員C(聞きたくねー)
隊員A「その、だ… 男だ、ナントカの森の男だ。体力にも自信があるそうだ…」
隊員B「。・゚・(ノД`)・゚・。」

547 名前: エフル 2/2 04/01/27 22:30 ID:???

隊員A「紹介する、新たにこの部隊に加わる魔法使い、フルエ君だ」
隊員BCD(黒ビキニ…! 張り裂けんばかりのピッチピチの黒ビキニ…!!)
フルエ「あっはーい! フルエでぇーす! みんな、フルエちゃんって呼んでね!
日本語もちゃんと勉強したのよっ! だからコミニュケーションについては心配ご無用☆」
エフル「やぁ、久しぶりだね!」
フルエ「あっららぁー! エフルちゃんじゃないのぉー☆ おげんこー!」
隊員ABCD「………」
フルエ「およよよぉー? みんな、元気ないのぉー? ハッスル?ハッスルしちゃお?ほらー」
隊員B(近づかないで…! マッチョ黒ビキニ、お願いだから…!?)←涙目
隊員C(やめて…! 踊らないで…! マッチョ! 踊らないで!)←油汗
隊員D(ジャンプしないで…! やめて…! イチモツ震わせないで…!)←顔面蒼白
隊員A「…彼も、魔法のエキスパートだ。くれぐれも、仲の良いよう」←悟りの境地

フルエ「この美しい筋肉! 冴え渡るマナ! そしてそれらを使った脅威の魔法で、
君たちの命は! 私! が! 預かる!! よろしくね♪」
エフル「あぁ、その肉体美、いつみてもジューシーサマー! すばらしいよ!」

隊員B「なぁ。エルフに日本語教えてるヤツ、どんなヤツだろうな」
隊員C「さぁ。見かけたらぶっ飛ばす」
隊員D「俺、日本に帰りたい。今ならオカマバーにでも住める」
隊員BCD「………」


550 名前: 544続き 04/01/27 22:30 ID:???

今日は昼にJ隊の人と川向こうのエルフのおねいさんが来よった。
何でもエルフ村の人がこの辺でウロウロしてる野良トカゲの群れをハケーンしたとかで、この辺の
村全部に聞き取りやっとるんだと。
不幸にもウチの村が目撃地に一番近いんで、村の人への聞き込みと柵のチェックに俺も
行くハメになり。
でもこのご時勢でもまともに燃料の入ってる車乗ってるのが自衛隊ってとこだな。
ウチの村の業務車というと軽の電気自動車だし。一晩充電しとかんと動かんし。
まあめったに車なんか使わんけどな。もっぱら自転車か馬だ。
幸いにもこの辺で見たいう人はおらんかったけど、一応夜回りはすることになりそうだ。
柵も破れとるところは無かったしの。
さて、そろそろ時間だ。出るべや。


617 名前: 小さな男がおりまして1/3 04/01/28 02:38 ID:???

>>345-348
競馬中継のアナウンサーの声が途切れる。
これで、今月の小遣いもパアか……ため息をつきながら、ラジオの電源をオフにした。
もうタバコを買う金も無い。最近じゃあ、他の役所なんかで喫煙者への風当たりも強いらしいしな。
禁煙を始めるには良い機会かも知れん。前向きに考えよう。

二度目のため息をつく機会は、そのすぐ後だった。
「脱いだものは籠に入れてっていつも言ってるのに!この靴下自分で入れといてくださいね。
どこに行くんです?またパチンコ?立つんなら、ついでに靴下持って行ってくださいよ!」
「トイレ。」
「ちゃんと人の話を聞いてるの?だいたい昨日も……」
昨日、酔って帰ってから、ひどく機嫌が悪い。こんな時は逃げるに限る。

廊下で娘と擦れ違う。今、帰って来たところのようだ。
「おかえり」「……」
気まずい。
ここ1ヶ月ほどは、挨拶すら返してくれた記憶が無い。何時頃からだろう?こんな風になったのは。
以前から、きもい、汚い、うざい等々口を開けばそんな感じだったものの、挨拶は返してくれた。

無視はさすがに堪える。

618 名前: 小さな男がおりまして2/3 04/01/28 02:39 ID:???

トイレ、ここが唯一自分にとって落ち着ける場所。
新聞のスポーツ欄を広げる。一面、二面は見ないようにしている。
見たって、どうせ不愉快になるだけだ。

ガタガタガタ

ドアがゆれる。なんだ?地震か?そういやぁこないだNHKでやってたなぁ……
……なんだか揺れが強くなってきてないか?

突如、照明が消え真っ暗になる。強い横揺れ。

おいおいおいマジかよ。震度5?6?
とにかくでかい事には変わりないな。まあ、トイレ周りの壁は、建物の中で一番安全だっていうからな。
このまま静かに待ってればそのうち……ってまだローンが5年残ってるんだぞ!
うちが入ってるのは火災保険だけか。免責条項に地震ってあったっけか?
いや、待て待て。何を考えてるんだ俺は。こういう場合、妻と娘の心配をするのが先じゃないか。

ようやく揺れが治まり、慌ててドアノブに手をかけるが、開かない。
何度か試してみるが、闇の中狭い室内で大したことができるはずもなく、便座に座り込む。
どうしたものか……。

619 名前: 小さな男がおりまして3/3 04/01/28 02:40 ID:???

その時、コンコンと壁を叩く音がした。条件反射でコンコンと叩き返す。
ん?なんだ?
よく耳を澄ますと話し声が聞こえる。何を言ってるのかはよく聞き取れない。
救助隊だろうか?いやそれはない、早すぎる。近所の人?ともかく助かった……
「おーい!ここだぁー!ここに居る。他にも家の中に2人いるんだ!早く出してくれぇ。」
手探りで壁を探し、ドンドン叩く。
ようやく気づいてくれたのか、ドアのノブがガチャガチャと音を立てる。
ああそうだそうだ。鍵を掛けたままだった。自分の間抜けっぷりを呪う。
「ちょっと待ってくれ!今鍵を開ける。」
手を掛けたその瞬間。

バキッ

ドアが蝶番ごと外れた。それを合図に、四方の壁がばたんばたんと外側に倒れる。
直方体の展開図、その中心に鎮座する便器と男。そんな場面が頭に浮かぶ。
あ〜昔見たドリフでこんな場面あったなー。
そんな暢気なことを考えていた。


682 名前: エフル 04/01/28 21:58 ID:???

隊員C「ぅぉわぁーー! ドラゴン! F世界得意技! ドラゴン来たよーー!!」
隊員B「うわっぎゃぁああ!! 撃て! 撃て! 撃ってぇええ!!」

隊員D「ハァハァ やっと倒した…」
エフル「さぁ食べましょう」
隊員B「え…」

隊員A「うむ、なかなかイケルではないか」
隊員B「バケモノも焼いてしまえばタダの肉、ってね」
エフル「ガリッ おやこれは?」
隊員C(やっべ 弾抜き損ねた)
エフル「なかなかおいしいですね、この小さいの。新しいスパイスですか?ボリボリボリ」
隊員B「…」

---------
F世界は食えそうなバケモノが沢山いそう。ネトゲやってる限り。
俺「焼いたらうまいかな?」PTメンバ「(w」




697 名前: 名無し三等兵 04/01/28 23:10 ID:???

ネットゲームのリネージュ等のキャラを参考に書いた話を投下させてもらいます。

とある異世界の港町。
今日この日は補給物資だけでなく、日本のほうで開発され量産された新型のモジュール式の装甲車が運ばれてきていた。
これは装備を柔軟に対応できるベース車両を開発、
それに各バリエーション兵器を搭載することでコストを下げようとするものだ。
ちなみにこの方法は既にアメリカでは採用されている。
物資及び車両の警備をしている自衛官が呟く。

「最近思ったことなのだが・・・」
「ん?なんだ」
「慣れって不思議だよな。前はむしゃぶりつく様に見てた光景も、今じゃこうして眺める余裕すらあるんだ・・・」
「・・・そうだよなあ。初めは魔法とか見てみんな騒いでたモンだけど、いまじゃ当たり前だもんなあ」
「俺達もこの世界来て変わったよな。少なくとも順応性は高くなった。大抵の事には驚かなくなったもんな」
「・・・慣れて来たんだよなあ。この世界に、でも納得いかないのもあるんだよな」
「でもこれでいいんじゃないのか?男の露出度が高いなんて嫌だぞ」
「そうだよな、おかげでいい目の保養にもなるし・・・これ以上の詮索はやめよう」

・・・・・・・「ふう・・・」・・・・・・

外人部隊として雇った同じく警備をしているビキニそのものの鎧を装備した女エルフと、
逆に腕の部分しか肌の露出がなく軽鎧に身を包んだ男エルフとの差を見比べながら、
二人は溜め息をついた。


767 名前: 名無し三等兵 04/01/29 01:20 ID:???

@
俺が活動するように要請されたのは(注、命令されたのは!)エルフたちの助力の交換条件
(注、まあ、大人の事情というやつだ)で帝国の一部が進行している辺境の戦線でも
比較的後方のはずだった。そう、辺境のはずだった!しかし今や戦線はこの国の無理な
戦争指導のおかげで崩壊し、後方と言うのも書類の紙の上の存在しなくなってきている。
そこにある野戦病院に(応援)短期の活動しにきたが…着いた瞬間から俺の幻想は粉々に砕けた…。
俺の仮の身分は陸上自衛隊予備軍医三尉と言うものだったが(まあ飾りは豪華なほうがいいよな)
やってる仕事は完全にもう研修医(まあ某漫画でも想像してくれ)も逃げ出すぐらいのハードだった。
はっきり言ってきた初日から戦争の毎日(帰りてえ〜)。

769 名前: 名無し三等兵 04/01/29 01:22 ID:???

A
俺が言っている戦争と言うのは、応援している国の病人、負傷者の治療のことである。
これがひっきりなしで担ぎ込まれてくるのだ(エルフを助けるはずできたんだが…)
魔法使いは戦場に投入されて少ないし、医者も少ない上に効果ない(役にたたない…
だが口はうるさいひげの爺さんたち)のでほとんどこちらに送られてくるのだ。
聞いた話では当初あまりの多さに本国に何とかしてしてほしいと要請したらしいのだが、
外交やら人道上(俺達のはないらしい…)の問題で断れないくせに増援や補給は
ほとんど増えなかったらしい(そのくせ口はだす…)それが、今でも続いてるのだ。


771 名前: 名無し三等兵 04/01/29 01:28 ID:???

B
騎士:「おい医術師か?」
えらそうにいきなりそう呼ばれても俺は無視して作業を続けた
(我ながらいい性格になったもんだ)

騎士「聞こえないのか!この団員を早くみてやってくれ!」
ピカピカ光る鎧が身分をあらわすのでかなり高級な騎士らしいが、
珍しいことに自分で背負ってきたらしい男をゆっくり床におろした。
この建物の床はシートが一枚敷かれているだけで、その下は地面となっている。
血だらけの負傷兵を見れば、背中を撃たれたのだろう、大量の血を放出しており、
服は血でびしょびしょになっている。
(あ〜無理かな?)

医師「はい、わかりました、見ます、少々お待ちください」
同僚の医師ははそう言った。血だらけの男を運んできた騎士はその言葉に安堵の息を漏らした。

「ちょっと待て!」
俺が思わずこの来たばかりで同僚になったばかりの男に一言、言おうとしたら
違う重い声がそれを遮った。


773 名前: 寝床にやって寝せたとさ1/3 04/01/29 01:28 ID:???

>>617-619

「箱ですねぇ……」
どう見たって、召還獣には見えない。
恐る恐る近づき、コンコンと杖で突っついてみる。

コンコン

箱から音が返ってきた。
「興味深いですね。音を返す箱……これは、いったい何を意味しているのでしょう?」

ドンドンドンドンと叩く音が大きくなり、中からなにやら喚き声も聞こえてくる。

「……お師匠様、中の人では?」
「そ、そのようですね。中の人が……」
「やっぱりそうだ。お師匠様、こっちに扉がありますよ!」
裏へ回ると、アジエの言うとおり、そこには確かに木の扉があった。
箱入りの召還獣など聞いたことがない。考え込む二人。

774 名前: 寝床にやって寝せたとさ2/3 04/01/29 01:29 ID:???

はっとして、顔を上げる。
「わかりました!これはゲートです!!」
「ゲート?」
「そうです。この世界と異世界を繋ぐゲート。
ここから異世界の軍隊がやってくるのです!!本の記述が正しければ、、
恐れを知らぬ屈強な兵士や、火を噴く鉄の馬車、飛竜を落とす鉄の鳥に、巨大な鉄の船!!」
「でも……それにしては、ちょっと狭くないですか?」
「狭いですねぇ……」

再び考え込む二人。本当に成功したのか?だんだん不安になってくる。

「あのぉ、お師匠様。」
おずおずとアジエが切り出す。
「なんです?」
「中から出してほしがっているのではないでしょうか?」
なるほど……何となくそんな風にも……
異世界の言葉、全く意味は解らないが、確かに必死なのは伝わってくる。

まあ、このまま考えていても埒が明かない。開けてみよう。

776 名前: 寝床にやって寝せたとさ3/3 04/01/29 01:30 ID:???

開こうとノブを回すが、鍵が掛かっているのか、ガチャガチャと音を出すだけだ。

「開きませんね。」

よいしょと少し力を入れて引っ張ってみると、バキッという音と共にノブごとドアが外れた。
このドアが要になっていたのか、四方の壁が自重でバタンと外側に倒れる。
案外、脆い造りだ。ドアを盾にして向こう側を伺う。
暗くてよくわからないが、その影は……どうやら人型のクリーチャーのようだ。

月が雲間から顔を出し、青味がかった冷たい光があたりを照らす。

しだいに姿が、はっきりとしてくる。
人間?男性のようだ。驚いた様子でしきりに辺りを見回している。
服装、上は……厚手のシャツのようなものを着ている。
髪は黒、この国にはあまり居ない色だ。所々白髪が混じり、生え際の後退が見られる。
人間なら、40後半から50前半というところだろうか。なんだか、全般的にだらしない印象を受ける。

少なくとも兵士には見えない……やっぱり失敗なのだろうか?

手に何かを持っている。紙?
それが邪魔をして、下半身は見えない。もう少し良く観察しようと、首を伸ばす。

ようやくこちらに気づいたのか、びくっと動きその人物は紙を取り落とした。
全体像が現れる。下は……下は……

「キャー!!!!」

826 名前: 名無し三等兵 04/01/29 13:39 ID:???

818>>やはりF世界でも騒動巻き起こすんだろうな
ということで思いついた小ネタ

佐藤「お呼びですか、室長」
「元気そうだな、佐藤三佐」
「新年早々悪いが外地へ飛んでくれたまえ。先頃同盟が締結されたオーク族との部隊派遣に関する折衝だ。
エルフ族からもオブザーバーが出席する。」
「自分はエルフとオークは嫌いでありまして」
「これは相談ではない、命令だ。くれぐれも問題はおこすな、外交問題になりかねん」
中村「佐藤三佐、僕はハヤシライスとカレーは大好物です」
佐藤「俺が嫌いなのは福神漬けと中村!」
「テメェだ!!!」
BLAM!SPANK!BCHANG!
中村「畜生、いつか殺してやる・・・」


841 名前: 一国家の特別攻撃隊 04/01/29 17:48 ID:???

栄光ある祖国マーヤの代表的攻撃部隊というべき空軍特別魔術隊に選ばれ
身の光栄これにすぐるもの無きと痛感いたしております。
思えば長き学生時代を通じて得た信念と申すべき理念万能の道理から考えた場合、
これは自由主義者と言われるかもしれませんが、自由の勝利は明白な事だと思います。
人間の本性たる自由を滅する事は絶対に出来なく
例えそれが抑えられている如く見えても、底においては常に戦いつつ最後には勝つということは
かの日本の哲学者が言っている如く真理であると思います
権力主義全体主義の国家は一時的に隆盛であろうとも、必ず最後には破れる事は明白な事実です。

我々はその心理を今次大戦の枢軸国家において読み取る事が出来ると思います
大陸の覇者の明清帝国は如何、海洋の覇者のセイロンもまた破れ、
今や絶対王政は土台席の壊れた建築物の如く、次から次に滅亡しつつあります。

真理の普遍さは今現実によって証明されつつ過去に置いて歴史が示したごとく
未来永久に自由の偉大さを証明していくと思います
自己の信念の正しかった事この事は祖国にとって恐ろしい事かも知れませんが自分にとっては
嬉しい限りです。

現在のいかなる闘争もその根底をさす物はかならず思想なりと思う次第です
既に思想によってその闘争の結果を明白に見る事が出来うると信じます
愛する祖国マーヤをセイロンの如き大帝国たらしめんとする私の野望は
ついに虚しくなりました

真に日本を愛する者をして立たしめたのなら
日本は現在の如き状態にはあるいは追い込まれなかったと思います。
世界のどこに置いても肩で風を切って歩くマーヤの民
それが私の夢でした。

842 名前: 一国家の特別攻撃隊 04/01/29 17:49 ID:???

空の魔術隊の兵士は一魔法具に過ぎぬと言った一友人がいる事もたしかです
ただ魔法を唱える機械、人格も無く人格も無く感情も無くもちろん理性も無く
ただ敵の船舶に向かって突っ込んでいく磁石の中の鉄の一分子に過ぎぬものです
理性を持って考えたなら実に考えられないことで
しいて考れば彼等の言うが如く自殺者とでも申しましょうか。
一魔法具である私は何も言う資格はありませんが。
ただ願わくば愛する祖国マーヤを偉大ならしめん事を、国民のみなさんにお願いするのみです。

こんな精神状況で行ったのならもちろん死んでも何にもならないかも知れません
ゆえに最初述べた如く、特別魔術隊に選ばれた事を栄光に思っている次第です。
飛竜に乗れば一魔法具に過ぎないのですけど、一端飛竜を降りればやはり人間ですから
そこには感情もあり熱情も動きます。
愛する恋人にしなれた時、自分も一緒に精神的には死んでおりました。
天国に待ちある人、天国に置いて彼女に会えると思うと
死は天国に行く途上でしかありませんから、なんともありません。

明日は出撃です。

844 名前: 一国家の特別攻撃隊 04/01/29 17:51 ID:???

過激に渡りもちろん発表すべきことにございませんが、偽らぬ心境は以上述べた通りです。
何も系統立てず思ったままを漠然と述べた事をお許しください。
明日は一人の自由主義者がこの世を去っていきます。
彼の後姿は寂しいですが、心中満足で一杯です。
言いたい事を言いたいだけ言いました無礼をお許しください。
ではこの辺で。

出撃の前夜記す。

マーヤ王国空軍少尉、王立ドワーフ物質魔術学校卒業
ドラン・マジリニコ
セイロン暦634年、8月13日、
敵旗艦『こんごう』および輸送船2隻撃沈後、対空砲火により戦死。享年232歳


852 名前: 一国家の特別攻撃隊 04/01/29 18:16 ID:???

ドラン・マジリニコ少尉の遺品には一冊の哲学書があった。
本には所々に丸が付けてあり、印があった文字を繋げると、次のように読めた

クレアさん、さようなら

私は君が好きだった

しかしそのとき既に君は婚約の人であった

私は苦しんだ

そして君の幸福を考えたとき

愛の言葉を囁く事を断念した

しかし私はいつも

君を愛している


961 名前: プロジェクトX風異世界交流 04/01/29 22:20 ID:???

>>954
条件反射でこのコピペも書いちまった。

セイロン帝国首府

神「やっと来ましたね、おめでとう!このゲームを勝ち抜いたのは君達が始めてです
自衛官「ゲーム?
神「私が作った、壮大なストーリーのゲームです!
ドワーフ「どういうことだ?
神「私は平和な世界に飽き飽きしていました。そこでいくつも通商国家を創ったのです。
エルフ「何を考えているんだ!
神「通商国家は世界を乱し面白くしてくれました。
だが、それも束の間のこと、それだけでは退屈して来ました。
ホビット「そこで日本召還‥か?
神「そう!そのとうり!!私はセイロン帝国を打ち倒すヒーローがほしかったのです!
自衛官「なにもかもあんたが書いた筋書きだったわけだ
神「なかなか理解が早い。多くのもの達が、ヒーローになって消えていきました。
死すべき運命を背負った、ちっぽけな人間が、必死に聖地を求める姿は
私さえ感動させるものがありました。私はこの感動を与えてくれた
君達にお礼がしたい!どんな願いでもかなえてあげましょう!
ドワーフ「お前のために、ここまで来たんじゃない!よくも、俺達を、皆を、おもちゃにしてくれたな!
神「それがどうかしましたか?全ては、私が創った、モノなのです。
自衛官「俺達はモノじゃない!
神「神に喧嘩を売るとは‥‥どこまでも楽しい人たちだ! どうしてもやるつもりですね

これも生き物のサガか‥‥

よろしい、死ぬ前に神の力、とくと目に焼き付けておけ!!







300 名前: 名無し志願兵 04/01/30 21:41 ID:???

自衛隊イリン島攻防記 その一

異世界に飛んできてから数ヶ月・・日本の環境は好転していなかった。
食糧問題は何とか解決の見込みこそ付いたものの、天候次第ではどうなるかわかった物ではなかった。
石油使用制限のため、公共交通機関と商店に物資を輸送するトラック以外の車両の姿は無く、
地方の農村では馬車や牛車が復活している地域すらあると言う有様だった。
だが、そんな中、ひとつの朗報が日本全土を包み込んだ。

『我、小規模ナガラ、石油ノ産出ヲ確認セリ!』

政府の命令で東南アジアと呼ばれていた地域に向かった防衛庁と文部科学省の合同調査隊の調査の結果、
元の世界ではフィリピンがあった地域にあったイリン島と言う島で石油を発見したと言う報告をしてきたのであった。
もちろん発見までの間に、調査隊は数々の犠牲を払わされていたが、国民や政府にとって知ったことではない。

また、この頃には大陸の明清帝国の脅威に晒されていた「東和」国と相互防衛協定を結ぶことに成功し、
元の世界では台湾があったあたりの島の西海岸に海軍基地と通商港を確保する事に成功していたために、
イリン島への進出自体は困難では有るものの、不可能では無かった。

『これで石油が確保できる!』
そう考えた日本政府は直ぐにイリン島進出の大義名分を探し始めるのだった。

301 名前: 名無し志願兵 04/01/30 21:43 ID:???

自衛隊イリン島攻防記 その二

数日後、イリン東北部に「かつて」存在した、クワナ国から東和に亡命してきていた皇女シーラの存在を発見する。
大義名分を得た日本政府は直ぐに旧クワナ国をイリン島南部の帝国主義国ミント国から『解放』すると宣言。
大陸南部の国ミントに追われ、東和の王家に嫁いだ姉を頼って亡命してきていたシーラ皇女を錦の御旗に、
イリン島へ進攻を開始した。

まず第一空挺団の空挺降下で橋頭堡を確保した自衛隊はその橋頭堡から第十一師団と、東和義勇軍を『解放軍』として揚陸。
1週間の内に旧クワナ国領土の『解放』に成功し、ミント国に向かって一方的な「停戦」を宣言する。

が、ミント国の宗主国であり、数年前からイリン島周辺の海洋利権を独占していたチャンパーはその行為に憤激した。
チャンパーは最新式の各種武器と、各種魔法具をミント国に利益無視で販売して戦力を強化しただけでなく、
今まで迫害を続けて来たドワーフ族エルフ族などを奴隷身分から解放した上で市民権をも認めると決定。
その代償として、ドワーフ族エルフ族に日本に『侵略』されたミント国の救援を強制したのだった。

また同時期に大陸に置いても明清帝国が東和国に対し、なにやら怪しい動きを開始し始めていた・・・・

そういった緊張状況の中、本国防衛の為に撤退していく東和義勇軍と引き換えに、
新たに新たな陸上自衛隊の部隊が、イリン島へ上陸する。

総兵力3500、実質戦闘力2000の第3戦闘団、通称「村上支隊」である。



388 名前: 名無し志願兵 04/01/30 23:57 ID:???

自衛隊イリン島攻防記 その3
6月23日 08:00時 快晴 村上一佐の場合

「よく来た一佐。イリン島にようこそ」

イリン島北部の大都市の11師団司令部に顔を出した瞬間、何処から現れたのか大山陸将が話し掛けてくる。
俺この人なれなれしくて苦手なんだよなあ・・・

「は、わざわざ陸将殿にお迎えいただき光栄です。」
「島について休む間もなく任務で悪いが、早速戦況を説明させてもらう。
まずは・・・そうだな、敵部隊の増強具合から説明させてもらう」

・・・ていうか、このノリは早速任務かよ。
おいおい・・私も部隊の連中も2日前に上陸して来たばかりだぞ・・・
まあ軍隊なんてこんな物かもしれないな・・・・そう思いつつ耳を傾ける事にした

「まず大まかな状況からだ。
数週間前に我々が同盟国軍と共にこの国をミント国から『解放』したのは知ってるな?」
「は。」

もちろん知ってますよ陸将殿。本当は「解放」が目当てじゃなく石油が目当てなんでしょ?
私は心の中でそう呟く。もちろん口に出すような馬鹿はしない。

「あの『解放』から1ヶ月経つが状況は悪化するばかりだ。
諜報部からの情報では、チャンパーから亜人の義勇軍がミント国側についた。
非常に残念な事に今回の『解放』が彼等の目には日本による侵略に映ったらしい」

まあ・・侵略と言えば言えないことも無いよな、うん。
というか、私がチャンパーの国王なら絶対そう判断する。


390 名前: 名無し志願兵 04/01/30 23:58 ID:???

自衛隊イリン島攻防記 その4

「詳しい事は今のところわからないが、海自の潜水艦からの報告では、
すでに大型ガリオン船団30隻が往復20回に渡り、各種物資及び人員を揚陸させたようだ。
海上輸送専門の奴が算出した所、既に最低1万人以上の増援が上陸しているらしい。
これで敵性兵力はミント軍を入れると実質戦力で4万人を越える兵力になる。」

・・・4万というとかなりの兵力だ。
こっちは全部隊あわせても15000人に満たない。それに実質戦闘部隊となるのは7500人程度だ。
幾ら近代兵器のご加護があるからと言ってもこれは厳しい。

「しかもエルフの連中は森の中に要る限りほとんどエネルギーに困る事は無いそうだぞ。
ドワーフの連中は人間と同じように飯を食うらしいがね。」

エネルギーに困らない?食事の必要が無いということか?
「・・ということはエルフは補給無しで戦えると?」
私はそう尋ねる。
もしそうなら大変な脅威だ。ゲリラになるには最高の体質じゃないか。

「いや、そこまで便利な身体ではないらしい。
森の中に要れば空腹を感じない程度で、魔法で交戦しようと思えば、
やはりそれなりの外部からのエネルギーを必要とするようだ。」

つまりは、森の中では魔法を使わない限り飢える事は無いということか。
やっぱゲリラ戦向きな連中じゃないか。

「とにかく、そういった連中が敵として参戦するんだ。
君も、未開人相手だと思って油断してたら酷い目に合うぞ。」
「解りました」
というか・・そんなの相手に私達は戦わないといけないのか・・・


392 名前: 名無し志願兵 04/01/30 23:59 ID:???

自衛隊イリン島攻防記 その5

「他にも海上自衛隊の潜水艦の報告では、
チャンパーに大規模な敵性戦力が上陸作戦の準備らしき集結をしているのが確認された。
相当数の船舶だ。下手をすると上陸してくるのは数万人規模かも知れん。」
そこまで言って読んでいた報告書を投げ渡してくる。

「で、今度は我々の側の兵力は・・・
かつてのクレオ国の兵士1万・・・自分が見たところ老兵が多く実質戦力は4000人辺りだろう。
魔法術師連盟は相当戦力になりそうだが実質戦力は500人程度。
合計4500人前後だな。
教育隊に再教育させているが、間に合うかどうか解らん」

・・・敵に比べると偉く貧弱だな、オイ。

「それと・・防衛協定を結んでる東和の義勇兵4000人程度が来ると言ってくれているが
まあ・・・無理だな。大陸の夏華帝国が怪しい動きをしている。
まあ有事の際は本国からさらに援軍が来る予定だが・・・
これも精々連隊規模の戦闘団がいくつか来れば良い所だろう。」
そう言いながら大山陸将は溜息をつく。

気持ちはよーーくわかりますよ。陸将殿
その援軍すら大陸有事の際は東和防衛に回されかねないですからね。

「まあここまで言えば解ってもらえると思うが、我々には余裕が無い。
国内の不平分子を説得して懐柔する暇など、無い。
各地で空挺団が反乱者の制圧無力化を行なっているが、手が足りん。
そこで君にも数日前にこの国の中央高地でミント側につくと宣言した町と村を制圧してもらう。」
そう言って陸将が航空写真を引き伸ばして作ったと思われる地図と命令書を私に手渡す。


393 名前: 名無し志願兵 04/01/31 00:00 ID:???

自衛隊イリン島攻防記 その6

「この町とこの村だ。指導者はミント出身の貴族だそうだ。
敵総兵力は不明、が町と村の規模から1,000人を超えると言う事は有るまい。」
「了解しました。」
「いいか、周辺の状況が極めて酷い緊張状態にある事を忘れるな。
少なくとも一週間以内には片をつけてもらうぞ。一佐。
それ以上君の戦力を遊兵化しておけん」
「わかっています。」
「では任せたぞ。私はこれより本国と防衛計画の打ち合わせをせねばならんのでな」

敬礼する私に軽く敬礼を返して大山陸将は司令部の奥深くへ消えていった。



・・
・・・・て、おい。
道案内の部隊ぐらい付けてくれよ・・・


513 名前: 名無し志願兵 04/01/31 19:40 ID:???

6月24日 10:00時 晴 戦闘団戦況

最初の目標の村、ウオッカの北方5キロに到達した第三戦闘団は
そこで20分間の小休止をとる事を決定、周囲に警戒部隊を配置した後、休息に移った。
その間に村上一佐は幕僚達をあつめ、部隊に配備されているOH-6が撮影した最新の偵察の写真などを参考に、
最終的な作戦の決定を行なうことにした。

目標の村は街道沿いの人口100人前後の村であり、周囲に畑と果樹園が広がっている以外に対した障害は無かったが、
問題はそこから7キロ先に行った町をどう攻略するかであった。
村の先三キロで山間が狭まり、隘路を形成している上に、その隘路の途中で道は二手に分かれている。
片方は河川が浅瀬になっており渡河可能なものの、道幅が狭く、大型車両通行の困難な山道が1つ、
もう1つは山道より距離は短いが、馬車レベルの重量しか耐えられない釣り橋が掛かった、幅10メートルの谷川を越えなくては成らない道である。
(『吊り橋』と『浅瀬』以外の場所の渡河は谷川である事を考えると非常に困難である。)
そのまま二手に分かれたまま突き進むと町の前2kの隘路で道は合流し、街道は山から抜け出す
あとは町に辿り着くまでの間、街道の周りに平凡な水田と林が広がっているだけ。
敵戦力の分布は今のところほとんど不明。少なくとも町と村の中に駐留しているのは間違いなかった。
が、家屋が三十軒に満たない村では、人口以上の兵力を常時駐留できる訳が無く、敵主力は町にある物と考察できた。
また、ジンの町を越えて10キロ先にある町、ベルモットの町も昨夜新たに敵国であるミント国側につくと宣言していた。
が、これは村上支隊の管轄ではなく空挺団の管轄である。
しかし、これにより村上支隊はベルモットの町側からの助攻をして貰えなくなったのは間違いない。

改めてその情報を受け取った村上は考える。

命題は既に決まっている。
『敵戦力の撃滅』。および『ジンの町ウオッカ村の占領』だ。

さて、次に何を考えるか、
1「主力の前進方法から考える」、2「戦術目標を考える」、3「当面の前進目標を考える」、などなど、
村上には考えなければ成らない事は山ほどある。

(図が無いので解り難いですが、適当な図を頭の中に描いてみて一緒に考えてみて欲しいデス。)

514 名前: 名無し志願兵 04/01/31 19:41 ID:???

6月24日 10:05時 晴 戦闘団戦況

村上は第11師団長から与えられた命令を「任務分析」し、達成すべき目標として、

・最も望ましい展開は、村を即座に制圧し、隘路の先、二本の外線の合流地点より先で敵主力を補足撃滅し、町を占領する事。
・次に望ましい展開は、村を即座に制圧し、隘路の先の二本の通行可能地点を確保し、進撃を妨害する敵戦力を撃滅しつつ町へ進出する事
・3番目に望ましい展開は、村を即座に制圧し、隘路を占拠確保し、敵戦力を圧迫しつつ、一週間以内に町へ進出する事
・最小限の目標は、村の占拠を行い、隘路に置いて防御するであろう敵部隊を圧迫し、障害を超えて一週間以内に町へ進出する事

と判断した。さて、この中のどれを最初に考えるべきか。

便宜上、隘路から二本の線、2本の線の合流点の間を中央山地と呼ぶ。
敵の指揮官がまともであるのなら、村を攻撃された事を察知した時点で中央山地に兵を配置して、
我部隊の進撃を阻止してくるに違いない。
もしかしたら村を抜かれた時を考えて、既に少数の部隊を配置してあるかもしれない。
その場合、我が方が隘路や渡河点に到達する前に敵が隘路や渡河点に陣取るかもしれない。
つまり敵主力と山間部に置いて激突する事は間違いなくあると考えるべきである。

そこで村上一佐は、作戦の基調を決定するのが最優先と判断。
『普通科を主力とした機動戦により中央山地に侵入する敵の撃破を考え、戦う』事を前提として、2の「戦術目標の決定」を最初に行なった。
「攻撃だ!全てはそれからだ!」、ドイツ軍を最も恐れさせたアメリカの有名なメイ指揮官、パットンの言葉に村上は習ったのである。

次に、村上は地図を眺めながら緊要地形の再確認を行う事にした。

(緊要地形とは、味方が絶対に確保すべき地形の事デス。)
(この場合、ウオッカ村、ジンの町を除くと4個あるので次を読む前に考えてみて欲しいデス。)


516 名前: 名無し志願兵 04/01/31 19:44 ID:???

6月24日 10:10時 晴 戦闘団戦況

航空写真による地図を眺めると、緊要地は直ぐに見えてくる。
まずは「ウオッカ村」の先3キロの中央山地の入り口に当る『隘路』が1つ目、
車両の通行が困難とはいえ、歩兵ならば通れる『釣り橋』が2つ目、
車両ではそこに行くまでに困難が伴うが通行可能な『浅瀬』が3つ目、
そしてそれらの道が合流する『集合点(隘路)』が4つ目である。

つまり、ジンの町の手前の隘路は、最大限に効率よく戦闘するための目標となり、
ウオッカ村側の隘路は作戦遂行の際に発生する犠牲を最小限に抑える為にも、ぜひとも獲得したい重要地点である。

中央山地は、中央山地に流れる中央川が谷を形成し、二分している。
よって予想される戦場は『ウオッカ』側山地と『ジン』側山地の二つとなる。

この二つの予想戦場を連接するのが「浅瀬」と「吊り橋」であり、それぞれ予想戦場に置いて目標となる地形である。
また、今重要だと考えた地域を結ぶ接近経路も大事である。作戦線(背後連絡線)となる道であるからである。

続けて村上一佐は『敵の可能行動』を考える。

・中央川より『ウオッカ』側にて我に対し攻撃、もしくは遅滞を行なってくる。(ウオッカ側隘路を含む)
・中央川より『ジン』側にて攻撃、遅滞を行なう。
・中央川に置いて防御線を構築、防御、遅滞する
・ジン側の隘路に置いて防御、遅滞する。
・ジンの町に置いて防御する。
・ベルモットの町に後退、友軍と合流して防御する。

(あなたがジンの町側の指揮官になったつもりで、第3戦闘団に対抗する方法を考えて欲しいデス。)

(また、今回の話には関係ないデスが、敵が常にこちらが予想する敵の最大利益行為を行なうとは
限らないデス。必ずしも合理的に考える指揮官ばかりでは無いのデス。ので実際の戦術を考える際はその辺に注意デス)

517 名前: 名無し志願兵 04/01/31 19:46 ID:???

6月24日 10:13時 晴 戦闘団戦況

敵にとって最も効率的な我に対する対処方法は

・中央川より『ウオッカ』側にて我に対し攻撃、もしくは遅滞を行なってくる。(ウオッカ側隘路を含む)

である。仮に我(村上支隊)が敵(ジン側)にウオッカ側隘路を抑えられたと仮定した場合、
隘路突破に置いて我は相当量の出血と作戦遅延を迫られるだけでなく、
その先に置いて、浅瀬側の道と、吊り橋側の道、両方から来る敵に対し、
内線作戦を強要され、更なる出血と作戦遅滞を強要される。
敵にとっては外線作戦となり、最も効率よく我と戦闘を行なうことが出来うると考えられる。

また、・中央川より『ジン』側にて攻撃、遅滞を行なう。 の場合、
ジン側山地において、外線状況を確立するにはどちらかの橋と隘路を確実に制圧しないとならない。
また、引き込んだ敵に万が一隘路を突破された場合(その場合相当の出血を要求できるが)、
橋を占拠していた部隊は包囲殲滅されてしまうことになる。
また、この場合ジン山地に側に引き込む部隊は、歩兵に限定させる為に、確保する橋は北側となる。

・中央川に置いて防御線を構築、防御、遅滞する
のも悪くないが、
・中央川より『ウオッカ』側にて我に対し攻撃、もしくは遅滞を行なってくる。(ウオッカ側隘路を含む)
とほぼ同じだけの仕事量が要求される事になる。それならばウオッカ側で戦闘したほうがマシであると考えられる。

・ジン側の隘路に置いて防御、遅滞する。の可能性もあるが、この場合敵は隘路とはいえ、
我に対し外線作戦を迫られる上に、ここを抜かれた場合我の機甲打撃戦力によって敵は大打撃を受けることになる。

・ジンの町に置いて防御する。
・ベルモットの町に後退、友軍と合流して防御する。
は総じて問題外である。仮にそんなふざけた手段をとったとしても、我の戦力の集中を招きタコ殴りに遭うだけである

よって村上一佐は、敵は、『中央川より『ウオッカ』側にて我に対し攻撃、もしくは遅滞を行なってくる。(ウオッカ側隘路を含む)』と判断した。


519 名前: 名無し志願兵 04/01/31 19:47 ID:???

6月24日 10:15時 晴 戦闘団戦況

次に村上一佐は「命題」と「前提」を『分析』した

『命題』は
・『敵戦力の撃滅』。『ジンの町とウオッカ村の占領』

であり『前提』は、
・我は普通科を主力とした機動戦により中央山地に侵入する敵の撃破を行なう。
・「隘路」、「吊り橋」、「浅瀬」、「集合点(隘路)」の四つの緊要地形を確保する必要がある。
・吊り橋は歩兵限定、浅瀬側の道は大型車両の移動は困難ながら、渡河自体は可能。それ以外の地点の渡河は困難。
・主戦闘が予想される地点は、中央川を挟んで、ウオッカ側山地かジン側山地である。
・敵は、中央川より『ウオッカ』側にて我に対し攻撃、もしくは遅滞を行なってくる。(ウオッカ側隘路を含む)

である。
これに対し、村上一佐は(ウオッカ側)隘路突破後の戦術として三つの進撃方法を上げ、(隘路突破までは、同じ方法で戦う)

・遠回りになる浅瀬側に戦力を集中し、吊り橋側の戦力を少なめにする方法(施設科で車両用の道を開設し前進)
・一番近い釣り橋に戦力を集中し、浅瀬側に向かう戦力を少なめにする方法(施設科で架橋して前進)
・双方に向かう戦力を均等化する。(施設科も分散)

の戦法と分析した結果を見比べた上で、幕僚達それぞれの意見を聞く事にした。

一人目の幕僚は、敵に先んじて吊り橋に戦力を集中して付近を占拠し、戦車橋による渡河を行なうべきと進言する。
二人目の幕僚は、敵前で渡河準備をする危険を避ける為に、施設科で進撃路開設を行って浅瀬を渡河すべきと進言する
三人目の幕僚は、両方に均等に戦力を送り、確保できた方に施設科を回して効率よく渡河すべきと進言してきた。

(今回も宜しければ、貴方ならどれを選ぶか考えて欲しいデス)
(また、戦いの9原則の主導の原則を思い出して欲しいデス)
(一人目の幕僚は「先の先」を、二人目の幕僚は「後の先」を、三人目の幕僚は「互いの先」を狙っているデス)


670 名前: エフル 04/02/01 10:00 ID:???

隊員B「なぁ、なんかヘンな臭いしないか?」
隊員C「あー…なんだこりゃ?」
隊員D「これは石油だな、しかも純度が極めて高い」
隊員B「へー…ってお前よくわかるな」
エフル「へるぷみーへるぷみー、そこのお兄さん方、トイレット紙をくださいませんか」
隊員D「紙? ほらよ…って石油くせーー?!」
エフル「いやぁベリーベリーありがとう! 少々お腹がブレイクDADADAなのです。
これで心置きなくPUTOUTできます」
隊員B「もしかして…この臭いは…!?」
隊員C「おいお前! ちょっと舐めてみろ!」
隊員D「はぁあ?! お前等正気か?! なんで俺がウンコ舐めなきゃなんないんだよ!!」
隊員B「Dよ。 今この地に、石油を味で判断できる人間は君しかいないんだ」
隊員C「君の体験が、我が自衛隊を救うことになる。これがもし石油ならば…!」
隊員D「うわちょとまって! やめて! エフル! 嬉しそうに尻差し出さないで!!」
エフル「さあ、召し上がれ!」
隊員D「亜s;ぢcjはりゃm49?! 亜kg;あj;う6g;lm、vb!!!!」

隊員B「だめだ、こいつ起きやしねぇ」
隊員C「まったく、鍛えが足りないな」
隊員A「…というか石油を流し込んじゃって、大丈夫なのか?」


797 名前: 名無し三等兵 04/02/02 03:16 ID:???

国の規模もそうだが、身体力の差でも他民族を圧倒して来た我が帝国に、初めての驚異が襲った。
極東の卑しい農耕民族が呼び出した異世界の住人。それはまさにアクマの集団だった。
大陸でも屈強な民族で知られる我等が帝国人をも圧倒する長身に、卑しい極東の猿共にも匹敵するしぶとさ。
加えて、全員が魔術を拾得している(銃器の存在をまだ認めていない)という恐ろしさである。
中央平原を巡った激突で、我が軍の兵力は5割に減少してしまった。
あの恐ろしさは戦場で向き合わないと分からない。
黒いつえをかざし、光の矢や炸裂魔法をまき散らすその姿はまさにこの世に降臨した地獄の住人達の様相を想像させるに事足りた。
もはや戦いにすらならない、その一方的な虐殺に我等が皇帝陛下も意気消沈なされてしまった。
信じられない事だが、勝っていたはずの長い戦があの一戦でひっくり返されてしまった。

この一刻後、終戦調停が極東の同盟軍と結ばれる。
念願だった海岸線への野望は、結局断たれる事となってしまった。これからは宮廷のガリ勉共の仕事だ。
大変屈辱的ではあるが、あのアクマ共と正面きって戦うのはさすがの我も遠慮したいと思う。



938 名前: 名無し三等兵 04/02/03 14:18 ID:???

>>923
を元に適当に書いてみたw

ついにやつらに反撃の時が来た!
あの緑の悪魔たちに!
やつらは轟音ととに現れ、周辺の地形を変え津波を起こし王国に多大の被害を与えた。
さらに奴らは我が領土にした辺境を侵略し、こちらの使者を無視し切り取り始めた。
こちらはどう対応したらいいか対応に苦慮しているうちに我が王国にも侵略し始めた。
奴隷達を奪い、神を否定を広めはじめたのだ。
この事態に我が王国も寛大にも辺境を譲渡の条件で交渉したが、あの悪魔達は
ようやく追い出した長年我が領土を荒らしていた野蛮人に領地を与えろと言う。
さらにエルフやドワーフのやからに森や農地を渡せと言う。
冗談ではない!
数年続いた飢饉や冷害の為にあそこを切り開いたのは我々だ!
あそこをとられたは我が王国の民が飢えてしまう。
何年も苦労してあそこに移住した民達になんと言えというのだ…。
しかし、緑の悪魔は強かった…。
空を飛ぶ鉄の鳥、火を吐く鉄の箱、移動する功城車…。
あっという間に我々は追い詰められた。
しかし、ようやくこの危機に周辺国も気づき(我が姫の度重なる交渉)同盟がなった。
そしてここにドラゴン騎士を中心に数百の大鳥の部隊が終結した。
大鳥たちには大きい石をいくつもぶら下げられていてその先頭には
ドラゴンには聖騎士の他に魔導師が一人乗って時間を予定時間を待っている。
同盟軍も4方向に別れ進行する手はずになっている。
海賊たちや海の民もこちらに協力することになっている。
そして我が騎士団が先頭にたち向かえる手はずになっている。
さあ!見ていろ悪魔ども、我が王国に栄光あれ!


107 名前: 名無し三等兵 04/02/04 02:27 ID:???

「おい!そろそろ降下地点だぞ」

渦巻き眼鏡の小柄な女魔道師が杖を振り回しながら叫んだ。
「それじゃ皆さん、魔法をかけるので一列にならんでください!」
そのとき、先任陸曹がのっそりと立ち上がりながら呟いた。
「悪いが俺はパラシュートで行かせて貰う」
「駄目です!約束したじゃないですか!」
「すまんが、俺は信用できないものには命を預けない主義でな」
「大丈夫です!信じてください!私、これでも重力制御の魔法は得意なんです!」
「そんじゃ、先に降りてもらおうか」
「判りました!それじゃ!」

きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜、た〜す〜け〜て〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「…」
「あ、止まった」
「でもあれ、地面ぎりぎりじゃねえか!」
「やっぱり俺、やっぱりパラシュートの方がいい」




395 名前: 名無し三等兵 04/02/05 20:20 ID:???

ツンドラのエルフ達に出会った。

「ここら辺のエルフは、流石に厚着なんですな」
「まあ、正直寒いですから。上に一枚羽織ってますよ」
「・・・一枚ですか?」
「ええ、一枚です」
ガバッ!!・・・
「・・・変態みたいだな」
「この前来た日本の人もそういってました。変態ってなんですか?」
「気にしないでください。人生損しますよ・・・」
「?私はエルフですが?」
「もういいです」


409 名前: 名無し三等兵 04/02/05 20:48 ID:???

>>404
バレンタインデーが待ち遠しいドラゴン(メス1200歳ちょっと熟女)。
「ほら、持ってきたぞ。ドラゴンの癖にチョコケーキとは・・・」
「かたじけないマスター。我はこれが三度の飯より好きでな」
「普段なに食ってンだ?」
「そこら辺に落ちてる人間共の死体」
「・・・一応いっておくが、もう食うなよ」
「?腹は壊さんぞ。人間と違って、胃は丈夫だからな」
「そう言う意味じゃない」
「なるほど。病気の心配か。マスターは心配性だ」
「そうでもない」


417 名前: 名無し三等兵 04/02/05 20:56 ID:???

>>410
「マスター飯が出来たぞ」
「人間に変化してなにやってるかと思えば・・・お前に人間の食い物が作れるのか」
「ふふふ、ごたくはこれを見てからほざくがいい!!」
「なに!!これはニホンで食ったはんばーがーではないか!!すごいな!!!」
「ふふふ、伊達に年は食っておらん。アレくらいの調合など横目に見てるだけで暗記など簡単だ!!」
「なるほど。おお、味もそのままだ!!・・・でも、よく材料揃えられたな?最近は肉なんて市場でも見かけないが・・・」
「それは、そこら辺に落ちてるした(RY
「頼む。言わないでくれ。疑問を感じた俺が悪かった」



424 名前: 名無し三等兵 04/02/05 21:06 ID:???

>>423
バファリンかよ!!

「久し振りの戦場だ!!きっちり手柄を立てさせてもらうぜ!!」
「そうだな!!マスターの為に新鮮な肉を!!そしてまた、はんばーがーを
「いや、それは遠慮する!!」


426 名前: 名無し三等兵 04/02/05 21:08 ID:???

>>424
「ゴブリンとかなら・・・」
「せめて4本足の生き物にしてくれ・・・」




448 名前: 名無し三等兵 04/02/05 21:38 ID:???

「人間の姿は不便だ。表皮から水分が蒸発しやすくて非効率的だし、簡単に傷つくから
身のこなしは気をつけねばならぬし、もとより二本脚直立など不安定きわまりない。
歩いているだけで姿勢を崩すんだぞ。」

「(なにもないところでこけるのはお前だけだ‥)」

「爪は柔らかすぎて手紙も彫れないし、歯は鈍くて道具を使わねば肉もろくに切れぬし、
魔法を学ばねば空も飛べぬ。魔法を後天的資質でしか使えないなど劣等的だな。
遙けき神代であれば早々に淘汰されておったろうよ。ふん。」

「(く、くそうこの年増‥)」

「闇の中で温度を見て取ることもできないし聴力も貧弱。嗅覚など猫にすら遙か及ばぬ。
どうしてこれで繁栄できているのやら。ゴブリンやオークどもよりましなのはおつむの出来と
品性だけか。まあそれは数少ない美点というべきだが。」

「(ほめられてるようにきこえんのだが‥)」

「寝るときの急所をさらけ出して天井に面と向かう姿勢など身の危険を感じない方が変だ。
このように子どもを身体の中で育てるなど、どうしてそこまで不便なのかさっぱりわからぬ。
聞いているのか? お ま え の せ い で 妊 娠 し た ん だ ぞ ?」

「すんません俺が悪うございました」

473 名前: 名無し三等兵 04/02/05 22:11 ID:???

>>468
でも、母親竜が父親人間をとうとうと説得し始めたら、ちょっと面白そうだと思った。

「我は種族など関係ないと思っている。お隣のぺス殿はとても誠意がある。娘には勿体無い位のよき牡犬だ」
「で、でも、犬は・・・」
「たわけ!!まだ、そんな事にこだわっているか!!それでは人間に嫁いだ我の立場はどうなるのだ・・・」
「うっ・・・わかったよ・・・(くっそーー泣くなんて卑怯だぞ・・・へんな知恵つけやがって・・・)」


540 名前: エドウィン505 04/02/06 01:23 ID:???

私が陸上自衛隊施設化に入ったのは国際舞台で活躍することを夢見てのことだった。
それが今では恐ろしく昔の事に思える。

出来の悪いアニメのような世界、そして資源戦争。
われらが自衛隊は破竹の勢いで進撃していたが、もはや攻勢限界点に到達していた。

敵にもよほど頭の切れる奴がいたのだろう。
こちらの攻勢限界点を見極めて一大反攻作戦を実行に移したらしい。
国中の貴族、農民、奴隷をかき集めて進行中とのことだ。

そして施設化の一隊員である私に下された命令は戦略的撤退に伴い、地雷を設置せよとのことだ。
地雷・・・またの名を「眠れる兵士」
彼らの犠牲者の内80%は非戦闘員で実に24%が子供。
まさに悪魔の兵器。

命令に従い私は黙々と領主の館に地雷を仕掛け始めた。
ドアに、階段に、引き出しに、石畳に。

おそらく敵の士気は下がるだろう。
もしかしたら撤退すらするのかもしれない。
なぜだろう?
彼らの恐怖が手に取るようにわかる。
私の悪意によって苦しむ様がわかる。
それらの感覚がさらに私を冴え渡らせる。

領主の机の上に、絵画の裏に、人形の下に、あるいは死体の下に。
まるで悪意を振り撒く機械のように。

作業を終えて兵員輸送車に揺られながら私は考えている。
悪魔の兵器などと誰が言ったのだろう?
まるで兵器を扱う私が悪魔みたいじゃないか・・・・・・と




16 名前: ふんどし投下 04/02/07 23:08 ID:???

隊長 「諸君、いい知らせと悪い知らせと二つあるがどちらから聞きたい?」
隊員全員 「(こ、これ以上悪くなるのか?)」
隊員A 「こ、今度は悪い知らせの方からお願いします」
隊長 「うむ、今日わが隊に新しいふんどしエルフが配属される」
隊員全員 「(つД`) 」
隊員A 「で、よい知らせとは?」
隊長 「( ̄ー ̄)そのエルフは女性だ」
隊員全員 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」

小一時間後

リーナ 「このたび、この隊に配属されることになりましたリーナ特務魔法兵です」
隊員B 「生きててよかった(つД`) 」
隊員C 「つーか、何故ふんどし?」
リーナ 「…これは父の形見なのです」
隊員D 「あ・・・・・・」
リーナ 「ご存知のとおり、男性のエルフ魔法使いはふんどし一丁で戦いに挑みます」
隊員A 「・・・・・・そうか、戦死した場合ふんどしだけが唯一の遺品となるわけか」
リーナ 「父の遺志を受け継ぐために私はこのふんどしを身に着けているわけです」

こういう女エルフがいてもいいと思う(個人的に)


105 名前: 名無し三等兵 04/02/08 16:39 ID:???

>>96
シュレ「ヲチャー1よりオヤブン、侵入者を発見した。発砲許可を求む。オクレ」
佐久間「オヤブンよりヲチャー1、侵入者の外見を伝えてくれ。」
シュレ「黒い皮衣を着た小柄のエルフです。おそらく暗殺者でしょう。」
佐久間「了解ヲチャー1、そのまま遣り過ごせ。こちらで対処する。オワリ」

三尉「誰だよメイドに無線持たせたの。しかも発砲許可って、銃持ってるのか?」
佐久間「私ですよ、三尉殿。それに、銃じゃなくてボウガンです。それより、侵入者の狙いはおそらくあなたですね。」
三尉「何で僕なんかに(ry」
佐久間「狙われる理由はいくらでもあるでしょう。正確な動機は、侵入者を捕まえて尋問すればわかるでしょうし。」
三尉「また戦闘か、面倒なことに・・・」
前島「あっ!俺、いい作戦考えました!」

――自衛官@準備中
佐久間「私は反対です。いくらなんでもこんなものに引っかかるわけは・・・」
前島「なんだよ!いつも影の主人公ぶって(ry」
三尉「まあまあ(つーかその言い方はダメだろ)、少なくとも敵にわずかな隙が出来ることは確かだから(ry」
佐久間「ヤバそうになったらすぐ射殺しますから、そのときは許可くださいね。」

――領主の執務室に侵入する暗殺者。そこでカカシ(無線をガムテープではっつけてある)に遭遇
暗殺者「誰だ貴様!」
カカシ「この町の領主ですがなにか?」(←無線機からの声)
暗殺者「そうか、話が早い。貴様の命をいただきにきた。」(←全く疑ってない)

――そこに乱入するイオと茶髪
茶髪「たのもー!」
前島「あーッ、あの馬鹿!」 >>78に続く。


155 名前: 名無し志願兵 04/02/08 23:24 ID:???

6月24日 10:21時 晴 戦闘団長直轄中隊
作戦会議に出席していた連隊長と中隊長達が帰還してくる。どうやら作戦が決定したようだ。
「各部隊の小隊長、分隊長は集合しろ!うちの中隊が村落の占領をおこなうぞ!」

わが中隊長のありがたいお言葉が聞こえてくる。
俺は自分の小隊員に戦闘準備を整えさせると、中隊長の下に向かった。
他の小隊長、分隊長たちも、続々と中隊長の元に集まっていく。
何処でも彼処でも、中隊の数だけ同じ光景が繰り返されていた。

「よし、集まったな。まずは作戦の推移から説明するぞ。
我々は、普通科連隊の各大隊に先んじてウオッカ村の占領を戦闘団長に任された。
ウオッカ村の人口はおよそ100〜200人。家屋52軒の小村だ。
我々は街道を直進して村落に展開し、住民全員を確保するように命じられた。」

中隊長がメモ帳に簡単な図を書いて俺達に説明していく。・・・何時見ても下手くそな図だ。
この中隊長自体はいい人なんだが、これだけは何とかして欲しい。そう思いつつ、俺は真面目に作戦に耳を傾けた。

「我々より先に偵察中隊の連中が村の中央を通過する予定だから、
直接、わが中隊が待ち伏せにあう可能性は低いと思うが、油断はするなよ。
何が家屋に潜んでいるかもわからん。細心の注意を部下に払う様、念を押しておけ。
また、無用の衝突を避けるためにも、各小隊に2人ずつ配備されているクワナ国軍通訳兵を上手く活用しろ。
作戦は10:30をもって開始、11:20までにウオッカ村の『解放』を完了させる。
なお、先頭は藤島1尉の小隊とする。藤島。よろしく頼むぞ」
おうおう。ありがたい事に御指名かよ。一応「了解」と言って敬礼しておいた。
中隊長は俺の敬礼に軽く礼を返すと「・・以上。何か質問は?」と、指揮官お決まりの言葉を使う。


158 名前: 名無し志願兵 04/02/08 23:26 ID:???

「中隊長。住民が抵抗した場合の射殺許可はもらえるのでしょうか?
また敵兵が人質をとった場合、人質ごと撃っても宜しいでしょうか?」
俺のすぐ隣りで、中隊長の作戦説明に耳を傾けていた月宮3尉が中隊長に質問する。

「・・・やむを得ない場合に置いては許可する。
・・だが、できうる限り住民は殺すな。何処で第11師団の従軍取材班が嗅ぎ付けるかわからん。
連中は我々に好意的だが、住民殺害を撮られるのはは拙い。できる限り善処してくれ」
「了解です。」

中隊長は「ほかに質問は?」と尋ねたが全員が沈黙した。沈黙は質問が無いことの現れだ。
俺も質問しようと思っていたが、月宮3尉が代わりにしてくれたので俺も沈黙する事にした。

「よろしい。なら10:30分をもって出発だ。・・・諸君の健闘と安全を祈る。」
そう言って中隊長は俺達に敬礼を行なった。それが、作戦開始の合図だった。


160 名前: 名無し志願兵 04/02/08 23:27 ID:???

6月24日 10:40時 晴 戦闘団長直轄中隊、藤島小銃小隊

「降車5分前!各員降車準備!」
89式FVの車長が目的地まで近づいた事を宣言する。
既に偵察中隊はウオッカ村の正面ゲートと木製バリケードを戦車で踏み倒して強制的に開門し、村を横断して最初の隘路めざして爆走を続けていた。

車長の言葉に小隊本部隊員達と第一分隊の二人が弾倉を差し込んで実弾を装填してアの文字にセーフティーを合せた。「ア」は安全装置のアである。
これからドンパチをはじめると言うのに安全装置をかけるのは馬鹿げているように思える。
だが、これが結構重要なのである。 不意の暴発を防いだりする為には撃つ直前まで安全装置をかけておくことが望ましい。
狭い車内に無理やり同乗していたクワナ国から派遣されてきていた通訳兵も顔面蒼白でその手にもつ樫の杖を握り締めた。手も震えている。
過剰な緊張は返って危険を招く・・。そう考えた俺は彼女の緊張をほぐす為に話し掛けることにした。

いや・・正直に言うと、彼女の為と言うより、俺自身の緊張と恐怖を抑える為に話し掛けたのだった。

「実戦ははじめて?お嬢さん」
俺の問いかけに通信兵がこちらを向く。獣人族の出身の犬耳少女だった。
「は・・はい。 きょ 今日が、 は 初めての実戦です・・藤島さま。」
耳と尻尾の存在さえ無視すれば、見た目は10代半ばの少女だ。そりゃ今回がはじめての実戦だろう。
俺自身も29になって今日が初めての実戦だ。
「確か、リッテ、って名前だったと思うんだが、まちがってないかい?」
「は、はい。リッテ・エル・バクスターです。」
「そうか・・リッテ・バクスターか、いい名前だ。
そんなに緊張しなくていい。自分達について来れば絶対に安全だ。君に危害が及ぶ危険は殆んど無いから。
君は自分の仕事、通訳をきちんとしてくれるだけでいい。」
「は、はい。ありがとうございます。藤島様。」
このやり取りで少しは落ち着いたらしい。明らかに震えていた手が、かすかに震える程度になる

「小隊長。ナンパは後にしてください。後1分で停車しますよ。」
第一分隊の分隊長、松村一曹がニヤニヤしながら茶化してくる。
このやろう・・士官を何だと思ってやがる。同期入隊の友人でなければ『教育』してやっている所だ。


161 名前: 名無し志願兵 04/02/08 23:28 ID:???

だが、こういう『馬鹿』は、部隊の緊張をほぐすのには最高に役立ってくれる。
昔からこいつはくだらないギャグで俺の緊張や恐怖もどっかにすっ飛ばしてくれた。

「・・・松村一曹。調子に乗っていると35mmでケツの穴を増やすぞ。」
「おお、恐!ケツの穴はこれ以上必要ないので遠慮するであります!小隊長殿!」

同乗した隊員達の間に苦笑が広がっていく。操縦主や車長までもが肩をすくめて苦笑していた。
いい兆候だ。緊張がまるで飛んでしまったが、少なくとも緊張でガチガチになるよりは遥かにマシだった。

車長がにやけながら俺達に目標到着までの時間を読み上げ始める。
「さあ、小隊長。後10秒で降着です。8、7,6・・」
まだ車は停止していないが後部ドアが開き始める。本部要員と松村一曹達が立ち上がって隙間から外に向かって小銃を向ける
その隙間からは後方に付いていた第二小隊の乗る73式APCが確認できる

「下車の際は友軍にはねられないよう気をつけろ!撃つ時は敵か味方かはっきり確認してから撃て!」
俺は誰にともなくそう指示を出す。
「松村一曹!」
「何でしょうか!!小隊長!」
「部下を死なせるな!全員生きてつれて帰って来い!」
「了解しました!」

「3、2、1、ゼロ!下車してください!」
車長の合図と同時にまず本部要員が飛び出して周辺に銃をむけて四方の警戒を行なう。
その後に続いて松村一曹と部下の陸士長が、自分の分隊の指揮を取る為に前方の89式FVの下に向かった。

「さあ、いくぞ。リッテ君!」
「はい!藤島様!」

そう言って俺は、リッテを伴ってウオッカ村の広場にその第一歩をすすめた。



166 名前: 113 04/02/08 23:39 ID:???

前回から少し間があいたので、前回の補足をかねて書きます。

ラノべ級魔法使いについてもう少し。
彼等の存在する社会システムについて考察させていただきまつ。

『ラノべ級は広域社会を形成しない』
何故って必要ないから。
我々が群れている理由は「そうしないと生存できないから」。
一人一人の力が小さく弱い為に、分業の必要があるのでつ。
でも、ラノベ級は一人で工業製品と同等のサービスを生み出す事が出来る。



167 名前: 113 04/02/08 23:40 ID:???

我々が1000年以上の時をかけて農業を興し、資本を蓄積し、加工技術を磨き、
流通機構を整備し、それらに従事する人的資源を育成し、その人的資源を運用する
組織管理技術を発達させ、とどめにそこまでして造った工業製品で採算を上げる為に
広大な市場が必要、だから社会全体の底上げをしてテイクオフしなきゃなんない、
その手法は?、まずもって教育……あーもうめんどいッ!(中略)だ、そしてそれの
維持管理には億単位の人口が生み出す生産力が必要なのでつが、その過程を
何の社会インフラの支援なしに一個人で実現してしまうのでつよ、ラノベ級というやつは。

こういう連中が広域社会を形成する理由がみあたりまつぇん、
社会インフラの支援抜きで豊かな生活が送れるのでつから、初期の狩猟採取民のように精々家族単位で行動するものと思われまつ。

しいて広域社会を形成するなら家族単位の抗争の激化の末に、サークル
のような、宗教的色彩抜きの構成員の流動が大きい形態を採用すると思いまつ。

その理由はやはり「社会インフラの支援を必要としないから」。
人が結束するには宗教的紐帯が必要なのでつが、
社会を離れても生存可能な連中が王命に諾々と従う理由はありまつぇん。


168 名前: 113 04/02/08 23:41 ID:???

利害関係と友情と契約の遵守だけが社会を律することになりまつ。


『ラノベ級社会の生産力はどのくらい?』
日本の使用する年間エネルギー総量は石油換算で約4億6千万g。
その内訳は日本人一人当たり、
照明に使うエネルギーは年間31g、31万`i、
成人男子の服に使う年間エネルギー量は約80万`i、
住居、規模によって違うが90万〜150万`i、-
移動に使うエネルギーはリッター10kmの車に乗り年間1000km走るとして
100万`i、
車の生産に必要なエネルギーは2000万`i
その他諸々。
現在、日本人が使用している一日のエネルギー量は一人当たり石油換算で約10g
石油1gを1万`iとして計算すると約10万`i。

人間の生存に必要な一日あたりのiは約2000`i、その50倍のエネルギーを
使用することによって我々は豊かな生活を送っているのでつ。

ラノベ級は一個人でこれらのものを手に入れています、ということは単純計算で
一人当たり我々の50倍の生産力を持っているのでつ。もし彼らが広域社会を
形成すれば50の自乗倍の生産力を持つことになるのでつ。


169 名前: 113 04/02/08 23:42 ID:???

前スレのレスでラノベ級の補給について「弾薬が食料に変わるだけ」
というものがありましたが、そんなことはありまつぇん。
ラノベ級の真の恐ろしさは、魔法がもたらす火力などではなく
「その場で兵器の生産ができる」という動く兵器廠ともいうべき生産能力なのでつ。
おまけに組織運営に関わる人員が少なくて済むので意思決定は迅速、
補給は必要最低限ですむのでフットワークは軽い。
火器の携行は必要ないので機動力と隠密性に優れている。

もはや「悪夢」という表現すらナマヌルイ代物でつ。
「正面戦力は互角」なんて油断していた日には嬲り殺しでつ、
……油断していなくても結果はたいして変わりまつぇんが。
それ以前に近代兵器と魔法使いの性格はかなり違うのでその編成も
まったくの別物になりまつ。




170 名前: 113 04/02/08 23:43 ID:???

『文化装置としての魔法』

ようやく本題に入りまつ。
前スレで魔法と科学と宗教と王権とレジマシィ(正統性)について議論されていたので
やりやすくなりました。

魔法は2種類に大別できる、神聖魔法と精霊魔法でつ。さらに神聖魔法は白魔法と
黒魔法に別れまつ。なをこの分類はこの場限りの便宜的なものであり、
普遍的なテキストコードではありまつぇん。

まずは精霊魔法から。
これは鍛冶屋・大工といった技術民が行使する魔法でつ。テンプレの分類に従えば
科学魔法説でつ。製鉄民の暗喩である出雲神話のヤマタノオロチ、
神と崇められたギリシャ神話の名工へパイトス、河童を使役した名工飛騨の匠の上、
いずれも技術者あるいは技術集団でありながら神や魔法使いの扱いを受けていまつ。



171 名前: 113 04/02/08 23:43 ID:???

何故かと言うと「生産に従事していない」「技術の原理が見えない」から。なをここでいう
生産とは農業でつ。領主も貴族も王も富をもたらすのは農業のみ。にもかかわらず
自分たちには理解出来ない手法で富を生み出し、その内部に独自の神を奉じ、
独自の法を敷き、外部権力の介入を許さない技術民は社会の異物であり、
外法の存在であり、異界へと、この世の理の外へと繋がる存在だったのでつ。

技術の原理が見えないということは理解できないと言う事であり理解できなければ
それは魔法なのでつ。このスレで交わされた「魔法使いは摂取したカロリーで魔法を
使う」を想起して下つぁい。あれは生体ジェネレーターと言うべき代物であり、
入出力だけ計測し、魔法の能力を検証すれば何の不思議もありまつぇん。
なのに何故「魔法使い」扱いされたかというとその作動原理をブラックボックス扱いして
考察しなかったからでつ。みんな口にこそ出しませんでしたが気づいていた筈でつ
「それをやればファンタジーではなくSFになる」と。

鍛冶屋の鍛えた刀、大工の建築した建物、そして魔法が提供するサービス、
入出力の辻褄さえ合っていれば不思議はありまつぇん。
魔法でつけようとマッチをすろうと火は火でつ。
不思議なのは「どうやってこんな仕事をしたのか」という過程でつ。



172 名前: 113 04/02/08 23:44 ID:???

我々は理解できないモノはまず作動原理に関してはその判断を留保し、入出力を計測してそのスペックを割り出すという手法を概念化していますが中世人は違います。
「迷信とは何ぞや」これが次の議題でつ。

結論から言う、「迷信とはすぐれて合理的な思考である」。
我々は「世界とは特定の理に従うものであり不思議というものは存在しない、
自分に理解出来ない現象はそれを判断するだけの情報と理論が手元にないだけである」
という思考を持っていまつ。この思考の根底にある思想は「事象をありのままに観察し、
神や政治といったイデオロギーによって観察結果を歪めない」というものであり、
それは多くの学者たちが、絶え間ない観察と仮説と検証を「神と王権」との
血みどろの闘争を繰り広げながら、数百年かけて到達した境地なのでつ。
もっとも日本人のように複数の世界観を同時に扱うという反則技を持った民族もいまつが、
それにしたところで検証に掛かる手間が変わる訳ではありまつぇん。



173 名前: 113 04/02/08 23:45 ID:???

こうした科学的思考様式とは異質の合理性を持った思考様式、
ある特定環境下における生存戦略に則った思考様式、
それが「迷信」なのでつ。

「家鳴り」という妖怪がいる、「家が軋む」という現象に妖怪としての象を与えたものでつ。
前近代の人間は理解できない事象に超自然的存在を幻視していたのでつ。
理解不能な事象に遭遇した際に、いくら考えた所で限られた情報から正確な結論を
導き出すのは難しいでつ。必要な情報が不足し、観測技術の未熟によってそれが
補えない時は、まず理解不能な事象に「怪異」という象を与えて
「見せかけの説明」を行い「理解したこと」にしまつ。

そうしてその「怪異」の正体の詮索を打ち切り、「怪異」の脅威度の判定と
事後の対策という「現実的判断」にリソースの投入を最優先するのでつ。
「考えても解らない理解不能な事象」の正体の詮索という不毛な思考のループの
強制終了コマンド、限られたリソースを生存努力に最優先で回す思考様式、
それが「迷信」なのでつ。


174 名前: 113 04/02/08 23:45 ID:???

科学の目的は「世界の謎」を解き明かす事であり、
生存戦略における現実的判断の精度の向上は副産物である。
迷信は限られたリソースを生存戦略に最優先して投入する為のコマンドであるが、
それは特定環境下においてのみ有効であり普遍性に乏しい。
でもそれでいいのです、政治的にも経済的にも移動の自由のなかった中世人は
自分の生まれ育った環境に適応できればそれで充分なのです。

以上が迷信の説明、これが精霊魔法とどう関係するかって?
迷信とは「理解不能な事象に対する見せかけの説明」です。
技術民の自分たちの技術に対する認識と、外部の人間の認識は違うのです。
何故なら、技術者は自分の技の限界を心得ているが外部の人間はそうでないから。

技術民とは常民にとって外部の存在、理解出来ない「超自然」の領域に住まう人々、
その人々に対する「見せかけの説明」。
技術民を魔法使いにしたのは外部からの眼差しである。
「神の理法が支配する世界」の内部に独立した社会システムを営み、
異界と繋がる順わぬ民、それが精霊魔法の使い手、技術民なのです。


175 名前: 113 04/02/08 23:46 ID:???

次は神聖魔法について。

『悩み事は何ですか? 神聖魔法に出来ないことはありません』

ハッタリでありません、ホントになんでもできるのです。
少なくとも「そういうことになっている」のです。

精霊魔法には技術という物理的なベースがある。
経験則から導き出された技術に対する「見せかけの説明」それが精霊魔法。
でも神聖魔法に物理的ベースは存在しない。ゆえに物理的制約に縛られる事も無い。

我々は現実を生きている訳ではない、個々人が個々人の幻想の中で生きているのです。
そうして他者との接点を持たない幻想が「妄想」と呼ばれ、共有された幻想が「現実」
と呼ばれる。
他人と共有された幻想「仮想現実」はその内実がどうあれ、例え「客観現実」に反して
いようと、その中に生きる人々にとっては紛れも無い「現実」なのです。
その「仮想現実」の操作技術、それが神聖魔法。

それはそうと『スレイヤーズTRY』というアニメを見たことありますか?
劇中において主人公の魔法が通用しない相手が出てくるのですが、その正体は
異界の神。「こちら」でも河童や天狗に十字架が通用したという話はあまり聞きません。
それを考えると、なかなか含蓄のある設定です。



176 名前: 113 04/02/08 23:47 ID:???

話がそれました。で、誰が、どうやって「仮想現実」を操作するの?
世界の理の体現者です。易姓革命、天孫降臨、王権神授説を始めとして、
オリエント諸王朝、太平洋諸島、東南アジア諸国、アフリカ諸部族。
いずれの王権も例外なく「世界を創造した神」に由来します。
神から世界の支配権を譲渡された王と、それを承認する宗教機関
(両者が同一である場合もある)が世界の理の体現者なのです。

『神話の誕生』

科学的思考を手に入れる前の人間の世界認識は「迷信」、神話的思考に従っている。
理解出来ない事象に見せかけの説明を行い「世界を理解した」事にする神話的思考は
いかにして形成されたか?

人間社会の始まりは家族単位の共同体であり、
群れのリーダーは実力によって選出された。
群れは常に自然の脅威に晒され、その生存条件は厳しくリーダーは気苦労の多い
仕事であった。外界は脅威に満ちており、未熟な観測技術を補う為に「見せかけの説明」
をそれらに施し、生存努力に可能な限りリソースを投入した。それら「見せかけの説明」
が寄せ集められ一つの世界観をカタチづくり、世界観の共有が濃密な共同作業を
可能にして生存能力は飛躍的に向上した。


178 名前: 113 04/02/08 23:48 ID:???

同規模の共同体と交流を行い、神話的世界観は混じりあい、緩やかな共同体連合が
自然発生した。社会は安定し、富は蓄積され、リーダーの地位は気苦労ではなく
羨望と争奪の対象となり不正が横行した。こと、ここに至り事態の収拾をつける為
王を立て、これに神聖権威を付与して社会の安定を図った。王の安定=社会の安定
であり、それを強化する為、王位とは人為によらず天意とした。これが王権が神に
由来するようになった経緯である。
やがて馬蹄の轟きが部族を覆う。先行して国力をつけた邑が征服者として諸部族
の上に君臨し、その支配を固める為に「神話を略奪」。かくして王国は誕生した。
統合された神話的世界の神から地上の支配権を譲り受け、王の威光に諸部族の長は跪く。

神聖魔法の力の源泉はこの神話的世界観に由来します。魔法は理解不能な事象に
「神話的世界観に基づいた見せかけの説明」を行い、「神話的世界観に基づく解決法」
を提示するのです。
だから神聖魔法に不可能はないのです。当事者が納得すればそれで解決、
納得しなかった場合は? 信心が足りないのがいけないのです。問題が解決
しなくても納得は得られます、ならばその時点で「社会的には」問題は解決しています。

魔法とは一個人が一個人に対して提供する物理的なサービスではなく、
社会に組み込まれた文化システム、ソフトのインフラであり、魔法使いとは
そのインフラを利用して神話的世界観を、つまり仮想現実を操作する技術者なのです。

『河童や天狗に十字架は通用しない』

ここまで読んだ方ならばその理由がはっきり解るはずです。
神聖魔法とは同じ世界観を共有する者同士でしか通用しない文化的約束であり、
異なる世界、違う文化圏では通用しません。
神聖魔法を扱うにはその社会インフラに組み込まれたOSに
乗っからなければならないのです。



179 名前: 113 04/02/08 23:48 ID:???

自衛官が個人レベルにせよ部隊レベルにせよ、日本の社会インフラから切り離された状態
で召喚されたなら、生存の為にF世界の社会インフラに依存せざるを得ず、魔法が
物理的な力の行使を伴うものでなくとも酷い目に合う事は考えられます。むしろ、
呪術的な防御を知らない自衛官が魔法使いに一方的にやられてもおかしくありません。

各部族から神話を略奪する事によって支配の正統性を乗っ取り王権を打ち立てた
王国にとって、科学的思考はその支配の正統性を否定するもの、自衛官は存在自体が
異端扱いされる可能性が高い。 自衛官ピンチ!

しかし日本丸ごと召喚の場合は、社会インフラ込みですのでF世界の社会インフラに
依存する必要はなく、神話的世界を物理的に押し潰してしまいます。

ここで終わると「F世界が現実と同じじゃつまらない」とか言われて仕舞いそうなので
(私はそういうのも悪くないと思うのですが)中世的世界を壊さない魔法を考えてみます。



180 名前: 113 04/02/08 23:52 ID:???

・「魔法使いは感応能力者」
上記の魔法を行使する技術を、先天的な能力に置き換えたもの。

・「魔法使いは土地に縛られている」
土地神は封じられた場所でしか力を振るうことは出来ません。ならば土地神から力を
受けている魔法使いも土地を離れては魔法を行使出来ない。

・「魔法は異文化圏には通用しない」
自衛隊は魔法のダメージを受けない変わりにサービスを受け取る事も出来ない。

こんなトコでいかがでしょうか?

私的には、妖怪ハンターと渾名された学者がF世界の伝承を収集したり、
古本屋を営む神主や怪しげな呪符売りが憑き物を落としたり、
F世界の魔法使いを言霊で解体すると言う展開が……、自衛隊じゃないな。

あとですね、F世界の住人は正確な地図を持っていないと思うのですよ。
我々がこの星の地理に関して正確な知識を手に入れたのは精々ここ1世紀の話です。
中世レベルの社会では惑星全域を覆う広域社会は形成できません。
彼等の勢力圏の外に関する正確な情報は無いものと思うべきかと。


182 名前: 113 04/02/08 23:54 ID:???

そもそもドラゴンにせよ妖精にせよ想像上の産物、我々の神話的思考が
生み出したものです。この点で誤解をしやすいのですが、
F世界にドラゴンがいても現地人がそれを使役しているのであれば、
こちらでの牛馬と変わらない、ありふれた存在でしかありません。

先方には先方の神話的思考が生んだ想像上の存在があり、現地人との接触で得た情報は
仮想現実と客観現実が混交しています。F世界では現地の人間の情報を鵜呑みにせず、
何が実存でなにが仮想現実かを見極める必要があるかと。



484 名前: 名無し三等兵 04/02/11 19:00 ID:???

佐久間、演説メモ

我々は一人の英雄を失った。これは敗北を意味するのか?否!始まりなのだ!
帝国に比べ我が日本の兵員数は30分の1以下である。にも関わらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故か!

諸君!我が祖国、日本の戦争目的が正しいからだ!

一握りの貴族が大陸中を埋め尽くさんばかりに膨れ上がった帝国を支配して50余年、
エクトに住む君達が自由を要求して、何度帝国に踏みにじられたかを思い起こすがいい。
日本国の掲げる、人類一人一人の自由のための戦いを、神が見捨てる訳は無い。

私の上官、諸君らが愛してくれた辻原3尉は死んだ、何故だ!

戦いはやや落着いた。諸君らはこの戦争を対岸の火と見過ごしているのではないのか?
しかし、それは重大な過ちである。帝国は聖なるエクトを汚して生き残ろうとしている。
我々はその愚かしさを帝国の貴族共に教えねばならんのだ。

辻原3尉は、諸君らの甘い考えを目覚めさせるために、死んだ!戦いはこれからである。
我々の軍備はますます復興しつつある。帝国軍とてこのままではあるまい。
諸君の父も兄も、帝国の無思慮な圧政の前に死んでいったのだ。
この悲しみも怒りも忘れてはならない!それを辻原3尉は死を以って我々に示してくれたのだ!
我々は今、この怒りを結集し、帝国軍に叩きつけて初めて真の勝利を得ることが出来る。
この勝利こそ、戦死者全てへの最大の慰めとなる。
エクトに済む全ての民よ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよ人民!日本国は諸君等の力を欲しているのだ。

エクト万歳!!



574 名前: 名無し三等兵 04/02/12 00:17 ID:S02shPsZ

***** 勝手に妄想劇場 *****

--------------------------------------------------------------
「エクトへ進出せよ?」
エクトへの急進命令を受けた陸上自衛隊第2師団長は首をかしげた。
「2000人規模の帝國残党が、エクト奪回を意図しつつあり。
可及的速やかにエクトに進出し、帝國の攻撃を排除、
エクト市民の安全を確保せよ。以上です。」

「だが、エクトは一旦放棄と決定したはずだ。
既に、エクト派遣の隊員には、撤退命令が出ていただろう」
「どうも大陸における戦略について、何らかの見直しが行われた模様です」
「確かにこのまま戦線を維持していても、消耗を続けるだけだが…」

全戦線において後退・縮小を余儀なくされている現在、
戦力の分散は避けるのが当然。
港湾や空港、大都市や交通の要路などの重要拠点ならまだしも、
隊員が派遣されてわずか二ヶ月、さして重要な産物が
見つかっている訳でもないエクトを、この時期に確保しなければ
いけない理由はないはずだ。
ふに落ちないながらも、師団長は派遣部隊の選定に取り掛かった。

一方そのころ。
日本の日比谷では、陸将の階級章を付けた男が某女性ジャーナリストの写した
メイド達の写真を見つめながら呟いていた。
「やらせはせん!やらせはせんぞ!
メイドさんの栄光、メイドさんの安全、
たった2000の帝國の残党のために……
やらせはせん!やらせはせんぞ!」
--------------------------------------------------------------



74 名前: 名無し三等兵 04/02/14 20:27 ID:???

「ここがF世界か〜。いろんな人種がいるらしいから楽しみダなあ」
「そうアルね」

「浜辺にいるのが人魚か〜。綺麗だな〜」
「そうネ。身がしまってて旨そうネ」
「・・・まあ、足は魚だしな」

「お!あれがドワーフか!!強そうだなあ〜」
「油が乗ってて食いごたえ有りそうネ」
「・・・毛抜きとか下処理が大変そうだな」

「エルフだ!!やっぱ颯爽としててかっこいいなあ〜」
「う〜む、なかなか肉質が良さそうネ。高く売れるアルよ」
「・・・・・・」

「あれは流石に食えないダロ・・・」
「そうネ。あれはまだ発酵が足りないネ。3ヶ月たった頃が食べ時アルよ」
「・・・ゾンビも食うのかよ・・・」



132 名前: 名無し三等兵 04/02/15 02:09 ID:???

勇敢な魔族たちよ
お前達は何故その尊い額に恥辱の極印を押されるのを甘受するのか?
なんとまあ、魔王領の諸国民が忌まわしい専制主義の、金で買われた従属者であるというようなことが許されるのか?
これら勇敢な魔人たち、世界の征服者としてかくも断固としてその鉄槌を振るい、勇者の軍勢と勇敢に戦ったお前達は、
今や賤しいドワーフの如く贖われ、自己の血を流して専制者に尽くすよう駆り立てられている
何故お前達は、その主人の馬鹿げた盲目さにこれ以上関わり合うのか?
名誉ある兵士、誇り高き魔族の戦士、自己の実力の忠実にして恐るべき維持者であるお前達は、交易されているのだ!
嗚呼、何のための出陣だろうか!
羊のごとく十把一絡げで街道に並ばされ、船に乗せられ、お前達は戦場に向かう
人員と金のない勇者どもは、自分たちの土地を守るために人員と金を狩り集めつつある
お前達の魔王はこの一時的で破滅的な金儲けの手段を熱心に追求する
お前達が出陣するということは、そういうことなのだ
お前達が運命づけられたことは、こういうことなのだ
お前達は魔族の誇りのためではなく、勇者たちの土地を守るために死ぬ
我々の火器は弓や魔法の及ばぬ遠くからお前達を殺し、夜魔を夜の暗闇から狩り出し、我々の焔は竜すら焼き殺す
お前達は昼の光と夜の闇の中で殺され、巻藁のように積み上げられる
お前達の血は腐敗の代償であり、魔王の野心の玩具である
お前達の生命を取引することによって、今得られたこの金で、魔王は恥ずべき負債を払い、あるいは新しい負債の
契約をするのに役立つだろう
貪欲な高利貸、魔王の賤しい御機嫌取り、下劣な役者が、お前達の生存と交換で得られたこれらの金を手に入れつつあるのだ

魔王領に散布された自衛隊の伝単から抜粋


231 名前: 227 ◆wNB3mzxVss 04/02/15 21:29 ID:???

それでは失礼して、あ、タイトルはまだ決まってませんです。

シン・トー王国歴34年春、僕らの世界は未曾有の大戦争に突入してしまった。
帝国型膨張主義を国是としているダイストキリ帝国が、広大なシウキオ大陸の3分の2を占める強大な軍事力を持って、大陸統一を旗印に大陸中の国々に宣戦を布告したからだ。
大陸の他の国と、大陸東方に位置する海洋国はすぐさま反ダイストキリ帝国同盟を結成し、これを迎え撃った。
しかし開戦当初はなんとか互角の態勢を維持してきた双方も、35年夏の第4次サラディン会戦で反帝国同盟側が歴史的完全敗北を喫したあたりから帝国軍の大攻勢が始まる。
第2次ゴウダ・マ会戦、サンダルフ海会戦と、反帝国同盟は次々と敗北し、36年の春、ついに同盟を構成する国の半数が無条件降伏を受諾してしまった。
同年秋になると、特殊な地形から大群を展開するのが困難な幾つかの小国を除き、世界の8割の国が帝国の支配化になってしまった。
これは僕の国にも言え、我がシン・トー海洋王国も、四方を海に囲まれ、流れが速く土地の者でも通るのが困難な潮流により、侵攻ルートがほぼ予測できることと、帝国が大陸国家だったため、海軍戦力は我が国が一日の長があったことから、今までなんとか持ちこたえてきた。
しかしそれもあと少しの間だけのようだ。
先日、残り少ない反帝国同盟の諜報機関から、冬に帝国海軍の大攻勢が我が国に予定されていると言う報告があった。
いかに地の利と練度というアドバンテージがあろうとも、戦力比7対1では国の命運も決まったと言っていいだろう。

232 名前: 227 ◆wNB3mzxVss 04/02/15 21:30 ID:???

「王子殿下、本日の海軍作戦会議の予定時刻です」
「ああ、わかった。提督達は?」

僕もこの一種最後の足掻きとも言える防衛戦を行うため、残存艦艇を率いる提督達と作戦会議を開くのだ。

「そ、それがその……」

秘書官は僕の問いにはっきりと答えずうつむいてしまう。
よく見ると小刻みに震え、泣いているようだ。

「命令拒否かい?それとも逃亡?」
「も、申し訳ございません殿下!」

僕が問うと秘書官はボロボロと泣き崩れてしまった。
仕方なくハンカチを差し出し、理由を聞く。

「さぁ、泣いたって、事態は好転しないよ。とりあえず提督達がどうかしたの?」
「…第弐艦隊司令官アズダイン閣下は、先程、先月の会戦の負傷が元で亡くなられました。そして第参艦隊司令官エヴァセント閣下は…」
「確か司令官エヴァセントはきみの叔父上だったね。何かあったのかい?」
「…その会戦の敗戦の責任をと言って、自決を…」

彼女はそう言うと再び泣き出してしまった。
先月行われたミカヅチ海会戦で、我が軍は4倍に及ぶ帝国軍を撃退することに成功したが、参加兵力の半数と艦艇の6割を失い、提督2人が戦死、1人が戦傷死を遂げるという結果となっていた。

「幸い…発見が早かったので命はとりとめましたが…意識不明の絶対安静の状態で…」
「わかった、きみも辛いだろうに。すまなかった。午後は休みを取って休養しなさい」

泣き続ける彼女、ミリセント十人長を置いて僕は一人で会議の席へと向かった。
軍人としていつでも死ぬ覚悟はできていてもやはり身内の死はこたえるものだ。
ミカヅチ海会戦では僕の兄上であるマレク第参王太子も戦死している。
だからこそ、僕、アレイル・フォン・シン・トー第五王太子も先頭に立って、この国難を乗り切らなければならない。


530 名前: 名無し三等兵 04/02/17 16:38 ID:???

>>529
「なあ、ドラゴンってなに食うんだ?」
「さあ・・・取りあえず、肉なら食うんじゃないか?」
「肉ねえ・・・食用肉なんて勿体無くてあげらんないしなあ・・・」

「さて、なにをやろうか・・・ん?おい、なに食ってンだ?」
ギャアギャア!!ガツガツ!!ギャア!!!
「?布?・・・ゲッ!!どっからゴブリンの死体なんか拾って来たんだよ!!!」
ギャウ!!グエ!!!
「あ・・・昨日の夜の・・・なるほどね。これなら餌に困らないか?」
ゲウッ!!
「クセッ!!ゲップすんな!!」


533 名前: 名無し三等兵 04/02/17 16:52 ID:???

>>530派生
「よし!異世界の奴等も寝静まった様だ!!これより夜襲をかける!!!」
「はっ!手筈道理に・・・」
「突入!!」

・・・・・・
「なんとかここまで侵入できたな。よし、お前。様子を見て来い。」
「はっ!!」スタスタスタス・・・
「?気配が消えた?おい、お前も言って来い。」
「はっ」そろりそろりそ・・・
「????また?なんだいった・・・」
ギャウ
「・・・な、なななななnnnnn!!!!!!!!」
パクリ

「う〜ん。昨日の晩は珍しく何もなかったな」
「・・・そうでもなかった様だ。ドラゴンが何か食ってた様だし・・・」
「ははは・・・これで何人目だ?いい加減に帝国も学習しろよ・・・」


609 名前: 名無し三等兵 04/02/17 21:28 ID:???

バセット編隊よりポインターへ。キルボックスに入った。」
「了解、バセット編隊。高度2万ftで旋回、待機せよ。武装は?」
「2機ともMk-82を4発ずつ。それからAAM-3が2発だ。」
「ラジャー、バセット。」
2機のF-2Aから成るバセット編隊は、荒野の上空で旋回に入った。
翼の下には子爆弾を満載したMk-82通常爆弾と370ガロン入り燃料タンクを吊り下げ、翼端には
AAM-3を取り付けている。もちろん胴体のM-61バルカン砲にも目一杯の機関砲弾が装填されている。
それぞれの担当空域では、同じように2機から4機ずつの攻撃機と、1機の高速FACが目標を追い求めて
旋回し、敗走する帝国軍の部隊に容赦ない攻撃を加えている。地表のいたるところで濛々と黒煙が
上がっていた。
「こちらポインター。新たな目標を探知。逃走中の騎兵部隊のようだ。今から座標を送る。」
高速FACを担当するF-2Bから通信が入った。突貫で装備されたATHSの無線データリンクにより、
FACの発見した目標の座標がバセット編隊のFCSにの送信される。F-2AのMFDに目標のシンボルが
表示された。
「受信を確認。さて、狩りを始めよう」
2機のF-2Aは蒼穹の翼を翻すと、HUDに表示された方向へ真っ直ぐ向かっていく。
見えた!敗残兵が土煙をあげつつ後退している。
バセットリーダーのパイロットは緩降下しながらレティクルを騎兵の列に重ね、
容赦なくMk-82を投下する。後に続く僚機からも深緑の爆弾が主翼から離れていくのが見えた。
そのまま上昇、一瞬遅れてキャノピーがオレンジ色に染まる。どうやら直撃したようだ。
ミッションコンプリート!後は家に帰るだけ…
「ちょっと待て。いま、下に何か見えなかったか?」


610 名前: 名無し三等兵 04/02/17 21:29 ID:???

突然バセット1のパイロットが叫んだ。
「ああ、俺にも見えた。ドラゴンみたいだったぞ」
「…ポインタ−、このキルボックスに味方はいるのか?」
「いや、君達だけだ」
「じゃあ敵機だ」
「まて、バセット2。早まるなよ!」
「分かってる。ブルーオンブルーはこっちも願い下げだ」
「いまAWACSに問い合わせる。指示があるまでアンノウンの監視を続けろ」
「ラジャー」
大きく旋回して、先ほどドラゴンを地点に戻る。レーダーをルックダウンモードにして、
低空に居るであろうドラゴンを探した。
「バセット、ポインターだ。やはりこの空域に味方の航空機はいないとの返答を得た。
念のためビジュアルコンタクトの上、交戦を許可する」
「ラジャー、ポインター。目標を視認後、攻撃する」
F-2のJ/APG-1レーダーはすでにドラゴンの姿を捉えていた。高度300ft、速度120ノット。
単独で進入してくるとは、大胆なやつだ。
「レーダーコンタクト、ポイント12,11。南西に飛行中。」
「まずいぞ。そっちの方向には味方の師団司令部が進出しているんだ」
「単独で殴りこみか?勇敢なやつだな」
「その方が発見されにくいとでも考えているんじゃないか?」
バセット2が言う。


611 名前: 名無し三等兵 04/02/17 21:30 ID:???

2機のF-2Aは着陸進入中のような低速でドラゴンの真上を通り過ぎた。コクピットから
身を乗り出すようにして、目標を注視する。
「こちらバセット、ボギーはフリッパーと確認」
つい最近付けられた戦闘用ドラゴンのコードネームを告げる。ポインターはすぐさま
指示を出した。
「よし、バセット。ウェポンズフリー」
ところが具合の悪いことに、ゆっくりと上空を通過した2機のF-2Aに、ドラゴンの乗り手が
気づいてしまった。不意打ちできればベストだったのだが、一度気づかれてしまうと
厄介な相手だ。
2機のF-2Aはいったん上昇して270度旋回したが、先ほど視認したドラゴンが見つからない。
「何処に消えた?」
「バセット、チェック3」
と、遠くからレーダーで監視していたポインターが3時方向に敵機と教える。
速度が違いすぎる上に、急旋回や空中停止が可能なドラゴンは、戦闘機のパイロットにとって
一番動きを予測しにくい相手なのだ。
ドラゴンは低空をふらふら蛇行しながら飛行している。
「畜生、一升瓶を抱えた酔っ払いみたいだ。照準が合わない」
それでも何とかHUDにシンボルを追い込んで、2機はバルカン砲を斉射した。
しかし、ドラゴンは怯まない。


612 名前: 605 04/02/17 21:31 ID:???

「バセット2、ドラゴンの面の皮は相当厚いようだ。そっちはサイドワインダーでやってみろ」
バセット2は続けざまにミサイルを発射する。しかし攻撃を察知したドラゴンはスピンターン
するようにくるりとその場で回転すると、そのまま急降下しつつこちらに突っ込んできた。
あまりの高機動に追いつけなかったミサイルはその両脇を跳び過ぎてしまった。バセット2は
そのままドラゴンの上を通り過ぎようとする。
その瞬間、ドラゴンの口から灼熱の火球が吐き出された。バセット2の下腹に、火の玉が当たって
炸裂する。
「くそ、やられた!油圧が低下している…!ベイルアウトするぞ!!」
バセット1が慌てて振り返ると、黒煙が砂漠に向かって突っ込んでいく光景が目に入った。
その上には白いパラシュートが1つ。
FACがAWACSにバセット2の脱出地点を報告しているのを聞きながら、バセット1は再び機首を
ドラゴンに向けた。ドラゴンがごうごうと火球を撃ってくる。こちらもM-61で応酬するが、どちらも
命中弾はない。ドラゴンの火球の方が強力だから当たったら厄介な上、防御力も向こうのほうが上だ。さらに、
サイドワインダーはドラゴンの赤外線放射を探知しにくいようだ。とことん不利な状況で、バセット1の頭
にある逸話が浮かんだ。かつてのベトナム戦争時、ファントムライダーは低空のミグを撃墜するのに
水田すれすれの超低空から迫ったらしい。そうすれば反射が無くなるのでミサイルのシーカーが
赤外線に反応しやすくなるし、不意をつくことも出来る。ここは一つ、先人のアイデアを拝借するとしよう。
バセット1は一気に高度を下げると、地上の砂を巻き上げるぐらいの超低空で真っ直ぐドラゴン向かった。
向こうはこちらの動きに一瞬戸惑ったようだが、すぐに火球を撃ってくる。が、照準を誤ったのか火の玉は
あさっての方向にすっ飛んでいった。遠く離れた場所で砂煙が上がる。


613 名前: 名無し三等兵 04/02/17 21:32 ID:???

F-2AのHUDの中央にターゲットボックスが納まった瞬間、ドラゴンのうろこがぎらりと光った。
発射トーンを聞くや否や、ミサイルを発射する。空を背景に浮かび上がったドラゴンに、
2筋の白煙が吸い込まれていく。
爆発!!急上昇して破片を避ける。
「バセット1、やったな!」
ポインターが言った。
「ああ、運が良かった。コールビンゴ、帰還する」
バセット1は翼を翻すと戦場の空を離れた。


638 名前: 名無し三等兵 04/02/18 00:08 ID:???

「お前が近道しようだなんていいだすからだぞ、馬鹿野郎!」
「お前の方こそ道に迷いやがった癖に!」
「何だと!」
「何を!」
迷彩服に身を固め、物騒にも小銃抱えた男たちが、
今にも殴り合いを始めようとした時だった。
妙にげっ歯類に似た顔つきの男が二人に声をかけた。

「けんかをするな」
「ナに!?」
「腹がへるぞ」


「と言われてもな」
片方の男、陸曹の階級章をつけた方が陰気な顔で周りを見渡した。
彼らの周りにいるのは、あかなめ、子泣き爺、ぬらりひょん、塗り壁、二口女、
猫女、河童、人魂、赤鬼、青鬼、鬼婆、山ノ神、天狗、一反木綿、小豆洗い、
誰もが一度は見たことがあるが、実物を見たことをある人は限りなく0に近い、
妖怪の方々である。

「俺達、どこに来ちまったんだ?」
「まあ、ゆっくりしなされ」
目玉のオヤジが妙にかん高い声で陸曹に話しかけた。

647 名前: 名無し三等兵 04/02/18 01:01 ID:???

「糞ッ!これじゃあ後退するしかないぞ!」
息もつかせぬ未知の武器による攻撃でこちらの勢力はかなり押され気味だ。
遠くでお堅い口調の熱血指揮官が後退を叫んでいる。
どうやら一足先に後退したようだ。
……この状況では俺たちにも後退する以外の選択は無いようだ。

「異世界の勢力とやらがこんなにも強力だとは…ッ」
ほうほうのていで城に戻り、一息ついているとそんな声が聞こえてくる。
あいつは人間供の歴史や戦略を得意げに講釈していやがったが
実際に攻め込まれている今では、いつまでも有効な手を考えついてくれない。
……確かに、俺たちは長く安寧の地で惰眠を貪り過ぎたのかもしれない……

日の光の下では俺たちは無力だ。
高位の御歴々など棺桶から出てこようともしない。
下位の俺たちなんぞは
ラ・ノベとか言う突如東方から訪れた軍勢の前では
両性動物のクソをかき集めた値打ちも無い。

だが夜の眷属である俺たちには、あの御方がついていてくれる。
深い闇が訪れ、何もかもが停止する『夜』にあのお方は怠惰なる眠りから目覚め
その力で有象無象の区別無く全てを焼き払ってくれる。

あの御方の言葉が蘇る。
「古より我等は流浪の一族。安寧を貪る時が長過ぎたのだ。」

さあ、そろそろ夜が満ちる。
イチ・ダ・オー様の目覚めはもう、すぐだ。


675 名前: 名無し三等兵 04/02/18 01:55 ID:???

この"世界"に召還され早幾月・・・、国内の様子も大分様相が変わってきた。
変わったと言うより慣れたと言った方が正解なのかも知れない。

私は今、官房長官の下で外務省の依頼で調査の仕事をしている。
昔は航空自衛隊に所属し、飛行機屋として操縦桿を握る任務に就いていたが、
墜落事故が原因で左目の光を失ってしまった。
適性欠落も当然だったが、飛行機から離れる道を自ら選び、今の仕事に就いている。

ある日、長官から分厚い書類−計画書と設計図−を渡される。

"日本国外領土に孤立もしくは拉致された邦人を救出する装備に関する計画"
"=Equipment Plan. ATSUGI-NIPPI Corporation= Type:MC-130JA/CAP & Type:MC-130JB/AAC"

「貴殿を今の任より解き、これを預ける
優秀な人材を集め、部隊を率いてくれたまえ」

私はこうして再び飛行機屋としての任務に就くことになった。

676 名前: 名無し三等兵 04/02/18 02:04 ID:???

>>642
これに触発されて短編を書きましたので今から投下させてもらいます。

パシャパシャ

(うう目と耳の毒だ〜〜)

彼の後ろの泉では長い銀髪に黒肌の女性が水浴びをしていた、
その耳は長くこの世界ではダークエルフという種族と呼ばれている。
この世界に日本が来てから自衛隊による大陸調査隊が編成された。
その調査隊の中で初めて異世界の知的生命体との接触、すなわち彼女と接触したのが僕だった。
最初出会った時はビキニアーマーの姿もあって動揺してまともに話もできなかった。
それから自衛隊と行動を共にすることになったがどういうわけか彼女は僕を気に入ったらしい。

「どうしたのー?一緒に入ろうよ。誰もいないし私はあなたには見られても平気なんだけど」
「な、なにを言ってるんですか!?」

そう、非番の際僕と彼女は行動を、正確には連れ回されるという形で共にすることが多い。
今も綺麗な泉が近くにあるというので連れこられたという形で一緒に来ている。
で彼女は水浴び中、僕にも一緒に入ろうと言うがそういうわけにもいかず後ろを向いている。

フニッ

背中に柔らかい感触が走る、なんと彼女は僕の背中に生まれたままの姿で抱きついていた。

「大丈夫だよ、モンスターよけの結界も張ってあるし」
「ちょちょっとウッ…(無理矢理後ろを振り向かされ彼女の裸を見て絶句している)」
「ね、だから楽しもう。気持ちいいよ・・・ポッ」
「気持ちいいって、楽しもうってどういう意味!?待って!服脱がさないで!ああっ・・・」

それからこの泉での一件の後、二人は結婚したという。


691 名前: 名無し三等兵 04/02/18 05:04 ID:???

あの御方が目覚めた証は深く刻まれた。
敵も味方も区別は無く、その圧倒的な破壊力にただ目を見張るばかりだ。
戦場にとは思えぬ程の空隙が訪れる。

数瞬の後、狂気の魔人と萌える平原の守護者がこの戦域を支配した。
対峙した魔人と守護者。それぞれに殉ずる無名の戦士たち。

小競り合いは無数の戦場を生み、泥沼の様相を呈している。
考えている間にも、書いている間にも、
読んでいる間にも、待っている間にも。
戦場はただ広がっていく。

だが俺達には戦うしか術は無い。
信じる物の為に、だ。


914 名前: 名無し三等兵 04/02/19 00:22 ID:???

「なあ・・・エルフや冒険者の女性の服装って皆そうなのかい?」

昼食のカレーを食べながら自衛官がエルフの彼女にその服装、ビキニ型鎧について
質問してきた。

「はい、大体はそうですね。今私の着ている鎧には所々に魔力が封じ込められてい
る宝石が使われているんです。その魔力のおかげで全身鎧並みの高い防御力が保障
されています。さすがにあなたたちの自衛隊の銃の弾までは防げませんが・・・。
それと男性と女性の装備の差に関してですが男の方は力があるので全身鎧で体を守
ることで少しでも生存率を上げるという防御力重視になっていきました。なお女性
のほうは力は無いぶん素早いという特性があるので少しでも素早さを上げようとす
る傾向となり自然とこういう鎧になっていったんです」
「なるほど、そういう背景があったのか・・・・・・。俺はこの世界に来たときに
男の服装と比べても露出度の高さが際立っていたから、君らの姿を見るたび恥ずか
しくて直視できなかったけど一ヶ月もたった今ではもう慣れてしまったな」
「そういうものですか?」
「そういうものなんだろうね」

そんな昼のひとときだった。

123 名前: 試製壱号 04/02/20 13:43 ID:???

よさそうなんでいきますわ





「…ヘブンズアイより全機、目標の詳細がいま判明した。
エスコートにラビット184機、ハウンド103機。
船がゴリラ級53隻、ハリケーン級18隻、そしてエンペラーが1隻。
高度4000から5000mに密集しながら毎時約500kmで移動中。
ファーストイーグルはあと30分ほどで視界に入る」

124 名前: 試製壱号 04/02/20 13:44 ID:???

ジェットの轟音と風防に叩きつけられる風の音に混じって案内役の声が聞こえてくる
本来この世界の空を飛ぶのは私たちが見慣れた飛行機ではなく、
浮遊する木材を使って作られ装甲板と銃と砲で武装された空飛ぶ艦だ。
ここではジェットエンジンの概念はまだ無く、
どれも例外なく不釣り合いなほど大型のレシプロエンジンを翼にぶら下げてプロペラで進む。
私たちが勝手につけた名前だが、
ラビットが機関銃で武装された全長10mほどの、こちらで考えて第二次世界大戦あたりの単発戦闘機達。
ハウンドが25mほどの機関砲と第二次大戦の戦車砲くらいの砲台を積んだ大型の戦闘機等。
ゴリラがこちらの艦載砲クラスの砲台を搭載した150m前後の駆逐艦や巡洋艦。
ハリケーンが250mほどの空飛ぶ戦艦と言ったところ。
そしてエンペラーが400mを超えるこの世界でも最大の戦艦だ。
エンジンの一つがハウンドよりも大きい空飛ぶ要塞。
米海軍の空母ニミッツが340mだった事を考えればいかに巨大な物体なのかわかると思う。
帝国が威信をかけて創り出した皇帝本人が乗る彼女の名を持つ艦。
あの艦は帝国そのものといってもいい。
あれが居るという事は帝国が全てをかけていると言うことだ。

125 名前: 試製壱号 04/02/20 13:45 ID:???

ブリーフィングで伝えられた事は私達にとって非常識極まりないものだった。

「D-54地区の王国軍国境警備隊の12機が帰ってこない。彼らが何を見たのかは無線が無いのでわからんが、
大方の予想はつくだろう。ただ数は我々の予想を上回る。
EWACSと海自の情報をあわせると帝国軍勢力ほぼ全ての約400機が集結し王国首都に向け侵攻中。
帝国の大型艦艇が全てと、潜入した陸自のマッチョマン達によれば皇帝が直々に来ている。
王国のような小国に全てを狩り出すとは誰も予想しなかっただろう。
12機は奴らの進路を変えることもできなかったろうな。
このままいくと明後日には王国が地図から消えて帝国の一部になる。
その後奴等は次に東京を目指して飛んでくるだろう。
新宿の高層ビルに大砲をブチ込まれるわけにはいかん。
王国の方は奴らが来るのも我々が助けに入るのも予定どうりだったらしいが、
皇帝が直々にやって来るとは夢にも思わなかったらしい。
王宮の奴らは笑いが止まらんだろうよ。いまごろ色鉛筆を持って世界地図と遊んでるだろう」


126 名前: 試製壱号 04/02/20 13:46 ID:???

「しかしながらこちらが仕事をしないわけにもいかん。総力をあげてこれを迎撃する。
まずイーグルの編隊が2波に分けて右後方高空から強襲しラビットの数を減らし、編隊から引き離す。
その後ファンム改とF-1の編隊がエンペラー以外のデカブツを叩き落とす。
そして我々F-2はエンペラーを襲う。速度を落とせればいいから深入りはしなくていい。
その後高空からLGBを満載した2機のイーグルがエンペラーに全弾叩き込む。
売り尽くしたら早々に引き上げろ。パトリオットに巻き込まれるからな。
その後奴等は例の峡谷に入るはずだ。峡谷では陸自のヘリ隊がてぐすね引いて待っている。
コブラだけでなく無反動砲を持った人員を乗せたヒューイやブラックホークもいるらしい。
あいつららしいがな。
峡谷を出たあたりで旗艦にこちらの無線要員が乗った王国軍200機余りが待ち構えている。
王国の総力だな。その後ろに陸自の高射部隊が王国陸軍と連携して絶対防衛線を構築している。
海自もパトリオットと同時に支援してくれるそうだ。
身をもって知っているとは思うが、ラビット以外はAAM一発で落ちるような代物ではない。
ましてやこの大編隊だ。件の2機以外のイーグルは全弾AAMだが、
後は我々を含めて全てAAM2発と後は全弾ロケットポットだ。
本土防空の数機のイーグルを残して可動機は全て狩り出される。
こちらも自衛隊始まって以来今までで一番の大編隊になる。
味方にぶつかるんじゃないぞ?弾を残すなよ?死んでも死に切れんからな」

127 名前: 試製壱号 04/02/20 13:47 ID:???

地震の直後に日本の周りの世界地図が全て変わってから1週間後、
初めて接触してきたのが海を隔ててすぐ隣にいた小さな王国。
小さい国だが油田や肥沃な牧草地帯などがあり、非常に恵まれた国だった。
こちらの事情を聞き協力を申し出、食糧や燃料を援助し、そして情報をくれた。
日本は単独で生きていくことができる国ではないため王国は欠かせない国となり、
半年で18もの条約や議定書を作った。
いまや王国の首都には日本企業が進出し始め、郊外には日本の工業プラントが建設中だ。
だがそんな恵まれた土地が狙われないはずが無い。
100年ほど前に建国し、急速に繁栄してきた帝国は王国の2つ隣で地続きだ。
しかも10年程前に隣の国は地図から消えて、日に日に緊張が高まってきていた。
今はもう1940年のイギリスもアメリカもいないフランスのような状態だったらしい。
しかしそこに予想もしない形で現れたのが我々だ。見返り無しで助けてくれる人間はいても国家は無い。
無くては生きて行けないほどの援助、協力と融和政策の全てはこの日のためだったというわけだ。


128 名前: 試製壱号 04/02/20 13:48 ID:???

「…ヘブンズアイよりイーグル、後3分で会敵」

見上げても元の世界の色と全く変わらない空の色。
頭の上の黒から濃紺、青へと続くコントラスト。変わらない白い雲の形。
真下から続く緑の大地とそれにつながる青い海も、機体が風を切る音もなにもかも変わらない。
始めてテレビで見た王国や帝国の人間も服装と彫りの深い顔以外何も変わらなかった。
いっそのことツノでも生えていてくれれば悩まずにすんだのかもしれない。

「…ヘブンズアイより全機、ファーストイーグルエンゲージ。セカンドイーグル後3分」

ここに来て、文化の違いくらいしか感じたものは無い。
どこか別の異国に来たぐらいにしか感じることができない。
この世界の人間がやることも考えることも全く変わらない。

129 名前: 試製壱号 04/02/20 13:49 ID:???

「…ヘブンズアイより全機セカンドイーグルエンゲージ。騎兵隊は後3分」

雲の上に空飛ぶ艦隊が見えてきた。
イーグルによって掻き乱された護衛機が至る所で炎を噴いている。
砲弾に引火したのか派手に爆発して雲に消えていくのもいる。
大型艦から機関砲の曳光弾の線が伸び、砲台から閃光とともに大きな砲煙があがる
護衛の生き残りが速度差にもめげずにイーグルを追いかけ始めたところだ。
しかし炎を噴いて消えていく中にイーグルはいない。
雑音交じりの無線からも悲鳴は聞こえてこない。聞こえるのは興奮した歓喜だけだ。
無線やレーダーも無く、手旗信号で連絡しあう空を行く極彩色で覆われた煌びやかな艦隊。
この艦隊はおそらく今日中に壊滅する。
ここにある全てを失って立ち上がれるはずは無い。そして帝国は瓦解する。
王国は明日には私達を英雄とするだろう。一度の会戦で帝国が滅びるような軍。
この戦争で日本は世界に軍事力を知らしめ、
そして日本に欠かせぬ存在である王国も世界にその同盟ぶりを見せ付けるだろう。
帝国が今までに併合した国は分裂し、今までの帝国の属国も日本と敵対するはずが無い。
王国は蒔いた種が全て実ったわけだ。

我々のいた世界と本当に何も変わらないのだ。
腰巻一枚の猿が棍棒を持った時点で決まっていた事なのかもしれない。

130 名前: 試製壱号 04/02/20 13:50 ID:???

「…ヘブンズアイより全機、騎兵隊到着」

全てがケタ違いの艦隊の中でも一番大きい朱と金色で包まれた艦が迫っている。
兵装コンソールでAAMを呼び出し、シーカー音が鳴り響く。
さっき落ちていった艦よりも大きなエンジンをロックする。
「FOX2!」
両翼から飛び出した白煙が伸びていき、皇帝のエンジンに爆炎が上がる。
距離感を狂わすほどの巨大なプロペラが砕かれ、火の付いた破片が機体の横をかすめる
こちらに気づいたらしく、いくつもの砲台がこちらを向き撃ち始めた。

131 名前: 試製壱号 04/02/20 13:51 ID:???

テレビによれば皇帝本人は15歳くらいの黒髪の可愛い少女らしい。彼女が人前に現れるときは、
いつもその後ろにはたくさんの勲章を付けたヒゲを生やしたハゲて太った中年の男が立っている。
王国への戦争も自国の餓死者を減らすために肥沃な土地を狙った結果だ。
そして王国は自分の領土と国民を守ろうとした。
いま彼女はどんな心境なんだろうか?
あの艦の艦橋からはイーグルによって虫みたいに落とされていく護衛機の他に、
ファントムとF-1から発射されるロケット弾にまみれて容赦無く砕け散っていく大型艦がこれ以上ないほど見えるはずだ。
彼女の名前を叫び、燃えながら雲の下へ消えていく兵士を彼女はどんな目で見ているのだろう。


132 名前: 試製壱号 04/02/20 13:52 ID:???

兵装コンソールをロケットポッドに切り替える。
1つに19発、1発で戦車をも吹き飛ばすHEAT弾が6個計114発。
一斉発射で撃ち尽くすのに5秒もかからない。
トリガーを何度も握りなおす。
彼女の翼の付け根に照準を合わせ、体を舐める様に、

「発射」

248 名前: 名無し三等兵 04/02/21 14:09 ID:???

海上自衛隊第101護衛隊の苦戦の続きです。

・・・おとぼけ自衛隊が好みではない方、
考証無視したいい加減な描写は許しがたい諸氏、
海棲生物が苦手な人は、
お手数ですがスルーをお願いいたします。

===============================================
司令以下、「つがる」艦長、艦橋要員達が猛攻撃にもびくともせず、
威風堂々と浮かんでいるプス・サイギツムを忌々しげに眺めていた時だった。

不意に見張り員の一人が声を上げた。

「あのくらげ、移動してませんか?」
「くらげではない。正しく”プス・サイギツム”と呼ぶように」
「失礼しました。”プス・サイギツム”ですが、移動していませんか?」
双眼鏡を覗きながら艦長がうなった。
「確かに移動しているな。奴め、一体どこに行く気だ?」
見張り員は恐る恐る口を挟む。
「あのう。くらげって移動できるんですか!?」
「全く移動できないという事は、ないと思うが」

その時、「うすしお」から通信が入った。
「こちら「うすしお」。現在、プス・サイギツムと交戦中」

249 名前: 名無し三等兵 04/02/21 14:09 ID:QWaCxM1F

「交戦中!損害は?」
「なし」
即答である。
「無し?」
「本艦に損傷は全くなし」
あまりに迅速な返答に「つがる」の艦橋はいぶかった。

「確認したし。貴艦は本当に「プス・サイギツム」と交戦中なのか?」
「少なくとも、プスの方は、真剣に本艦を攻撃中、と思われる。」
「と、思われる?どういう意味か、それは」
「現在、本艦のまわり中にプス・サイギツムの触手がうようよしてる。
かなりの数の触手が本艦に巻きついているらしい」
「だ、大丈夫なのか?」
「全然平気だ。最初、触手がぶつかってきたことすら気づかなかった」

つまり。
プス・サイギツムは「うすしお」を、海面下を通り過ぎる魚か
何かと思って攻撃したのであろう。
ところが相手は鋼鉄の潜水艦である。
大きいとはいえゼラチン質のくらげの触手では、ぶつかろうが巻きつこうが
「うすしお」の船体には傷一つつかなかったのであった。

280 名前: ある帝国軍参謀の日記 04/02/22 03:34 ID:???

39年9月1日
私がこの世界に呼び出されてはや十年。ついに始まってしまった。
そう、ついに帝国軍による世界征服作戦、<神々の黄昏>が発動されてしまったのであ
る。

自分で準備しておいてなんだが、はたして巧くいくのであろうか。
この十年間、この世界に関しては十二分に情報収集と研究を続けてきたが、いまだに予
測できない事象に溢れている。
目下最大の懸念は、勇者の誕生である。
魔王たる皇帝陛下の証言によれば、過去の魔王のアクションに対する世界(神と言い換
えてもいい)のリアクションとしてもっとも多かったのが、勇者による魔王討伐であった
という。
神による直接介入は、世界へのダメージが大きすぎる故に考慮する必要はない。よって
勇者さえ排除すれば、後の障害は取るに足らないはずである。

40年06月22日
抵抗を続けていたブルバーニ王国がついに降伏した。
これで一年前に帝国と国境を接していた国々は、全て征服したことになる。
帝国より西にはもはや海しかないゆえ、あとは東方を目指すだけだ。

281 名前: ある帝国軍参謀の日記 04/02/22 03:35 ID:???

41年12月08日
開戦以来快進撃を続けてきた我が軍だったが、ついに敗北の憂き目を見ることになった。
詳細は不明だが、見たこともない魔獣と魔法の武器を持った軍団が我が軍の前に立ち塞
がったらしい。

ついに世界によるリアクションが始まったようだ。

41年12月22日
前線より届けられた絵を見て確信できた。あれは私がいた世界のものだ。
しかも私がいた頃よりも、かなり兵器が進歩している。
兵や将軍からも話を聞いたところ、どうやらやってきたのは日本軍らしい。
彼らが私の知っている日本軍と同じものであるならば、たとえ進歩した兵器を持ってい
ようとも恐れることは無い。日本兵は精強だが、彼らの作戦指導はお粗末なものだ。おま
けに彼らは弾丸を節約する癖がある。
ソ連軍以上の人海戦術を以って展開する我が軍を停めるには、アメリカ軍並みの弾幕が
必要だ。日本軍の火力では、我が軍に対しては足留め程度のことしかできないだろう。

これからは今まで以上の損害が出るだろうが、ここが正念場であろう。日本軍がどの程
度の規模で召喚されたかは知らないが、東方正面軍をすり潰す気でやれば充分突破可能で
あろう。

42年03月11日
新編成した二〇個師団を二個軍に編成し前線に送る。
日本軍は当初の予測よりも遥かに大規模なものだったらしい。東方正面軍は既に損耗率
60%に達し、戦線は崩壊寸前だ。ヤツらの火力は私の想像を超えていた。
オークと死兵を中核とした軍とはいえ、そろそろ兵站も見直さねばなるまい。略奪によ
る食料補給は既に限界を超えている。

近いうちに陛下に〈最後の大隊〉の出撃を上奏せねばなるまい。


283 名前: ある帝国軍参謀の日記 04/02/22 03:39 ID:???

42年06月30日
コルスカ平原にて行われた〈砦〉作戦は一応の成功を見た。
我が軍も予備兵力を使いはたしたが、それ以上に日本軍に出血を強いることに成功し、
日本軍がけっして無敵の存在では無いことを証明してみせた。
作戦の成功により日本軍の攻勢はストップし、我が軍も戦線の整理をする猶予を得た。

しかし我が軍は常に新たな占領地を得ていかねばならない宿命である。さもなければ
帝国そのものが瓦解するだろう。
遅くとも来年までには攻勢を再開させねばならない。


373 名前: ある帝国軍参謀の日記 04/02/22 23:33 ID:???

42年08月19日
砦作戦以来、東部戦線は停滞を続けている。集められた情報からすると、日本軍にとっ
て砦作戦での損害は相当大きかったらしい。ただこちらも積極的に攻めるには決め手に欠
ける。

42年09月01日
開戦より三年が経った。
日本軍と対峙する東部戦線以外では順調に進撃が続いているが、停滞する東部戦線に対
する兵站が戦争計画全体を圧迫しつつある。
統合参謀本部では〈神々の黄昏〉作戦を一時中断し、日本軍を擁する東部諸国連合と講
和する意見も出始めている。
愚かな話だ。
異世界人である私の方が、帝国の現状をより理解しているとは。
一度動き始めたならば、世界を滅ぼすまで止まらないように、この国のシステムは作り
替えられているというのに。将軍連中は、皇帝が魔王であるということの意味を理解して
いない。

374 名前: ある帝国軍参謀の日記 04/02/22 23:34 ID:???

42年11月12日
ついに日本軍の根拠地が判明した。驚くべきことに、ヤツらは日本列島丸ごとやってき
ていた。皇帝陛下が私を召喚して戦争準備を行ったことに対するカウンターとしては、い
ささか大きすぎるというものだ。
しかしここまでの事をやってしまった以上、もはやこれ以上の神の介入はあり得ないは
ずだ。最近では一番の良い情報といえる。

43年03月27日
東部戦線に対する皇帝親征が決まった。
私は最後まで反対したのだが、これ以上東部戦線を放置しておけば、帝国が瓦解するの
は目に見えている。最後は陛下の決断で押し切られた。
同時に私にも勅命が下った。〈最後の大隊〉を率いてトーキョーを直接攻撃することを
命ぜられた。
陛下が東部戦線につくまでに、この戦争を決めてしまわねばなるまい。



755 名前: 752 04/02/25 03:52 ID:???

円卓の真ん中に置かれたひしゃげた飯盒の蓋に、雑多な「がらくた」を宝物のように重ね、その前に
ジョッキを一杯ドン、と供える。
しばし目をつぶった後上村三曹は自分のジョッキを持ち、低いが良く通る声で言った。

「俺たちの無事な帰還と、前線で戦ってる仲間に。そして――」
上村は「がらくた」に視線を落とす。
「ここに戻ってこられなかった仲間に、乾杯」
「乾杯!」

卓を囲んでいた三人の陸士が唱和し、四人は乱暴にお互いのジョッキをぶつけ合った。そして、
飯盒の前に置かれたグラスを真ん中に、もう一度。ジョッキの中身が盛大にこぼれ、飯盒の中の
「がらくた」――小隊の戦死者の遺品をぬらす。
四人はそろってジョッキの中身を一気に飲み干した。本土でも貴重品のビールだ。だが味わって
飲む気分にはならない。金ならある。それに、とにかく酔いたかった。

彼らが所属していた中隊は、前線で自らの五倍近い敵の反撃を受けた。戦争序盤の自衛隊であれば、
この程度の戦力差をひっくり返すことはそれほど難しくは無かっただろう。
しかし長期にわたる戦争で物資の補給が滞り、しかも敵はその事を理解していた。
戦闘団からの支援を受けてようやく敵を撃滅したとき、中隊は人員の八割を失っていた。事実上の
玉砕だ。上村が所属していた小隊も、今ここにいる四人と、野戦病院でうめいている二人を残して全滅した。
彼らが、再編のため後方のとある港町へと移動せよとの命令を受け、到着したのが今日。司令部に
出頭し、宿舎などの手配を受けたころにはもう日が暮れていた。
彼らには、とりあえず今日を含め四日の休暇が与えられた。
前線の垢を落とすため、そして仲間を弔うため、彼らが街の酒場に繰り出すのは当然だっただろう。

756 名前: 752 04/02/25 03:52 ID:???

「それ、あいつの手榴弾のか?」
上村の向かいに座っていた阿部一士が、細い金属棒を飯盒から摘み上げて、ぶら下げられた蛍光灯の
安っぽい光にかざしていた。
「ええ、武藤のです。」
「ったく、あの馬鹿には苦労させられたぜ」
右隣の、桑田士長がひきとる。
「あー、あいつは魔法やらなにやらが好きだったからなぁ。なーにが『ファイアボール』だ。お前が
もってるのはただの手榴弾だろっての」
「そういえばあいつ、敵の魔法使いの捕虜に小銃見せて『この魔導師の杖は〜』なんて演説ぶってたの、
知ってましたか?」
武藤と同期だった、佐竹一士が含み笑いを浮かべながら三人に言う。大きな、しかしどこかうつろな
笑い声が広がった。
「まったく、そんなこと言ってやがったのかあいつは。道理であの捕虜、俺らを嫌に尊敬した目で見てると
思ったぜ」
「普通科の職種徽章は一流の魔法使いの証、とでも思ってたんでしょうね、あの捕虜は」
「おーおー、いつから教育団は魔法使いの学校になったんだ?」
笑いながら、四人でジョッキをあおり、大声で次のジョッキを、ショットグラスを注文する。そして時折、
次第にぬるくなっていく満杯のジョッキと飯盒に目をやる。
視線が揺らめくのは酔いのせいだ。だからもっと飲まねばならない。
理屈にもなっていないことを考えながら、四人は酒を呷っていた。

757 名前: 752 04/02/25 03:54 ID:???

「おおーっ!」
後ろの卓からどよめきと拍手が上がる。
上村が振り向いた先の卓には、若い女の魔法使いがいた。六人ほどの自衛官の求めに応じ、
魔法使いは両手に浮かべた炎の色と大きさをさまざまに変え、彼らの目を楽しませている。
一人の自衛官がタバコをくわえると、その炎からしぶきのように光が飛び出し、寸分たがわずタバコに火をつけ

る。それでまた、どよめきと拍手。

――フラッシュバック。

撃っても撃っても向かってくる帝国兵。こっちの弾が無かろうが、人がいなかろうがお構いなしに突入
してくるやつらを必死に火制する。
ようやく鈍ったか、と思われるとき、「それ」はやってくる。
精神でも病んでいるかのようにぶつぶつと呟いていた魔法使い達の手にあの光が浮かび、そして
我々を襲う。次々と仲間が焼かれ、そしてまた襲い掛かってくる帝国兵。地獄のような戦場。
浮かんだ情景に、つい上村は理性を失った。

上村はゆらりと立ち上がると、振り向きざま魔法使いの肩をつかんで強引に床にたたきつけていた。
悲鳴をあげて床を転がる魔法使いには目もくれず、上村は低い声で目の前の自衛官達に言った。
「すまんが、魔法で楽しみたけりゃどこか別のところでやってくれ。少なくとも俺たちは、魔法なんてもんは
当分見たくないんだ」
言いながら、階級章をそれとなく見せる。彼らはいずれも一士だ。とりあえず、階級でおとなしくさせるに
越したことは無い。殴り合いなんぞしたら、警務隊が飛んでくる。
しかし上村と同様、目の前の隊員もしたたかに酔っているようだった。ひるむどころか、いっせいに
立ち上がってこちらを睨む。
「三曹どの?三曹どのの職務には、隊員の楽しみを奪うことも入ってるのですか?」
リーダー格と思しき一士が、やや呂律の回らない声で言った。上村は頭を振る。

758 名前: 752 04/02/25 03:55 ID:???

「そうじゃない。ただ、俺らみたいな前線帰りにゃ、魔法なんざ見たくないって奴もいるんだ。
だから控えてくれと言ってる」
「へえ、前線で、ひどい目にあった。だからこんなかわいい子が使っていようが何だろうが、魔法を使ってりゃ
問答無用でたたきつけて、その後に階級差見せびらかしてもっともらしく説教するわけだ」
……間違いなく、こいつらは前線を体験したことが無い。なら、今ここで何を言おうが無駄だろう。
前線に出て、もし命があれば彼らにもわかる時が来る。
上村は舌打ちを一つして、自分の卓に戻ろうとした。そのとき、ある言葉を彼の耳は捕らえた。
「ったく。大体魔法だなんてこんなタバコに火ィ付けたり色変えて遊んだりするような奴で殺られる奴の方が
どうかして……」
その後の言葉は、うめき声と嘔吐の音にかき消された。上村が振り向きざま、リーダー格の一士に
強かなボディブローを叩き込んだのだ。
「貴様……今なんと言おうとした?ええ?魔法使いに殺された、俺の部下が、上官が、仲間が、
みんなどうしようもない馬鹿だとでも言うつもりだったのか?おい!?」
グロッキーになったリーダー格の襟首をつかみ、振り回す。その横顔を別の一士に殴られ、その一士を
佐竹が床に叩きつける。
巻き添えを食らって蹴り飛ばされた魔法使いが怯えて他の卓の下に逃げ込むが、もはや彼らの
知ったことではない。
酒場を巻き込んだ騒動は、結局警務隊が彼らを取り押さえるまで続いた。

759 名前: 752 04/02/25 03:55 ID:???

「――これで現状の確認は終了です。明日改めて損害を確認した後、自衛隊が責任をもって賠償させていただ

きます」
数名の部下を連れた警務隊の一尉が、店の主人に一礼して酒場を去っていこうとする。この後、
隊に戻ってから書類をまとめ、司令部に報告しなければならない。考えただけで気が重い。
「あの……」
そのとき、小さな澄んだ声が一尉を呼び止めた。フードとローブをまとった、まだあどけなさを残した
魔法使いの少女だった。さっきの乱闘に巻き込まれたのだろう。どこか呆然としている。
「どうしました?」
一尉は、出来るだけやさしい声を返した。多少疲れた声ではあったが。
「あなた達は、私達を帝国から解放してくれた正義の軍隊だと聞いています。でも違うのですか?
本当はあなた達も、帝国のように私達からお金や食べ物を奪って、従わなければ力ずくでも
従わせようとするのですか?」
一尉は苦笑した。まったくあいつらは何をしでかしてくれたのだ。隊に戻ったらこってりと絞ってやらなくては。
「――すみません。変なことを言ってしまいまして。でも、あの時私を放り投げて殴り合いをしていた
あの人たちが、帝国の兵隊の人たちの様子にそっくりだったのでつい。本当にすみませんでした」
少女はそう言って、ローブをかき合わせて去っていこうとする。その背中を、一尉は呼び止めた。
「私達は正義の軍隊でも何でもなく、ただの人間の軍隊です。だから、帝国みたいな真似をしてしまうことも
あるかも知れません。ですが――」
そこで、一尉は一旦言葉を区切った。
「私達は、帝国よりほんの少し世の中についてよく知っています。皆と仲良くしたほうがいい事を
知っています。あなたを放り投げた人もそれを知っています。私が言えるのはこれだけです。
おやすみなさい。夜道気をつけて」

760 名前: 752 04/02/25 03:56 ID:???

彼らに下された処分は三日間の営倉暮らしだった。上等な寝床とはいえないが、警務の連中と
上官に絞られることを考えに入れても前線より大分マシなものだった。
休暇は潰れたが、どの道寝るか、せいぜい飲みにいくかしてすごす予定だったのだ。大して
予定と変わったわけでもない。ただ外に出られなかっただけだ。上村はそう思うことにした。
営倉明け、上村は中隊本部に呼び出され、小隊の補充人員が到着したから早速編成と訓練に
取り掛かれ、との命令を受けた。幹部の補充は無く、しばらくは上村が小隊長代理を勤める羽目に
なりそうだった。
拝命して中隊本部を出、小隊のテントに戻った上村は、その場の異様な雰囲気に足を止めた。
テントの前で、九人の隊員が三対六に分かれてにらみ合っている。三人の方は、よく見知った小隊の
生き残りだ。問題なのは、残り六人にも見覚えがあるということだ。
あいつら、よりにもよってうちの小隊だったのか。
警務隊が来る前に、もう少し殴っておけばよかったと、上村はわずかに後悔した。殴られた左の
頬がわずかにうずく。なかなかいい拳だった。
まあ、ひょろひょろした奴が配属されるよりマシだろう。あいつらなら、とりあえず気合を入れれば
何とか使える「兵士」になりそうだ。
そんなことを考えながら、上村は一触即発の九人の前に足を踏み出した。

761 名前: 752 04/02/25 03:56 ID:???

一人の肩に手を置き、目を見開いて上村は言った。
「うちの小隊にきた補充ってのは、お前らか?」
その姿勢のまま、六人の目を一人一人見ていく。無言の圧力。
「自分が本小隊の小隊長代理、上村三曹だ。本小隊は我々十人と――」
そういって、上村は迷彩服のポケットに手を入れた。
「ここにいる、パトロールに出たきり戻らない馬鹿野郎たちで編成されている。我々の任務はこの
馬鹿野郎たちを一刻も早く前線に探しに行くことだ。わかったか?」
「ハイッ!」
返事だけはちゃんとそろっている。どうやら教育団も、最低限の教育くらいは施してあったらしい。
「わかったなら全員、完全装備の上五分後にここに集合!その後宿営地を一周!最後尾のものは
腕立て伏せ一セット!かかれ!」

慌しく、新入りがテントに消えていく。その気配を耳で感じ取りながら、上村は手にもった飯盒の
蓋を見つめた。中には、雑多な「がらくた」が入っている。
――敵は取る。だが、お前らの仲間を増やすのはごめんだ。
港町の風を浴びながら、迷彩服の男達が罵声をあげながら走っていた。





140 名前: 名無し三等兵 04/02/27 01:32 ID:???

>>137
ありがたや。それでは

BEASTHANDLER
 「先生、ちょっと先生聞いてます?」
目的地に向かう車の中でついウトウトと
まどろんでいた私はその声にフッと目を覚ました。
まだ眠気を引きずる意識を持て余しつつ眼を開け、
ささやかな午睡の時を妨げた張本人に反論する。
「寝てたわけじゃないよ新藤さん、目をつぶってただけさ。」
「どっちも同じです。」
言い訳無用とばかりにその若い女性はきっぱりと言い放つ。
私付の編集者である新藤玲子だ。
ショートに切り揃えられた髪、のりの効いたスーツと
見た目からして生真面目なオーラを発している。
「せっかく先方に取材を申し込んだんですからもっと
しゃきっとしてください」
黙っていればどこのご令嬢かとの細く
目鼻の通った顔は今は不満げに歪められている。
「第一最近は取材の許可とるのも楽じゃないんですから・・・・」
確かに我々がこちらの世界に飛ばされてからは自衛隊に対する
取材許可はそう簡単に降りることは少なかった。
特定の部隊や個人を題材にした
ノンフィクションものを書こうならなおさらだ。

141 名前: 名無し三等兵 04/02/27 01:36 ID:???

>>140の続きです
私は速水恭也。
主に社会問題などを書いてる若手のノンフィクション作家だ。
そもそも今回の自衛隊への取材もその作家活動の一環なのだ。
きっかけはデスクの一言だった。
自衛隊の長編ノンフィクションものを書いてみないかというのだ。
自衛隊や国外への派兵に関するエッセイなどは何度も新聞や雑誌に
寄稿していたが長編のノンフィクションは私も書いたことがなかった。
それなのに私が二つ返事で快諾したのはきっとおもしろいものが
書けるという確信と純粋に物書きのとしての好奇心からだった。
それに読みきりやエッセイ主体の依頼が
多かった私にとっては初めての大きな仕事といってよかった。
そんな割のいいオファーを蹴る筈が無い。
「しかしまた辺鄙なところだね、景色は綺麗だけど。」
「せめて風光明媚といってください。」
新藤さんがステアリングを操るフェアレディZは
琵琶湖に面した遊泳場を横目に軽快にひた走る。
「で、どうなんです先生?今回の仕事。」
「君は聞いてるんだろ大体のことは?」
「ええ、うちは本の出版も前提に考えていますから。」
「そりゃありがたい。実は前から長編ノンフィクション
 で一冊出してみたくてさ」
「デスクも今回の仕事にはかなり期待してるようですし。」
というのが彼女の弁だ。

142 名前: 名無し三等兵 04/02/27 01:39 ID:???

>>141
もし開戦直後だったらこんなものを出版すれば左つむじや
自称人権派といったお歴々からやれ
戦争賛美だの何だのと間違いなく総スカン
を食らう羽目になるところだったろうが今や世論は
派遣肯定、この世界での日本の主導的立場をといった
方向に徐々に傾いている。
十年近くも続く戦争に国民も感覚がすでに麻痺しているのだろう、
開戦当初はあれだけ派手だった反戦運動も今やかなり下火だ。
休日のたびに行われていた反戦デモも
今では十数人の若者や主婦などが役所や駐屯地の前で
ピケを張るぐらいだ。
まあそれも数分もしないうちに警察か
自衛隊の警務隊に取り押さえられるのが常だったりするのだが。
マスコミも当時はアレだけ騒いだのに国民の戦争への関心が
失われたと知るや戦争など無いかのように政治家の不祥事や
タレントのゴシップを追うのに血道を挙げている。
今や国民はこちらの世界に飛ばされる前と
変わらぬ生活を送るようになっている。
そう、我が国が未だに世界のほとんどを敵に回し戦争
を状態にあることを忘れたかのように・・・・・・・
結局のところ自分たちがよけりゃよそ様のことは
知ったことじゃない、そういうことなのだ。

143 名前: 名無し三等兵 04/02/27 01:42 ID:???

>>142
「先生、そろそろ着きますよ」
運転を任せている新藤さんが促す。
見ると景色は琵琶湖の沿岸からのどかな田園風景に入った。
直に前方に四方をフェンスで覆われた広大な敷地が見えてくる。
あれが目的地の西今津分屯地だった。
ゲートには迷彩服と鉄帽に身を包んだ
自衛官達が64式小銃を手に警備に当たっている。
側面にはコンクリートの掩体が築かれ
実包を装填されたM2重機関銃が鈍い輝きを放っていた。
車はゲートの前で彼らの制止を受け、詰め所から
数人の自衛官達が保安確認のため近づいてくる。
「失礼ですが身分証のご提示と当駐屯地
へのご来訪の目的をお願いできますか?」
おそらくこの中の最先任であろうと
おぼしき2曹の階級章をつけた自衛官が訪ねてくる。
鉄面皮といった形容詞がぴったりくる青年だ。
慇懃な態度の中にも警戒を隠そうとしない。
胸の名札には木村とある。
「角沢書店の速水と新藤です。取材でお伺いしたのですが」
防衛庁の担当者にまえもって渡されたIDカードを示しながら告げる。
すると当の二曹は先ほどの鉄面皮はどこへやら、
急に破顔しながら話しかけてくる。

144 名前: 名無し三等兵 04/02/27 01:45 ID:???

>>143
「ああ、速水さんですね、お話は伺ってます。」
聞けば私のファンだという。こんな自分にもファンがいる
と思うと少々照れくさかったが。
「あの失礼ですが車から降りていただけますか?」
私達はそれに応じ車から出た。
すると、ほのかに覚えのある匂いが鼻をつく。
腐った卵のような匂いとでもいうのだろうか
そう、あの温泉独特の硫黄の匂いだ。
この近くに温泉でもあるのだろうか?
そんなことを考えながらほかの隊員達が柄のついたミラーで
車体下部のチェックや車内、トランクの点検をする間私達は車外で待たされた。
「後はボディチェックのご協力を願います
 申し訳ありません、これも規則ですので。」
木村二曹が申し訳なさそうに告げる。
駐屯地に入るのだからまあ当然の措置だろう。
「ええ、どうぞチェックなさってください。
ちなみに、その担当の方はどこに?」
見るところ警備の方々は車のチェックに
かかりっきりで手があいているように見えないのだが・・・
「もうすぐくるはずなんですが・・・
 ああ、きました彼らです。」

145 名前: 名無し三等兵 04/02/27 01:50 ID:???

>>144
木村二曹が指す方向を見ると
ちょうど一人の隊員がゲートから出てくるところだった。
見るとその隊員は一匹の警備犬を伴ってる。
しかし彼が伴っている警備犬に私は奇妙な違和感を覚えた。
うまく口では言い表せないがなんと言うか自分の
本能が危険を告げている。そんな感じだ。
それは新藤君も同じらしく不安げに一人と一匹を見つめている。
「すみません、あれは?・・・」
新藤君の問いに木村二曹が答える前にハンドラーから何事かの指示を受けた
その警備犬は我々の方にすっと近づきしきりに匂いをかぎ始める。
彼は息がかかる様な間近まで近づき私達を熱心に品定めを始めた。
すると、またさっきかいだのと同じ微かな硫黄臭が私の鼻をついた。
どうやら匂いの主は彼らしい。
警備犬から硫黄の匂いがするというのも変な話だが
おそらく火薬の匂いの類だろうと私は自分を納得させた。
だがそんな疑問は彼の姿をよくよく見るとそんな疑問は一瞬で吹き飛んだ。
間近でよく見てみるとやはりその警備犬は普通の犬とは明らかに違って見えた。
まず足だ。
普通の犬とは違いまるでチーターのような鋭い爪が生えている。
それでいて足はアフガンハウンドのようにがっちりとしており、山野を相当な
スピードで駆け回れるであろうことを容易に想像できた。
発達した犬歯、ピンとたった耳、鼻立ちの通った顔
といった特徴は猟犬というより狼といったほうがしっくりくる。
それに雰囲気というか、存在感が明らかに普通の犬などとはかけ離れている。
そうまるで研ぎ澄まされた刃のような
に鋭利でありながら他者を寄せ付けない野生の猛々しい気配。
 魔狼。彼にはまさにそんな言葉が相応しかった。

146 名前: 名無し三等兵 04/02/27 01:53 ID:???

>>145
ペットに詳しいほうではなかったが私が知ってる
どの犬種にも該当しないタイプの犬だった。
外国産かとも思ったが周知のとおり我々は
この世界に飛ばされて以来、海外産のペットという
ペットは当然輸入は不可能になったのだ。
ではこの警備犬は一体・・・?
私が彼(いや彼女かもしれないが)の正体に一喜一憂している
うちに彼は我々が招かれざる客ではないと理解したのか
ハンドラーの元に戻り、一人と一匹は来たときと同じように
ゲートの向こうに消えていった。
呆けたように彼らを見送る私達に木村さんが声をかけてくる。
「彼らをご覧になったのは初めてのご様子ですね。」
「ええ、資料なんかで知ってはいたつもりだったんですが
 実物を見たのは今日が初めてです。」
「そりゃそうでしょう、内地じゃヘルハウンドに
 お目にかかることなんざそうあることじゃありませんからね」
「じゃあ、あれが・・・」
新藤さんの言葉に応じ木村二曹が続ける。
「そう、彼らが俗に言うビースト・ハンドラーってやつです。」


788 名前: 何となく思いついた。 04/03/05 00:34 ID:???

空を飛んで迫り来るドラゴンゾンビ。抵抗者達は城の上部や地上から激しい
攻撃を浴びせかけるが、その進撃は一向に止まらない。

それでもなお戦わんとする彼らに与えられたのは、腐肉と骨片、そして
ドラゴンを動かす原動力、呪われた力の宿った体液のシャワーだった。
増援の航空機による爆破時には、汚染は城とその周辺の水源にまで及んだ。

後にこの事件の死傷者数を調べた結果、直接ではなく間接的原因 (血液や腐肉を
浴びたり、呪いや細菌に汚染された水を使用しての病気) による被害が約一割に
上った。 彼らはこの結果に恐怖した。このゾンビが攻撃兵器としてではなく
汚染兵器として使用された場合、その被害は恐るべき物となる。

しかもタチの悪いことに、このゾンビは別に汚染が主目的ではないのだ。
劣化ウラン弾の様な物で、長期的汚染は目的として二の次だから規制しようにも
言い逃れされると厄介である。(ゾンビや呪的兵器・戦術全てを規制するなど
まず不可能、というのもあった) 彼らは対抗手段として、規制ではなく瞬間
破壊による被害の極限を望むようになった。つまり「撒かれる前に殺れ」である。

こうした発想を元にして考案された兵器の中に、凍結爆弾(液体窒素や液体酸素を
ぶちまけ、相手を凍らせる爆弾。コストや拡散性からゾンビ兵団など、前線に
出てくる多数の小目標を対象とする)やメガ・レーザー砲
(大出力レーザーでもって対象の大半を一瞬で「焼き払う」兵器。冷凍の
効きにくい飛行する敵や、大型目標に使用。機動性の問題から前線用に
小型化された車載型、都市や水源など固定の重要施設を守る巨大固定型などの
バリエーションがある。)が考案されたのは全く当然の事と言える。

これは余談だが、メガ・レーザーの自衛隊での略称はメーザーである。
ちなみに民間では、一部世代の間では濁点を付けないのが流行らしい。



101 名前: 名無し三等兵 04/03/07 17:43 ID:???

「これが三菱 F/A-3?」

「はい。まぁ、見た目はあまりよくないですが。性能もそこそこ‥それより整備性と生産性です。
こんな世界ですからね。制式化までまだかかりますが。」

「うむ‥F-15Jがオーバースペックすぎてモスボール処理対象になっているくらいだ。しかたない
のかもしれんが‥これはF-4EJに比べてどうなのかね?」

「空中給油はできますよ。それと‥頑丈です。」

「そういうことか‥」

「そういうことです。まず最初に目指したのは和製A-4ですから。」

「三菱F/A-3、民間中古の旅客機改造機、C-1改、YS-11改、VADS2改、そのうえ高射砲をつかった
過般対空システムGADS!『改』とは聞こえはいいが、その実は量産性を引き上げた再生産型!
『貴様、俺の航空自衛隊をどうするつもりだ!?』と叫びたくなるな。」

「同感です。が、海サンも同じです。新型フリゲート艦の整備に躍起ですから。ありゃまさに
前世紀の海防艦ってやつですよ。すごい勢いで数を揃えてる陸サンだってそう変わりません。」

「あれからずいぶん変わったな。もう10年以上経つのか‥」


召喚後十数年、こんな感じで装備の点では退化していく自衛隊‥



604 名前: 601 04/03/21 13:11 ID:???

巨大海洋生物の動きがおかしい。その情報は複数のルートから防衛庁にもたらされた。
この季節、日本周辺の巨大海洋生物は旧オホーツク海に集結する。F世界の
海洋生物の中には巨大イカや巨大タコ、果ては巨大サンマなど様々な物がおり、
その中には天変地異を起こすようなものもいる為、国土防衛の任を帯びるものとして、
常に防衛庁が監視している。まだF世界の詳しい生態系が明らかになっていないため、
貴重な情報が得られるこの時期の旧オホーツク海は、当然のことながら防衛庁の
大きな興味を引く時期であり、あちこちで様々な艦種がの船が航行していた。
例年通りの大移動がにわかに混乱の様相を見せ始めたのは、防衛庁に第一報が入る
半日前の事だった。F世界における日本の同盟国であるジュピテニア王国からも
ほぼ同時に大使館を通じて異常が起きたことが伝えられ、更には現在休戦中の
神聖イリストニア王国からも外務省に連絡があった。生物達の動きは確かに
異常だった。いつもならなら大人しく回遊しているはずの巨大鮫があちこちを
右往左往し、巨大トビウオはせわしなく海面に泡を立てて飛び交っている。
鯨同士の音による会話で、護衛艦のソナー手は大忙しになっていた。どうやら
すべての生物達が一匹の生物を捜索しているらしい。海上自衛隊の隊員の間では、
海洋生物がクーデターに失敗して逃亡し、追われているのだろうというのが
もっぱらの噂だった。

605 名前: 601 04/03/21 13:11 ID:???

外務省はこの辺りの海を統治するポセイドニア王国
(ちなみに国民の99%以上は人魚である)に特使を派遣し、情報を入手しようとしたが、
王国側は知らぬ存ぜぬの一点張りだった。ただ帰り際、王国側が非公式に特使と
接触し、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡の海洋生物の出入りを厳重に監視するよう
要請があった。形の上では依頼あるいはアドバイスだったが、日本側は実質的な命令と
受け取った。決定的な情報を王国が握っている以上、日本側は黙って従うしかない。
海上自衛隊は宗谷海峡の西側、対馬海峡と津軽海峡の東側に対潜バリアーを張った。
P-3Cが交代で哨戒飛行をし、その内側では水上艦艇が警戒配置に就く。航空機や艦艇から
機雷を敷設する準備も密かになされた。「巨大海洋生物は日本海に絶対に入れない事、
ただし殺してはならない。平和的手段で追い返すこと」ポセイドニアはそう高飛車に
要請してきた。ジュピテニア海軍、イリストニア海軍も最大級の警戒態勢に
入っているようだった。どうやら日本の周辺で、とてつもないことが起こっているらしい。
自衛隊や防衛庁では緊張が走った。


606 名前: 601 04/03/21 13:12 ID:???

戸から飛び立てば、津軽海峡はすぐ目の前である。
「しっかし、なんたってポセイドニアの言いなりになっちゃうんすかね。
あれじゃアメリカに頭下げてるのと買わんないっすよ」
「ま、ポセイドニアに嫌われると漁師の仕事が無くなっちまうからな。
上も下手に事を荒げたくないんだろ」
「はぁ…結局何処に行っても弱腰な状況はかわらんのですね…」
「情勢を読んで態度を変えるのも立派な戦術だよ。ほら、そろそろ哨戒区域だ。
無駄口は叩くな」
P-3Cの機内で、TACOの2佐はレディオ(通信員)の3尉をたしなめた。
今回の任務は対馬海峡の閉鎖のための哨戒。ROEには『海峡を通ろうとする生物が
居れば「警告」を発し、状況によっては「実力」の行使も行って構わない』とあった。
こんな指令、元の世界に居たら絶対に出ないだろう。なんだかんだいって政府も
変わったものだ。
「オンステーションしました」
P-3Cのパイロットが哨戒区域に入った事を宣言した。


607 名前: 601 04/03/21 13:13 ID:???

了解。オンステーション電報発信します」
レディオが応じた。P-3Cでは通信員は航法士を兼ね、前部胴体のバブルウィンドウに位置し、
見張りも行う。通路を挟んで反対側にはTACOと呼ばれる戦術員が位置している。
いったん対潜作戦が始まれば全般の指揮を執るのはTACOである。
機体によってはパイロットではなく、TACOが機長になることも少なくない。
哨戒区域に到着して先ずする事は、ソノブイのチャンネルをすべて試して、先に
哨戒を終えた機体が投下したソノブイがまだ生きてないか調べる事である。続いて
巡航高度から高度7500ftまで降下して、BTブイを投下する。
「BTブイ、ドロップ」
TACOが言った。武器員が窓から身を乗り出すようにして海面を監視する。
「着水確認」
「パッシブ、ドロップ」
続いてLOFARと呼ばれるパッシブソノブイを投下する。LOFARはパッシブの為、目標までの
距離も方位も分からない。しかし複数の情報を付き合わせれば、位置も特定できる。
今回の任務は津軽海峡の東にバリアーを張ってキングクラーケンを待ち受ける事なので、
P-3Cは畑に種をまくように直線飛行しながら一定の間隔でLOFARを投下していった。
折り返してもう一本の畝にソノブイを植えつけると、それまでの8000ftから18000ftまで
上昇する。後は奴さんがブイの網に引っかかってくれるのを待つばかりだ。



608 名前: 601 04/03/21 13:14 ID:???

「おいでなすった…!」
哨戒を始めてから5時間後、センサー1の隊員が叫んだ。
「チャンネル5にコンタクト!」
海面に投下したソノブイの1つが初めて巨大生物らしい海中音を捕らえたのである。
「TACO、パイロット。チャンネル5を中心にファイブブイパターンで飛行」
P-3Cの翼が、指定されたパターンをとるためにクルリと翻る。
「センサー1、目標はチャンネル5に近づいてきます!」
「パイロット、TACO、DIFARいきます!」
TACOが戦術の変更を伝えた。DIFARはLOFARより探知距離が短い代わりに、指向性が
あるので目標の方向が割り出せる。
「これは…」
目標の音響データを分析したセンサー1が呟いた。防衛庁の旧オホーツクにおける
監視の成果である、海洋生物の音紋のデータベースに照会すれば、種類や時には個体まで
特定できる。
「どうした?」とTACO。


609 名前: 601 04/03/21 13:14 ID:???

「キングクラーケンです!しかもこいつはポセイドニアの近衛騎兵隊に所属している奴だ!」
P-3Cの機内に緊張が走った。ポセイドニアは正規軍の他に、王室直属の近衛軍を
保有している。キングクラーケンは近衛軍の騎馬の役割を果たしている。しかし輸送力は
騎馬の比ではなく、その気になれば連隊規模の部隊を1匹で展開させることも可能だ。
それが何の前触れもなしに、日本近辺の閉鎖海域に近づいている!?いったい何が
起こっているんだ。海面に投下されたDIFARが目標の方向を示す。P-3Cのコンピュータは、
複数のLOFARとDIFARの探知から目標の位置と速度を割り出して、TACO席のディスプレイに表示した。
目標は速度約20ktで津軽海峡に向けて進んでいる。P-3Cの得たデータは、リアルタイムで
八戸のASWOC(Anti Submarine Warfate OperationalCenter)へと送信されている。そのため
基地もキングクラーケンの探知を同時に知り、興奮と緊張に包まれた。キングクラーケン発見の
情報は直ちにポセイドニアに伝えられた。それに対して打てば響くように、「攻撃するな。
脅して進路を変えさせろ。絶対に日本海には入れるな」との指示があった。P-3Cは
キングクラーケンの前方、約3kmの海面に対潜爆弾を1発投下した。もし撃沈するのなら、
もっと低空に降りてMADで位置を絞り込んでからホーミング魚雷でしとめる所である。
突然の爆発音に驚いたのか、キングクラーケンはいきなり方向転換すると約30ktまで増速して
南に向かって遁走し始めた。

610 名前: 601 04/03/21 13:15 ID:???

P-3Cはキングクラーケンのコースの周りを飛行しながら、その予想進路の周囲にソノブイを投下し、
コンタクトを維持し続けた。最初のP-3Cの燃料が尽きる頃には、交代のP-3Cが現場に到着していた。
キングクラーケンは本州の太平洋岸を回り込むように高速で突っ走り、それを海自のP-3Cが追跡する。
キングクラーケンが房総沖に達した頃には厚木のP-3Cが追跡を引き継いだ。驚いた事に、
逃走するキングクラーケンの後をポセイドニア海軍の帝王イカ15匹と鯨ザメ5匹が高速で
迫っているのが探知された。ポセイドニアは「キングクラーケンだけを追跡し、他には構うな」
との指示があった。横須賀の第一護衛隊群の護衛艦も、房総沖でキングクラーケンを
待ち構えていた。しかしキングクラーケンの行動は常識を超え、海中を30kt近くで突っ走りながら、
ジグザグに走り回った。それは計算された戦術というよりも、狼の群れに追い回されて死に物狂いで
逃げる鹿を連想させた。キングクラーケンは発見から丸1日後には紀伊半島の南に達した。
キングクラーケンが日本本土に近づこうとするたびに、P-3Cは爆雷で警告した。
青森沖で始まった大追跡劇は、種子島の西約100kmの所で突然の終幕を迎えた。キングクラーケンが
いきなり浮上して、助けを求めるように海自の護衛艦に接近してきたのである。どうやら逃走中に
怪我をしたらしく、足が1本もげてしまっていた。
護衛艦は直ちにキングクラーケンに運ばれていた人間を保護したが、その姿を見て護衛艦の乗組員は皆
仰天した。なんと、ポセイドニアの皇太子だったのである。



611 名前: 601 04/03/21 13:16 ID:???

その後、皇太子とキングクラーケンは接近してきたポセイドニアの帆船に引き渡され、そのまま
何の説明もなしに帰ってしまった。この数日間の出来事の真相は約1年後にポセイドニア海軍の
練習艦隊が佐世保に寄港した際、非公式に日本側に伝えられた。
それによると、皇太子は以前日本に立ち寄った際に会った通訳の女性に一目ぼれし、
何とかもう一度話がしたいと居ても立っても居られず、大移動にまぎれて近衛軍のキングクラーケンを
拝借して日本にひそかに上陸しようとしたらしい。しかし、王室がその様な行動を許すはずも無く、
何とか表ざたにしないように日本への上陸阻止を図ったのである。その話を聞いた関係者は
皆失笑し、年配の幹部は「若いってのは羨ましいなぁおい」などと冗談めかして語り、しばらくの間
この話は自衛隊内で伝説となった。

ちなみにその後皇太子はめでたく某日本人女性と結婚し、後世に語り継がれる名君となったが、
それはまた別の話である。





126 名前: 名無し犬 04/03/25 01:49 ID:???

どうにか動かせた右手で、腰のケースに入った鉄塊を引き抜き、左肩に押し付ける。
鉄塊越しに硬い感触がある。
それは自分が人として生きていく為に、顔もみたことの無い母が残したものだ。
本来手首にはめられ、自治体の許可無くしては外すどころか位置をずらす事もできない金属の環が、
血でまだらになった制服の下に有った。
それは死に瀕した今でも自分の本性を縛り付け、封じている。

「オジ…サン?」

声の主は地震の起きた瞬間、無理やり机の下に押し込んだ家出少女だ。
補導した時はひどく暴れたが、今は借りてきた猫のようにおとなしい。
この状況では仕方ないか。
彼女は、自分がこの状況に絶望し自殺するとでも思ったのだろうか、倒れた体から右上の方から心配そうな声がする。
瓦礫のせいか半ば固定された視界の端には、少々ケバイ化粧をした顔がある。
震えているのは無理に顔を向けているせいだけだろうか。
涙で化粧がぐちゃぐちゃだった。
泣き顔を見るとまだ子供なのだとよく分かる。
元は良いのに勿体無い。
でも、何年か後が楽しみでもあるな、などとのん気に考える。
そうでもしないと、これからやろうとする事の恐怖に押しつぶされそうだった。
事実、既に両足は潰れている。

はは

こんな時に冗談を思いつくとは思わなかった、センスが無いことこの上ないが。

127 名前: 名無し犬 04/03/25 01:52 ID:???

痛みなど通り越して気分が悪い、吐きそうだ。
それでも自分は笑った。
警官の仕事は犯罪の抑制でも犯罪者の捕縛でもないと教えられた。
自分もそう思う。
だから笑う。
少女を安心させるために。
何も心配は要らない、とでも言うように。
これが自分の仕事だ、とでも言うように。

「耳を…押さえて、口を軽く開けていなさい。目も閉じていたほうが良い」
「…うん」

恐怖のためか意外に素直に言うことを聞いてくれた。
できるものなら少女の頭の一つも撫でていたのだろうが、残念ながら動くのは拳銃を握った右手だけ。
だから引き金を引いた。

128 名前: 名無し犬 04/03/25 01:54 ID:???

銃弾が"入国許可証"を引きちぎり肩の肉をえぐり、骨を貫く。
肩を貫いた弾が背後の床で跳ね、もう一度、肉に食い込む。
崩れた建物の隙間は狭い。
跳弾から少女を守る目論見は当たったが、そんなことを考える余裕は無かった。
言葉にすらならない。痛みという熱が脳に直接来た。
区別なんてつかない。痛くて熱い。熱くて痛い。
痛いのは苦手だ。もう一人の自分が目を覚ます気がするから。
痛みで視界と意識が白くなる。

「ぐ」

が、二十数年間押さえつけられ続けた肉体の本能が開放された。
(犬の…お巡りさんとは、よく言ったものだ…)
全身から獣毛が伸び、鼻面が前にせり出す。
骨格が組み変わり、筋肉が作り変えられる。
潰れた手足は主人の下へ還る。
生きるために。



市民の平和と生活を守る。
ただそのためだけに。




907 名前: 名無し三等兵 04/04/06 10:50 ID:???

乙。

と、ここで妄想。

燃料不足で悩む前線の自衛官たち。
ある日、一人が言い出した。
「そう言えば、燃える魔法鉱石(←ニックネーム)があったよな。あれ使えないか?」
そこで、魔法鉱石をなんとか液化しようと悪戦苦闘する自衛官。
しかし、水にも油にも上手く溶けてくれない。
なにか抽出できるかと思ってフライパンで炙ってみたが、突然発火する始末。

挙句の果てに、いつ摩擦熱で爆発するかとヒヤヒヤしながら磨り潰して粉末にし、
通りがけの村で購入した蒸留酒に混ぜてコロイド溶液にしてガソリンタンクにぶち込む。
「こんなことして大丈夫か?」
「知るか。燃料切れで鉄屑になるよりマシだろ。」

なんとか動くようになった自衛隊車両。しかし次第に調子が悪くなっていく。
それでも騙し騙し動かしながら作戦を完遂し、本国に凱旋する。

後日、とある車両整備係が愚痴る。
「一体どんな使い方したんだよ。燃料系統が廃品同然じゃないか!」



139 名前: 名無し三等兵 04/04/11 00:05 ID:???

「明後日、我が大隊は撤退することが決まった」
「は?」
「各員、荷をまとめておくよう通達しておけ」
「…隊長殿、全ての機材を片付けるまでには一週間かかります」
「置いていく」
「!」
「今朝、日本政府からこの国の政府に全ての機材を委譲するよう通達されたよ」
「難民のために浄水車を置いていくのは…了解しています。
…まさか、車両のみならず、武器弾薬までとはいいませんよね…?」
「そのまさか、だ」
「…」
「我々はC-130で帰ることになるのだが…」


141 名前: 名無し三等兵 04/04/11 00:11 ID:???

「…」
「同日中に、各隊も撤退しなければならないため、とてもではないが…」
「……………………隊長殿、それは、人質事件の事でありますか」
「……そうだ」
「…」
「日本政府は犯人の要求をのんだそうだ」
「……上は、国民の血税のかたまりを棄てろ、と、言ったのですか」
「委譲する、だ」
「同じ事です! 奴らに明け渡したら…」
「同盟国、だ」
「…! 彼らが、我々が長く留まっていることを、それも、接触当時から…快く思っていないのは…理解しています」
「…」
「お忘れですか? 彼らが使う儀式魔法に…」
「複製かね?」
「……あのような邪道、反則です! もし、量産されたら…」
「撤退だ」
「人員不足で、現地の志願兵に、色々と教えてしまいました!」
「撤退だ」
「…たかが3人の人質のために!」
「口を慎め。撤退だ」
「今日まで戦ってきた意味は!?」
「無いな。撤退だ」
「…死んでいった仲間達に、なんと詫びれば良いのですかっ!?」
「謝れ。撤退だ」
「……! ……っ……ぅ…………うううぅぅああああああ…………」
「…………涙が止まったら、各員に通達しろ。時間が無いぞ」
やがて、泣き止んだ部下は、肩を落として退室していった。
「……畜生」
隊長は誰もいなくなったことを確認してから一言、毒づいた。


658 名前: 暇だから適当に。 04/04/18 19:23 ID:???

ある自衛隊駐屯地。

宿舎から出てきたのは前野一士。
「あ〜。休みの日は暇だな」
そこにやってくる真っ白な犬。
「ふん。野良犬か。よし、眉毛を書いてやろう」
懐からマジックを取り出し、犬にむりやり眉毛を書く。
「よし。なかなか男前になったぞ!!ぷぷぷ」
大笑いしながら、その場を立ち去る前野一士。それを眺める犬。

数日後

上官に呼ばれる前野一士。
「今度、お前の直属の上官になるワ−ウルフの竹田三尉だ」
そこには白髪なのに、海苔みたいな眉毛をした男前の青年。よく見ると黒のペンで書かれている様だ。
物凄い物騒な気配を伺わせる歪んだ笑顔を見せる竹田三尉。
「久し振りだな。この眉毛、似合うかね。前野一士」
そういって野生仕込みの殺気を放つ。
「あ!!(やべっ!あん時の犬!?)」
「知り合いかね。竹田三尉」
「はい。彼とは宿舎の前で合いまして、この駐屯地の礼儀と言う物を教わりました・・・」
ゆっくりと前野一士に近付く竹田三尉。おもむろに手を肩に置く。
「この間は眉毛をありがとう。在任中にも世話になる事があると思うが、よろしく頼むよ」
前野の肩からミシミシと嫌な音が聞こえた。

つづく?



111 名前: 前スレ946 04/04/25 01:09 ID:???

プロローグ

日本列島が時空転移して3ヶ月、日本は深刻な食糧難に襲われていた。

政府はこの事態を打開すべく農水省・生産局を中心にプロジェクトチームを結成し、
食糧の確保に当たることとなった。
しかし、長らく農業を疎かにしてきた日本では、
自給率を即時に上げることが難しい事は明白であった。

そのような中、この事態に敏感に反応し、多大な発言力をつけた農水省・総合食料局が
未知の大陸からの食料輸入を提唱。
職業柄食料に携わっている市場関係者がこれに呼応し、総理大臣の後ろ盾・国民の期待もあってか
「食料輸入機関(FIO)」が設立された。

このストーリーは一人のFIO職員の姿を通して、初代輸入交渉隊の波瀾万丈な体験を綴っていく物である。


180 名前: 175 04/04/25 22:12 ID:???


ごおぉぉぉぉぉぉぉ・・・
CH-47JA輸送ヘリコプターが紡ぎ出すローターの爆音がキャビンを包む中で、浅野光輔一等陸曹は
じっと前を見つめていた。
背中に負った背嚢が演習のときとは違う重さに感じる。少しでも気分を落ち着けようと、
後ろの窓から外を覗いてみるが、CH-47JAが発する衝突防止灯以外の光は無く、眼下に広がるのは
漆黒の闇だけ。頭に装着した個人暗視眼鏡も作動してない。
辺りを見回してみる。
隊員は自分を含めて6名。これから行われる作戦の規模からすれば妥当な数字なのだろうが、
集団行動に馴れた身とすれば少々心許なく感じる。隣に居る竹内二等陸曹も心境は同じなのか、
手元の89式小銃を不安げに見つめていた。

「ふぅ・・・」

深呼吸。これで緊張がほぐれるわけではないが、何かしていないと落ち着かない。

(こりゃいけないな・・・)

浅野は苦笑した。これじゃあ精鋭、陸上自衛隊・特殊作戦群の名が泣くというものだ。


181 名前: 175 04/04/25 22:13 ID:???

「怖いか?」

竹内陸曹とは逆隣の方向から聞こえてきた声の主は、このチーム、作戦分遣隊ODA551・
コード名タイガー01のリーダー、遠藤竜太郎二等陸尉だった。温和そうな顔つきからは
想像もつかないが、彼はこれまで様々な作戦に従事してきた歴戦の猛者である。
その実力は折り紙つきで、この作戦が計画された時「彼だけは絶対に参加させろ」と言われたほどだ。

「いえ、そんな事は決して」

「嘘つけ。落ち着きが無さすぎるんだよ」

どうやら彼にはすべてお見通しらしい。浅野は観念した。

「・・・はい。正直、怖いであります」

遠藤はにやりと笑うと、浅野の頭をテッパチ越しにポカリ、と叩いた。





182 名前: 175 04/04/25 22:14 ID:???

「・・・何するんすか」

遠藤の不意打ちに浅野がじと目でにらむ。しかし、遠藤はなにか諭すようにうんうんとうなずくと、
浅野の目を真っ直ぐ見て言った。

「それでいいんだ、若造」

そう言う遠藤の表情にもはや笑みは無く、ただ指揮官、あるいは兵士としての覚悟のみが浮かんでいた。
その顔に、何か嫌な事を思い出した時のような、静かな悲しみを見た気がして、浅野は我知らず
目を離していた。遠藤は、過去に何を経験したのだろうか?

「ま、あんまり深く考えんな。ただ教えられた通りやればいい」

彼はそう言うと、後は何も言わず席に深く腰をかけ、瞑想するように目をつむった。

(教えられた通り・・・ね)

そうは言っても、訓練通りに行くかはいささか疑問がある。なんたって、我々に課せられた任務は
妄想でしか有り得ない・・・エルフの軍事教育、そして魔法との対決なのだから。



183 名前: 175 04/04/25 22:15 ID:???

日本がF世界に召喚されてから、1年が過ぎた。
その間、様々な事がおこり、偶然や必然に振り回された世界は、まるで示し合わせたかのように
戦争へと傾いていった。海空からの攻撃、陸からの侵攻。在日米軍の協力を得た日本は、
破竹の勢いで帝国を占拠していった。しかし、作戦がある程度まで進むと、深刻な問題が発生した。
兵力の不足である。自衛隊がいかに圧倒的な火力を持っていようと、限界はある。補給線も伸び、
ゲリラ化した帝国の残党は少しづつ兵士の力を削っていった。これ以上の被害を出したくない上層部は、
方針の転換を決めた。即ち、大規模な陸軍部隊を動員するような湾岸戦争方式の放棄であり、
精密攻撃と小規模な特殊作戦部隊、現地の反帝国グループを全面的に組み合わせた特殊戦である。
モデルは2001年のアフガニスタン戦争。そして、これを遂行させるために動員されたのが、
陸上自衛隊・特殊作戦群である。グリーンベレーを師と仰ぐこの部隊は、この特殊戦に最も適した能力を
持っていたのだ。行動は迅速に始まった。先ずは今後の作戦の模範となるための前例作り。
現地の反帝国グループをリストアップし、軍事教育を施せるかどうかをチェック。その結果先鋒として
選ばれたのが、反帝国グループとしては最大の規模を誇る、エルフ族の村落であった。この作戦に
参加するのは特殊作戦群の隊員6名。先立って潜入した防衛庁情報局、通称ダイスの工作員がエルフと
交渉し、特殊作戦群の受け入れを承諾させる。(蛇足であるが、ダイスは非公式の諜報機関であるため、
ほとんどの国民はその存在を知らない)その後、エルフの村落で特殊作戦群の人間が軍事教育を施し、
最終的に付近の帝国軍領であるタリン・コートを占領する。これが作戦の全容だった。



184 名前: 175 04/04/25 22:15 ID:???

「あと1分ほどで到着です!!」

ヘリのパイロットが叫ぶ。その声を聞いて、遠藤が立ち上がった。

「聞いたな!降下用意!」

遠藤の一声で皆弾かれたように立ち上がる。浅野も先ほどまでの嫌な気分を振り払って立ち上がると、
進行方向とは逆の方向を向いて整列した。暗視装置を装着し、最後尾に並ぶ。ハッチが地の底から
響いてくるような重低音を出して開き、丈夫そうなロープが垂れ下がった。この付近は木が多く、着陸が
困難なため、ラぺリングによる降下で地上に降りる。
ハッチの外に見えるのは、にじんだ黒、そしてローターの風にたなびく木の葉、草。その姿はまるでこちらを
品定めしているかのようだ。ここに相応しい存在か。ここに存在すべき者か。

「用意・・・」

遠藤が叫んだ。一番前に並んでいる瓜生一等陸曹と、その隣にいる新井陸曹長がロープを掴み、降下の為の
姿勢をとる。その姿には一瞬の隙も無い。


185 名前: 175 04/04/25 22:16 ID:???

「降下!降下!降下!」

号令を聞くや否や、二人は一気に床を蹴って闇に躍り出る。そのままロープをするすると伝って降りていった。
それに続いて竹内、宇賀神両二等陸曹が紐を掴み、これまた器用に滑り降りていく。2人の速度はまったく
変わらず、等間隔。さすがは陸自の誇る特殊部隊である。などと考える間に、自分の番が回ってきた。
素早くロープに飛びつくと、すぐに後ろを向き、ヘリの床を蹴る。とたん、重力が無くなり、手に握る
ロープの感覚のみが頼りになる。隣には遠藤二尉。下を見ると、宇賀神二等陸曹が雑草を踏みつけ、89式
小銃を構えて近くのブッシュに走り去っている。一瞬送れて浅野の足も地面に付いた。そのまま肩にかけた
89式を手に取り、銃口を目線の先に向け、暗視装置越しに警戒する。どうやら敵は居ないようだが、
安心は出来ない。すぐにブッシュに飛び込んだ。上を見ると、2つのローターをはためかせたCH-47が、
ダウンウォッシュを撒き散らしながら急旋回、そのまま離脱していった。ばたばたばた・・・という音が
少しずつ小さくなっていき、消える。
静寂。
辺りに響くのは虫の声のみ。緑色の視界に移るのは、樹齢500年はあるだろう巨木の群れと、見たことも
無いような花。青臭い匂いが、鼻腔をくすぐる。その場所は、何処か神聖な雰囲気を醸し出していた。
とにかく、先ずは集合だ。

186 名前: 175 04/04/25 22:17 ID:???

「遠藤二尉」

呼びかける。

「ここだ」

声の聞こえた方向に頭を動かすと、浅野が居る場所から5歩ほどのところに人影が見えた。そちらに
近づいていく。
と、1歩足を踏み出した所で、浅野はふと違和感を感じた。なにか、見られているような・・・。
が、周りを見ても、木の幹以外は何も無い。

「・・・?」

いったい、何だったのだろう。
浅野はその場で立ち尽くすわけにもいかず、違和感を振り払って遠藤の所へ
小走りで近づいていった。


187 名前: 175 04/04/25 22:18 ID:???

鉄の鳥が遠ざかっていく。
辺りに爆音を響かせ、一通りの生き物を驚かせながら。まったく、迷惑なものだ。もう少し静かに
出来ないものか。彼女は鉄の鳥を見送ると、闇の中で一際目立つ、艶やかなブロンドの髪を
なびかせ、顔をもたげた。
彼女の視界に、鉄の鳥から吐き出された人間達が入る。皆同じような斑の服を着、
何に使うのか分からない鉄の棒を持っている。しばらく見ていると、きびきびと一人の人間の周りに
集合していった。1,2,3,4。
と、5人目の人間が近づくとき、言葉を発した。

「遠藤二尉」

何だろう。エンドウ?
エンドウ。エンドウ。エンドウ・・・。なぜだろう。ひどく・・・懐かしい気がする。

「・・・・・」

・・・気のせいだ。気にするな。彼女はそう結論付けると、座っていた木の枝から飛び降りると、
そのまま、ふっと、透き通るように、消えた。


57 名前: 嫌がらせ。単発よし! 04/05/01 23:12 ID:???

 「秘技だか何だか知らんが…足技遣った時点でお前の負けだよ。さあ、死ね」

 俺は綺麗な脚を押さえのたうつ、女拳法遣いの喉を半長靴で軽く踏んだ。俺達が取り残され、
一年が過ぎた。俺達の故国『帝国』領に戻る事は、皆の総意だった。その途中に進駐した
地区の寺院が武装蜂起した。…気が進まんが、抵抗する者はことごとく踏み潰すしか無い。
 舐められれば、襲われる回数が増えるだけだ。一罰百戒。達人とされるコイツに素手で
打ち勝てば、抵抗も止むと見ての行為だった。

 「足技は確かに距離を取るのにも便利で、威力も高い。だが、同時に機動力の源でもある」

 初回に蹴りを捉え、軸足を脚で潰し、蹴り脚も肘で潰す。後は右面打ち、左面打ち、胴突き
右面突き、左面突き等のオンパレードだ。汚かろうが何だろうが、敵は殺す。それが『軍事組織
のやり方』だ。隊員にとって、徒手格闘は基本だ。最も、形を演練する『門前の小僧』レベルだが。
 抵抗能力を奪わなければ、何時相手に逆襲されてもこちらは文句は言えないのだ。拳法遣いの顔が
恐怖に歪む。負けを知らない奴の、甘ったれた顔の…屈辱に染まる様が…たまらなく良い。

 「悔しいか? …文句は言うなよ? お前の土俵で付き合ってやったんだからな? 」

 高く響く破裂音が遠くで響く。小銃弾に勝てる武道が有るなら習得に皆、血眼に為るだろう。
他人の生殺与奪を握るのは…正直、俺には荷が重過ぎる。何時まで経っても、慣れぬものだ。



360 名前: 予告編…1/2 04/05/05 22:48 ID:???

遂行中の部分からちと部分的に抜き出して。

その世界は、人間が他の異種族を支配していた。

目視による座標設定、組成式起動。
俺の体内に蓄積された魔力を化学物質へと変換する術式が、必要分量の魔力だけをトリニトロトリエンに変換して任意に設定した空間上の座標に発生させる。
物理法則に従い、オークの目の前で化学反応が発生して…次の瞬間醜い豚面を吹き飛ばす。
ざまあ見ろ。 

その世界は、魔法による文明が発達し、そして衰退と斜陽の時代を迎えていた。

「状況、ガス! ガス!!」
まだら服の兵隊たちが目から涙を流して叫び、咳き込み、のたうち回る。
私が発生させた換気状態の悪い屋内で発生させた塩素ガスは生物の呼吸器系を破壊し、死に追いやる。
彼らは後数分で息をすることも出来なくなり、痙攣しながら窒息死。
私は自分の周囲にだけ新鮮な酸素を発生させ、気圧調整で空気の断層を作り出しているから平気だけど。
あ、兵隊の一人が抱えていた何かの筒を壁に向けた。 何をするのか…と見ているうちに、轟音とともに壁が炸裂し、私に飛び散った破片がぶつかった。 痛い。



362 名前: 予告編…2/2 04/05/05 22:50 ID:???

その世界は、科学文明が一度発達し、そして滅び去った世界だった。

「はるか大昔の都市国家文明が築き上げた石畳の舗装道路だ。 どうだ、悠久の彼方に過ぎ去ったはるか昔の人々の遺産は。 こんなのはお前たちの世界には無いだろう」
「いや…普通にあるし。 ローマとか」
「何…じゃあ、あれはどうだ。 遠方の貯水池から水を市内に運ぶ水道橋だぞ! 1000年経っても崩れもせず残っていて、今も使える」
「…それもあるし」
「世界最古の木造建築!!」
「…あるし」

その世界は、果て無き争いと憎しみの上に築き上げられていた。

「それは…今奴隷達を解放しても、今度は奴隷達が人間を虐げる、憎しみの連鎖だぞ! 
何十年、何百年か後にはまた同じ事が繰り返される!立場を逆にして! それが分かっているのか!?」

その世界に、呼ばれた者たちが居た。

「承諾するしかあるまい? 貴様は貴様達の軍隊の指揮官だ。 部下の命を預かる責任がある…彼らを生きて帰す責任もな。 元の世界に戻りたいのだろう?」

その世界で生きて、戦って、死んだ者たちが居た。
誰の正義でも無い戦いで。 自分の戦うべきでない戦場で。
それでも、戦った。 帰りたかったから。 その物語。


63 名前: 風 04/05/01 23:47 ID:???

 風が運ぶ匂いは…髪の焼けた匂いだ。集落の人家が燃え、穀物の備蓄が奪われる。
女は快楽の道具として扱われ…男は面白半分に娯楽の為に『人狩り』の獲物とされる。
 旅行企画社の『裏企画』は、胸糞の悪く為るキャッチコピーに沿う内容だった。
 『君も、人間に乱暴狼藉の限りを尽してみないか? しかも合法的に! 』

 「…さあ、如何する自衛隊さん? 俺達は自国民だぜ? 撃つんならやれよ? 
  どうした? おい? へん、撃てるワケねえよなぁ〜?  」

 …法は、法だ。しかし、だからと言って他人の基本的人権を踏み躙って良いと言う
モノでは無い。警察は、来ない。そしてここは、日本では無い。悲劇を味わう相手は、
自国民でもない。人間として規定されても居ない。俺の良心は、眠っては居ない。

 「此処は日本じゃあ、ない。お前ら、それなりのリスクは覚悟をしているよな? 」

 俺の手元で切り替え軸が硬いクリック音を立てた。死は誰にでも平等に訪れるモノだ。

70 名前: 風 04/05/02 00:00 ID:???

 風が音を運ぶ。斧の振り下ろされる音を。今日もまた、誰かが処刑されたのだ。
野蛮だ。泣き喚き、許しを請う罪人。怒鳴り付け、無理矢理押さえ付ける役人達。
 誰が革命思想を吹き込んだ? 誰が民主思想を囁いた? …俺達の世界にそれが
根付くまでに、どれだけの血と涙と汗が流されたか知る者は、安易にそれを伝える
モノでは無いと知っている筈だった。

 「貴方達が来てから、農奴の反乱が後を絶ちませんよ…。困ったものです」

 困っているのはこっちだ。毎回処刑で黙らせているつもりなのだろうが、実際は
俺達に是非反乱に加わってくれと農奴側に言われて居るのをお前達は知らないのか?
 明日、首と胴が泣き別れに為るのは…お前達役人の方かも、知れないのだ。
黙って見ているだけの、俺達の目の前で。


170 名前: 風 04/05/03 21:55 ID:???

 「…はやくかえってこないかなぁ…あのやさしいお兄さんたち…」

 風は、ささやかな祈りを運ぶ。或る村に駐屯した一部隊の礼儀正しさと献身は、その住人に良識の有る
軍事組織が有る事を知らしめた。道路整備に、援農。四則計算の普及、互助組織の作り方、動植物の毒の
利用方法、衛生概念…。彼らが遠くへ去っても、彼らの伝えた知識と共に過ごした思い出は、残った。

 『きっとまた…すぐにあえるよね? かえってくるよね! みんな、元気で! 』

 子供達が兵士に無邪気な顔で言う。兵士達の任務は…残置。殿軍としての友軍の支援だ。必ず生還する
保証など無い。約束は軽々しく、出来ない。それでも兵士達は微笑み、心の底から言ったのだ。

 『ああ、きっと逢えるさ。君達が信じていてくれればね。必ず、還って来るよ。必ずだ! 』
 
 今日も子供達は、小高い丘で深緑色の鉄で出来た車に乗った者達の帰還を待つ。日に焼けた顔と真っ白
な歯が眩しい、斑模様の服を着た清々しい男達の姿を、待っている。



253 名前: 風 04/05/05 15:18 ID:???

>>170

 村に雷雲が訪れる。『彼ら』の去った後に、『領主』と名乗る者の軍勢が駐屯したのだった。
規律、礼節、統率…全てが、『彼ら』を知ってしまった村人にとっては『野蛮人』以下の存在
だった。欲しければ奪う。それが軍勢の唯一の律法だった。そして村人の顔から、笑顔が消えた。

 「あの人達さえ…帰って来てくれれば…」

 娘を傷物にされた。収穫を根こそぎ奪われた。乳を出す家畜も食われた。折角『彼ら』が整備
してくれた給水施設も破壊された。糞尿はそこらに垂れ流し。気に入らなければ暴力を奮う。
 風は、再び巡り来る。ついに子供達が『彼ら』の車両の来訪を息せき切って伝えて来たのだ。
『斥侯』に訪れた隊員は、村長を『中隊長』に引き合わせた。村長は全てを話した。『彼ら』は
軍隊だ。命令が無いと、何も出来ない。しかし、ある若い隊員が微笑みながら発言した。

 『ここはまだ、戦闘区域に指定されています。そして、この村に、『同盟軍』が来るとは
  本隊からは聞いて居りません。…『事故』扱いで処理しましょう。そして…『同盟軍』
  の目撃者は『誰も居ない』。…中隊長。この村はまだ、我々の『バンダレ』です』

 バンダレ。隊内用語で自分達の部隊の管理区域を指す言葉だった。『中隊長』は深く頷いた。
この惨状は、文明人、いや、優しき漢達の集団にはとても許せぬ光景であった。『領主の軍勢』
にとって不幸な事は…『彼ら』からまだ『血の気』が抜けて居なかった事だった。『中隊長』は
村長に言った。全ての『村人』を、村はずれの小高い丘に4時間後までに避難させるように、と。

 風が、暗雲を吹き払う。



261 名前: 風 04/05/05 18:55 ID:???

>>253

 一陣の風が、嵐の到来を告げる。村民が固唾を飲んで見守る中、状況報告が無線で流れて来る。

 「第四分隊、地雷埋設完了! 各分隊、所定の行動を全て終了! 」

 CPの通信陸曹が押し殺した声で報告する。約束の4時間が経過し、村民の点呼報告も終了した。
村の共有財産の損害を最小限に、そして家屋等の損壊も厳禁。施設器材中隊には少々荷の重い条件
では有ったが、そこは『戦闘施設』部隊、普通科の先陣や殿軍を自認する男達を怯ませるまでには
至らなかった。『地雷』は大量に有る。…『元の世界の条約』で破棄を命じられたとは言え、備蓄を
全部破棄するまでには時間を要した。転移した日本国にとってそれが吉と為ったのである。

 「…状況開始! 」
 「サツキ、サツキ、こちら00、疾風怒濤、疾風怒濤、送れ! 」

 通信陸曹が各分隊の無線系全てに呼びかける。展開した全無線系から連絡が続け様にCPに入る。

 『01了解、送れ』『02監視良好、送れ』『03馬匹異常無し、送れ』『04投射兵器破壊完了、送れ』
 『05敵出現まで待機、送れ』

 01。中隊一の小銃射手が、指揮官を狙撃する事から作戦は動き出すのだ。第一、第二、第三分隊で
狩りの『勢子』を務め、第四分隊が展開した地雷原に追い込む。身動きが取れなく為った敵に対し、
第四分隊が殲滅の仕上げをする。指揮系統を先ず始めに奪う事が、作戦の成否を分かつのだ。第一、
第二、第三分隊は各種施設器材、バケットローダーや三トン半、ドーザー等を使い一斉に突入する。

夜風が、銃声を運ぶ。嵐が、静かに眠る村に吹き荒れる。



744 名前: 名無し三等兵 04/05/24 01:40 ID:???

さて、人もいないようだし、毒ガス埋めて行きますね。
前スレのどこかより続き

帝国の戦争 細部の詰めと懇談会

死神の馬車に魅入られていた官僚団は、その遅れを取り戻そうと移動を始める。
しかし遅れを取り戻すと言っても、駆け足などしないし、速く動ける者から席に
向かったわけでもない。年齢や官位によって並び順は決まっていたし、早く着いても
下っ端では国王達の相手は出来ない。
そうした理由から、結局年寄りに合わせて進むしかないのだった。

「使節団の方々は、既に入室を開始されております」
会議の間から駆けてきたらしい侍従が、足早に先頭を歩く老人に告げた。
老人は歩きながら、先に着席させて、何か飲み物を出しておけと命じる。

侍従は礼をして素早く廊下を走り抜けると、階下へと姿を消した。老人は更に
足を早めたものの、走ることはしない。ここで息を切らせて到着しても、
それは相手に舐められる結果を招くだけだ。そう判断した老人は、笑顔の練習でも
するかのように、微笑みながら会議の間へと向かっていった。

「遠路はるばるようこそ、東方の国王方」
扉を開けた老人は、にこやかにそこに座った人々に挨拶した。実際にはこちらが
先に出迎えるはずだったが、老人はその事についての態度をおくびにも出さない。
このタイミングで現れることを、最初から予定していたかのように、堂々と振る舞う。

745 名前: 名無し三等兵 04/05/24 01:42 ID:???

老人が時候の挨拶を述べている間に、後ろから追いついてきた官僚達が
次々と入室してくる。そして全員が揃ったことを確認すると、老人から
順に椅子に腰掛けていく。一息置いて場が落ち着いたと見ると、老人自らが
声を発して宣言した。
「ではこれより、両国間会議を執り行います」

会議の議題は、主に捕虜の取扱いや各捕虜の返還額、ろ獲品リストの交換その他諸々であった。
基本的には雑事に過ぎず、内容も大したことはない。列席者も発言が消極的で、すぐに裁可
される議題が多かった。
誰も彼もが、この会議などどうでもいいと言うように振る舞っていた。
しかし、どこか緊張感が消えず、空気だけが妙に痺れるようでもあった。

ある意味でこの雰囲気は、会議の本質を表すものと言える。何故なら書記官などを
除いた全員にとって、会議は本当にどうでもよい事だからだ。

746 名前: 名無し三等兵 04/05/24 01:42 ID:???

彼らの心は、その後にこそ集中されていた。もちろん、来賓用の美味い料理にではない。
昼食とその後の「雑談」こそは帝国・諸国連合双方の関心事であった。

雑談によってお互いの腹を探り合い、また国ごとの内情をあぶり出し合うのである。
この雑談の推移いかんで、正式な交渉での立場や対応策が決まってくる。
だから王や官僚に緊張感が漂っているのも、無理からぬ事ではあった。

双方の理解に基づいた退屈な時間は、あっと言う間に過ぎていった。会議時間はかなり短く、
日が殆ど傾かない内に終わってしまった。そして鼻腔に広がる香りと共に、室内に昼食が
運ばれてくる。彼らの本当に望む全ては、これから始まるのだ。

716 名前: 名無し三等兵 04/06/13 21:58 ID:???

「この辺の占領地は安全じゃなかったのか!! 安全が確保されていないような土地になぜ開拓地など作って入植させた!? そして何故あんたらは此処にいる!! 俺たちの護衛のためじゃなかったのか!?」

男の死体。 女の死体。 子供の死体。 初老の男の死体。 中年の女の死体。 まだ若い、高校生ぐらいにも見えるような印象を受ける二十歳の男の死体。 明らかにまだ中学生と思われるような少女の死体。 あどけない幼子の死体。
開拓村で始めて生まれた、まだ数ヶ月しか生きていない、生きていられなかった赤ん坊の死体。 荒らされ、まだいくつかの家屋からは黒い煙の燻る開拓村の「跡」で、生き残った人々は自衛隊員につめより、胸倉を掴み、口の端から泡を飛ばして糾弾した。

食糧生産を急がせる政府は、占領したばかりで原住種族の淘汰・駆除の済んでいない地域にも強引に開拓者を送り込んだのだ。 その結果がこれだ。
家族を殺され、奪われ、心と身体に深い傷を負った入植者たちは怒りの矛先を遅れて到着した自衛隊員にぶつけた。
「…仇は取る。 あんた等は作業に戻れ。あんた等の仕事は本国に送る食料を作る事だ。 これから起こりうる襲撃は、俺達が防ぐ。 これ以上の対話は無意味だ。 俺達は後始末があるので失礼する」

「何だと!? どの口でその言葉を吐く!! 貴様らはいつもそうだ!! 何も生み出さぬ癖に、大きな口ばかり叩く! 恥知らずめ! 」
もう、馴れっこの罵声だ。襲撃が止み落ち着いた頃合を見て、『開拓村』に到着をすると決まって飛んでくるのがこの台詞だ。もう俺達が50年以上も聞いている『ナントカの一つ覚え』の類いだ。
『安全』と言う目に見えぬサービスを提供するのが俺達の役目だった。バランス・オブ・パワーの中でも、 テロリズムの嵐の中でも、俺達は沈黙を余儀無くされていた。しかし、『時代は音を立てて変わり行く』。
政府・・・自衛隊は既に国民を守ろうとはしていない。むしろ・・・



717 名前: 名無し三等兵 04/06/13 21:59 ID:???

「…恥知らずは誰の方だ? ひいひい逃げ回り、子供を置いて自分は逃げた、お偉い農家の言うことは違うな」
「き、貴様らが無能だったせいだ! その分の謝罪と賠償もきっちりして貰うから、そのつもりで居ろ! 」
「そうだな、俺達は無能だ。何せ、『戦闘は現在も継続して、流れ弾も見境無く飛んでくる状況』だからな」
「な、何を言っているんだ…」

殺す。 俺達の存在を否定する者達は差別なく容赦なく殺して、掃討して、淘汰して、駆除する。
これは戦いだ。 自分達が生き残るか、薄汚い下衆共が生き残るかを賭けた戦い。

負けたほうは、生き残れなかったほうは、死んで消え去るだけだ。

俺達の査問のために集まった、『議長』の他の『開拓村』の住人が、議場に悲鳴を響かせ一人、二人と沈黙して行く。
俺達は『この場』をどうやら以外に巧く、切り抜けられそうな気がした。
いつもの事だ。悪くない。
俺は銃声のけたたましい音と、硝煙のカオリにしばし恍惚とした感情を覚えた。



790 名前: 名無し三等兵 04/06/14 05:32 ID:???

「原始の森。攻略は順調です」
幕僚長よりの報告に白髪の男、日本国首相はニヤリと笑う。
「御苦労。我が国の兵隊は良く働くモノだ。尊敬に値するよ幕僚長?」
「異世界の蛮族共とは違いますからな。戦後教育の賜物ですよ、総理」
無表情で皮肉を返す幕僚長。
「親善大使を肉塊にして返してきた事。蛮人共は思い知らさねばならないでしょう。これは我等日本国の名誉の問題です」
「君達の自尊心。の間違いではないかね?幕僚長」
鋭く睨む日本国首相。相変わらずの無表情を貫く幕僚長。
「国費は無限ではない。君達は本来の敵である王国のみならず、亜人種を始めとした部族連合にまで戦火を拡げた・・・」
「あれは我等としても残念な事件でしたな。総理」
「・・・アマゾネスの村を襲い、鎮圧後に暴行。まさに自衛隊史に残る汚点だ。
事件の当事者たる新兵ばかりの小隊は現地で即座に処刑。処刑を敢行した者も自決。素晴らしい手際だったそうだな」
「御愁傷様です」
皮肉を異ともしない幕僚長に眉をしかめる日本国首相。
「あの事件で有能な次期事務次官候補が責任をとった。頭のスゲ替えで随分と声が大きくなったそうじゃないか。」
「我等の統帥権は総理のモノです。それ以上も以下もありません」
「おかげで大陸では我がモノ顔らしいな。本国に流れるはずの物資も王国の闇市に幾分か横流れしてる様だ」
「残念な事です」

791 名前: 名無し三等兵 04/06/14 05:33 ID:???

「大陸での物資輸送は自衛隊に一括してるはずだが?」
「法規の徹底をさせましょう」
一時の沈黙。睨み合う二人。
「特に御指示がなければこれで」
「・・・・・・」
軽い会釈。日本国首相はそれを苦々しく見送った。

(そこに座っていられるのも今の内だ凡骨め。もうすぐ時機が来る。その時には・・・)
「幕僚長!!」
嬉々とした表情で参謀が声を掛けてくる。
「なんだ?」
「原始の森の住人達が降伏を申し込んできたそうです!!」
その報告を聞き、幕僚長は口の端を釣り上げる。
「・・・無視しろ。我等に降伏を受け入れる利点がない。森ごと焼き払い、更地にしてしまえ」
「な!?」
「無視だ。我々には時間がない。次の戦場があるのに余分な兵を裂いてられないだろう?」
幕僚長のただならぬ雰囲気に、複雑そうに顔を歪める参謀。
幕僚長はそれを見て、久し振りに声を上げて笑った。


793 名前: 名無し三等兵 04/06/14 06:01 ID:???

大陸のど真ん中に陣取る原始の森。
その東側の針葉樹の深い森林地帯で悲劇は起った。
部族連合の中でも気高い事で知られる部族「アマゾネス」。
その部族の集落がある国の軍隊に襲われた。

まったくの奇襲。
始まりはケタタマシイ炸裂音と悲鳴。
一方的な殺戮。
女しか居ないとは言え戦士の部族。近隣に恐れられ、王国にも名を知られた恐怖の夜叉達である。
それがモノの数分で壊滅した。
主な戦士達が死に絶え、残った者達が集められる。
そこからが第二の悲劇だった。
長い戦線での従事に、女に飢えた兵隊は容赦なく犯す。
老婆は素手で殺す事を楽しみ、幼児には腹がさけるまで抉る。
明らかに目の色が違う兵卒達に、恐怖におののく新兵達。
声高々に先輩兵を罵るも、一発の銃声に黙る。
そして、上官はその兵も殺した。

宴は、全ての女達が生き絶えるまで続き、後にその地には大量のマンドラゴラが生えた。
死者は新兵数名と兵卒1名。そして、村民全員。

これは歴史に残る事がない、歴史上最悪の戦争の始まりであった。



845 名前: 名無し三等兵 04/06/14 18:03 ID:???

平和。我等にとって尊い言葉である。
我々が国民の豊かで安全な生活を守る為、異世界大陸へやって来て1年。最近、やっとこの生活にも慣れて来た。
自己中な左翼共の機嫌取りをしていた本土勤務の時とは違って、この地でのお勤めは痛快の一言だ。
自衛隊と言う仕事にこれ程やりがいを感じた事はない。
本土の為、国民の為に命を投げ出し、賤民共の血肉に塗れる。これ程の名誉があるだろうか。
賤民共の内臓に鉛を喰らわせ、女の群れに手榴弾を投げ込み、老婆の顔を踵で潰し、赤子を壁にぶつけて潰す。
本土の為、家族の為、それを考えればオゾマシイこの行為も平気でできた。なぜなら奴等は害獣であって日本に仇なす敵だからだ。

846 名前: 名無し三等兵 04/06/14 18:04 ID:???

我等の大陸での主な任務は、大陸で出来た物資を本土に送る事。
それと、広大な開拓地を警備する事である。
最近の奴等は知恵がついてきた。狙いを開拓集落に向けてきたのだ。非常にうっとおしいかぎりである。
我々に余分な戦力等ない。よって、本土をつま弾きにされて大陸にやって来たような落ち零れ共を守る様な戦力等存在しない。
しかし、彼等はよく動いてくれた。一方的にやられながらも、手製の弓や猟銃でかなりの数を屠ってくれた。
だが、残念な事に開拓民に武装は許されていない。我々は生き残った勇敢なる開拓民に鉄槌を下さねばならない。
我々はその度に簡易な刑の執行をする。開拓民も大陸の蛮人に殺されるよりはマシだと思っているだろう。
我々は同胞には慈悲深い。女子供にも平等に安らかな眠りを与えているのだから。

全てがなくなった集落には次の開拓民がやってくる。本土ではまだまだ沢山の希望者が待っていた。
我々は自衛隊の鉄の結束で彼等を向かい入れ、『本土に住む国民の平和の為』に誠心誠意働くだけだ。
なんせ我々は、国民の税金で生き長らえている公僕だから。




905 名前:鶏頭 :04/06/29 15:02 ID:???
異常な日常  プロローグ

 いったいぜんたい、何が起こったのか、僕には全然解らない。

 僕の知っている事と言えば、その日、某巨大掲示板サイトを巡回中に突然鯖が落ちた事、
大きな音に驚いて庭に出てみたら、庭先に馬(後でよく見たら羽付きだった、…角突きなら3倍速いのだろうか…)
が居て、彼女が倒れていた事ぐらいだ。

 TVでは、世界と連絡が取れないとか、東京湾に巨大生物の影とか言ってるが、
元々、僕にとって海外なんざ、北海道、九州、四国、沖縄ってイメージだし…別に、
飛行機に乗るのが恐いわけじゃないぞ、巨大生物ったてどうせイッシー、クッシーのたぐいだろうし、
まあ、某巨大掲示板サイトに繋げないのは困りモノだが、それより…

「…で、お嬢さんは、ナニを遣りくさりやがってんですかい?」

「あがるぁ、あがががぐ!」

「…口にモノ入れたまま喋るな、お里がしれるぞ・・・ それとな、・・・ナニ俺の飯を喰ってんだゴラァ!」
 天にまします我等が第六天魔王様、殴って良いですか、つーか殴らせろ。


906 名前:鶏頭 :04/06/29 15:03 ID:???

 「私は! ファルアドレア公国にその名も高き天馬騎士団の・・・」

 「ほぅ」
 冷たい目でみてやる。

 「・・・従士見習い候補生・・・」

 「んで、どこのコミケに行く途中だ、下っ端三等兵」
 痛ってー、ファンタジー系なりきりか、まあ、合宿所スレのネタになるか、
しかし、珍しいな、こいつ位凝った衣装まで用意しときながら下っ端かい?
 気絶してる間に触った(変な意味にとるなよ)感じじゃ軽めの金属、
アルミか何かか? を使った胸当て、腰に吊るしたのはレイピアかね?  
 
 ・・・ま、下っ端三等兵をからかって現実逃避はこの位にしておこう、解かってるんだ、地球上に三対六本の脚を持つ哺乳類は存在しない。
 全世界の通信が国内を除いて一斉にダウンしたのも解せない話だし、どうやらネットによく転がっている
『時空転移』『異世界召喚』『ポゾンジャ(ゲホンゲホン)』etc,etc
 僕の愛する、平穏で怠惰で安寧な日常は遥か彼方へと消え去ってしまったらしい・・・


 ・・・え〜、マジで? 帰りたいんですケド


527 名前: ◆7wf5k3c2eE :04/07/14 01:11 ID:???
ちと自分の作品でも投下してみる

プロローグ

照りつける太陽が厳しい夏。
しかし、様子が違った。
照りつける太陽は一つではなく二つの太陽が照り付けていた。
----自衛隊が原因不明の事態で異世界に飛ばされて2年が経としていた。
転移した自衛隊--
正確には混成団が丸々転移したいといってもいいだろう。
転移した初期のころは事情も飲み込めず隊員に被害や異世界の住人とのトラブルが絶えなかったが
隊員たちがこの異世界での言語を習得するようになってからは初期のころの誤解も解け
---復讐と憎悪の連鎖を生み出す最悪事態には至らなかった。
そんな世界でのある一人の男の数奇な物語である


529 名前: ◆7wf5k3c2eE :04/07/14 01:13 ID:???
一人の男が駐屯地の草むしりをしていた
彼の姿を大まかに言うならば秋葉原を闊歩している肥満体というべきだろうか。
滝のように汗を流し首にかけてあるタオルで他人を不快感にし鼻が曲がるような汗をぬぐい、鎌を使わずゴム軍手での作業で呼吸は鼻息荒く
見ているだけでも真夏日の暑さと梅雨の湿度90%を併せたような不快感をかもし出している。
そして彼は怨嗟の声なき声を上げ草むしりに勤しむのであった。
「よう、柏木1尉」
蹲る様な形で草むしりをしていた男---柏木1尉は首を声がかかったほうに首を向けた
そこには彼と同じ作業服を着た男が彼の斜め後ろに立っていた
「...何だ桂木1尉じゃないか」
柏木に声をかけた男---桂木1尉は同期であった。
「指令がおめえさんに用にあるってよ。作業中断して司令室に来るようにとさ」
「わかった」
柏木は思った、又何か面倒なことでも押し付けられるのだろうかと。

530 名前: ◆7wf5k3c2eE :04/07/14 01:13 ID:???
「・・・・貴様には特別任務を与える」
柏木の上司の井村司令は開口一番彼にこう告げた
「はあ」
特別任務だと?どうせまたロクでもない任務だろうな・・・
過去を思い出してみても「F任務」などろくでもないものばかりだった
「アレだ魔法学校に行って貰う」
わが耳を疑うような発言が出たような気がする
「いまなんと?」
きっと聞き間違いに違いないから聞きなおすことにしてみた。
「今度、試験的に魔法部隊でも作れたな・・・ともってな....詳しいことは現地への移動中にでも聞くように。以上」
そう答えるとすぐに司令室から蹴り出された
「ありえねぇ!ありえねぇマジありえねぇ!」
魔法だと?何かの冗談に決まってやがる・・・クソッ・・・誰も彼も俺を馬鹿にしやがって!

554 名前: ◆7wf5k3c2eE :04/07/15 03:55 ID:???
欲せよ、さすれば得られん

        −名も無き賢者

中央校舎 円卓の間
闇とも光ともつかないこの部屋で
佇んでいる五人の老賢者たちがいる。

「よろしいのですか?学院長」
五人の中で二番目に年を取っているであろう老賢者が一番年を取っている老賢者−学院長に問いただした
「ふむ・・・悠久に流れる我々の時には刺激も必要だろう」
「しかし!」
五人の中で一番若いであろう一人の老賢者が声を荒げる
「学ぶ者を拒む事が我々にできようか?道を進む者を助けるのが我々の使命ではないのか?それが我々の誓いであり誇りでは無かったのか」
学院長は両腕をを天に掲げ眼前の四人に説いた
「我々の誓いと誇りにかけて」
              「我々の誓いと誇りにかけて」
      「我々の誓いと誇りにかけて」
         「我々の誓いと誇りにかけて」


555 名前: ◆7wf5k3c2eE :04/07/15 03:55 ID:???
まるでドナドナのように柏木は高機動車の後部座席で揺られている
司令室から蹴り出されて息をつくも無くすでに私物が纏められていた鞄を渡され
搭乗したから早30分が過ぎた時であった
「・・・で、それは何だ?」
運転席で運転している桂木から書類らしきものを渡された。
「まぁ、取りあえず読め」
皮製の封筒を覗き込むと幾つかの紙切れと冊子が入っていることに気がついた
「これは?」
怪訝な顔をして桂木に話を聞いてみることにした
「先方がおめーさんのために用意した資料だとよ」
よくみてみるとA4サイズのハードカバーの本に手帳サイズの冊子が一冊に紙切れが入っている
「にしては造りが凝ってるな」
ハードカバーの本を斜め読みして見ると学園のことこの世界のことが書かれていた
学園は学ぶ意思のあるものを拒ない。
学園には賢者を目指す者がほとんどである
賢者とは−職業でなく学を修め人を導く者である。
学園を卒業すれば賢者に成るわけではなく−学園はなる為の基礎を作る為でしかなく経験と行いにより人々からそう呼ばれるであろう。
学園には魔術師の道以外にも−剣士、重剣士、狩人、僧侶・・・その他といった職業に就くことが出来、学ぶことが出来る。
中央校舎と四つの城とそれらに四つのクラスがある
すべてのクラスは世界の理を知るために魔法を学ぶ
エルクス .剣士、重剣士、狩人の職業と学ぶことが出来るクラス 
セレウス 魔術師の職業と魔術を学ぶことが出来るクラス
ニビルス .闇について学ぶクラス 全職業を学び就くことが出来る
イルミナス 全てが自由なクラス
など等がかかれていた
「ふーん・・・さしずめ様子見で自由のクラスかねぇ・・・」

568 名前: ◆7wf5k3c2eE :04/07/15 23:33 ID:???
設定を書いてみよう
('A`)<マンドクセ

Q。学園のクラスが職業別なわけ
A。職業訓練を兼ねた学園と考える
  僧侶・・・教会の師弟の育成をかねる
  剣士系・・・騎士の(ry同上
  以下ry
Q.じゃあそれ以外の人間は?
基本的には魔術師。
本来は魔術師の学校であるから。
希望があればほかのもOK。

この世界の職業 ダブりあり
上位職
1.騎士(剣士、重剣士)[王、諸侯、兵士]    ↑
2.僧侶[大司教とか教会関係、僧兵]
2.魔術師[宮廷魔術師、生産職、兵士]     基本階級
2.狩人[狩人、生産職、兵士]
一般職
3.商人
3.職人=職人、生産職
3.農民[小作、本百姓、生産職、雑兵] ↓
追補
尚、上位と下位が重なる場合上位を取る(マジックアイテム作成をする魔術師など)
職人=上位職に含まれていない場合、生活用品等や家具や建築を示す
商人=ほかの一般職の商業活動を含めない専業としての商人とする。(Ex;交易職人とか)
一般市民=一般職からなる市民
役人=上記に記載してないが上位職がつく役職
尚、一般・上位の枠組みには例外もあり(豪商etc・・)

569 名前: ◆7wf5k3c2eE :04/07/15 23:50 ID:???
Q。賢者って?魔術師のことじゃないの?
A。職業のことではない
広い知識と経験を治めたる者のことである。
賢者であり騎士である王が存在し国を治めるという事例もあり。
賢者≠知識エリート層
役職でもない。
学を治め苦難を乗り越え冒険し人を導くようになれば自然に呼ばれるもの。
尚、学園の教師は後任の育成のため賢者が行う

賢者A略歴(魔術師)
学園を卒業後10年間各地を旅し、旅々の街や村で人々の問題の解決や数々の冒険をこなす。
それが認められ賢者と呼ばれるよになる。
その後学園の教師となる

賢者B略歴(狩人)
学園を卒業後冒険に出る。とある村で住居を構え村の世話役となる。
何時しか村人から賢者様と呼ばれようになる。

674 名前: ◆7wf5k3c2eE :04/07/20 22:04 ID:???
その頃。
柏木達とはルートは違うものの逆方向に向かっている者達がいた。
最前列にはAH-1Sが1機、
89FVと87RCVが先導をし四方を90式で囲み中央には89式CCV、殿は近SAM、89FV・・・そして120MSPと続く
まるで何かかなり大事なものを護送しているいでたちだ。

89式CCV内部

隊員達に混じって見慣れない者達が三人混じっている。
有る者は
「それにしても面妖な・・」
神妙な面持ちになり
「・・・」
ただただ絶句し
「あれなんですかー?」
目に映るものに興味を示す者がいた。
「あ、あれはですね・・・」
中東系ではなく欧州系の揉み上げまで繋がっている髭面をした北村三佐が適当にかつ解りやすく答えていく。
その説明を聞き三者とも考え込み、絶句し、興味をさらに示す有様であった。


675 名前: ◆7wf5k3c2eE :04/07/20 22:06 ID:???
AH-1S

「レーダーに異常なし・・・!機影を発見!速度及びからドラゴンと思われます!」
まだだいぶ距離があるようだがこちら向かっている模様と断定された。
「此方エアアロー1、キング(CCV)応答せよ!」
「此方キング、どうしうた?」
「前方45kmにドラゴンと思われる機影を発見!こちらに向かってます!指示を乞う」
「了解!近SAMにて迎撃をする。必要とあれば攻撃を加えよ」

89式CCV内部
通信受けた北村三佐の様子が変わり無線を手にした。
「総員戦闘配置!前方45kmにドランゴンありとの報告!之より迎撃を行う!」
あまりの変わりように三人はビックリしている様子だ。
「アーチャー(近SAM)は速やかにこの脅威を排除せよ!そのほかも襲撃に警戒せよ!」
近SAMから発射された対空ミサイルはドラゴンの翼と胴体を正確に当たり深刻ダメージを
負わせていた。AH-1Sはドラゴンの周りを周回しながら20mm機関砲を打ち込んでいく。
三人のうち一番年齢が高いと思われる一人によって三人の前に外の様子が映し出された。
「・・・」
あまりの凄まじさに三人とも絶句してしまった。
写っていたのは白煙を上げ炎上しながら墜落していく巨大な老竜とそれに機関砲を打ち込んでいたAH-1Sの姿だった。
「齢1000年は在ろう竜がこの様にいとも簡単に死ぬとは・・・」
尚、後の二人は絶句したまま気絶しているようだ。
そして、辛うじて意識があった一人もショックで気絶してしまった。

679 名前: ◆7wf5k3c2eE :04/07/20 23:03 ID:???
緊急パッチ_| ̄|○

「三佐、やりすぎでは?」
部下の如月2尉が三人に聞こえないように耳打ちをする
「実はな・・・移送するとき先方から占いと称して警告を受けていたんだ」
如月2尉に耳うちをする
北村三佐の説明によると、自衛隊と学園の接触を嫌う何者かによって途中に襲撃があることを占いと先読みで警告されていたと言うことだった。
自衛隊との接触を嫌う何者か―
そんなはずは無いと先読みが前置きした内容は「神・・・・」と困惑気味に告げた。
「神ですか・・・」
如月2尉はどういって言いか解らない困惑気味に答える
「事実、普段見かけないようなドラゴンにも接触した・・・移転によって何か異変が起き、自衛隊との接触で世界が変わることを嫌ったのかもしれないな・・・」
「我々はこの世界の神と敵対するということですか?」
「神にも我々を認めない保守以外の我々を認める革新派な神がいることを祈るよ」
「捨てる神あれば拾う神ありですか・・・」
「そう願うしかあるまいて」
「柏木1尉に期待するしかないですね」
「それは・・・ふ号作戦並みの成功率だな」


734 名前: ◆7wf5k3c2eE :04/07/23 23:29 ID:???
そのころ-柏木たちは

「海逝かば〜水漬く屍〜」
テナーを利かせた声で柏木が歌いだす
「止めろよ・・・その歌を歌うの」
即座に運転席から抗議の声が上がる
「これが俺の気分だ」
さっきから柏木はどうやら落ち込み気味な上に機嫌が悪いらしい
「しゃーねーなー・・・朝ぁだーよぁけーぇーだ」
憂鬱な雰囲気を飛ばすように歌い飛ばす
「うしぉのいぶきぃー Year!」
ヤケグソ気味に柏木もロック調にヘッドパンキングしながら歌う
端からみるとテンパッてキレた危ない二人組みに見える。・・・実際そうだが
「あ?・・」
ヘッドパンキングしていた柏木が何かを見つけたようだ。

735 名前: ◆7wf5k3c2eE :04/07/23 23:30 ID:???
「おい、これなんだよ?」
手にとってみると刀みたいだ・・・銘は「妖刀”四菱丸”」と彫られていた
「あーそれか、施設科謹製の刀だ」
桂木の説明によると出火炎上した上にタイヤが外れて
死亡事故を起こして廃車になった四菱トラックの板バネが由来
なのでそのような名前がついたらしい。
「おいおい・・・」
いわく付じゃねーかよ・・・
「あーそうそう、途中からお前さん一人だから護衛のためにそれ持っていけよー」
「え?」
どうやら試験をかねて途中から一人で目的地まで行かなければならないみたいだ
「地図とかどーんすんべよ?」
「これもってけー、先方から渡されたやつだ」
ペンダントを渡される
「お、なかなよさそーじゃねぇか」
「そいつの向くほうに進めだとさ・・・とアレだ手土産を渡すぞ」
桂木からいろいろ入った鞄を渡される
造りが柏木の持っているのよりいい日本刀やいろいろ入っていた

736 名前: ◆7wf5k3c2eE :04/07/23 23:31 ID:???
「あー説明わすれてた」
「なんだよ?」
「おめーさんの日本刀だが・・・ネヴァダつぅ愛称もあるのよ」
柏木の持っている刀はカッター形式で切れなくなったら刃を抜き交換することで
緊急対処できるようになっていた。
その12枚もある替え刃も例の板バネだそうだ。
「四菱にネヴァダかよ・・・つくづくアレな刀だよな」
「切れ味に殺傷力は保障付の抜群だぞ・・ハッハハ」
「試し切りをするぞこら」
じょーだんじゃねぇ・・・
「これしか護衛用武器無いのか?」
「あぁ・・先方からの注文でな、銃器は禁止だ」
畜生!この怪しげな雰囲気を漂わせる刀が俺の相棒かよ!
........

「まぁ、がんばれや」
車が森の入り口のなところで止まった。
「ここからはお前さん一人で行け」
話していたおかげで時間の感覚が無かったがどうやら終着点のようだ。
「っつたく、しゃーねーなー・・・っておい!」
クソッ!荷物を降ろしたら急発進して行きやがった!

今回は以上です。
交互に出来たらと思います

76 名前: 名無し三等兵 04/08/07 15:57 ID:5OZSLJTL

たとえば道を歩いていると自衛隊に出くわす。俺はとっさにビガーで光速移動。
自衛隊は俺に照準を合わせることすらできない。
散々撹乱したあと後ろから一人い合い抜きで切り捨てる。
自衛隊のライフは50くらいなのに対し、俺の与ダメは素で1000オーバー。
なおこの場合自衛隊はPCというより敵だとおもうから対人補正は無いとして
あとケブラーのDRが-50としてダメージは500余裕でオーバーキルw
愛刀ライトセーバーは相変わらず凄い切れ味だ。
ぎゃあーと言ってそいつが死に、俺は物陰に隠れてオーラを切り替える。
するとさっきの奴の死体がすうっと赤い霧になって消え、
俺には力が満ち溢れた。そう俺はリデプションを使ったんだ。
恐慌状態に陥っている自衛隊に俺はまたしても切りかかる。
ザシュザシュ!居合い斬りでどんどん削る。
残る自衛隊はとうとう8人になった。
俺はだんだん面倒になってきていた。よし、一気に決めるか。
ビガーで一気に突っ込む。目暗滅法に撃ってくるが、超速の俺に当たるはずもない。
まれに俺の方に来る弾も、伝説の盾ストームシールドが完全にはじく!
近接!俺は円陣を組んでいた八人の真ん中に踊りこんだ。その瞬間オーラを切り替える。
ピキィン!奴らが真っ青に凍りつく。そう俺はホーリーフリーズを発動したのだ!
凍りついたのを見届けて、またも俺は切り替えた。
俺の身体を真っ赤なバリアが包み込む。そうこれこそ最強のオーラ、ファナティシズムだ!
シュバ!俺は目にも留まらぬ早業で一人を斬って捨てた。
ビガーは脚力のみを強化するが、ファナは全てを強化する。パワーもスピードも、さっきまでの比ではない!
俺は叫んだ「ジール!」ズガガガガガ!!
瞬間的に血だるまになる残りの自衛隊全員。俺の4フレジールの威力は圧倒的で
わずか一秒後にはあたりにはバラバラの手足が散らばり、元に何人いたのかすらわからない有様だ。
あまりに無残にすぎると、俺はリデプションでそれを掃除してやった。「なかなかやるな!」
だれだ!俺はあせって振り向いた。するとそこには自衛隊が一人。まだ生き残りがいたか!

77 名前: 名無し三等兵 04/08/07 16:03 ID:5OZSLJTL

「なかなかやるな!」
だれだ!俺はあせって振り向いた。するとそこには自衛隊が一人。まだ生き残りがいたか!
だが様子がおかしい。その自衛隊は異様にごつく、ズボンこそ迷彩だが上半身は裸で頭は辮髪だ。
そいつはおもむろに腰の後ろに手を回すとめちゃくちゃでかい二本の刀を引きずり出して両手に構えた。
こいつもしや・・・
「俺が自衛隊のラスボスよ!勝負だ小僧!」
異様な気迫でボスが迫ってくる。俺はファナを展開して備えたが
「ワハハこれが受けられるか!」
ぐおおおおん!ボスは両手に剣をもったまま、脚を軸にコマのようにぐるんぐるんと回り始めた。
その回転のなんという凄まじさ。これがあれか。WWというやつか!
凄まじい攻撃だった。近づくことさえできずに俺はビガーで逃げ回るしかなかった。
「ワハハ!どうした!」
すでに無数のかすり傷が体中にできていた。凄まじい回転の生み出す刃風が真空をつくりだしているのだ!
このままではやられる。捨て身でいくしかない!
「しねい!むしけらめ!」
ボスが勝負を決めにきた。俺は意を決し、盾を捨てた。愛刀ライトセーバーも鞘に収める。
かわってインベントリから持ち出したのは巨大なモール。俺の持つ最強の武器だ。こいつの一撃に全てをかける。
今の俺の与ダメは10000を軽く超える。ボスはどうやらバーバリアンだがBOを使っていない。
ケブラーもつけずむき出しの筋肉だ。ライフがいくらあるか知らないが、一撃で絶対に倒せる。
だが俺もあの回転に巻き込まれれば命はあるまい。どちらが先に当てるか、勝負だ!


ガッ!

すれ違った状態で、俺たちは動きをとめていた。
奴の回転が止まっている。だが俺ももうファナを展開する気力はなくなっていた。
俺はがっくりと膝をついた。立っていられなくなったからだ。
ズシィィン!巨木が倒れるような音がした。俺は振り返った。
ボスが倒れていた。ボスの顔面はメッコリとへこんでいる。そして俺は・・・無傷!
勝った。俺は勝ったんだ!


396 名前: 名無し三等兵 04/08/13 19:35 ID:???

「・・・我ら人民は立ち上がるべきなのだ!神の名の元に不平等と搾取、労働の
制限を行った彼らを、我々は許すべきではない。解放の時は今なのだ!」

屋敷の一室に籠もった男は、文章を書きながら文面を読み上げていた。感情たっぷりに
朗々と読み上げているのは、それが数日後の演説で使う原稿だからだ。

金色の髪と炎のように青い瞳をもったその青年は、自分の文章に満足していた。
これを搾取に苦しむ人々に聞かせれば、きっと立ち上がってくれるだろう。
全国に信奉者と同調者は数万人いるのだ。軍隊でも簡単には止められない。

しかし男の願いは、永遠に叶わぬ物となった。誰かが男の胸を、短刀で貫いたのだ。
「がっ・・・!」
男が驚いて振り向くと、そこには男を「目覚めさせて」くれた人々と同じ種族、
異世界人の顔が有った。背が低く肌は浅黒い、見間違えようの無い姿だった。
「な、なぜ」
男は最後の力でそう呟くと、胸を押さえながら倒れて絶命した。男の胸に抱かれた
まま、さっきの原稿はどす黒く血に染まっていった。

男を殺した異世界人は、その場に佇んで小さな機械に呼びかけた。
「各班進行状況を報告せよ」
「1班捜索完了!重要書類及び貴重本を奪取しました!」
「2班焼却準備完了!屋敷の重要部分及び、死体の配置も終了しています!」
「よーし、では1班及び3班は脱出。脱出確認後2班は火を放て」
異世界人は機械からの声に返答すると、隠れていた仲間と共に屋敷から出ていった。

男の籠もっていた屋敷は、赤々とした炎を吹き上げた。異世界人たちはそれを
見つめながら、馬のない馬車に乗って郊外へと走り去っていった。

(今革命なんぞ起こされたら、本土への食糧供給が止まるんだ。こっちも一般市民の
命が掛かってるんだ、悪いな)
男を殺した異世界人は、心の中でそう小さく呟いた。




422 名前: クレタ島戦記 04/08/15 00:03 ID:???

異世界に飛ばされた自衛隊は、奇妙な敵に立ち向かっていた。
その奇妙な敵というのは、青銅の巨人だった。

青銅製だから大変脆く、簡単に破壊できた。しかしその後が問題だった。
バラバラになった破片が集まって、その内に再生してしまうのだ。
破片集めも思うようにいかず、駐屯地の部隊は困り果てていた。
そして彼らは、一つの作戦を思いついたのだった。

「で、この作戦ホントに上手くいくのか?」
「上手く行くも何も、これでダメなら投網でも使うしかない」
「怪獣輸送みたいになるな・・・やっぱこれしかないか」

陸曹たちが話し合っていると、大きな音が響いてきた。高機動車に乗った隊員が、
巨人を誘導しているのだ。誘導といっても、ひたすら罵りつつ逃げ回るだけだが。

「遅いぞまぬけ!脆い上にとろいのか!このろくでなしのガラクタ野郎!」
悪口が理解できているのか、それとも動きに反応しているだけなのか。巨人は猛烈な速度で
追撃していた。身長10mを超える巨人だから、コンパスがかなり大きいのだ。

地響きを立てる巨人を翻弄しながら、高機動車は細い柵が置かれたある地点で、
90°近い大カーブを描いて柵と平行に疾走した。タイヤとサスが高い悲鳴を上げ
ギリギリといなないた。そして曲がりきれなかった巨人の方は、ゆっくりと
柵に囲まれた地面に突っ込んでいった。

しかし地面に激突する音はせず、巨人の姿は地表から消えた。そして数秒後、
くぐもったような大きな落下音が鳴り響いて、地面が大きく揺れた。

423 名前: クレタ島戦記 04/08/15 00:28 ID:???

青銅の巨人は、大きな穴に落ちたのだ。その穴は施設科謹製の巨大掩体だった。
出入り用スロープを埋めたそれは深さ6m近い、正に「落とし穴」であった。

「投擲班用意!攻撃開始!」
先程話していた陸曹が叫ぶと、辺りに隠れていた普通科隊員が手榴弾と
擲弾筒と迫撃砲を、巨大落とし穴に大量に叩き込んだ。すぐに大爆発が起こり、
土埃と青銅片、榴弾の破片などが火山のように巻き上げられた。

破片は周囲に落ちたりもしたが、青銅片だけは意志を持ったように穴の中に
戻っていった。巨人は何度もそうしたように、また再生するつもりなのだ。

しかしそうはさせじと言うように、もう一人の陸曹の叫びと共に何台もの車輛が
穴の近くに走り寄ってきた。これも周囲に隠蔽して、巨人に攻撃されないようにしてあった。

「コンクリート投入開始!」
何百という洗濯機が同時に回り始めるような音がして、車輛から穴へとコンクリートが
流し込まれた。破片は必死に集まろうとするが、突然の粘液に絡め取られて、まるでもがく
蝿のようにベトンの海を這いずり回った。

しかしコンクリートは速乾仕様の物に、さらに成分調整を加えたものだった。
そのため破片の動きはたちまち鈍くなり、死に絶えたように動きを止めていった。
数十分後、青銅片は完全に固まってただの脆い欠片になってしまった。

「勝ったか。しかしなんというか『戦争』って感じがしないな。特撮みたいだ」
「まあこれも戦争さ。分析・奪回防止の為にこいつは本土に運ばれるらしいが」
「やっぱり懐かし特撮だな。謎の再生巨人、本邦に現る!なんて」

二人の陸曹は笑い合ったが、神ならぬ彼らはこの後、破片がコンクリートを
少しづつ削って復元し、本土で本当に再生怪人と化す事を知らなかった。
その事件の後二人は、思わず「ベタベタにも程があるわ!」と漏らしたという。



597 名前: 名無し三等兵 04/08/19 20:52 ID:???

元ネタ及び参考 オカルト板 ゾンビ関連スレ
#../../hobby5_occult/1083/1083297464.html
#../../ex5_accuse/1092/1092063072.html
#../../ex5_accuse/1092/1092063072.html


『屍鬼』 序

後に「新世界」と呼ばれる異世界に日本列島が転移してより数年。
日本は転移先の世界の大陸沿岸部を完全に占領・統治していた。
転移直後の日本は環境・天候の激変と、輸入食物のストップにより食料・資源が致命的なまでに不足し、それを解決するために政府は異世界への侵略という、後に第2次世界大戦以来の暴挙とも評される決断を行なう事になる。
日本列島を彼ら特有の異質技術を用いてこの世界に「召喚」した張本人の「帝国」は日本との戦争に敗れて大陸の奥地へと逃げ込み、占領地には取り残された帝国国民と少数の異民族が残った。
日本が彼らに対して行なった「政策」は凄惨を極めた。 日本の経済事情と社会的不安、そして当時の世論からすれば、仕方の無いことではあったが、だからと言ってその悲惨さを「無かった事」に出来るものではない。
特に、被害者…「日本の国民1億数千万人を生かすための犠牲」になった当の本人たちからすれば、忘れる事も日本を許すことも出来ないだろう。
憎しみとは、加害者のほうはすぐ忘れるが、被害者のほうは何時までも憶え続けているものだから。
故に、後に新世界転移後最大規模と評されるこの凄惨で悪夢を現実化したようなテロ行為は煉獄の炎のような憎悪を抱いた復讐者たちの手によって実行されたのである。

「最初の感染者は?」

暗くじめじめした狭い部屋の中で、全員が一様に灰色の衣を着た数人の人間が会話していた。
その声は陰気でしわがれており、男女の判別も出来ない。

「彼らの鉄の鳥に乗って、彼らの国へ」
「呪いの潜伏期間及び発動時期は?」
「彼らの国にたどり着くまでは発病しない。 鉄の鳥の腹の中で、中にいる全員に感染する。 これが第1段階。 彼らの国にたどり着いて太陽が七度沈んだ後、第2段階へ」
「彼らが気付いて早期に対処する可能性は?」
「気付いても対処は出来ない。 彼らの国に解呪や浄化のできる高位術士はいない。 我らにもいない。 皆彼らが殺したからな」



598 名前: 名無し三等兵 04/08/19 20:53 ID:???

そう言って、一人の灰色の衣がしわがれた声で笑った。
その越えには皮肉めいた冷笑、あるいは嘲笑が含まれている。

「第2段階の感染条件は?」
「噛まれるか傷つけられれば誰にでも。 仮死状態になった後、目覚めた時には文字通り生ける屍と化す。 後は、感染者を増やしてゆくだけだ。 感染者が増えるごとに爆発的に感染速度は速まっていく」
「計算では、月が満ちて欠けるまでに彼らの国は死人の国と化す」

そこでまた、今度は複数のしわがれた不快な笑い声が上がった。

「多くの血が流れるであろうな」

誰かが、ため息をついた。 全員の視線がため息の主に注がれる。

「我らも多くの血が流された。 我らは友を奪われた。 妻を奪われた。 子を奪われた。 親を奪われた。 我らの土地と国と誇りを奪われた。 今度は彼らが奪われる番だ」
「憎しみを憎しみで返すのは神々の教えに反する。 が、彼らは我々の神を侮辱し、踏みにじり、破壊した。 彼らは我々と姿は似ているが、我々の同族ではない。 獣(ヤフゥ)だ」

灰色の衣を着た者たちは口々に暗く深く煮えたぎる憎悪を口にした。
全員が、彼らが失ったもの、もう2度と手に取り戻す事の叶わない「何か」を奪われた苦しみを、悲しみを、怒りを、彼らの敵に同じ苦痛と絶望を味わわせる事で代償を支払わせると決断していた。
一人が卓の上に人数分のグラスを置き、赤い液体の入ったボトルの中味を注ぐ。 全員がそれを手にして掲げた。

「鏑矢は放たれた。 我らの半身を奪った代償は、彼らの半身あるいは、全てを持って代償として支払われる」
「彼らに生と狂奔の祝福を、我らに死と静寂の恩寵を」
「「「「生と狂奔の祝福を、死と静寂の恩寵を」」」」

全員が唱和し、以後室内を沈黙と闇が支配した。


601 名前: 名無し三等兵 04/08/19 21:13 ID:???

その日、新土の『新高天原空港』を飛び立ったJAL248便は数時間のフライトを何の問題もなく終え、新土と本土を繋ぐ玄関口の一つである成田空港へと着陸した。
成田へ到着した乗客175名は税関で検疫を受けた後、羽田へと移動し国内線に乗り換える。
この日の乗客は座席の殆どを「新土観光ツアー」帰りの一般人が占めており、残りの席を新土と本土を週に何度も往復する背広姿の企業戦士たちが座っていた。
その乗客の中に、空港に降り立った瞬間眩暈と吐き気、そして熱っぽさと同時に寒気を感じ始めた女性がいた。
現在誰もが知っているように、新土は日本が元々いた世界とは違う「異世界」である。
新土に行く人間は、危険な原住生物はもちろん、未知の病原菌に感染する危険性は何度も繰り返し言い含められ誰もが承知していた。
彼女は、新土に行く前と、新土を発つ前、そして先ほどと3度も入念に健康チェックをしたはずだった。
すぐに病院に行って、診てもらおうか。 彼女のその判断は確かに正しかったのかもしれない。
幸いな事に彼女の自宅は東京であり、勤め先も新宿にあった。 だから、他の乗客のように羽田行きのバスに乗ることもなかったし、チケットをキャンセルする手間もなかった。
彼女は空港の玄関でタクシーを呼び止め、それに乗った。

その頃、羽田に行くバスの中で、あるいは空港のロビーで、または飛行機が離陸した後で、彼女が感じた体の具合の悪さを同じように感じ始めている人々がいた。
全員が、彼女と同じ248便に乗り合わせて成田に到着した乗客であった。

続く。


733 名前: 屍鬼 1/6 04/08/21 23:02 ID:???

炎が木と藁と石で作られた家屋を舐め尽くし、逃げ惑う人々は赤々と燃える火に照らされて影絵の様に踊る。
89式小銃の銃口からも小さな炎が吐き出され影絵はバタバタと倒れた。

「捕虜をとる余裕は無い。 占領後に彼らを食わせる余裕も無い。 これは任務だ。 虐殺ではない。 単なる作業だと思え」

指揮官に何度も言い含められた部下たちは黙々と「作業」をこなす。
動いているものは敵で、逃げるものはよく訓練された敵。 動かないものは、死体かも知れないが、同時に死んだ振りをしている敵かも知れないので丁寧に銃剣で刺して確認する。
家屋の中に閉じこもっている敵は、窓から手榴弾を投げ入れるか、火炎放射器で焼いて燻し出したところを撃ち殺す。
外の置いてある樽や村の共用竈の中、積んである藁束の中まで敵が潜んでいないか入念に調べる。
敵が潜んでいるのを見つけたら、即座に殺した。

躊躇ってはいけない。
村を占領した後、更衣兵に襲われて殺された味方は大勢いる。
村の全員が更衣兵だったときもある。 その所為で小隊が全滅した事もある。
あまりに被害が多いので、ついに彼らは「村ごと焼き払う」ことで更衣兵に対処することを決断した。


734 名前: 屍鬼 2/6 04/08/21 23:04 ID:???

炎の中で人影がゆらゆらと踊る。 89式小銃のトリガーを引いて、離す。
踊る人影は、倒れなかった。 人間によく似たシルエット。 だが、何かが違う。
人影は、踊りながらこちらへゆっくりと近づいてくる。
その人影が10歩の距離まで近づいた時、煌々と燃える炎に照らされてその姿が鮮明に浮かび上がった。
叫び声が上がった。 驚愕で顎が上下に大きく開かれているのが自覚できる。
喉の奥、腹の底から大声を上げる自分に、その奇怪な人影は覆いかぶさるように向かってきた。

目の位置は左右非対称に顔の両側にあり、鼻は穴だけが空いていた。
口は縦についており、腫れたような唇の間から鋭い牙が並んでいるのが見えた。
両手の先端は頭足類のように細く尖っており、足は膝の関節が逆方向に曲がっていた。

唐突に景色が変わった。 燃える村が消え去り、変わって周りに石造りの町が現われた。
町の中央の広場に陣取り、4方向の通りを埋め尽くしてやってくる奇妙な姿をした化け物たちに銃弾の雨を注いでいた。
隣で叫び声が上がった。 見ると、ミニミを抱えた同僚が牛の頭を持った大男の突き出した槍に胴体を串刺しにされていた。
子供がいる! 道の端で怯えながら隠れていた子供を助けようと駆け寄った誰かが、突然巨大な狼に返信したその子供に頭を食いちぎられる。
頭上で悲鳴が聞こえたと思うと、コウモリのような羽を生やした人間のようなシルエットの怪物に、班長が連れ去られていくところだった。
コウモリ人間は空中でよってたかって班長をなぶり殺しにし、八つ裂きにして自分たちの頭に血と臓物を振り撒いた。
吐き気をこらえながら、必死で自分にのしかかる怪物を逆に押し倒す。 自分の何処からこんな声が出るのだろうかというような大声で叫ぶ。
叫びながら、銃剣の先で、ストックで、拳で、怪物の顔面を滅多殴りにする。
怪物がぐしゃぐしゃになった顔でうめき声を発し、動かなくなる。
息を付いて、気がついた。 怪物がいつの間にか怪物じゃなくなっている。

735 名前: 屍鬼 3/6 04/08/21 23:05 ID:???

女だ。 粗末な麻の服を着た、まだ若い女。 場面が、今度は森の中に変わっていた。
顔面は潰れ、歯は折れ、目は片方が銃剣で抉られ、無残な姿になっていた。
女の右手に矢が握られていた。 近くに矢筒と数本の矢が散らばっていた。
女の胸が、はだけている。 自分は一体何をした?
この女は誰だ? ここは何処だ? そもそも自分は誰だ? あの怪物は、燃える村は、この女は、一体何なんだ!?

思考が真っ白になり、誰かの叫ぶ声だけが耳に入ってくる。
それが自分の叫び声だと気付いた時、



…目を覚まして、いつもの悪夢だと気がつく。
この夢を見るようになったのは、何時ごろからだろう。 除隊する前後から、見始めたような気がする。
いや、本土に戻ってきてからだったような気もする。 それとも、新土の…

テレビが付けっぱなしだった事に気がつく。 画面の左上に7:11分と表示されている。
お馴染みのニュースキャスターがニュースを読み上げているので、午前だろう。
新土から到着した飛行機に乗っていた乗客から新種の伝染病が感染…とかなんとかのニュースを読み上げていた。
悪夢を見た直後の、いつもの軽い頭痛を覚えながら自分はしばらくぼうっと寝転がったままテレビの画面を見つめていた。


736 名前: 屍鬼 4/6 04/08/21 23:06 ID:???

8月19日 午後6時13分。 新宿区の病院にて最初の患者が運び込まれる。
症状は眩暈と嘔吐感に加え、高熱と極度の寒気を訴える。
患者の申告により新土からの帰還者と判明。 直ちに精密検査を行なう。
結果、症状の原因は不明。 血液からも病原菌の類は発見されず。

7時43分。 患者の容態が一時的に回復の兆しを見せる。
熱が下がり始めるが寒気は変わらない。

7時57分。 患者の容態が急変。 心停止状態に。
処置の甲斐なく5〜6分後に死亡。 検査の後、遺体を霊安室へ。

10時2分。 見回りの看護士が霊安室で患者の蘇生を目撃。
担当医を呼びに行く間に患者は霊安室を出て院内を歩き回る。
病院関係者や入院患者が多数を患者の姿を目撃。

10時11分。 駆けつけた担当医と看護士数名が患者を取り押さえようと腕を掴むと、突如患者が暴れだし看護士が噛み付かれて負傷。
担当医も爪で引っかかれ軽傷を負う。 手が付けられないので患者を拘束し病室にて沈静剤を投与。
看護士が、患者の体温が異様に冷たいことに気付く。 ただち精密検査の結果、患者の肉体は既に死亡している状態であるとの結果が出た。
体温は17度、脈拍・瞳孔反応なし。

11時38分。 患者に噛まれ、手当てを受けたた看護士が、患者と同じ症状を訴える。
何らかの病気に感染の可能性あり。 精密検査を受けるも、患者同様に症状の原因となるものは発見できず。

8月20日 午前0時45分。 看護士の容態が急変。 4分後に死亡。 後、0時59分頃に蘇生。 近くにいた担当医と別の看護士に襲い掛かる。
担当医が負傷。 看護士は駆けつけた他の医師と看護士、保安警備員に取り押さえられる。 その際に数名が負傷。 拘束後、検査を行なうがやはり「死んでいるのと同じ状態」と診断される。

1時16分。 拘束していた患者が目を離した隙に脱走。 入院患者数名に襲い掛かり負傷させる。 警備員数名がかりで取り押さえる。
その直後、患者の担当医の容態が急変。 同じく負傷した看護士や警備員に症状を訴えるものが出始める…


737 名前: 屍鬼 5/6 04/08/21 23:09 ID:???

「感染源の特定は?」
「まだです。 病原菌の類は発見されていません」
「女性が乗っていた飛行機の乗務員は?」
「女生徒同じ症状が現われましたので、都内の病院にて隔離しています。
他にも、同じ症状で入院した乗客が3名…いずれも、病院に収容された後報告書の女性とほぼ同じ経緯を辿っています。 都内での2次感染の被害者は計36名」
「不味い事になったな…」

内務省 危機管理対策室 20日 午前8時44分

「飛行機の乗客は175名。 うち、殆どが羽田で国内線に乗り換え、全国に拡散しました。 花巻空港行き便の旅客機内で発症、パニックが起き、仙台空港に緊急着陸したのが1例。
2次感染で43名が感染しまし隔離しました。 他は、目的地到着後に発症、病院に搬送の後発症の模様です。
函館市内の病院に搬送された3名は、心停止状態からの蘇生後に医師や病院関係者数十名に2次感染。 現在病院は閉鎖されています」
「判っているのはそれだけかね?」
「はい、他の感染者に関しては、搬送された病院で2次感染が広がり、警察と消防が出動しましたがパニックを抑えることが出来ず、現在の状況は情報が入ってこないので不明です」
「それじゃ困るんだよ君。 現地にスタッフを派遣し、できる限り詳しい情報の収集に努めたまえ。 総理への報告は…私が行く」
「はい。 マスコミへの対処はいかがいたしましょう? 既に一部で情報が漏洩しています。 感染が45都道府県のうち12箇所に広がっているので情報統制で完全に隠蔽する事はもはや不可能ですが」
「…新種の伝染病と発表したまえ」
「よろしいのですか?」
「原因不明、などと発表してテロだの暴動だのとデマが飛んでも困る。 伝染病ならば感染者や地域の隔離もしやすい。 国民は、何もわからないと不安になって根も葉もない噂を信じたがるものだよ」


738 名前: 屍鬼 6/6 04/08/21 23:17 ID:???

テレビではニュースキャスターが伝染病の発生地域を読み上げていた。
自分は、とりあえず起き上がったはいいが、まだ頭がはっきりしないため何をしたら良いかわからず、とりあえず着替える事にした。
着替える途中で、シャワーを浴びた方がいいか、と考える。
中途半端に服を着たまま風呂場へと向かう。 本土に帰ってきて以来…性格には任期を終えて除隊して以来、万事この調子だ。
班長が見たらだらけている!と叱り飛ばされそうだ。

思い出した。 もう、班長はいない。

「繰り返します、この伝染病の発生した地域は北海道札幌市、函館市、青森県青森市、盛岡県花巻市、宮城県仙台市……埼玉県さいたま市………愛知県名古屋市…………熊本県熊本市…

続く



255 名前: 254:ちょっと思いついたSSネタ 04/09/05 22:25 ID:???

燃料不足・資金不足から老朽潜水艦を破棄することになった海上自衛隊。
しかし、現在の状況で一隻でも潜水艦を減らす事は、敵水中兵力を叩く手が
足りなくなる事を意味していた。

この状況を打開するには、手を増やすしか敵を減らすしかない。そんな二律背反の
状況に悩んだ自衛隊は、一つの苦肉の策を考えついたのだった。
「やはり潜水艦は、海中に散ってこそ本分」
「ロシア潜みたいで縁起悪いですけどね」

海中を往く潜水艦は、全力のパッシヴを行いながら海をさまよった。その声に
惹かれた悪魔の魚や海竜どもは、その鉄の鯨へとどんどんと近寄っていった。

そして彼らは、年老いて死にかけた鯨を見つけたのだった。今まで散々仲間を
殺してきた鯨の、哀れな姿だった。その鯨は手向かわなかったので、彼らは
仲間をそこに呼び集めつつ、鯨をいたぶりはじめた。

その内に周囲は彼らの眷属で埋め尽くされ、巻き付かれた鯨は悲鳴を上げた。
彼らが徐々に力を込め、断末魔の悲鳴が聞かれるかと思えたその時−
鯨の腹一杯に詰め込まれた爆薬が炸裂し、彼らは身体を砕かれながら水上へと
吹き上げられたのだった。

「よし、自爆したな!爆発点付近に全力攻撃!今ならどこに撃っても当たる!
弔い合戦だ、残りの連中を一匹も逃がすな!」

司令官は弔い合戦と言ったが、実際には艦は自動操縦だった。もちろん潜水艦は
無機物だが、自衛官にとっては家であり仲間なのだ。
ならばそれを弔うことに、ためらいなどあるはずもなかった。



743 名前: 名無し三等兵 04/09/25 21:31:32 ID:???

二度目の召喚の時、一個大隊規模の部隊と数集のミサイル艇や輸送船と補給品を入手。
しかし彼女の故郷のバロットから西の別大陸、東海岸付近に弓型の島国国家がF世界に転移。
その国は混乱状態に陥りながらもその大陸住民と交流しながら未開地を開拓しつつ勢力を広げていた。
一方異世界の軍を補充し内乱を制定したアルナはいよいよ自国の蛮族を操っていた大陸の敵国
へと進撃を開始する事になる。
ミサイル艇の攻撃による敵船の排除をした後輸送船で上陸、快進撃が続く。
しかし世の中はそう甘くなく敵も相打ち覚悟での特攻を行い、次第に苦戦に立たされる事に・・・。
そこに追い討ちの如く敵の全戦力により包囲される事態が発生、しかも自軍は圧倒的不利という状況、
しかし彼女はここで非常な命令を下した、すなわち自衛隊に盾になれと。
自衛隊は全滅、だがこれで敵戦力も壊滅、バロットは大陸一帯に大帝国を築きあげることができた。
それからしばらくせずに通商拡大の為日本の自衛隊の艦隊が来国、彼女はこれを勘違いする、
てっきり何かの手違いで離れた所にまた異世界軍を召喚してしまったと・・・。
しかし彼らには強制服従の法にはかかっていなかったのだ。
強制的に呼び出した将兵を無理矢理服従させ召喚者のために戦わせるという非道の術を行使し、
約1000人にも至る自衛隊員を全滅に追い込んだ事を知った日本政府は激怒、全面戦争に発展。
上陸主戦力にイージス艦、揚陸艦、建造したばかりの空母型護衛艦(16DDH)を動員、総攻撃をかけた。
これには敵わず連戦連敗の果てにアルナは自決しようとしたが拘束され戦犯として裁かれる事になる。
こうして大陸にまで覇を広げた国は滅び去ったのだ。
バロットを世界最強国家に登りつめさせた英雄王は、日本国では某半島国家の指導者並の極悪人、
として語り継がれる事になった・・・。
全てを犠牲にする決意で剣を抜いたのはいいがその結果に招いたのは祖国の滅亡。
国ためならば、この程度の犠牲は許容範囲だと他国の怒りを買った、まさに本末転倒とはこの事。



842 名前: 名無し三等兵 04/09/29 19:34:23 ID:???

「なあ魔術師、お前このくそ暑いのに良くそんなの着てられるな」
「しかも汗一滴流さずに。どうなってるんだ?」
「心頭滅却すれば・・・って奴だ。お前ら修行が足りないんだよ」

「言ったなこの野郎!この中に何か−あ、スゲエ涼しい風吹いてる!」
「ホントか?あ、涼しい!しかも中に何かあるぞ。この臭いは、酒か?」
「このやろーフカしやがって!どうなるか分かってるンだろうなぁ」
「ま、まあ待て。お前ら用のも作ってやるから。特別広いのを用意しよう」

−オアシスの街−
「やだー、何あれ気持ち悪いー。魔術師だけのパーティよー」
「なんかバランス悪いし暗いし、なんかマニアックそうよね」
「戦士様とかと一緒にいると、まだツマって感じで許せるけどねー」
「三人魔術師って・・・なんか凄く不気味よね」

「脱ぐ。俺はこのローブを脱ぐぞ」
「ああ、おれもそう思ったところだ」
「おやどうしました戦士様に格闘家様?外はまだ暑いですよ?ん?」
「背に腹は代えられねえ。あそこまで言われたら耐えられん」
「他人が何を言おうと聞かない事ですよ。まだまだ修行がたりませんなあ」
(このやろう後でとっちめてやる)
(砂漠に入ったらもっかい着るか)

魔術師ルックは一長一短で、それゆえ流行りも廃りもないのだった。彼らがこの
ローブを商売にしようとし、デザインに革命が起こるのはずっと先の話である。


710 名前: 名無しロサ・カニーナ ◆cDIj6u5gc. 04/10/10 20:13:35 ID:???

連続した閃光と爆煙が大地を覆い、二呼吸は遅れて届く爆音と、瞬間的な死に漏れた不運なものどものささやかな悲鳴があたりに漂う。
第34普通科連隊長である佐藤一佐は、メタルフレームの眼鏡の底に澱む濁った目を細め、虫唾を走らせたような引き攣れた笑みを浮かべつつ、目前の地獄を楽しんでいた。
この毎年夏と冬に有明で空想と妄想の発露が構築する混沌の中を漂泊するか、純白のカシミア生地のダブルスーツを着て吸血鬼どもの首魁でもやっているのが似合いそうな小太りの男は、
しかし、まぎれもなく軍人としては有能である事を眼前の地獄の生成を主導する事で証明していた。
「敵の主隊は完全に追い込んだね? 鹿内君」
傍らの情報幕僚に、視線も向けずに確認を取る。
「オークを中心とした戦列歩兵は、ですが。敵騎兵集団とトロルの重装兵は、ノロ高地ふもとの街道を突破しようと友軍陣地に向けて突撃を繰り返しています。
騎兵の一部は北東部の荒地を走破して脱出を試みているようですが、フユ高地の機銃陣地に火制されてKZに追い込まれました」
「つまり?」
「我々は、敵冥王の野戦軍の二割を捕捉し、これを包囲し、殲滅しつつある、という事です」
ジープ帽を目深にかぶりコートの襟を立てた三部長が、淡々と感情の篭らない声で状況を端的にまとめあげる。
幕僚の報告に佐藤一佐は、そこに浮かんでいる笑みを吐き気をこらえるかのような歪んだしろものに変えると、傍らの金属甲冑に陣羽織をまとった壮年の騎士に視線を向ける。
眼前の阿鼻叫喚に、それが敵軍であるにもかかわらず沸き起こる生理的嫌悪感に身を震わせつついた彼は、吐き出すように呟いた。
「これは、戦争ではない」
「仰る通りですな、騎士団長殿」
濁った眼の中に、完全なる人間、超越した人間、「否、否、そして否」と三度否と言える人間のみが持ちえる理性による狂気の光をたたえつつ、佐藤一佐は断言した。
「これこそが、勝利というものです」
激昂し、思わず腰の剣に手をかけた騎士団長と呼ばれた男は、しかし、目前の魔王の瞳に在る何かに気おされ、凍りついた。
「ようこそ、我らの「戦争」へ。騎士アレマニエン侯爵閣下」

711 名前: 名無しロサ・カニーナ ◆cDIj6u5gc. 04/10/10 20:14:18 ID:???

「君に、冥王軍の前線拠点ラトラフ市を攻略してもらいます」
富士学校校長の福田陸将補は、平素と変わらぬ穏やかな表情と淡々とした口調で、だが明瞭に命令の核心を第1師団第34普通科連隊連隊長の佐藤一佐に伝えた。
「了解いたしました」
そして佐藤一佐の答えも、同様に簡潔なものであった。
「では、全般状況の確認と、全体構想の説明を行います。山本君、お願いします」
「はい。では佐藤君、こちらの地図を見て下さい」
山本君、と呼ばれた一佐が、佐藤一佐の目前に畳一枚分はゆうにある地図を広げて見せた。
そこには、この異世界に望まずにして召還された彼ら陸上自衛隊富士学校及びその周辺駐屯地の部隊が、短くない期間を使って調べ上げた地誌情報の一部が印刷されている。
「・・・・・・なるほど、釣り餌ですな」
「はい。冥王軍は、このラトラフ市を兵站拠点として物資の集積と占領地行政を行っています。このラトラフ市を攻略し、冥王軍主力を誘引、これを攻城戦に引き込み撃破します」
地図を数秒見ただけで、佐藤一佐は自分に求められている任務についての理解を口にしていた。
そして、佐藤一佐がそう反応するのを見越したように、山本一佐も言葉を続ける。
「冥王軍は、この戦役に約10万の兵を投入し、そのうち約4万が後方地域で軍の維持にあたっていると確認されています。その後方部隊のうち、ラトラフ市周辺に展開しているのは約3万と見積もられ、その大半が占領地警備と連絡線警備にあたっていると考えられます」
「了解しました」
「我々は「友軍」の前線での限定反撃の支援を受けて冥王軍主力を前線に拘束し、その間にこの迂回経路を確保してラトラフ市を攻略します。これで冥王軍は前線の各部隊の連接が取れなくなりますから、一度後退して軍を再編成する必要に迫られるでしょう。
この場合、冥王軍の集結地点は地勢と街道の整備状況からしてラトラフ市とならざるを得ません。ここで冥王軍が撤退すればよし、撤退せずにラトラフ市の再攻略に取り掛かるならば、貴官に篭城してもらって敵主力を拘束し、これを我々の主力が叩くことになります」
佐藤一佐の顔面に、徐々に引き攣れるような笑みが浮かんでくる。

712 名前: 名無しロサ・カニーナ ◆cDIj6u5gc. 04/10/10 20:14:52 ID:???

「第34普通科連隊には、第1特科隊と特科教導隊から多連装中隊、第1戦車大隊の2個中隊、施設中隊、集成後方支援大隊を配属し、戦闘団を編組していただき、
「友軍」の軽装歩兵を主力とした5000の部隊と協同していただきます。この部隊の指揮権は貴官にあるものとします」
「了解いたしました。航空科の支援は要請できるのでしょうか?」
「できないものと考えてください。UHによる定期連絡便を1日に2度飛ばすの精一杯です」
燃料は節約しなくてはならないですから。
山本一佐の言葉に軽く肯くと、佐藤一佐はメタルフレームの眼鏡の底の眼を細め、眉を寄せ、脳内で極彩色の状況を幾通りも描いては消し、描いては消す作業を繰り返し始める。
「敵が我との決戦を避け、例えば、・・・・・・この城に新たな拠点を構築した場合には?」
「その場合には、ラトラフ市に若干の部隊を残し、我々は後退する態勢を示し、冥王軍の誘出を行います」
「つまり、敵主力との決戦にもっていくことが目的であり、その為に敵を誘出することが目標と考えてよいのですな」
「はい」
山本一佐の言葉に、佐藤一佐は満面の笑みを引き攣らせて顔を上げた。
佐藤一佐は、ここであえて周辺地域を焦土化させて、敵を動かざるを得ない状況に追い込む、という手を口にはしなかった。
目前の年上の幹部が、祖父が旅順から、父がルソンから生還した家系の末であり、本人も各地のPKOで飢餓に苦しんだ現地住人の姿を見てきている人間である事を知っていたからであった。
少なくともこの傍若無人な男は、しかし他人に軽蔑される事を自ら望んで行うつもりは無かったのである。
「それでは最後に一つ」
「はい」
「場合によって、敵との休戦交渉を行っても許されるでしょうか?」
「「友軍」に知られないようにするならば、短期間のものに限り許可します」
「あくまで、「友軍」に知られてはならないわけですな?」
「それを最優先事項と考えていただきたい」
佐藤一佐の眼に、昏く澱んだ光が灯る。
「了解いたしました。第34連隊戦闘団は、これより冥王軍主力の誘出の任につきます」


235 名前: 名無し三等兵 04/10/31 20:43:05 ID:???

乙です。自分も何か考えるかな・・・

「我々の鎧は今まで、自衛隊の攻撃には耐えられなかった。しかしそれも今日限りだ。
ここにある鎧ならばどんな攻撃にでも打ち勝てる」

「ドラゴンメイルは地竜の鱗を打ち出して作った鎧だ。やつらの銀鳥が降らせる
爆弾でも破壊はされなかった。これならば攻撃も防げるだろう」

「オリハルコンアーマーは世界最強の金属を使った全身甲冑で、ドラゴンのヒート
ブレスでも、アシッドワームの体液でも溶けないほどの丈夫さを持つ。これらを
身に纏えば、例え単身でもドラゴンを・・・」

「あのー一つ聞いても良いですか?」
「何だね?」
「鎧の隙間から爆風や破片が入ったりしたら、どうするんです?」
「そうならないように努力し賜え。それは君達兵士の役目だろう」
「・・・・・・・・・・・・」

238 名前: 名無し三等兵 04/10/31 21:32:40 ID:???

「アイアンゴーレムやストーンゴーレムでは、自衛隊の砲撃に耐えられなかった。
そしてオリハルコンの鎧は、中の人間が攻撃に弱かった。しかしこの二つを
上手く組み合わせれば・・・」

「なるほど、小型のゴーレムが鎧を着て動くのですね」
「なんでその発想になるんだ!オリハルコンゴーレムに決まっとろうが!」
「貴方こそ何でそんな発想に?そんなものの有効数を揃えようとしたら、
国が何度破産しても足りませんよ」

「ぬ。いいんだよそんなものは。浪漫と見栄と、あとは心理的効果だ」
「絶対落とし穴に落とされて奪われますよ。無駄金どころか敵に回ると
思うんですがね」
*******************************************
「ああっ、敵のアイアンゴーレムが触手を巻き付けた!引きずられていく!」
「だから言ったでしょうに。まだ費用分働いてませんよ?大損害の言い訳は
どうするんです」

「そんなのは運用側の責任だ!私にゃ関係ないね」
「やっとこさ一体だけ作って押しつけて、運用も何も無いと思うんですが?」
「ううう、どうしよう。絶対領主怒るだろうなあ。城変えるか」

239 名前: 名無し三等兵 04/10/31 21:59:38 ID:???

「えーと思うんですが。」
「なんだね?」
「もしオリハルコンゴーレムを大量生産できたとして、どうやって敵の鉄馬車とかを
攻撃するんですか?」
「えーと…ゴーレムといったらアレだろ。殴る。」
「……オリハルコンより重いアイアンゴーレムが殴っても平気で動いた鉄馬車を?」
「…………しまったああ!!攻撃力を忘れてたあ!」
「(こいつ、だめだ…)」

240 名前: 名無し三等兵 04/10/31 22:11:12 ID:???

>>236
「捕獲した敵ゴーレム、解析終わりました。凄まじい結果ですよ?耐熱性や硬度、
その他あらゆる数値が既知の金属を越えました」
「随分凄いな。こいつを使って戦車に装甲できないもんかな」

「それは無理です。こちらの技術では変形すら不可能ですから。相手にしても恐らく
魔法でしょうが、どんなのを使っているかは謎ですしね?ただ最大の謎は」
「謎は?」

「これを作れるだけの魔法があるのに、なぜ戦闘に転用しないのかという事です。
言葉は悪いのですが、これなら装甲車は濡れたウェハースで、90式の複合装甲でも
合板程度でしか無いでしょうね。こちらの防御は丸裸にできますよ」

「管理が面倒だとか、余程の人間じゃないと使えないとかでは?」
「前者はあり得ませんね。肘や膝の仕上げも匠の技だし、ご丁寧にも全身に
家紋やら紋章が浮き彫りになってますから。腕さえ良ければ扱うのは簡単だと
思いますよ」

「あ、何か凄いイヤーな涙出てきた。ところで前者って事は、このレベルの
魔導士は滅多に居ないと?」
「ゴロゴロ居たら、今頃前線は100km単位で下がってますよ」
「そうか。じゃコマンド派遣して、攫うかやっちゃうか?」
「あるんですかそんな部隊?本当にあるなら敵が気付く前に攫って来て下さい」
「あ、あっさりと言うなあ。まあいいや。敵のバカさ加減に感謝を」
「感謝を」

・・・この後、某佐藤と中村がマッドアルケミストを攫ってきて駐屯地パニックが!


242 名前: 名無し三等兵 04/10/31 22:35:14 ID:???

「日本帝国の国民防衛軍のアレ、なんで鉄馬車っていうんだろ?」
「鉄で出来てるからだろ?こないだゲオルグのとこの餓鬼が触らせて
貰ったそうなんだが、鉄くらい硬かったそうだぞ。」
「触っただけだろ。もしかしたら特別な石かもしれんぞ。」
「まあ、かもしれんが。」
「まあそれはさておくとしてだ。馬が付いてないのになんで馬車なんだ?」
「人間じゃあんなに早くは走れん。だったら、馬だ。といっても、隊長の馬より
早いが。日本帝国はよほどの駿馬を抱えているらしいな。」
「じゃあ、馬は何処にいるんだ?」
「外に出してたら、敵にやられる。馬鎧を付けさせても、万全じゃない。だから、
馬車の中に入れて、中から車輪を回させてるんだろ。」
「なるほど、日本帝国の民は頭がいいな。」
「ああ。」




636 名前: 586 04/11/16 14:39:21 ID:???

>>591
>>つーか、過疎気味だし別にスレの浪費にはならないんじゃない?
>>とりあえず>>586は粗筋とか簡単な内容説明とかキボン。 それ見て住人が判断するだろ。

クエストをやってみてはどうかと思いまして。
大規模な合同演習のために武器弾薬を運ぶ自衛官を10人くらい召喚して
ゴブリンやオーガ、ドラゴンと戦う。
ゴブリンやオーガと戦う理由は、ダンジョン古代魔法帝国の遺跡(ダンジョン)を使用して自分達の世界に帰るため。
ドラゴンとは戦わなくても帰れるがF世界の人達のために戦う。

例えば・・・
「・・・・・動く、動くぞ!三曹!この遺跡はまだ生きてます!」
「ハハ、帰れるんだ!俺達帰れるんだ!」
部下は皆帰れることを、肩を叩き、歓声を上げて喜んでいる。
だが俺は――――――――
「・・・・・」
「どうかしたんですか?俺達は帰れるんですよ?」
・・・そうだ。俺達は帰れる・・・・喜ぶべきことだ。
だがそのとき俺の頭に浮かんだのは・・・・
――私たちを守ってくれてありがとう!――
町をモンスターから守った時に少女が見せた笑顔だった。
「・・・・・・・・・・・覚悟、決めるか・・・」
俺は小さく呟き苦笑いをしながら部下達を呼び、集合させ、今思ってることを喋り始めた。
「・・・全員が知ってのとおり、あと数日で城下町にドラゴンが飛来する。おそらく、いや、間違いなく町は火の海になるだろう。
こちらの世界の武器じゃあれは倒せない。だが俺達なら?89式自動小銃と手榴弾、ミニミ軽機関銃で武装した俺達なら
うまくやればあの化物にも勝てるんじゃないか?」
一息ついて周りの隊員の反応を見るが誰も何も言わず、ただ驚いた顔でこちらを見てる
俺がこんなことを言い出すとは夢にも思わなかったのだろう。
「俺はあのトカゲの親分と戦うことにする。そこで皆にも戦ってもらいたい。これは命令でも任務でもない、完全な私情だ。
あの町にいる連中を助けたいんだ、手伝ってもらえないか?」



81 名前: 名無し三等兵 04/11/28 21:35:21 ID:???

とある竜騎士の物語

栄光ある竜騎士

それは地上を行く騎兵や地鳥騎兵などの他の騎兵手とは違い、
ペガサス騎兵と並んで空を天かける騎兵の最高峰に位置する兵種である
空を行くその速さは多種族のそれを大きく引き離し、
その力は岩を持ち上げての飛行すら可能とする空の最強部隊
常に地上を行く騎士や騎兵たちの憧れであり、故に竜騎士志願者は後を絶たなかった

しかしながら対抗しうるは竜か上位魔術師のみとまで称えられた竜騎士の騎乗術である
それだけにその選抜基準は非常に厳しく肉親の情すら入り込まぬ完全な実力主義で決定された
実力さえ認められれば奴隷であろうが剣闘士であろうが
そしてたとえ女であろうと関係なく竜騎士団に入隊することが可能とされていた

そしてその選抜基準は非常に簡単な物であった
『選抜馬上試合の優勝チームを採用とする』
これだけである
竜騎士を目指すものであるのならば最低限、
馬ぐらい自由に乗りこなしてもらわないと話にならないというのがその理由だった
故に志願者達はまず馬上戦闘になれることから始めなければ成らなかった

そしてここにもまた、
竜騎士を目指す一人の志願者がいた
その志願者もまた、選抜馬上試合に備えての野良試合に励んでいた

82 名前: 名無し三等兵 04/11/28 21:36:02 ID:???

「せりゃぁ!」

胸甲に細長い六角形の盾を装備して全力で目標に突撃した真っ赤な槍騎兵が
勢い良く真正面から向かってきた小さな騎乗手の大盾めがけて訓練用の槍をなぎ払う

「わっ!」

とっさに小さい方の騎乗手が股を引き締めて馬にしがみつきその打撃に耐えようとするが
地上に両足をつけて踏ん張るのとは訳が違う
彼女の小さな体は木の葉のように簡単に宙に舞う
そしてそのまままっすぐに背中から地面に落ちて行った

「げほっげほっ」
「大丈夫か?!お嬢さん!」

少女を問答無用に叩き落しておいて何を言うか!と
少女を竜騎士を目指すものとして扱い真剣に槍を振るった男に聞くのは酷だろうか?
ともかくその男は慌てて馬を御し彼女のすぐ傍まで駆け戻ってくると
ひらりと鞍から飛び降りて少女を助け起こした

「大丈夫ですパシヴァール殿。軽く背中を打っただけです。
さあ、立ち会ってください」

すぐに騎士の手を振り払って起き上がった少女は再びその槍を構えて告げる
その目は勝利以外の何物も望んでいなかった


83 名前: 名無し三等兵 04/11/28 21:36:42 ID:???

「今ので分かったのではないのかなお嬢さん?
君のような年頃の女性が体中あざだらけに成りながら
目指すほどの価値が所詮戦争の駒に過ぎない竜騎士にあるとは思えないが・・」

赤い騎士は心底不思議そうに強い瞳で彼を見上げる彼女を見つめながら問いかけた。

「・・・大丈夫です。
実家を没落させないには竜騎士にでもなって王の円卓の末席にでも
混ぜていただかないことには不可能なんですから・・・」

笑顔に苦労を滲ませながら少女は答えた
少女の実家は昔は名の知れた有力貴族の一族であった
しかしながら近年は男子に恵まれず、生まれたとしても病弱な男子ばかりであった
そして彼女の父にいたっては六姉妹を設けこそしたものの男子を残さずに他界してしまう
婿養子を迎えようにも没落した元有名貴族の養子に来てくれるような
まともな騎士などいる者ではなかった。
ゆえに六姉妹の長女である彼女には有形無形の重圧がのしかかっていたのだ

「ふむ・・そういうことなら私にとめる権利は無いか・・・
しかしどちらにしろ、今の君では選抜試合に出場するだけ無駄というものだぞ」

少女は何もいえない。
赤い騎士は「それでは私は仕事に戻らせてもらう」とだけ言い残し去っていってしまった



84 名前: 名無し三等兵 04/11/28 21:37:13 ID:???

「はあ、やっぱり私には才能が足りないのかなあ・・・」

行き付けの茶屋で紅茶に口をつけながら小さな声で口ずさんだ
ここは少女が足繁く通うお気に入りの茶屋だ。
厳選されたお茶請けのお菓子や手の込んだ小料理が食べられる
風変わりながらなかなかいい雰囲気のお店である

「なに?なんかあったの?」

最近この茶屋に良く出没する顔馴染みの迷彩色の変わった服を着た青年が少女に話しかけてくる
自分の指定席から少女のテーブルに皿を運んできて勝手に相席に座る仕草は
相当手馴れているなと感じさせるほどのものである。・・あるいは無思慮ゆえか。
ともかく、青年の名前は緑川と言った。
王が国取りの際にこの世界に召喚された異世界の銃兵である
少女は好感を抱いていたこの青年に今までの情況を掻い摘んで説明した
無論実家の問題までは説明はしなかったが・・・
緑川は途中まで鳥の油揚げをほうばりながら聞いていたが
それを食べ終わると少女の話に楽しそうに聞き耳を立てていた
少女がその件について相談すると

「そういうことなら俺に任せておいてくれ」

そういい残して、銅貨を店の主人に投げ渡し
意味ありげに笑いながら鍛冶屋の方角に向かって進んでいった

85 名前: 名無し三等兵 04/11/28 21:37:56 ID:???

数日後。

いつもと同じ時間帯に緑川は茶屋に現れた。
いつもと違うところと言えば荷押し車を騎乗の同僚に引かせていたことくらいだろう
その男は黒茶を同僚分だけ注文すると私の前の席に座って
「やあ、元気だった?」といつものように話しかけてきた

「どうしたんですか緑川殿?
物資輸送任務なら急がないと紫藤殿から処罰を受けるのでは・・・」
「いや・・今日は任務じゃ無いんだ。
ほら前に言っただろ?『俺が何とかする』って」

荷押し車を押してきた同僚達の紹介もそこそこに少女に木箱を
少女の机の前にすっと差し出して言った

「これが誰でも腕利きの騎兵になれる秘密兵器だ。あけてごらん」
「秘密兵器ですか。そんなもの持ち出して大丈夫なんですか?」
「大丈夫。銀貨2枚で鍛冶屋のおっさんに作ってもらったから心配しなくてもいいよ」
「はあ・・・」

とりあえず少女はその箱を開けてみることにした。

「これが秘密兵器ですか・・・?とてもそうは見えませんけど」
「なに、使ってみれば分かるさ。サイズは山勘で作らせたから違うかもしれないけどね」

緑川は『ソレ』をもって少女の馬に近づくと手馴れた動きでソレを装備させた
そしてもう一つの秘密兵器である戦利品の鎧を彼女に手渡すと、
自分の仕事は終わったと言い残して同僚と一緒に立ち去っていったのだった

86 名前: 名無し三等兵 04/11/28 21:38:31 ID:???

さらに数日後・・

稽古を付けてくれと頼みこんだ少女にやれやれと仕方がないと思いつつも
競技場に現れたパシヴァールは驚愕に襲われることになった。
ミスリルで出来たフルプレートアーマーを着込んだ少女のその姿にも驚いたが、
試合を始めたところで彼女が突然歴戦の騎士のごとく戦い始めたことに驚愕させられたのだ
その力は今まで落馬を経験したことの無いパシヴァールをして馬から引きずり下ろすほどの物であった

数試合後、休息の為に馬から下りた二人は競技場の橋の長椅子背をゆだね
互いの従者に体の手入れをさせながら語り合った

「どうしたのだお嬢さん。急に強くなったな
今までの非力さはどうやって克服したのかね?」
「・・ジエイカンの緑川殿のおかげです。
彼から頂いたこの『鐙』のおかげで私でも自由自在に戦えるようになれたんです」

パシヴァールは彼女の目線の先にある馬の腹に目をやった
そこには初心者が馬によじ登る際に使う足掛けが駆けられていた
少女の説明では反対側にも同じものが付いているらしい

「・・なるほど。発想の転換と言うものだな。
馬にしがみつく力が無いのなら足で踏ん張れる道具を作れば良いという訳か
さすがは異世界人といったあたりか」

そうつぶやいた赤い騎士は早速従者を呼んで自分にも同じものを作らせるように注文させると
彼女の前で膝を付けてこれまでの非礼を詫びた
そして彼女の選抜試合への全面的な協力を約束した。

87 名前: 名無し三等兵 04/11/28 21:39:24 ID:???

大会ではパシヴァールの一族の協力を受けた少女は圧倒的な勝利を収め続けた

先方を演じた赤い騎士の息子のロリエングリンは一度の接敵であらゆる敵を叩き落し
中堅の赤い騎士に至っては対戦相手が全て辞退するという無条件勝利で全てを終わらせ、
赤い騎士の遠い親戚であると言う王の生き写しのような女性が疾風迅雷の働きで勝利を勝ち取り
大将である少女もまた緑川らの応援の元で何とか無敗で選抜槍試合を終わらせることが出来た

竜騎士の採用試合に優勝した彼女は周囲の人間を驚かせつつ望みどおり竜騎士になることができた
数年後には円卓の王のすぐそばにその席を与えられるほどの活躍を見せることになった

第二次ポラート戦争の際に自らの部下である21人の二枚羽の特殊な竜に乗る魔道竜騎士と共に
単身、敵艦隊の停泊するトレント海軍基地に殴りこんでその主力艦8隻近くを大破させ
その後戦争が終結するまでの間、敵艦隊の動きを消極的な物にさせることに成功したのだ。
本国周辺で暴れまわる当方のリアス式海岸に身を隠していたリバイアサンを
二度と浮かんでこれないであろう深海に叩き込んだのも彼女の部隊である

戦場において常に全身をミスリルのフルプレートアーマーと言う重装甲で駆け巡り
常に連合王国海軍の主力であり続けた彼女ではあったが、
国に帰るたびに行き付けの茶屋で異世界の銃兵と紅茶を楽しむことを何よりの楽しみとしていた

後に『王国の盾』『白銀の戦乙女』と呼ばれ、敵からは『王国の白い死神』とまで呼ばれた
連合王国にその名を知らないものはいないと言うほどに名をはせた竜騎兵隊長
そして無数の求婚者達に笑顔での拒否で応じ、
ひたすら戦場に出た一人の銃兵を待ち続けたことでも名をはせた円卓の騎士



その名を イラストリアと言った




533 名前: 名無し民間人 04/12/18 14:15:01 ID:???

「しっかりしろ秋山 もうあと少しで元の国に帰れるぞ!!」
背負われる男は顔を歪めてそれに答えた
「うそが下手だな・・緑川
もういい、俺を置いてお前だけでも逃げろ」

降り注ぐ隕石にせきたてられるように数十人の男達が戦友を背に山道を駆け抜けていく
それを支援するかのように後方数百メートルの地点から無数の乱射音が響いては途切れていく
戦死したのか、離脱したのかは分からない。
ただ、徐々にその音の量が減り、射撃間隔が伸びていくのだけは間違いなかった

534 名前: 名無し民間人 04/12/18 14:15:40 ID:???

彼らはこの世界に呼び出された異世界の戦士達
召喚手の命に従い全ての任務を大きな犠牲を払いつつも完全に遂行した

始まりはどうやら召喚手の国取りの手伝いだったらしい
無数の命でその手を染めつつ彼らはそれを果たした

召喚手と彼らは国を手に入れた。だが戦いはまだまだ続いた
召喚手はそれでも良かった。失ったものは少なくなかったが
ひとりでも多くの人をその手によって救ったという確信があった。
彼らもまた、その召喚手のひたむきな姿に
自らの犠牲をも多くの人を救えたのならと納得して召喚手に続いた

異民族からの国家防衛、同盟国への救援、同盟国の安全保障のための外征

だが、終わりを見せない戦いに徐々にその考えすらも迷いへと移り変わっていく
人々を助けるために無数の人々を殺し、文化を破壊し異民族を文明的に侵略した
無数の勝利は殺された人より常に多くの人に安全と生活水準の向上をもたらしたが
それでも召喚手と彼らの大半は心を痛め続けた
その心を救おうとするかのようにさらに多くの者を助けるために戦った。
百人の生活を助けるために千人の兵を犠牲に、
千人の兵を救うために一万人の自由と人生を犠牲に。


535 名前: 名無し民間人 04/12/18 14:16:34 ID:???

どこかで限界を感じ諦めれば良かったのだ
『全てを救うことは不可能なら、最小の犠牲で最大限の幸福を得るべき』だと
だが召喚手と彼らはどうしても納得できなかったのだ。
そう考えれば自分達が今までしてきた事の大半が無駄になってしまう・・と
故に戦いは終わらずひたすらに拡大していく
弓は小銃と成り、剣は銃剣へと変わり、魔術は戦略兵器の域に達した
それはやがては他文明との摩擦から衝突へと移り変わった

異民族たちの連合軍による逆襲、
そして、大陸最強の国家その同盟国との無制限全面戦争

ありとあらゆる場所と空間が戦場になった
海洋を行く民間船であろうと問答無用で沈められ、
街道を進む駅馬車すらレジスタンスや潜入部隊の攻撃の対象となる
彼らの本土とて安全ではない。
常に上空では竜騎士やフェンリル達によって壮絶な航空撃滅戦が行なわれ
双方の首都には日課のように砲撃や岩石が降り注ぎ、
地上では政情不安や工業力低下を狙った暗殺や破壊工作が続いた

陸では隙あらば敵国に上陸し、その全てを殲滅せんとした。
海では敵艦隊と敵側幻獣を撃滅し制海権を手に入れるために会戦を繰り返した

挙句の果てには双方の主力軍が互いの本国に上陸し双方の国を破壊しつくした
彼女に最初から付き従っていた多くのものが命を失った
決戦に次ぐ決戦。
要塞包囲戦に双方の最高の将同士が国の総力を尽くして望んだ大会戦、そして勝利。


536 名前: 名無し民間人 04/12/18 14:17:08 ID:???

これでやっと平和が訪れてくれるはずだ。
疲弊しつくした広大すぎる領土を手に入れた召喚手と彼らは
数万単位で戦死者や負傷者の転がる高地の上に立って
召喚手と彼らはその傷ついた体を各地の戦場に横たえながらもそれを願った

だが最早誰も・・彼女の国民ですら召喚手達を信頼できなくなっていた
「あいつらは単に戦争がしたいだけなんだ」
そう考えた本国部隊の兵士達は王の寛容政策が敵を生んだのだと罵り行動に出た。
敵国の首都は焼き尽くされ住民は一人残らず殲滅された
そして王より早く本国に舞い戻った彼らによって
最終的には帝政の廃止と共和政の国家と成ることが決定された
召喚手に従っていた兵士達の家族は迫害され虐殺され辺境に追いやられた

召喚手と彼らは付き慕ってきた将兵たちとともに
傷ついた体を無理やり押して本国に対して上陸作戦を行なった
召喚手はもはや何も欲していなかった。
ただ、最後まで自分につき従ってくれた『彼ら』と『市民』達の名誉と生活を回復したかったのだ
革命軍の指導者は悉く倒れ、召喚手もまた傷つく事を余儀なくされた
それでも将兵は名誉を回復し、召喚手は国を取り戻した
召喚手は軍団と国を生き残っていた国務大臣に托し、首都開放に向かわせた
そして自らは最後に最後の最後まで自分につき従った彼ら・・
召喚手の言葉では『戦友諸君』を元の世界に返すために
最後の送還の儀式を行なった。
後は湖の精霊に剣を捧げるだけで術法は成るという所で力を使い果たし倒れた


537 名前: 名無し民間人 04/12/18 14:17:54 ID:???

彼らは、王から与えられた最後の任務を果たすために湖に向かった
最早30人を数えることすら出来なくなった将兵が
決戦に遅れた革命軍の別働隊と出会ったのはその最後の任務が終わらんとしていたその時だった
追撃を受けた彼らは一人、また一人と森林の中に姿を消していく

「ベティ、緑川、後は任せた」

砲撃で片腕を無くした隊員の一人が壮烈な笑みと共に
使い道が無く残っていた収束対戦車地雷を持って林の中に消えた
直後爆音と共に樹木線の上から頭を覗かせていた最後のゴーレムがばらばらに吹っ飛んだ
彼らは無数の犠牲を糧に湖に確実に近づいていた。距離にして数百メートル
遠方からは無数の蹄の足音と銃声が響いてくる。
どうやら非常事態に気づいた兵達が救援の為に駆けつけてくれたのだろう
最高速で駆けつけた白銀の竜騎兵が爆薬を手に急降下に入った

だが間に合わない。
弾薬を打ちつくした敵の銃兵が終に銃剣突撃を開始し始めた

「・・思えば糞ったれで悲惨な人生だ。
訳の分からないところで最後の最後までわけも分からず死んでいくことになるなんて」
「でも・・悪くはなかったですね」
「・・ああ、悪くは無かった。
さあ幹部陸曹諸君!戦友を守るために最後の義務を果たせ!!」

そういい残した中隊長を先頭に緑川達が最後の弾倉を拳銃に叩き込んで乱射しながら
敵を引き付けるために森の中に消えていき敵銃兵もそれに続いた
それを目指し無数の火薬樽が投げ込まれ、竜騎士たちは急上昇に入った

538 名前: 名無し民間人 04/12/18 14:18:53 ID:???

弾着

銃兵がなぎ倒され、それと同時に乱射音も止んだ
無数の爆風が小姓たちの背を叩く

それを背に、召喚手の最愛の小姓は剣を湖に向かって投げつけた
湖から現れた手がその剣をつかみ、
直後空間がゆがみ湖までたどり着いた隊員を包み込んで薄れていく
数秒後には、何も無かったかのようにその姿をくらませた

そう、彼らは最後の最後までその任務を完全に全うし、
元の世界に帰還していったのだった

残された小姓もまた革命軍によって惨殺されかけたところを救助され
その後も眠りに付いた主人に尽くした
帝国もまた国務大臣によって領土を半減させながらも何とか再生し
その後800年間残る大帝国として再生した。

将兵の遺体は丁重に葬られたが、
軍団兵の必死の捜索にもかかわらずどうしてもどうしても一人だけは死体もその装備も発見されず
後に伝説となって不老不死のまま眠り続ける王と共に詩人によって語り継がれることになった

『わが国に危機訪れしとき王は目覚め、
最後の異世界の英雄を引きつれわが国を救い給わん』と





143 名前: MJ900(↑142) 04/12/31 22:45:49 ID:krADtG8A

暗い真夜中の激しい雨の下…舗装もままならない、荒れた道を1個小隊の7輌の軽装甲機動車が疾走していた。
先頭を走る軽装甲機動車に搭乗し、運転しているのは防大卒の新命聖矢三等陸尉であり、小隊長だった。
軽装甲機動車の大馬力のタイヤが泥を跳ね上げていた。

「新命小隊長…」
「ん?どうした?」
運転席の隣に座っていた高峰茂良二等陸士がひ弱な声でこう言った。
「僕たちって、どうしてこんなことになったんでしょうね…こんな非現実的な世界に“召還”されるなんて…」
「俺に聞いたってしょうがないだろ…むしろこっちが聞きたいよ…」
「中隊の任務は敵の殲滅ですよね…僕は人を殺さなきゃいけないんですよね…」
高峰二士は悲観的にそう言った。
「たくっ、高峰は臆病だな。いいか!今は目の前にある現実を見ろ!そんな弱っちい性格じゃあ、本格的な戦闘になったら生き残れないぞ!!」

怒鳴り声のような声が軽装甲機動車の中に響いた。
声の主は後部右座席に乗っている霜田隆史二等陸曹だった。
がっちりした体格で身長が180センチ以上の身体はいかにも大男と呼べそうな感じだ。

144 名前: MJ900 04/12/31 22:46:41 ID:krADtG8A

「だ、だって…霜田さん…自分はまだ二等陸士ですよ…まだ18歳なんですよ…少年である僕が人殺しなんて…」
「あのなぁ…兵士である限り戦場へ送られるんだ!だいたい18なんて成人の20とあまり変わらんだろ!!」
「自分は兵士じゃないですよ…自衛官ですよ…」
「今のお前は兵士だ!ちゃんとそのことを認識しろ!!」
「おい、もうそのくらいでいいだろ。霜田、お前の声はいつ聞いてもうるさいよ」

もう1人の声の主は後部左座席に座っていて、浅い眠りに就いていた武永洋一二等陸曹だった。
霜田と比べたら、痩せ細い印象の武永は霜田の獣のような大きな声が嫌いだった。
昔、父親からガミガミ怒られたことが多かったらしく大きな声は彼にとって非常に憂鬱だった。

「高峰もいずれ分かってくるさ。人を殺したことが何らかのトラウマになることはよくあることだ。何処の軍隊だって最初はそうなんだぜ。戦争慣れっていうのも何か嫌だが、俺達は目の前にある戦闘に集中するしかないんだ。な!だから元気だせよっ!」
武永二層がポンッと高峰の肩を叩いた。
「と…まあ、そういうことだ。高峰。もうすぐで中隊の合流地点に到着するから安心しな。」
新命三尉が高峰二士を励ますようにそう言った。
「もうすぐって…あと、どれくらいですか?」
「あと、2時間。午前1時ぐらいには到着する」
新命三尉はニッコリしながらそう答えた。
「あと、2時間って……その間に敵の兵士やバケモンに襲われたらどうするんですか…?」
「その時はその時。でも、俺達の中隊で移動中に敵に襲われた例はない。でも…もしかしたら…突然襲ってくるかもしれないな」
「僕を不安にさせるようなことは言わないで下さいよ…」
「だーかーらー!!お前のその弱っちい性格をどーにか…」
霜田二曹がまた厳しい言葉を言い放とうとした時、突然の衝撃が彼らの乗る軽装機動車を襲った。

145 名前: MJ900 04/12/31 22:47:23 ID:krADtG8A

「なっ…なんだ!!」
一番最初に声をあげたのは再び浅い眠りに就こうとしていた武永二曹だった。
「敵の攻撃だ!!」
新命三尉が大きな声で叫んだ時、彼らの乗る軽装甲機動車数メートル先に爆発が起きぽっかりと大きな穴が開いた。
運転席に座っていた新命三尉はそれに反応し、ハンドルを大きく切った。
緊急時には軽装甲機動車の窓から発砲できるが、目の前の道に大きな穴が開いていて進路が塞がれた。
進みながら撃つのはともかく、止まったまま軽装甲機動車で発砲するのは格好の的だ。
新命三尉は無線ですぐに指示を出した。
「総員下車戦闘!暗視装置着用!敵は魔道士と思われる!LAV(軽装甲機動車)からできるだけ離れろ!」

この無線を聞いた軽装甲機動車各車から自衛官達が89式小銃を手にとって戦闘を始めた。
激しい雨が降る中、次々と銃声が響いた。

「ちっ!魔道士とは運が悪いぜ!おら、高峰いくぞ!」
霜田二曹は高峰二士に向けて怒鳴り叫んだ。
新命三尉は車内無線で中隊本部に連絡を入れていた。
「こちら第2小隊!中隊本部聞こえますか!我々は…」
「新命小隊長!危ない!」
下車戦闘していた武永二層がそう叫んだ時、今にも魔道士が新命三尉の軽装甲機動車に向かって魔法弾を発射しようとしているところだった。
新命三尉は慌てて車から飛び出した数秒後、軽装甲機動車はバラバラに吹き飛び、赤い炎に包まれた。

146 名前: MJ900 04/12/31 22:47:53 ID:krADtG8A

「新命小隊長!大丈夫ですか!」
武永二層が敵に銃弾を撃ちながら駆け寄った。
「なっ…なんとかな…」
泥まみれの新命三尉が立ち上がった。
「敵はやはり魔道士です!炎系の魔術を使ってます!他にも槍や剣を持った兵士が!数は計40名ほど!」
「雨の日に炎系とはな…とにかく散開して攻撃しろ!固まるな!」
新命三尉は槍を持って向かってきた兵士に89式小銃の弾丸をぶち込んだ。

別の場所では高峰二士と霜田二曹がペアを組みながら攻撃していた。
「おい!高峰!お前は兵士を優先的に狙え!俺は魔道士どもをやる!」
「は…はい!」
霜田二層は暗視装置に映った魔道士を1人ずつ正確に狙って撃ち殺した。
高峰二士は敵の兵士に向かって引き金を引こうとするがなかなか引けなかった。

147 名前: MJ900 04/12/31 22:48:45 ID:krADtG8A

(僕は…人を殺すのか……く、訓練通りにやればいいのか…ど…どうすれば…)
彼の頭の中は混乱していた。小銃を持つ手も震えていた。
今、小隊に向かって攻撃をしているのは人間なのだ。引き金を引けば相手は死ぬ。

「や、やっぱり…僕には…できな…ぎゃあっ!」
「なっ…高峰!」
霜田二曹は気づかないうちに高峰二士から離れすぎていた。
高峰二士の右足には槍が突き刺さって貫通していた。
彼が同様している間に槍を持った兵士が近づいていたのだ。
怯んだ高峰は突き倒され、もう1人の兵士が彼の首に剣を振り下ろそうとしていた。

(…殺される側になってしまった…)

彼の頭は真っ白になっていた。
と、その時。銃弾が2人の兵士の身体を撃ち抜いた。

「殺される側になりたくなかったら殺す側になれ!高峰!!」
そう叫んだのは小隊長の新命だった。

148 名前: MJ900 04/12/31 22:50:48 ID:krADtG8A

「し…新命さん…」
「おい、高峰!大丈夫か!」
離れていた霜田二曹が駆け寄ってきた。
高峰の右足からは突き刺さったままの槍から大量の血が出ていた。

「畜生!こりゃひでぇぜ!止血しないと!」
霜田はすぐに応急処置を施した。

「負傷者か…」
新命三尉がそう呟いた時、武永二曹から無線が入った。
『新命小隊長、敵は殲滅。こちらは負傷者なし。送れ』
「こちら新命だ。高峰二士が負傷した。出血が酷い。無線で司令部にヘリの要請を頼む」
『了解』

十数分後。輸送ヘリのUH60-JAと護衛の戦闘ヘリAH-64Dが到着した。
どちらも全天候下が飛行が可能な高性能のヘリだった。
高峰二士は輸送ヘリによって運ばれていった。

149 名前: MJ900 04/12/31 22:52:12 ID:krADtG8A

そして新命三尉と武永二曹も座席が空いている別の軽装甲機動車に乗り、再び合流地点に向けて出発した。
霜田三曹は別の軽装甲機動車に乗った。
今度は後部座席に乗った新命は武永にこういった。

「今回は高峰以外の負傷者はなしか…」
「ええ、どうも相手はレベルが低かったようです。魔道士の数は3名ほどぐらいでした。残りは一般兵が大半でした。それに若造ばかりで熟練し兵士ではなかったようです。」
「レベルの低い相手で良かったよ…。なあ武永、話は変わるが…」
「なんですか?」
「戦場ってのは…『生きるか死ぬか』のどちらかと思ってないか?」
「…そりゃあ、そうでしょう…『生』と『死』以外に何があるんですか…?」
「俺は戦場っていうのは生きるか死ぬかじゃなくて『殺すか殺されるか』っていう言葉が正しいと思う」
「…………」
「殺すことを躊躇すれば殺される…高峰はそうなるところだった…」
「…………」
「俺たちは相手を殺す為にここにいる。そういった自覚が出来ている奴はどれくらい、いるのかな…」
「分かりません…」
「俺もできれば殺し合いはしたくない。だが人間ってのは不思議な生き物でね…殺せば殺すほど慣れていくものさ…俺も最終的には殺人マシンのようになってしまうのかな……」

武永には返す言葉がなく、黙って下を見ていた。
運転席と助手席に座っていた陸曹達も黙って新命の話を聞いていた。

―――――――――――――――――――

ツッコミを入れるのなら遠慮なくしてください…。
初投稿作品がこんなものです…。○| ̄|_





170 名前: !omikuji!dama 05/01/02 23:09:40 ID:???

日誌 18月11日(金曜日)

今年の夏はとても大変だった。海から来た巨大なクラゲモンスターに、どこかの国の
バカヤロウが強化魔法を掛けやがったのだ。お陰で体重による自壊を起こさずに、
大量のクラゲが陸上に侵攻してきた。崩れないだけで柔らかいクラゲだが、数が極端に
多いため、銃撃では処理しきれないのだ。

砲爆撃で跡形もなくすりつぶしても、せいぜい3日もあれば同数が上がってきて
もはや海岸はクラゲで出来ているようなものだった。しかも周辺に毒液を撒き散らす
面倒な仕様まで積んでいたため、早急に化学戦部隊まで投入しなければならないのだ。

そこで俺達は最終手段として、湾を網で囲む包囲作戦に打って出たのだが・・・
これが全く意味を成さなかった。クラゲが機を見計らったように大増殖したため、
網を張った船が逆に網をバリケードにする始末だった。

そして3つ目の満月の夜、近海を埋め尽くしたクラゲ共は本格侵攻を始めた。
数で圧倒的優位を誇り、近距離での戦闘は無意味。爆発は毒を撒き散らして土壌を
汚染するという最悪のモンスターと、俺達は戦わねばならなくなったのだ。

この一連の戦闘の結果として、農作物の収穫量が30%減少した。海産物は
小型船の出漁不能で60%以下にまで落ち込んだ。これはつまり、食糧危機が
発生したと言うことだ。

そしてこの危機的状況の結果として、大陸侵攻論が世間で完全に固まった。
大型船の通行は可能なため、大陸から食糧を輸送すれば良いという案が通ったのだ。
禍福はあざなえる縄の如しと言うが、本当かもしれない。この夏の攻撃のせいで
死人も大量に出たが、最終的解決手段が発動できるのだから、良かったのかどうなのか。

異世界の連中も不幸な事だ。決定的な戦果を求める国民は、生半可な作物の収量では
満足しないだろう。平和ボケも吹っ飛んでいるから、手段に容赦など一切無い。
この日誌の後に書かれるのは、恐らく戦闘に関する情報ばかりだろう・・・




210 名前: すいません 05/01/06 01:06:15 ID:???

護衛艦「ささぎり」艦長は腕を組んで考え込んだままだった。すでに僚艦とはぐれて数日。
衛星はおろか、無線での通信も回復しないままだった。それだけではなかった。
天測を試みるも見たことのない星座ばかり。
とりあえず、陸地とおぼしき方角を、これも海流と海底地形を参考に推測した結果にすぎなかったが、
目指していた。
そして、つい1時間前に遭遇した奇妙な船。ガレオン船に見えなくもないが、
ちょっと形状が違っているようだ。乗組員もガレオン船ほど乗っていないように見えた。
無線連絡にも、手旗信号にも答えない。
非現実的な状況を打破しようと彼は思いきってランチで直接接触を試みた。当然、事前に伝えられる限り
の手段で先方に伝えた上でだ。そしてそれにも奇妙な船は応答しなかった。
そこからの1時間はまるで夢でも見ているようだった。艦上の隊員はすべて戦闘配置、CICも奇妙な船
をロックして不測の事態に備えた。だが艦長は心のどこかで安心していた。
「ここは普通に考えて日本だ。いきなりドンパチが始まる世界じゃない」と。
彼の希望的観測はランチの隊員からの連絡で消し飛んだ。
「乗り込もうとした隊員が化け物に襲われました!わあ!なんだ!」
「どうした!」
「変なものが空中から現れて自分の小銃を海に放り込みました!」
もはやランチはパニックに陥っていることは明白だ。艦長はすぐさま退避を命じた。

211 名前: すいません 05/01/06 01:07:22 ID:???

母船に戻ったランチの乗員からの報告は奇妙奇天烈と言うほかなかった。
「いきなり、あの船の甲板にものすごい毛の生えた動物が現れて、乗り込もうとする田中をこっちに投げ返
したんです・・・」
「そして、自分が銃を構えようとすると、空中から変な手が出てきて自分の銃を海中に放り込みました」
ありえない!艦長はその隊員の表情を見たが、うそを言っている目ではない。そこへ彼をさらに混乱さ
せる報告が入ってきた。
「あ、あの船から2名が後部甲板に乗り込んできました!」
「あれは海賊船です!マストにどくろが!」
後部甲板の船員からの報告を聞いて艦長以下全員は狐につままれたようだった。現代に帆船で海賊行
為におよぶ船が存在するとは聞いたこともない。しかも、自衛隊とは言え、軍艦相手に。次の報告は艦長
の混乱をさらに激しくした。
「乗り込んできた2名と交渉しようとした太田三尉が負傷です!いきなり蹴り倒されました!相手はスーツ
のようなものを着てくわえタバコですが、丸腰です」
「水木二曹の小銃が斬られました!二曹も指を負傷です!相手は日本刀らしき刀を抜いています!指
示を!」
艦長はパニック状態に陥りかけていた。最先端の技術を誇るイージス艦に乗り込んできた2名の男。しか
も1人は刀、もう1人は丸腰だという。この状態で戦闘配置の隊員に発砲を許していいのか、彼にはわか
らなかった。思わず、砲雷長が声をかけた。
「艦長!」
それと同時に後部甲板からも叫び声があがった。
「やつら襲ってきます!指示を!」
艦長は反射的に無線のマイクに叫んでいた。これ以上部下を危険にさらせないという本能だった。
「正当防衛射撃を許可する!」
「正当防衛射撃、アイ・サー!」

212 名前: すいません 05/01/06 01:08:07 ID:???

スピーカーの向こうで無数の89式小銃の銃声が聞こえた。艦長は今まで経験したことのない事態に遭
遇したショックを乗員に知られないようにつとめていた。
「微速前進。不審船と距離をとれ。敵対行動を監視しろ」
不審船と数百メートル距離を取ったときだった。オペレーターから声があがった。
「不審船から不明物体が来ます!かなり高速です!」
「ターゲット捕捉!スタンダード・ミサイル発射準備!」
艦長の言葉に砲雷長が割って入った。
「ターゲットに近すぎます!艦上の隊員に損害が出ます!」
「距離400!」
艦長はもう迷うことはなかった。これ以上部下に怪我をさせることも、危険な目に遭わせることもまっぴら
だという気がした。
「近接防空システム、作動!」
「アイ・サー!作動確認よし!」
オペレーターの返事を確かめると砲雷長は迷うことなく命令を下した。
「システム自動!発射!」

213 名前: すいません 05/01/06 01:08:46 ID:???

分速3000発の20ミリ弾が急速接近する物体に命中した。物体はくだけちるどころか、弾丸を受け止め
て伸び始めた。
「何だあれは!ゴムのように延びてるぞ!」
艦上の隊員が叫ぶ間にもその物体は弾丸を受け止めてぐんぐん伸びていく。その長さは護衛艦と不審
船以上に伸びていった。それでも弾丸を受け止め続け物体は伸びていく。双眼鏡でそれを眺めていた幹
部は思わず叫んだ。
「あれはゴム人形だ!」
彼の言うとおり、その物体は人形みたいだった。胴体の部分に20ミリ弾を受けて恐ろしく伸び続けている
。このままでは、ゴムの反動で弾丸が護衛艦に跳ね返ってくるかも知れない。そう思った瞬間、大きな音
が海上に響いた。

ぱっっつん!!

214 名前: すいません 05/01/06 01:09:33 ID:???

その音と同時にゴム人形のような物体は胴体部分からちぎれて海中にたたきつけられ見えなくなった。
CICの面々がほっとしたのもつかの間。今度は「ごつん」という衝撃が艦を襲った。
「どうした!」
「被害確認!」
被害確認の命令が艦のあちこちに飛ぶ。しかし艦は無傷だった。
「艦首になにか命中したようですが損害は皆無。不審船からの砲撃と思われます!」
その報告に、一度牙をむいたイージス艦は容赦することはなかった。敵対行動をとり続けるならば、こち
らの安全確保まで対応を続けるのみだった。
「単装砲、諸元入力!発射!」
砲雷長の合図で単装砲は正確にロックした不審船を一撃で打ち砕いた。こうして、最新鋭イージス艦の
奇妙な海域での初めての戦闘は終わった。




300 名前: 名無し擲弾兵 05/01/09 12:38:38 ID:???

戦国の昔から異世界との交流を持っていた日本
戦争の神ウィルマティア神を祭る神殿の門を起点としたその接触は平成になってからも着々と続けられていた

時は流れて200X年。
世界は核の炎に包まれ・・る訳も無く表面的には平和を示していた
強いて言えば半年前に半島国家の片割れが世界最強の海洋国家に無謀な喧嘩を売って
世界を敵に回しその後2ヶ月で南の完全に地上から消滅させられた事ぐらいだろう

それはさておき、日本政府は異世界のケモナ諸島の主島を昔から領土として確保していた
だが、門の大きさが原因で大型機材の運搬は不可能で戦車やヘリの持込が限界であった
主要船舶が木造船であるが為に重機材は島外への搬出困難。
それらのことが原因で異世界に領土を広げることは非常に困難であったが
軽装の歩兵や騎兵を島から運び出す事自体は不可能ではなかった。

昔から日本は多くの歩兵や騎兵を異世界で得た同盟国ケスト共和国支援に出しており
異世界では『ケストの守護神』や『悪魔の軍団』などと勇名を馳せていた。
ケストに危機あらば必ずその支援として少数ではあったが常に確実に日本からの軍勢の姿があった。

だがケスト共和国だけが一方的に利益を得ていたわけでもない。
平安の昔から蛮族鎮定の増援として、鎌倉時代にも元寇への対処などに訪れているし
近年の例では日露戦争の際に魔術師が訪れロシア軍兵士を幻でかく乱させたり
第二次世界大戦時、キスカ島撤退戦で敵艦隊主力を引き付け脱出を成功させた記録がある

・・・ちなみに大戦時の某国大統領の急死も彼らの仕業である

301 名前: 名無し擲弾兵 05/01/09 12:39:44 ID:???

しかし、軍事的な協力には双方共に寛容ではあったが、
技術的魔術的な技術交換には双方共に常時一線を引いて対処していた
両国共にその技術を用いて自らが侵略されることを恐れて。

だが基本的には彼らの同盟関係は非常にしっかりとしたものであった。

なにしろ片方の亡国の危機にはもう片方が必ず支援に訪れるのだ
この蜜月関係は敗戦後の一時期を除き戦後も自衛隊によって引き継がれていた
直接的な軍事介入はさすがに行なわなくなったが、
それでも数年に一度は思い出したかのように
間接軍事支援として将官や幹部候補生を派遣するなどと言った支援を続けていた

物語は、彼らをつなぐケルマ諸島の戦神ウィルマティアの神殿を舞台として始まることになる

302 名前: 名無し擲弾兵 05/01/09 12:40:29 ID:???

ケモナ諸島にあるウィルマティアの神殿の表門
戦争期間しか開かれぬこの門が閉じていたのは
その実ケスト1500年の長いその歴史の間を通じたったの五十余年
それだけ長い間戦争を続けていたのがケストと言う国であった

その門の前で神に祈りを捧げる数人の戦巫女達
その中に貴族の娘でありながら戦巫女を目指した少女・・コーネリアはいた



きっかけは60年前、日本の敗戦により異世界から支援を受けられない状況下で
ドワーフの地下空洞に進撃を開始したカルラ国の勇将の企図を見誤った事が原因だった
ケストの元老院はそのカルラの勇将の進撃が
地下に住む亜人族を攻めるための物だと思いこみ大した妨害をすることも無く見送った

その判断が誤りであったと気づかされたのはかの将の進撃から1ヵ月後、
カルラの勇将の軍により二週間前に斥候隊が殲滅されたとの報告が入った直後だった───

303 名前: 名無し擲弾兵 05/01/09 12:41:26 ID:???

──────────────────────────────
その日に限って兄達がいつもより私に優しくして
いつもは厳しくていつも眉間にしわを寄せていた父やおじ達までもが
なにか達観したように穏やかな笑みで私に優しい言葉をかけてくれる

「じゃあ行って来る。しばらく留守にするが後のことは頼んだぞ」
「コル。ちゃんとデキムスの言うことを聞くんだぞ」

そう言い残しつつもなにやら心配になったのか
父達は「資産の管理は執事のデキムスに任せているから安心しろ」とか
「いざと言う時は神殿の門からニホンに亡命しろ」とか
いろいろな事を思い出したかのように次々と私に教えてくれる
資産管理から奴隷達の扱い方・・果ては私の婚約者を既に決めていることまで

普段は寡黙な父達があまりにも多くのことを教えてくれるので
子供心にも「ああこれが最後の別れの言葉なんだろうなあ」と思ってしまうほどに。

「もし・・異世界からから再びニホン人たちが訪れることがあったら
出来る限り盛大に歓迎して彼らの望みをかなえてやってくれ
・・千年以上の友好関係にあると言うのに・・
私個人の政治的な理由で・・ほとんど増援を出せなかったからな・・」

思いつく限りのこと全てを言い尽くした父は最後にそう言い残し旅立っていった
市民の義務・・父は執政官、兄達はその幕僚として国防の義務を果たすために

304 名前: 名無し擲弾兵 05/01/09 12:42:57 ID:???

そうして私の父達は戦場にでた。そして敗れた
『敵の指揮官が天才過ぎた』
そう、そう言い訳しても誰も否定できないほどに敵将は優秀だった
彼と渡り合うことが出来たの味方の将はほんのわずかな数に過ぎない

父と叔父は遠く異国の地でカルラの勇将の部下に騙まし討ちされて戦死した
兄達も各地の戦場で勇敢に戦い父の後を追うように次々と戦死していった

祖国は危機を迎えた。
北と地底からは蛮族が迫り東と西側からは同盟国が裏切って攻め込んでくる
南では古参の都市国家まで裏切る始末。
あげく国内に最強の敵を抱えている
この国はもう終わりだ・・・何度そう思ったことか

それでも国は持ちこたえた
この世界で初めてとなる国債を資産者に強制的に売りつけて軍費を稼ぎ
普段は徴兵されない奴隷階級まで徴兵して無数の軍団を編成した
異世界の同盟国も敗戦のさなかにあると言うのに支援に訪れた
それでもカルラの勇将には勝てなかった・・・だが、負けなくはなった

8年後・・最後に残された一番上の兄が長年の艱難辛苦を乗り越えて父の敵をとり
敵国に殴りこんでカルラの勇将を倒した時には無数の市民が犠牲になっていた


305 名前: 名無し擲弾兵 05/01/09 12:44:01 ID:???

その事を悲しむことは無かった。
あの戦争がトラウマとなることもなかった。
ただ・・・父の言葉はいまも深く心のどこかに染み付いている

もし・・異世界からから再びニホン人たちが訪れることがあったら
出来る限り盛大に歓迎して彼らの望みをかなえてやってくれ

父から私に受け継がれた最後の義務
市民として執政官として忠実に義務を果たし死んでいった父の娘である私が
父から託された義務を無視することなど死んでも出来ない。
「なら・・ちょっとは頑張るとしますか」
そう決意してから50余年・・
その日からずっと、
私は新たな異世界からの旅人を来る日も来る日も待ち続けることになった
あれから五十余年
気がつけば私は戦神の門の管理者として働き続け気がつけば神官にまで上り詰めていた
父の遺言どおりあらゆる資産を投入して異世界からの旅人達を歓迎し続けた
時には借金すらして彼らの目的を達成させた。
彼らは一様に満足して元の世界に帰って行く。それだけを唯ひたすらに繰り返した。

空間に揺らぎを感じる・・
また新たな来客者のようだ。
大方先日去った日本の軍事顧問が言い残して言った新任者辺りだろう
そう適当に辺りをつけた彼女は同じように祈りを捧げていた巫女達に
異世界からの戦友を歓迎するための準備を進めるよう指示した
──────────────────────────────

306 名前: 名無し擲弾兵 05/01/09 12:45:07 ID:???

200X年、10月1日 異世界にて

最悪だった。

その原因は考えずとも明らかだ。
まず幹部候補生としての教育課程を終えて派遣される任地が希望任地とかけ離れていた。
・・まあ、希望任地以外に移動させられる事事態は非常に良くあることだ
数多くの先輩方も通ってきた良くある道の一つに過ぎない
だが、問題はそんな所に有るのではない

『任地が日本ですらなかった』

と言う大問題に比べれば他の全ては無いに等しい些細な問題だ。
確かに俺は教育中の成績は大して良くなかった
どちらかと言うとしたから数えた方が早い。というより下から指を折って数えられる
・・ちなみに女性問題が原因で服務事故を起こしかけて大量の減点を食らったことが主原因だ
落ち着いて考えると確かに『異世界に送られてしまっても仕方が無いか』とも思えてしまう
そのことがさらに最悪な気分を増加させてくれる
さらに聞いた話では任地の文明レベルは常識の通用しない中世並との事
・・いやぁもうあまりの待遇に嬉しすぎて涙が出てくる状況だ
だから俺・・香庭大輔幹部候補生は決意した

「こうなってしまった以上は結果を出して元の世界に一刻も早く帰ってやろう」

その決意を胸に俺は富士演習場にある異世界に通じている門をくぐった

──────────────────────────────

307 名前: 名無し擲弾兵 05/01/09 12:45:51 ID:???

一瞬の浮遊感が体を包み込み意識が少し遠くなる
再び意識がハッキリした時には俺は異世界とやらに放り出されていた
と言っても高さに直せば数十センチ、大した高さでは無い。
だが突然空中に投げ出された香庭にパニックを起こさせるのには十分な高さだった
「うおっ?!」
突然のことに慌てた人間はとっさに本人ですら意図しない行動にでるらしい
香庭は必死に倒れまいと踏鞴を踏み
無意識のうちに目の前に立っていた鎧姿の美少年(香庭にはそう見えた)に必死にしがみついていた
彼が冷静であったならば目の前の人物の体型やその尖った耳に気づいていたであろう
だが彼にはそんなことを認識する余裕など無かった
「ようこそ戦友・・て!ひゃあっ?!」
相手もこのような事態をまったく予期していなかったのか
まるで年頃の少女のように悲鳴を上げて手をバタバタと振り回した。
そのような状況で名も知らぬ少年が飛び掛ってきた大の大人を支えきれるわけも無く・・・
結果として・・香庭にも不服では有るが認識としては男を押し倒すことになってしまったのだ

・・悪い少年よ。君も不服だろうが許してくれ。

「・・・貴様!我らが神官に手を上げるとは・・同盟国の兵といえど容赦はせんぞ!そこへなおれ!」
傍に控えていた護衛らしき剣士が剣を抜いて迫ってくるが
脅迫などは自分の身に起きた危険が迫っていると判断できる冷静な人間にだけ通じるものだ
動じない加害者から主を救う為に滑走し始めた剣士に神官は片手を上げてそれを制した
「良い。単なる事故だ。・・・それより戦友。その・・・早く手をどけてくれ」
そう言われて香庭は自分の手元に眼を移す。

308 名前: 名無し擲弾兵 05/01/09 12:46:39 ID:???

その貧弱な体格を少しでも強くたくましく見せるためだろうか
胸の部分を膨らませて作られている胸甲のちょうど胸の部分に手を当てていた
・・やばかった。もし相手が女性なら叩き殺されかねない失態だ
相手が少年であったことに自分の幸運をかみ締めながらも
教育隊仕込みの素早さで跳ね起きた香庭は即座に謝罪の言葉を口にしていた

「すみません神官殿!御怪我はありませんか」
「よい!無事だ!」

剣士の手を借りて立ち上がった少年はそういいつつもよほど驚いていたのか、
必死にこぶしを握り締めながら深呼吸をして気分を落ち着かせようとしている様だった
その隙に香庭はちらりと辺りを見渡してみる
正面には見渡す限り青く輝く緑の海、そしてその先にある本物の緑の海洋
背後にはたった今通ってきた門と古代ギリシャの神殿のような絢爛豪華な遺跡
そして何より此処を改めて異世界だと教えてくれたのは
目の前にいる青い衣装で身を固めた武装した神官と女剣士達の姿だ
彼は気づかなかったがこの剣士たちこそがこの神殿の巫女達である

「・・・ようこそ戦友。私はウィルマティアに支える神官コーネリアだ
此度は何用で此方の世界に参られたのか?」

必死に落ち着くために深呼吸を繰り返した神官がか細い腕を差し出しつつ話しかけてくる
香庭には笑顔の筈のその表情が心なしか引きつっているように見える。

309 名前: 名無し擲弾兵 05/01/09 12:47:31 ID:???

彼の判断は間違っていなかった。
目の前で微笑みを浮かべている少女の心の中ではこの挨拶の寸前まで
彼を張り倒そうとする条件反射的な本能を理性が制圧するために
天下分け目の大会戦に匹敵する激しい戦闘が行なわれていたのだ
「自分は香庭大輔幹部候補生です。先ほどは御見苦しいところを・・・
・・て、え?コーネリアさんってお名前って事は・・・」
「ん?何だ?」
だと言うのにポンコツ幹部候補生は何とか微笑を浮かべる目の前の人物に対し
少女の中に住む理性を裏切って条件反射と本能に味方する
決定的な発言を握手に応じる腕を伸ばしながらポロリとこぼしたのだった。
「もしかして神官様って男の子じゃなくて女の子だったんですか?」
ブチッと何かが切れる音が響く。
少なくとも運の悪いポンコツ幹部候補生の耳には
目の前の完璧と言っていいほどの微笑を浮かべる事に成功した少女から
死神の声にも似たその音が響いてくるのがはっきり聞こえた
彼の直感は今回も正しかった
彼女が彼の言葉を認識した瞬間、彼女の心の中の戦場では決定的な瞬間を迎えていたのだ
そう。少なくとも『本能』軍を制圧しようとした『理性』軍の騎兵一万騎の突撃を方陣で粉砕して
その直後に三万人ぐらいの『条件反射』軍が増援として側面に現れた程度には決定的だった
挙句、味方の増援軍ははるか彼方で到着の見込みなしとのおまけもつけて。
「・・誰が子供でしかも『男の子』に見えるですってェ?
───戯けた事を抜かすのはこの口か!この変態野郎ッ!!」
その後、とどめとばかりに抜剣した神官コーネリアが
彼女の部下達によって取り押さえられるその瞬間まで
魔術と白兵戦によってポンコツ幹部候補生はタコ殴りにされることになる

これが・・現地で最も協力してもらわなければならないと何度も教育されていた
エルフ貴族の神官様とポンコツ幹部候補生の出会いであった





421 名前: 名無し三等兵 05/01/14 23:31:58 ID:???

人海戦術ってこんな感じっすか?

「降りろ!!」
幌馬車に積められていた大勢の兵士がぞろぞろと降りた。兵士、といっても彼らは鍛えぬかれた兵士ではない。
王立騎士団や魔導師でもない。盗み、強盗、強請などで逮捕された連中だった。
自分たちの罪を棒引きにしてもらう代わりに戦場に出る、懲罰兵団の兵士だった。
「ここは・・・」
ハンスは周囲を見回した。窃盗の常習犯で懲罰兵団もこれで数度目だったが、彼が見たのは今までの戦場とは様相が違っていた。
敵の騎兵を防ぐ柵もない。高らかに騎士団の位置を知らせる旗もない。胸まで入る塹壕がひたすら掘られて、騎士も魔導師もその中をうろうろしている。
誇り高い王立騎士団が戦場で、敵の矢や魔法に怯えて穴にこもるのは初めてだった。
「おい!待てぇ!」
騎士の叫びで大勢の兵士が振り返った。1人の懲罰兵が陣地を横切って脱走しようとしたのだ。魔導師隊が一斉に脱走兵に向かって雷系の魔法を発射した。
「うわさに聞いた異世界軍と戦うんだ・・・・。」
ハンスの後ろにいた兵士が言った。ハンスも聞いたことがあった。彼の所属するメルス帝国が攻め込んでいるクーラ王国が異世界の軍を召還したと聞いた。彼らは見たこともない武器を使い、騎士の突撃も魔導師の奇襲も通用しないという。

422 名前: 名無し三等兵 05/01/14 23:33:07 ID:???

「おい!こっちだ!さっさとこい!」
騎士が次々と懲罰兵を列にして進ませる。武器の支給のようだ。
「剣は2人に1本だ!剣を持つ者が倒れたら後の者がそれを拾って戦え!」
みんなこぞって剣を求めて飛びついたが、支給係の騎士は淡々とそれを渡すだけだった。ハンスは剣を取り損なった。
武器を支給された兵士もされなかった兵士も、数百名ごとに少し離れた陣地に集合させられた。
「神官だ・・・・」
兵士の声にハンスも前方を見た。兵士の人垣でよく見えないが、帝都で皇帝の直轄部隊である神官がいるのが見えた。
「栄光あるメスル帝国の兵士たちよ!諸君はこれより、クーラ王国が召還した異世界軍に攻撃を仕掛ける。諸君たちが反撃ののろしをあげるのだ!皇帝陛下は諸君たちを見ている!そして臣民もまた諸君たち一人一人を見ている!
メスル帝国兵士の名に恥じないこと、すなわち、名誉ある勝利を求められているのだ!」
ハンスは神官の話を聞いていると、不思議と勇気がわいてくる気がした。異世界軍がどんな武器を使うかは知らないが、彼もまた歴戦の兵士だ。
「いいか・・・・、皇帝陛下は勝利以外の報告は望んでいない・・・」
神官の言葉に指揮官を任された騎士は脂汗を浮かべた。彼の運命はこの言葉で決した。この戦いに勝利しないことには彼の生きる道はないのだ。
「はっ。最善を尽くします」
「では、始めろ・・・」

423 名前: 名無し三等兵 05/01/14 23:34:57 ID:???

神官に促されて騎士は剣を抜いた。同じように、数名の騎士に指揮された懲罰兵団が数個、攻撃基準をを完了している。
「前進だ!」
1000名近い懲罰兵団は前進を開始した。ハンスは戦場を見て驚いた。
敵の陣地ははるか2000メートル以上も向こうなのだ。矢が飛んでくる距離ではない。だったらなんであんなに、陣地は塹壕だらけなんだろう。そして、今彼が歩を進めている地面も奇妙だった。大きな穴がいくつも開いている。
強力な魔法でもこんな穴を開けるだけの破壊力はない。
「ちくしょう・・・。剣が欲しい。」
ハンスは遙か遠くに見える異世界軍の陣地を見ながらつぶやいた。その陣地から、ぽんぽんという音がしたのを彼は聞き逃さなかった。
「ぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
そして聞こえてきた聞いたこともない音。懲罰兵団がざわめき始めた。
「うろたえるな!前進を続けろ!」
騎士が色めき立つ兵士に怒鳴るが、その声は次の瞬間かき消された。強力な爆発が兵団のすぐ前面で起こったのだ。
「わぁぁ!」
「なんだぁ!」
神官のかけた幻術が解けかけているのに気がついた騎士は剣を振り上げた。

424 名前: 名無し三等兵 05/01/14 23:36:15 ID:???

「突撃ぃぃぃ!」
数個に別れた兵士たちは一斉に突撃を開始した。その頭上に次々と、悪魔のような笛の音が聞こえてきては爆発が起こった。
その近くにいた者は手といわず足といわず、ばらばらに吹き飛ばされるのだ。
「うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
その爆発音に負けないように、兵士たちは鬨の声をあげる。ハンスも大声を張り上げながら全力で走った。異世界軍の陣地が見えてきた。何か細い針金のようなモノを幾重にも張り巡らせている。
こんなもので騎馬突撃を防ぐのだろうか?
「突撃!突撃しろ!・・・・ふぐっっ」
声を張り上げて指揮していた騎士が口から血を吐いて倒れた。さっきまでの笛とは違う。聞いたこともない連続した甲高い音が聞こえてくる。
「ぎゃあ!」
「ひいっ!」
ハンスの周りの兵士も次々と倒れていく。目に見えない矢が襲ってきているようだ。彼のすぐ横をその矢がかすめた。とたんに、ハンスはさっきまで感じていた勇気が砕けるのを感じた。
なんで俺はこんなところで堂々と立っているんだ。このままでは殺されてしまう。
「た、退却だぁ!」
思わず、ハンスは叫びながら元の陣地に向かって走り始めていた。その声を聞いた兵士たちも我先に陣地に向かって逃げ出し始めた。
「待て!とどまれ!」
騎士たちは逃げ戻ろうとする兵士を捕まえて前進させようとするが止めることができない。業を煮やして斬り倒す騎士もいた。だが、
ハンスはじめ彼らがもみあっている中にも、見えない矢がいくつも飛んできて次々と彼らは倒れていった。

425 名前: 名無し三等兵 05/01/14 23:37:27 ID:16PEgCls

「戻れ!勇敢な兵士たちよ!攻撃を続けるんだ!」
陣地では神官たちが口々に兵士に叫んでいる。その後方にはずらっと魔導師が並んでいる。
「無理だ!」
「勘弁してください!」
神官の言葉にも耳を貸さない、完全に士気の崩壊した懲罰兵団は次々と後退を始めていた。
「カツを入れてやれ!」
神官の命令以下、魔導師は逃げ帰る兵士に向かって炎系、雷系の魔法を雨霰と浴びせた。
こうしてわずかに生き残った懲罰兵団の兵士もほとんど全滅してしまった。神官はため息をついた。
「さて、皇帝陛下にどう報告すべきか・・・」
報告の仕方次第では彼の身も安全ではなくなる。
帝都までの長くない旅路でそれを考えなければならない神官の心は重かった・・・。


149 名前: 名無し三等兵 05/02/24 00:25:25 ID:???

「右側面白群、火制地域に侵入しました!」
「撃ち方始め!」

白群というのは便宜上の名であり、実際には透明なスライムである。
爆風より破片によるダメージが大きかったので、銃撃を加えれば有効であると
判断されたスライムなのだ。
小隊火器でも小さな群ならば破壊できるし、大群でもある程度の制止や
後退を見込む事は出来た。

「右奥200m、さっき吹き飛ばした黒色群が戻ってきた!再砲撃を
要請する」
黒色群も赤色同様砲撃効果は薄い。しかし火が苦手らしいので、爆風による
ダメージは期待できる。

「畜生、何なんだこの化け物共は」
小隊長は双眼鏡から目を離さずに、ストレスを晴らすために毒づいた。
粘液の海と殴り合うために、現在異世界に来てから初めてと言って良いほど
大規模な火力が投入されている。にも関わらず、相手の数は一向に減らない。

それどころか金属をエサにする群がいたらしく、砲弾片や銃弾入りスライムを
喰らいながら、どんどんとその数を増している連中すらいるのだ。
小隊長のストレスももっともな事ではあった。

「こいつらの総量は、一体どれくらいなんだ?森一つ分か?大隊本部の
火力と兵装で対抗できるのか?畜生、何もわからん」
爆風に一向びくともしない群をみて、絶望的な気分で小隊長はつぶやいた。
火や物理力で死なないと言うことは、最悪BC兵器の投入も有り得るからだ。

150 名前: 名無し三等兵 05/02/24 00:47:20 ID:???

ベトナムを思い出すまでもなく、化学兵器は恐ろしいものだ。慣れの薄い
単細胞生物に叩き込めば、何が起こるか分かった物ではない。マスコミも
叩くだろうし、この世界の住人にも好感情は与えないだろう。

しかしもっと恐ろしいのは、スライム共が金属を喰らうということだ。
派遣部隊の装備は元より、あらゆる機材はエサになりかねない。
そして本土にはそれを遥かに上回る精製金属が大量にあるのだ。

「右奥500mより、新たに青群が出現!100m四方に広がっています!」
恐怖におののきながら、望遠鏡を覗いていた小隊員の報告が報告した。
小隊長はそれを聞くと、ついに決意を固めた。

「小隊はこれより後退し、大隊本部と合流する!総員撤収準備にかかれ!」
小隊長は命令を下しながら、もう一度原色に染まった地肌を眺め回す。
燃え盛る炎を背景にした粘液の塊どもは、どんな悪辣な魔王よりもおぞましく
凶悪な存在にも思えた。

俺達はこいつらと戦えるのだろうか?そして勝てるのだろうか?
小隊長はそんなことを考えながら、部下の走らせてきた偵察警戒車に乗り込んだ。


78 名前: 1/2 2005/04/10(日) 19:46:18 ID:???

「ハァッ・・・ハァッ…!冗談じゃねぇ!!」
「大きい声を出すな、見つかるぞ。」
「何冗談言ってやがる、奴ぁ俺らの居場所くらいとっくに解ってるさ、ただいたぶってるだけだ。」
日本が召喚されてから2年以上、俺達自衛隊の力を背景に日本は周辺諸国を瞬く間に従えていた。
絶対無敵。一年足らずの戦争の中でそれが俺達についた称号。
実際自衛隊の兵器はその称号を付けられるに足る物だった。
どんな魔法もこちらの火力を上回ることもなく、彼らの栄光の象徴である竜騎士はF−15に紙の様に吹き散らされる。
帝国の兵達は俺達を悪魔、死神と呼び、王国の兵達は俺達を天使、神と呼んだ。

だが、戦争において無敗を貫いた我が小隊は、たった一体の生物によって壊滅させられていた。
「くそっ、クソっ糞っ糞糞糞!死ぬんじゃねぇ、死ぬんじゃねぇぞ!」
血の入った皮袋と成り果てていく戦友に処置を施しながら大木が叫ぶ。
「馬鹿、デカイ声っ…。」
耳へ入る「ソレ」の口に空気を掻き込む音、俺は思わず身を伏せ目を瞑った。
その刹那
ゴウッ!!
真っ青な炎、いや、衝撃波と言ったほうが正しいか、が木を薙ぎ倒しながらその場所を貫く。
「あっ、あああ!」
俺が恐る恐る目を開けると、先程まで二人に居たはずの場所には足一本しか残っていなかった。
「馬鹿っ、大木…デカイ声出すからっ…。」
せめてもの遺品にとその残った足に手を伸ばす。そしてたった今作られた焼き焦げた道の先へと目を向ける。
そこにあったのは巨大な黒い山。まさに「竜」であった。
血走った目、岩のような肌その足元には体が幾つにも千切られた隊員達が転がっていた。
「ゴジラ…かよ。」
故郷の映画の名前をポツリと呟く。子供の頃はそれの人形なども随分集めたものだが、
まさか似た様な物に相対することになるとは夢にも思わなかった。
その目は未だ戦意を失っておらず、敵を探し続けている。恐らく俺達を皆殺しにするまで止まらないんだろう。
俺はそう結論付けると脚と自動小銃をその場に投げ捨てパンツァーファウストを持った。

79 名前: 2/2 2005/04/10(日) 19:49:47 ID:???

自慢ではないが、俺はドラゴンを屠ったことなら何度もある。
銃を通さず、樹など一瞬で炭に変える炎を吐く彼ら。この世界の人間にとってはまさに脅威の魔物であった。
だが俺達にとっては口の中にグレネードを放り込むなり、目を狙うなり、もっと簡単に対戦車弾を打ち込むなど幾らでも対処法はあった。
実際俺の胸、戦闘服の下には勲章が輝いている。
ドラゴンスレイヤー、竜を何匹も倒した極一部の勇者にしか与えられない戦士最高の栄誉。
歴代の偉大な勇者に混じり、俺の肖像画が王国の城の広間に飾られたのだ。
「俺を誰だと思ってやがる…俺はドラゴンスレイヤーだぞ糞竜!!」
大量のプラスチック片が後方に射出され、それと同時にロケットが竜の頭部へと向かって飛び込んで行き、その頭部を打ち砕く。
「…はぁっ、はぁっ!クソッタレ!」
相手が普通の竜ならこの場で勝負は決している。
だが、俺が見た光景は、その破壊された頭をみるみるうちに修復し、こちらを睨む「ヤツ」だった。
「クフルルル…ユォオオオオオオォォオォオオオ!!」
鼓膜を破らんばかりの咆哮、それは明らかに俺への怒りを表していた。
「糞っ・・・。」

鉱山の可能性が高い山、そこに棲む知的生物の排除。戦争ですらない、それが俺の最後任務だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ちょっと前のスレに出てた慣性制御でもしないといけないような化け物。
そもそもいくら伝説の剣とはいえ何十メートルもあるような怪物に斬撃が効果があるか疑問ですね…。



166 名前: 1/4 ◆EvBfxcIQ32 2005/04/12(火) 21:41:12 ID:???

「目標はどうだ?」
「未だ健在、ダメージを受けた様子もありません。」
小隊長の言葉にゴーグルを持った隊員…大木は淡々と答えた。
「ハンマーでもダメか」
「再生の具合を見る以上サンダーボルトでも不可能ですね。」
「物理的な方法では破壊不可能ってか。」
隊員からゴーグルを受け取り「目標」の方を見やる。

視線の先には大きな湖。その美しい風景とは場違いな、人型の透き通った何かがそこで蠢いていた。
「ウォーターゴーレム…か。」
「アクアゴーレムとどちらで呼ぶかで学者達の間で意見が割れてますけどね。」
「んなこたどうでも良い。」
ウォーターゴーレム。それが今彼らの前に立ちふさがっている障害であった。
銃弾、対戦車砲、榴弾砲さえもその液体の体にとっては一時的に分解するに過ぎなかった。
「…戦略的にたいした価値もない土地ですし無視するというのは。」
「いや、奴らが川や海など重要地点に来たときに備えここで奴の撃破法を確立しろ、とのことだ。」
「無茶言いますね。」
「任務である以上遂行することは義務だ。」
小隊長、つまり杉田は目の前のゴーレムについての報告書に目をやった。
タイプは普通のゴーレム型、火力や機動力についても岩や土のそれと比べ特筆すべき事項は無い。
これを厄介にしているのはたった一つの原因「無限高速修復」であった。


167 名前: 2/4 ◆EvBfxcIQ32 2005/04/12(火) 21:43:08 ID:???

「ロックやマッドならカールグスタフで十分なんだが…。」
例えその体を構成する水を全て蒸発してもその足元の湖からそれを供給され、コアを中心に体を再構成する。
その回復力、それだけで一小隊を立往生させる、こちらに大被害を与えるような物ではないものの厄介であることに違いは無かった。
「コアを破壊することは?」
「無理です。あれも膜で覆われたゼリー状の何かで出来ていてバラバラにしてもすぐ元通り、沸点も異常に高い、電気も意味なし、
先程研究者達の間でサンプルが無い状態ではこれ以上の研究は不可能という結論が出ました。」
「…ったく、気楽なモンだな学者先生は、実際に奴らと対面することが無いんだから。」
そうごちて杉田は再びゴーグルでゴーレムを見た。
そもそもゴーレムは魔法でしか破壊できない兵器なのだ。
対戦車砲などで破壊するのは元々魔法が使えない自分達の横車を押す行為に過ぎない。
目の前のウォーターゴーレムなどはその顕著な例だ。
実際に固体の体を持つドラゴンのほうが余程やりやすい。それがドラゴンスレイヤーである杉田の意見だった。


168 名前: 3/4 ◆EvBfxcIQ32 2005/04/12(火) 21:44:13 ID:???

水辺でしか使用できない、そして必要以上の攻撃を仕掛けてこないことを見てもウォーターゴーレムは完全な拠点防御用のようだった。
おそらくこれを創り出した術者は今頃どこかでひたすら食料を摂取しながら不眠不休で魔力を送っているのだろう。
そんなことを考え杉田は見たことも無い敵の魔道士に同情した。
「よし、再び敵のコア、及び脚部に向かって攻撃を仕掛ける。目標の水弾の射程には絶対に入るな。」
「了解!」
幾つもの弾が次々とゴーレムへと向かっていく。
どうせ意味も無いのだろうと杉田がよそ見をしようとしや、その時だった。

ヒョイ

そんな効果音をたてそうな動作でゴーレムが足を上げ弾の一つをかわしたのだ。
もちろんたった一つ避けた所でなんら意味は無く、次々と殺到する弾が原型を残さぬほどその体を木っ端微塵にする。
「あん!?」
「湖と同化している訳ではないんですね。」
「まあ、それが解ったところでどうにもならんがな…。」
コアを中心としてみるみるうちに修復していくソレをゴーグルで眺めながら杉田と大木はため息をついた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一旦終了。馬鹿みたいに修復する相手をどうやって処理するか。F世界での課題になるかもしれません


177 名前: 4/4 ◆EvBfxcIQ32 2005/04/12(火) 23:49:12 ID:???

これが何度目になるのか、いい加減弾の無駄とも思える総攻撃を止め、杉田は再び椅子に座った
「コアを破壊すれば良いんだ。何か方法は…。」
「この湖を干上がらせるとか。」
「馬鹿いうな。」
「冗談ですよ。」
大木と洒落をかわして杉田はどっとため息をついた。
「…コアも液体なのがいけない…、あの膜も破れるような物ではないし。…そうだ!」
杉田の疲れた顔が突然輝く、大木がどうしたのかと尋ねる暇も無く杉田は無線機を手に取っていた。

「な、なんですかこれは?」
「はぁ、じゃない。塩だ。」
「塩ぉ?」
杉田が突然無線を使ってから約1時間、大木は巨大な白い山を前にして呆然としていた。
「ちなみに舐めるなよ?精製したもんじゃないからな。とても食用に使えるもんじゃない。」
「これをどうするんですか?」
「どうするって、撒くんだよ。妖怪退治には塩が一番だ。」
憮然とした表情を浮かべる大木に対し杉田はニヤリ、と笑った。

178 名前: 4-2/4 ◆EvBfxcIQ32 2005/04/12(火) 23:51:27 ID:???

塩の雨がヘリから降り注ぐ
「オオオオオオオオオオォォォォォォ…」
頭上からの絶え間ない塩を振り払うようにゴーレムは腕を振り回すが、
しかし液体である彼の腕はその塩をただ体内に導くばかりであった。
「…塩なんて奴に溶かして何のつもりですか?」
「高校のバケ学さ。ほら、見てみな。」
渡されたゴーグルを覗く。そして大木が見たものは、みるみるうちに水分を失って縮んでいくコアであった。
「…浸透圧!」
「コアを覆う膜が半透膜かどうかは自信がなかったがな。生態環境も考えて塩にした。」
「ボオオオオオォォォォォォォォ……。」
ヘリが塩の散布を止めてからもコアはどんどんと萎んでいき、そしてそれに比例してゴーレムの動きが鈍くなっていく。
「よし、あれが壊れる前にコアを回収しろ。けっして真水には浸すなよ。」
そう命令を下し、杉田は無線を取り出した。
「あー、こちらドラゴンスレイヤー、任務完了、ウォーターゴーレムのコアの入手に成功した。」
コアを失った水の塊が盛大な水飛沫をたてる、それとほぼ同時に彼は満足気に無線を切った。



424 名前: 名無し三等兵 2005/05/29(日) 15:07:38 ID:???

21世紀初頭、日本列島とその近海諸島を含めた一帯が大陸棚を
含んで異世界へと転移した。政府は原因を究明するべく、自衛隊を
含めた調査部隊を近隣の大陸へと派遣した結果、驚くべきことに日
本は西洋系のファンタジー物語の様相を呈する異世界へと召喚され
たということが判明する。

日本独力での近代国家体性維持は資源の問題から不可能であると
の認識で政府方針は定められ、日本は憲法を改正、自衛隊を主力と
した軍事力を大陸へ派兵、現地を武力によって制圧、併合して自国
領土化を行った。それに伴って現地民は日本国の司法、行政、立法
下に支配され、旧来の生活を変えることを余儀なくされる。

強引なまでの速度で推し進められた支配域拡大と経済開発により、
異世界での日本国領土と住民は奇跡的な経済発展と科学技術の恩恵
を受けることとなった。しかし、人間世界でも顕著であった貧富の
差が拡大する理由に種族蔑視や、古来よりの魔法的勢力らによる科
学技術の排斥を受ける地域などが加わったことにより、日本支配域
内での内部対立が勃発、争いは大きくわけて日本側に付く者、旧来
側に付く者とに別れた。双方の争いには剣と魔法に加え、日本より
もたらされた近代工業兵器が加わり、一層の激化を辿ってゆく。

事態の自力解決に苦慮した政府は第2の武力組織創設を決定する。
すなわち、異世界現地住民から登用した人材による武装兵団をもって
して、はびこる都市ゲリラや地方を蹂躙する盗賊団を殲滅させるとい
う物である。自衛隊より供与された軽機関銃をはじめとする各種携帯
火器に加え、装輪兵員輸送車及び装輪装甲戦闘車両、小規模ではある
が大型輸送ヘリコプターを配した空中機動能力までも付与されたのだ。
日本が元存在した地球社会と比較すれば、19世紀初頭程度の科学技術
と工業力しか持たないこの世界においては過剰ともいえる打撃力と飛躍
的な機動力を持つ強力な組織がここに誕生した。



551 名前: 名無し三等兵 2005/06/06(月) 19:23:27 ID:???

それはラジニーカント王の御世のことでした。
西方に奇妙な島が現れました。
その島から奇妙な人たちが現れ、食物と水を要求しました。
王は受け入れ、歌と踊りでもてなしました。
彼らは喜び、様々な珍しい物をくれたのです。
彼らは北大陸にあった大きな王国にも向かい、同じ事をしました。
しかしその王国の人たちは銃や弓矢で彼らを襲いました。
彼らは怒り、王国の都城の上に巨大な火を投げ与えました。
それが原因で、北大陸の王国は滅びてしまいました。
そのような訳で、南大陸の人々は仲良くお互いの食物を分け合って
暮らし、北王国の人々は争い、お互いに火を与え合って暮らすように
なったのです。
この出来事が、「食物を与える者は食物を与えられ、火を与える者は
火を与えられる」と言う警句の由来です。

その後西方の島と、来た人々は、来た時と同様に突然消えてしまいました。
人々は、あれは西方にあると言う神の島に住む神々が、人の心を試しに
現れたのではないかと思いました。
そこで神々を讃えるために、神々が名乗っていた名前「ジェダイ」の名前を
いただいて、自らは攻めず、平和を守るジェダイ騎士団が創設されたのです。

ジェダイの騎士たちは、またいつ神々が現れても恥ずかしくないように、
日々研鑽と鍛錬に励んでいます。


ジェダイ騎士団出版部発行 「平和と安全を守ります」第一章「騎士団の由来」




563 名前: 英国第一狙撃連隊第6小隊所属の二等兵 2005/06/09(木) 16:57:32 ID:???

第一話 201]年 ○月○日、世界のどこかデ
陸上自衛隊4個師団、5個大隊の兵力が何処か、で演習をしていました。
しかし、5万人に匹敵する兵力と3か月分の物資がアル宿営地が突然、
強い発光に包まれ消えてしまいました。
そしてきずくと古戦場のような場所にいました。
「これはいったい、!」「こ、ここは?!」
自衛隊員は戸惑いォ隠せません。
ここはどこなのか、どうしてこんな事になったのか、
隊員達の何人かは無線を試し、
またあるものはレーダーで位置で探りました。
しかし、分かるはずもありません、ここは地球じゃありません。
そんな中、自衛隊の様子を草の影から伺っているものがいました。
灰色の肌をした醜い生き物物でした。

第一話 完




577 名前: 名無し三等兵 2005/06/09(木) 22:22:45 ID:???

「自衛隊がファンタジー世界と融合しますた」

(注:ファイアーエムブレムシリーズのような世界観と思いください)

うちの部隊もようやく新しい歩兵槍(アサルトライフル)に更新された。
89式小銃という。 今のところ使い勝手はいい。
小口径になった分、穂先が短くなったが取り回しはいい。
何より64式小銃と違って穂先や石突に脱落防止の補強をしなくても良い。
機甲科や空挺は89式の騎兵槍(カービン)タイプとして折りたためるものが配備されているそうだ。
槍を持って、迷彩模様の軽鎧を着込めば戦闘準備は完了だ。

その日俺たちは北の帝国のゲリラ兵を掃討していた。 いつもの事だ。
毎度毎度ボロッちい小船で海を渡ってきて、略奪と破壊を繰り返して、俺らに見つかって殺されてゆく。
連中、陸軍を送るろくな能力が無いし、シーレーンを確保する海軍力も無いからコンナみみっちい手を使うしかない。
それでも、被害は馬鹿にならない。 かなり昔から帝国は工作員をこの国に送ってきていたらしく、そいつらの破壊活動も手を焼く。
加えて今日は、最悪な事に連中魔道士を連れてきていやがった。 最近は見なかったのに。
しかも高台に陣取って、連中お得意の「RPG」を一方的に撃ってきやがる。
こっちの魔道士も「01式軽MAT」を打ち返すが、この魔法は属性がHEATしか無いので対人制圧には分が悪い…

もう駄目かと思ったその時、俺たちの頭上を咆哮とともに黒い影が通り過ぎた。
蝙蝠のような形状の巨大な翼、爬虫類のような巨体。 頭部の特徴的な角と、陸自の迷彩模様の鱗。
「新型の攻撃飛竜(ヘリコプター)、AH−64D!!」
背に乗ったパイロット片手で手綱を器用に操りながら、手を振る。
次の瞬間、飛竜の口から紅蓮の炎が発せられ、高台の敵をなぎ払った。
仲間たちが歓声を上げる。 竜の吐息、AGM−114ヘルファイア。
文字通り地獄の炎に包まれ、地上の虫けらは跡形も無く灰と化す…

AH−64Dは俺たちの頭上をゆっくりと旋回した後、飛び去った。
こういう時ほど、見方が頼もしく思う。
ともあれ、今日も生き残った。 撤収準備をして、戦死した仲間の死体を軍馬の背中に積む。
乗り手を失った軽装甲機動車と高機動車が悲しそうに嘶いた。

578 名前: 名無し三等兵 2005/06/09(木) 22:33:44 ID:???

解説。

64式小銃:歩兵槍。 部品がよく脱落する。
魔道士:主に対戦車ロケットランチャー系や無反動砲系、携帯対戦車ミサイル系といった系統の魔法を使用する。
消費の激しい迫撃砲系魔法は複数の魔道士で使用する。

AH−64D:陸自が配備した最新型の攻撃飛竜(ヘリコプター)。
AH−64Aを品種改良したもので、非常に眼と耳がよく、
国産の偵察用中型飛竜OH−1とのデータリンク処置が待たれる。

AH−1S:旧型の攻撃飛竜。
UH−1種の品種改良によるもの。 その為体力面で不安が指摘されていた。
ブレスはTOW。
そのため原産国のアメリカではAH−1Wへの品種改良が行われている。

飛竜:いわゆるワイヴァーン。 火を吐くものは攻撃飛竜と呼称する。



580 名前: 名無し三等兵 2005/06/09(木) 22:41:43 ID:???

軽装甲機動車と高機動車:馬。

装備:槍(アサルトライフル)を持ち、迷彩模様の鎧を着込む。
魔道士は片手剣(サブマシンガン)「9ミリ機関拳銃」を持つ。
一部幹部は儀礼的に短剣(拳銃)「9ミリ拳銃」を持つ。

581 名前: 名無し三等兵 2005/06/09(木) 22:56:59 ID:???

「自衛隊がファンタジー世界と融合しますた 2」

最後の61式戦竜(MBT)が死んだ。
「これで全頭、退役したわけだ」
悲しいのに涙は出ない。 もう何度も戦竜の死に立ち会ってきた所為だろうか。
飼育係(整備員)は亡骸を囲んでボロボロ泣いている。
だが俺は泣く気にはなれなかった。

「工科学校でさ、最初に背中に乗ったのが61式だった」
「俺もだ。 戦竜の乗り方、足のかけ方、走らせ方、全部こいつに習ったんだ」
そういう戦竜乗りは多い。 機甲科の古株ほどそうだろう。
74式や90式に乗り換えてからも、61式に愛着を持つ奴が多い。
61式は温和な戦竜だ。 あまり戦いに向かない。
鱗は柔だし吠える声には力が無い。 ブレスだって「90ミリ」だ。
それでもこのちっぽけな戦竜が走るのを見る時は、子供みたいに興奮したし、
背中に乗って揺られている時はどうしようもなく、楽しいんだ。
何時だったか駐屯地内で、もういい加減年寄りになってた61式を演習場に引っ張り出して
耐久レースやらせた時は、竜も人間も、乗り手も観客もみんな泥だらけになって白熱した。
でも、もう61式は走らない。 吠える事も無い。 ブレスなんてとっくに吐けなくなって、
ゆっくり老いて、そして今日、死んだ。

戦竜厩舎に冷たくなって横たわる61式は、明日には埋葬されるだろう。
先に逝った多くの仲間の竜たちの下へ。


飼育係たちは、まだ泣いていた。



583 名前: 名無し三等兵 2005/06/09(木) 23:06:12 ID:???

解説

戦竜:ドレイク。 翼の無い竜。 硬い鱗は鉄壁の防御を誇り、炎のブレスを吐く。
昨今のブレスは「120ミリ」が主役。

61式戦竜:古い戦後の国産戦竜。 退役完了。

74式戦竜:戦竜特有の大きい体を器用によじったり縮こまったりして、物陰や窪みに隠れる習性を利用して待ち伏せ戦術に使われる。
保有頭数では事実上わが国の主力戦竜だが、保有頭数の削減のため年間50頭辺りが薬殺処分される予定…

90式戦竜:ドイツ原産のレオパルト種との掛け合わせで開発された主力戦竜。
狙った目標を、騎乗手の指示なしで捕捉し続ける賢さを持つ。


585 名前: 名無し三等兵 2005/06/09(木) 23:32:11 ID:???

「自衛隊がファンタジー世界と融合した世界に召喚されますた」

この世界はかなり奇妙だ。
場所は日本だ。 国も日本だ。 首都はは東京だ。 言語は日本語だ。 自衛隊もある。
なのに着ているのは迷彩服U型ではなく、迷彩模様の鎧で、装備しているのは「89式小銃」と呼称される、槍だ。
中国語の手槍でも短槍でもない。 正真正銘、槍だ。
戦国武将とかRPG(武器じゃない方)に出てくるキャラが持ってるような奴。
でもって、軽装甲機動車とか高機動車とか73式「パジェロ」とかは車じゃなく、馬の種類ときたもんだ。
だが、極めつけは…
「こら、体をぶつけるな!」
「擦り寄ってるんだよ。 こいつ、もうすぐ繁殖期だからなあ」
90式戦車に熱烈な体当たりをかましてくる巨大な爬虫類…というか恐竜にしか見えない謎の物体。
名前を「90式戦竜」というらしい。
戦車長は10メートルくらい離れた所で頭を抱えている。
そりゃあ、ショッキングな事がこうも立て続けに起こっては仕方ないか。
砲手の鈴谷陸士長は恐竜(これを90式なんて呼びたくない)が体当たりするたび青い顔をしている。
大丈夫だ、これくらいで装甲凹みはしないだろう。 …多分。
で、恐竜の乗員…というか騎手?の「松原3曹」とかいうこの奇妙な日本の現地人はのんきな顔して笑ってやがる。
こっちは今起こっている事自体が笑い事じゃないって言うのに…

「で、この恐竜…メスなんだよな?」
「ああ」
「じゃあ、うちの90式はオスという事になるのか」
「キューマルがそう思っているからアプローチしているんだろうな」
「………」
「なにか問題でも? まさか繁殖方法が違うとか? それだとキューマル、可哀想だなあ…こんなに惚れてるのに」
「いや、繁殖方法というか…」

90式に恐竜がのしかかり始めた。 猫みたいにゴロゴロうなってやがるし。
もし、もし仮にだ…この恐竜が卵を産んだとしたら。 卵の中身にキャタピラとか砲塔とかついてたりしたら。
戦車が恐竜になっているような、いくら常識はずれな世界でも、そんな事は流石に無いと思いたい…


601 名前: 名無し三等兵 2005/06/10(金) 21:02:31 ID:???

「自衛隊がファンタジー世界と融合した世界にゴジラが出現しますた」

海上自衛隊の対潜哨戒グリフォン、P−3Cは対馬沖で不振な航跡を発見、追跡していた。
ソノブイ(魔道式探知機)を投下したが、音紋は潜水海竜ではない。
全長およそ100メートル。 どの国の潜水海竜及び海棲生物種にも該当しない。
とりあえず地方隊の基地と、付近を航海中の艦隊および潜水海竜「おやしお」に感覚共有でデータを送る。

外科手術によって脳に埋め込まれた魔道器具による感覚共有でP−3Cからデータを受け取った
「おやしお」はすぐさま当該海域に急行した。
潜水海竜の速度は、帆船の護衛艦艇より遥かに早い。
ソナーを発振、探知。
海面下深度40メートルを約30ノットで北上中。
目標がソナーを発振! 探知された?
しかし、まるでこちらに発見してくれと言わんばかりに無防備な発振を断続的に続けている?
目標の船籍および艦種不明、しかし領海侵犯を行っているのは確かだ。
「おやしお」は独自の判断で攻撃を選択。
腹部1番2番魚雷発射管に注水。 「子供」を分離する。
流線型の甲殻に包まれた特攻子竜…生体魚雷は目標に突進し、自爆した。
しかし、目標の耐圧殻に亀裂の入る音は聞こえない。 目標、なおも健在! 接近中!
音波砲の射程に入る。 ソナーを利用した水中衝撃波兵器だ。
クラーケンすらバラバラにする威力、魚雷には耐えられてもこれには耐えられまい!
無駄死にになった「子供」のためにも、ここで目標を撃沈する。
しかし、「おやしお」は次の瞬間信じられないものを目にした。
それは、海の中を青く照らすチェレンコフ光の閃光…


602 名前: 名無し三等兵 2005/06/10(金) 21:08:38 ID:???


海中で稲妻が走るのを、上空からP−3Cは確認した。
次いで、追跡中の目標が浮上するのを見る。
なんだ、あれは? P−3Cは生まれて初めて、その奇妙な生物を見た。
黒い体はごつごつした質感の体表に包まれ、背には特徴的なひれを生やし、そしてちいさな「耳」を
頭部に生やした、どの国の船籍データにも該当しない「竜」。
異常に長い尾が、海面を叩いた。 立ち泳ぎのように上半身を海面から露出させ、その「竜」は頭部を
上空のこちらへと向ける。
背びれに稲妻が走り、大きく開かれた「竜」の赤い口から熱線が放射された…


生物図k(ry …解説。

対潜哨戒グリフォンP−3C:人間乗らせるの忘れた。 本当は海自隊員が騎乗している。

潜水海竜「おやしお」種:青の6号(OVA)に出てくるムスカとか想像するとわかりやすい。

魚雷:親海竜の腹の中で生まれて、敵海竜やクラーケンに特攻して死んでゆく儚い命。

G:この世界にも核爆弾とかあるんだろうか。


605 名前: 自衛隊がMADな世界に召還されました 2005/06/11(土) 00:00:24 ID:???

「戦闘団長。アリア軍第一軍団から通達。
『我、タイラルタイ街道ヲ前進シツツアル敵敵部隊ヲ確認。地上ガ敵デ埋マッテ見エル。』」
「「彼らは来た」・・か・・いや『彼らも来た」と言うべきか」

疲れ果てた男はそうつぶやいて吸い掛けのタバコを吸殻で満杯になった灰皿に押し付けた
この世界に着てからというもの、彼の喫煙本数はうなぎ上りの状態にある
原因は言うまでも無い。極度のプレッシャーから来る物だ

「第一軍より追伸。
『先ホドノ報告ヲ訂正スル。敵ガ七割、地上ガ三割デアル。』」

一体敵兵は何処から沸いてくるのであろうか。殺しても殺してもきりが無い。
いや、この戦闘団長と呼ばれた男はその原因を知っていた。

召還魔法である

滅亡の淵に立たされたアリア王国がこの世界の不文律である大規模召還魔法の使用の禁止を破った事が全ての原因なのだ
確かに召還魔法はアリア王国を滅亡の淵から救った。
皆から戦闘団長と呼ばれ慕われているこの男の所属する国家の後ろ盾を得たアリア王国は
ありとあらゆる会戦で敵王国が誇る魔法部隊に対し奇跡的な勝利を繰り返し
その結果、息を吹き返す事に成功したのだから。
その軍団もまた街道の状況が劣悪なお陰で進軍は滞りがちであったが、確実な進撃であった
召還魔法のお陰でアリア王国領は平和に包まれたかのように見えた

だが、禁忌を破ればそれなりの代償が伴うことを忘れていた
自分が守らない法は相手にとっても守る必要ない法に成り下がると言う事を。

606 名前: 自衛隊がMADな世界に召還されました 2005/06/11(土) 00:03:57 ID:???

そう。敵王国もまた召還魔法の禁止を破ったのだ
彼らが呼び出したのは『西部戦略方面軍』とよばれた独裁国家の主力軍だったのだ
『西部戦略方面軍』の反撃を受けたアリア王国軍は大きな後退を迫られる事になった
・・正直な所を言えば後退すら許されなかった。
『鉄の雨』と言うほか無い圧倒的な火力で敵大打撃を与え、
其処にスチームローラーとしか表現できない程の大規模な鋼鉄部隊が襲い掛かった
アリア王国軍も彼らの後ろ盾である戦闘団長の所属する国家の軍隊もありとあらゆる場所で包囲殲滅されていった

今や戦闘可能な部隊は以前自身を悩ませていた劣悪な街道と地形のお陰で難を逃れる事に成功した者達だけ
戦況はアリア王国が禁忌を破る前の状況に戻りつつあった。
だが、敵王国にそれを喜ぶ事のできる指導者は一人も居なかった
『西部戦略方面軍』を支配する政治思想は王政という政治体制を認めなかったのである
敵王国は地上から消滅し、新たに人民共和国が誕生した
『西部戦略方面軍』は進撃をやめなかった。
元の世界では不可能だった自らの政治思想通りの世界同時革命を達成する為に。

「戦闘団長。指示をお願いします」

幕僚に進められるがまま戦闘団長は地図に目を落とした。
其処にはアリア王国の最後の防衛線であるナーベマウンテンを中心とした防御陣が描かれていた
この戦線が崩壊すれば最早アリア王国を、そしてその後方に控える祖国を守る手段が無い
なら答えは一つしかない
「交戦を許可する。なお関係部隊にはこう伝えろ。「サイは投げられたと」とな」
「了解。ルビコン作戦、発動します」

・・・・
駄文スマソ
単に『我が出来ることは敵にも出来るはず』というネタですのでお見逃しくだされ



644 名前: 639 2005/06/14(火) 10:22:13 ID:???

「突撃!」中隊長の号令により中隊は敵オークめがけて突撃する。

いくら敵の2倍近い兵力を有しているとはいえ、ヒトよりも圧倒的な体力と
生命力を有するオーク相手に鎧も無しに突撃するとは!他国の軍人が見たら
目を丸くするような光景だろう(よく兵どもは逃げないものだ!)。

だが、中隊長とて好き好んで突撃を命令したのではなかった。彼らの所持して
いる魔法の杖−38式歩兵銃−はそもそも敵騎兵の軍馬の骨を砕く程度の威力
しかなかった。あいにくとオークは軍馬よりも丈夫だったのだ。彼等の武器は
他には同じ威力で連射ができるだけの11年式軽機と擲弾筒や手投げ弾しかなく、
それでは敵に致命傷を与えることは困難だったのだ。

「重機さえあれば。」中隊長は唇をかみ締める、たしかに重機なら連中の厚い
皮膚をブチ抜き、その骨を砕く事ができるだろう。残念ながら中隊の装備では
連中に手傷を負わすことしか出来なく、結局彼らに残された手段は白兵戦で
決着をつけることだったのだ。



とりあえず書いてみた。・・・板違い?


770 名前: 名無し三等兵 2005/06/21(火) 19:20:54 ID:???

「自衛隊がファンタジー世界と融合した世界にGが出現したので召喚されますた(長っ!」

イージス護衛艦「こんごう」の甲板上に描かれたMk41VLS/VLA1魔法陣を取り囲む魔道士班が
アスロックSUMの術式を完成させる。
格子状の魔法陣の中央からまばゆい光を放つ光弾が打ち上げられ、「みょうこう」からも同様の
光弾が打ち上げられた。
光弾は彼方の海上に落下し、数秒後海面に盛大な水柱を上げる。
しかし、ソナー手は依然として目標の生体スクリュー音を捕らえ続けていた。
目標が海面に浮上、黒い背びれをマスト頂点の観測員が視認する。
「まきなみ」「きりさめ」「はまぎり」「しまかぜ」の魔道士班が短魚雷およびハープーンを発射。
しかし目標は依然として顕在。
次の瞬間、頭部を持ち上げた目標から青い熱線が放射され木造帆船からなる護衛隊群の殆どが
一瞬で炎上あるいは蒸発。
第二、第三護衛隊群は戦闘開始後2時間でほぼ壊滅した。

唯一生き残った「くらま」の搭載飛竜SH−60Kが対艦ミサイルを目標に発射するも、やはり効果なし。
目標はその後潜行を開始、ロスト。

生き残った海自隊員の多くは漂う護衛艦の木片につかまりながら、UH−60J救難飛竜が到着するまで
目標の消えた海面と、炎上し続ける帆船の群れを呆然と見つめ続けていた。

771 名前: 名無し三等兵 2005/06/21(火) 19:40:33 ID:???

「その後目標…”G”は舞鶴港から上陸。 陸路で名古屋に進行し、市街地を破壊した後北上。
現在大阪を通過し東京を目指している…航空竜の対地攻撃もさしたる効果なし。
”G”の出現が敵国である北の帝国の召喚によるものと判明したんで、こちらもそれに対抗できそうな
戦力を異世界から召喚した、というわけ。 で、俺はあんたたちのお迎え」
重たげな足音を響かせる90式戦竜の背中に揺られながら松原3曹が状況を説明する。
俺はディーゼルエンジンをうならせる90式戦車の操縦主席から頭を出して、併走させる。
車長は砲塔から半分身を乗り出して、松原3曹の話を青汁でも飲み干したかのような
渋い顔をして聞き入っている。
多分、俺と同じような事を考えているのだろう。

『頼むから、Gフォースか特生自衛隊の方を呼んでくれ』

師団本部に到着すると、向こうの自衛隊の師団長以下もうちの車長と同じ表情をした。
そりゃそうだ。 わけのわからない、最新現代(といっても、この世界で言う)兵器が通用しない
怪獣に対抗するために呼んだものが、動く鉄の箱で、しかも1両っきり。
せめて1個連隊ぐらいは来て欲しかったところだろう。
「これでは…支援は期待できないなあ。 いや、すまなかった。 本来自分の国は自分で守るものだ。
異世界のわが国とはいえ、他人に力を借りて、代わりに戦ってくれなど虫の良い話だ。
わざわざ来てもらってすまないが、やはり君たちに出番はないようだ。 すぐに元の世界に返れるよう、手配する」
この師団長、なかなか良い人だ。
迷惑被ってただ疲れただけになってしまったが、意外に早く帰れることになりそうだ。
鈴谷はほっとした顔をしているし、車長も心なしか機嫌を取り戻したような感じだ。

772 名前: 名無し三等兵 2005/06/21(火) 19:57:33 ID:???

目標…”G”は現在長野の山中を迷走しながら進撃中ということで、迷彩模様の甲冑を着た
この世界の陸上自衛隊は防衛線を構築中だった。
時間稼ぎに空自のF−1・F−2支援戦闘竜ならびにF−4EJ改戦闘竜が爆撃を行っているが、
効果は芳しくない。
爆撃音がここ、師団本部まで聞こえてくるところを見ると、かなり目前まで目標が近づいてきているようだった。

小型のティラノサウルスあるいはアロサウルスに似た87式偵察警戒騎竜が土煙を上げて失踪してくる。
騎乗していた隊員が転げ落ちるようにして下馬、そのまま師団長の居る天幕に駆け込んでゆく…
伝令だろうか。 無線はないらしい。

「あんたたちはここにいてくれ。 無理して戦う事はないんだ」

松原3曹はそう言って愛竜キューマルの背に乗った。
戦竜部隊は戦争の要、最前線で突撃し敵を駆逐するのが任務だという。
魚雷も対艦ミサイルも対地爆撃も効かない巨大な怪物に、どう戦うというのだろうか。
疑問を浮かべる俺に、彼は悲壮な決意を押し隠した笑顔を向けた。

「それが永久への礎ならば、我ら既に覚悟完了」
「…なんだそりゃ?」
「俺の好きな少年向け民話。 あんたらの世界の自衛隊にも民話好きの奴いないの?」
「マンガやアニメのオタクならいるけどな」
「そっか。 ま、フィクション作品の主人公見たく、かっこよく戦って死にたいと思ってね」


773 名前: 名無し三等兵 2005/06/21(火) 20:07:38 ID:???

言い終わると松原3曹は片手で手綱を取りつつ、もう片方の手で敬礼の動作を行った。
俺も車長も鈴谷も、敬礼で帰した。
キューマルが90式戦車を見つめて切なそうな鼻声を鳴らす。
残念だがエンジンを止めた90式は返事を返さない。
そして、彼らは土煙を上げて爆撃音から砲声に変わった防衛線の方へ走っていった。
その背は、振り返る事はなかった。

「…どうすんです、車長」
「どうするって、どうするつもりだ。 こっちは戦車が1両っきりだぞ」



「行くか」

数分後なのか、数秒後なのかわからない長い無言のあと、戦車長は決断した。
急いでエンジンを始動させる。
ディーゼルエンジンがうなり声を上げ、俺たちの世界の90式戦車は咆哮した。

「わけのわからない世界の日本でも、俺たちの国だ。 常識はずれな自衛隊でも、原隊だ。 見捨てるわけには行かないだろう!」

キャタピラが泥を跳ね上げ、黒煙を吐き出して戦車は砲声のとどろく前線へと向かった。


781 名前: 名無し三等兵 2005/06/23(木) 21:21:53 ID:???

「自衛隊がファンタジー世界と融合した世界にGが出現したので召喚されますた・2

99式155ミリ自走榴弾ゴーレムと203ミリ自走榴弾ゴーレムの群れが
特科魔道士班より魔力供給を受け、82式指揮通信騎竜と神経接続した
連隊長の脳波命令信号を受信、投石を開始する。
2種のゴーレムは石弾を最大30000メートルまで投擲可能な強肩を誇る。
同時に火砲陣地に設置されたFH70魔法陣より炎弾が、M(Magic)LRSより
光弾が轟音・噴煙とともに発射される。
それらは山の稜線の向こうに姿を表した”G”に次々と着弾、山中は轟音と閃光と咆哮に包まれた。

「…特科部隊の砲撃、効果なし!」
「目標は浅間山・軽井沢防衛線を通過」
「第3次航空支援を繰り上げ要請、戦竜連隊を集結させ目標に集中砲火」

”G”は長野県を横断し群馬県に差し掛かっていた。

「最終防衛線である高崎を突破されれば遮るもののない関東平野、上越新幹線道を辿って東京まで一直線…!」
「なんとしてもここで食い止めねばならぬ。 都民を避難させたとしても、都心が破壊されれば
経済的打撃から立ち直れない。 さらに米軍の介入を要請する事態になれば、わが国は戦後からやり直すことになる」
「東部方面隊および北・東日本の戦力の殆どを結集させ、ここで目標の東京侵攻を阻止する!」

782 名前: 名無し三等兵 2005/06/23(木) 21:44:48 ID:???

北海道より第1輸送隊によって緊急輸送されてきた第7師団の90式戦竜と89式装甲竜が前進する。
90式戦竜の群れが総火演の展示のごとく列をそろえて停止と同時にラインメタル44口径
120ミリ滑腔ブレスを放ち、89式装甲竜の背に騎手と相乗りになった機甲科魔道士が重MATを
両手から発射する。
無数の火の玉が”G”の脚や腰に命中するも、その黒い皮膚には火傷の跡すら付かない。
「効果なし! 全騎後退!」
しかし、多くの竜と騎手が”G”の口から発せられる青い熱線を背後から浴びせられ、
人間も竜も火達磨になり肉と鱗をただれさせてのた打ち回った。

指揮所では観測飛竜OH−1からの感覚共有データリンクを受け取った師団長以下が、
機甲部隊のあまりの惨状に苦渋に満ちた表情を隠せないでいた。
耐えられなかった何人かは視覚と嗅覚の感覚共有を切断する。
「全部隊、最終防衛線まで後退。 航空支援の到着の後、残存戦力を集中させ攻勢に出る」

頭上をF−2支援戦闘竜の数騎が飛んでゆく。
飛竜と違う点は、脚が四つあり体も巨大である事だそうだが、俺にはわからない。
F−2が飛んで言った方向で、轟音。 90式戦車は石畳で舗装された同をを破壊しながら、
木造のコンビニエンスストア店舗の角を左に曲がった。
「なんかやたら木造や石造の家屋が多いのに、看板とかはア○ムとかロー○ンとかがそのままあったりで
変な感じっすね。電柱もないですし」
「鈴谷、いいから黙ってろ」

783 名前: 名無し三等兵 2005/06/23(木) 21:59:10 ID:???

「目標発見、1字方向。 停車!」
”G”の巨体はは市街地からでも充分見えた。
畜生、まるっきりゴ○ラそのまんまじゃねえか。 東○に訴えられるぞ。

「最大仰角姿勢。 鈴谷、あんな巨大なもんがどうやって立っていられると思う?」
戦車長が指示を下しながら砲手の鈴谷に話しかける。
俺は黙って言われたとおりに油圧懸架装置を操作して車体全部を上昇、これと砲自身の仰角合わせで
砲口はかなり上を向いた事になる。
「…脚が恐ろしく頑丈なんじゃないすかね。 でないと、普通自分の体重で骨折して歩く事も出来ません」
「そうだ。 しかし、普通の…俺たちの世界の生き物なら、体が大きくなればなるほど、巨大なプリンか
豆腐みたいに体を支えきれなくなって、潰れる。 だが、ありゃあ俺たちの世界の生き物じゃねえ」
「つまり…構造自体が俺たちの常識を遥かに超えてるってわけですか」
「この世界の魚雷やミサイルがどの程度のもんか知らないが、全然効かないところを見ると皮膚からして
恐ろしいくらい頑丈に出来てるんだろ。 ひょっとしたらそもそも生き物ですらないかもな。
だが、どっちしろ外側がどんな頑丈でも、倒す方法の一つぐらいはあるもんさ」

自動装填装置が作動、APFSDSが装填される。
「さあ、いっちょ現代最新精密兵器の威力を見せ付けてやろうじゃないか!」

784 名前: 名無し三等兵 2005/06/23(木) 22:15:37 ID:???

キューマルは仲間の戦竜とともに全速で後退していた。
騎手の松原は至近に熱線が放射された熱で火傷を負っており、鞍の上でうつ伏せになって
苦しそうにうめいている。
ただ、手綱だけを必死に握り締めて、揺れるキューマルの背から振り落とされまいとしていた。
併走する仲間の戦竜の騎手は、既に息絶えている。
戦竜自身も、体の半分の鱗が溶け落ちて無残なケロイドの爛れた肉をさらしていた。
背後より巨獣の砲口と足音が迫る。
機甲部隊の後退を支援すべく、攻撃飛竜が1騎飛来してブレスを吐くが、逆に熱線によって
打ち落とされた。
背中で弱弱しい息遣いが聞こえる。 松原はまだ生きている。
必死で地面を蹴る。 背後から地を揺るがす足音が聞こえる。
早く。 早く。 早く。 早く。 早く。
逃れなくては。 少しでも相手から遠く。 もう一度熱線を浴びれば自分も松原も死ぬ。
助からない。 息が上がる。 鞍が重く感じる。
併走する戦竜が苦しそうな呼吸をしていたかと思うと、突然悲痛な叫び声を上げた。
そのままよろけて、こちらの進行方向に斜めに割り込んで倒れてくる。
避けられない!

土煙を上げて地面と衝突した。 接触してバランスを崩したのだ。
松原は背から振り落とされてしまった。 起き上がろうとするが、左前足に激痛が走る。
骨折してしまったのだろうか。 捻挫程度なら引きずってでも走れる。
だが、起きられない。 地面に投げ出された松原はぴくりとも動かない。
足音が近づいてくる。 巨獣が咆哮する。 奴が熱線をはく前の、稲妻の音がする。
もうだめだ。

その思った時、キューマルは落雷のような今まで聞いたことのない轟音を耳にした。

785 名前: 名無し三等兵 2005/06/23(木) 22:29:24 ID:???

着弾の瞬間”G”の右目から赤い液体だか肉塊だかわからないものが爆発したように
飛び散ったのを、鈴谷陸士長は主砲のサイトから視認した。
続いて、次弾装填。 大きく開かれたままの口に2発目を叩き込む。
口の奥で赤い光、次に白い煙が広がったように見えた。
タングステン弾頭は命中した瞬間液状化し、そのまま目標の装甲を破砕しながら内部に破片を
撒き散らす。
最初に眼に命中した砲弾が眼球を突き抜けてどうなったか、
そして次に命中した砲弾が口腔の奥で何処へ突き抜けて行ったかは、説明するまでも無いだろう。

そして、”G”はその巨大な体を少しずつゆっくりと傾けさせ、ついに横向きに倒れこんだ。
倒れる瞬間数キロはなれたここまで響いてくる轟音と、舞い上がる土煙が視認される。

「外側がどんなに硬くても、筋肉や骨格がどんなに高密度で頑丈に出来ていても、目ん玉と
口の中だけは頑丈には作れないからな。 そして、そこをピンポイントで精密射撃できるのは、
こいつがわが国の誇る90式戦車だからだ」

戦車長は自慢げに呟く。
あっけない。 始まる前はどんなにか緊張し死も覚悟したものだが、終わってしまうとこんなにも
あっけないものかと逆に不安になった。

786 名前: 名無し三等兵 2005/06/23(木) 22:42:33 ID:???

「死にましたかね」
「バァカ、死にましたかじゃねえだろ鈴谷。 脳味噌ぐっちゃぐちゃ、延髄もぶっちぎれて
やっこさんもお陀仏よ。 これで生きてたらもうどうしようもないね」
「…映画だとメーサー砲いくら当てても死なないのに」
「映画と一緒にすんな。 もし映画の世界が実在したとしても、目の中口の中攻撃しないのは
あの自衛隊や地球防衛軍が無能だからだ」
それもそうだ。 ミサイルや砲弾を頑丈な皮膚に当てて効かないなら、効きそうな急所に当てればよいのだ。
とはいえ、誰が想像しただろうか。

巨大怪獣がたった1両の戦車で撃退できるなんて事を…


松原3曹の怪我は中程度の火傷に加え、キューマルから転落した時の打撲骨折で全治2ヶ月という事だった。
「見送り出来なくてすまないな。 命の、いやこの国の恩人だって言うのに」
「いいから静養してろよ。 生き残れただけでももうけもんだ」
最大の戦功者である俺たちは感謝もそこそこ、勲章授与も無いままにすぐにでも元の世界に帰される事になっていた。
あの師団長は申し訳なさそうな表情をしながら、俺たちがここにいるのはこの世界の日本の立場上、
非常にまずい事になっていると告げた。
そもそも、今回”G”が出現した召喚魔法は禁呪とされており、日本は非禁呪3原則により召喚魔法を
使ってはならないとされている。
だから、俺たちがここにいるのは明らかな憲法違反となり、マスコミに知られる前に帰って貰わなければならないのだそうだ。



787 名前: 名無し三等兵 2005/06/23(木) 22:57:49 ID:???

「ま、ちゃんと帰らせてもらえるんなら文句はないさ。 それに、頼まれたんじゃなく
自分からあんたらを助けるため戦うのを決めたんだしな」
その辺は戦車長も鈴谷も不満はない。
全部自己判断と自己責任だ。
俺と松原はそれぞれ笑みを交わし、手を差し伸べて握手を交わした。

野戦病院の天幕を出て行こうとすると、松原が俺を呼んだ。
振り返ると、彼はベッドのから上半身を起こして敬礼をしてみせた。
俺も、敬礼で返した。

外では戦車長と師団長がなにやら話していた。
やはり二人も敬礼を交わした。
師団長さん、いい年して感極まって泣きそうな顔なるなよ。

戦車長も、もらい泣きするな。

90式の隣には、前足に包帯を巻きつけたキューマルが寄り添っていた。
別れを惜しむように、しきりに体をこすり付けている。
「キューマル、今度こそ90式とお別れだぞ」
キューマルは低くうなって返事した。 寂しそうだった。
鈴谷が1両と1頭のそんな姿を見て、泣きそうになってた。
…一瞬、90式をこの世界に置いて行きたくなった。

「さあ、帰るぞ」

戦車長がこちらに歩いてくる。 なにか満足げな表情をしていた。
やり遂げた男の顔だ。 鈴谷も、そして多分俺も、戦車長と同じ顔をしていた。



789 名前: 名無し三等兵 2005/06/23(木) 23:13:28 ID:???

前回分合わせて解説

・イージス護衛艦「こんごう」他:帆船。 搭載兵器は全部海自魔道士隊員の使用する魔法。

・DDH「くらま」およびSH−60K:…着発艦はどうするんだろう? 帆は無しで漕ぎ手が数十人で櫂を漕いで進む…?

・舞鶴から上陸して名古屋行って北上して大阪通過して長野…:大阪はミス。 侵攻ルート色々考えてるうちに何故か混ざった。
他のパターンとしては山梨や埼玉を抜けて東京へ向かう案もあった。

・戦闘竜:ネーミングがイマイチ。 いっその事ドラゴンじゃない種類の怪物にすればよかったかも。

・支援戦闘竜F−2:最初は純国産にしたかったがアメリカの横槍で無理やりF−16種と掛け合わされた。
予算の問題で調達繁殖数は予定より少なめになってしまう…

・少年向け民話:こっちでいう漫画。 アニメは紙芝居に相当。

・覚悟完了:松原3曹が少年向け民話雑誌で何を読んでいるかがよくわかる。


790 名前: 名無し三等兵 2005/06/23(木) 23:26:03 ID:???

・騎竜:二本足で疾走するタイプの竜。 装輪式車両はこれということは96式WAPCも…

・87式偵察警戒騎竜:威力偵察に使われる。 鱗はあまり頑丈ではない。
その代わり軽快で機動力に富む。

・82式指揮通信騎竜:特科などの指揮通信用の竜。
87式はこれを多少品種改良して使っている。

・無線はないらしい:感覚共有データリンクは器具を外科手術で取り付ければ可能である。
…しかし、一般の隊員はやりたくない人が殆ど。 通信科は全員強制。

・自走榴弾ゴーレム:155ミリとか203ミリとか言う単位が何のためについているのか不明な、汎用人型ピッチングマシーンw

・MLRS:Magic Launch Rocket System 略してMLRS。 魔法陣装置を装甲竜で牽引して運ぶ。

・最終防衛線である高崎を突破されれば〜:…いや、ここ突破されればあとは防御陣地が全くないというのは戦術的にどうかと。

・89式装甲竜:90式戦竜よりも調達繁殖数が少ない希少種。
数名の普通化隊員を背に相乗りさせて運ぶ事が出来る。

791 名前: 名無し三等兵 2005/06/23(木) 23:34:24 ID:???

・北海道より第1輸送隊によって緊急輸送:…帆船の「おおすみ」って積載量がどのくらいなんだろう。
とりあえずLCACは無いっぽい。

・観測飛竜OH−1:外見はどうみても攻撃飛竜にしかみえない偵察飛竜。
攻撃飛竜への品種改良も検討されているとかいないとか。
なお、自衛用SAMは騎手と相乗りする魔道士が発射するのでブレスじゃない。

・感覚共有データリンクを受け取った師団長以下が:…感覚共有って実はあまり気持ちのよいものじゃない。

・”G”の倒しかた:…なんで戦車1台しか召喚されなかったのかというと、つまり1台で充分だから。

・非禁呪3原則:…非核3原則と同じ。 という事は、この世界ではWW2で広島と長崎に何か召喚されたということに…

・憲法違反:…誰が命令して召喚させたんだろう。 某総理か某元防衛庁長官なのか。





826 名前: 名無し三等兵 2005/06/26(日) 22:16:17 ID:???

「続・自衛隊がファンタジー世界と融合した世界に召喚されますた」

西暦2006年 7月24日 東方昇陽皇国日本

この日の未明、新潟県沖を飛行中の早期警戒管制竜E−767の超視覚・超聴覚および
空間認識把握レーダーに複数の影が捉えられた。
輪島・経ヶ崎の魔導レーダー基地も同様の機影を補足。
中部航空方面隊SOCはすぐさま航空自衛隊小松基地の303飛行隊にスクランブル発進を指令、
4頭のF−15J戦闘竜が迎撃に向かった。
おりしもつい2週間前に敵対国家「北方朝鮮帝国」より禁呪兵器による攻撃を受けたばかりであり、
国籍不明機の飛来方向から北の帝国の所属機である可能性が高かった。

『ライダー、連中本気で撃って来ると思うか?』
『作戦中は私語を慎め、ダック。 320秒後に会敵。 攻撃の意思を確認するまで反撃は認められない』

飛行班長”ライダー”が日頃から口数の多い”ダック”に注意する。
ダイアモンド編隊の右側を担当する”ピジョン”がくすりと笑った。

『何がおかしい』
『別に。 何度も攻撃受けてんのに、何で一々正当防衛だの何だのと理由つけなきゃ交戦できないのかと思ってさ』
『政治の話は人間に聞け。 俺たちは駒だ』
『スワローは小難しい事は嫌いですかっと』


827 名前: 名無し三等兵 2005/06/26(日) 22:27:23 ID:???

ライダー、ダック、ピジョン、スワロー。
それぞれ空自の保有する要撃戦闘竜F−15Jの固体識別名として付けられたTACネームである。
全員尾の付け根に飛行隊のマークであるドラゴンのペイントがなされている。

『思うんだけどよ』
『私語を慎めダック』
『竜にドラゴンのペイント描くのってどうなんよ』
『それは別にどうでもいい』
『描いた人間に聞け。 気の効いた洒落のつもりなんだろう』

4頭はアフターバーナー…魔法エネルギーを推進エネルギーに変換し、加速。 副次的に慣性制御と
空気抵抗キャンセルを行う飛行補助魔法…を使用して洋上に出た。
北の帝国の所属機ならば機種はおそらくミグ21か23。
単なる挑発行動であろうか。
E−767からのデータリンクで視覚を共有し、目標を視認。

『会敵予想時刻は0342。 約40秒後。 目標針路変更なし』
『確認する。 攻撃意思を確認するまで反撃は許可できない。 繰り返す…』
『指揮所煩え。 言われなくてもわかってるっつうの』
『ダック、作戦中。 あと指揮所にも聞こえてるよ』

828 名前: 名無し三等兵 2005/06/26(日) 22:41:54 ID:???

『どうせ人間には大体の意味しかわかんねえって』
『思考はイメージ変換で自動翻訳される』
『マジ?』
『そろそろ黙れ。 …コンタクト』

薄闇の向こうに機影が見える。 機影は5つ、まっすぐこちらへ…

5つ?

”ライダー”が自分の望遠視覚の錯覚、あるいはE−767の近眼を疑った次の瞬間、
彼は飛来した誘導ブレスによって避けるまもなく炎に包まれた。

『コントロール! こちらドラゴン2、ドラゴン1”ライダー”撃墜! 交戦許可を求む!』
『敵は5機! 5機だ! 畜生、管制機は寝ぼけてたのか!?』
『ドラゴン2、交戦を許可する。 指揮を執れ。 306飛行隊に支援機を発進させる…
待て、もう一つ不明機を確認。 支援機はそちらに向かわせる。 岐阜基地より応援が到着するまで状況維持』

指揮を引き継いだ”スワロー”は絶望的な気分だった。
ただでさえ相手のほうが数が多いのに、”ライダー”が会敵直後に撃墜されてしまっている。。
3対5では勝ち目は無い。 しかも、応援が到着するのは確実に遅い…

829 名前: 名無し三等兵 2005/06/26(日) 22:54:58 ID:???

『畜生、なんで、なんでだ!』

”ダック”は回避機動を取りながら何度も畜生、と繰り返した。
空中管制機が敵の数を数え間違えるなんて。
挑発行動かと思っていた敵が、いきなり攻撃してくるなんて。
しかも、しかも、だ。
敵の機種はミグ29。 北の帝国はろくな航空戦力を持っていないはずなのに!

『ライダーがやられた…そんな…嘘だ…』

”ピジョン”は目の前で起きたことが信じられなかった。
火に包まれた”ライダー”はくるくる回転しながら暗い海に向かってまっすぐに落ちてゆく。
彼はエースだった。 エースのはずだった。
戦競で教導機に撃墜判定を出した、空自の数少ないエースの1頭だった。
彼はそれを誇りにしていたし、年若い自分や僚機たちにとっても彼は誇りであり憧れだった。
なのに、その彼がこんな簡単に撃墜されて、死ぬなんて。
嘘だと思いたかった。 落ちて行った”ライダー”が、もう一度上がってきて、
真下から敵に必殺のAAM−4を浴びせるのだと思った。
そんな逃避の思考をした所為で、”ピジョン”は一瞬だけミグのブレスを回避するのが遅れた。

830 名前: 名無し三等兵 2005/06/26(日) 23:06:55 ID:???

『…っ!!』

火球が至近破裂する。
左の翼と胸に激痛が走った。

『ピジョン、かすったか!?』
『…翼と左肺をやられた! すまない、離脱する』

”ピジョン”が離脱し、これで2対5。 完全に囲まれた。
絶体絶命、という言葉が”スワロー”の頭に浮かんだ。

もう1つのアンノウンを迎撃に向かった306飛行隊のF−15J小隊は洋上で目標を視認。
彼らはそこで奇妙なものを見た。

『コントロール、こちらホワイトウィング。 侵犯機の機種…不明…』

それは青い炎を噴出して回転する円盤に見えた。
黒にも暗い緑にも見える物体は超高速で回転しながら洋上を飛行している。
こんな飛行生物種は見たことがなかった。
円盤は4箇所から吐き出す青い炎によって回転しつつ推進している。

831 名前: 名無し三等兵 2005/06/26(日) 23:18:57 ID:???

果たしてコレは生物なのか?
そう思った次の瞬間、物体は唐突に飛行コースを変更、加速し始める。
向かう方位は、303飛行隊ドラゴン班の交戦している方向だ。
すぐさまSOCに報告。 追跡を開始した。

だが、物体は彼らの目の前で更なる変化を行った。
噴出していた青い炎が止まり、回転がストップ。
そのまま空中に滞空する。
回転の止まった物体の表面は岩盤のようにごつごつとした質感で、
上あごに牙を持つ「頭部」がついているのが確認できた。
物体は「頭部」に近い方の、炎の噴出孔から何かを生やす。
腕?のように見えたそれはさらに長さを増し、平べったい翼を形成した。
そこでようやく、その物体は生物らしいフォルムを持つ。
ただ、足だけが無く…脚に相当するであろう部位には前脚…翼をなっている部分
が変化する前と同じ、炎の噴出孔である穴が空いている。

『なんだ…? 何かに似ている…』

ホワイトウィング1はその生物のフォルムに何処かで見覚えがあった。
正確には、翼を生やす前の段階が、よく似ていた。
それは確か、爬虫類であったはずだ。 海に棲む種類と陸に棲む種類があったはずだ。
そしてその生物は…この世界では遥か古代に絶滅したはずの生物だ。

832 名前: 名無し三等兵 2005/06/26(日) 23:25:02 ID:???

だが、彼はそれ以上その物体に似ている生物について思い出すことは出来なかった。
物体の後部の噴出孔に、青い光がともったからだ。
噴出孔から一瞬白煙が上がる。 そして、炎が勢いよく吹き上がった。

『速い!?』

反射的にホワイトウィング小隊の全頭はアフターバーナーを展開、物体に追随しようとする。
しかし、炎を噴出して加速し続ける物体は見る間に彼らを引き離してゆく。
ついに物体は噴射炎の後姿だけを残して白み始めた夜空の向こうに消え去った。

『アンノウンをロスト。 追跡不可能…』

ホワイトウィング1はただ呆然とそれの飛び去った方向を見つめ続けていた。


(2へ続く)


834 名前: 名無し三等兵 2005/06/26(日) 23:38:37 ID:???

解説

・戦闘竜:ワイヴァーンとは違う正真正銘の「ドラゴン」。 高い知能を有し1対の翼と4つの脚を持ち、
独自の竜言語による魔法は人間のそれより高度なものが使えるという。

・F−15J:日本の主力戦闘竜。 原産はアメリカ。 三菱牧竜がライセンス繁殖を請け負っている。
日本独自の品種改良を行っているので細部はアメリカのF−15種と違う。

・エース:教導機のDJ型は外科手術で目玉が4つに追加されているため目が多い分空戦ではかなり有利。
それを撃墜するのは至難の業であり、訓練で撃墜判定を下せればエース認定される。

・アフターバーナー:竜独自の魔法。 瞬間的にだが音速に到達する事も可能とか。

・AAM−4:ドラゴンのブレスは魔法によって形成され、誘導性も人間の魔法よりはるかに高いものを持たせられる。

・もうひとつの”G”:ファンタジー世界ではアレに置き換えようと思うので前回のGもやはりアレという事に
でもそれだと残り2つのアレも設定しなくちゃならないんだけど何にしたら良いのやら


836 名前: 名無し三等兵 2005/06/26(日) 23:47:14 ID:???

・早期警戒管制竜E−767:戦闘能力を持たないドラゴン。 戦闘竜より大型。
電波レーダーと違って視覚と聴覚に頼ってるんでたまに誤認もある。
やっぱり非戦闘航空機はドラゴン以外の生物にすればよかったかなあ。

・東方昇陽皇国:この世界の日本の別名だったり正式な国号だったりで今後も使われる名称。

・北方朝鮮帝国:略して北朝鮮。 何処の世界でもあまり変わらない国家。 通称「北の帝国」「将軍様の国」。

・空戦とか管制とか:すいません適当です資料集めながら書いたんですけど無理がありましたorz



915 名前: 名無し三等兵 2005/07/02(土) 20:55:48 ID:???

「糞ッまたネズミか!」
野営地から程近い街道を、弾むような奇妙な足取りで巨大なネズミのような生き物が進行してくる。
いや、ネズミと称するにはあまりに巨大な円形の耳と、体毛のない滑らかな表皮はネズミのそれではないのだが
コミックなどに登場する二足歩行のネズミ(?)がその異質な形状を形容するのに丁度良かったのだ。
銃声がして、ネズミの一匹がやられたマリオよろしく大袈裟に飛び上がると、すぐに動かなくなった。
「どこの馬鹿だ!距離がありすぎる、せっかくの獲物が逃げちまうだろが!」
横の茂みから罵声が飛んだ。

訓練中、突如ファンシーな世界に叩き込まれて二週間が経つ。
糧食は既に底を尽き、我々はヘビでも野草でも何でも食えるものを探して回ったのだが、
この奇妙な世界では小動物はまるで見られず、小川には魚はおろか水草やコケすらも見られなかったのだ。
植物は、緑色の奇妙なモコモコした茂みはスポンジのような感触でとても食えた代物ではなく、
色とりどりの花々は一週間を過ぎても一向に花を落とすでもなく、実を付ける素振りすらも見せなかった。
最初の頃は興味津々だった隊員達も、それらが食料にならないことを知ると何の興味も示さなくなった。

そんな折、初めて接触した動物はファンシーグッズで目にするような奇怪な形態の猫(?)だった。
とりあえず便宜上サンリオと呼ばれることとなった彼らは敵意こそ示さなかったものの、所詮は動物だ。
有無を言わせず撃ち倒して食ってみれば、肉質が綿のようで美味くはないが食えないこともなかった。
帰ってこない仲間を不審に思ったのか、それから黄色のクマやら耳の長いゾウやらが頻繁に現れるようになった。
前述のネズミはこの世界では割とポピュラーな種族のようで、やはり美味くはないが蛋白源にはなってくれる。
時折、尾びれを使って器用に二足歩行(?)するサメすらも現れた時は仰天したものだ。

「たまには他のもんも食いてえな・・・前に来たアヒルみたいのは、ありゃ美味かった」
セレクターレバーを単発に合わせると、耳にリボン?のついたネズミの頭に銃口を向け俺はトリガーを引き絞った。



930 名前: 名無し三等兵 2005/07/04(月) 22:45:51 ID:???

流れを元に戻そう

ある自衛官の日記

この世界に飛ばされて13日目。いまだにこの忌々しい状況は続いている。
4日前に人外の生物が暮らしていたこの村を制圧してから、以前からの攻撃が勢いを増してきた。
前はあちらこちらにキャンプを移動しながらの探索だったため、敵方との遭遇も小規模な偵察部隊が主で、たまに小隊規模の部隊と出くわすぐらいだった。
しかし最近は違う。この村は奴らの拠点だったらしく、組織的な攻撃を仕掛けてくるようになった。
組織的といっても剣や槍、時には槍による正面突撃なのだが、奴らの勢いは凄まじく、うちの部隊の連中も何人かやられた。
幸いにも弾はそれなりにあるのだが、銃にもガタが来ていて、何度も攻勢を仕掛けられるとなると不安が残る。
偵察部隊が「東から英語のようなものが聞こえた」という報告があったらしい。人間がいるのだろうか。
ここに長居するわけにもいかない。明日にも移動の準備を進めるように三佐に進言してみよう。

早く帰りたい。


初めて書いてみた。 変なところがあったらすんません



968 名前: 名無し三等兵 2005/07/08(金) 22:00:21 ID:???

魔王が封印された翌日、私は妻とともに水汲みに出かけた。
もう収穫期だというのに、妖魔の侵攻を受けた畑は荒れ果てている。
人々の表情は希望と不安に満ち、額から流れる汗が太陽光を反射していた。

「闇が支配する時代は終わったんだね」
昨日まで町の防衛のために勤めていた甥のハンスが、ほっとしたように私たち夫婦に言った。
「ええ、これからは人が安心して暮らせる時代なんですよ」
普段は滅多に話に加わらない妻のアンナが、ハンスの肩に手を置いて優しく言った。

「辺りを御覧なさい。大地は傷つき、人々は疲れきっているではないか」
通りがかりの髭の長い老人がそう言って顔をしかめた。

宮廷魔導師たちは長年使ってきた机を囲み、国の復興について議論した。
「そうだ。異世界から助けになりそうな者たちを召喚しよう。」
名案を思いついた一人の魔術師が得意げな表情で言った。

次元の狭間を自衛隊が横切っていった。



33 名前: 新スレ乙 2005/07/10(日) 20:42:26 ID:???

自衛官含むコテハンがF世界に召喚(以下略

73式小型トラックに乗ってS官とクマランと1だおー氏が捜索から帰ってきた。
今日も収穫らしい収穫は山菜と野草だけらしい。
「つまらん。 オークどもの肉は臭くて食えんし、弾薬の無駄遣いだったな!!」
自衛隊組は朝に出かけてオークやゴブリンやトロルと交戦してわずかばかりの収穫を見つけて帰ってくる日々。
いまだに人間あるいはエルフなどの集落らしきものも付近を通行した痕跡も見るからない。
各自が召喚された時に一緒に持って来れたのは、携帯していたものと近くにあった物。
自衛隊組は89式・64式小銃とか弾薬とか車両とか。 しかし多くのコテハンはノートパソコンとか携帯電話
とかで、異世界でのサバイバルに役立てそうなものは不運にも持ってこれなかった人が大多数だった。
1だおー氏が疲れきった顔をしている。 まあ毎日この二人と行動が一緒だからな。
「皆さん夕食が出来上がりましたわ」
「しかしS官は私の作った野菜の入っているスープは食うなであります、サーw」
今日の夕食当番は蟹姉様。 その材料をを作ったのはG。
Gは燃料と肥料と数種類の野菜の種を持ってきていた。 彼が最初にした事はベースキャンプの隣に畑を作った事。
「農薬無しでも野菜は育つ」と有機栽培農法を始めてしまった。 ちなみに土耕しは全員が手伝わされた。

「ふん、戦闘員こそ栄養価の高い糧食を配給されてしかるべきなのだがな?」
「黙れ。 文句を言うなら竹炭焼きと竹搾液づくりを手伝え。 食えもしないオークなんか撃って
いい気になってるつもりですかな? ファンタジー界で思う存分虐殺やれて? 弾薬の無駄遣いだ」
睨み合いから暴力を伴う喧嘩に移行しそうな二人をなだめるS・Fと分家228。
温厚で冷静な二人は基本的にみんなの仲裁役。 あんたら本当に苦労人だな…
『そしてその夜。 S官とGの二人はそれぞれの天幕で”どうして素直になれないんだろう”と自問しながら
お互い相手のことを思いながら股間の逸物に手を伸ば…』
「勝手に嫌なナレーション入れんな」
…そしてクマランは始終この調子だ。


58 名前: 名無し三等兵 2005/07/12(火) 21:53:45 ID:???

微妙にスレ違いにならない為には早く自衛隊を出さないといけないのだが…

続・自衛隊がファンタジー世界と融合した世界に召喚されますた 第2話

前回のあらすじ及び背景の説明

2006年の東方昇陽皇国…平行世界の日本は、北方朝鮮帝国の脅威に晒されていた。
国内は工作艇で侵入・浸透したゲリラが跳梁跋扈し、戦闘機・艦艇が領空領海をたびたび
侵犯しては挑発行動を繰り返す。
しかしなお、野党左翼勢力は前大戦での皇国の非道を根拠に帝国や中原覇王人民国(中国)
への謝罪による講和、反戦を主張する。
さらにユナイテッド・ステーツや極北社会主義連邦などの列強の思惑も絡み、東アジア地域全体を
巻き込む大きな戦乱の気配を漂わせていた。

そんな中、ついに朝鮮帝国は禁呪による異世界存在の召喚を実行。
これにより昇陽皇国は甚大な被害を受けるも、これを撃退。
しかし、帝国は2度目の召喚を行い、召喚された謎の飛行物体は皇国領空を侵犯した…


59 名前: 名無し三等兵 2005/07/12(火) 21:54:29 ID:???

『動きが違う! 疾い! 連携を取ってくる…!!』
『…北朝鮮の竜は滋養不足で年に満足に訓練することもできないのに、何故こうも錬度が高い!?』
自衛隊のF−15Jは原産国アメリカ…ユナイテッド・ステーツからのライセンス繁殖である。
これは、繁殖権を購入し、最初に輸入した番から生まれた卵を孵化させて以後自国内で繁殖させるという調達方式である。
これは育てた竜に自国への帰属意識を植え付けるために行うもので、輸入調達よりも竜を制御・調教しやすい利点がある。
外国産の種を購入する時は、大抵この手段を選択する。 北朝鮮のミグ29も、当然このはずである。
しかし、北朝鮮は戦闘竜をはじめとして戦竜、潜水海竜にも充分な餌を与える事ができない経済状況にある。
にも関わらず、飢えて体力が落ちて、そのうえ充分な訓練も行われていないはずのミグが、
充分な滋養と高度な訓練を受けたF−15Jを圧倒する。

本来あり得べからざる事である。

”スワロー”はミグから放たれるAAMブレスを回避しながら思考を紡ぐ。
『考えられるのはふたつ…ひとつ、北朝鮮は竜にに充分な滋養と訓練を施した精鋭部隊を隠し持っていた。
もうひとつは…このミグはライセンス繁殖による北朝鮮の竜ではない事! 極北連邦からの直輸入固体!
老朽化し、退役したものを払い下げ…しかし、高度な訓練と実戦経験を積んだ、精鋭だ』
竜は人間が騎乗する兵器ではない。 故に、竜自身の訓練と経験が性能をフルに発揮する。
自衛隊は訓練自体は列強に肩を並べるほど高度なものは行っているが、近年まで実戦経験は無かった。
そうでない状態こそが望ましく、戦わない事こそが国の守りの証。


60 名前: 名無し三等兵 2005/07/12(火) 21:55:07 ID:???

しかし、ステーツや極北連邦は違う。 東西対立の時代から、幾度と無く紛争レベルでとはいえ武力衝突が
発生し実戦経験のある竜や戦竜、人間の兵士は多い。
(注:この平行世界において冷戦は発生してない。 小規模な「熱い戦争」があった。 全面戦争が行われな
かった事、禁呪が使用されなかったのは単に幸運と両国の賢明さが重なったに過ぎない)
両国から退役し、両陣営の後進国に払い下げられた実戦経験済みの老竜は餌と厩舎の環境さえ良ければ
訓練しかしていない最新種の若い個体を圧倒する!
『勝てない! 最初の先制攻撃の時点で俺たちは既に決定的に敗北していた…』
”スワロー”の呟きが顎の骨の振動を通して自身の鼓膜に到達、脳に埋め込まれた魔導器具による脳波増幅・
感覚共有能力によるデータリンクによって”ダック”に到達する。
『諦めんなっ! 応援が来るまで逃げ回れっ!」
”ダック””スワロー”の叫びはSOCにも届いている。 応援到着の予定時刻を告げるが、正直間に合うかどうか
…幸運か奇跡を祈るしかない。

と、急にE−767が”スワロー”に後方より急速接近する飛行物体の存在を告げた。
目視による測定では対象の飛行速度はマッハ2.2。 竜より遥かに速い。
青い噴煙を尾のように伸ばして、それは戦闘空域に侵入した。

61 名前: 名無し三等兵 2005/07/12(火) 21:55:57 ID:???

ミグの1頭が”ダック”にAAMを吐く。 竜の体内の魔力を変換して生成、慣性と誘導性を与えられたプラズマの
球体は竜が視線を向けた目標を正確に追尾する。
少しでも触れれば火傷では済まない、超高温の刃。 ”ダック”は回避機動を取る。
体をねじる様にして、急旋回、振り切ろうと試みる。
その光球を、後方より飛来した別の光球が追尾、”ダック”への到達寸前で衝突、双方の干渉により四散。
”ダック”の翼の2m先を、プラズマの破片が何個も掠めてゆく。
『何だっ!?』
”スワロー”が首を回して光球の飛来した方角を目視。
翼を広げた丸い物体を確認する。
”スワロー”を追尾していたミグ2頭が旋回、戦闘空域に侵入した飛行物体を敵と判断しそれぞれがAAMを放射。
しかし物体もプラズマ光球を2発放射、空中で打ち落とした。
四散するプラズマの破片を避けながら、2頭と1体が交差。 すれ違った瞬間、物体が後部の青い噴煙を放出する
向きを変更し、急速に180度転回、仰向けになる形で頭と尻の位置が一瞬で後退する。

極北連邦本国の「フランカー種」並の機動。 即座にプラズマを放出、ミグ2頭は背後からの攻撃を避けられずに撃墜された。
この侵入機を脅威と判断したのか、”ダック”についていた3頭のうち2頭が離脱、物体を目標に変更する。
『いいぞ、これで勝ち目が出てきた!』


62 名前: 名無し三等兵 2005/07/12(火) 22:25:09 ID:???

相手が何者かはわからないが、ミグを相手にしてくれるなら利用させてもらうしかない。
ミグも自衛隊機も、両方攻撃対象だとしてもミグを片付ける事には応援が到着する。
そして、2頭VS1頭ならば、いかに実戦経験があろうともF−15がミグに負ける事は無い!!
『ダック、ミグの糞ったれ糞爺を追い込むぞ!』

ミグと物体は互いに後ろを取ろうと旋回を繰り返しながら鬼ごっこを続ける。
もう何回目の高機動だろうか。 ミグは老いぼれた脳がGでゆすぶられ酸欠になる、もう慣れたはずの
感覚にめまいを起こしそうになっていた。
『空戦に一日の長あれど、性能の差はいかんともしがたし』
自分がまだ若かった頃に、ゲルマニア帝国の竜と戦ったエース竜の言葉を思い出す。
経験は戦闘における勝利を決定付ける重要な要素である。
経験のある竜、つまり実戦で生き残った竜は経験した分だけ、その実力を証明したことになる。
しかし、経験によって性能の差を跳ね返すにも、物理的限界はあるのだ。
特に、長く生きれば生きるほど、歳を重ねれば重ねるほどに翼は衰え、牙や角は古ぼけ、
声は弱くブレスの威力はおとなしくなる。
ピークを過ぎた竜は、大人しく退役を待つばかりである。


63 名前: 名無し三等兵 2005/07/12(火) 22:26:03 ID:???

中には、属国に払い下げられて、そこで同じく払い下げられた旧来のライバルと空で競い合う個体もいる。
だが、自分は、自分たちは老いた者同士の、第1線を退いた者たちの、時代に取り残された古い空戦を行う
戦場に行くことは我慢がならなかった。

腕を磨き、空で命のやり取りを行い、生き残って、また新たな敵に挑む。
歴戦の勇士たる往年の竜、若く力に満ちた新米の竜、熟練した空戦の技、性能の向上が実現させた新しい戦術。
それら全てに挑み、自分の力と技を持って戦い、打ち破り、あるいは敗北して、最後の最後まで「戦場」にいたかった。
だからこそ、この任務を志願したのだ。
志を同じくする仲間たちの、さきがけとして。 新たな戦争の端緒となる、この戦いに。
負けられない。 相手が何者であろうとも、関係ない。
必ず打ち負かして、必殺のブレスを浴びせ、粉砕する。
そして、自分は墜落してゆく相手を見下ろしながら、その頭上で悠々と旋回し勝利を確信するのだ。
レッド・アウト寸前の視界に相手の青い噴射炎が見える。 後ろを取ったのだ。
この距離でなら、当てられる。 外しはしない。
ミグは、自信に満ちた表情でプラズマを生成するため牙の並ぶ口腔を開いた。

物体が、視界から消えた。

64 名前: 名無し三等兵 2005/07/12(火) 22:26:55 ID:???

驚愕して首を前後左右に振ると、奴は頭上にいた。 そのまま後方へ下がってゆく。
追い抜いた!? いや、相手が急な減速でもかけない限りそんな事は無い!
それに、一瞬で彼我の位置を入れ替えるほどの急減速などできるはずが…

物体の翼が、無い。 代わりに、左右の翼があったはずの体の付け根から青い噴射炎を放つ穴が空いていた。
後部噴射炎を停止、前方に噴射、急減速して追い抜かせる…
そんな、そんな事が、そんな技が!? そうか、奴は竜ではない!! 体を変形させる事が出来る、未知の
生物種!! だからこそ可能…いや、そんな生物が存在し

思考は、追い抜かれざまに物体が放ったプラズマによって中断された。
ミグは敗北し、眼下の暗い海に向かって墜落していった。


(3話へ続く)

65 名前: 名無し三等兵 2005/07/12(火) 22:37:39 ID:???

解説。

生物について今回は無し。

前回と一部設定変更あり。
なお、長編にするに当たって、前スレの短ネタとして書いたゴ○○召喚と
その前に書いた90式戦車召喚のネタを合わせて書いてみたキューマル萌えSS(違
とはかなり設定変更あり。
(物語上は同じ時間軸と同じ世界)

前スレのSSを読んで気付いた方がおられるかもしれませんが、
この世界何故か新幹線道が開通しております。(上越新幹線道)

何が走っているんでしょうか。 書いてから悩んだ結果、
「数台連結した大型馬車を十数頭の竜が牽引している」
「似たようなので、東京の山手線は地竜が牽引している」
「都市交通手段は”駅バス竜車”」
「96式WAPCは装甲した車台を騎竜が牽引している。 車台の屋根にはM2重機関銃(クロスボウ)」

という設定が出来上がりました。 われながらシュールな世界観です。



192 名前: 融合召喚 2005/07/15(金) 23:14:22 ID:???

続・自衛隊がファンタジー世界と融合した世界に召喚されますた 第3話


なんという奴だ、化け物め。
ミグ29は3頭もの仲間を殺した「丸い甲羅の飛行生物」を上方から見下ろしていた。
加速、機動性、旋回性能、上昇率、そして火力。 相手はスペックでこちらを遥かに上回っている。
実戦経験を積んだ老練の兵がまるで子供のように手玉に取られるのも仕方ないかもしれない。
格が違う。 生物としての強さが違う。 竜よりも強い生物が存在した事に驚愕する。
しかし、それも召喚生物であるからこそ。
そしていかなる世界の存在とて、生物である限り…神や悪魔でない限りは、傷つけば死ぬ。 殺さば殺せる。
飛行生物が再び前部の噴射口から翼を転回した。 好機は今しか無い。
後方と前方の推進力を相殺し一瞬空中に停止した状態の奴は、現在は自然落下中だ。
再び後部の噴射口から炎を吐いて加速するまでの数秒間、対象は無防備な状態になる。
前後左右上下、何処にも逃げ道は無い!

口腔にAAMブレス「R−20」を展開。 体内の魔力を熱エネルギーに変換、収束。
超高温で加熱した物質はプラズマに変化する。
魔力を運動エネルギーに変換、生成したプラズマ球に慣性と指向性を、そしてさらに魔力を付与し続け
視認による彼我の位置確認を行い、逐次ベクトルを変更する事で遠隔操作による誘導性を与える。
目標を視界内に捕らえている限り、AAMブレスはどこまでも対象を追尾する。


193 名前: 融合召喚 2005/07/15(金) 23:15:39 ID:???

死ね。 ここがお前の墓場だ。
ミグはプラズマを口腔に留めて置いた力場を開放、必殺のブレスを放出する。
しかし、高速で目標に向かって飛翔していったプラズマは到達前に横方向からのプラズマ球に衝突され四散した。
確認するまもなく、自らの胴体にもう一つのプラズマが突き刺さり、鱗と皮下筋肉が蒸発。
翼を炎上させ、煙を噴き上げてミグは墜落していった。

飛行物体の左右にミグを撃墜した”ダック””スワロー”が並ぶ。 2頭と1体は視線を交し合う。
互いに敵意は認められない。
東の空が白み始めた。 朝焼けの近い日本海上空を、3頭はしばらく三角編隊を組んで飛行し続けていた。

2006年 7月25日 午前6時14分 東方昇陽皇国 国会図書館内

「…その後、飛行物体は北朝鮮の召喚した四聖獣『玄武』と判明。 皇国政府として自衛隊機の支援への
感謝の意を伝えると共に、わが国の『非禁呪三原則』の立場をご理解いただき、丁重に祀った後元の世界に
お帰りいただいた」
「『玄武』は先に召喚された『青竜』とは異なり人類寄りの立場を表明しておりますからな。 『三原則』により
禁呪および召喚生物の保有ができないとはいえ、味方につければかなりの戦力として期待できたでしょうに」

開館前の薄暗く静けさを保つ国会図書館内、無数の書物が収蔵された棚と棚の間で密談を行う人影が二つ。
片方は「虎総理」の異名を持つ、皇国政府議会内閣総理大臣、大泉誠司郎。
もう片方が防衛庁長官、石和繁である。

194 名前: 融合召喚 2005/07/15(金) 23:16:14 ID:???

非禁呪三原則とは、禁呪および禁呪により召喚される異世界生物を保有しない、使用しない、持ち込ませない
の三つからなる禁呪の使用を永遠に放棄すると皇国が全世界に表明している宣言である。
人類史における禁呪の使用は十字軍遠征の時代にまで遡る。
後に聖杯戦争と呼ばれたこの戦いは、ヨーロッパキリスト教圏が聖遺物を求めて聖地エルサレムに遠征を行った
のが始まりといわれる。
聖遺物はキリストの生前使用した物品や遺体の一部で様々な奇跡を起こす信仰の対象と呼ばれているが、
その正体はかつて「魔法使い」と呼ばれた異能の人々が、神が奇跡を行使する力、あるいは竜がブレスを吐く
仕組みを解明しそれを体系化した技術であったと伝えられる。

当然、それら「魔法技術」はイスラム教圏にとっても貴重なものであり、互いに凄惨な奪い合いとなった。
そして、十字軍はついに魔法技術の最高技術である召喚魔法の仕組みが記された聖遺物「聖杯」を奪取、
しかし、既に召喚魔法の技術はイスラム側も「聖杯」から読み取っていたため、双方共に同時に召喚魔法を
行使する事態となった。
そして、召喚されたものは、双方とも同じもの。

ヤーヴェ、あるいはアラー。 根を同じくする二つの宗教は、自分たちの最高神を呼び出したのである。
そして、双方共に召喚した神に願ったものは、同じもの。

「聖地を侵略している異教徒らを滅ぼしてください」

195 名前: 融合召喚 2005/07/15(金) 23:16:54 ID:???

この願いを、神は聞き届けた。 ヤーヴェは本来ユダヤの神であり、キリスト教もイスラム教もその分派に過ぎない。
「正統」たるユダヤの神からすれば、双方とも本来の教義、原典に反する異端と映っただろう。
そして、全知全能たる唯一の神は、要請どうり異教徒らを滅ぼした。
エルサレムにいる異教徒だけとはいわず、全世界の異教徒を、神の雷を持って全滅させたのである。
そして、世界の文明は一度リセットされ、人類は再び青銅器時代から数百年かけて文明を取り戻す事になる。
これが、この世界のあらましである。

歴史に再び召喚魔法が登場するのは第2次世界大戦。 ゲルマニクス第3帝国(現在のドイツ)の指導者
ルドルフ・ヒットラーは召喚魔法を求めて「聖杯」を探索、当事聖遺物と魔法技術を保存していたといわれる
ユダヤ人を収容所に隔離し、拷問にかけて「聖杯」と魔法技術を強奪した。
しかしユナイテッド・ステーツに亡命していた多くのユダヤ人カバリストはナチスに対する対抗力として連合軍に
召喚魔法の技術を供与、一足速くステーツはゲルマニクスよりも先に召喚魔法を復活させる。
が、その直後ゲルマニクスが降伏。 ステーツは仕方なく皇国にたいして召喚魔法を使用、威力の実験を行った。
結果、召喚された異世界生物により広島・長崎は壊滅。
劣勢に追い込まれていた皇国に止めをさす形となりここに第2次世界大戦は終結した。

戦後、皇国は非禁呪三原則を打ちたてて禁呪の不使用と廃止を世界に訴える事になる。

196 名前: 融合召喚 2005/07/15(金) 23:17:50 ID:???

「北朝鮮は前回の召喚については魔法実験中の事故、今回のは誤射。 そして北朝鮮機の領空侵犯は
『玄武』追跡中に皇国が先に攻撃したため反撃を行った、として責任をなすりつけようとしている」
「相変わらずこちらの創造の斜め上を行く国ですな。 竹島の武力占領に加え、対馬と九州の領有権も
主張しているそうじゃないですか」
「連中をのさばらせた責任の半分はステーツにある。 朝鮮戦争の時、いや、防衛ラインの宣言に
朝鮮半島を含めなかったおかげで皇国が直接共産圏からの侵略を防ぐ楯の役割をやらされているのだ」

北朝鮮こと北方朝鮮帝国は朝鮮戦争において韓国に勝利、これを併合して朝鮮半島を統一させた。
これにはユナイテッド・ステーツおよび国連軍の対応が遅れに遅れた事と、韓国政府が早々に北朝鮮に対して
抵抗らしい抵抗の無いまま降伏してしまった事が原因として挙げられる。
さらに、中原覇王人民国や極北社会主義連邦が北朝鮮の後ろ盾に付いた事で、これらの国々との衝突を
避けたステーツはそれ以上半島に手を出す事が出来なくなってしまったのだ。
そして、干渉地帯としての朝鮮半島を失った皇国は防衛上の必要性から警察予備隊を発足、後に自衛隊へと
再編を行う…

「ですが結果的には我が国は再軍備を行う契機になったわけですし、戦争景気で戦後復興にも一役買った」
「結果論だ。 朝鮮戦争の難民400万人が皇国に流れ込み、左翼勢力と結びついて我が国を侵食している。
特別永住権と税金の免除だけでなく、今度は年金をよこせだと。 さらに人権擁護法案に名を借りた
言論統制と外国人参政権付与による主権の乗っ取り…」

大泉総理は拳を握り締め、怒りに体を震わせている。
正義感が強い人柄で、議員の不正を糾弾する姿勢で国民の支持率7割以上を維持する彼である。
しかし、演説に力はあるが政治的手腕はたいしたことが無い、という陰口も叩かれている。
事実、彼が総理大臣に就任してから行っている数々の行政構造改革の殆どが、総理自身ではなく
大泉派と呼ばれる、若手の有能な議員によって実質上行われている。

197 名前: 融合召喚 2005/07/15(金) 23:18:31 ID:???

だが大泉総理自身はどちらかと言えば「兵の将」よりも「将の将」を自認している。
嘘でも本当だと思わせるような説得力ある演説と、人をひきつける独特の魅力ある容姿により
多くの味方と大衆の支持を得て、総理大臣にまで上り詰めてきたのだ。
彼の持論として、リーダーとは偶像であれば充分だと考えている。
いくら彼や閣僚や、大泉派の議員が景気対策のための政策を実行しても、最終的に現在の不景気状態を
脱するためには国民一人一人の経済活動が、1億人分の小さな努力の集大成が効果を表すのだ。
自分にできる事は、国民に景気が良くなるぞ、と信じ込ませ希望を持たせる事。
将来への展望が見込まれれば、銀行の貸し渋りは無くなり中小企業への融資が再開され経済は活性化する。
国民に希望を持たせる偶像であれ。 なんの力も無くても、祭り上げられた偶像でも一国の首相だ。
胸を張れ、はったりを利かせろ、堂々として弱みを見せるな。
政治的手腕は味方につけた「力あるものたち」が持っていればいい。 自分に力があるとすれば、「味方を増やす力」だ。

目の前にいる防衛庁長官も、そうして味方につけた人材の一人だ。
だが、当の石和防衛庁長官は、総理の今までの成功はかなりの部分が幸運で乗り切った来た感がある、と思っている。
運だけでは何時までも上手くは行かないものだ。 だからこそ、彼はこの自分よりいくらか歳若い
総理大臣を、どうにかして「虎総理」から「本物の虎」へと、見合う実力をつけてもらいたいと考えている…

「いずれは、与野党内の抵抗勢力を排除して国政をもう少しまともな状態に直さないといけませんな。
もちろん、現在の各省庁の官僚の体制も改めないといけませんが」


198 名前: 融合召喚 2005/07/15(金) 23:19:37 ID:???

防衛庁長官としては、一番の難題は防衛予算の確保、そして財務省だ。
特に財務省の軍事・国防のための知識と認識不足は慢性的で、ろくな額の予算が回ってこない。
現在、壊滅した第2・3護衛隊群の再建のために14・15DDGおよび16DDHは前倒しで
建造を急がせているし、『青竜』の侵攻阻止のために消耗した東部・東北・北部方面隊の戦力
再編も急務だ。
90式戦竜の調達数を追加申請するか、あるいはTK−X(10式)の配備を急がせるか…

「むろんだ。 憲法改正、そして国家情報機密法の整備で売国奴は一掃する。 左翼勢力が国外の共産勢力と
繋がっている証拠はつかんでいる。 だが、いっその事今すぐ奴らを駆逐したい気分だ」
「なら、そうすればよろしい」

どうやって?と総理は苦笑する。 石和長官は真剣な面持ちで語る。

「東部方面隊の戦力が激減したとはいえ、しかし動かせる部隊が無いわけではありません。 長官
直轄部隊として富士教導団と開発実験団が残っています。 これらの戦力で首都を制圧、
与野党の抵抗勢力を逮捕してしまいなさい」
「…それは軍事クーデーターだ」

大泉総理の表情がこわばる。 石和長官は特に意に介する事無く続けた。

199 名前: 融合召喚 2005/07/15(金) 23:20:20 ID:???

「自衛隊は通常、単独でクーデターを起こすことが出来ないような組織構造にされています。
が、憲法上の総司令官である総理大臣自らが、自衛隊の指揮を執って行動を起こすならまた話は別です。
左翼勢力と共産主義者は我が国を侵食する獅子身中の虫。 つまりは外敵であり、これを破り
国と民を護るのは自衛隊の存在意義になんら反しません。 なにより、総理には「皇国を立て直す」
という大儀と使命がおありのはず」
「だが…武力を用いて対抗勢力を淘汰するのは我が国の民主政治に反する」
「どうせ戦後にGHQが押し付けた民主主義です。 皇国は元々専制君主制の国。 だからこそ、総理は
憲法改正に「天皇を国家の元首とする」案を含めたのでしょう? この国をこの国らしい姿に戻すために」」

総理と長官は視線を交錯させしばらく立ち尽くしたまま互いの表情を凝視し続けた。
が、大泉総理が先に強張っていた表情を崩し、不敵に笑った。

「だが、私は独裁者になるつもりは無いよ」

腕時計を見る。 既に7時を回っている。
一度官邸に戻るよ、と告げて総理は長官の横を通り過ぎて歩いていこうとした。
総理の背中に石和長官がもう一言投げつける。

「もしその気におなりなら、岩田さんもご協力するそうですよ」
「現東京都知事の? 彼まで君の計画の賛同者か。 まあ、案の一つに入れておくよ」

図書館内に総理の足音が響く。 こうして密談は終わった。

(第4話に続く)

200 名前: 融合召喚 2005/07/15(金) 23:37:54 ID:???

解説。

密談:…政治の話は自分には技量が足りない。

共産主義:後の話でも説明するけど、この世界ではカルト宗教あつかいでヴァチカン直々に邪教認定されてます。
よって共産圏の国はどっかの暗黒教団とそれを国教にしている暗黒の島の国家っぽい扱い。

朝鮮戦争:…結果、北方朝鮮帝国は現実の北朝鮮と韓国を足して3.14をかけたような国になりました。

石和防衛庁長官:結構過激な思想の人。

大泉総理:本人は自分のことを漢の高祖劉邦みたいに思っている。

上記2名:政治家として、防衛庁長官として、色々致命的な問題はあると思う…orz

玄武:日本っつーより人類、人類というより子供の味方。 とりあえず北朝鮮に味方する理由は無いとのこと。

青竜:ビキニ環礁での召喚実験で度々呼び出されて人類に敵意を持っている。 ステーツも襲撃した事がある。

朱雀・白虎:…出てきません。 出しません。 怪獣ネタは終わりっ!

TK−X:えーと、このスレ的には将来的に配備する予定のものは出しても良いんだよね?




246 名前: 2005/07/16(土) 21:36:57 ID:???

戦乱の時代だった
始まりは一つの帝国の衰退だった

諸行無常の響きと言うべきか
数多の民族を従え数多の蛮族を殲滅し千年に及ぶ大帝国を維持したその帝国にも滅びの風が訪れた

数千キロを超える大街道を敷接し、荒れる大河にすら橋を架けた技術力も
敵と有れば数万に及ぶ蛮族も神話に語り継がれる神獣ですら屠って見せた軍事力も
そして星さえ操ると言われたその魔道技術を持ってしてもその帝国の衰退は防げなかったのだ
何が原因だったのか、当時の人間たちどころか後世の学者や聖職者にすらわからない
それでも帝国が崩壊しつつあったのは間違いなかった

帝国はその広がりすぎた領土を切り捨てるかのように防衛線を下げ続けた
「後のことは諸君らに任せる」

残された者たちは自らの力で身を守る他なくなった
彼らは剣を取り槍を携え立ち上がるほかなかった

―――英雄の時代の始まりである

やがて時代は進み、戦うことのみを職業とする集団が現れ始める
彼らは金のために、ひいてはこの暗黒の時代に生き残るために戦かった

大陸辺境のアルマニアに緑の傭兵団が現れたのもこの時代の出来事であった


247 名前: 2005/07/16(土) 21:41:24 ID:???

東部アルマニアの小さな村道

夜間、人の往来少ないこのしずかな村道も今日ばかりは様子が違った
月明かりのおかげで何とか植物の形が確認できる程度のこの暗い道に不自然な光が蠢いていた
村人が見れば赤く丸い鬼火にしか見えない「それ」は村に程近い林の方だけに光を送っている
一定の周期をもってクルクル回りながら点滅したそれは戦友にある事を伝えていた

―――我 敵警戒兵制圧ス―――

そう村での偵察活動を終えた前衛部隊がその赤い光で警戒兵の制圧を報告していたのだ

「よし・・これならすぐにでも制圧できるな
すぐに前進だ。ほかの警備共に気づかれないうちに一気に制圧するぞ」
双眼鏡でそれを確認した相沢はそばにいた兵士達に命じていた

「相沢小隊長・・ほんとにやるんですか?」
おびえた最下級兵士が心配げに目の前を悠然と進む部隊長に尋ねた
実戦経験などあるはずもない・・そんな国出身の兵士だった
「奪って生き延びるか、それともこのままここで餓えて死ぬか。君はこんな所で死にたいのか?」
私はごめんだね 何が何でも国に帰ってやるんだ
そうつぶやきながら小隊長と呼ばれた男は青い光を点滅させて指揮下の部隊に前進を命じた
応答の光があちこちから戻ってくる
いまごろ数十人に及ぶ兵士が雑草を踏みつけ樹木を掻き分けながら前進を開始しているだろう

「でも隊長・・罪もない人々を襲うなんて」
「命令だ。従え。国に帰れたのなら告発してくれてもかまわん だが今は私に従え」

前進に従いながら、なおも疑問を呈する若い兵士にそう言って黙らせる
だがその相沢自身もまた悩んでいた

本当にこれでいいのか、と

248 名前: 2005/07/16(土) 21:42:05 ID:???

彼もまた、戦争のない国に生まれ育った将校に過ぎないのだ
このような行為を行わせている自分自身の判断と決断に疑問を持たずには要られなかった
彼の心はこのような行為を止めるべきだと訴えていた
だが彼らが置かれた現実は彼に襲撃の実行を彼に命じていた

彼らが東部アルマニアに来て以来、食料の極端な欠乏に襲われたのはこれが二度目だった
一度目はこの世界に訪れた直後
このときは偶然近くで戦争が行われていたため傭兵として働くことができたので何とかなった
彼らの優秀な働きを称えて報奨金も出たし、戦利品と言った物もあったからだ
ある運の好い者に至っては敵の上級将校を捕らえるなどの戦果も挙げたほどだった
餓死の危機を逃れた彼らは勇戦しながらも祖国に返るための手段を模索し続けた

だが・・・勇戦すれば勇戦するほど、彼らは自分の首を絞めつつあった
圧倒的な被害に苦しんだ敵方が講和を持ち出し、彼らの雇い主がそれを受け入れたからであった

こうして一つの戦争が終わり、東部アルマニアにも小さな平和が訪れたのだ
指導者達はその場で金のかかる傭兵達を解雇し、互いの領国の統治に戻っていった
戦争が終わったのである 本来なら喜ぶべき状況だった

だがいまや傭兵と化した「彼ら」にとっては新たな不幸の始まりだったともいえる
いまだ元の世界に返る方法すら見つからないと言うのに、収入源を失ってしまったのである

こうして再び、彼らには餓死の危機が訪れていたのだった
もちろん先の傭兵活動による収入は少なくない。
上級将校の身代金など、それなりの屋敷を立てられるほどの額に上っていた

249 名前: 2005/07/16(土) 21:43:21 ID:???

だが・・三十余を数える傭兵がその戦闘力を維持したまま生きていくにはあまりにも少なすぎた
彼らの祖国で普通に手に入った物資もこのアルマニアでは非常に貴重だったのだ
彼らの不安は的中し、数ヶ月たったころには再び餓死の脅威に晒されていた
多くの金銭をつぎ込んだ調査のおかげでかすかに祖国に戻るための手段が現実味を帯びつつあったが
明日明後日になんとかできるわけもなかった。

再び傭兵の口でもないかとアルマニアをさまよった彼らだったが
以下に戦乱の世と言えどもそうポンポンと多数の傭兵を必要とする戦争が起きているわけでもない
通りすがりの村々で医療活動や土木工事を請け負ったがその程度では生きていくには不十分だった
そう遠くないうちに餓えることは誰の目にも明らかだった

相沢は決断を迫られた
生きるための「最終手段」を実行を行うかどうかの・・である
すでに彼らの元同僚であった傭兵達は「最終手段」を数ヶ月も前から続けていることはよく知られていた

だが相沢は決断した。
隊長には部下を生きて祖国に連れ帰ると言う使命があるのだ

相沢は悩みながらも最終手段の実行を―――つまり略奪を部下達に命じた

そして前衛を任せられた班は彼の命に従い、数人の警備を完全に無力化している
もはやサイは投げられてしまったのである
こうなればもはや行動するほかなかった

こうして相沢と彼の部隊は静かに・・そして確実に村に浸透して行った



639 名前: 名無し三等兵 2005/07/28(木) 02:34:34 ID:???

オメガだったら・・・

「おい小松、何か剣を持ったヤツがこっち怒鳴ってるぞ。」
PAM!
「あっ、小松さん、撃っちゃっていいんですか?」
「知らねえよ、早く日本に帰りたいよ。」

・・・・・・

「おい中村、まだオメガ2達と連絡は取れんのか。」
「ハァ、電波が届かないようです。」
「このノロマ!無線くらい使えねえのかよ、カスッ!」
BLAM!
「畜生、いつか殺してやる。」

640 名前: 名無し三等兵 2005/07/28(木) 02:44:02 ID:???

「畜生、ここホントに北朝鮮なのかよ。田中、ちゃんとGPSみてんのか?」
「任せてくださいよ、ナビならウチの車にも・・・アレ?数字ばっかりでわかんねェや。」
「おい小松・・・アレ城じゃないか?」

「ハァ?なんでそんなのがあるんだよ。北朝鮮にラブホテルなんかあるのか?田中ヨォ。」
「知りませんよ。とにかく近づいてみましょう。」


641 名前: 名無し三等兵 2005/07/28(木) 02:53:44 ID:???

「なんだ貴様ら!止まれ!」

「あれ?なんで日本語喋ってんだ?俺たちひょっとして日本に降りちまったか?」
「まさか、あれだけ長く飛んでたのに。」
「まぁいいや、ここは何県だい?」

「ハァ?何県だと?ここはロシアーノ辺境諸侯様の・・・・」

「なんだコイツら、頭おかしいのか?」
「きっと最近流行りのコスプレってヤツですよ、役になりきってんです。」

「貴様ら・・怪しいな・・・おい!賊だぞ!衛兵!」

「おい小松、なんかやべえぞ。」
「畜生、何なんだよ、とりあえず逃げるぞ!」

642 名前: 名無し三等兵 2005/07/28(木) 03:00:46 ID:???

「ハァハァ、畜生、何だってんだよ・・・」
「おい、連中まだ追いかけてくるぞ。」

「ハァハァ、ハァハァ、ああもうめんどくせえ。」
PAPAPAPAPAM!
「ハァハァ、いいんですか小松さん、人撃っちゃって。」
「正当防衛って言えば良いだろ、それに俺たち自衛官じゃねえし。」

「畜生、ここはどこなんだよ。日本に帰りてえよ。」


650 名前: 名無し三等兵 2005/07/28(木) 17:52:51 ID:???

「というわけで、オメガ2達と連絡が取れなくなった。救出チームを編成し、現地へ降下する。」
「ハァ・・・」
「さて、これが装備だ。じゃあ中村クン、がんばって。」
「エェーッ!僕がですか?」
「お前の無線のせいでオメガと連絡が取れなくなったんだろうが!このカスッ!ボケッ!」BLAM!BLAM!
「畜生、いつか殺してやる。」

北朝鮮上空・・・スーパースタリオン機内
「そろそろ降下地点だな。」
「あのーホントに僕だけで行くんですか?」
「なんだ、お前の責任を俺に押し付けるってのか?へぇ〜偉くなったねェ〜中村君。」
「イ・・イェ・・・そういうわけでは・・。」

「ルテナン・カーネルサトウ。そろそろ降下地点ですが、霧がひどくなってきてます。」
「NOEでは危険だな、少し高度を上げろ。」
「了解機長・・・・OH!」SHU!

「なんだ!?ミサイルか?回避機動!」
「いえ、あれは・・・人!?小人です、まるで・・・フェアリーだ。」
「そんな馬鹿な・・・OH・・あれはまるで・・ヨーロッパのキャッスルじゃないか。」

「佐藤3佐殿、あれは何でしょうか?」
「お前俺に質問するほど偉くなったのかこのボケッ!機長!いいからコイツを降下させろ!」
「畜生、いつか殺してやる・・・」



100 名前: 名無し三等兵 2005/08/16(火) 00:09:16 ID:6RbHULsy

小官が異世界駐屯地の営門先に吊るされてから、太陽が3回昇降した。
つま先から水分を消耗しきって、いくつもの裂け目を開けた唇を舐める
ことさえもままならぬほどに、彼は衰弱していた。

僕は警衛勤務に着いていて、その日は吊るされたままの小官をよく見
ることができた。門の下に立哨する時なんかはもう、目と鼻の先に小官
が吊るされているものだから、僕は目のやり場に困ってしまう。仕方な
く、一緒に立哨する女隊員の横顔を見つめていた。警衛司令は立哨する
陸士達に、「ショウカン ヲ チュウシ シテハナラヌ」と厳命してい
た。だから立哨中に暑気にほだされて、吊るされている小官をぼんやり
と見物していた奴が衛所に戻るとすぐさま、警衛司令の怒声が飛んだも
のだ。

小官を挟んで僕の前に立っている女の横顔は、とても端整で素敵なも
のだ。造形センスの良い者が、上等の肌理細やかな粘土を使ってこしら
えた、女神の彫刻だと僕は思った。ときどき、僕の視線に感づいたのか、
彼女が横目で僕の方を見てくる。そのたびに僕はドギマギして、彼女か
ら視線を逃がさなければならないのだった。

「……水を、かぁっ……」

小官が、うつろに目玉を動かしている。もう、目も見えていないのかも知
れない。濃緑色の戦闘服は汗と糞尿で黄ばみじみた臭いを放ち、ハエや羽虫
がたかっている。彼がどのような罪をこの世界で犯したのか、僕は詳しく知
らない。噂によれば、銃器の力を悪用して様々な悪行を働いたということだ
った。強盗や、もっと大規模な略奪なんかをしてたそうだ。きっと、強姦も
……

時たまに、駐屯地のある土地の有力者や富裕者が駐屯地司令を尋ねてここ
を訪れる。その人たちもまた、吊るされた小官には意識して目も合わせては
いなかった。彼はこの世界から、完全に追放されつつあるのだろう。


124 名前: 100から続く 2005/08/18(木) 22:00:59 ID:???

僕が何度目かの立哨を終えて、夕食を済ませた頃になると、駐屯地の陽は
すっかり暮れていた。微かに息づかいする動きを見せる以外に、小官は全く
動かなくなっていた。明日の朝頃にはもう、小官は死んでいるかも知れない
と、警衛所の休憩室で同期のWACが漏らした。彼女はこの異世界に派遣さ
れてから、瀕死の自衛官が息を引き取るのを何度も看取ったことがあるらし
い。だから、彼女のポツリと漏れた一言にも、僕は重みのある説得力を感じ
られた。

夜も更けて、何の異常も無いままに時刻は午前零時を過ぎた。僕と同期の
彼女はライナー(樹脂製の中帽)と外被(作業服の上から羽織る、陸自の外
套)を着けると警衛所を出た。立哨に立っていた二人に協力して営門を閉じ
た。金属製の重たい門を、端から中央に向かって力一杯に押す。レールの上
をゴロゴロと重たい音を響かせて、最後に鉄と鉄とがぶつかり合う。ゴトン
という音が、情の無い余韻を残して暗空に消える。こうして、駐屯地の門は
閉じられたんだ。僕らは目を見やって、一列に整列行進しながら衛所に帰っ
た。吊るされていた小官を目に入れないように、僕は意識していたと思う。

125 名前: 124から続く 2005/08/18(木) 22:03:42 ID:???

時計は午前一時半を指している。僕は警衛司令の座っていた席に深く腰を
沈めて、衛所の大きく取られた窓から見える外の景色を眺めている。そこへ、
同期の彼女が温めた缶コーヒーを持ってやって来た。無言の真顔で、彼女は
僕に缶コーヒーを一つ手渡す。手に取った缶は、手の平の表皮を熱くように
温かい。
「少し、熱かったね」ばつの悪そうにして、彼女は眉の端を下げた。
彼女は肩から吊り下げていた小銃の脚を開くと外に向けて、机の上に置い
た。本土にいた頃は、警衛勤務でも小銃は衛所に備え付けの銃架に全て収め
ていた。立哨に立つときだって、銃を持つことは無い。弾帯に付けた、伸縮
式の警棒だけが武器だった。それが、異世界に設置された駐屯地では違う。
小銃は常時携行するように定められているし、弾倉には実弾がたっぷり詰め
られている。この世界では、日本にいた頃の感覚はまるで通じない。それは
外に吊るされた小官や、高く築かれた物見やぐらの上から地上を睨む機関銃
手の姿が雄弁に物語る。そしてまた、僕は外に目を向けた。

僕は小さく違和感を持った。自分が見ている外の場景が、つい数分前まで
見ていたそれとは少し違うからだと気付くのにひどく時間を取られた。物見
やぐらの上にいた陸曹の人影が見えなくなっているのと、営門の前に吊るさ
れているはずの小官が、影どころか姿形まですっかりと、消えているのだと
わかった。


129 名前: 名無し三等兵 2005/08/19(金) 12:07:33 ID:???

>>125

「み…ず…」

小官の口に、柔らかく、ネットリとしたものが入り込む。それが人間の舌だと理解した時、
彼は覚醒した。舌に続いて、彼の口中に入って来た液体を嚥下した。清冽な、水だった。
唾液の風味がした。不味くは無い。むしろ、かすかな甘みすら感じた程だった。女…だ。
小官は直感した。しかもその味は、嘗て思いのままにねぶった事の有る、味だった。

「…嘗てこの世界を席捲した、悪の象徴たる気概は、何処に消えたの? 一敗地に
塗れたからって、吊るされて、干し肉にされて終わり?! そんなの…そんなの…」

若い女の泣き声混じりの容赦無い罵声が、何故か小官の耳に心地良く聞こえた。
視力を徐々に取り戻す。小官は女の輪郭を認識した。耳の先が長い。…エルフだ。

「小官を哀れんで、助けに来てくれたワケでは無さそうだな…? 中曽根…」
「アルテイシアよ! いい加減、名前を呼びなさい! いつもいつもいつもっ…! 」

辱めていた。衆人環視の中、素っ裸にさせハメ倒した。高慢な自意識を修正するために、
グリセリン浣腸して、彼女の悶え苦しみ屈辱の涙を流すさまを尻目に、盛大に脱糞させた。
せせら笑う自分に殺意を込めて睨み上げるその気概に、嗜虐癖をまたそそられたものだ。

「いいだろう…こんな終わり方もいい…。最後に、美味い水も飲めた事だしな…」
「だれが殺すものですか! お前のような意気地無しに殺される価値があると思って?! 」
「お前には有るだろうよ。少なくとも、小官はお前を辱めた。何度も、何度も、何度も…」

抵抗は、気の効いたスパイスだった。抗う両手の細い手首を片手で一纏めにして握り、
前から犯した。エルフにしては発達した胸を掬う様に揉みしだき、敏感な耳の先を甘噛みした。
きつく睨む目付きが、快感に蕩けてしまう様を嘲笑した。…憎まれている事には自信があった。


133 名前: 名無し三等兵 2005/08/19(金) 12:28:48 ID:???

「…悪…か。悪を知らぬこの世界を、小官は憎んだのさ。善も悪も無い混沌。それは…」
「…秩序の成立を求めるには早すぎ、混沌の継続を求めるには遅すぎた、でしょう?
もう耳タコ。『耳にタコが出来る』って…要らない言葉も教えたのは…お前よ、安室…」

アムロ。そうだ。安室 零。それが小官の名前だった。この世界で『小官』と呼ばれ始め、
通り名として世間に喧伝される様になったのだ。そう、忌むべき『魔王』の同義語として。

「さぞかしお前の耳にもタコが出来た事だろうよ…噛みダコがな」
「…先刻までみず、みず、しか言えなかった軟弱者が、よく言う…」

悪態を吐きながらも、彼女は小官の身体に掛かった縄を解いて行く。直接皮膚に縄が
食い込み、痣に為った痕をそっとさすり、撫でて行く。熱い液体が、小官の肌を流れる。

「泣いて…いるのか…? 何故だ…」
「お前は…私のものよ…? お前の仲間が要らないって言ったから…だから…私が…
貰うの。もう…私のものよ? お前が俺の命は国民のものだって言っても…あいつ等、
要らないって言ったもの! だからっ… 」

ああ、言った。悪事も、後に来る自衛隊に良かれと思ってした事だった。『泣いた赤鬼』
作戦。クマラン三曹には黙っていたが、自分が鬼に為れば、あとから来た自衛隊が楽に
為ると思っての行為だった。何せ普通に行動するだけで『小官よりはマシ』の評価が、
簡単に得られる筈だ。そう信じ、『悪事』の限りを尽くしてきたのだった。

「…残念だが小官はまだ懲戒免職には為っては居ない。小官は栄え有る…」
「…陸上自衛隊員でしょう! 豚骨隊に声を掛けたわ…。駐屯地の警務隊に復讐しなきゃ、ね」

解っているでは無いか、中曽根。小官の口元が陰惨な微笑みに彩られた。復讐するは我にあり。


162 名前: 133から続く 2005/08/21(日) 20:35:06 ID:???

異世界に設けられた自衛隊駐屯地の営門前を、対に設置されている照明は
やや頼り下無い光の量で照らし出していた。その灯火で小官は最愛の女エル
フ、アルテイシアと再会を果す。水に混ぜて飲み下した彼女のエッセンスは
小官の体を節々まで潤し、活力を男に与えた。微笑みと共に小官は復讐を決
意する。小官を捕らえ、その彼が手塩にかけて育て上げた部下達を、オーク
であるからという理由で射殺した、駐屯地警務隊の責任者への復讐を。それ
は残忍で情け容赦の無い暴力と陵辱、殲滅と全人権の奪取を以って完了とす
るだろう。小官は肘を使って自身の上体を起こし、アルテイシアに耳打ちし
た。
「ここからの逃走手段はどうするつもりだ? 救出に来たのはお前だけか?」
小官の背後から、アルテイシアとは別の人間の声が上がった。
「ここにいますよ」
小官はびっくりした。背中と2メートル離れた場所から聞こえた声が、よく
聞きなれた男の声だと気づくのに一寸だけとまどう。軋むように首を振り向
いて、声のした方を見ると何もいないように見えた。周辺視野を使ってその
空間を捉えてみると、門壁の生え際に差した影だと誤認していたものの正体
に見当がつく。それは伏せ撃ちの姿勢で地面に這った男だ。久間三曹もとい、
小官専用コードネーム「クマラン」で呼ばれていた男だ。
「小官殿、あんたほど清清しい傲慢さを持つ奴は、他で見つける自信があり
ませんよ」
黒いもやもやした毛布らしきものをめくって、中から久間3曹が目配せを
送る。小官を3秒間だけ、やり切れない感情を持って見つめた。そして女エ
ルフに催促する。
「アルテイシャァ、搬送を急いでくれ。見張りの奴らが気付いたかもしれん」

163 名前: 133から続く 2005/08/21(日) 20:54:51 ID:???

最初の一射は200メートルの距離を置いて行われた。営門前の道を隔てた
先の林から、物見やぐらの上にいる自衛隊員への狙撃を成功させる。やぐらの
機関銃に寄りかかっていた隊員が、不用意に喫煙の灯を漏らした。物見やぐら
に詰める隊員は通常配置で1名である、その情報を事前の偵察から入手してい
た久間三曹はためらわずに射撃する。改造64式小銃の銃身を覆わせたエンジ
マフラー、そこから飛来した銃弾に鼻の付け根をえぐり砕かれて、やぐらにい
た自衛隊員は絶命した。樹木に立姿を密着させ、射撃の構えを取り続けていた
久間3曹は煙草の灯が落ちるのを見届けてしばらく待ち、狙撃の成功を確信し
た。手製の制銃音器から漏れた鈍い低音を、通りがかりの4頭立て馬車の轟き
がかき消し去って行く。

駐屯地正門前、人通りのまばらな夜の未舗装路を通る車は他に無いようだっ
た。久間三曹とアルテイシアは姿勢を低くして通りを横断すると、門内の衛所
から視線を浴びないように壁を利用し、吊るされていた小官に取り付いた。衛
所からは、吊るされた小官の肩から上しか見ることができない。3昼夜に渡る
つるし上げで疲弊した小官はぐったりと頭を垂らしており、いよいよ衛所から
小官を視認するのは難しい筈だ。アルテイシアが素早く縄を切り落とし、小官
の重い体を地に降ろしてやった。銃を持つ久間三曹は地面に這い蹲り、正門の
脇に設けられた小さな小門のある場所から衛所の動静を探ると同時に見張る。

164 名前: 133から続く 2005/08/21(日) 20:56:12 ID:???

狙撃を実行できたタイミングは、奇跡的なまでに小官に味方するものだった。
駐屯地の外周を走って警戒に当たる車輌は、ほんの少し前に正門前を通りすぎ
見えなくなったばかりだ。物見やぐらに一人で立っていた歩哨は眠気と退屈に
暇を持て余したのか油断して、喫煙の灯を外に漏らした。偶然に通りがかった
現地人の馬車は大型でうるさく走り、狙撃の銃声をかき消して行く。これで、
衛所にいる2名の警衛隊員に気取られることなくこの場を撤収できれば大成功
に終われる見込みでいた。それはある種の期待か、願望だったのかも知れない。

駐屯地警衛所の扉が開き、衛所の中に居た自衛隊員が一名出てきた。肩に自
働小銃を吊って、門に向かって歩いてきた。このままなら、小官を助けようと
するアルテイシアの姿を発見されるだろう。
久間三曹が、こめかみに汗の滴を流す。(被っている物が熱をこもらせる為)
犬歯を舐めて、乾いた口中に唾液をまわす。感情の無くなった目が自衛隊員の
急所を捉えていた。久間は射撃用の集中力が高まるのに併せて勃起していた。

250 名前: 名無し三等兵 2005/08/26(金) 22:16:13 ID:???

ひょんな事からではあるが、小官の放つ聖水は神や魔人に大きなダメージ
を与えられることがわかった。それは勢いよくぶつけるほど威力を増し、普
通の武器ではかすり傷ひとつ負わされることの無い神の使いや、魔人といっ
た強大な者たちが次々と小官に倒されていった。そのことで気を大きくした
小官はついに魔界へ乗り込んで行った。目指すは魔王の城へ、一直線に。

「魔法は効かない、スタミナが尽きない、おまけに小便水で神か悪魔までも
殺しちまう……俺は小官殿が恐くなって来ましたよ」
魔王の城を目指す縦列、その最先頭を意気揚々にして歩き、自信に満ちた笑
顔を浮かべる小官の後に続く男がこぼすように呟いた。元の日本国では小官
の指揮下で戦ったこともある陸曹、久間3曹の顔色は悪くなっていた。
「うん? お前はナニか?! 小官の素晴らしい戦闘指揮を目の当たりにし
てきていながら、小官を心の中で舐め腐っていたということか?」
小官は歩きながらまぶたを閉じた。脳細胞の奥底に収められた映像を引っ張
りだしてみると、脳裏に鮮明な映像が音付きで再生されてゆく。日本政府に
叛旗を掲げた革命軍との戦い、北朝鮮上陸作戦の時に多くの部下を失った苦
い記憶、韓国侵攻作戦のどさくさに、初めての強姦を犯した時の開放感。

小官の股間に下げられた一振りの肉厚な銃身が、ぶるると音を立ててわな
なく。それは睾丸を刺激して精液増産につながり、武者震いを引き起こした。

251 名前: 名無し三等兵 2005/08/26(金) 22:40:33 ID:???

「くぅ〜っ!!!!」
小官は手元に女を連れてこなかった、自分の判断を後悔した。今、小官に随
伴して魔王城を目指すのは50人程の豚骨隊の兵士たちと、久間3曹を含め
た数名の自衛官らだけである。自衛官の一人がホモなので、小官はこだわり
さえ捨てればいつでも性器への締め付けを愉しむことが出来るはずだった。
それを小官は性欲を持て余しながらも、自制心の限界を振り絞って我慢する。
頻繁に襲い掛かってくるモンスターの集団を虐殺して気を紛らわし、小官は
少しずつ、確実に魔王の城へと近づいて行った。
斥候の一人が息を荒げて帰ってきた。大柄のハーフオーク男性は顔一面に
刃の古傷を残しており、背負った巨大な銃砲、12.7o自働小銃と相まって相
当な強面をしかめて小官に跪いた。「申し上げますっ!」と一言置いてから
彼が述べた報告を聞くやすぐに、小官は超絶強行軍の開始を部隊に命じるの
であった。
「小官殿閣下に申し上げ早漏! 斥候隊は魔王城とおぼしき城塞を発見しま
した。資料に記された様相をはるかに越える、巨大な城です!」
小官の脇に控えている久間3曹は戸惑った。携帯用の双眼鏡を最大倍率にし
て周囲の遠景をくまなく観測しても、斥候の兵が言うような巨大な城など見
えてこない。豚骨隊の斥候がどれほど健脚揃いの猛者たちであっても、小官
の率いる本隊を置いてはるか地平線の先を行くなどとは到底無理な話だと思
えたから。今度は斥候隊が一杯食わされたか? 久間3曹が一歩前へ出た。


252 名前: 名無し三等兵 2005/08/26(金) 22:41:44 ID:???

「幻術か、またぞろ蜃気楼の類いじゃないだろうな?」
魔界の荒野に巣食う化物に魔法使いたち、未知の生物が小官と豚骨隊を手っ
取り早く食料にしてしまおうと、幻覚や知覚妨害を引き起こす攻撃で本隊を
苦しめて来た。報告に疑念を持った久間3曹にフルスイングの裏拳をかまし
て、小官は報告を携えた斥候兵のすぐ前までずかずかと歩いていく。
「巨大な城塞、それも…・・・大穴の底に築かれた防壁に囲まれるように船が
あったのではないか? 相当に年月を経ているようだが、異質な形状の船だ」
斥候の兵は驚いた。小官の言ったことは、今しがた自分が見下ろしてきたそ
れとほとんど一致していたから。
「クマラン、いつまで寝ておるつもりだ? さっさと起きんか。超絶強行軍
に移行するぞ? 脱落する兵は全員をお前が担いで連れてこい」
(ムフフフフ、現在の魔王は生まれて16年しか経っていない正真正銘の小
娘にして処女だ。小官の巧緻を極めた銃剣術でメロメロにしてやろう)
小官は全速力で荒野を駆けていく。その後を豚骨隊の兵士たちが血の息を吐
きながら追っていった。(つづづく)




303 名前: 名無し三等兵 2005/08/30(火) 01:16:48 ID:???

自衛隊の本隊から離れた小部隊は山岳部に入り、山岳民族のニダ族と共同
で魔王軍の軍勢にゲリラ攻撃をしかける手はずを整えていた。

「ふーむ! 本日は快便なり!」
1週間ぶりにさっぱりとした排便をして、小官は歩きながら伸びをした。
天幕でもう一眠りしようかと、弾帯の留め具をカチャカチャと鳴らして
陣へ向かった。そこへ、遠目に小官を見つけた山岳民族の少女が乳房だ
けをさらけ出す格好で駆け寄って飛びつく。
「おはよう! 小官様ぁん」
「こらこら、チョンミーよ、人目があるだろうがw」
まだ早朝だったから、野営地の中を出歩く自衛官は少ない。小官はじゃ
れつく少女チョンミーの両手を取って、自分の体を軸にしてチョンミー
をクルクルと回してやった。チョンミーは面白がって、大きな声でアハ
ハと笑い出す。まだ眠っている自衛官もあちこちにいて、みんながムカ
ついていた。「ねえ小官、ナニしてきたの?」回りながら二人は話した。
「うむ、朝の神聖な儀式だ。ガハハ!」
「そっか」
小官は少女を回しながら、昨晩の行為を反芻した。山岳民族を訓練す
る為に派遣された自衛官の中では、小官は数少ない幹部だ。小官は小さ
な天幕一つを占有していて、夜はそこで一人床に着いた。山に来て数日
後の夜、宵の口を過ぎた頃になって、小官の天幕の裾をめくり、山岳民
族の少女がひとり、小官に夜這いをかけた。チョンミーと言う名の少女
だった。浅黒い肌と黒い髪に、猫目石の色をした瞳が映える女の子で、
小官はすぐに彼女を気に入った。行為の最中に耳元で、彼女は小官にこ
う囁いた。
「ワタシ、アナタノ、コドモ、ホシイノ」


307 名前: 名無し三等兵 2005/08/30(火) 01:42:36 ID:???

(子供が欲しい……とはな。うむ、小官も今年で30の坂だ。この異世界の地
に身を固めるのも、悪くはないかも知れん)
目をつぶってそんなことを考えていた。握っている少女の手をすぅっと放す。
遠心力に乗ったチョンミーの体が勢いよく放りだされて、彼女の体が地面に
触れた瞬間、5度もの後ろ跳躍回転をして、バランスの取れた姿勢で静止した。
「そうだ!」目を輝かせたチョンミーは小官の懐に飛び込む、断り無しに銃剣
を抜いた。「おいおい、他人の装備を勝手に持ち出してはいかんぞ」
小官はチョンミーの頭をなでてやった。チョンミーは黒くつやの無い、自衛隊
風の銃剣をキラキラした瞳で眺めている。「小官の剣に、特製の毒を着けてき
てやるよ。部族の秘伝なんだ。かすっただけで、5日は寝込むんだよ!」
そう言って、堰を切ったようにチョンミーは飛び出していった。小官は15も
年下の少女が発散する活力に押されて、ただ少女の背中を見送っていた。
「やれやれ、とんだお転婆だ。これから母親になろうという娘が……ウヌ!?」
小官は違和感に気付いた。周囲一帯の山岳に自生する生物は、自衛官の中でも
専門知識を持った者があらかた調べ尽くしている。調査の結果では、武器として
利用できそうな毒性を持つ動植物は発見されなかった。ならば、チョンミーは何
を以って銃剣を毒に染めるのだろうか。小官は口の両端に、手の平を立てた。
「おーい! 毒って、なんの毒を使うのだー?!」
道の遠くに小さく見える少女が、何度か飛び上がりながら返事をした。
「小官のウンコー!」少女は鼻を小刻みに動かしながら、森に入っていった。
小官は走り出すと、大急ぎで朝糞を埋めた場所まで走りだして行った。


309 名前: 名無し三等兵 2005/08/30(火) 01:57:00 ID:???

数日して、自衛隊から派遣された訓練ティームと山岳民族の共同部隊による
ゲリラ攻撃が開始されていた。天幕の中で、小官は部下と口論していた。
「小官殿、あの雌ガキは小官殿をたぶらかして、日本での豊かな暮らしを手に
入れたいだけです。惑わされないでください。」
「小官はな、そんな戯言を聞くために君をレンジャー課程に推薦したわけでは
ないぞ! それに雌ガキとはなんだ、小官の婚約者を悪く言う奴は……」
もはや小官はチョンミーの虜となっていた。彼女の成すがままに、銃剣や銃
弾、はては対人地雷にまでも人糞を詰めて用いる部隊として有名になった。

狭い山道を行軍する魔王軍に対して先回りし、久間3曹率いるビチ糞小隊は
待ち伏せ攻撃の準備に奔走していた。隠れ蓑とよばれる迷彩装備で身を隠し、
小隊員は地に伏せて攻撃の合図を待つばかりとなった。久間3曹の副官に着い
た若い陸曹が、監視の目もそこそこに小声で久間に何かを嘆願している。
「久間さん、言ってやってくださいよ。小官はあの土人の娘に骨抜きだ」
「やらせてやれ、放っておけ。小官の機嫌は良いんだ、馬鹿な命令は適当に受
け流せばいいさ」 久間3曹は呑気な顔して、手をはたはたと振った。
「小官と付き合いの長いアンタなら、苦言の一つでも言っていいだろうに」
若い陸曹の不満をよそにして、久間は長年の上司が身を固めつつあることに好
感を持っていた。「来るぞ、30秒後に打ち合わせ通りの攻撃を開始」

対人地雷クレイモアーが炸裂した。道の両側から糞まみれの鉄球粒が襲い掛
かかって、魔族の兵隊たちを引き裂いた。銃弾の頭に糞を充填された機関銃が
鉄火矢を間断無しに吐き出しては、異形の怪物たちを鋸引くようにすり潰す。
銃口からは焼ける糞の臭いが立ち込める。後方から弧を描いて飛来する迫撃砲
弾が炸裂すると、周囲に糞の嵐を巻き起こした。これはいわゆるヤケクソであ
る。戦闘後の山道には魔族の兵隊がひき肉になったものと血と、発酵した糞の
臭いで湯気さえ立った。

小官の部隊は、糞を使って魔族の士気をくじくつわもの揃いだと有名になった。
(終わり)




315 名前: Type64 AutoRifle 2005/08/31(水) 22:40:23 ID:???

日本国やアメリカ合衆国が存在する地球とは別の、どこか遠く隔てられた
世界の話。物語の部隊は、タロタ海の中央に浮かぶキトゥン大陸。皇帝を頂
点たる象徴に据え、その下で大陸の東西を分けて統べる二大諸侯がいた。東
に鋼鉄貴族の異名を取るP公ブーチェセ、西に電撃騎士との呼び名を持つG
公マンゲルが常から大陸の趨勢に先立っている。二大諸侯を主家として、4
つの王家がキトゥン大陸の四隅を支配していた。それよりずっと小さい勢力
も、皇帝から自治権を下賜されては都市国家や通商都市群としてまとまって
いた。三百年以上もの昔に、初代皇帝が大陸を統一して以来の間で、小さな
小競り合いや外敵との紛争は幾度か勃発している。そのたびにキトゥンは皇
帝が率先して仕切りなおしをやってのけ、亡国の危機を脱してきた。
戦争を終えた今だからこそ、私はジエイタイがこの国に現れた意味を想像
することができる。昔の人達が犠牲を払って打ち立てた国のやり方が古くな
って、あのままでは、人が慎ましやかに暮らすことさえ望めない、どうしよ
うも無く辛い時代が訪れていた。そこへ、どこからともなくやって来たジエ
イタイを名乗る異人たちが現れた。そいつらは覆しようの無い武力でもって
大陸を戦い巡ると、ついには議会制民主主義という、新しいやり方を打ち立
ててどこかへ消えて行った。私が勝手に想像するに、力を失した皇帝に代わ
りて、この大陸を文字通り仕切り直すとまたどこかへと行ってしまう。そん
な人々なのではないだろうか。(フレス王家最後の王位継承者の手記から)

316 名前: Type64 AutoRifle 2005/08/31(水) 23:01:01 ID:???

日本国 大洗海浜上陸演習場 演習場宿舎地区
空が薄く暮れて、夜の闇が建物の群に差し込んでいた。簡易舗装の地面に敷
かれた砂利石を蹴飛ばしながら、数十台の3t半トラックが一列に車列を連
ねて演習場出入り口の門をくぐった。車列の先頭に立つ高機動車輌の運転席
から資料を持つ手が伸びる。立哨に当たっていた陸上自衛官は背が低くて、
捧げ持つような格好で資料を受け取ると適当に書類を流し読みした。書類を
車の中に返して、立哨の自衛官が助手席側の幹部にややくだけた敬礼をする。
受けた幹部もまた、少し軽い所作の敬礼を返す。立哨の自衛官が車から離れ
と、すぐに車列が動き出す。大径のタイヤが砂利と地面を強烈にこすり合わ
す音が辺りに満ち満ると、やがて曲がり角の向こうへ去っていった。天候は
厚い曇天が続いており、演習期間と台風がぶつかる可能性が強くなっていた。

「総員、下車しろ」 やたらと古びた平屋の宿舎にトラックが着けられると、
班長の三角3曹は弾帯を着け直しながら僕らを地面に追い落とした。
朝礼を行うための場所なのか、陽の沈む方向にお立ち台が置かれてる広
場に部隊の皆が集められた。普段でもあまり謹厳とは言えない動作が当た
り前の部隊だけど、この時はほぼ全べての隊員がのろのろとした動きで、
ゆっくりと適当に整列をした。だるそうにしてお立ち台に上った大隊長が
指図して、ようやっと点呼が取られていく。僕の所属する部隊は七百人位
の人間が居るから、全員の点呼を取って解散するまで30分もの時間がか
かった。左向け左をして横隊になった僕らの顔を、班長たる三角3曹が一
瞥すると何か口走っては別れの号令を出した。彼女は今日も酒を飲んでい
た。「飯と風呂の時間までに寝床周りを整えておくよーに。別れ!」
班長三角は小隊長の所へとことこと小走って行った。残された僕らはハァ
と溜息をこぼして、背嚢や衣嚢と銃を持つと宿舎へ入ってゆく。薄暗くて
湿り気を帯びた空気がカビ臭くって、ほこりっぽい宿舎にすぐ辟易した。

次回へ




498 名前: 名無し三等兵 2005/09/15(木) 23:01:18 ID:???

天皇の試練場 地下一階

ここは酷く蒸し暑い上に、四方の壁が重厚な作りになっているらしくて、
自分の体を押し潰すんではないかという位に圧迫感がある。
最初の階段を降りて30分ほど歩いた所で、自分が着けている下着は汗で
ぺちゃっと濡れていた。鼻筋と鼻の頭から汗の玉がぶら下がって、大きく
膨れては水滴を垂らすと縮み、また大きくなるを繰り返している。気がつ
くと、口を大きく開けてはぁはぁと息を切らしていた。
戦闘服の布地と、汗の沁みて弱くなった皮膚とが擦れあって実に不愉快
だ。それに武器や装具の重みまでもが加わって、不快感は最高潮に達する
ものと俺は覚悟した。今はとにかく通気だ、風通しの良い格好になりたい。

「ボディアーマー、脱いでもいいですかね?」
俺と一緒に前衛を張っている、分隊長に要望を上申してみた。きっと分隊
長も俺と同じように、この蒸し暑さが頭に来ているから許可してくれるだ
ろうという、甘い期待もあった。即座にそんなもんは粉砕された。
「俺がやらずとも、ここの虫やら小動物やらがお前を殺すよ。黙りな」

分隊長がそういい終わると、また俺たち6人の間には沈黙が流れ出した。
不快感で頭が一杯になっていた俺は、とても注意力が欠如していた。
視野の端に蠢く影が入っても、光の加減か何かだと一人合点して気にも
留めずに進み続ける。その生き物に囲まれてから、俺は血が引いていく感
覚に計り知れない涼感を味わった。壁に、天井に、石畳の隙間にびっしり
と潜んだカレー色の粘液共が俺達を喰っちまおうと、一斉に飛び掛ってき
たのだった。


637 名前: 名無し三等兵 2005/09/24(土) 00:12:55 ID:???

小官とその他数人の自衛官たちは力を合わせ、ついに某大陸を統一した。
独裁者となった小官は恐怖政治で国を支配し、科学技術の発展と軍事
力の増強に国力を注ぎ込んだ。50万人の兵力が完成し、後装填式の
ライフル銃を雑兵の末端にまで支給できるようになった。そこで、小官
は侵略を決意した。

20万人の兵力を動員し、トラキロア王国北方の国境に軍勢を展開し終える。
一軒の家ほどもある輿を背負った大恐竜の上で、小官は最高級の木材であつ
らえた玉座にふんぞりかえっている。頬杖を突き、不機嫌の眼差しが国境線
をまたいだ先に向けられていた。小官が隣に控えていた参謀に尋ねた。
「タイガース王国とやらの兵力、それに技術はどの程度のもんだ?」
参謀はやや腰をかがめ、小官に耳打ちするような姿勢で注進した。
「常備の軍は2〜3万、民間人を臨時徴兵できる分も入れれば10万程かと」
「くだらん!」
小官は歯茎をむき出し、肘掛を叩き壊して立ち上がった。
「偵察が済み次第、攻撃開始だ! 砲火力を全て前面に集中、砦を瞬殺しろ。
電撃戦を以って、戦略上の重要地点を徹底的に抑える、そして王都を陥す!」

100名以上にも上る伝令騎兵が一斉に各部隊の幕舎へと散った。
胸甲と6メートルにも渡る長槍で武装した突撃騎兵、ライフルを装備した竜騎兵、
非装甲ゆえの脚力と分間5発の発射が可能な、銃剣付きライフルで隊列を組む銃兵、
カノン砲砲列、迫撃砲部隊、忍者、エルフ、蛮族、ドラゴン、ハーピー……
人獣混合とした4万の軍勢が動き出し、トラキロア王国の北方防衛の要衝である
砦は2時間で陥落した。降伏した兵士全員を処刑し、近隣に住むトラキロア人を
一斉に徴用して酷使する。膨大な軍需物資がトラキロア領内に搬入され、実質上
の支配権を神聖小官大万歳帝国が奪い取ることとなった。(終わり)



651 名前: 名無し三等兵 2005/09/24(土) 21:26:36 ID:???

―斬首された首だけがずらりと整列している中―
豪奢な玉座に座った小官だけが哄笑していた。
―それが小官の理想の王国だった―

「戦争だ! 戦争なのだ! ファーっハッハッハッ」

背中では神に完全に見放され…永遠に闘い続ける事を
宿命付けられた戦士や兵士が血みどろの戦いを演じて
いた。白銀の鎧、迷彩服、半裸の戦士達が入り乱れる
混沌は、振り向いた小官をさらに興奮させた。

「いいぞ! いいぞ貴様等! 存分に戦うがいい!
此処こそが、小官と貴様達にとっての喜びの野、
『エリュシオン』なのだよ! 戦闘こそが我が喜び! 」

リンボ、辺土。地獄の最下層。此処に堕ちた者は此処を
憎しみと皮肉を最大限に込めて、皆、こう呼んだ。

―最果てのエリュシオン―

と。




708 名前: 名無し三等兵 2005/09/26(月) 20:53:14 ID:???

雑多の戦後処理が終わり、神聖小官大万歳帝国の軍勢は陥落させた砦を
中心に宿営地を張った。砦の攻略に充てた4万の軍勢に続いて10万人に
も達する兵力を周囲に配置した。それでもなお、後に残る6万の兵力が居
場所にあぶれて方々の路傍に寝床を取った。戦闘や生活に使う物資の数々
を満載した輜重の荷車が昼夜を問わずに道を貫いて、絶え間ない地響きが
木陰や丘陵に寝入る兵士たちを苛立たせていた。

トラキロア王国の北方の砦を、神聖小官大万歳帝国軍が占領して数日が
経過した。トラキロア王国の各地方と周辺の小国に至るまでつぶさに放た
れていた密偵が続々と帝国軍の前進拠点に集結した。
収集されてすぐの鮮度の高い情報が幕舎に届くと直ちに幕僚会議のおかず
となって、料理されたそれは帝国軍の最高意志者、小官のもとへ恭しいく
も率直に提供される。
円形に並べられた机の最奥部に小官が鎮座していて、位の高い将軍や特殊
技能者から近い席に着いている。
小官は他の者が会議に白熱するのを尻目にして、自分の足指の爪を切って
いた。プチンという爪を裁つ音が場違いに、広くない部屋の中でよく耳に
障った。黒板の前では自衛官上がりの将軍職と、神聖小官大万歳帝国(旧
F世界国)人から将軍に任命された者とが激論を戦わせていた。


709 名前: 名無し三等兵 2005/09/26(月) 21:09:48 ID:???

爪を切り続ける小官が、不意に苦痛におののいた。
「あ痛っ、……ちっ、おい、クマラン、処女持って来い」
名前を呼ばれて、黒板の前に居た将軍の一人が訳もわからずに振り向いた。
小官がこちらを睨みつけて、足指の先から血の一滴をしたたらせている。
命令の意味に見当が付いて、彼は出入り口に控えていた侍従の長に耳打ち
して事を伝えた。5分もすると若い侍従の女が会議室に連れられてきた。
侍従長に促されて、侍従の女が小官の横に跪く。
目の前にいる娘に顔を上げるよう、小官は簡潔に命じた。小官の身の回り
に付く侍従であることを示す帽子がゆっくりと上がり、緊張に震える娘が
顔を上げた。小官は彼女に立つように言うが、娘はなかなか動かない。
「どうしたのだ? 小官の命令は聞けぬか。小官には、奉仕の甲斐が無い
のか?」 侍従の女は慌てて否定する、被りを何度も左右に振って。
「いいえ、いいえ! 恐れ多くも、敬愛なる皇帝陛下の御前に限って、私
の如き若拙が御命に背くなどとっ!?ああぁっ!!」
侍従の女が股座を咄嗟に見ると、小官の手首がそこに差し入っていた。
小官の指は巧みに動いて女の下着をずりおろし、密やかな割れ目を指の腹
でこすってやった。一指し指と中指をつかって陰唇をくぱぁっと開くと、
処女である証たるカーテンがそこに降りている。
侍従はもう、涙を両目の端からポロポロとこぼして、顔を真っ赤にしなが
ら成すがままにされていた。割れ目に蜜が行き渡ったのを感じ取って、小
官はそこに足の怪我した指を突っ込んだ。爪の先で侍従の女肉を傷つけな
いように、慎重で細やかな動きでもって蠢いた。それが終わると、小官は
侍従の尻を優し気に撫でながら、舌を含めるキスをしてやると侍従を下が
らせて会議を再開させた。

710 名前: 名無し三等兵 2005/09/26(月) 21:31:51 ID:???

長い会議もこの日で以って終わって、ようやく侵攻が再会されることに
なった。砦の廊下を連れ立って歩く将軍達の中に、小官と同じく元自衛官
であるクマランとF世界人から取り立てられた将軍、アナルズブという名
の大柄な女性が先だっての会議で起きた事について話しやっている。
「なあ、小官殿が侍従の娘に何て言ったか、お前の席からならはっきりと
聞こえるだろ? 小官殿はまた夜伽に女を呼ぶつもりなんだな」
「そうだろうな」
上背のある女将軍に見下ろされながら、クマランと呼ばれていた将軍は足
を止めずに短く答えた。
「あの調子でもう、こさえたお子は20人以上だ。世継ぎ争いが大変にも
面倒になりそうだなぁ」
それ以上、二人の会話は続けなかった。クマランの方から口を閉ざしたが、
会話を打ち切ったというよりも、余りにも考えることが多すぎて、会話に
まで思考が行き渡らなくなった上での沈黙だ。それを勘でわかっているア
ナルズブ将軍は咳払いを2、3して、勝手に会話を再開した。
「まあ、明日っからはお互い別々の戦地だ、今夜は酒飲もうぜ。他の自衛
官様方も呼ぼうか?」 顔を向けると、アナルズブ将軍の雑じり気無しの
純粋な笑顔がそこに咲いていた。並の男以上に筋骨隆々として、豪放磊落
な人柄であることを軍のみんなは知っている。それが災いしてか、彼女に
は色恋や浮いた話しの一つも聞こえが無かった。
「ありがとう、世話焼かせてすまない」 覆面の下で、クマランは泣いた。
砦を出た所で、アナルズブ将軍とクマランはそれぞれの幕舎へと別れた。
アナルズブ将軍の着る独特な文様の迷彩服が、夕日に照らされて輝く麦穂
の海を連想させた。この晩、二人が酒を酌み交わすことは叶わなかったか
ら、これが今生の別れとなった。

711 名前: 名無し三等兵 2005/09/26(月) 21:35:07 ID:???

幕舎に入っていなやに、クマランは幕僚の長にドスを効かせた声で言い
切った。
「我らが師団は西方の国境を跨いで攻める。トラキロア西方、3つの小国
とそこへ至る山岳部を制圧する。全隷下部隊に移動準備命令を下せ」
簡単な敬礼の応答があって、幕僚達が火の付いたネズミのように走り出し
て行った。幕舎に残ったのはクマランと雑用の当番兵一人だけで、二人は
近頃の食事について世間話をしながら時間を流した。

幕舎の外では陽が暮れてもなお、手すきの兵士達が弾を使わないで射撃
訓練を続けていた。若い新兵らの赤い口から次々と、「バァン、バァン!」
という銃声が、ひっきり無しに吐き出されていた。(終わり)



820 名前: 名無し三等兵 2005/09/29(木) 20:49:47 ID:???

秋が終わろうとしていた。例年よりも早い冬の到来を告げる渡り鳥の群が
陣営の上空を静かに飛び去ってゆく。神聖小官大万歳帝国の軍勢は侵攻を停
止したまま、トラキロア王国の北方を占領するに留まっていた。
長い停滞に士気は日々下がり、兵糧は目減りしてゆく。実際、軍勢が一日
に消費する食料に比して、補給されるそれは2、3割りも下回っていた。
月を新たにして、寒気が厳しくなるに従い、補給量は落ちていった。

神聖(略)帝国軍の上層部と言える奴等も、ただ手をこまねくことはでき
ないと、毎日のように会議を開いた。皇帝小官自身はほとんど発言すること
はなくて、将軍たちとその副官が次々と舞い込む悪いニュースにただ耳を傾
けるばかりでいた。解決すべき問題は多々あれど、侵攻作戦に最も影を落と
すことは補給だ。一斉に進撃するには手持ちが足りず、土地勘で敵に及ばな
いから補給の効率もすごく悪い。10tの物資を輸送するために付ける護衛
の兵隊が、往復で5tの物資を消費した。それだけ護衛をつけても、トラキ
ロア兵士の急襲を防ぎ切るのは困難を極めた。

壮年に入ったあたり、という風情の情報士官が敵の戦術について研究した
結果を読み上げる。
「……申し上げた特徴から総合的に判断するに、敵の戦術、戦技その他の行
動様式は我が軍の特殊部隊が取るものと共通点が散見されます」
小官に最も近い席を取る男、愚者と呼ばれる参謀の一人が小官に小声で話す。
「一昨日の忍者が持ち帰った情報を覚えてるか? 迷彩服姿で、我々と同じ
肌の色をした男たちがトラキロアの中枢を担っているって……我々と似たよ
うな連中が他にもいて、やはり一国の権力を手に入れているんだぜ? 交渉
の線でも当たってみるべきじゃないか?」
小官が、その提案を鼻で哂う。
「交渉に使うのが銃弾だろうが言葉だろうが、目的を達せる方向で動け。
これは不変の方針だ、詳しいことは任せるからどんどんやれ」

会議の議題が移り、本隊から離れて東西に侵攻する軍団の状況報告が
始まった。



837 名前: 駄文 2005/10/02(日) 00:11:12 ID:???

3月25日

今日から、こちらの世界の海軍と合同演習だ。
彼らはまだ木造帆船を使っている。船には砲は付いていない。
どうやって攻撃するのかと思ったら、ドラクエの魔法使いみたいな連中が
舷側に整列し始めた。
何か「ファイヤーボール」とか言っている。まさか、と思ったが
彼らの手からは確かに火の玉が飛び出した。
どうやら、これが彼らの「砲撃」らしい。
海士は驚きつつも楽しそうだ。曹や年嵩の幹部は何とも言えない表情を
している。初任幹部はにやりとしたが、すぐに真顔になった。

見た目は楽しいが、威力も射程も大したことがないようだ。
木造船には脅威かもしれないが、護衛艦には通用しない。
頼りにはならないが、もし彼らが敵になったとしても大丈夫なのが救いだ。



838 名前: 駄文 2005/10/02(日) 00:13:26 ID:???

4月1日

今日はエイプリルフールだ。
居住区でくつろいでいるときに、言ってみた。
「実はおれも魔法がつかえるんだ」
そう言って、海軍の魔法使いの動作を真似た。
「メラ!」

次の瞬間、本当に火の玉が飛び出した。
小さい、とても小さい火だったが、シーツに引火するには
十分だった。
必死で火を消したが、一部始終を先任伍長に見られてしまった。

CPOに連れて行かれ、事情を聞かれた。
ほんの冗談だったのに、こんなことになるとは。

その後、乗員全員が試しに呪文を唱えてみることになった。
皆、思い思いの呪文を唱える。
ヒャド、サンダー、ホイミ、ブライン、バイオ・・・
なんと、魔法が使えたのは俺だけじゃなかった。
ふざけてルーラを唱えた2士は空の彼方に吹き飛び、本土の基地で無事保護された。
密かに期待したが、誰もメガンテを唱えなかった。
俺もメラミやメラゾーマに挑戦したが、何も起きない。まさかMPが足りないのか。

どうやら、魔法を使えるのは、RPGやファンタジー小説に慣れ親しんだ世代のようだ。
DQ派とFF派で見事に使える魔法が分かれている。
ウィザードリー派は平均年齢が高い。



843 名前: 名無し三等兵 2005/10/02(日) 00:56:46 ID:???

艦内の若い乗組員たちが、次々と魔法の力を発現しているのとは別に、
少し毛色が変わっている少数の者たちはなかなか魔法を使えないでいた。
心あたりのある文句やらポージング、果ては魔方陣まで描いてみたもの
の、なにか目で見て楽しい魔法の効果は一向に得られないままだった。

「ゲーム内の設定上の魔法とは限らないんだ、アニメとか映画とか、映像
系の記憶の中から何かつかえるかもしれん」
アニメ好きな海士の一人がDVDを持ち出し、小型のプレーヤーにかけて
何かのアニメDVDを再生した。魔法幼女隊アルスとかいうタイトルの話
のようだ。小さな液晶画面に見入って、時たま「萌えっ」などと呻く。

「WAVEのさ、神代3曹が素っ裸でCICに飛び込んだって聞いた?」
にきびだらけの顔がいやらしく歪んだ、太った海士は成年コミックを何冊
か持ち込んでいた。
「あれだろ?ムーンクエストとかいう、そのなんだ? てーぶるとーくR
PGってやつの魔法を何度か試してたら、いきなりおかしくなったってな」
ごつい体格をした海士が、年代物のゲーム攻略本をめくりながら答えた。
彼はスターゲイザーというSF物RPGゲームに使われる、超能力の類いを
一通り試した。彼の声量豊かなシャウトは空しく蒼空と大海原に消えるばか
りだった。ベッドに寝転んでいた小柄な海士が飛び起きた。
「おい、いいこと思いついたぞ!ちょっと弾薬庫まで行こうぜ!」

〜弾薬庫前〜
弾薬庫の出入り口は固く閉ざされている。そこへ遅く昇進した2曹を連れて
ゆき、ドアの取ってと2曹を手錠でつなげてやった。
「お前等、こんなことして後がどうなるかわからんのか!」
2曹が精一杯に虚勢を張った。彼は陸曹になった現在でも虐めの対象である。
「これから俺が出すクイズに正解できたら、手錠を解いてやるぜ」
問1・悪の魔術師ワードナが最も得意とする攻撃魔法の名前は何?
「知ってるさ、ティルト・ウェイトだ!」

一隻の護衛艦が爆沈した。

167 名前: 名無し三等兵 2005/10/07(金) 20:56:14 ID:???

☆宿屋と薬草の巻☆

自衛隊宿営地に接近した怪物の群を追い払うために、小官は1個小隊の
警戒隊員を率いて出撃した。装甲車や車輌に乗った隊員が各々に、小銃と
軽機関銃でもって怪物に銃撃を浴びせる。
怪物どもは、宿営地に向かって一直線に突進していた。その最前列に居る
怪物が弾け飛んで、肉片と血しぶきを宙にぶちまけられた。
同族の死体を何匹分か置き去りにして、怪物の群は来た道を引き返して
行った。小官が射撃の停止を指示して、最後の銃声が鳴り止んだ。
「勝った、勝った。今日も無事に終われたな」
そう言って、隊員Aがほっと溜息をつく。怪物の死体が転がる中に、動く
物があった。腰から下がもげて歩けなくなっている、怪物の生き残りがい
た。それを見つけた小官は銃剣を小銃に着剣して、高機動車を飛び降りた。
「グフフッ! 小官、肉に突き刺す銃剣の感触が嫌いではなくてなぁ……」
小官は怪物の方へ、一人で駆けていった。地面にうずくまって、呻いて
いた怪物の生き残りに、小銃の先に着けた銃剣を何度も突き刺した。
グチャ、グチャッ、ムシュ、皮が裂かれて、肉を斬られる音を隊員達も聞
いた。小官が楽しそうに銃剣を突き出していると突然、小官の右腿から尻
に渡る大きな切り傷が開き、血が薄い扇状に噴出した。見ていた隊員達は
驚いた。小官は何が起きたのか理解できず、傷を手で押さえながら叫び声
を上げた。
小官に刺されていた怪物が絶命する瞬間、反射か何かで勢いよく腕が振
れて、手先の爪が小官の体をかすめたらしかった。

168 名前: ☆宿屋と薬草の巻☆ 2005/10/07(金) 21:14:15 ID:???

5分くらい経っても小官が死なないので、隊員たちはトボトボと歩いて
小官の所まで担架を運び、小官を車に収容した。陸曹長の指揮で車列は動
き出した。小官の傷が開くといけなかったので、スピードを抑えて車は走
り、宿営地に帰還した。小官はプレハブ造りの医務室に運びこまれて、医
務官による手術を受け、一命を取り留める。麻酔から醒めたばかりで気力
の弱っている小官に、医務官は冷酷な処遇を告げた。
「ここのベッドに空きが無くてね、悪いけど町のホテルにでも泊まって、
気長に療養しててもらうことにしたよ。なに、月に2度は診に行くから」

小官は1t半トラックの荷台に乗せられて、宿営地を後にした。
宿営地から一番近い大きな町のホテルに着くと、隊員が3人がかりで小
官を荷台から降ろした。担架をてさりすと士長とクマラン士長が持ち、
先頭に ◆YXzbg2XOTI 3曹が立ってホテルに入った。ホテルのフロント
で◆YXzbg2XOTI 3曹はフロントマンと交渉に入った。
「エコノミールームが週10ゴールド、HPは3ポイント回復します。
クォリティルームが週15ゴールド、HPは5ポイント回復します」
フロントマンの説明を聞いて、◆YXzbg2XOTI 3曹はすぐに値切りを要
求した。あいにく、その類いの交渉に乗るような格のホテルではなかっ
たから、値切りは体よく拒否される。
「もっと安い部屋は無いのかい? 馬小屋とか犬小屋とかさ」
◆YXzbg2XOTI 3曹、ニホン国から来た兵隊が品の悪い冗談を言ったの
だと勘違いして、フロントマンの苦笑する顔が引きつった。
「……ご冗談を、お客様。それは大分昔のお話でして」
部屋の隅に置いとかれた小官は不安になって、冷や汗をかき出した。

169 名前: ☆宿屋と薬草の巻☆ 2005/10/07(金) 21:40:09 ID:???

◆YXzbg2XOTI 3曹の粘り強く続けられた交渉によって、小官は最も
部屋代の安いタコ部屋に入れられることが決まった。高く積まれた毛布
以外に何も無い広い部屋に、数十人の貧乏な旅人たちが雑魚寝する部屋
だ。週1ゴールドの金で泊まれて、HPも1ポイント回復する。小官が
動けるようになるには、HPを15ポイント以上回復させる必要がある。
ホテル側に15ゴールドの金を支払って、35ゴールドが◆YXzbg2XOTI
3曹のポケットに入れられた。
「よっしゃあーっ! モリーの店に行こうぜ!」
◆YXzbg2XOTI 3曹は自衛隊御用達となっている売春宿へとトラックを
走らせた。

小官が寝かされた大部屋は壁紙すらなく、天井が低いので湿気がこも
るし圧迫感を眠る者に与えた。夜も更けて、大部屋の客が皆寝静まる中
に苦痛に苦しむ男が一人居た。小官が、再び痛み出した切り傷をさすり
ながら涙を一粒だけこぼす。食べ物や着替え、その他諸々の荷物を入れ
てある袋に手を伸ばした。袋と中身がガサつく音で迷惑をかけないよう、
小官は慎重に袋の中をまさぐる。鎮痛剤の入ったケースを探り当てて取
り出し、カプセル状の薬を口に放り込む。
尻に切り傷があるので、小官はうつ伏せのままでペットボトルの水を
口に流し込んだ。少しむせて、毛布を水で濡らしてしまった。
どっと寂しさと不安が押し寄せてくる。小官はこの異世界に来て初めて
の疎外感を抱いた。それは捉え様が無く、虚しさに満ちて、ひどく重た
い気持ちだった。 (続く)




209 名前: 名無し三等兵 2005/10/09(日) 00:33:19 ID:???

その日の出来事を酒場で語り合う人間とモンスター。
モ「仕事終わったぜ」
人「おう、お疲れさん、はいよ」
「お、すまねえな。…………ぷはーっ生き返るぜ」
「ずいぶんとまあ、傷だらけじゃねえか。負けたのか?」
「バーロウ、勝ったよ!」
「機嫌悪そうだな? どうした?」
「今日この町に来た奴らいたろ?」
「ああ、勇者とか言ってた連中か」
「そうそいつら。何なんだよアレ」
「ん?」
「まあ、人によりけりだぞ?
一人じゃ勝てないから徒党を組むのは分かる。それぞれの特技を活かして効率良く戦うのも分かる」
「……全員魔法使いで遠距離から不意打ちでもくらったのか?」
「いんや。 四人とも毒針装備」
「……」
「しかも麻痺攻撃かけて、前後左右から」
「うわ……」
「運良く麻痺にかからなかったから良かったけどよ……、あいつらと違って俺ら生き返れないから」

210 名前: 名無し三等兵 2005/10/09(日) 00:34:25 ID:???

「ああ、そういえば勇者たちってそんな特権あったな。……で、彼らは?」
「ムカついたんで殺した。それでも満足できなくてよ。
ほら、しばらく前にこっちに来た鬼強な奴ら、ジエータイって言ってたか? 道に迷ってたんで教えてやった代わりに、四人をズタズタにしてもらったわけだ。
サトウって奴、気前が良くてな、センシャとかいう鉄の化け物で踏み潰してもらってよ、その化け物の手綱をとってたナカム…何だっけ?
そいつが四人の真上でグルグル回してくれてよ、地面と区別できなくなっちまったぜw
サトウが『やりすぎだ』ってナカムを殴ったんだけど俺は感謝したよ」
「……へ、へえ、彼ら、この辺に来たのかい? 何か商売になりそうなネタ、持ってなかったか?」
「臭くて黒い水が湧き出てる場所がないか知りたがってたな」
「うーん? 心当たり無いなあ……」
「まあ、あいつらも可哀そうだよな……」
「どっちが」
「勇者とか言う方。偉い国の王におだてられてなったそうじゃん。俺に殺られるくらいじゃまだまだだね」
「魔王を倒すまで死ねないんだっけ? 仕事放棄すると狂い死ぬほどの激痛がくるとか……」
「俺らの間じゃ『生贄勇者』なんて呼んでるぜ」
「はっはっはっ、良いネタ聞かせてくれた礼だ」
「うぉっ樽かよ、良いのかい? 俺だけじゃ悪いから仲間呼んでくる」
「いってらっしゃい」

投下終了。


301 名前: 名無し三等兵 2005/10/14(金) 23:22:52 ID:???

☆神聖小官大万歳帝国興亡記☆ 最終章

全ての土地を征服し、小官はこの異世界に支配者として君臨した。
神の台地と呼ばれる丘の上に建設された巨大なモニュメント、神聖
小官大万歳帝国之全世界制覇記念城に、今まで旧世界の各国支配者
たちが連行された。

光源、高低差、音響、色彩、高く抜ける天井の開放感、謁見の間
を成す全ての要素が、小官を偉く見せるためだけに計算され尽くし
て造られている。玉座から立ち上がり、旧支配者たちに向けた小官
の眼差しは、どこか普通の人間ではないもののように異質である。
旧支配者たちはやがて頭を垂れ、膝を地に立てて恭順の意志を表し
た。

小官自身と同じく、この異世界に本人の意思とは関係無く召喚
された自衛官たちが玉座の高台を囲むように整列していた。旧王
の誰もが小官に跪いた時、自衛官たちは皆が勝ち鬨を上げた。
短く、3度に渡って天井に応の叫びが木霊した。涙を流す者がい
る。目をつむる者がいる。ただひたすらに、勝利を勝ち誇る者た
ちがそこにいた。

そして神が現れた。便宜上、神と自衛官たちが呼ぶその存在は
光の塊となってそこに姿を見せた。旧王たちは事態を把握できず、
光塊を見上げるばかりで何もできない。小官が一歩前へ出る。
光塊に真っ向から向き合った。光塊が小官の意識に直接語りかけ
た。
「君達は使命を果たした。この世に用は無くなり、元居た場所へ
帰そう。望むのであれば、私に可能な限りの要望を叶えよう」



313 名前: 名無し三等兵 2005/10/14(金) 23:42:41 ID:???

小官は桜印が刻印されたマントをひるがえし、自衛官たちに向かって
問うた。
「小官に報告せよ、諸君らの総意に則した望みは何か!」
自衛官の一人が、滝を昇るかの声を発した。
「帰還を、祖国日本への凱旋を果そう!」
それに倣い、次々と賛意の声が湧き立つのだった。
「今こそ帰ろう、元の世界に帰ろう!」
「この日を待ちわびながら、今日まで我々は戦い抜いてきたんだ!」
賛成、反対、どちらの声も上げず、黙するばかりの隊員が数人いた。

小官が右足を後ろに引き、踵を上げる。一分の緩みも無い鋭利な
動作で、回れ右をした。空間を断ち切るかのように分厚く、厳正を
極める敬礼を光塊に捧げた。そして、自衛官の声を代って表する。
「小官は望む、我々日本国自衛官の全員を元の世界へ帰され給え!
この望みには、小官自身は含まないものとする」
黙していた少数の隊員たちが、ぎょっと目を剥いて驚いた。

小官は再度進んだ。光塊と小官は触れ合わんばかりに近く寄り
合った。「小官は望む、本官は新たなる戦へ向かわんが為に、汝
の力により遥かなる異次元へと旅立たんことを!」
整列した自衛官らの中から飛び出す人々が出た。高い壇上の小官
にすがらんばかりの彼等が、小官を仰ぎながら懇願した。
「小官殿、俺達もついて行きます!」
「貴方の行くところが我々の前線だ、置いていかれるのはゴメンだ!」

小官が手を上げた。足元に縋る自衛官たちをゆっくりと見下ろす。
「お前たちはもう、不要なのだ」
小官が手を振り下ろす。目で捉えることの叶わない力が、すがる彼等
を弾き飛ばした。光塊から光の螺旋が生まれ、小官と、整列したまま
の自衛官たちを別々に包み込んだ。その光の螺旋はゆっくりと明るさ
を増し、一本一本の光条が太くなりつつある。この異世界と、自衛官
たちを隔絶しつつあるのだった。




319 名前: 名無し三等兵 2005/10/15(土) 00:01:14 ID:???

弾き飛ばされた自衛官達には、光は届いていなかった。光の螺旋
に閉じ込められつつある者たちが声を上げる。
「こっちに来ーい! 帰れなくなるぞー!」
その声を無視して、彼等は再び小官の下へ向かう。
「うるせえっ、勝手に失せろ、あんな世界は二度とゴメンだ!」
光の塊がぐんぐんと大きくなり、ついには謁見の間を光で満たした。

そこに残された者たちが目を覚ました時、小官と自衛官たちはもう
この世界から存在を消し去っていた。小官と、21世紀の日本から来
た兵士が消えたということを悟った王たちの顔に、強者の驕りが甦る。
「フハハハハハッ! 悪魔は消えた、仲間どもも失せ帰った。お前た
ちは皆殺しにしてやる!」
王の一人が小銃弾の連弾を浴び、裂けた肉塊となって床に臥せる。
この異世界に残ることとなった少数の自衛官たち、彼等は後に一つ
の教団を結成し、育て上げた。小官の再臨を待ち、その時のために
準備を整えるという使命を帯びた教団が完成した。

小官の意識は速度の概念を飛び越え、次元の間に当たる空間を泳
ぐ。肉体は設計図と材料のみを分解した状態で携行し、気に入った
次元に飛び込めばすぐに再構成されるだろう。
ここには距離も、時間も、光も、人間が名前を付けていた概念は一
切存在しないようだ。例えるなら、全宇宙に点在する銀河系をそれ
ぞれ覗いて回れるようなものか。一瞬という間すら無い。

小官は一つの次元を覗いてみた。ここにはまだ、主となる存在は
居ないようだ。生まれたばかりの宇宙が冷えて、最初の星が出来よ
としている段階だ。その次元に小官の意識は飛び込んだ。
小官はこれから長い間、その宇宙全体を見渡しながら時を過すのだ
ろう。

小官は、自衛官から神になった。そして造物主、創造者へと成る。
(終わり)


321 名前: 名無し三等兵 2005/10/15(土) 00:15:05 ID:???

エピローグ

古びた営舎の宿直室にノートパソコンの画面が明るく浮かび上がる。
その光に顔を照らして、一人の幹部自衛官がさかんにキーボードとマ
ウスを操作している。彼はリアルタイム・シミュレーションゲームを
プレイして秋の夜長を過していた。ボタンをクリックする音がカチカ
チと煩いので、眠っていた当直陸曹が迷惑をやんわりと訴える。
「2尉、勘弁してくださいよ、勘弁してくださいよ。明日は日曜です
よ、昼やればいいじゃないですか。朝の外出ラッシュに障りますよ」

2尉とよばれた男の額に、太い青筋が走った。机からライターを
取り出すと握り締めて、起きた陸曹のズボンとパンツをずり下ろす。
「な、なにすんすか?!」陸曹が尻の穴に力を入れた。
2尉と呼ばれる男は問答無用とばかりに、ライターの火で陸曹の陰
毛に着火した。あっという間に彼の股間はカチカチ山状態だ。

「あっ、アッ、アッツッアッゥ!」陰毛の燃える勢いが激しく、手
でかき消そうにも熱くて触れない。2尉は残虐な笑みをこぼす。
「ヴァーか、小官に向かって営内服務を説くとは釈迦に説法、悟空
に金斗雲、東京アクアラインよりも無駄な思い上がりだぞコラ!」

2尉と呼ばれる男は陸曹のケツを剥きだしにして、肛門まわりの
毛まで焼き始めた。
ノートパソコンの画面では、2尉の指揮していた軍隊が敗走し、大
勢の兵士が殺されたり、戦闘を放棄して捕虜になっている。やがて
ゲームオーバーが宣告され、敗北が決った。
当直室に、毛の焼ける臭いが染み付いた。(終わり)



350 名前: 名無し三等兵 2005/10/17(月) 13:29:10 ID:???

F世界を旅する小官とその一行はある日のこと、幾つかの泉が集まって
いる土地を見つけた。土地の者によると、その泉につかると性別が逆転す
るそうだ。その話しを聞いた小官は思案した、部下の誰かを女にしてしま
えば、少なくとも道中のオマンコには不自由しないな、と。

小官は部下の顔を一通りにわたって見比べた。少しして、一番の女顔な
陸士を泉の前に連れて行った。
「泉の水の匂いを嗅いでみろ」小官が言った。
女顔の陸士はかがんで、水面に鼻先を近づけた。
すると、背中に強い衝撃を受けて前のめりに転び、泉に落ちてしまった。
小官が、女顔の陸士を背中から蹴飛ばしたのだった。


354 名前: 名無し三等兵 2005/10/17(月) 21:51:06 ID:???

女顔の陸士が泉に沈んで10分が経過した。彼はまだ浮かびあがって
こなかった。小官がみんなの視線を受けて、慌てた。
「そっ、そんなに深いのか、この性転換泉とやらは?!」
そこへやって来た、別の地元民が血相を変えて自衛官たちに尋ねる。
「ここは恐ろしい悪魔を呼び出す泉アルよ! この泉に入った者は
犬でも人間でも、地獄に落ちて強い力を持った悪魔になって帰って
くるぅ!」地元民は逃げ出した。

自衛官の一人が、小官の背後、泉がある方向を指差した。
「小官殿、あ、あれを……」
小官が、脂汗を流して振り返った。そこには大きくて、柔らかな金属を
思わせる質感の手があった。
泉に蹴落とされた陸士は悪魔に変身して、小官に復讐を始めたのだった。
圧倒的な力によって身動きを封じられた小官は、悪魔の固い爪によって
肛門をぐりぐりとえぐり回されて苦しみ、悶絶死した。(終わり)



449 名前: 名無し三等兵 2005/10/20(木) 23:11:05 ID:???

黄金の草原
それが重そうに頭を下げる穂の海が
太陽に照らされ輝いている風景を見た
塩野と佐藤の感想だった
「こんな風景をみていると
あの大農場を思い出すな」
「ああ」
何かを懐かしむ様に話しかけてきた佐藤2尉に
塩野2尉は短くそう答えた
それは特に何らかの意味や
感情を込めた言葉では無かったが
塩野にある事件で負い目を感じている佐藤には
無言の圧力に感じられた
「・・・塩野には悪いことをしたな。
お前を巻き込むつもりは無かったんだ」
佐藤が感じている負い目・・それは彼が
召喚国のエルフィールに対して一種の

450 名前: 名無し三等兵 2005/10/20(木) 23:14:56 ID:???

そもそも今回の戦争は同盟国の為の戦争でも無いし
我が国を守るために必要な戦争でも無い
日本から見ればエルフィールの
自分勝手な都合で呼び出され
元の世界に帰りたければ戦えと
脅迫される様に始まった戦争なのだ
戦争そのものに疑問をもち開戦に
反対する人間も少なく無かった

悲しいかな
自国内に資源地帯を持たないと言う国内事情は
反戦派ですら認めざるを得ない現実でだった

451 名前: 名無し三等兵 2005/10/20(木) 23:17:28 ID:???

豊富な食糧と未開発の資源地帯と言う名前の短刀を外套から僅かに
それでいて確実に見せ付ける様にして
悪辣な外交交渉を行ったエルフィールの全権大使
ボブザックに対抗為うる外交能力を
転移後の日本は持ち合わせてはいなかったのだ
そして何より・・浪速節な物語を好む日本人にとって
被支配国を救う為の戦いと言う大義名分は
甘い蜜で有りすぎた

452 名前: 名無し三等兵 2005/10/20(木) 23:19:56 ID:???

結果として日本は縁も由もなかった
エルフィールの為にオーランに宣戦布告したのだ
それから2年この戦争は続いている
石油等の資源回収にもなんとか目処が付き
戦争そのものは一時期の休戦期と似たもので
眠っているかの様な状況を保っている
それでも恐ろしい程の勢いで
国力を消耗している状況には代わりはない
国内にもいい加減に浪速節から目覚め
現実を見ようと言う人間も産まれて来る
その中の一人に佐藤はいた


455 名前: 名無し三等兵 2005/10/20(木) 23:44:17 ID:???

彼は元の世界に諦めこの世界に腰を据える事を決意した人間だった
彼は日本はエルフィールと手を切り
オーラン帝国と手を結ぶべきだと主張し始めた
資源確保の目処が付きエルフィールの外圧が
威力を失いつつあるいまこそ
その機会であると佐藤は確信していた
だが、浪速節に熱狂している人間には
佐藤の主張は裏切り者のざれごととしか認識去れず
また比較的冷静な者達からも非難される事になる
「そんな事をしたら未だ故郷に帰る希望を捨てていない在日米軍や
反対者達と内戦になるかもしれない」と
勿論少なくない人間が佐藤に同調した
だが事態がこれまで以上に混乱する事を恐れた上層部は
彼を辺境に飛ばす事を決意したのだった




510 名前: 名無し三等兵 2005/10/25(火) 19:03:45 ID:???

日本列島は異世界に召喚され、小官は現地で12歳の女の子と結婚しました。

流石に、結婚してすぐに体を求めたりはしませんでした。キスと愛の言葉だ
けで、彼女は充分に満足してくれていたからです。

ですがやはり、いつまでもそれで済むということはありません。16歳にも
なると、彼女も性の欲求を感じるようになったのです。小官は罪の意識に少
々萎えながらも、彼女の処女を貰いました。
か細い体で、小官のビッグジュニアを懸命に受け入れてくれました。
未熟な胎内に、私の子種を一杯に迎え入れてくれたのです。
ことが終わった後、彼女は涙目で私に微笑んでくれました。
その姿の、なんと可憐だったことか!

時は残酷でした。私と彼女が結婚してから30年の時が経ちました。
私はやせ細り、制服のウエストは最も細いものを着用しています。
反比例するかのように、彼女はバスト100、ウエスト100、
ヒップ105という、どこからみてもおばさんの体型になりました。
一日3回の食事では、家族の誰よりも大量の飯を食い、酒を飲み干し
ます。

後からわかったことですが、エルフは人間と同じ食生活をすると爆発
的に太るのです。それが人間の食事の味に慣れてしまうともう、歯止
めが効きません。カロリーの高い物というのは、どういう生物が食べ
てもやはり美味しい物だということでした。 (完)


589 名前: 名無し三等兵 2005/10/30(日) 22:31:22 ID:???

☆小官殿と浮遊大陸@☆

小官とその部下たちは飛行船を手に入れ、空を渡って浮遊大陸にやって来た。
略奪を働くのに適した規模の町か集落、そこそこに経済活動が営まれていて、
強力な防衛力を持たない。そんな土地を探して、浮遊大陸の周囲を飛行した。
しかしどれだけ飛んでも、無人の荒地や岩場ばかりが続いていて、人の姿を
見かけることは叶わなかった。ずっと地面を見張っていた自衛官が、小官に
進言した。
「人っ子一人、いねーんですけど。人が住むには小さすぎな島なんじゃないすか?」

小官は進言した部下を下がらせて、意見はもっともだと内心でつぶやいた。
今回の任務は空中に浮遊する大陸で暮らす人々に対し、詳細な生活実態の調査協力
を取り付けることが主なものとなっている。その過程で、中央との連絡や行き来の
乏しい田舎の浮遊大陸で略奪と陵辱を行おうというのが、小官の企みだった。
できれば、抵抗力の無い村落でも襲えれば……そんな皮算用から、この浮遊島
に目をつけて、こうしてやっては来た。

「たかが10人程度で制圧できる村なんてのが、そう都合よく見つかるなんて
考えが甘かったかも知れませんよ。本命の大陸に向かいませんか?」
天井のハッチを閉めて、降りて来た自衛官が諭し気味に話しかける。
さっきまで天測をやっていたから、地図と六分儀を手にしていた。
「中央に行けば、警備の手薄な浮き島はどこかなんて情報もありましょうや」
器材を棚にしまいながら、小官に転進を勧めた。片付けを終えて振り向くと、
小官は座席に深く腰を据え、ややうつむき加減の顔に影を落としている。
真一文字に結ばれた口からは無言だけが聞こえてくる。考え込んでいるようだ。

「いや、小官は確信しているのだ。この島には必ず集落がある」
それを聞いて、小官の部下と操縦士は肩を少し落とした。小官の思いつききに
このまま付き合っていても、手当てが加算されるわけではないから。


802 名前: 名無し三等兵 2005/11/06(日) 21:23:32 ID:???

ある晴天爽やかなりし日曜日のことだ。
小官の所属する中隊行事として、家族交流会なるものが催された。
何のことは無い、家族持ちの隊内勝ち組男たちの家族サービスを、
負け組みたる独身組みに無償で手伝わせようというだけの話しだ。
開催時刻が近づいて、隊員の家族とおぼしき母親とその子供らが
大挙して駐屯地の営門を通ってやってきた。
若手の陸士らが道々に立って、よちよち歩きの子供らを誘導して
いるのを監督するのが小官の役目だ。
しかし、小官とてお人よしではない。おお、乳臭いガキ共の中に
も、おいしそうな体をした小○生女児が何人かいるではないか。
その中で最も小官の脳裏に焼きついた姿、ショートカットに、白い
膝の裏がまぶしい、健康的な少女が気に入った。ぷりぷりのお尻の
ラインが短パンの上からはっきりわかる上に、タンクトップの腋か
ら乳がすこし見えているのもグッドだ。
さて、後はこの場の監督を陸曹に任せて、小官は交流会会場に向か
うとしよう。
身の程知らずにも、小官より先に美しい妻と子供を手に入れた下衆
どもめ、目に物見せてやる。小○生の新鮮オマンコを通じて、小官
の聖液をたっぷりと注ぐ様子を想像するだけで、小官の股間は弾け
るばかりに膨らんだままでいるのだ。


807 名前: 名無し三等兵 2005/11/06(日) 22:18:52 ID:???

魔王の城を、その床を私は踏みしめている。
そして出会う、魔王の孫を名乗る子供のが一人。
動く者の無い、この静かな廃墟に魔王の末裔と
して暮らすこと数百年、彼女は心を石にしたま
まで、肉体を残して朽ち果てるに任せていた。

私は無性に彼女を抱きたくて、衝動を抑えずに
動いた。その眠る肩を抱き寄せて、胸を一杯に
押さえつける。頬ずりを流して、彼女の了承な
ど得ないままに、貪り尽くした。
人間に例えるなら、まだ10歳か否かという若
い肢体がみる間に熱と赤みを取り戻す。

殺そう、殺してやろう、銃弾、迫撃砲弾、ナイフ、
無線機、毒ガス、ミサイル、火炎放射機、残忍も
極まる罠……私の使えうる全てでもって、彼女を
消そうと企む勇者共、一人残らず叩き潰すさんと!


866 名前: ネタ投下 2005/11/09(水) 01:05:35 ID:???

竜は驚愕した。
現実を嫌と言うほど目の前に示されても信じられなかった。
竜に名は無い。彼らは己と同族を区別する必要がなかったからだ。
彼らは竜であり、竜であることが総てだった。それで事足りた。群れる必要も、互いに情報を交換することも、またっく不要であった。
彼らは生まれつきに親の記憶の断片を受け継いでいたし、ドワーフの作り出した青銅の剣も、エルフの歌声も、汚わらしい闇の者の呪いも、彼らのその鋼鉄の肉体の前では無力だったからだ。
だから、彼らはこの世界では神に等しかった。
好きな時に殺し、気の赴くままに生かし、気に入らなければ何の躊躇もなく燃やした。
この世界の如何なる者であっても竜の前では無力だった。無力だと誰もが信じていた。
そう、この時までは――


867 名前: ネタ投下 2005/11/09(水) 01:06:30 ID:???

「ぎあああ!」
少女は、夢を見ているのだと思った。
「ああ、あぁああああああ!!」
のたうつ巨体から叫びが聞こえる。恐ろしい声だ。頭に響いて、体を振るわせる。大きな大きな声。
それは悲鳴だった。だからこれは夢なのだ。――そう、竜が悲鳴など上げるわけがない。
竜は悲鳴を上げさせる側なのだ。見る限り、聞く限り、それは絶対なのだ。短い少女の人生の中で、それは既に絶対だった。
だから、これは夢に違いない。
”竜”が、”人”に一方的に弄られるなど、そんなことがありえるはずがない。
「ぐぅ、ぎ……が……」
悲鳴が止む。変わりに、大きな悲鳴に隠れていた小さな音が断続的に聞こえるようになる。
パン、パン、はじけるような音。そして、音が鳴ると同時に竜の体が砕け、削れて、跳ねる。
――竜の血は青いんだ。
なるほど、いかにもそれらしい夢だ。だが怖すぎる。少女はそう思った。
――夢なら、そろそろ醒めたい。だってほら、あの”人”が、こっちに気が付いた。
黒い髪の黒い瞳。年を経ているようでもあり、若者のようでもある顔。
けっこうかっこいいのに、全体の印象がセンスの悪い服で台無しになっているのが残念だ。
ああ、私は何を考えているんだろう。混乱している。
手元にあるのは岩の杖だろうか? それも、あまり似合ってはいない。
あの竜を打ち倒した様子から見ると、祈祷師か、魔術師か、その類なんだろうけれど――

どさっ

――あ、倒れた。




894 名前: 名無し三等兵 2005/11/10(木) 22:08:21 ID:???

「くそ、まだるっこしい! 小官殿! 俺が犯りま…」
「馬鹿者! 我々は侵略者ではないのだぞ!」

小官は我慢し切れずに迷彩服下衣の前ボタンを外した地位士長、通称『G』の頬桁を力の限りにぶん殴る。
自衛隊では暴力は御法度だか、ここは最早『戦場』で、そしてコイツは指揮者の命令を無視した。つまりは、
『違法性阻却事由』に当たる。したがってこれは暴力行為では無い。純然たる『指導行為』と看做される。
…平時では即民事訴訟ネタと昇進に関わる事なるのは言うまでも無い。転移万歳! ハハハハハハ!

「お嬢さん? 我々はただ、宿営地に悪戯をする子供達を叱りに来ただけだったのだ。しかし、そこで死んでる
愚か者の―貴女の血縁者ならば済まないが―聖職者が、集落の男達をけしかけ、我々に抵抗したのだよ? 」

端正な娘の顔が呆然と為る様が小官の笑いのツボを刺激する。そうだろう。残虐な侵略者は、実は自分達、
大人の事など歯牙にもかけて居なかった事実を知ったのだから。こいつは笑うしかない。仕掛けた奴を恨め!

「では…では…」
「そうだ。仕掛けて来たから殺した。それだけだ。我々は専守防衛を旨とする組織だからなぁ? 陸自は? 」

小隊陸曹! いい味を出してくれるでは無いか! 流石、紫電改曹長だ! 皮肉にソツが無いぞ! 小官の
台詞を半ば取ったのは頂けないが、小官の渋みを損なわぬその配慮、痛み入るぞ! んじゃ、始めるか!

「子供達を此処へ全員連れて来い! 熊欄士長! あ、陸曹候補生か。スマン、訂正。熊欄候補生! 」

小官の詭弁にウンザリした顔を見せていたそいつは脱兎の如く走り去って行く。さあ、イッツ・ア・ショー・ターイム!



47 名前: 名無し三等兵 2005/11/12(土) 18:06:34 ID:???

空気を読まずに理想の小官を書いてみるテスト


ある日、F世界の貴族娘が小管隷下の部隊駐屯地にきた。
見た目麗しい金髪碧眼の娘だった。
むさい男に囲まれた生活にいい加減飽きていた小管は、なにやらニヤニヤと笑いつつ娘と一対一で会うことを決めた。

『異世界の戦士様、私の領地を守ってください。もう、あなた方しか頼れる人はいないんです』
そういって娘は小管の膝の前で跪いて、白い指で頬にかかっていた長い髪をかき上げた。
小管は言った。
「しかしだね。きみの領地で一揆が起こったのは必然だよ。自業自得とも言うね。
聞くところによると、君の治める領地では奴隷の存在が黙認されているようじゃないか。
税率も無駄に高いし、そのために餓死者も出しているのだろう?
そんな領地を手助けすれば、民衆と戦うことになる。同氏達も納得しまい」
無駄に説明臭い口調だ。
『私、何でもする。そう、なんでも……』
少女が小管の膝の間に頭を埋めようとした。
「本当になんでもするのか? その覚悟があるのか?」
『ええ、貴方が望むことなら……』
娘が目をうるうるとさせて小管を仰ぎ見た。小管は娘の頭の上に手を置き、その金色色を弄びながら
「じゃあ、とりあえず奴隷性を廃止しなさい」


『むむむ』
「なにが、むむむだ」



84 名前: アフラック 2005/11/13(日) 01:38:45 ID:???

神聖小官大万歳興亡記 第二獄

F世界に誕生した一大帝国、(神聖小官大万歳帝国)が30万余りの
軍勢を皇帝小官自らが率いた。南方に位置するトラキロア王国に侵攻し、
トラキロア王国との国境から北部の一部分を制圧するに至った。侵攻
序盤に陥落せしめた、トラキロア王国の中要塞を侵攻の前線基地として、
皇帝小官はそこに腰をすえ、侵攻軍団の指揮を取るのだった。

神聖小官大万歳帝国紀にして、12年夏の2月中旬にトラキロアに
対する侵攻が開始されていた。そして、現在は同年冬の月、1月になっ
ている。神聖帝国上層部が初期に立てた目論見では、既にトラキロア
の王都陥落は目前となっている時期であった。しかし、実際そうはなっ
ていない。軍団の進撃は遅れに遅れ、初期目標の半分すら達成されて
いない。最大の要因として、海上輸送補給路の構築が成功していない
上に、補給物資たる品々事態が、帝国本土においても品薄になり始め
ていることがあげられる。


86 名前: アフラック 2005/11/13(日) 01:58:20 ID:???

神聖帝国軍の侵攻計画を大まかに網羅すると、以下にまとめられた。

@侵攻軍主力は補給路が整い次第、前線基地から南下してトラキロア王都
を攻撃する。

A侵攻軍東部方面軍により、トラキロア王国最大の港湾都市、ゴニョゴニョ
市を攻略する。後に同市は本国からの輸送艦隊を受け入れる拠点となる。
これによって、侵攻軍主力の進撃を可能にするだけの補給物資を確保する。

B侵攻軍西部方面軍により、トラキロア王国西部の軍事拠点を攻略する。

C侵攻軍第29軍+αを西北させ、3つの小国が隣り合う穀倉地帯を併合、
確保する。後に兵糧の供給源として利用する。

重要度順に並べると、侵攻計画は以上の4項目となる。
項目@の実行には、項目Aを成功させることが必要になる。手持ちの物資
と陸上輸送による補給量では、主力軍を中央へ進撃させることができない。
トラキロア王国側には、列島ごとこの世界に転移してきた日本からの支援
として自衛隊戦力が投入されている。
神聖帝国の放った忍者が持ち帰った情報によると、日本政府はまだ完全
にトラキロアに対して肩入れするふんぎりがついておらず、派遣された自
衛隊戦力は陸自の一部と輸送用の海自艦艇のみであることがわかっている。

神聖小官大万歳帝国の皇帝、小官自身も元は自衛官であり、日本列島よ
りもだいぶ先立ってこの世界に召喚された日本人だ。上層部の人間として
小官に従う何人かも同様の出自である。だからこそ、この侵略戦争はなに
がなんでも早く決着を付けないとまずいとわかっていた。
遅かれ早かれ来年中になれば、日本は資源の問題からせっぱつまること
はわかりきっている。そうなれば、自衛隊の総力を結集してトラキロアを
支援するのは目に見えていた。なにしろトラキロアには、石油が出るのだ
から。


97 名前: 名無し三等兵 2005/11/13(日) 03:48:28 ID:???

西暦2200年、日本連邦軍は地球連邦政府に対して戦争を挑んだ。
戦場は大気圏内と大気圏外において繰り広げられ、物量で劣る日本
連邦軍は戦況を悪化させつつあった。

戦争末期、日本連邦軍側に残された数少ない宇宙拠点、ツナルーに
おいて一隻の新型航宙巡洋艦が完成した。しかし量産するための資
源はすでに尽きており、ツナルー司令官は新型艦を地球の日本連邦
本土に退避させるため、単艦での出航を命じた。

新型艦といえども、地球連邦軍宇宙艦隊の大気圏突入阻止線を突破
することは困難を極める。艦長(人工育成された天然エリート)以下
乗組員の全員が、この処女航海が決死行となることを自覚していた。

宇宙拠点ツナルーから地球へ向かう道中、新型艦は突如として発生
したブラックホールに吸い込まれ、異世界へと転移してしまった。
ブラックホールに吐き出された艦は巨大な力によって押し流され、
地球と良く似た姿の惑星へと降下する。そこは21世紀初頭の地球、
日本連邦発足以前の地球世界である。艦は少しずつ能力を取り戻し、
日本列島太平洋側に不時着、演習中の海上自衛隊と米海軍を驚かせ、
そこで未来の驚異的な軍事技術の一端を見せてしまった。
(砲弾を慣性制御で受け流し、米海軍イージス艦のシステムを未知のパルス
照射攻撃で無力化した)

同胞ということで日本に身を寄せた艦長一行たちは微妙な立場に置かれ、
米軍の強い干渉によって艦を取り上げられそうになるも、これを拒否して
日本海側に逃げた。今度は中国・統一朝鮮帝国・ロシア連合軍と日米同盟
間の戦争に巻き込まれたりして、収拾がつかない。



272 名前: 名無し三等兵 2005/11/16(水) 03:33:52 ID:???

小高い丘の上で、小官が真剣な面持ちでオナニーをしていた。
小官の手の平とペニスが擦れて、コスコスという摩擦音がそよ
風の中に溶けていった。やがて、小官は射精に至った。
「うむっ……ほふぅ〜」
圧力に押し出されて噴出した精液が風に乗り、精液の滴が遠く
数メートルまで飛散した。
最も遠くの地点に落ちた精液の所まで、メジャーを持った男が
精液の飛距離を測定するために走った。小官が尋ねる。
「何メートルだ?」
5、6秒の間が空いて、測定した男が答える。
「6メートル45センチメートル、新記録です」
ガハハ、と小官が声を上げて笑った。
「ふむぅ! やはり、新開発の噴射方法が効いたな!」
小官は回復しつつある自分のペニスを、ねぎらうかのように
なでてやった。
「まさか、精液を帯状に放射して風にのせるなんてのが成功
するとは思いませんでしたよ」
メジャーを持った男が戻って来て、小官が叩き出した新記録
を記録紙に記入した。

「成果も出したことだ、そろそろ分屯地に帰って飯にするか」
小官とお供の隊員は旧型のジープに乗り込んで、来た道を帰った。

終わり




285 名前: 名無し三等兵 2005/11/17(木) 00:34:35 ID:???

流れを無視して

突然の異世界転移で原油輸入のストップした日本。
物流も壊滅的な影響を受けた。

山田が、言った。
「そうだ、ルーラを覚えよう」

「無理だ」「バシルーラにしよう」
皆が、言った。

川田が、立ち上がった。
「俺勇者やるから、お前遊び人な」

山田、言うんじゃなかったと思った。

かぜの〜なかのす〜ばる〜


286 名前: オマンコ 2005/11/17(木) 02:07:39 ID:???

突如として発生したブラックホールに日本列島が吸い込まれ、
日本という国がまるごとF世界に転移してしまった。
日本政府中枢では、確保すべき資源の優先順位を決めていた。
優先順位の高い物を二つ決定し、それは石油と食料だった。
石油を獲得して内燃機関を動かさなければ、列島全土の国民に
食料を配ることができない。飢餓の発生は首都への人口集中を
招き、国内の転移によって発生した混乱に拍車をかけてしまう。
日本国政府の長、湖泉首相は日本列島の周囲をくまなく探索す
るようにと部下に命じた。残りの手持ち資源の量で社会を維持
できる日数を知るために、関係各省庁に調査、分析を命令した。

日本列島がF世界に転移して来てから一ヶ月が経過し、周囲
の情報がだんだんと集まっていた。首相の下に大きな報告が入っ
た。
「首相、日本から北西に1000km進んだところに大陸を発見しました。
その大陸にはある程度の規模がある国家が存在しているとのことです」
湖泉首相は内心でほくそ笑む。部下に命令を下した。
「その国を詳しく調べろ。情勢、文化、言葉、科学技術のレベル、
そして何よりも、地下資源の有無と穀物生産量を最優先しろ」

発見された大陸へは外務省と防衛庁が人を送りこみ、それぞれ
が得意とする分野の情報を収集してきた。手に入ったデータを基
に国内有数の研究機関がそれを調べ上げ、たちまちに日本政府は
F世界の言語や魔法と表現した現象について知ることとなる。

287 名前: オマンコ 2005/11/17(木) 02:26:57 ID:???

湖泉首相の右腕とされる有能な政治家、野原心之介が、首相の
開いた会議である重要な提案をした。
「首相、発見された大陸にはトラキロア王国なる、王政国家が存
在します。普通なら一国をまるまる我々の影響下に置くことは困
難を極めるでしょう。しかし、日本には好機が巡ってきました。
お手元にお配りした資料をごらんください」

一斉に書類のかすれる音が立ち、やがて会議室中の政治家と有
識者から驚きの声が漏れた。資料の内容は、トラキロア王国に侵
略の危機が迫っているという内容だ。侵略者はトラキロア王国の
北方に位置する新興国家、その名を「神聖ショウカン大万歳帝国」
という。野原が提案を続けた。
「神聖なんたら帝国とやらはここ十数年で急速に科学力を発展さ
せていますが、未だに元の世界で言う19世紀末頃の水準です。
つまり、日本の保有する軍事技術よりもはるかに兵器や軍隊の性
能は劣っているのです」
「まさか、戦争を仕掛けるつもりかねー!?」
政治家と有識者の一部から非難の声が上がると、それを首相が一
喝して鎮めてしまった。野原はニヤリと笑って、話しを続けた。

「我々はこの5ヶ月間で多くの情報を成果を手に入れました。外務省、
防衛庁、関係各省庁の働きによってトラキロア王国内に強いパイプを
築き上げたのです。これを生かし、日本国はトラキロア王国を軍事支
援します。自衛隊部隊を派遣し、火力と戦略戦術の両面でトラキロア
軍をバックアップします。平行して、神聖なんたら帝国との外交交渉
にも日本から人を送り込むのです。これらを成功させれば、日本は」

288 名前: オマンコ 2005/11/17(木) 02:35:20 ID:???

野原がそこまで言うと、湖泉首相が立ち上がった。会議室の中央を
横断して、窓辺に立つと太陽を仰ぎ見た。
「日本国は国益と人道的観点に基づき、トラキロア王国に総合的な支
援を行う」
首相がくるりと回って、会議室に集まった面々全体を指差して言った。
「その上で、石油と食料をゲットせよ! 発展途上国にはビタ一文た
りとも渡す必要は無し!」
首相の号令一下、日本政府につながる多くの機関が対トラキロア軍事
干渉のために動き出した。この情報は当然のことながらと、会議に参
加した政治家と有識者の中の誰かがマスコミと国民に漏らしていった。

トラキロアに軍隊を(自衛隊を)派遣し、資源を手に入れるという
政府の企みを知った市民団体や反戦団体、在日某外国人団体が抗議活
動を各地で行った。省庁や国会議事堂に押しかけ、抗議活動を繰り広
げる集団を、はるかに多勢の集団が取り囲み、徹底的にリンチを加え
て活動を叩き潰した。それは政府の人間が直接指示したものではなく、
飢えと欠乏に脅える一般の日本国民が自発的に起こした、一種の静か
なる暴動だった。食べ物をエネルギーを手に入れるため、それがスロ
ーガンとなって、政府の行動を批判したり邪魔しようとする人間たち
が根こそぎ排除されていった。平凡な、一般庶民の手によって。



413 名前: 戦え自衛隊 2005/11/19(土) 21:36:44 ID:???

君達に質問をしよう。
今この日本は平和である。
なぜなら日本には戦争をしてはいけないルールがあるのだ。
日本は戦後50年以上このルールをつらぬきとおした。
だがこのルールが通用するのはこの地球上だけである。
もしルールが通用しない世界に日本が召喚されたら君達はどうする?
相手は戦争を仕掛けてくるのかもしれない。それに対して日本はどうするのか?
これはそのルールが通用しない世界に召喚された日本の物語である。


414 名前: 戦え自衛隊 2005/11/19(土) 21:37:11 ID:???

第一話 召喚
男はパソコンをつかっている。外国の友達とチャットで会話してる。
いつも仕事から帰ってからチャットをする。
今日は自衛隊の存在意義と軍隊とどう違うのかとうい
ことについて話した。始めてから二時間ぐらいは経過した。
壁にかけらてる時計を見る。針は10時さしていた。
「もうこんな時間か」
男はお別れの挨拶をしようと書き込もうとした。
その時異変が起きた。
モニターにエラーの文字が出た。
男は不思議に思いケーブルを確かめるが切れた様子は無い。
試しに国内のチャットを開いてみる。正常に開いた。
また外国のチャットを開こうとしたがやっぱりエラーの文字が出た。
同じ行為を十回行ってわかった事が二つある。
・外国のサイトを開く事ができない。
・国内のサイトは正常に開く。
男は考えた。しかしいくら考えても何が起こってるのかわからないので
パソコンの電源を切ってシャワーあびて一日を終わらせた。

415 名前: 戦え自衛隊 2005/11/19(土) 21:37:40 ID:???

混乱。秩序なく入り乱れること。いろいろの物事が一緒になって、訳がわからなくなること。
を表す言葉である。同時に今の日本をあらわすのに最も適した言葉であった。

朝日が新潟県のとあるホテルにさしてた。そのホテルの部屋に一人の男がいた。
猿渡太郎 日本の総理である。今日8月11日復興の会議をするために来た。
猿渡は考えてた。今の日本に起きてる異変について考えてた。
海外と連絡が取れない事である。
聞いた話によると昨日の十時ごろから海外と連絡が取れないらしい。
「寒い」
猿渡はつぶやいた。
おかしい。
冷房を入れてるわけではない。外を見る。
ここら辺はすぐに整備されたのでガレキとかがない。
彼はその事に興味を抱かなかった。空が曇ってる事に興味をもった。
窓を開けて手を出す。
冷たい。
どうやら部屋の中が寒いわけではない。息を吐き出す。
白い息が出た。彼は窓を閉めてコーヒーの準備をした。
「まさか夏にこれを使うとは」
一人苦笑しながら暖房機のスイッチを入れた。
奇妙な朝だ。そう思いながらコーヒーを飲み込んだ。


489 名前: 名無し三等兵 2005/11/21(月) 19:07:28 ID:???

時の総理は日本と中国の武力衝突が近いことを悟った。
しかし戦闘の中心は弾道弾やハイテク兵器同士の消耗戦
では無く、重要な局地を巡って人間対人間の泥仕合が続
くことになるだろうと予見していた。

兵数において圧倒的に勝る中国に対抗する為に、既存
の自衛隊員を徹底的に鍛え上げる必要がある。総理は日
本史の始まる以前から受け継がれて来た封印を解き、異
世界への通り道を復活させた。そこで、自衛隊員たちに
大いなる試練を課すために。

「開かれた異世界を巡り、迷宮の奥深くや塔の頂上に潜
む悪を倒せ! 見事に攻を成した隊員には多額の褒賞と
名誉を以って報いよう!」

その地には、人間とよく似た姿の種族が幾つか暮らし
ていた。ドワーフ、エルフ、ホビット、ノーム、フェアリー、
ワウルフ、フェルパー、リズマン、その他にも数十種が
存在した。そしてそれ以上に多様な怪物たち、凶暴な生
命体の巣となる建造物が地下地上を問わずあちこちにた
たずんでいる。

ただ暮らすだけなら、随分と気持ちの良い世界だろう。
それゆえに、初めて足を踏み入れる自衛官たちの多くが、
これから経験する戦いの壮絶さを想像することができなかった。




547 名前: 戦え自衛隊 2005/11/22(火) 21:00:55 ID:???

千葉の海岸に一人の少年と一人の少女が座っている。あたりは暗い。
少年 斉藤隆志は空を見上げた。星が見える。
「お兄ちゃん」
少女は言った。
「なんだ梢」
隆志が答えた
「ねえあの星なんていうの?」
「知らない」
隆志はあっけなく言った。隆志は正座に詳しかった。生まれて十二年自分より
正座に詳しい同級生を見た事がないほどだ。88の星座を全て言う事もできる。
しかし少年が今の空にある星の名前を言えるわけがなかった。
8頃日本中に驚きの声があがった。笑ってるものもいた。
当然だ。少年は思う。
国が『日本が他のどこかに召喚された』と発表したからだ。
その時塾に行く途中だった。ラジオで甲子園の中継を聞いていた。
甲子園中継の途中にニュースが放送されたのだ。
そう決め付けた理由は各都市の気温が真夏なのに1〜3度になってた事と
海外に連絡する事ができない事だった。マンガじゃあるまいし
そう思った。しかし連絡できない事や気温というまぎれもない事実があるのだ。
でもなぜパニックになるような事を発表したのはわからなかった。
その理由は夜になってから気づいた。

548 名前: 戦え自衛隊 2005/11/22(火) 21:01:25 ID:???

空にある星座が召喚前とは違うのだ。
はくちょう座がない。
いて座もない。
さそり座もない。
他にも色々な星座がないのだ。念のため言っておくが空に星がないわけではない。
遅かれ早かれパニックになるのは確実だった。いや朝から混乱していた。
ため息をついた。波の音が聞こえる。ザーザーと。
母親はいない。妹の梢が生まれた時に死んだのだ。
隆志はその時3歳だった。悲しかった事だけは覚えてた。
父親は海外出張だ。アメリカに行ったらしい。
日本が召喚された。つまりもとの世界の海外にいる会えるわけがない。
仕送りがなくなるだからといって働けない。
「どうすればいいんだ」
知らないうちにつぶやいてた。
「お兄ちゃん」
梢が声をかけてきた。振り向く。
「あれを見て」
梢が指をさしてる方向に目を向けた。
「なんだあれは」
二人は空とぶなにかを見かけた。



736 名前: 1/3 2005/11/27(日) 11:06:01 ID:???

ネタ投下

ここは山間の名もなき小さな村、今この村ではオークたちに襲われていた。
村の広場では剣士が子供たちを庇いなら剣を振るっている。
そこそこの使い手であるらしく何匹ものオークを倒しいてるが、多勢に無勢でみるみる傷だらけになっていく。

「はぁはぁ・・・くっ、子供たちには指一本触れさせはしないぞ!」
「へへへ、剣の腕はあるようだが魔法はどうだ?
(汚物は消毒だ)
はぁぁぁぁぁぁ!オーク魔法!ファイヤーボール!」
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」

「兄貴!刃向かうやつは殺してめぼしいものはあらかた略奪しましたぜ」
「グブブブブ・・・小汚ねぇ人間どもが何人束になろうともこのロックオーク様の敵じゃあねえなぁ」
「でも最近獲物も少なくなってきましたぜ」
「俺らが毎回徹底的に奪っていくからなぁ、そうだいっそのこと獲物の村を代えるか」
「じゃあこの村は放置するんですかい?」
「ば〜か、最後に老若男女問わず奴隷市で売るのよ」
「さすが兄貴頭が良い!」
「ぐへへ、さてそろそろ残った人間どもを捕まえないとなぁ・・・ん?なんだお前は?」

そこへ一人の人間が現れる。
しかしその姿はまだら模様の奇妙にな服に奇妙な形をした槍を持ち、腰のうしろにナイフを吊るしていた。
傍らには車輪のついた鉄の馬のようなものがある。

「んんん?人間がこのロックオーク様に何の用だ?」
「この村を襲ったのは貴様らだな」
「ああっ!このまだら模様は、こいつら噂に聞く異世界人ですぜ兄貴!」
「はっ!だから何だってんだ?たかが槍一本で何ができるってんだっ!」
「これは槍ではない、89式小銃と言う・・・」
「ハチキュー?どんな名前だろうとそんな屑鉄では俺のこの鋼の肉体は傷一つつけられんなぁ!」

737 名前: 2/3 2005/11/27(日) 11:06:30 ID:???

得物を屑鉄呼ばわりされた人間は表情こそ変えないが内心怒り心頭なのだろう。
目が明らかにギラついている。

「グハハハハ、ほれ、自慢のハチキューとかいう槍でこの俺に傷をつけてみろ」
「いいんだな?」
「この鋼の肉体に傷をつけられる武器なんて伝説クラスだけだぜ!」

ズドーーーーーン!

「この豚野郎!89式の文句は俺に言え!!」
「え?あ、ちょっと、俺の胸板に穴が開いてんだけど、ちょ、え?なんで?」
「お前はもうすぐ死ぬ」
「え?嘘っ!ちょ、ちょっと待ってっ!死にたくないんだけどっ!」
「ダメだ、死ね」

バタッ・・・

「ひ、ひぃぃぃぃっ!兄貴がっ!兄貴がぁぁっ!」
「た、助けてくれぇぇっ!俺には年老いた親が居るんだっ!お前にだって親は居るだろうっ!?」

ピクッ!
親という言葉に反応したのだろう、異世界人は一旦動きを止める。
だが次の瞬間素早い動作でナイフを槍に取り付けて動揺するオークたちに言い放った。

738 名前: 3/3 2005/11/27(日) 11:07:15 ID:???

「親は関係ないだろう?親はよぉぉっ!!」
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!!」

そう叫ぶと異世界人は鉄の馬に乗り、オークどもに突進して行く。
その槍を横に薙ぎ払うとたちまち数匹のオークが身体を真っ二つにされる。
さらに槍を正面に構えて突きオークどもを団子のように数珠のように串刺しにしていく。
数時間後、動きを止めた異世界人の前には山のようなオークの死体と命からがら生き延びることができた村人たちが居た。

こうして山間の名もなき小さな村は異世界人に救われたのだった。

題 自衛隊が原哲夫なファンタジー世界に召喚されました

では吊ってきます ∧||∧



389 名前: チョイネタ 2005/12/30(金) 20:12:03 ID:???

私がその騎士と過ごしたのはちょうど一年程の月日だった
その騎士はやさしく逞しく、その目と口はいつも理解できないような夢物語を語っていた

私が騎士と一緒に生きていく事を決めた日のこと
私は町外れの橋の上の宝石街のそばで行商人が売っていた一対の歩兵剣を見つけた
それがあまりにも美しく綺麗だったので金貨を10枚ばかり握らせてそれを買う事にした
その誠実にまっすぐに鍛えあげられた剣を、それが似合う彼に渡そうと騎士の所に行き
しかしその正直な理由を告げるのが恥かしかったために「邪魔だからあげる」といって彼に剣を差し出した
騎士は不思議そうに笑いそれを受け取って弾帯にぶら下げていた

夕方、私が次の出発のために情報収集を終えて帰ってくると
机の上には日ごろお目にかかれないような銀器と料理、
そして以前私が欲しがった沢山の魔法具で埋まっていた
私がこれを如何したのかと騎士に尋ねると騎士はうれしそうに笑いながら
「君のくれた対の剣が知り合いの貴族に金貨50枚で売れたから」と言った
私は怒った。
うれしそうに笑っている無思慮でやさしい騎士に対して
その無思慮を判っていたはずなのに正直に気持ちを伝えられなかった私自身に

―――時は経ち、草木は茂りそして枯れ季節は川のように流れ行く
あらゆるモノが変わり行く中で、騎士だけがそこに留まり続けた

彼と一緒になってから一年たったある寒い冬の日
騎士は生贄にささげられるという少女とその町を救うために竜に挑み
私に竜塞から少女を連れ出すように命じると自分は時間を稼ぐために立ち塞がった
私達が逃げ出す時間を稼ぐ為の戦いで怒り狂った竜にその足を引き裂かれ
自らが設置した爆弾の爆発から逃げられずに死んだ
でも騎士はそれで幸せだったのかもしれない
「誰かのために生きたい」そう言っていた騎士が町と少女を救って死ねたのだから

―――結局最後まで、騎士の目指した理想は私には理解できなかったけれど
その夢物語でしかない理想を守るために命を掛けた騎士とその生き方が大好きだった

390 名前: チョイネタ 2005/12/30(金) 20:12:41 ID:???

騎士が死んでから一年。私は合いも変わらず当ても無い旅を続けている
騎士と会う前とも、騎士と会った後も変わらなかった私の生き方

―――そうそう、そういえばすこしだけ変わった事がある
あの異世界から騎士が死んでからしばらくして
私もあの騎士と同じように人のために生きようとし始めた事だ
騎士の夢物語のような理想を理解できたわけではないけれど
そうする事であの人が夢見た理想の世界に近づけるならやってみる価値はあると思う

旅の道連れは、いつも彼が首に掛けていた錆びない二枚組の首飾りと
いまはもう壊れてしまったらしい火縄を入れずとも動いた89と言う名前の銃

さあ旅に出よう
あの騎士と共に歩む事はもう出来ないし
あの人も騎士と言うには余りにも卑怯な戦いを好んだけれど
あの人が見た夢の続きを見てみたい




804 名前: とある下っ端魔術師の日記 2006/01/24(火) 21:47:59 ID:???

ネタ投下

自衛隊はほとんど出てこない、ひまつぶしに書いたネタです
軍事要素もほとんど無いです

○月○日 晴れ
「みんな!聞いてくれ!」
班長の鬱陶しい叫び声のお陰で魔石の合成に失敗する
どうせ今日もたいしたことのない発見なのだろう

「異世界から日本が来てからこちらの世界と向こうの世界が
かすかにだけど繋がったままになってるんだよ!」

『・・・それ私が発見してあんたに報告書を上げたんでしょうが
しかも一ヶ月と2日と11時間前に』
そう突っ込みたかったが班長の実家は良い所の貴族様なので止めて置く
そんな事より魔石をどうしよう・・・納期は三日後までなのに
今月の仕事もデスマーチが確定する。もうヤダ・・・・

○月×日 雨
「みんな!聞いてくれ!」
班長の鬱陶しい叫び声のお陰でまた魔石の合成に失敗する
今度は一体何を見つけて喜んでいるのだろう

「異世界から霊魂の召喚に成功したんだよ!
ほら!『猫』て魔獣の霊魂だ!」

班長。それ愛玩動物です
そう突っ込みたかったが面倒なので止めておく
そんな事より魔石をどうしよう・・・納期は明日なのに
・・・しょうがない。班長の私物の魔石をちょろまかして提出しよう

805 名前: とある下っ端魔術師の日記 2006/01/24(火) 21:48:48 ID:???

×月○日
「みんな!聞いてくれ!」

班長の鬱陶しい叫び声のお陰でまたしても魔石の合成に失敗する
・・・まあ良いや。出来の悪い魔石だったし

「異世界から将校だった男の魂を召喚したんだ!
なんでも60年ほど前に『日本』で活躍した参謀将校だ!
生きていた頃は『作戦の神様』って呼ばれてたらしい」

そりゃすごい人を呼び出したもんだ
どうやって呼び出したのか気になったが忙しいので止めておく
最近気づいたが、どうやら魔石作りは私には向いていないようだ
リヤンの精霊探索の仕事と変えてもらえるよう交渉してみよう

×月×日
「みんな!聞いてくれ!」

班長の鬱陶しい叫び声のお陰で再び魔石の合成に失敗する
ああ。久しぶりにAランクの魔石が完成できそうだったのに・・・

「今度は艦隊司令官だった男の魂を召喚したぞ!
60年ほど前に敵艦隊への殴りこみ作戦を指揮し
180度回頭というすばらしい艦隊指揮のおかげで
艦隊主力をほぼ無事に日本へ連れ帰る事に成功したらしい」

へえ。そりゃすごい提督だ
それで敵艦隊にはどれだけ被害を与える事に成功したのか聞きたかったが止めて置く
あと一週間でリヤンと仕事の交換だ
最後の仕事ぐらいは納期に間に合いますように

806 名前: とある下っ端魔術師の日記 2006/01/24(火) 21:50:12 ID:???

△月●日
「みんな!聞いてくれ!」
班長の鬱陶しい叫び声のお陰で異世界の精霊との交渉が途切れる
ああ、もう少しで異世界の戦霊が我軍の助言者になってくれるはずだったのに

「いままで呼び出した魂をホムンクルスに定着させる事に成功したんだ
これで我軍の将校不足も解決だ!もう自衛隊なんて怖くないぞ!」

「あーそりゃよかったですねぇ」と言おうと思ったがムカついたので止めて置く
それよりも初仕事で失敗は痛いなぁ
さっきの戦霊が優秀そうな霊だったから余計に悔やまれる
名前だってベリサリウスとか強そうな感じだったのに

△月×日
「みんな!聞いてくれ!」
班長の鬱陶しい叫び声のお陰でまた異世界の精霊との交渉が途切れる
毎回毎回邪魔しやがって・・・いい加減班長に対する殺意が沸き始める

「私の父の力で将校の魂達をホムンクルスに移植後
軍に編入させれることになったぞ
ふふふ。これで連中が活躍すれば私の株も上がる」

て、いうかほんとに良いのか。おい。誰か一人でも止めなかったのかよ
突っ込もうと思ったが月齢を調べるのが忙しかったので止めて置く
さーて次の新月は何日後だったかな
くっくっく。夜は明るい夜だけじゃないぞ

追伸。リヤンも班長に人には言えない感情を抱いている事が判明
ちょうど良いから協力を要請してみよう

807 名前: とある下っ端魔術師の日記 2006/01/24(火) 21:52:37 ID:???

△月△日
「みんな!聞いてくれ!」
班長の鬱陶しい叫び声が鳴り響くが異世界の精霊との契約に成功する
ようやくこの大声にも馴れてきたが、その大声も今日でお仕舞に成ると思うととても寂しくなる

「あの異世界の将校たちの霊が我軍に多大な損害を与えてしまった
せっかく連中に第二の体と軍隊を与えてやったのにこれじゃ無意味だ!」

「いや・・まあそりゃ日本と戦争してるのに
日本の軍人の霊を召喚すれば我軍を罠に嵌めようとするでしょうよ」

馬鹿騒ぎを聞くのも気分が良かったので班長の独り言に付き合ってみる
そういえば、班長の独り言に付き合うのは何ヶ月ぶりだろう

「くそ・・そういうことか・・あの汚い連中め
道理で『作戦の神様』がギリシュファイア(火炎瓶)と火薬の樽だけしか装備させないで
陸上自衛隊の『センシャ』に突撃させたのか!
奴らに指揮させた艦隊も突入直前に引き返してきたのも我軍の囮艦隊をおびき寄せる罠だったんだな!
もう日本人の霊なんて信用しないぞ!」

えーと・・・どっちかって言うとそんな連中を我軍の中枢に招き入れた
脳味噌が存在するか怪しい馬鹿が目の前にいることのほうが信じられないです
そういってやろうと思ったが、何もかも馬鹿馬鹿しくなったので止めて置く

さて、今晩は忙しくなるからリヤンと一緒に今のうちに休んでおこう
路地裏での狩猟が終わったら二人して日本亡命するつもりだ

追伸。契約に成功した将校の霊も我々に協力してくれるらしい
なんでもドイツとか言う国の軍人で昔無能な上司を始末しようとして返り討ちにあったらしい




853 名前: 異界兵 2006/01/27(金) 15:00:02 ID:???

アルキメア王国、王宮。
大公間はおもくるしい雰囲気につつまれていた。
北方の強国、「ハルカト帝国」が各地に侵略の動きを活発化させ、
ついにアルキメア王国のあるグラート地方にもその魔手をのばしてきたのだ。
既にアルキメアの目と鼻のさきである商業都市国家「ラピス」は陥落し、
ラピス同様中継貿易の要所として栄えてきたアルキメア王国にとっても
他人事ではすまなくなってきてた。
南方より『竜』の来襲のしらせはそんな折りも折りであった。
「またしても『竜の巫女』殿の予言があたりましたな。
竜の来襲などここ百年なかったというのに。」
騎士団長のゲントそういって苦々しげに視線を転じた。
「…………」
視線の先には一人の少女がひかえていた。


854 名前: 異界兵 2006/01/27(金) 15:00:30 ID:???

『竜の巫女』とよばれたその少女は、フードを真深に被っているため表情は読みとれない。
年のころは16〜17歳位だろうか、細い体を不釣り合いな漆黒のローブでつつみ、
そこからのぞく銀髪と、肌が痛々しいまでに白い、はかなげな少女だった。
「それにしてもよく当りますなあ。まるで……」
「ひかえなさい、ゲント。」不意に玉座にあたる場所から少女の声が聞こえた。
は、女王陛下。といってゲントは平伏する。
居並ぶ群臣の前に君臨しているのはまだ若干17歳の少女だった。
気品あふれる立ちふるまい美しい碧眼とブロンド。
王族は血の伝統を守って混血を嫌うため、
今では珍しい金髪も受け継がれているのだった。
女王ティトはローブの少女をまっすぐな瞳でみすえるといった。
「貴女も知ってのとおり、このままでは我が国は滅びてしまいます。
何か……よい予兆は感じられますか?」
はい、と漆黒の少女はかすかに口をひらいた。
「この国に……北と南より闇がせまっています……。」
「その話は前にもきいたわ!」ゲントが声をあらげた。
ゲントは王国の中でも精鋭の近衛騎士団を束ねる事実上の国防大臣である。
大柄で逞しく鍛え上げられた肉体には過去の戦でついた幾筋もの傷痕がはしっている。
その怒声は大の男でもすくみあがるような迫力を持っていたが、
少女はひるまなかった。
「ですが……あたたかい光を感じます……
持ちましょう……救い手の……おとずれを……」

855 名前: 異界兵 2006/01/27(金) 15:01:40 ID:???

鬱蒼と茂る森の上を一機のアパッチ攻撃ヘリがローラーの音を響かせながら飛んでいた。
強襲揚陸艦「かづらき」から飛びたった偵察部隊の内の一機である。
PKFの派遣部隊として僚艦と供に一路目的地を目指していた彼らは、
洋上で突然、陸上偵察を命ぜられた。
ろくな説明もうけぬまま、与えられた任務は「集落をさがすこと」
戦闘ヘリが選ばれたのは『何があっても良いように』らしい。
現に翼下には偵察用ポッドと供にアクティブ レーダー シーカーの
ヘルファイア対戦車ミサイルが装備されている。
「えー、えー、雛鳥から親鳥へ。きこえますか?
こちらかわいい雛鳥のすいどりぃむ。
Mk.1アイボール 高性能パッシブ ナノ波レーダーに感!」
パイロットである佐倉二等陸尉が半ばやけくそぎみに報告する。
「素直に視認したといえ!どうした!」
「ヘぇヘぇ、森に火の手が。どうやら集落のようです。今映像をおくり……!?」
燃える集落とおぼしき物からたちのぼる黒煙をみつめていた佐倉二等陸尉は目を疑った。
「なんだ……あれは?!」
いつもは冷静な女房役のガナー、白峰二等陸尉も
信じられないといった感じで目を見開いている。
たちのぼる黒煙の合間をぬうように飛びまわる黒い影。
それは漆黒の鱗におおわれ、翼をもった、30mはあろうかとおもえるトカゲだった。
「どうした!状況を報告せよ!」
その声にハッと我にかえった佐倉が、やっとのことで言葉をしぼりだした。
「こちらスィドリーム……。竜だ…ドラゴンだ!!」

856 名前: 異界兵 2006/01/27(金) 15:03:08 ID:???

「ドラゴンだと?バカなことをいうな!」
陸自司令官の呉内一等陸佐は、おもわず通信機にむかってどなりつけた。
しかし無線機からの声は真剣そのものである。
パイロットの佐倉は普段は剽軽者だが腕は確かだし、
堅物の白峰がこんな悪ふざけをするともおもえなかった。
なにより彼は自分の優秀な部下達に絶大な信頼をおいていた。
(竜だと?そんなバカな。しかし、これまでの状況から考えれば……)
「ヘリからの画像、リンクします!」
隊員の声で我にかえった呉内は、スクリーンにうつし出された映像をみて息を飲んだ。
CICにどよめきがおこる。
「し、司令殿、ドラゴンです!!」
だれかが悲鳴に近い声をあげた。
画面にうつしだされた『ソレ』は巨大な翼をあやつり悠々と旋回していた。
光沢のある漆黒の鱗におおわれ、時折り地上に灼熱の炎をはきかるその姿は正しく。
神話や英雄譚に謳われる、優美にして最強の幻獣 ――竜であった。
「バカな……。」
艦隊総司令官黒木海将補はうめいた。
誰もが思いうかべつつも、そんなはずはないと打ち消してきた疑念が、
最悪の形で証明されてしまったのだ。
突如現れた海図にない島、見知らぬ星座、使用不能になったGPS……そして今の竜。
最早間違いない。
彼とその艦隊は、異世界のどこかにとばされてしまったとしか考えられなかった。
と、その時。
旋回していた竜はにわかに向きをかえると、ゆっくりとヘリめがけて飛びかかって来た。





895 名前: 異界兵 2006/01/29(日) 09:38:48 ID:???

「げ、やべ。」
黒竜がゆっくりとこちらに向ってくるのをみとめた佐倉は
あわてて機を反転させると全速力でトンズラをきめこんだ。
「こちらスィドリーム!未碓認生物の追撃を受けた。指示を乞う!」
《こちら本部、敵を振り切って下さい。》
(畜生、『何があっても良いように』ってコレかよ!
呉内のタヌキじじいめ、帰ったらしこたまおごらせてやる)
内心毒づく佐倉の前で、普段の冷静さをとりもどした白峰が、
本部からの交戦許可をまつより早くFCS、火器管制システムの起動を開始する。
反転し緊急退避に移ろうとしているヘリを認めると、黒竜は大きく旋回して
アンロード加速でおいすがってきた。
鈍重そうな外見とは裏腹に脅威の加速性能だった。
ホバリングに近い状態から必死でにげようとしたヘリとの差はみるみるうちに縮まってゆく。
さらに、どこからか現れたもう一頭がヘリの行く手にまわりこもうとしていた。
「こちらスィドリーム!ふりきれない!交戦の許可を!」
佐倉がさけんだ。

896 名前: 異界兵 2006/01/29(日) 09:39:57 ID:???

その間に、前方にまわりこんだ黒竜はヘリにむかって、大きな口をひらいた。
咄嗟に操縦桿をたおし、急機動したコクピットの横を真紅の火炎がかすめる。
獲物を逃がした炎はそのまま森につっこみ、木々を数本燃え上がらせた。
「よう白峰、奴さんやりたい放題だぜ。」
「いいからだまって操縱しろ。」
「言ったな。舌噛むなよ!」
言うが早いか佐倉は操縦桿を思い切り引いた。
猛烈なGに体が座席に沈みこみ、骨が悲鳴を上げる。
後方を確認すると、一撃を逃がした黒竜が急降下して行くのが見えた。
二頭の竜の動きは驚くほど息が合っている。
先ほどから高機動に次ぐ高機動でなんとかかわしているが、
包囲された彼等がジリ貧なのは明らかだった。
だがその時、無線通信が飛び込んできた。
《交戦許可する。こちら本部。スィドリーム、交戦を許可する。》


897 名前: 異界兵 2006/01/29(日) 09:40:40 ID:???

「許可出たぞ!野郎のケツを追い回すおげふぃんな糞垂れビッチ共のケツに
TNTワッフルをブチ込んでやれ!」
佐倉が嬉々としてさけんだ。
白峰は無言でロックオンした目標にむかってトリガーをひく。

シュパァァァァ!
蒼い空をバックにセミアクティブレーザー誘導のヘルファイア対戦車ミサイルが
あざやかな軌道をえがいて目標に突っこんでゆく。

ズズン…
鈍い衝撃音と供に前方の黒竜はふき飛んだ。
残った一頭も直後に発射された30mm鎖動機関砲弾の直撃を受けて引き裂かれ、
眼下の森へと突っこんでゆく。
レーダーから2個の光点が点滅と供に消えた。
「ふう。」
白峰はほっと息をつき、佐倉は額の汗をぬぐった。
だが、この一瞬の油断が命取りとなった。
彼等の背後には、新手の黒竜が一頭、せまっていたのだ。

898 名前: 異界兵 2006/01/29(日) 09:41:48 ID:???

ドーーーン
「「ぐうッッッ」」
ヘリに衝撃が走り、翼と腹をズタズタにえぐられた黒竜が墜落してゆく。
背後から覆い被さるようにヘリに襲いかかった竜はローターに正面から突っこみ、
回転する巨大な刃と変らぬブレードに斬り裂かれたのだ。
だがヘリも無傷ではすまなかった。
機体は激しく振動し、コクピットに異常を知らせるブザーが鳴り響いた。
白峰がただちに救難信号を発し、母艦にむけて緊急事態の発生を報告する。
コクピットでは佐倉が暴れる機体をなんとかなだめようと操縦桿と格闘していた。
だが四枚あるブレードの内の一枚をふき飛ばされたヘリは急速にバランスを失いつつあった。
「クソッ!このままじゃもたん!不時着する。」
「了解。」
(いいコにしててくれよ、ペピ子ちゃん。やさしくおろしてやるからな。)
顔色一つ変えない相棒を尻目に、彼は愛機に語りかけながら、
眼下の少し広けた場所に『ペピ子ちゃん』を着陸させるべく、必死に誘導を開始した。
やがてヘリは生い茂る潅木の中へと吸いこまれていった。

899 名前: 異界兵 2006/01/29(日) 09:42:28 ID:???

「隊長の鬼!悪魔!人でなし!エロ大魔神!変態、ヒゲ麻呂、熊五郎!」
《がっはっは。それだけ元気がありゃあ大丈夫だ!達者でな〜〜〜!》
佐倉ハヤテ二等陸尉が飛び去ってゆくヘリに向って思いつく限りの悪口を喚き散らしている。
だが、偵察隊の隊長、九条衛一等陸尉は全く意に介する様子もない。
九条は元貴族の名門の家柄であるが、そのヒゲ面と豪快な性格から、
『ヒゲ麻呂軍曹』のあだ名を頂戴していた。
そのやりとりを半ばあきれ気味に見ていた白峰は、ほう、と溜め息をついた。


900 名前: 異界兵 2006/01/29(日) 09:43:17 ID:???

コトの発端は十数分前。
《こちら隊長機。スィドリィーム、無事か?!応答せよ!》
無事ペピ子ちゃんを着陸させた佐倉達に緊張した無線が飛び込んできた。
母艦からの指示を受けた偵察部隊の他の機が上空に到達したのだ。
「こちらスィドリーム。乗員は全員無事です。」
佐倉が答える。
潅木の茂みがクッションになった御影で幸いヘリにもローター以外目立った損傷も無く、
操縦系統や火器管制系統も希跡的に無事だった。
この分ならローターを修理すればまた飛べるかもしれない。
《竜と交戦したと聞いたが……》
「ハッ、三機と交戦、うち二機をそれぞれヘルファイア一発と機関砲で撃墜。
残る一機と接触、メインローターを破損し、不時着しました。」
《なるほど、実物を見ては信じぬ訳にもいかんな……。》
と、九条はつぶやいた。そしておもむろにこう宣告する。
《……聞け。我々はこれから一度母艦に帰還し、報告する。》
「へ?護衛は?」佐倉は思わず素頓狂な声を上げた。

901 名前: 異界兵 2006/01/29(日) 09:44:38 ID:???

《うむ、護衛してやりたのは山々だが、如何せん救助ヘリの到着まで燃料が持たんのだ。
後日救助隊を編制して救助に来てやる。》
「そんなぁ!またあのバケモノが襲って来たらどうするんですか!」
《男なら気合いでなんとかしろ!横っ面を張り倒してやれ!!》
ヒゲ麻呂軍曹殿は事も無げに宣うたものだ。アンタじゃないんだから、と佐倉は呟いた。
《それとな、原住民との接触はなるべくさけろ。これは命令だ。》
急に真剣な調子にもどると、九条はそう告げた。
「ハッ……。」
《じゃあな〜〜〜〜〜。》
「え?ちょ、ちょっと一尉殿?」

902 名前: 異界兵 2006/01/29(日) 09:45:32 ID:???

そして現在。
やれやれ、と白峰は首をふりながら振り返り――
「おい」
まだ毒づき足りない、という表情で無線機を睨みつけていた相棒の肩を叩いた。
「なんだよ。」
そこで振り返った佐倉が見た物は。
「「動くな!!」」
油断なく槍をかまえて自分達を取り囲む兵士達の姿だった。




195 名前: 名無し三等兵 2006/02/04(土) 03:24:38 ID:???

「この世界で多様されている建材‥コンクリに近い性状ですが、
滑走路を建設するには十分な強度で、量も豊富です。ドワーフ族が生産に関して協力を申し出ています。
施工も彼らの技術で可能です。」
獣の匂いがするランプの下で、長谷川技官が表情を輝かせていた。
半信半疑という表情で上村空将補が応える
「我々の機体を運用できるのか?場所はどうする、最低でも2キロは必要だ。」
「どうとでもなります、エルナ川流域広がる平野を確保しましょう。管制機材は使えますか?」
「使えるはずだ、航空機と違って整備は容易だからな。いや、そもそも燃料はどうする。
陸さん海さんに燃料を供給するためのプラントはまだ本稼動はしていないのだろう?飛行機は燃料食いだ。」
スオム湖底での油脈発見から一年で燃料プラントを作り上げた長谷川の才能は認めていたが
量の確保はいかんともしがたい。
「水素化蒸留装置の拡大を予定しています。供給量は十分です。」
「そうか‥」とつぶやき、そのまま感慨に陥る上村。
千歳基地の一部、弾薬庫、ハンガーを中心とした半径500メートルの円内だけが
この世界に転送されたが、滑走路を持たない空自にできることなど無い。
隊員は陸自、海自の支援にあたる以外は、ただ装備機体維持の整備のみに費やしてきた。
陸自も海自も決して彼らを非難しなかったが、それがかえって辛かった。
戦闘機が使えれば、ドラゴンの排除はより容易になるだろう。




562 名前: 名無し三等兵 2006/02/10(金) 00:14:58 ID:???

名前欄にトリップが入っていた・・・モロバレorz
そして分断ごめん。 侘びにSS投下。

融合召喚世界のイラク派遣

今日も強烈な日差しが肌を焼き熱風の吹き付ける砂漠のサマーワ駐屯地。
駐騎スペースの日陰でバテている迷彩模様の鱗を持つ巨体は、96式WAPCだ。
走行荷台を取り外されて、ゼエゼエ舌を出してごろりと地面に横たわった。
肩にペイントされた”毘”のマークも剥げ落ちそうなくらいにだらしなく、
古代の二足歩行恐竜にも似た騎竜は熱帯の暑さと砂で体調に著しい不調を起こしている。
こうして毎日獣医官が見てやらないと、動く事すらままならない。
というか、竜は暑さ寒さに対して人間以上に手がかかる…

「まあ生き物だからなあ」

イラク派遣に竜を連れて行くことに関しては制服組も当初は懸念する意見が出た。
何しろ、90式戦竜や89式装甲竜をはじめ、自衛隊の使う竜は日本での気候・地形適正にあわせて品種改良された竜だ。
高機動馬や軽装甲機動馬は、馬だからまあ、なんとかなる。
米軍のエイブラムスなんかは、砂漠用の専用処置を行っている。
だが、自衛隊は外地、それも熱帯の砂漠での運用を想定していない。
人間もそうなのだが、運用している竜や飛竜も体温を冷却するような装備を調達も開発もしていない。
そもそも予算がない。 元々乏しい予算をどうにかやりくりしてなんとか誤魔化しているのだ。
なので、こういったことには酷く原始的な手法が使われる。

”でっかいうちわで扇ぐ”

これでどうにか持ってくれればいいんだがなあ。
人の背丈ほどのうちわ(派遣部隊現地製作)で仰がれながら樽の水をがぶ飲みする96式WAPC
を見つめながら、遠い日本の豪雪地帯の涼しい夏を思い出した。



616 名前: 名無し三等兵 2006/02/11(土) 00:03:20 ID:???

自衛隊がファンタジー世界と融合しました(正式タイトル)

ニュース 2006年01月30日

富士牧竜は1月25日、防衛庁から受注していた陸上自衛隊向け戦闘飛竜AH-64D(通称:アパッチ・ロングボウ)
の社内における初飛行に成功した。 ホバリングも含め、15分程度の飛行を行ったという。
AH-64Dは富士牧竜が日本独自仕様を含む日本国内でのライセンス繁殖を実施。
今年の3月から陸自に納入される計画。 2001年に導入が決定されてから実に5年越しの実践配備となる。

同機はすでに開発のおおもとであるアメリカをはじめ、世界中で900頭以上が運用されている。
制空権を得た上での対地攻撃能力と運用性の高さはピカイチで、特に地形が複雑な日本では同騎の感覚器官
(首の付け根上部にある鏡餅のような瘤)を使った攻撃能力が十二分に発揮できることだろう。
また、その攻撃能力だけでなく小回りが効く使い勝手のよさから、海上自衛隊などでの導入も検討すべきといえる。

導入機数は今年度に2頭、2008年までに合計で8頭の予定。
兵器はある程度まとまった数がないと有効な運用ができないのは世の常だが、1頭あたりの導入単価が
約74億円と通常の多用途飛竜UH-1J(約12億円強)と比べても6倍近いことを考えれば、仕方ないのかもしれない。
大量繁殖をすれば単体コストは下げられるのだろうが……。

「よう、おはよう。 今日も寒いな。 どうだい、新居は慣れたかい。 …お前さんの仕事は繁殖だ。
みんなの期待を背負ってる。 いい仔竜を産んでくれよ?」

吐く息も白い、冷たい空気の厩舎内。 富士牧竜社員の飼育係官は雌のAH−64Dの長い首を
優しくさすりながら語りかけた。
ライセンス繁殖は、原産国からの輸入に比べると手間のかかる手法である。
既に成体になった個体ではなく、卵から孵化させえて、育成する分の時間とコストは相当なものだ。
飛竜の成長は早く、一年でほぼ成体になるとはいえ、一度に産む卵の数は多くなく調達ペースもかなり遅くなる。
しかし、輸入個体と違って”刷り込み”による調教訓練はやりやすく、竜に組織や国家への帰属意識を
持たせやすいという明らかなメリットがあった。


617 名前: 名無し三等兵 2006/02/11(土) 00:05:59 ID:???

竜は賢い生き物だ。 大人しく従順で、乗り手の意を汲んでくれる知能を持っている。
元々群れで行動する生物なので集団への協調性は高い。
反面、外敵に対しては獰猛になり、仲間を守るために勇敢に戦う。
馬のように御しやすく、犬のように役に立ち、象のように巨大で、それでいて豚のような
雑食性は餌の種類を選ばない…量にさえ目を瞑れば。
人間が労役に使う家畜としての歴史は浅く、軍事に利用されたのは第一次世界大戦以来だが、
現代では竜を使わぬ軍や社会は無いといわれるほどに普及した。
とはいえ、民間の飛竜は小型で食餌コストの低いものを、一部企業が飼育しているぐらいで
AH−64Dのような大型で、しかもブレスを吐くことの出来るような種類は軍用に限られるのだが。

隣の厩舎から、もう1頭のAH−64Dの鳴き声が聞こえてくる。
寝そべっていた若い雌は首を持ち上げて、厩舎の木の扉の向こうを見つめた。

「お婿さんは寂しくて呼んでいる、か。 初夜が待ちきれないと見える。 こらえ性の無い奴だな。
なんだ、お前さんもあっちが気になるか? ははは」

飛竜の花嫁は厩舎の扉越しに長く鳴いて返事を返した。
つい昨日見合いを済ませ、相性は悪くないと確認できたばかりだ。
体調も悪くなく、今はちょうど繁殖期に入る絶好の時期。
きっと、この繁殖は成功することだろう。

「何年か後には、お前さんたちの子供らが編隊組んで日本の空を飛ぶ事になるんだろうなあ」

飼育係官はそう言って、感慨深そうに目を細めた。
これは陸自迷彩の鱗を持った最初のAH−64Dが国内で初飛行を行う、しばし前の出来事だった。



820 名前: 名無し三等兵 2006/02/24(金) 23:22:43 ID:???

『自衛隊がファンタジー世界と融合しました』

ゴーレムとは無生物を擬似的な生命体として使役する魔法である。
その用途は様々で、土木作業用のパワーショベルゴーレムから
弾道ミサイルなどの飛翔体ゴーレムまで、民需・軍事問わず利用されている。
もちろんイラク派遣にも、両腕の先に作業用の爪付きアームを
供えた施設作業ゴーレムが持ち込まれているのだが、現在
陸自隊員の魔法士が操縦しているのは荒地を二本の脚で走破する
無骨な外見の標準的なゴーレムではなかった。

イラク サマワ陸上自衛隊駐屯地 午後9時24分(現地時間)

駐屯地の敷地上空を、トンボのような細い体に薄い羽を備えた
飛翔体ゴーレムが2体、浮遊している。
FFOSと呼ばれる観測用の使い魔ゴーレムである。
元々は野戦特科の弾着観測用に使われる。
FH70投石器や99式自走投石ゴーレムが投じた石弾が命中したかどうか
のデータを地上の指揮所に送り、指揮所はそれを元に修正を行う。
しかし、現在FFOSが行っているのは着弾観測ではなく、どちらかと
いえば米軍のゴーレムであるUAVが行うような偵察活動だった。



821 名前: 名無し三等兵 2006/02/24(金) 23:23:37 ID:???

いくつもの柵と防御用バリケードで覆われた駐屯地を包囲する
武装集団の群れの中から青白い発光が灯る。
魔法の組成式が術者の掌の先、何もない中空ににHEAT弾頭と
ロケットモーターの推進薬を精製、安定翼力場を形成し、完成した
戦術魔法”RPG”は尾の様な噴煙を吐き出しながらバリケードへ
放たれた矢のごとく弧を描いて飛んでゆく。
火の玉のような弾頭は命中後、爆発。
バリケードの厚い石壁の一部が粉砕され、武装集団は槍を高く掲げて喝采する。
RPGは魔法展開時の組成式発光量が派手なまでに目立ちやすく、
発射後は即時移動しなければならないのがセオリーだが、
駐屯地のバリケードの向こうからは何発打ち込んでも反撃が来る気配がない。
日本軍は恐れをなしている、そう思い込んだ武装勢力は次々と
魔法士の作り出すRPGをバリケードに向けて発射した。

と、砂漠の闇の中、バリケードの方から地面の上を小さい火花が走ってくる。
武装集団の中の一人がそれに気付いたが、コーランを声高に叫びながら
槍を天に突き上げる周りの人間たちの多くは気にも留めていなかった。
次の瞬間、上空のFFOSは体の下のほうに取り付けられた単眼で
集団の包囲の一角が爆炎とともになぎ倒されるのを観測した。

地上でデータを受け取った幹部自衛官はニヤリ、と笑うように口元をゆがめて
FFOSの地上端末に繋がっている人工神経コードを首の後ろから引っこ抜いた。


822 名前: 名無し三等兵 2006/02/24(金) 23:24:45 ID:???

爆発したのは設置型の対人障害…米軍で言うところのクレイモア地雷だ。
導火線で爆破するこの黒色火薬兵器は内部に火薬の他に大量の
鉄片を混入させており、扇状に広範囲の人間を殺傷する。
魔法と違って作動の際に組成式の発光を伴わない火薬兵器は
比較的察知されにくく、トラップとしてはかなり便利な道具である。
しかし、威力と精度では魔法にまだ及ばないので、火薬兵器は
戦争の主力兵器となるにはまだかなり発展・改良の余地があった。

神経コードを抜いた自衛官の視界は、先ほどまで共有していたFFOS
の上空からの映像から駐屯地内の指揮所内へと戻される。

「英軍・蘭軍の応援要請は?」

「現在、両軍ともに武装勢力の攻撃を受けており、こちらへの応援は
送れないとのことです。 逆に救援に来て欲しいと」

念話通信士の報告を受けて彼は軽く失望の舌打ちをする。
着込んだ迷彩模様の金属甲冑がやけに重く感じた。
現在駐屯地内に居るのは600名の陸上自衛隊員、半数以上が
後方支援のための施設科中心の復興支援編成部隊である。
装甲竜・馬、そして魔法士は自衛のために必要な最低限の数しか居ない。


823 名前: 名無し三等兵 2006/02/24(金) 23:26:25 ID:???

FFOSの撮影データでは包囲する武装集団は約200名前後、武装も
中東では多く出回っている歩兵槍AK47と判断されたが、RPGや迫撃雷砲を
使える魔法士も多数存在する模様。
3重の柵とバリケード、加えて堀に守られているとはいえども、これを防ぎきるのは容易ではない。
そして、頼みの綱の外国軍は同様に武装勢力の襲撃を受けており、
通信では向こうのほうはさらに大規模な攻勢で苦戦しているようだった。

また1発、RPGがバリケードを粉砕する音が聞こえてくる。
走行化されクロスボウを装着した荷台を牽引する96式騎竜や
金属板の甲冑を纏った軽装甲機動馬が不安そうにいななく声も。

どうするべきか。 逡巡するが答えは出ない…


(続く)

いい訳みたいだけど現実の自衛隊が無事帰還できることを祈ってます。



956 名前: 名無し砲兵 2006/03/06(月) 15:42:41 ID:???

親衛隊長パースウィグ「首長!これを!」
エルフ族首長ライル「どうした?」

パースウィグ「ついさっき、ハーフリング族の者からうけとった密書です」
ライル「わかった、読ませろ」

" 我がハーフリング族は長年、貴殿らエルフ族に搾取されつづけていた
だが、それも今日限りだ

我がハーフリング族は人間と手を結ぶため、貴殿らとの縁を切ること
にする、よってここに独立を宣言し、明日には両族の関係は戦闘状態
に突入するだろう
ハーフリング族首長 ライオネル”

ライル「ふっ邪族め、人間と手を結ぶとはたわけな事してくれるわ
今すぐ出陣の準備を始めろ!」
パースウィグ「ははっ!」

こうしてエルフとハーフリングの戦争は始まった、武器の質と量にまさっていたと思われていた
エルフの楽勝だと思われたが、事態は急速に変わっていった

ハーフリングの村の近くまでエルフの軍隊が到着した頃である、大きな爆音とともに現れた炎を
吐きながら飛んでいく龍がいきなりあらわれ、黒い箱を落としていった、数人の兵士がその箱に
近づいた瞬間、大爆発がおき、そのばにいた30人あまりの兵士の命がその瞬間、消えた

そのまたすぐ、さっきの龍がこんどは5匹くらいで現れ、また黒い箱を落として容易には近づけ
ず、その日は撤退する事にきめた

ライル「あの野郎、人間どころか龍とも手を組みやがったか?」
パースウィグ「さあ、私にはわかりかねますが
しかもあんな龍は私も見たことはありません」

957 名前: 名無し砲兵 2006/03/06(月) 16:04:17 ID:???

その頃、ハーフリングの陣地では

ハーフリング族首長ライオネル「いやあ、南郷殿。助かりました
いよいよ明日は総攻撃でありますな」
航空自衛隊某航空隊長南郷雄一「そうですな、こんどは航空部隊だけではなく地上軍も参加させましょう」
ライオネル「はっはっはっ、もちろんそうしてくれ、耳の長い奴らに未来の文明がどれくらい怖いのか見
せてやってください、無論、我々ハーフリング族も参加することにしましょう」
南郷雄一「では、明朝出撃ということに全軍に命令させておきます」

そして、明朝
絶対勝つと信じていたエルフ族の陣地に突然鉄の馬が現れ、エルフ族のほとんどが鉄の馬による砲撃で爆死
した。なんとか鉄の馬から逃げきれたエルフもゲリラ部隊に射殺され、300人もいた兵士で生き残ったのは
二人だけであった
鉄の馬車から出てきた兵士は既に死亡しているエルフにも銃弾を浴びせ、身包みを剥ぎ取り、文字通り殺戮
の場、いくらエルフといえども生き残ったのは二人だけというのも無理はない。
だが、かれら緑の軍団の殺戮はまだ続く、こんどはエルフの村に逆侵攻し、女子(おなご)といえども殺害
し、救援に駆けつけたドワーフや人間も同様に射殺された。もはやエルフ達がこの村に住めるはずがない、
彼らは全員村から逃げ出し、もう二度と帰ってこないだろう・・・・・・・・・・



967 名前: 名無し三等兵 2006/03/07(火) 19:42:49 ID:???

唐突に投下してバックれよう……

地上より10000mの高空にプロペラの音を響かせ突き進む巨体が3つとジェット機が1つ…航空自衛隊が保有するC-130H輸送機と改良型T-4である。

輸送機の積み荷は重火器に各種弾薬。
今回C-1ではどう頑張っても届かない位置に目的地はあるのだ。
別に海外派遣ではない(ある意味海外だが)、昔の言い方なら“外地”。
最近日本が手に入れた土地の防衛の為に派遣された陸自混成大隊の為の弾薬……。

航空機が4機も飛んでいる空の下は何処かの国だろう……。
今4機は領空侵犯をしているのだが、迎撃戦闘機の姿は一向に現れない。
否、この高空に領空侵犯なんて概念は無いのかもしれない。
“この世界”にも領空の概念はあるが、それは“防衛出来る限りの高度”なのだ。
そして4機が進む先…広大な砂漠に覆われた場所は、
首都東京から東方におよそ1500kmの所にあるのだ……。

968 名前: 名無し三等兵 2006/03/07(火) 19:44:25 ID:???

「防衛基地施設を視認しました……。ここがマスタドーレですか……?」
「ああ……俺達の命綱だ……。」
第1航空輸送隊所属のC-130Hのコクピットで、操縦士と副操縦士が言葉を交わす。
『貴輸送編隊をレーダー及び目視で確認した。そのままこちらの無線誘導に従われたし。』無線が入る。
本土から飛び立ち三時間。
二尉は久しぶりに一尉以外の声を聞いた気がした。
既にその地域…マスタドーレ砂漠の第三級防空ラインに差し掛かりつつあった3機と1機は着陸体勢に入った……。

969 名前: 名無し三等兵 2006/03/07(火) 19:46:15 ID:???

基地の野戦飛行場に立つ二人。
「地上ですねぇ〜!一尉!」
「バカ!空自隊員が地上を恋しがるなんて恥ずかしいと思わないのか!!」
一尉が呆れながら言う。
「そんなこと言われても私は防大では陸上が好きでしたし……」
「ハァ……そんな事言ってたな……どうせなら陸自さんに配属されれば良かったのにな。」
「冗談よしてくださいよ!!いくらなんでも背嚢背負って走りたくない…「いまの我々には君のような人材が必要なんだが?」

970 名前: 名無し三等兵 2006/03/07(火) 19:50:14 ID:???

突然声を掛けられ振り向く。
その途端二人は直立不動の姿勢で敬礼を取る。
「基地司令!?」
「そう緊張せんでもよいよ。」
そこには一見穏和そうだが、日焼けで肌が浅黒く、
数々の実戦をくぐり抜け、強い意志を宿した瞳を持つ男と、
現地の航空施設の責任者で、今の二人の上官に当たる三等空佐がいた。

「今回本土から輸送編隊の指揮を任じられました、航空自衛隊一等空尉 坂下です!」
「同じく、航空自衛隊二等空尉 軒本です!」
「当基地の司令を任された、陸上自衛隊特別派遣大隊長 藤守(ふじがみ)陸将補だ。
坂下一尉、今任務ご苦労だった。空自さんにはいつも感謝してるよ……。
それより疲れたろう?こんな暑い場所だがゆっくり休んでいきたまえ。」
「しかし我々には……。」
坂下がどう返答したらいいか悩んでいるところに三佐が微笑みながら、
「一尉、基地司令の言葉に甘えたまえ。」
と言ってくれた。
「ハッ。お心遣い感謝します。早速他のものにも休息をとらせたいと思います。」
「うむ…それがいい…それがいい。」

そう言うと、藤守と三佐は司令部に戻って行った……。


130 名前: 名無し三等兵 2006/03/15(水) 12:18:41 ID:???

菅野 直少尉「西沢分隊長、このC-130は一体、何を運ぶんですか?」
西沢 広義分隊長「このC-130は最新型の90式戦車とMLRS、あとは自動小銃を運んでいく」
菅野少尉「一体、それだけの装備をどこへ?」
西沢分隊長「それは軍事機密だ、パイロットの君にも教えられん」
菅野少尉「そうですか・・・・・・・・・・」
阪井三郎一等兵「菅野少尉、ここにいましたか」
菅野少尉「ん、そうだがどうした?」
阪井一等兵「私もあの輸送機に搭乗するんです、当分もどってこれないのでおわかれの挨拶をしにきました」
菅野少尉「そうか、幼馴染の君があの輸送機に乗って転勤か・・・・・」
阪井一等兵「ところで、菅野少尉」
菅野少尉「ん?どうした?」
阪井一等兵「ちょっと話があるのでこっちにきてください」

こうして菅野少尉は兵舎へ案内された

菅野少尉「話・・・とは?」
阪井一等兵「あの輸送機、が兵器を載せてある所へ輸送することは聞きましたよね?」
菅野少尉「ん、そうだが」
阪井一等兵「あの輸送機、実は異世界へ向かうんです」
菅野少尉「い、異世界!?」
阪井一等兵「そう、信じてもらえないかもしれませんが、あの輸送機は異世界に向かって、ある国へ兵器を輸出するんです」
菅野少尉「異世界へ輸出か・・・・・で、どうなるんだ?」
阪井一等兵「その兵器が輸出された国は、中世ヨーロッパ程度の文明しかもたない国です、無論その異世界自体その程度の文明です
そして、武器が輸出された国はその世界で一番の軍事大国となり、世界征服を始めることとなります

つまり、その武器を輸出した国は、悪魔に魂を売った血も涙もない国になってしまいます」
つづく

131 名前: 名無し三等兵 2006/03/15(水) 12:32:30 ID:???

菅野少尉「血も涙もないか・・・・・」
阪井一等兵「そうです、悪魔に魂を売った血も涙もない国になるんです」

阪井一等兵「輸送機は、明朝5時に飛び立ちます、そしてその日から向こうの異世界は血の海になります・・・・・・・」
菅野少尉「・・・・・・・・・・・・・」

そして、明朝5時、定刻通り出撃したC-130輸送機は異世界へ向けて飛び立ちました、一時間後には水平線しかない海の上を飛んでいました

西沢分隊長「結局、私もこの輸送機に搭乗することとなったが
ところで阪井一等兵、乗り心地はどうかね?」
阪井一等兵「・・・・・・・・・・・・・・・」
西沢分隊長「そうか、なにもいえないか
まぁそうだな、実のところ私もこれは運んでほしくない」

通信兵「西沢分隊長!7時の方向からF-15戦闘機と思われる飛行機が接近中です!」
西沢分隊長「国籍は?」
通信兵「日本国です!恐らく菅野少尉の飛行機と思われます!」
西沢分隊長「それなら友軍ということになる、気にせず普通に飛んでいろ
友軍が攻撃するはずはない!」
通信兵「は!」

だが、接近中のF-15は西沢分隊長の予想とはおおきく外れた
F-15はC-130の400b後からサイドワインダーを発射し、C-130の後部に直撃、C-130は爆発炎上し墜落していった

西沢分隊長「菅野少尉・・・・・・・わかっていたのか・・・・・・」
阪井一等兵「あり・・・・がとう・・・・・・」

132 名前: 名無し三等兵 2006/03/15(水) 12:35:04 ID:???

こうして菅野少尉は永遠に卑怯者の烙印を押されてしまった
世界一、哀れなパイロットとして

だが、後悔はしていない
私の名は菅野直、悪魔に魂を売らなかった男である


どうみてもあの戦争漫画のパクリです、本当にありがとうございました

糸冬

379 名前: 名無し三等兵 2006/03/26(日) 01:23:52 ID:???

小官の乗ったヘリがエンジントラブルを起こし、付近の島に不時着する。
不時着時の衝撃によって、いくつかの装備品と隊員がヘリから投げ出された。

結局、ヘリのパイロットも圧壊した外板に突き刺されて死んだ。
生き残ったのは、小官と一人の若い陸士長だけとなった。
空から投げ出されたK3曹の遺体がほどなくして見つかった。
Kの遺体にすがり付き、陸士長はただただ、すすり泣くばかりだ。
小官はその様子を眺め、うんざりしながらも陸士長をたしなめる。

「うっ、うっ、K3曹……ホントに死んじゃってるよぉ……」

悲痛な感情に身を任せたまま、一向に気持ちを切り替える気配の無い
陸士長の襟首を小官が掴みあげた。陸士長の耳元に低くて重い刀の切
れ味を想像させる声で言う。

「なぁ、これ、漫画とは違うからさ。早く行動を起さんと、危ないだろ?」

泣き続け、足腰のはっきりしない陸士長を引きずって小官は歩き出した。

二人の背後から不意の銃撃が襲う。習性で反射し、身を地面に転げて隠れた。
銃撃された方向へ慎重に顔を向けると……そこには、死んでいたK3曹が立姿
の射撃姿勢を取っていた。 〜終わり〜



416 名前: 名無し三等兵 2006/03/27(月) 01:55:06 ID:???

自衛隊の補給基地を襲撃し、武器と物資を奪った者たちがいた。
小さな紙箱がたくさん入れられていたダンボールから、腸で造ら
れたらしい薄く透き通る袋が見つかる。

「すごい、腸袋か? とてもよく伸びるぞ」
「月明かりが透けて見えるな」
「おい見ろよ、こんなに水を汲めるんだぜ」

一人の男が、よく伸びる薄い腸袋に水を入れて持って来た。
それは大きな桶一杯分くらいの、大量の水を入れてもまだ
破れそうにない。みなが腸袋を手に取り、思い思いに使い
方を考えた。

「旨くねえな、喰えないぜこりゃぁ」
「息を吹き込めば球になるぞ」
「靴下代わりにしてみよう、水が浸みなくていい具合だ」

一人が悪ふざけを思いつき、自身の性器に腸袋を被せてみた。
「へへっ、どうだ、俺様のマラにピッタリだぜ!」
「ハハハ、お前はバカだ」
「でも、汚い売女を抱く時に使えそうだな」

F世界にコンドームが伝来した瞬間であった


481 名前: 名無し三等兵 2006/03/32(土) 12:43:40 ID:???

 「西! お前は山ちゃんの後衛だ! 俺は此処で野蛮人どもに『銃剣格闘』の展示を行う! 
  俺の腕は知ってるだろうが! 行け! 早く! 山ちゃん一人で行かすな、ノロマが! 」
 「坂崎さんっ…一人では無理です! 」
 「馬鹿、お前、技術陸曹受かって2曹だろうが! 俺の上だろ?! もっとしっかりしろ! 」
 「行きましょう、山田2曹! 坂崎3曹! 1曹に昇進おめでとうございます! 」
 「抜かせ下っ端が! 帰ったらエロ本コレクション寄越せよ! ふんっ! とおりゃぁあ! 」

 狭い廊下の中、俺達は2名の襲撃を受けた。坂崎3曹は格闘に掛けては天下一品。内地では
銃剣道や徒手格闘の練成隊の常連召集メンバーだった。此処に来て『実戦』を経験し、その技
の冴えは格段に『磨き』が掛かったとの噂だった。俺達は坂崎3曹の背に目礼して、扉を蹴り
開けた。大きな寝台の上で絡み合う2名の男女。…内、1名の顔は写真よりも髪が伸びていた。
大股おっぴろげている女の背後で座位で執拗に責める男の顔を、俺は迷わず小銃弾で吹き飛ば
した。俺と西のを合わせて4発命中。即死だ。…女の方は陶然とした顔でまだ腰を振っていた。

 「理性が薬か何かで破壊されていなければ、御の字なのですが…。班長? 」

 …血を浴びた白い裸体は…俺の『過去』を思い出させるには充分だった。しかし現在、俺は
『任務遂行中』だ。頭を一つ振り、俺は気持ちを切り替え、低く静かに、女に声を掛けた。

482 名前: 名無し三等兵 2006/03/32(土) 12:46:22 ID:???

 「高橋瞳3曹…だな? 」

 俺の声が聞こえて居ないのか、彼女は浅ましくも快楽の残滓を貪っていた。西が目を背ける。
真面目な奴には刺激が強すぎる光景だった。…俺はそんな物で動じるほど…心が純粋では無く
なっているが。この時ばかりは『穴の中』の経験に心より感謝した。やがて頂点に達したのか、
女が崩折れ、前のめりに斃れる。扇の様に、長く艶やかな黒髪が白いシーツに、拡がる。

 「何故…探しに来たの? 」

 女がそのままの状態で、喋った。…背後の西が息を呑む様子が、顔を見なくても俺には解った。

 「君はまだ隊員で、俺達の仲間だからだ。そして、生きている。理由は以上だ」
 「隊員? 仲間? それが何なの…? そんな物のためだけに、どうして来たりしたのよ…」
 「それ以外に何が有ると言うのですか? 貴女は自分の…」
 「ここに居させてよぉ! 快楽を貪って何が悪いの!? 此処に居れば、辛い事や哀しい事を、
  男の人が、全て忘れさせてくれる! だけどあそこは違う! やれ責任…! やれ任務…!
  わたしが居る意味なんか無いじゃない! あんな人達の事なんて知った事じゃないわ! 」 

 キュポン、と間抜けな音が聞こえた。女が寝台の上から立ち上がったのだ。目から流れる涙が、
窓から差し込む月光に光る。こちらに歩いてくる。両手を広げて。…血を…浴びたままに。

483 名前: 名無し三等兵 2006/03/32(土) 12:47:14 ID:???

 「貴方達はわたしに…」
 「雌犬が! あの世であいつ等に…! 手前を探して死んでった奴等に詫びて来い! 死ね淫売が! 」

 女の顔が幾発かの激発音とともに、突然、柘榴の様に爆ぜた。思わず振り向くと…。坂崎3曹の小銃が、
吠えていた。女の腕に、身体に、脚に、そして胎に。坂崎3曹は、頭から血を浴びた地獄の鬼さながらの
姿と形相で…ただ、泣いていた。その気持ちは俺に痛いほど、伝わる。

 「坂崎3曹っ…! 」
 「高橋瞳3曹は、ここには居なかった。そうだな? …山ちゃん…? 」
 
 俺は無言で頷いた。こんな馬鹿げた結末は少なくとも、死んでいった奴等に聞かせていいものでは無い。
俺は全ての責任を取るつもりでいた。…坂崎さんが撃たなければ…多分俺が撃っていただろう。  END。

・・・こんなん書く奴に何を期待するのかねw






247 名前: 名無し三等兵 2006/04/26(水) 01:00:00 ID:???

「報告します!ラムダ侯爵率いるハルンケルト騎馬隊はズィーチの鉄亀部隊により潰走しました!」
「ラムダ侯爵は?」
「酷い怪我を負っていらっしゃって…恐らく明日には…」
「そうか…ご苦労だった」
「はっ………ファンタジアに栄光を!」

若い青髪の伝令兵が足早に立ち去る音がこの部屋にまで響く。

彼は知っているのだろうか?
今自分達が相対している者がどういう存在なのかを。
彼が産まれた時、ズィーチ共和国等と言う物はこの世に存在しなかった事を

「何故…今頃になって」

ズィーチが現れたのは自分の白い髭がまだ黒い無精髭だった頃だった
自らをズィーチタイと名乗った彼らはその弓も魔法も効かぬ鉄亀や城壁を軽々と越える火砲を使い
当時様々な勢力のせめぎ合いとなっていたこの大陸を瞬く間に制圧し、「自治令」と呼ばれる法令を発布した

248 名前: 名無し三等兵 2006/04/26(水) 01:00:13 ID:???

一、王政を廃止する事
一、魔法を禁ずる事
一、エルフ等亜人種を追放する事

これらの法令は元々この大陸に存在していた多くの国々にとってとても守れるものではなかった
そしてズィーチもソレを分かっていたのだろう。
彼らは余程目に付かない限り法令破りを見逃していた

ファンタジアもまたその恩恵に預かりその王国を存続させていた
そして髭も白くなり、産まれた赤子が屈強な兵士になるほどの時間が経った
全ては上手く行っていたのだ

法令破りを大義名分としてズィーチの鉄亀がファンタジア国境沿いの町を焼き払うまでは

249 名前: 名無し三等兵 2006/04/26(水) 01:00:50 ID:???

「何故…今頃になって…」

元々既存勢力の上に乗っかった支配をしていたズィーチに広大なファンタジアの土地を支配できる体力があるとは思えない
だが、ファンタジアの力ではズィーチの軍を倒す事などとても出来はしない。

勇将であったラムダ侯爵の死により、この戦いはますます泥沼になるだろう
「全くの無益、いやこれが人間の愚かさか…」

45代、代々戦いを潜り抜けてきた傷だらけの兜を老将は深く頭に被り、馬に跨った

老人の向かう先、草も生えぬ戦場。
青髪の若者は頭を撃ち抜かれ、他の多くの戦友と共に冷たくなっていた

263 名前: 名無し三等兵 2006/04/26(水) 09:36:09 ID:???

突発ネタ

「内閣は総辞職し、自衛隊を異世界から即時撤退せよ!」
「日本には軍隊は必要ない!」
「政権を朝鮮人に!」
「軍靴と軍歌が聞こえる!!!」
「シャザイトバイショウニダ」

日本が異世界に召還されて以来、いつもこんな具合だ。
まいどまいどの出来レース。何ら建設的な解決方法もだせずに不満をぶちまける。
そして俺もその中にいる・・・・





264 名前: 名無し三等兵 2006/04/26(水) 09:38:19 ID:???

きっかけは簡単なことだ。そのほうが都合が良いから。
俺個人としては現政権の政策には賛成しているし、自衛隊も必要と思っている。
だが、野党を外面上支持すれば少なくても仕事上都合がいい。特に教師という仕事上では。
まぁ選挙では与党に票を入れるのだがwwww
恐らく、ココに参加している人間も本気で参加している奴はいないだろう。

「内閣は総辞職し、自衛隊を異世界から即時撤退せよ!」
「日本には軍隊は必要ない!」
「政権を朝鮮人に!」
「軍靴と軍歌が聞こえる!!!」
「シャザイトバイショウニダ」

まいどまいどの出来レース。裸の王様が自分の姿に気がつくのはいつのことかな・・・


実は実話。現役教師


762 名前: 名無し三等兵 2006/05/19(金) 00:51:04 ID:???

☆人型生体兵器ダイダラ☆

 時に西暦2014年、日本国陸上自衛隊は汎用人型生体兵器の試験運用を
開始した。
その兵器に付けられたコードネーム「ダイダラ」、それは全高10メートル
に達する二足歩行ロボット兵器の外観を呈した生物兵器である。
構造はほぼ人体に倣っており、人間の兵士と同様に装備品の持ち替えを行う
ことで多用途に用いることが可能である。大型の外付け武装をアタッチメント
することで、対航空機から対MBT火力戦闘まで幅広く対応できる。

 ダイダラを最大限に活用するには、ダイダラ本体に人間が操縦士として
乗り組むことが必要不可欠だった。ダイダラを構成する生体は人間の脳波に
感応して俊敏に動き、外部からの刺激は操縦士にフィードバックされる。
ダイダラに乗り組んだ操縦士は、自分の体が直接拡大された感覚で作戦行動
を行うことが可能であった。

 陸上自衛隊の上層部は、ダイダラを実戦使用するための運用データ獲得を
目的として一つの実験部隊を創設する。その隊に初代指揮官として配属され
た一人の自衛官がいた。その男は「小官」の通称で戦場に悪名を轟かし、
日本が関わった数ある紛争の最前線で猛者たちを指揮してきた。

 小官は地球上に突如として出現した異世界に乗り込み、試作品も同然の
新兵器を駆って新たな凱歌をあげるのか。はたまた、地球人の想像を絶す
る異世界の有象無象を前に花と散るか。

 3機のダイダラと2人の僚兵を伴い、小官はまだ見ぬ異世界へと飛び込
んでいった。



204 名前: 名無し三等兵 2006/06/07(水) 12:20:35 ID:???

つ>>202
オーク軍の襲来に対し、崖っぷちに立たされた人間の王国は「異世界の存在を召喚して一定時間戦わせる」という
禁呪を発動させる。 その魔法は成功し、異世界より鉄の馬と火を噴く杖を持った軍隊が召喚され、オーク軍を蹴散らし始めた。

…しかし。

「…おかしいなあ。 もう既に召喚の永続時間は過ぎたはずなのに、送還されない」

本陣にて、禁呪を発動させた魔術師は首を捻っていた。 いつまでたっても異世界の軍隊が元の世界に帰る兆しがない。
召喚された存在は、魔法の効果時間が切れるとともに自動的にもとの世界へ送還されるはずだった。
なのに、計算ではもうそろそろ、送還されてよい頃合だと思うのだが…?

「おお、オークの醜い豚どもが蹴散らされてゆくぞ!! うわはははは!!」
「やれ! 殺っちまえ!! ブタどもを殺せー!!」

王や将軍達は狂喜乱舞して、異世界軍とオーク軍の戦いを見守っている。
轟音と炎に包まれ、オークの軍勢は既に潰走し始めていた。

「…やなばいんじゃないのか、あれ」

ふいに、一人の騎士が魔術師の側に近寄ってきて囁いたので、魔術師は一瞬どきりとして緊張した。

205 名前: 名無し三等兵 2006/06/07(水) 12:21:46 ID:???

つ>>202
「な…なにがですか?」
「いや、異世界の軍隊の事さ。 たしかにオークどもを蹴散らし、一方的に蹂躙しているように見えるんだが…統制が取れてない。 闇雲に戦っているような感じだ」

てっきり魔術師は、異世界軍が帰らないことを指摘されると思っていたので、ほっとするとともに、確かに…と呟いて新たな疑問を異世界軍に向けた。

「まあそりゃあ、彼らにしてみれば突然呼び出されて戦わされているんですからね。 混乱もするでしょう。 この魔法はそれも利用して、召喚した存在を戦わせているようなものです」
「なんだそりゃ。 随分いい加減だな?」

あ、まずい、と思って魔術師が口を押さえるももう遅い。
騎士はさらに、「そんな方法で戦わせて、もし俺たちの側に攻撃しかけてきたらどうするんだ?」と言いかけて…。

「おい…なんか、異世界軍こっちのほうに向かってきてないか?」

槍を持った兵士の一人がそんな事を呟いた。

一方その頃、異世界軍…つまり自衛隊。

「化け物だ!! うわああーーーっ!!」
「北野ニ曹!! 畜生、ブタの怪物め!! 殺してやる!!」
「RPGを、いいからRPGをはやく撃てっ!!」
「ああああああああーーーーーっ!!」
「バカヤロウ! 耳元でミニミを撃つなーっ!!」
「状況を、状況を報告しろっ!!」


272 名前: 名無し三等兵 2006/06/12(月) 10:11:27 ID:???

お久しぶりです〜
いい加減忘れ去られてるかもしれないのですが、続きの更新を投下します
念のため、簡単なあらすじも書き込んでみたり

・・・・・・・・・・
前回までのあらすじ

弾薬庫歩哨中に異世界に転移してしまった新庄司
食糧確保のためにチェレンコフキノコ片手に狩をしていた新庄は
その狩の真っ最中にたまたまワニ(のような二足歩行の生物)に襲われていた神官シャムハートを救った
実はシャム嬢は王様の命令で新庄を探しに来ていた事が判明する
(なお、この際言葉の壁を越えるためにシャム嬢が新庄と「契約」を結び
 新庄本人も知らない内に主従関係を結ぶことになったりしている)

その後、シャムの要請に応じ新庄は暖かい食事という餌に釣られて王宮行きを快諾
王都を目指す彼らの運命は以下に?
・・・・・・・・・

それでは続けて更新を投下しまふ


273 名前: 名無し三等兵 2006/06/12(月) 10:12:04 ID:???

 王城―――そのイメージを待ち行く人に尋ねれば、大半の人々は
 絢爛豪華、流れ星のように華々しい印象を持つことを答えるだろう
 その印象は間違いではない
 まれに砦のような戦闘能力に特化した無骨な物もあるとはいえ
 大半は持ち主の権威権力の象徴としての華やかさと城砦としての本質の両方を併せ持つ
 壮大な建物として建造されるのが常識であるからだ
 ヴェルク王国の首都にあるイズドバル王の城もまた、この質実を併せ持つ城に分類されるだろう
 だが、この王城には普通の城とは決定的に違う点が一つだけある
 それは町の外周を多い尽くすように建造されている二重の城壁
 夜盗や猛獣から民を守るために建造された前哨として作られる柵のような城壁ではない
 魔術や攻城兵器の攻撃をはじめから考慮して作られたそれは
 城壁というよりは堡塁というほうが正しいような代物である
 世にいかに頑強さを誇る城が多いとて、此処まで徹底的に防御を施された城は存在しない
 偏執狂の域にすら達しつつあるほどの徹底的な防御
 その景観はもはや、王都と王城を守る城壁と言うより要塞の上に町が在るようにすら見える

 イズドバル王がシャムからの伝令を受けたのは
 その二重の城壁から外へ少しばかり出た三重目にあたる城壁築城の監督の最中であった

「ほう。たった3週間で本当にそれらしき男を発見するとは
 民衆の人気だけで謡神官になったというに、あの化け猫神官も侮れんものよ」

 その報告を受けた王はくだらない冗談を聞いたと言うように伝令の騎士に話しかけた


274 名前: 名無し三等兵 2006/06/12(月) 10:12:36 ID:???

「貴様も見たのか?我の対抗者になりうると言うその男を」
「は。この眼で確かに」

 答える騎士は外面上は平静そのものを装いながらも緊張に震えていた
 何しろ王の短気は病的なほどで、近隣諸国の民ですら一度は耳にするほど強烈な物である
 その怒りに触れて父代からの重臣すら容赦なく処罰されている
 ゆえに怯えを見せることは許されない。王は卑屈な者や臆病な物を羽虫の如く嫌う

「ほう ならばどう思う」

 騎士の緊張に気づかなかったのか、そもそも視界にすら入っていないのか
 王は城壁の建築作業を見守りながら伝令の兵士に再び尋ねかけた
 
「と申しますと?」
 王の言葉に主語は無い。その言葉の真意を測り損ねた伝令が尋ねる

「たわけ、その男が我の対抗者たりうると思うかどうか聞いているのだ
 なに、なんと言おうと貴様を罰する心算は無い故、安心して正直に申せ」
「は、ならば恐れながら申し上げます
 彼の者が騎士団の包囲を突破し、謡神官と騎士団長を一瞬の内に捕らえた手際
 また謡神官が救われた際には、地竜を一瞬にして絶命させたとも聞き及んでおります
 これらの事を勘案するに、単純な個人単位の戦闘力ならば王に限りなく近い物を持っているものと」

 騎士は正直に自分が感じた事を報告する
 そこに虚偽も装飾も一握りたりとも含まれていない
 そういう物を含めることが出来ないほどに、ただ眼前の王の存在に圧倒されていた
 だがこの騎士は気づいていただろうか
 自らのその視線が、畏怖しているはずのものに見惚れたかのように釘付けになっていた事に

275 名前: 名無し三等兵 2006/06/12(月) 10:13:33 ID:???

「そうか。我に限りなく近いか」
 
 淡々と、何事も無かったかのように王は繰り返した
 機械のようなその姿に一切の変化は無い
 ただまっすぐに、作業を見つめるだけの王の横顔があるだけである
 だが、どうしてだろう。騎士にはその横顔が微かに喜びの色を移しているように見えた

「大儀であった。下がってよいぞ」

 退出を許可された騎士が名残惜しげに一礼しその場を後にする
 王は動かず、淡々と城壁の建築作業を見守り続けるだけ
 ―――去り行く騎士と入れ替わるように、新たな人影がゆっくりと王に近づいていく
 
「我に近い――――か。本当ならば困ったことになる」
「ならば、消しますか?」

 誰にとも無く話しかける王に近習の剣士が尋ねる
 元は暗殺業で生計を立てていた者であるが、
 忍び込んだ寝室で王本人に返り討ちに会い、命を助けられて以来
 近習として王の身の回りを守っている者だった

「それではつまらぬ―――だが、のうのうと到着させてやっては
 あの人心を煽る能無し神官長とその一派を始末する口実が無くなってしまう―――か」
「では、いかに」
「4日ほど奴らの足を止めよ。方法は問わん
 それだけ奴らの足を止めれば、約束の刻限までに辿り着くことはあるまい」
「兵をお借りしても?」

276 名前: 名無し三等兵 2006/06/12(月) 10:14:09 ID:???

 軍事的な手段に応じてもよいのか、と近習は訪ねる

「馬鹿め。それでは護衛につけた騎士団と同士討ちになろう
 あの辺りには、討伐待ちのちょうど良い連中がうろついている故、其れを使うが良い」
「御意に」 

 近習は踵を返し任に向う

「ああ、待て。
 もし奴が貴様の眼鏡に適わぬような無能なら速やかにこの世から消せ
 無能と並び比べられることなど我にはとても耐えられん」
「御意」  
 
 改めて一礼をする近習に王は早く行けとばかりに手を振って見送る

「我の対抗者―――か
 本当に我と並び立つほどの者がこの世に居るというのならば、どれほど―――」
 
 王の視線は変らず城壁に向けられている
 だがその焦点は見果てぬ彼方に重ねられている
 見果てぬ理想郷を捜し求める探求者のように遥か彼方へ――――

「―――ありえぬ話、すべては遠き夢よ
 仮にそのような者が居たとしても、何れこの手で消さねば為らぬ―――か」
  
 呟く王もまた、次の雑務の処理に向うために城に向って馬を進ませる
 其れはまるで夢破れた子供が強がりながら帰途に着くような姿だった




353 名前: 名無し三等兵 2006/06/20(火) 02:11:51 ID:???

これは,マーズの書に述べられているものである.

天地創造の後,破壊神モーロック,創造主マルドゥークと違いして
反乱す.破壊神モーロック,マルドゥークの聖器のなかより,万物
の力の源「イェンダーの魔除け」を盗みだし,それを彼の潜む
世界の底,ゲヘナの闇の洞窟に隠し,時を待てり.

主神マーズは「魔除け」を望み,他の神々に対し
絶対的優勢を得ようとしている.

あなたは現在,まだ新米ではあるが,生まれたときからマーズ
の下僕と予言されている.主神のため,イェンダーの魔除けを発見
するか,そのために死ぬかが運命づけらている.あなたの運命の時
は来た!我々のために,マーズの加護のあらんことを!



526 名前: 名無し三等兵 2006/07/10(月) 01:51:41 ID:???

「きた……」
 イノがつぶやいた。少年は18になったばかりで、顔にはまだ幼さの名残があった。深緑の髪は短く刈られている。瞳は母親ゆずりのとび色で、子供の時分には母親に似ていると近所の大人にからかわれたものだ。

 その瞳が見据える先、エメラル山のすその辺りから少年にむかって土煙が伸びていく。それは彼がずっとまっていた人々だった。

 イノが駆け出した、土煙にむかって一直線に。彼の足は尋常でなく速い。土煙が向かってくるのも手伝って、あっという間に米粒大だった集団がはっきりと姿をみせはじめる。

 緑色の服に、細長い筒を背負う特徴的な格好。間違いない、ジエータイだ。少年は心のなかでつぶやいた。

 ジエータイが現れたのは1年ほど前までさかのぼる。

 少年が初めてジエータイの話を聞いたとき、彼は畑をのんびり耕していた。一服しようかと思った頃、王都に出稼ぎにいっていたカイルがひょっこり姿をあらわした。

 カイルの話は眉唾ものだ、イノは最初そう思った。なにせイノの住む大陸の西の海に、でかい島がひょっこり現れたというのだ。
 かててくわえて、東の大国イルエラのドラゴンライダー一隊がその島に向かったきり帰ってこない、やられてしまったんだ! とまで言う。イルエラのドラゴンライダーと言えば一騎当千と名高い。それが最低でも10騎はむかったのだ、馬鹿げた話だ。

527 名前: 名無し三等兵 2006/07/10(月) 01:52:41 ID:???

 だが、イノはやがてその話を信じることになる。イノの住むところは田舎もいいところで、都会の話などよっぽど大事でないと届かない。にも関わらず、ジエータイの話は毎日のように聞かされる。

 最初は恐怖と好奇心で塗り固められた、でたらめみたいな話ばかりだった。いわく、ジエータイには魔法使いしか住んでいないだとか、ジエータイの人々は天まで届く塔に住んでいるだとか、そんな話ばかりだ。

 そんな話が落ち着いて、今度は交易がはじまったという話を聞いた。イノはそこでやっと、本当にジエータイってあるのか、と得心したのだった。とはいえ、イノにとって、ジエータイはそこまで心動く対象ではなかった。

 彼が興味をもったきっかけは、行商が村を訪ねてきた時だった。行商はジエータイからきた品々を自慢げに披露した。火の出る小箱、ライテとか言っていた、それからキャムラとかいう眩しい光がでる箱、さらには箱の中で小人が動く、ゲルムなんてものまであった。

 イノはゲルムが欲しかった。都会にでて5年は豪遊できる金さえあれば買っていただろう。そんな金はなかったので、ライテを買った。5歳の頃から貯めていた金が全部なくなったが。一月もすると、火花をたてる小箱になってしまったが。

528 名前: 名無し三等兵 2006/07/10(月) 01:53:27 ID:???

 そうしてイノは、いつの頃からかジエータイにいけやしないかと考え始めていた。ジエータイにいけるのは、王宮の偉い人だけだった。イノの周囲で勉強ができる場所はなかったし、しょうがないので剣の腕を鍛えることにした。王宮で兵隊になって、偉くなろうと思ったのだ。

 そんなイノにとって、ある日朗報が届く。戦争が始まったのだ。噂によると、建国祭の折、フナビというジエータイの魔術で、隣の大国、イルエラから招かれていた侯爵が死んでしまったらしい。それが原因でイノの住む国であるザハジードとイルエラが戦争を始めたというのだ。

 彼はすぐに兵隊になろうと思ったが、母親は許してくれなかった。イルエラとじゃ負け戦だ、死にに行くようなもんだ、ジエータイにだっていけないよ。母親はそういってイノを止めた。

 イノが畑でじりじりしていたころ、もう一つのしらせが届いた。ジエータイが援軍をくれたというしらせだった。イノは狂喜して母親を説得した。

 ジエータイの貴族の前で活躍して、つれてって貰う、なんなら戦争なんてしなくてもいい、ジエータイの兵隊と仲良くなるさ。イノの言葉に母親はなかなか頷かなかった。それでも懸命にいうイノを見て、母親はこういった。

「ジエータイの軍隊がこの村にきたら、そこでその軍隊にいれてもらいなさい。そっちの方がまだ生きられそうよ」

 イノは不承不承であるがそれを受け入れた。もし来そうになければ、家出すればいい。そう思ったからだ。

 そうしてイノは待っていた。そしてジエータイの軍隊がきた。イノは運命だと思った。

 ジエータイの軍隊が目の前まで迫っている。あと少しだ。あと少しでジエータイにいける!

529 名前: 名無し三等兵 2006/07/10(月) 01:59:46 ID:???

次の日の新聞のコラム

少年が死んだ。異国の少年だ。少年は日本にきたがっていたという。
年はまだ18で、母親と二人で畑を耕して暮らしていた。
少年は日本から輸出された商品に魅了され、どうにか日本にこれないかと考えていた。
彼は自衛隊に入ろうと考えたらしい。そして彼の住む村まできた自衛隊に近づいた。
異国の少年である。自衛隊の警告は通じなかった。隊員が発砲し、少年は即死した。
なぜこの様な悲劇が起きたのだろうか。そもそも自衛隊の派遣自体が間違いでなかったろうか。

以下反戦平和が云々と続く。



24 名前: 名無し三等兵 2006/07/23(日) 03:12:28 ID:???

「あれ美奈、帰ってたんだ」
自宅の居間の椅子に腰掛けて読書に耽っている茶髪のショートカットの少女―――と呼ぶにはかなり大人びた、上背のある女性に健太は声をかけ、彼女が返した微笑みに安堵感を抱いた。
「ああ。ようやく戦線が安定し、短いながらも休暇をもらった。私はいらないがな」
幾つかの勲章が付いた青い軍服を着た彼女―――健太の上官であり、恋人―――の向水美奈は凛々しさの漂う、太めの眉と切れ長の目が印象的な顔立ちを緩めた。辞書ほどもある分厚い本を机に置くと、健太に歩み寄ってくる。
健太は美奈の振る舞いや言動を見聞きするたび、ある種の心強さを覚えてしまうのだ。彼だけではなく稲葉の少なくない数の生徒が、彼女の持つオーラに圧倒され支配されてしまう。
健太は手を広げて抱きつこうとする美奈を自然な動作で避けて台所に向かい、手にした紙袋を開けて中身を取り出す。
「たまには休まなきゃ駄目だよ。帰ってるなら電話くれれば良かったのに」
「そうも考えた。だが、しなかった」
健太が台所で買い物の中身を一つ、また一つと取り出していると、美奈が背中に抱きついてきた。



25 名前: 名無し三等兵 2006/07/23(日) 03:13:05 ID:???

背中に表面積の大きい柔らかい感触が走り、溶けるほど熱い吐息が耳たぶに吐きかけられる。美奈は健太の首筋を舐め、耳を甘噛みした。
健太の背筋に電気のようなものが走り、一気に心拍数が最大値まで上昇する。
赤い舌が耳を舐めるたびに全身の鳥肌が立ち、心臓を鷲?みにされたような感触を覚える。立っているのがやっとで、今にも崩れ落ちてしまいそうだ。
―――と、とにかく放れなきゃ…!
健太はどうにかして美奈を振りほどこうとしたが、回された手は鉄のように頑丈で全く動く気配が無かった。
無理も無い。健太は一内勤士官で、美奈は空軍大尉として中隊長を勤め自らFw190を駆け戦場を飛び回る人物、普通に考えて力で敵うわけが無いのだ。ただでさえ、健太は力が無いのというのに。
「なぜだろうか…?私にもわからない…」
横目で美奈を見ると、何かに酔ったような目でこちらを見ていた。切れ長の目が弛み、瞳が健太を獲物のように見ている。健太は危機感を覚えたが、どうにもすることができない。
「だ、駄目だよ美奈!こ、こんな昼間だし…」
「ただ一つ確かなのは、私は健太を求め、交わりたいという欲求が体を食い破ろうとしていることだけだ」
「ええッ!そ、そんなこと言われても―――」
健太が必死に声を振り絞って出し、訴えても美奈はさも当然のように言う。ひょっとすると彼女の耳には、健太の声など届いていないのかもしれない。というより、交わりたいなどと露骨に表現されるのも困る。
この人はいつだって無茶苦茶だ。爆弾やロケット弾をぶら下げたままFw190で優勢な敵戦闘機と空中戦をこなし、白石が戦車一個中隊を差し向けても二時間で全滅させ、
十数回撃墜されても無傷で生きて帰ってくる人―――人と呼んで良いのかよくわからないが―――なのだ。一般人の常識が通用するはずがない。
「だ、駄目だって…」
「残念だが諦めろ、もう私は止めるつもりはない。ふふ、少々荒っぽくなるかもしれんが我慢してくれ」



26 名前: 名無し三等兵 2006/07/23(日) 03:13:56 ID:???

美奈は健太の背中と足に手を回すと、お姫様だっこをして居間へと連れて行く。これが健太と美奈の力関係だ。美奈が夫で、健太は妻というのが家内での役割で、家を守り家事をするのが男、戦場で戦うのが女なのだ。
美奈は居間のカーペットの上に龍之介を降ろし、間髪居れずに馬乗りになった。腹部を押さえ込まれて、健太は動くことが出来ない。
白い手は頬に回され、優しく撫でた。美奈の紅潮した顔が近寄り、荒い鼻息の音がすぐ近くで聞こえる。美奈は健太の首筋、頬に数え切れないほど口付けする。それだけでなく、時折耳に息を吹き掛けて、健太を飽きさせない様にしていた。
されている方からからしてみれば、勘弁してほしいところなのだが…。
「神はなんと美しいものをお造りになったのだろう…。綺麗だ…」
「そ、そんなことはないと思うんだけど…」
「秀でたものを持つ人間は、自らはその価値に気付いていない。健太はそれだ」
「でも―――」
健太の反論は口付けで封印される。美奈は少々乱暴に舌で口をこじ開け、健太の唾液を求めて口内にそれを這わせた。歯茎の上、下が舐め尽され、丸め込んでいた健太の舌に強引に絡み付いていく。
「やはり健太の唇は最高だ。もっとも、私は健太以外の唇を奪うつもりは無い―――」
美奈は空いていた健太の右手を取ると自らの胸に回し、そのまま右手を動かさせて胸を揉みしだかせる。
「お、おぅふ…」


27 名前: 名無し三等兵 2006/07/23(日) 03:14:50 ID:???

「私だけが攻勢なのもなんだ。健太も対空砲火ぐらい撃ってきて良いぞ」
健太は既にまともな思考能力を失っているにも関わらず、美奈は予習綽綽で龍之介をリードしていた。
互いの唇が離れると銀色の糸が伸び、美奈はそれを舐め取ると満足げに笑って口元を拭った。
「体が熱くなってきた。ふふ、恋の炎とでも言うのかな?この感覚は」
美奈は離れようとする龍之介に密着し、制服のボタンに手を伸ばす。
「ちょ、ちょっと…駄目だよ…」
「安心しろ。私は脱がすのが好きだからな。ふふふ、随分体が熱くなっているのだな」
これじゃ女の子じゃないか、と健太は情けなくなる。女に上を取られ、焦らされているなんて恥ずかしいことこの上ない。
「ああ…うう…」
第三ボタンが外されようとした時、携帯の呼び出し音が鳴った。健太の着信音ではない。
美奈は馬乗りになったまま、先ほどまでとは別人のような凛とした態度で電話に応じる。何か込み入った内容のようで、美奈は時折眉を顰めたり、眉間に皺を寄せたりしていた。
「もしもし、私だ。うむ、わかった。十分で行く」
「だ、誰から?」
「空軍本部からだ。すぐに戻れと連絡だ」
「そう!それは…」
健太は心底安心したが、美奈は上体を起こす健太を再びカーペットに押し付けた。
「五分で終わりまでやるぞ」
「え、ええ!?」
「当然だ。このまま私を屋外に出したら手当たり次第に襲うぞ、間違いなく」
「め、滅茶苦茶だ…」
「社会平和のため、私の健康のため協力してくれ」
「それでは、参る!」
「ちょっと――――」






862 名前: 名無し三等兵 2006/08/31(木) 23:10:40 ID:???

>>物語は唐突に氏
 乙であります。

 
 とりあえず久方ぶりのスレ梅用の短編をば
 
「……最終弾着五分後、その後我が小隊は突撃発揮する。
 各地の戦場で有名を鳴らした諸君とならこの突撃も成功に終わるだろう。
 諸君の活躍に期待する!」

 急遽、負傷した指揮官と交代した他部隊の3尉が掌握下におさめた小隊に訓示する
 兵士達は黙ったまま、彼を見つめる
 エルフがいる。ドワーフがいる。コボルトがいて、ホビットも居た。
 前任の指揮官とともに数多の戦場を駆け抜けた猛者たちだ。
「5……4……3……最終弾着……」
 目標となっている城壁を見つめながら3尉は呟く
「今だ!第5小隊、突撃に―――前へ!!!」
 最後の爆音とともに緊張と興奮に彩られた声が小隊に発せられる
 だが、走り出したのは本職の自衛官だけだ 
「何をしている!!突撃だ!突撃!」
 エルフもドワーフも、当然コボルトもホビットも動かない
 怪訝そうな顔をして此方を見返すだけである
「ど、どうしたんだこいつら?この期に及んでサボタージュか?
 それとも俺の命令は聞けないとでも言うつもりか?」
「あー、違います小隊長」

863 名前: 名無し三等兵 2006/08/31(木) 23:22:36 ID:???

 訳の分からない状況に混乱する3尉に、突撃をやめて帰ってしまった2曹が話しかける
「ほら、うちの小隊っていろいろな人種がいるでしょ?」
「う、うむ」
「エルフとかドワーフとかコボルトとかホビットとか、言語が全部ばらばらなんです
 だから、それぞれの言語で命令しないといけません、派遣前に手渡された手引帳にあった言葉で」
「……一つ聞くが、前任の小隊長は全部の言葉で指示を出してたのか?」
「そうですよ。ほら、小隊長。この手引長を見ながら改めて指示をどうぞ
 ここと、そこと、あそこと、この指の位置の言葉で」
「……分かった。では改めて指示する」
 3尉が大きく、肺が裂けそうなほど息を吸い込んで叫ぶ
「突撃っ―――!
 ワンマハルシャロ―――!!
 フラ―――!!
 ウラトグ―――!
 カネカエセ―――!
 て、いうか戦場に出すなら言語の統一ぐらい如何にかしろ馬鹿幕僚共が―――!!」
  
 其の瞬間、部隊は命を吹き込まれたかのように突撃を開始した
 我先にと敵陣に向かって走り出す兵士達

 ―――其の後ろを、やるせなさそうに溜息を付きながら3尉が付いていった

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 多人種編成異世界軍ネタで。
 実際多民族で編成された軍隊には上記のような笑える展開があったとか
 具体的には『ソ連』とか『ソ連』とか『ソ連』とかの国



372 名前: 名無し三等兵 2006/09/18(月) 22:09:18 ID:???

元生氏乙。

こちらは突然浮かんだ糞妄想でつ。

個人レベルでは退治困難な異世界の魔物……
しかしながらその魔物、何故か倒すと金貨が手に入る。
その金貨を日々の糧に魔物駆除を行う職業があるほどだ。

パパンッ!!
乾いた音が木霊して魔物が倒れる。
「こちら勇者01、当該地域の魔物はあらかた倒したぜ」
黒い筒を持ち、深緑を思わせる服を着た男が
口元に伸びた管に話しかける。
<<こちらルイーダの酒場。
遅かったな。
他の隊はもっとサクサク狩りをしてたぞ?
だいたいの平均量は10グラムだ。
そっちはどうだ?>>
その言葉に勇者01の隊長はニヤリと笑う。
「さっきメイジキメラを殺った。
合計で18グラムだ。」




235 名前: 名無し三等兵 2006/10/12(木) 20:27:39 ID:???

全ての世界には時間が逆行している
反物質世界が存在していると言う事は良く知られた事実だ。
また世界は可能性の数だけ存在するという事も我々知類連邦国民には周知の事実である。
                    
               ―――エスト=ブレーメン・アギア=エスコ=テン共著
                      2371年版『多元世界理論序論』より抜粋

―西暦2020年8月15日午前11時30分・日本国・関東州・横須賀港
大型巡洋艦『長門』の艦橋では多くの人間が慌しく動き回っていた。
以前ならば自衛隊派遣に抗議を行う為に市民団体の方々が押し掛けたであろう港周辺も今は静まり返っている。
彼らは何も知らないのだから当然ではあるが。
「護衛艦艇の展開完了を確認しました。港の封鎖も既に終了しています」
第2艦隊司令の柏葉一彦中将に艦長の栗橋道彦大佐は報告ついでに話し掛けた。
「司令、今になってこんな事を聞くのも問題かもしれませんが今回の転送は本当に成功するんでしょうか?」
「こんな事を言うのは指揮官としてあるまじき事だが正直に言って全くわからん。
今の時点で言えるのは前回起こったから今回起こるだろう、という前提条件の元に全てが進められているって事だけだ」
「確かに例の『ゆらぎ』は観測されています。そのゆらぎが段々大きくなっている事もまた事実です。
しかしどうしても実際に見るまでは完全には信じ切れません」
「私だってそれは同じさ。ただ『むつ』が核融合炉の実験中に突如として消滅し、一年後に同じ場所に現れたのは紛れも無い事実だ。
そして2015年の実験結果が正しいとすれば『向こう側』の世界は確かに存在する」
栗橋は未だ疑念を捨てきれないといった表情で会話を続ける。
「百歩譲って向こう側の世界が確かに存在するとしても。いくらなんでもエルフやドワーフ、ホビットやドラゴン他諸々に果ては魔法使いというのは何と言うか
・・まるきりファンタジー小説ですよ」


236 名前: 名無し三等兵 2006/10/12(木) 20:28:12 ID:???

「考えてもわからない事は考えても仕方ない。実際到着してから確認するしかないさ。敵を知り己を知れば百戦して危うからず、到着後暫くはひたすら調査だ」
「確かに予測でどうこう議論しても時間の無駄ですね。全ては行ってからか」
「艦長。そろそろ・・」
丁度いいタイミングなのか、タイミングを見計らっていたのか、栗橋を呼ぶ部下の声で会話は中断された。
「わかった。それでは、失礼します」
「ああ」
「司令、『岩戸』より通信です」
栗橋が艦長席へ向かうのを何気なく見つめていた柏葉に通信員から声が掛かった。
「こっちに回してくれ」
「柏原だ。」
艦内電話の受話器を取ると柏原は相手と話し始める。
「岩戸の田辺です。核融合炉の準備完了しました」
「わかった。そのままの出力を保ちつつ待機するように」
「了解」
そう伝えると柏葉は目を瞑り静かに考え事を始める。
彼に限らず多くの日本人が似たような状態だった。

全ての発端は何処にあったのだろうか?
強いて言うならば大東亜戦争後の全てだ。

正直に言って今の地球は日本人にとってあまりにも生きにくい環境だった。
狭い国土・自給できない資源・底無しに悪化する治安・殆ど崩壊した財政・破綻した社会保障制度・周りを見渡せば敵ばかり。
何よりもこの言い知れない閉塞感。
其処に飛び込んできた『新世界』の話は政府高官や有力者を熱狂させた。
過去の柵を逃れ広大な新天地へ拡散する。


237 名前: 名無し三等兵 2006/10/12(木) 20:29:19 ID:???

しかも、話によれば其処は未開の地であり文明レベルは低く生物や物理現象等多少の差異はあれども地球とほぼ同じ。
向かう先の各地を制圧し、広大な領土を確保し、埋蔵する資源を掘り起こし、新しい自分たちの世界を築く事が出来る。
何と魅力的な話!!
確かにこの世界にはまだあまりにも広大な宇宙が残されている。
しかしそれは余りにも遠い話でありまだまだ夢物語でしかない。
ところが向こう側の世界は違う。
少し手を伸ばせば地球をもう一つ今すぐにでも手に入れられるのだ。
これに乗らない手はない。

計画は驚くほどのスピードかつ歴史上他に例に見ないほどの秘匿性をもって一般人を完全に置き去りにした上で進められた。
無論主要報道機関の長は全てグルである。
たとえ知ったところでこんな荒唐無稽な話を誰が信じるだろう?
日本を動かしている歯車は一般人だが歯車を組み立てて回しているのは有力者層だ。
欲が絡むと人は強くなる。そして、皆なんだかんだと言って生まれ育った日本という国と文化が好きだった。
他の国なんぞに取られて堪るものか、誰もがそう思っていた。



238 名前: 名無し三等兵 2006/10/12(木) 20:29:50 ID:???

異世界転移現象の解明、転送後の行動要綱、それに伴う軍組織の再編・増強・最適化、陸奥乗組員の証言と一度の転送実験を元にした向こう側の世界の研究、
法の大改革、食糧生産技術の改良、資源の確保、工業施設の増築、国政の整理、そして一連の行動の隠蔽。
目的達成の為になりふり構わず全力を傾けた日本は皮肉な事に『むつ事件』後の10年間で凄まじいまでの成長を成し遂げた。

そして2020年8月15日。
大東亜戦争終結から丁度75年目のこの日。
ゆらぎは順調に増加し続け。
核融合炉は規定の出力を目指す。
関係者の覚悟は既に完了し。
海外在住の日本人には全て帰国命令が出ている。
準備は全て整った。

国民の大半を占める一般庶民はこの期に及んでも何も知らなかった。
しかし日本人の集結は既に済んでいるし海外資産も回収が終わっている。
戻ろうと思えば最悪でも5年後には元の世界に戻れる。
何よりも此処まで来たら一蓮托生であり誰も真相を明かす気は全く無い。



701 名前:適当にいじったから変かも :04/02/12 20:33 ID:???
かみ   「やっときましたね。おめでとう! このゲームを かちぬいたのは きみたちがはじめてです
たいいん 「ゲーム?
かみ   「わたしが つくった そうだいな ストーリーの ゲームです!
たいいん 「どういうことだ?
かみ   「わたしは へいわなせかいに あきあきしていました。 そこでじえいたいをよびだしたのです
たいいん 「なに かんがえてんだ!
かみ   「じえいたいは バランスをみだし おもしろくしてくれました。
      だが それもつかのまのこと きみたちにもたいくつしてきました。
たいいん 「そこで ゲーム‥か?
かみ   「そう!そのとうり!! わたしは あくを うちたおす ヒーローが ほしかったのです!
たいいん 「なにもかも あんたが かいたすじがきだったわけだ
かみ   「なかなか りかいが はやい。 おおくの モノたちが ヒーローになれずに きえていきました。
      しすべき うんめいをせおった ちっぽけなそんざいが ひっしにいきぬいていく すがたは
      わたしさえも かんどうさせるものがありました。わたしは このかんどうを
      あたえてくれた きみたちにおれいがしたい! どんなのぞみでもかなえてあげましょう
たいいん 「おまえのために たたかってきたんじゃねえ!よくも おれたちを みんなをおもちゃにしてくれたな!
かみ   「それが どうかしましたか?すべては わたしが つくった モノなのです
たいいん 「おれたちは モノじゃない!
かみ   「かみに ケンカをうるとは‥‥どこまでも たのしい ひとたちだ!
      どうしても やるつもりですね これも いきもののサガか‥‥
      よろしい しぬまえに かみのちから とくと めに やきつけておけ!!



435 名前: 名無し三等兵 2006/10/22(日) 21:34:25 ID:???

「ローズバッド6、ローズバッド6、こちらハーブ13。FM回線だ、聞こえるか?」

「ハーブ13、こちらローズバット5。KIA1、負傷4。森の西側から矢の雨だ、火の玉みたいなのも飛んでくる!スモークを焚くから見つけてくれ。」

畜生め、偵察中のヤツら、頭から敵の罠にはまりやがったな。
おおかた送られてきて間もないFNGばかりなんだろう。

「了解・・・見えてるぞ、どこから攻撃されてる?」

「東の木立と西の廃村からだ。火の玉は廃村から飛んできてる。こっちはスモークの北側だ。」


俺達がこのクソッたれの世界に来てから2週間だ。
最初はベトコン連中が消えたんで、連中尻尾をまいて逃げたのかと思ったが、そうじゃなかった。
本国とも連絡は取れないし、なにより南のグークどもまで消えちまった。ハノイもだ。
お偉方も相当混乱したようだな。
そんな中、一部の部隊がいきなり攻撃された。連中ベトコンかと思ったらしく、盛大に花火大会をしたらしい。
そいつらは、エルフとかなんとか言ったっけな。
とにかく、それ以来前線にいた奴らが次々に攻撃を受けた。

436 名前: 名無し三等兵 2006/10/22(日) 21:36:11 ID:???

「了解、ちょっと待っててくれ・・・・カーボンアウトロウ14、カーボンアウトロウ14、攻撃機をまわせるか?」

「ハーブ13、カーボンアウトロウ14だ、もう手配してるよ。F-100が行くぞ。コールサインはブレイド、現在スクランブル中だ。あと10分で到着する。」


何度か前線で交渉を試みたんだが、連中聞く耳を持たなかったらしい。
結局お偉方はそのエルフだとかいう奴らを敵性勢力と見なして、俺達に攻撃命令が降りた。


「ハーブ13、こちらブレイド01だ。こちらはF-100が4機、それぞれMk.82が2発とナパーム2発、20mmが300発だ。
あと5分あれば攻撃準備完了だ。」

おっと、F-100が来たようだ。いつ見ても羨ましい限りの武装だな。
さぁて、今日も花火大会を始めるか。



618 名前: 名無し三等兵 2006/10/29(日) 22:27:16 ID:H5RYZpue

西暦20XX年、自衛隊史上最大の演習が行われる……

小官殿に率いられた懲罰戦隊Rapeは富士の裾野に設けられた集結地にて待機
していた。
懲罰戦隊Rapeは日本本土奥深くに浸透した敵側の特攻部隊と想定され、
対する防衛側の自衛隊部隊によって容赦なく訓練弾を叩き込まれる損な役周り
を押し付けられていた。

Rapeの面々を重い雰囲気が包んでいたところ、上空に巨大なワームホールが
発生し、Rape部隊と武器、物資、弾薬、燃料その他諸々の品々と共に異空間
を跳躍した。

Rape部隊長の小官らとその部下たちが目を覚ますと、そこは見覚えの無い海岸
であった。やや遠くに、中世欧風のお城が見える。そこに接近する船の一団が
目視で確認され、電子双眼鏡で覗いてみると物騒な海賊風の男たちが武器を手
にお城へ雪崩込んで行った。数刻の間、城に詰めていたらしい少数の者たちが
応戦するも、やがて抵抗は止んだ。

仕方が無いので、小官殿は内陸とお城の方へ偵察を遣るように副官に命令した。
この時はまだ、この命令がアカネイア大陸に小官殿が打ち立てる最初の覇道に
なるとはまだ誰も予想し得なかった。



671 名前: 名無し三等兵 2006/11/01(水) 23:45:05 ID:/E07n+yr

城塞都市を占領した小官殿は1500人に満たない手勢たちに20万発を切った
弾薬で30万人の住民を虐殺するように命じた。それも、日の出から日の入ま
での間に。
ついでに、銃剣でも軍刀でもなんでもいいから住民100人斬れるかな?
競争をおっぱじめろと命令した。
国から持ってきた一升瓶を、妊婦の膣に蹴り入れろとも言った。
「なぜ、そんなことをさせるのか? 必要性が感じられない!」
部下たちは、口々に命令撤回を求めた。だけど、小官殿は頑として聞かない。
「小官は試してみたいのだ、南京陥落当時、入城した日本軍の手と物資だけで
本当に30万人殺せるのかどうか……これは再現シミュレーションというやつ
だな」
沈黙の後、陸曹たちが隊員を掌握して虐殺の作業に取り掛かった。
穴を掘る者、機関銃を据え付ける者、杭を打つ者、住民を選別する者、
皆が各々、効率的に作業を行うための下準備を熱心に始めた。


672 名前: 名無し三等兵 2006/11/01(水) 23:46:21 ID:/E07n+yr

街角に消えていった陸曹の一人が戻ってきた。両手に縄を持っていて、それは
4人の住民を首から引っ張るようにくくりつけられている。4人とも、年は10代
前半から20代半ばまでといった年格好の女たちだ。
それらを連れてきた陸曹、小官殿に旧くから従って来たクマラン2曹は女たちを
まとめて強引に引き回して、休憩していた陸士たちの足元に放り出した。
「お前達、そいつらを好きなように犯しておけ。俺がまた別のを連れてくるから、
取り合いで喧嘩などやってたら蹴り上げるぞ。いいか、交代で一人残らず、
乱暴に犯しておけ」
野犬が人間語を口にしたような、ぞっとする声でクマラン2曹が命令した。
またどこかへ歩いて行こうとする2曹の背中に、陸士の一人がすがるような
非難を浴びせる。
「なんなんすかこれぇ!! おびえてるじゃないっすか、俺ら、こんなことやり
たくなんてないっすよ!」
2曹が立ち止まった、頭だけ右に振り返って、非難の声を上げた主を確認する。
無言で見据えられた新米の陸士は、睾丸が腹に飛び込んだのかと思うような
腹痛を覚えた。襟首を2曹に掴まれて、50cmも持ち上げられて、巻いて縛った
毛布みたいに放られた。女達の腹や背に着地させられ、地面との衝突を予期して
反射的に出した手の平が乳房に押し当たった。陸士は不意に勃起した。
好きなだけ人の肉をえぐったり、削ぎ落としたりしても咎められないんだと
確信した僕も、興奮を抑え切れなかった。景気付けだと自分を煽って、一番
若そうな娘の服を銃剣で裂いた。甲高い悲鳴と、その引きつった目を見た
瞬間、僕は理性とサヨナラ出来た。 小官殿万歳!

676 名前: 668でっせ 2006/11/02(木) 16:19:21 ID:???

陸士が「小官殿万歳!」と叫んだその時であった。

城塞都市に正義の六四式小銃の銃声が響き渡った。

そして、鮮血を撒き散らしながらクマラン2曹が宙を舞った。
地面に叩き付けられたクマラン2曹。
だが六四式小銃はさらに火を噴き続け、クマラン2曹の体が街角で跳ねている。
そしてそれを六四式小銃の照準越しに見つめているのは、紛れもない阿室二尉=小官殿であった。
「しょっしょしょしょしょうかんどのおお!?」
そこで小官殿の背後から出てきた民間人・今井が陸士にハリセン1発!
「そりゃ私の台詞だ!!!123456789!」
「自衛隊なら役職名で慌てふため(ry!!!!」

その時、街角から爆走と急ブレーキの音も軽やかに、迷彩車からヒラリと飛び降りる漢が1人。
今、阿室二尉=小官殿に射殺されたばかりのナイスガイ・クマラン2曹であった。
「クマラン2曹!ただいま西街で偽隊長を射殺してまいりました!(^^」「よし、御苦労!」
「に、偽隊長????!」
「そー。つーかー最悪、巻いて縛った毛布みたいに放られた時点で気付きなさいってホラ」
今井が偽クマラン2曹に剥かれたオネエチャンを役得とばかりに介抱しながら、
地面で血袋になっている偽クマラン2曹の方に顎をしゃくる。

そこには、野犬のような人型魔獣が血塗れになって転がっていた。
恐らく、敵軍の軍師格の魔術師による数ある作戦のうちの1つだろう。
「ま、よくある事さ。新兵さんかい?ここはファンタジーな世界だぜ?☆」


690 名前: 688 2006/11/02(木) 23:07:37 ID:???

「鈴木(雑賀)孫市、また邪魔だてするか」

突然の乱入者であった。

しかし信長は、平然と、その乱入者の顔を見つめていた。

どこか、不思議な、光景であった。

雪混じりの儚げな風の中で、三者三様の眼差しだけがあった。







790 名無し二等陸佐 sage 2006/12/09(土) 20:48:30 ID:???
一発投下
20XX年X月X日
自衛隊C11輸送機が地中海沖のある国に着陸しようとしていた
伊原一等陸佐中心とした、自衛隊第12空艇治安維持旅団が
治安維持のため、出兵した。
日本を旅立ち、12時間。
団員にも疲れが出始めていた。
その空港に着陸しようとしていたが許可がおりない
どうやら、プロペラ戦闘機が着陸に失敗し、滑走路が閉鎖していた。
ようやく許可がおりたのは、1時間後だった。
「ご苦労だった、陸佐」
「現地師団長、只今参りました」
首都に入ったのは、2時間後。現地時間10時25分、
かなり疲れがたまったため、その日は休養が命ぜられた。
次の日…軽装甲車で首都を見回りをしていた。
その国はキノコ王国…出来立ての国だ。
「伊原陸佐、奇妙な国に来ちゃいましたね。」
「山田二等陸士、口が軽いぞ!確かにこの国はキノコ族の国だ」
「首長はだれなんですか?」
「さあ…」
まだ出来立ての国は知られていない国でもあった。
そのとき、
「なんだ、あの飛行物体は…」
「キノコ城…いや違う!急行します。」
軽装甲車はキノコ城へ急行しようとした。
しかし、激震が走り、進めない。
激震がおさまった時、行動再開した。
キノコ城はなくなっていた…
一体誰が?
「城がない!」
このあと我々は大変なことになるとは…誰も信じていなかった。

111 名無し三等兵 sage 2006/12/30(土) 00:00:09 ID:???
朱き帝國第01話

 新星暦351年
 
 
 ヴェンツェル・エッカート子爵導師は白亜の空中回廊から、魔術師達が忙しなく動き回る宮城前広場を見下ろしていた。

「いよいよ、か……」

 口に出して呟くと、胸の奥からある種の感慨がこみ上げてくる。
 宮廷魔術師として、大モラヴィア王国に仕えて30年余り。
 長年の研究成果が漸く実を結ぼうとしているのだ。

「お師様!こちらにおいででしたか」

 ふと、後ろから声がかかる。
 紫のローブを纏った大柄な青年がこちらに歩いてくる。

「ゼップ君か。どうしたね?」

「……儀式の準備が整いました。国王陛下も、既に広場でお待ちです」

「そうか」



112 名無し三等兵 sage 2006/12/30(土) 00:00:33 ID:???
 いよいよだ。もう一度、今度は心の中で呟いて、ヴェンツェルは広場のほうに歩き出そうとする。

「導師」

「なにかね」

 大柄な青年魔術師…ゼップは、なにやら言いづらそうに口篭り、ややあって意を決したように口を開いた。

「本当に、危険は無いのでしょうか」

「………また、その話かね」

 ヴェンツェルはフゥ、と軽く息を吐いて男に向き直った。

「既に閣議でも決定した事だよ。リスクに関しても陛下はちゃんと認識しておられる」

「しかし……異界の大地を丸ごと転移させるなど前代未聞です」

113 名無し三等兵 sage 2006/12/30(土) 00:01:16 ID:???
 つまりはこういうことだ。

 ヴェンツェルやゼップの母国たるモラヴィア王国は、俗に遺跡王国とか魔法王国などと呼ばれている。
 その名が示す通り、国民の中にしめる魔術師の割合が他国より多く、その国土には太古の魔道文明の遺跡が多数眠っているわけなのだが……問題は彼らモラヴィアの魔術師が使う魔術にあった。

『秘蹟魔術』

 太古に滅び去った魔法文明において利用されていたという、世界の根源たるマナを直接汲み出すことで奇跡を成すという強力な魔術である。
 351年前、建国王アルブレヒトによって遺跡より発見されたこの古代魔術は、他国で一般に使われている精霊魔術に比べて汎用性、威力ともに非常に優れており
この強大な力を独占したアルブレヒトは(それまでは地方の一豪族に過ぎなかったにも拘らず)大陸北部を覆う大国を一代でうち立てたのだ。
 
 しかし、この魔術の乱用によって大地よりマナを延々と汲み出し続けた報いか、モラヴィアの大地はここ数十年のうちに急速に衰えつつあった。

 それは、大人口の集中する首都や魔術研究都市の近辺より始まった農地の砂漠化と、森林の枯死という形で現れ、時の王国首脳に大きなショックを与えた。
 彼らの覇権の原動力たる古代魔術を今更放棄することなどできない。
 かといって、このまま事態を座視していれば、そう遠くない将来。自分達の国は草木も生えぬ不毛の大地と化すだろう。

114 名無し三等兵 sage 2006/12/30(土) 00:02:04 ID:???
 その後いくつもの対応策が講じられたものの、目立った成果はあがらず。最終的に考え出されたのが異界からマナの豊富な大地を召喚し、そこから国土維持に必要なマナを吸い出してしまうというものだった。
 『救世』と名付けられたそのプロジェクトを率いることになったのがヴェンツェルだった。

「召喚陣には我が国で最も強力な従属魔術が付与されておる。仮にその大地に異界人が紛れ込んでいたとしても、問題にはならんよ」

 ヴェンツェルはそう言って笑った。
 ここでいう従属魔術とは、人の体内で生成される魔力に干渉して、その精神を乗っ取るというものだ。
 逆に言えば、マナから魔力を生成できない者には効果が無いということなのだが、その点に関してヴェンツェルはなんら心配していない。
 人間なら誰しもごく少量の魔力は生成できるはずだし、万一、異界人が魔力を生成する術を持たぬというなら、それこそ我が国の魔術兵団なりを送って制圧してしまえば良い。
 現代において、魔法を運用しない軍など物の数ではないのだから。

「案ずるには及ばんよ」

 そう言ってヴェンツェルは笑った。


115 名無し三等兵 sage 2006/12/30(土) 00:02:34 ID:???
1941年6月21日。モスクワ。

「困ったものだ」

 赤軍参謀総長ゲオルギー・コンスタンティノヴィッチ・ジューコフ元帥は疲れきった風体で椅子に腰を下ろした。ここはクレムリン宮殿内に設けられた高官用の休憩席である。
 帝政時代の職人が丹精込めて造り上げたアンティーク調の椅子は、彼の背中をやんわりと受け止めた。
 その柔らかな感触に軽く息を吐く。と、後ろから声がかかった。

「おう。何だ、同志ジューコフ。ここに来てから30分で10年は老け込んだように見えるぞ」

「……どうかお手柔らかに願いますよ。同志」

 そう言って振り返ると、軍服姿の禿頭の大男がニヤニヤ笑いながら立っていた。
 国防人民委員のセミョーン・ティモシェンコ元帥である。
 
「その様子だと、色好い返事はもらえなかったようだな」

「ええ、同志書記長はドイツの攻撃まで、まだ間があると御考えです」

 そう言って溜息を吐いた。
 この時期、ドイツとの開戦に備えて赤軍はかなりの兵力をポーランドに集結させつつあった。
 しかしその大半はスターリンの厳命によって即応体制には無かった。

116 名無し三等兵 sage 2006/12/30(土) 00:03:23 ID:???
「第一撃でナチの奇襲を許した場合、このままではウクライナ辺りまで一気に踏み込まれかねません。唯でさえ4年前の…」

「同志。その先は言いっこなしだぞ」

「……申し訳ない」

 4年前。
 スターリンの意を受けたNKVD長官エジョフによる赤軍大粛清は、ソヴィエトの軍事システムを主に人材面で半ば麻痺状態にしてしまった。
 なにしろこの粛清劇で元帥5人のうち3人。軍司令官15人のうち13人。軍団長85人のうち62人。師団長・旅団長も半数以上が粛清され、被逮捕者の数はなんと将校だけで2万人にも及んだ。
 はっきり言って軍そのものが瓦解しないのが不思議なほどの数である。
 
(あれから4年……)

 そうだ。僅か4年だ。
 この程度の期間で将校を、ましてや将軍を育成するなどまず不可能だ。
 現在の赤軍は装備だけが立派な張りぼてに近い、ジューコフはそう思っている。
 ……実際には『張りぼて』というのは言いすぎだったが。この感想は実に的を得たものだった。

「ともかく、だ。俺もその件に関しては憂慮している。後で同志書記長に進言しておこう。せめて前線への警告だけでも、とな」

「……ありがとうございます」

 ジューコフは安心したように頷き、ティモシェンコはニッと男臭い笑みを浮かべた。

509 名無し三等兵 sage 2007/01/12(金) 17:29:43 ID:???
2020年、怪物テロ事件直後、場所は執務室…
英雄論で統幕長たる将と公安調査庁長官は酒宴を兼ねて語り合ったそうな。

統幕長「公安よ、このF世界で英雄といえるのは誰のことかな?」
公安「さあ…わたしはそういう事項に疎いから…」
統幕長「いいからお前が個人的に感じたことを言え!命令だ!」
公安「それなら…佐藤一尉はどうでしょうか?若年ながら…」
信長「あぁ?あの若造か。所詮、父親の遺産を受け継いだに過ぎん。
   はっきりいってまだ統率力が未熟だ。全く問題はないわ」
公安「それなら、官僚達はいかがでしょうか?」
統幕長「ふふ…やつらは生きた屍よ。日和見主義で権力からも
   見放された、器量の小さい才人物共よ。いつか俺が滅ぼすわ」
公安「それならのエルフはどうでしょうか?世界の守護者と謳われ…」
統幕長「あやつらは戦略は勝れ、あの連合王国も手こずったやつだが考えが古い。
   時代錯誤ともいえる自然懐古に全力を注ぎ、また同族中の内紛が絶えんな。
   多分、統率力がないのだろう。その上極端な潔癖性で天下は無理よ」

510 名無し三等兵 sage 2007/01/12(金) 17:31:17 ID:???
公安「では邪教徒達はいかがです。第三氏族に期待されておりますが」
統幕長「はーっはは…確かに邪教徒共は畏しい。だがやつは邪神を神格化した
   信者と家族との確執が絶えん。特にこの世界の主要宗教組織とは犬猿の仲らしいのう
   器量は連合王国よりはいいが、ある意味アルカイダと変わらん。天下は無理だ」
公安「それなら市民団体と在日らは英雄とは
   いえんでしょうか?わたしでは判断はできません」
統幕長「いえんな。やつらは妄想主義の門を守る犬に過ぎんな」
公安「もうそれ以上、わたしの思い浮かぶ人物はおりませんが…」
統幕長「いや、おるぞ。このF世界に英雄といえる人物がな」
公安「それは誰でしょうか……?」
統幕長「君と余だ!それしかあるまい」

この時、空が突然光り出し、奇妙な音が鳴り雷雨となった…

公安「うわっ!雷だ。あわわわわ…」
統幕長「どうした?そんなに雷が恐いのか?公安よ」
公安「は…はい。わたしは幼い頃から苦手でして…」
統幕長(どうやら俺は公安を買い過ぎたようだ。畏れるに足らんやつよ。
   クッ…ククク…ウワーッハハハハハハハハハハ!!!!)

…と統幕長の高笑いが、雷雨に覆われた執務室にこだましていたそうな…



740 名無し三等兵 sage 2007/01/28(日) 11:50:15 ID:???
あぁそれが良いな>>738

「技官、例のでっかいトカゲの火を吹く理由がわかったかね?」

「死骸を解剖して見ましたけどね、かなり損傷が激しく正直不明な部分が多すぎですが
まず生物に基本的な循環系と消化系、気管支系はありました。」

手元のバインダーを確認しながら技官は続ける

「問題は火を噴くという中々お目にかかれない機能ですが、
頭部の損傷の激しさから殆ど推論です。蛇の毒袋のように扁桃腺あたりA薬、B薬というのがあって
口膣内で適量化合すると可燃性の液体になる。
それを牙をカチあわせることで発火、巨大な肺活量で噴出というプロセスでファイアブレスになるかと」

「純粋に科学的な火炎放射器のようなものだと?」
腑に落ちないという武官の声に同じように自分ですら納得できなかった技官だったが
結局こう続けた。

「装甲車両の前面を融解させる温度に到底ならないというのは私も理解できますが
科学の中で考えるならコレが一番合理的です。
あとは可燃性の液体の成分調査くらいしか残っていませんが残念ながら死骸のその部分は欠落していますし」

生物が金属を溶かす高温を発するという非常識に現場の誰もが頭を抱えていた。

こんな感じかね>>738

744 名無し三等兵 sage 2007/01/28(日) 12:19:19 ID:???
レポート名
 巨大蜥蜴類似生物が口腔から炎等を吐き出す件について

これは巨大蜥蜴類似生物(仮称ドラゴン、以下ドラゴンと記述)が口腔から炎を吐いたり
息を受けた物体が腐食することに関する研究の中間報告である。
またドラゴンの口腔から吐き出される炎や受けると腐食する息等を「ブレス」と仮称する。

このブレスは攻撃や威嚇に使われる行為ではあるが、どうやってブレスを口から出すのかは
いまだはっきりとはわかっていない。
一説には毒蛇等が持つ毒袋(毒線)から出す物質によって化学反応を起こしているとする
「化学反応説」があるが、私はこれとは違う「マナ説」を推論する。

「マナ説」とはドラゴンのブレスは魔法の一種であるというものだ。
こちらの世界では魔法の発言を促す力場として、魔法陣というものがある。
魔法陣とは地面や物体に一定の法則に従って、力場を発生させる文字や紋様を描くことだが
これを描く際にも実際はマナを消費する。しかし力場が発生することによってその後の魔法の発動は
魔法陣がない場合より低いマナ出力で魔法を出すことのできるのだ。
「マナ説」ではドラゴンは体内にある器官(魔法陣袋と仮称)に他の器官から抽出された物質
を加えることによって口腔内に魔法陣に類似する力場を発現させ、それによって炎等を
出現させているのではないのかというのが「マナ説」である。

尚これはいまだ仮説の段階のため、今後も研究が必要であることを付け加えておく。

                                        52章>>739

139 名無し三等兵 sage 2007/02/09(金) 21:58:00 ID:???
ジャンクSS『遅れてきた転移者』

――――平成19年2月、秋葉原。

「いや〜、神様っているもんやね〜♪」

 俺の名は稲葉昌由。25歳、しがないプログラマーだ。

 趣味はパソコン弄りに軍事。所謂『ヲタ』というヤツである。
 当然恋人いない暦=年齢という、実に寂しい青春を送っていた。
 が、そんな俺にだって偶にはいいこと位ある。
 いつもくじ引きと言えば『外れ』のティッシュ位だったのだが、今回はなんと宝くじの一等100万円当たったのだ。
 すげえよ! これがビギナーズラックって奴か!?

 すっかり浮かれた俺は、俺的最強PCを作るべく、こうして秋葉原までやってきた、という訳だ。

「よーし、パパこれも買っちゃうぞー」
(*稲葉は独身です!)

 調子に乗って10万円近いグラフィックボードに手を出す。
 他にも最新のCPU、マザーボード、メモリ、ディスプレー、周辺機器等々……合わせた金額は軽く50万を越えるだろう。

「おっ、忘れちゃいけないビスタちゃん」

 Linuxも悪くは無いが、如何せん互換ソフトがなさ過ぎる。
 会社じゃ重宝しているのだが……

「うっし! これで後は帰って組み立てるだけ〜」


527 名無し三等兵 2007/02/26(月) 20:16:24 ID:qh6RcvFN
彼は西に向かって歩み始めた。
装甲車もそれを追いかける。
見れば優雅な自然が広がっている。
不幸なことに彼らには眺める余裕がなかった。
余裕があればこれらの植物はニホンには存在しないことに気がついたはずなのだが。

進むこと一時間。なにやら大きな町が姿を現した。
すると彼は立ち止まり、辻たちの元に歩み寄ってきた。
辻は腰の拳銃に手をかける。緊張が走る。
「あ〜申し送れました。私はエルフ族のラルフと言います。」
緊張は核分裂よろしく崩壊した。
(((ふざけているのか!?)))
初めて全員の脳が同じことを思った。
「あ・・・・ああ。私は自衛官の辻正武二尉である。」
「マサタケニイ?かわった名前ですね。」
「二尉は階級だ。」
デブとチビはこの滑稽な会話をニダニダと眺めていた。
「で、此処はどこなんだ?」
真っ当至極な質問を投げかける。
「ここは『リトニア王国』の「ノンスール」という地域です。」
「りとゔあにあ?聞いたことがないぞ。」
宮崎が口を挟む。声がすでにけんか腰だが。
「それもそうですね。あなたちは私が呼んだ「希望」ですから。」

            キボウ

その三文字が希望という日本語に変換されるまで時間を要した。
「はぁ・・・・希望と」



928 名無し三等兵 sage 2007/04/28(土) 03:31:36 ID:???
 私は陸上自衛隊に所属する3等陸曹、今夜は当直陸曹として帰隊遅延者が
出ないかとやきもきしながらWinnyしていた。
そこへ静かな空間を引き裂く電話の音。電話は駐屯地内の女性用隊舎から
だった。
電話の声は聞き覚えがある、快活で有能なことで中隊内では知らている若い
女性陸士長だ。話を聞いていくと、どうやら侵入者を捕らえたということだ。
「今は給湯室でおとなしくしているんですけど、いきなり警衛司令に連絡す
るのもマズイと思いまして……見に着て頂けますか?」

 私は服装を整えて当直室を後にし、自転車を漕いで女性隊員隊舎に急いだ。
深夜なのであたりは静かで、涼しい。一体、侵入者とは何者なのだろうか?
3分ほどで私は目当ての隊舎前に着いた。普段、女性隊員の隊舎出入り口には
ロックがかけられている。女性隊員にのみ伝えられる暗証番号を入力せねば
扉は開かない。中にいた若い女性隊員が私を見つけて扉を開けてくれた。
「お疲れ様です!」
大きな声を出してはいかんよ、夜なのだからね。案内されて、件の侵入者を
座らせている給湯室に向かった。給湯室に入ると、中にいた女性隊員たちが
一斉に私を見た。そこのテーブルにうつむきいて座っている男には見覚えが
ある。異常行動が多いことで有名な日出(ひすい)士長だった。私は内心の痛
さを隠せない。日出の顔は下手な厚化粧が塗りたくられていて、しょんぼり
とした表情もどことなくコミカルで笑えた。私は尋ねる。
「ひすい君〜、どうしちゃったの? お姉さんたちに虐められちゃったかな〜w」
周囲からも微かな失笑が漏れた。日出があまりにも暗い雰囲気を発散している
ので、周囲の空気も重くなっていたのが少しマシになった。やがて、日出士長
はボソボソとした小さい声で話し出した、侵入に及んだ理由を。

929 名無し三等兵 sage 2007/04/28(土) 03:37:54 ID:???
「僕、気づいたんです。本当の自分は、女として生まれたのが男の身体に入って
しまっているんです。何かの間違いなんです、僕は女として生きたかった!」
ポロリポロリと、日出の涙がテーブルに落ちた。
周囲に立っていた女性隊員の1人がやるせない溜め息をついて一歩前に出る。
「久間君、とりあえずこの子連れてここから出してよ。ここにいられちゃ眠れないわ」
先輩の非難する声が耳に痛い。
私の尻を誰かが軽く蹴った。振り向くと、私と同期の女がこちらを睨らみ付けている。
「クマランよぉ〜、お前がちゃんと見てないからこんなこと起きるんだろ?
ちゃんと紐付けとけよなぁ〜、っとマジうざいってかキモイんだけどテメ」
同期の無体な苦情に心底腹が立った。いつか犯して殺して埋めてやる。
泣きじゃくる日出が、自分の両肩を抱いて一層盛大に泣き出した。
みんなの視線がこちらに突き刺さって死にそうだった。俺も泣いた。 (了)


942 名無し三等兵 sage 2007/04/28(土) 22:07:14 ID:???
私は陸上自衛隊に所属する3等陸曹、今夜は当直陸曹として帰隊遅延者が
出ないかとやきもきしながらWinnyしていた。
そこへ静かな空間を引き裂く電話の音。電話は駐屯地内の女性用隊舎からだった。
電話の声は聞き覚えがある、快活で有能なことで中隊内では知らている若い女性陸士長だ。
話を聞いていくと、どうやら侵入者を捕らえたということだ。
「久間さん、"また"なんですけど…
 今回は先輩もかなり怒ってまして『警衛司令じゃなく基地司令に連絡する!』って言ってます」

 私は服装を整えるのもそこそこに当直室から自転車を漕いで女性隊員隊舎に急いだ。
深夜なのであたりは静かで、涼しい。あの馬鹿は今度はなにをやったのだろうか。
前回より急いできたので2分ほどで私は目当ての隊舎前に着いた。
普段、女性隊員の隊舎出入り口にはロックがかけられている。
女性隊員にのみ伝えられる暗証番号を入力せねば扉は開かない。
中にいた若い女性隊員が私を見つけて扉を開けてくれた。
「久間さん、もしかして夜中に女性隊員の宿舎に入れるからってわざと野放しにしてない?」
自分がそんな男と見られているのが悲しかった。案内されて、件の侵入者を座らせている給湯室に向かった。
給湯室に入ると、中にいた女性隊員たちが一斉に私を見た。そこの床に正座させられている男には見覚えがある。
またもや異常行動が多いことで有名な日出(ひすい)士長だった。私は内心の痛さを隠さない。
日出は何故かトランクス一丁で正座させられていて、膝の上には漬物石が乗っていた。私は尋ねる。
「ひすい君〜、今晩はどうしちゃったの? またお姉さんたちに虐められちゃったかな〜w」
周囲が殺気だった。石抱拷問をくらっている日出の周囲の空気は重くなっていたが
前回と違い今晩は逆効果だったようだ。やがて、日出士長はえぐえぐと泣きながら小さい声で
「でも、僕は毎晩これなんです」と喚きだしそれを見た女性隊員が話し出した。馬鹿が侵入に及んだ経緯を。

943 名無し三等兵 sage 2007/04/28(土) 22:11:00 ID:???
自由時間、レクリエーションルームにて

「最近面白いことないよね」
「そうそうちょっと前までは物語ちゃんや雑兵ちゃんが書いたポエムとか聞かせてくれたのに」
「そうね〜、それじゃ久しぶりに"アレ"やる?」
「"アレ"ってアレ?いいね〜、やろうやろう!」
「あの〜、"アレ"ってなんですか?」
「あぁ、きみはこっちに来たばかりで知らなかったのね」

「ストレスが溜まるとさ、検査係に袖の下渡して持ち込んだ私物の寝間着でパジャマパーティーするの」
「氏ねよカス!」

正座していた日出の鼻に膝蹴りを入れるとポロリポロリと、日出の鼻血が床に落ちた。
周囲に立っていた女性隊員の1人がやるせない溜め息をついて一歩前に出る。
「久間君、とりあえずこの子連れてここから出してよ。ここにいられちゃ眠れないわ」
先輩の非難する声が耳に痛い。
私の尻を誰かが軽く蹴った。振り向くと、私と同期の女がこちらを睨らみ付けている。
「クマランよぉ〜、お前がちゃんと見てないからこんなこと起きるんだろ?
前回も言ったけどちゃんと紐付けとけよなぁ〜、っとマジうざいってかキモイんだけどテメ」
同期の無体な苦情に心底腹が立った。いつかパジャマ姿を盗撮してやる。
泣きじゃくる日出が、自分の両肩を抱いて一層盛大に泣き出した。
みんなの視線がこちらに突き刺さって死にそうだった。俺も泣いた。 (了)


90 名無し三等兵 sage 2007/05/05(土) 02:18:06 ID:???
緋虎さんの設定ですが彼の生まれはとある辺境の小国です。
彼は生まれてすぐに獣人としての力が具現化してしまい、捨てられてしまいます。
その後、一応は、きわめて運のいいことに教会に引き取られて生き延びることはできましたが、強烈な迫害にさらされます。
この時に人間に対する憎しみが彼の心に植えつけられました。

ちなみに彼は名前すらつけてもらえませんでした。その獣人の特徴からただ緋虎(緋色の虎だから)野郎とかてめえとか呼ばれていました。

しかし彼が5歳の時に大きな転機が訪れます。
その国に帝國軍が進駐してきたのです。もちろん帝國の狙いはその国で産出される銅と石油でしたが彼は結果的に帝國人によって保護されます。

ここで彼はいくつかの幸運に恵まれます。

まず彼は帝國人のたたきあげの軍曹に養子として引き取られたのです。
その軍曹夫妻は子供ができず、本国では肩身が極めて狭いため、辺境の邦国に定住する決意をしていた時に緋虎に会いました。

そこで緋虎少年は溢れんばかりの愛情と極めて高い教育を軍曹夫妻から与えられます。
ちなみにこの家族との生活を通じて、緋虎少年に自分を救って、さらに結果的にですが自分に家族を与えてくれた帝國にたいする愛情のような物が植えつけられたと思われます。

ちなみに彼の名前は養父に「わが国と同盟国だったアドルフ=ヒットラー総統と同じ名前だな。よし、お前の名前は今日からアドルフだ。アドルフ=緋虎だ。」という経緯でつけられました。

その後彼ら家族は住みやすいマケドニアに移住して、緋虎少年は色々活躍することのなるのです。

ちなみに後の学者達が彼の事を批評する時に絶対に意見が分かれないことが二つだけあります。

それは彼の養父・養母に対する絶対的な愛情と同じく絶対的なまでの帝國に対する忠誠心でした。
この二つを疑う者はただの一人もいませんでした。

479 名無し三等兵 sage 2007/05/23(水) 01:11:13 ID:???
☆小官殿の旅☆

 日本円をF世界現地通貨に両替した。両替商の主人が店の奥から走って
出てきて、使用人に代り大そうな礼儀を見せた。
「1\あたりのレートが2213マンゲーになります……こちらがお渡しに……」

 小官は千円札1枚を出していた、手数料1割引かれた額でも200万現地通貨
ほどになる。これだけの金額になると、この地域でなら生活の雑事一切を雇い人
にやらせても5年以上はゆうに暮らせるだろう。小官は後ろに付いていた部下に
目配せした。分厚く重そうな扉が開いて、内から台車に載せられた金の袋が運ば
れて来た。部下がすぐにそれを抱えて持ち上げようとする。両替商がまた飛び出
て止めた。

「いえいえ! いえいえいえ……!! どうぞ、台車ごとお持ち下さいっ、差し上げますっ、
邪魔になるようでしたら、捨ててしまってください!」
土嚢8個分くらいの重さの金なので、本当に台車ごと貰ってしまった。
折角、足を運んで来たのだから小官は市場を見て行こうと思う。
車に金を積み終えると、小官は市場の近くまで車を向かわせた。
この世界では舗装路がとても大切なインフラなので、傷つけてしまわないように
と自衛隊は車両で舗装路を走行することを禁止していた。
土が剥き出してでこぼこした路面を走るから、古兵の73式トラックは派手に
揺れた。しばらく進んでいくと、舗装路がひどくたわんだり欠けたりしている
のが目に付く。運転手のクマラン3曹が路面に残されたタイヤ跡を見て、
何か気が付いたようだ。
「あのパターンは……べ」
「米軍だな」
小官はすぐに見当が付いた、この道を進んだ先が見ものだとほくそ笑む。

480 名無し三等兵 sage 2007/05/23(水) 01:30:01 ID:???
☆小官の旅☆

 このエリアは自衛隊が治安維持を受持っているので、米軍が任務で入って
くることは基本的に無い筈だった。やはり、市場中央の広場に車両を数台で
乗りつけ、即席の乱痴奇☆バーベキューを繰り広げていた米兵たちはオフを
楽しみに来ているようだった。地面に飛び散ったビール、大きなガスボンベに繋いだグリル、
切り落としたばかりの肉が焼ける匂い、そして陽気な笑い声。
あちこちからか、セックスの快楽に呻く声とかに混じって泣き声も聞こえた。

 中には、というよりも食べるよりセックスに熱心な米兵たちのほぼ全員が、
子供を相手にプレイを楽しんでいるようだった。
『戦うばかりが能じゃない、子供たちと遊ぶんだ、子供も俺も、夢中に
なって遊べる世界を守るのさ』
そんなキャッチコピーが打たれた、新兵募集ポスターを思い出した。
小官らは何をするでも無く、その中に入って行って様子を眺めた。
おい見てみろ、あのマッチョはローション塗りたくってマットプレイさせてるぞ。
日本に来てた奴だろう、賭けてもいいぞ。
「小官殿、止めるんですか? 現地民の子供を買春するのはどう考えても」
犯罪だ。
とは言うものの、今現在この地には彼ら"米兵"を取り締まれる組織はその米兵ら
を置いて他に無い。これまでも、ずっと同じようなことを見てきたがその都度
自衛隊は黙らされてきた。
「まあ、いつものことだからな。それよりほら、食うぞ貴様ら。肉食え」
小官は断りも無く勝手に肉を食べ始めた。事態自体は結構、洒落じゃ済まない
もののはずなのだけど、ここにはそれを問題にする人たちがいない。
子供とセックスする趣味の無い米兵たちに混じり、小官らはバーベキューを
堪能してビールを1ケースもらって帰った。 



901 名無し三等兵 sage 2007/06/05(火) 01:13:22 ID:???
☆小官の旅☆

 自衛隊をこのF世界に召喚した力の正体、それは小官の頭上に突如として
発生したワームホールによるものであった。
 ワームホールに吸い込まれた小官とその部下たち一行は数度に渡り異世界
に召喚され、その度に死にかけつつも冒険の旅の末に現世界に帰還を果たす
の繰り返しであった。
 結果として、全自衛隊の中で最もF世界に慣れた部隊は小官が率いる
第072独立戦隊(定数大隊規模)となっていた。旅の途中、何人かが死んだり
行方不明になったり現地で所帯を持ち残ったりした。

 最初の間こそ、ワームホールに翻弄されつつも体当たりで苦難を乗り越えて
来た小官であった。しかし今では自分の意志で自由にワームホールを開いたり
閉じたりすることで、異世界から異生物を召喚して自在に従わせられるまでに
御するようになった。気に入らない上官を魔界に閉じ込めたり、性欲を持て余
すとF世界の若い女を呼び寄せてセックスの操り人形として使役していた。

 調子に乗ってワームホールを使い過ぎたのか、開きっぱなしになって閉じられ
なくなった。そのホールは直径10メートルほどになり、そこを通ると体感時間
ではものの1分も走るとF世界に到達した。もっとも、向こう側に行ってすぐに
帰ってくると時間の流れの差が生じるらしく、10日間ほどの日数が過ぎてしまう
のだ。

 小官がこのとてつもなく迷惑な失敗をやらかしたことで、今までは自衛隊の
公然の秘密であったF世界の存在が広く日本、果ては世界中に知れることとなる。
世界の強大国はこぞって、F世界に自らの覇権と利権の確立を企てて日本政府に
圧力をかけた。

 一方、日本の政治家と官僚はF世界の各政権に対し『ODA』を実施しようと
いう皮算用で頭が一杯になっていた。


953 名無し三等兵 sage 2007/06/07(木) 01:34:49 ID:???
上島隊長率いる精鋭部隊は、山頂の神殿を目指していた。
6名で出発したが最初の悪鬼との交戦で1名負傷、続く妖鬼との遭遇で2名が発狂した。
上島隊長はここで決断する。
1名を負傷者の介添え役としてふもとの村に退避させる。
すると戦意喪失した2名も勝手にこれに追従した。
「ふむ、なかなかうまく片付いたじゃないか?」山を降りてゆく4名を眺めながら上島は言った。
「お見事です、さすがですな隊長!」残った隊員も調子を合わせた。
しかし上島は急に態度を変え隊員をぎろりと睨む、隊員ははっと笑顔を凍りつかせた。
「ふん、気を緩めるなよ!神殿にたどり着いて秘薬を手に入れるまでが任務だぞ。遠足じゃあないんだ」
言いながら顔を真っ赤にしてこらえていたが、ついに我慢しきれなくなってぷっと吹き出す。
「がはははは!我ながら見事な采配だろう、あ?」
「あはははは、だから言ったじゃないですか!あなたは 世 界 一 の 上官ですよ!」
「うわはははは」
「ぎゃはははは」

「どうしようか?」
笑いの止まらない隊長以下2名を隊員達は遠目に眺めて相談していた。
「とりあえず元気な奴が1名負傷者に付いて、あとの残りが何とかしてあの馬鹿共をふもとまで連れて帰らにゃならんな」
「眠らせたってかまわんだろ、気が付いたら正気に戻ってるかもしれんよ」




976 名無し三等兵 sage 2007/06/09(土) 18:44:42 ID:???
☆小官殿の旅☆
 小官とその部下達はF世界の探索を続けていた。
最初に召喚された地点から遠く離れ、海を渡り、チャレンジ半島と呼ばれる
地域に辿り着いた。
「臭いな」
 上陸した港町(港湾施設は全く無い、地形による天然の港)に入ると、すぐに
乾燥した排泄物の臭いが鼻についた。
歩きながら、道行く現地人や町並みを眺めると奇妙なことに気が付いた。
粗末な材料で組み上げた小屋の中に、一家と思われる複数の人間たちがひしめき
合って土床に座り込んでいる。何か仕事をするでもなく、鼻をほじったり
唾を吐いたり、頭を掻いたり石ころを延々と転がしたりし続けているのだ。
そして皆が汚れきった衣服を身につけ、顔から手やら足までが泥と垢にまみれ
ていた。
 「何かおかしいですよ、ここは……」
 いままで旅して来た地域で目にしてきた、商店とか宿屋の類が一切見当たらない。
路傍で見世物や音楽、詩の朗読をする者もいないし、武器を帯びた戦士や魔法の
力を秘めた術士なども見かけない。
延々と、ただひたすらに粗末な掘っ立て小屋が立ち並び、その中で汚れ切った
人々が無意味にも思える暇つぶしを繰り返している様子だけがここで見える
全てだ。 彼らの住宅は地面の上に木切れで骨組みを立て、そこにボロ布や
干した草葉、重しの石ころなどで屋根が作られている。扉といえる設備は無く、
少し勤勉な者の家屋は入り口に布が掛けて日光を遮っていた。
 街を行くにつれて、立ち込める埃と臭気だけが濃くなる。死体の腐敗臭にも
慣れっこでいる小官、とその部下たちも鼻をつまみたくて仕方無くなった。
3時間ほど歩き続けると(掘っ立て小屋が延々と続いた)、平地に土を盛り上げた
ような不自然な高台が見えてきた。そこに、何やら場違いな雰囲気がある
『ちゃんとした人間の建物』が建っているのが見えた。
 "あそこなら、なんだか臭いも薄そう"と想像した小官はすぐに指示を出して
部隊ごと高台に向かった。きっと、渋滞してる高速道路の車が全部バキュームカー
だったらこんな臭いがするんだろうと小官は感想を抱く。

220 :名無し三等兵:2007/06/23(土) 02:12:39 ID:???
―小官殿の旅―@

 自衛隊、異世界派遣隊のうち小官が率いる第072独立戦隊は激戦をくぐり抜け、
休養として1ヶ月間の休暇を与えられた。F世界側に設けられた宿営地の隊長室
で小官は思いついた。このF世界で小官の兵として加えた者共、現地徴用兵たち
に東京観光させてやることにした。もちろん、細かい事務や手配は配下の陸曹達
にやらせるとして。

 小官が使う戦隊長室は、戦隊本部室の奥に間仕切りを置いて仕立てられた物だ。
何か用を誰かに言いつけたくなったら、内線電話を使うまでもなく大声を出せば
事足りた。昨日の昼飯時に食事しながらの席で、同席していた久間2曹に旅行の
件を切り出してある。味噌汁の碗を口につけようとしていた手を止め、久間は表情
で「難しい」と回答していたこと思い出す。要は金だ、部隊の財政は火の車だった。

 休暇期間を前にして、戦隊本部室に詰める人員らは膨大な事務作業に追われて
せわしなく働いている。小官は椅子から立ち上がって事務作業全体の様子を
眺めてみた。普段は怪我や死傷を恐れて戦闘に加わらない、年季の入った1曹や
曹長級の人間たちもが『非常にゆったり』とではあるが、真面目に働いている。
丁度のタイミングで席を立った久間2曹と目が合い、小官はアゴで招き寄せた。

 幾枚かの書類を入れたクリアファイルを何冊か挟んだバインダを脇にもち、
形式通りの礼則 ―入室し、用件のある者又は室内の最上級者に敬礼― を
済ますと久間はいつも通りの慣れた様子で説明を開始した。

221 :名無し三等兵:2007/06/23(土) 02:37:50 ID:???
 久間2曹が差し出した書類を受け取り、幾枚かを軽く読み流した。内容は
旅行のプランと、そのために支払わねばならない金を作るために何を犠牲に
したかということと、それに付随する意思決定の根拠について述べられている。

「旅行費用の捻出ですが、予定していた先進装備調達の先送りとメーカーからの
キックバックで賄えます。メーカーの担当者と昨日の課業後に会ってみた感触
ですが、"おみやげ"を貰えるならという条件でOKということです」

装備品のメーカーが欲しがる"おみやげ"とは、F世界に存在する脅威についての
情報や資料を指す。怪物の戦闘力や特性、自衛隊側が勝手に魔法と呼称している
超常能力がもたらす人体への作用や自然現象を物語る資料は機密扱いされていて、
漏洩したことが発覚して処分を受けた自衛官が何人も出ていた。

 小官は目を瞑った、小官自身と部隊の平穏を取るか、薄給でも小官の命令に
従って日々に命を投げ出す可愛い兵たちに東京見物をさせてやるかどちらを取
ろうか、思案する。エルフの集落で買い取ったハーフエルフ3姉妹の長姉、
チャーの笑顔と胸元がまぶたに浮かぶ。見たがってた上野の森美術館を案内し
てやって、しばらく適当に周ったら赤坂プリンスホテルで食事、そのままベッド
イン…… 小官の腹は決まった。『よろしい、企画を実行したまえ久間2曹』

222 :名無し三等兵:2007/06/23(土) 02:39:37 ID:???
 小官は目を開いた、しかしまだ口は開けていない。一体、誰が小官の声色を
真似したのだ!? 誰かが遠隔で読心魔法を使用したのか!? 戦隊長室内に緊張
が奔った。目に見えない、認識できない脅威を上回る脅威というのはあまり無い。
謎の声の出所にふと気づいた久間2曹は赤面しながら、小官の股間を指差した。
社会の窓が全開になり、小官のそそり立つ男根が剥き出していた。そうか、小官
は尿道口から心の内を声にしてしまったのだな、うむ。以後、注意しょう。
一安心した小官はまた、どっしりと椅子に腰を下ろした。退出するところだった
久間2曹に聞こえるように、つま先で床を叩き合図する。振り向いた久間2曹は
また赤面し、間仕切りの外(間仕切りは透明なアクリル板でできている)を気に
しながら小官の前に膝を付いた。うつむきながら、恐る恐るぎこちない動きで
小官の砲身を両手で包みこんだ瞬間、小官はあらゆる自制心を失ってアホの
クマランを殴り倒していた。
「このド阿呆めが!! 小官はこのはみ出たモノをしまえと頼んだのだ!!
貴様、小官付きになって今日で何食を食った!? 総理大臣の命令は聞き流しても、
この小官が下す命令は心の声であれど一句足りと漏らさず正確に実行せい!!」

 顔を腫らした久間2曹は、小官に殴られ倒れた拍子に机の角に頭をぶつけた
ようだ。右の側頭部から血を流しながらも、今度は手際よく小官の砲身を格納
その後施錠した。やればできるじゃないか、馬鹿者めが。
「ああ、それじゃあ宜しく。もういいよ」小官が手で払うと、久間2曹は顔を
強張らせながらも平静な表情で退出して行った。目元が濡れてるように見えたが、
小官はそれを記憶には留めず今後の腹案を練ることに意識を集中した。


406 :名無し三等兵:2007/06/30(土) 23:56:03 ID:???
☆小官殿の不思議な旅☆

 小官はテレビで情報収集するために、談話室でテレビの前に陣取っていた。
テレビニュースでは日本の総理大臣が異世界についてどう思うかとインタビュー
を受けながら、ニヤニヤと笑いを浮かべている。
「そりゃ君ぃ、そこの人達が確固とした政府を持たず、経済活動を行っている
のであれば税金をタップリと頂くことになるねぇイッヒッヒ」

 インタビューの相手が替わり、今度は携帯電話会社のオーナーが答えている。
「ええもちろん、電話も無い遅れた国の可哀想な人達にもわが社の携帯電話
サービスを提供させてもらいますよ。外国の携帯電話など不必要なくらい普及
させて日本という国のイメージアップを図りますともウェッヘッヘ」

 また場所が変わり、日本の財界人が集まるパーティー会場でインタビューを
行うようだ。それなりの規模がある企業のオーナーや経営者たちが次々と異世界
に関する感想を述べていた。
「土地が活用されずに余っているようだから、住宅分譲地にして売り出してみたいですね」

「金やダイヤを掘り出そう、原住民では掘り出せないものを我々の力で市場に」

「油田やウラニウム、レアアースなんかも欲しいですなあ」

「きっとあまりいいお仕事が無いでしょうから、その世界の人達を日本に連れて来て
働かせてあげましょう。日本人ではないですから、日本人のための労働基準法と
最低賃金とは別のルールを設けるべきですわ」

「花嫁の供給地になってもらえれば、嫁の来手がない男性たちに喜ばれるでしょうな」

誰もの目が、制御の無い欲望に光っていた。小官はテレビを消して立ち上がると
ミラクルパワーを発揮して異世界へとつながるトンネルを閉じた。


452 :名無し三等兵:2007/07/02(月) 02:57:50 ID:???
☆小官殿の不思議な旅☆

 小官とその部下たちは異世界の果てしなき旅路を、73式トラックに分乗して
突き進んでいた。先頭車両から4両目に位置する指揮車両、その中央席に小官は
いる。小官はふと思うところがあり、運転手の久間陸曹候補生に雑談に応じるこ
とを強要した。
「のう、クマラン?」
「はぁ、なんでしょう」
「若い陸士や陸曹の中で、ロボットアニメとか好きな連中が近頃色めき立っているな」
「ああ、例のアレですか」

 2日前に通過した小国で、小官たちは巨人を思わせるほどの大きさがある
機械人形を見せてもらっていた。それは高さにして20メートル程度であるが、
人間が使用する鎧などに近い外観の装甲が施されていた。城攻めや兵の集団に
対する武装などもあるとほのめかされてもいた。自衛官たちが元いた世界であ
れば、物理的に実現するはずのない光景である。その機械巨人は、所有する小
国が自治独立を維持するのに必要不可欠となっている様子だった。

「不思議なものですね、この異世界は僕らが生まれた元世界とほぼ同じ重力で
すよ。膝や足首に腰間接、一体どんな素材が使われてるのやら見当もつかない」

「……ねぇ、愛したらァ……だぁれもぉがぁ、こぉんな、こぅどぉくになるぅの?」

 小官は遠い目をして、何か意味不明のポエムを口走りだした。

453 :名無し三等兵:2007/07/02(月) 02:58:48 ID:???
その様子に気づいた
久間陸曹候補生は変に思った。(あっ、まずい。とうとうイったのかな?)
微かに揺れる車内に、小官の歌うようなつぶやきが染み渡る。
「ねぇ、くらやぁみよぅりぃ〜も、澄んだとぉ〜きめきぃ〜奏でだすの」

車内の人員、全員が小官に続いた。

「「何も、かもがァ、小官ぉ〜、かっがやかすたぁめぇ〜きっとぉ〜」」

君を君を愛してる(○○1曹のピストン管留め用バネピンがどこかで落脱したので皆で探します。)

心で見つめている(64式の照準ってのは心でつけるんだよ、目で見ちゃだめだよ)

君を君を信じてる(お願いだから、帰隊遅延だけはしないでくれっ、頼むゥ……!!)

寒い夜も(酔いつぶれたら盛り場の片隅に朝まで放置ってのが小官中隊の通常措置だね)

 小官は固く決意した、あの巨大な機械人形を手に入れて自らの玩具とすることを。



535 :名無し三等兵:2007/07/03(火) 11:21:27 ID:???
自衛隊F世界駐屯地。
初期のころこそ住民との間に些細なトラブルがあったものの、今はそれなりに平和に楽しくやっていた。
だがそんな安寧の日々も突然打ち破られる。
予期せぬお客さん。F世界でもトップクラスの強さを誇る黒竜兵の出現によって…

「総員第一種警戒態勢!戦闘に備え重火器も持ってこい!」
「指令、黒竜兵が近づいてきます!発砲の許可を!」
「まだだ…む?黒竜兵は鎧こそ纏っているが帯剣はしていない…何故だ?」

『ジエイタイのみなさま…』

「黒竜兵め、宣戦布告でもする気か!?」
「それとも古風に一騎打ちでも挑む気か?…い、嫌だぞ俺は!」
「指令、お気を確かに!」

『運送の用は御座いませんか?』

「「「「「…………へ?」」」」」

『お手紙から大荷物まで。大陸中どこでも竜に乗ってお届け♪』

そしてどこかで聞いたことのあるような音楽とともに黒竜兵は、いや、彼女は兜を取り
ポーズを決めながら口ずさんだ。

『クロリュウヤマトのタッキュウビン♪』

その後、彼女と自衛隊員がどうなったかは定かではない。
ただし次の日からふんどしエルフの荷担ぎ隊や伽藍鳥軽空輸社の訪問があったことだけは判明している。

311 名前: (^^) 2006/04/28(金) 22:00:28 ID:???

 大手柄を立てたご褒美に個人副官を付けられることになった小官。
駐屯地朝礼の場にて司令直々に褒められた翌日、小官が使う中隊長室の戸を
叩く美女が現れた。彼女は陸上自衛隊員の制服を着用していた。中隊長室と
向かい合いにある中隊本部事務室の中では、突然現れた美女のいでたちを見
てはどういうわけだと困惑した隊員たちの手が止まったままだった。
扉の向こう側から入室を許可する声が聞こえると、美女は扉を開けて立ち入っ
た。美女は、男性隊員用の第一種制服を着用しているのだった。

 中隊内に数少ない女性隊員の中でもさらに希少な存在、美人とされる類の女
性自衛官らから見ても、―中隊長たる小官を訪れた男装の美女は完璧な容姿を
している。魅力的な女性として、と条件を設定して採点させれば、陸上自衛隊
の全将官は特優を付けずにいられないほどだろう。中隊本部事務室から一人の
屈強な女性自衛官が飛び出し、自らも中隊室に踏み込まんとした。それを背後
から一人の陸曹が捕まえて、羽交い絞めにした。取り押さえようという対象よ
りも二まわりも体格の劣る陸曹、クマラン3曹は引きずられながら相手を制止
し続ける。
「愛庵コング士長、落ち着きなさい」
ファンタジー小説にありがちな、初出のキャラをフルネームで呼ぶような口調
が少し燗に触った。それでも、ビッグフット級の体格を誇る女性隊員愛庵士長
は階級章に敬意を払った。

312 名前: (^^) 2006/04/28(金) 22:01:57 ID:???

「クマラン3曹どいて! あいつ殺せない!」
巨人の掌がクマランの頭蓋をすっぽり覆って掴み込んだ。死線に捕まったと感
じ、青ざめた時にはすでに死合は決していた。愛庵コング士長は腕を伸ばす。
首の皮をつままれてぶら下がった子猫の格好になるクマラン。必死の抵抗たる
拳打と蹴撃は愛庵の厚い筋肉と骨に通用しなかった。
「なぜ殺す必要がある? 小官殿の来客だぞ!」
そのまま外階段の踊り場まで連れていかれ、愛庵はクマランを隊舎の4階から
投げ落とした。
「私よりも器量良しの女が小官様に近づくのはよぉーっ!!」
投げ落とされたクマランが地面と接触した。空挺式の受身を取るも、クマラン
の体はゴムマリのようにたわんで跳ね飛んだ。
「断 じ て !! 看過できねえんだわさーっグゴォッ!! グゴォッ!!」
小官の中隊一屈強な女兵士、愛庵士長は盛大な胸打ちでその意思を誇示した。

313 名前: (^^) 2006/04/28(金) 22:47:19 ID:???

 空から人が降ってきた。降ってきた人は固い土に一度跳ね返って、隊舎下の
自転車置き場に突っ込む。その一部始終を隊付犬の碗仔3曹は目撃した。
「わ、わんだ?」
突如として降ってきた人物を、最初は空挺降下して来た敵兵かと思って怖がっ
た。小屋の中から目をこらして見ると、降ってきて今は自転車と寝ている人物
は陸上自衛隊の作業服を着ている。つまり、仲間だと思った。
上空がゴロゴロドロドロと鳴いた。その砲声とも迫撃砲弾の連続弾着音にも聞
こえる音がした瞬間、碗仔は反射的に小屋の奥に引っ込んで諤々と震えた。
それに猛獣の咆哮が追い討ちをかける。駐屯地中の人間が、怪物の群れに奇襲
でも受けたのかと恐れおののく咆哮。愛庵士長の獣性に日章旗もが旗打たれた。

 小官の中隊に配属当初、碗仔3曹は数少ない女性の曹候補学生として期待を受
けていた。優秀の一言に尽きる勤務成績と引き換えるように、彼女は中隊の男
たちと盛んに交わって小官の逆鱗に触れ、職務を隊付犬とされて今に至る。

 小官の言いつけ通りに四つん這いで走り、碗仔3曹は微かに痙攣するクマラ
ンに駆け寄った。クマランの苦しむ姿を見ると、その惨状に碗仔は顔をしかめ
る。置き捨てられていた古い自転車の突起部が体に食い込んでいる。近くで喫
煙していた十代の陸士たちと手伝い、クマランを自転車から引き剥がした。
丸太のように地面に寝かされ、クマランは弱々しげに呻めく。
「ふ、ふたな……り…… ゴリラ……が、行く…… 小官殿、きっ危険だッ……!!」
クマランの話す内容の意味がわからずに、碗仔は首をかしげて隊舎を見上げる。
D隊舎の4階、小官中隊長室のある一角に何かが起こっているのだろうか?
「ふたなりのゴリラが、中隊長殿に何の御用があるんでしょうねぇ?」
碗仔は犬のきぐるみに付いた尻尾を手で左右に振りながら、側にいた陸士にチ
ラリと流し目を送る。何か発言を求められている、そう感じて陸士は気をつけ
の姿勢を取って意見を具申した。
「犬耳娘ちゃん大好きー! ……はぶあっ!?」
意図せず意味不明の言葉を絶叫してしまい、陸士は赤面した。



473 名前: ある某氏への感謝の投下 2006/10/24(火) 02:55:34 ID:???

5日目の早朝。

自衛隊と国軍の合同軍は、敵の追撃を巻くためにと敵の待ち伏せ回避で、
最初に進撃したルートからは大きく外れた弧を描いて、クシャへの退却を急いでいた。
しかし、そこは上流で降った雨が氾濫したのか、見渡す限りの湖と化していた。
追ってくるであろう敵の追撃に気持ち焦りながらも湖の淵を進んで行くと、
幸いにも向かい側の乾いた街道に出られそうな浅い湿地が見えてきた。
もう少し先に行ければ湿地も無くなり乾いた台地に出られるだろう。
だが残念ながらそこは深い木々に覆われ車両は到底通れそうもない。

この状況の変化に自衛隊の混合部隊の指揮官である小官氏は、
即座に手持ちの車両を捨てる事を決心。

89式装甲戦闘車以下車両担当の者達の落胆は真に深かったが、
我が装備品を惜しんで全軍が危機に陥ったのでは本末転倒。無念の臍(ほぞ)を噛むしかなかった。
勿論その無念の思いは、指揮官である彼にも痛いほど判っていた。
国民の莫大な税金を投じて得た貴重な装備品。毎日毎日毎日大事に磨いていた分身の様な装備品。

だが、幸いな事に、国軍はドワーフ族を率いていた。
それで今井は小官氏のその断腸の決心に待ったの異議。
そしてドワーフ族に迂回路を無理矢理切り開いてもらっている間に、
廃棄される筈であった車両群は喜び勇んで後方の防衛に布陣、追撃者を迎え撃った。


474 名前: ある某氏への感謝の投下 2006/10/24(火) 02:58:46 ID:???

「空からの探索、攻撃ができればな。」
「無茶言う無い、このミスナの空はグレムリンだらけだろうが?」
「五月蝿えな、んな事は判っているんだよ。」

空からの支援は期待できない。
そしてファイヤ・ボールなどの危険な魔法を操る高位の魔術師達。
それでなくても補充の聞かないこの世界では、1人1人の自衛官がかけがえのない宝。
弓矢攻撃の1つをとっても、生身の戦士たちには重大な脅威なのだ。

それを元いた世界の者達は、自衛隊の強力な装備に目が眩んで、
この世界を簡単に制圧できるとうそぶいていた者達も居た。

しかし、戦争は戦っている時よりも重大な脅威が存在する事は、
ベトナムやアフガン、イラクの戦場で実証されてきたはず……。
そして何時、中世ヨーロッパや新大陸の悲劇が彼らの頭上に舞い降りるかは誰にも判らない……。

だが。塹壕にビッシリと布陣した合同軍は、

自衛隊隊員の間に伝令のホビッド族、近接戦闘に備えたドワーフ族、
その支援のエルフ族とで、まるで、ヒロイックファンタジーの世界の様であった。
少なくとも今はまだ彼らの頭上には、そんな悲劇の影は何処にも無かった。

(……行こうぜ?)
斎藤隊員が、アメリカ映画ばりの悪戯っぽい笑みで今井を誘う。


481 名前: クマラン 2006/06/30(金) 12:23:52 ID:???

☆池沼小学校事件☆

西暦200X年、突如として時空の狭間を越えて出現した異世界との長きに
渡る戦いによって、日本国とそこに住まう人々の生活は荒廃した。
社会基盤は各所で破壊、寸断され、物流網は壊滅に近い打撃を受けた。
それに伴い経済活動も停滞し、都市のいたる所に失業者と浮浪者が溢れ出る
こととなった。これを受け、政府は税収減を理由として自衛隊の人員削減を
強行した。戦地より帰還した隊員のうち、階級が低く希少な技能を持たない
者を早期退職させていったのだった。
手に職も無く、任期満了金も減額されて社会に放りだされた隊員たちの生活
は貧苦を極めた。自殺者、家族をも巻き込んた心中者、わずかな金銭か食物
を得ようと店先を襲い逮捕者も頻出した。逮捕されて刑務所に収監される者
はまだ扱いようがあったが、やがて元自衛官の中には武装して警察力を撃退
する集団までもが出始めていた。
政府に奉ずる官僚や職員から見ればゴミの如き児戯、禄を食ませていても益
は無しとして見過ごされた戦闘技能、殺しの技、破壊の職人技を持った者た
ちが空腹のまま世に放たれていた。政府関係者らは彼らを見くびっていた、
たかが兵卒らの分際で、お上に楯突くなど到底ありえないと。

庶民の暮らしはひどく荒んだ時代にあっても、社会の上層を成すエリート達
の家庭と身内は穏やかな暮らしを享受していた。衣食に窮することなく、日
本国内の資産をいかにして海外に持ち出そうか。豊かな外国に生活基盤を構
えられないか、エリートたちのもっぱらな関心事であった。
首都の高地価地域に、エリート層の子弟が全校生徒を占める私立小学校が置
かれている。そこの卒業生らの大半が政治家、弁護士、官僚、一流企業役員
などになる名門校である。将来の成功と豊かな人生を約束されたひな鳥たち
の学び舎に迫る一団があった。着古した戦闘服に身をやつし、使い込まれた
銃器を保持する眼光鋭利な兵士ども。その中にあって最も強暴狂悪な指揮官
風の男を先頭に、不貞自衛官たちが池沼小学校に突入し、占拠した。
これはその一部始終を綴った物語である。



385 名前: ドズル様と土方神は言われた「 ドムを!もっとドムを! 」 2006/10/22(日) 08:07:08 ID:???

私の軍隊なんざ、命令系統もテキトーだし。( ヤルキの無い奴は勝手に氏ね )
ハーピーにトドメくれるのも面倒くさだし。( 死にかけている人面鳥なぞ眼中にねえし )
・・・ ほんま、損ばかりだよなあ ・・・
ペラリ、ペラリとめくって流し見たリスト。それは氏の悪戦苦闘の記録帳も同然であった。
後方居留区で起きた市民暴動の鎮圧は、殆ど彼の手によるものであった。
( まあ、アレだな。嫌われ仕事を押し付けておいて邪魔になったパターン、か )
危険な世界から市民を守るための統制。
そしてその統制への憤懣の声を上げる市民たち。
そしてそれを銃剣の威嚇を持って有無を言わさず鎮圧する小官氏。
まあ危険な世界を流浪中とは言え、市民の憎悪を買って余りあるよなあ。うん。


386 名前: ドズル様と土方神は言われた「 ドムを!もっとドムを! 」 2006/10/22(日) 08:09:05 ID:???

( 大の虫を生かすために、小の虫になった男と、小の虫にされた男の何れかか )

恐らくは、時間厳守・剛毅果断な人柄を見込まれて、
困難な仕事を押し付けられて、
その仕事っぷりにキレた市民の果てしない糾弾の凄まじさに、前線に送り込まれ、
また其処でも・・まあ、そんなところだろう・・・。

それは床のワックスがけに似ていた。
娑婆の清掃担当は、毎日毎日、床を綺麗に清掃した後にワックスがけをするのだが、
それは毎日毎日、果てしなく繰り返される苦行。
床はいいね。磨かれる事に対して文句なんか言わないから。
でもこれが市民だと、清掃された分だけ、憎悪がつのるよなあ。

市民の目の無い所では、
酒の杯を叩き付ける自衛官や警官の姿なんざ、珍しくも無い。
そんな珍しくない光景の、その当事者たちの直接の上司の心労は、如何に。
床に叩きつけられてカラカラカラと転がっていく酒の杯。

それは、酒の杯という名の、彼らの、分身・・。



107 :亀蜻蛉 ◆aDC37xH6dI :2006/11/11(土) 19:44:43 ID:???
1/2

 突如、ファンタジー世界に引き込まれてから早数年。どうにか燃料・資源を確保し、なんとか安定を取り戻した日本は、
大きく変化した情勢を鑑みて、唯一の軍事力たる自衛隊の改革にのりだしたのである。そんなる日。

「おい!これはなんだ!」

 怒鳴り声をあげて海上幕僚監部装備部に乗り込んできたのは、防衛庁内局、所謂背広組の男である。その手には、
次期潜水艦概要とかかれた書類が握られていた。
 対応したのは船舶課課長の1等海佐であった。1佐は背広を応接室に案内した。

「いったいなんなんですか?突然」

 背広がソファーに腰をおろすのを確認すると1佐は切り出した。

「いったいなにも糞もない。これはどういうことだ?!」

 背広はそう言うと、書類を開き、あるページの1点を指さした。

「兵装ですか?それがなにか?」
「なにかじゃない!いまどき砲を備える潜水艦なんてどこにある!」

 確かに背広が指さす先には、「兵装、533ミリ魚雷管×6 105ミリ砲×1」と書かれている。

「いまどきってたって、この世界で潜水艦を保有しているのは、我が国だけですよ?
 いいですか?敵の軍艦はほとんどが木造帆船ですよ。魚雷なんてもったいない。
 どう考えても砲の方がコストパフォーマンスが良いんですよ。
 もちろん、静粛性、水中速力とも従来型に比べれば落ちますが、どうせ敵にはソナーも爆雷もありませんし」

108 :亀蜻蛉 ◆aDC37xH6dI :2006/11/11(土) 19:46:09 ID:???
2/2

 こんな騒動を経て、戦後初の砲装備潜水艦SS507「いっかく」が誕生した。
 「いっかく」の前甲板には、無人砲塔が積載され、主砲には機動戦闘車用に開発された低反動砲を装備した。
司令塔内に射撃指揮所がつくられ、そこから砲を遠隔操作する。
搭載される魚雷の数は従来の半分に減らされ、代わりに弾薬庫と特殊部隊(主に特別警備隊)用のスペースが設けられた。
静粛性や水中速力、潜航深度などは従来型潜水艦に比べれば大きく劣るが、この世界の軍艦に対抗できる艦は存在しない。
 この「いっかく」は潜水艦隊直轄として、活動を開始し、海賊狩りや敵帝國との戦闘で大きな役割を果たすことになる。

 ちょっとした思い付きを文章にしてみた。あまり深く考察していないので、いろいろと問題有りかもしれんが。
一応、「いっかく」が活躍する話も考えているが、正直、あまり余裕が無いので続きが書けるかは微妙。

>>102
追放された敵性国家と入れ替わる形で日本が召喚されたとか。
あっ、でもそれじゃ、敵がいなくなるか

621 亀蜻蛉 ◆aDC37xH6dI sage 2006/12/04(月) 23:04:28 ID:???
小ネタ

「こんなところに乗りこんでくるとは、まさに飛んで火に入る夏の虫ってやつだな」

 東シナ海と呼ばれる海、いや、かつて呼ばれた海の上を飛ぶUH-1Jのパイロットが煙草の煙を吐き出しながら言った。
彼の視線の先には、炎上し、無惨な姿を晒す1隻の帆船。帆にはお馴染みの髑髏マーク。
所謂、海賊船という奴だ。航行中のタンカーを襲おうとして、護衛していた哨戒艇の反撃に遭い、逃亡したものの今はあの様。
最後にこのUHのロケット弾を受け、爆発・炎上。今にも沈もうとしている。何人、生き残っているだろう。

 海賊船を取り囲む哨戒艇から小型のボートが下ろされる。どうやら救助に向かうらしい。
哨戒艇はこの世界に来てから建造された船で、排水量は150tほど。武装は30ミリ機関砲1門と12.7機銃2丁。
それにドラゴン対策の携SAMを搭載しているくらいという貧弱なもの。だが、彼らの部隊の主力装備には違いない。

 彼らの部隊…西部方面特別哨戒隊、またの名をブラウン・ウォーター・ネービー。
 
 異世界へと導かれ、資源輸入国と同盟国を失った日本は、大陸への活路を見出した。
 大陸と日本を結ぶ海路は日本の生命線であり、その防衛は最重要課題である。しかし、大陸全土の支配を目論む
帝国との全面戦争に突入した今、海上自衛隊主力艦隊には、その余力は存在しない。航路上の諸島を拠点に活動する
海賊達の脅威に直面し、遂に新たな部隊の編制が決まった。

 構成員や装備が、陸海空自衛隊から集められ、船団護衛から海賊根拠地への強襲までこなし、三自衛隊からは
独立して行動する彼らはまさに第4の自衛隊。
 大陸で帝国との激戦を重ねる陸海空自衛隊の主力部隊に比べれば地味であるが、まさに日本の最後の砦なのである。

 今や海は危険と隣り合わせのフロンティア
 人類は新たな知恵と技術で水平線を切り開く


678 :亀蜻蛉 ◆aDC37xH6dI :2007/07/21(土) 16:14:03 ID:???
 艦橋にいた誰もが沈黙していた。ある者は口が開いたまま呆然としていて、またある者は目の前で繰り広げられている
光景が真実なのか幻覚なのか見定めようと目を凝らしている。
「う、<うめ>が!」
 なんとか声を絞り出したらしい副長の言葉が、その光景が現実であることを伝えていた。
 196X年、海上自衛隊が警備隊と呼ばれる頃から任務に就き、日本の海を守っていた船、PF289<うめ>はその生涯を
閉じようとしていた。海面から出た巨大な触手が巻きついた船体は、すでにVの字に折れ、海面は脱出した乗組員で溢れ
ていた。
 僚艦であるPF288<かや>は、その光景を黙ってみているしかなかった。下手に攻撃すれば<うめ>にも被害が出る
からである。だが、もはや<うめ>は助からない。艦長の吉沢2佐は決断した。
「前甲板主砲、撃ち方用意!」
 艦橋にいた全員の視線が吉沢に集中した。艦長が正気を失ったのではと考えた乗組員たちであったが、吉沢の目がそ
れを否定している。平静、そして冷徹さを伝える目は、<うめ>とそれを襲う化け物の触手に向けられている。
「艦長。ここで攻撃すれば<うめ>に被害が…」
「もはや<うめ>は助からん。ここでヤツを逃がせばさらに被害が広がる。ここで食い止めるしかにんだ」
 必死で訴える副長を遮って放たれた吉沢の言葉は、その意思の堅さを表していた。こうなれば命令を実行するしかない
のが乗組員たちの立場である。
「前甲板主砲、撃ち方用意!」
 <かや>の前甲板は3インチ単装砲が2門備えつけられている。完全な手動砲であり、それぞれの砲に操作要員が配置
されているが、命令を受け取った彼らにも動揺が広がっていることが艦橋からでも分かる。
「撃ち方はじめ!」
 砲雷長がそう叫ぶと同時に、まず前の砲が、僅かに遅れて後ろの砲が火を噴いた。だがどちらの弾も、触手にも<うめ>
にも当たらず、僅かに離れた海面に2つの水柱が立っただけだった。だが、それに驚いたのか、触手は<うめ>を離し海面
下に消えた。その衝撃で完全に2つに分かれた<うめ>の船体も沈みはじめた。

679 :亀蜻蛉 ◆aDC37xH6dI :2007/07/21(土) 16:15:08 ID:???
 196X年。ベトナム戦争が激化した頃、アメリカ領オキナワとともに日本列島は異世界に召喚された。豊富な資源を持つ
異世界の大陸の某国と国交を結び、資源と引き換えに今まさに大国の侵攻を受けようとしている某国への軍事的援助を
求められた日本は否応無しに戦争に巻き込まれた。猛反発する革新陣営を無理やり抑えつけて自衛隊の派遣を与党が
強行採決すると、全国で反政府デモや闘争が起こり、各地で機動隊と衝突し、遂には自衛隊が治安出動する事態にまで
発展した。大陸に派遣された自衛隊は、圧倒的火力で大国に大打撃を与える一方、後方支援体制の不備や機械化の遅
れが崇り苦しい状況が続いていた。
 そんな最中だった。日本列島と大陸の間の海域で突如消息を絶ち行方不明になる船舶が相次いだのだ。救難信号を
受信し緊急出動した海上保安庁の飛行機が船を海底に引き込む巨大な怪物、クラーケンの姿を確認すると、最大の被害
を出した某県漁協は海上保安庁に駆除を要請したが何の成果を得ることはできずに、遂に自衛隊に掃討命令(訓練名目)
が下った。
 出動した駆潜艇群がクラーケンの潜んでいると思われる海域に爆雷を投下すると、たちまち巨大な触手に襲われ、1隻
が沈められると、近海で大国の私掠船を警戒して哨戒中の<かや><うめ>が増援として派遣されたが、返り討ちされて
しまった。
 護衛艦を失い、事態を重く見た海上自衛隊が護衛艦隊主力に出動命令を出したのは、<うめ>撃沈の翌日であった。

公約違反だが、投下してみた。
続くかも。


757 :亀蜻蛉 ◆aDC37xH6dI :2007/07/28(土) 22:25:09 ID:???
>679続き投下

 あの戦闘からほぼ24時間後、吉沢は海上を進む内火艇の上にいた。進む先には吉沢が指揮する<かや>より一回り
大きい戦舟、護衛艦<ゆきかぜ>がある。<はるかぜ>型護衛艦の2番艦である<ゆきかぜ>は、日本の海の守りを担
うべく久々に建造された国産戦闘艦のうちの1つである。
 甲板に上がった吉沢は司令室に案内された。大型の分類に入る<ゆきかぜ>には、旗艦の役割も与えられている。
中で待っていたのは<ゆきかぜ>艦長の1佐と幕僚長の1佐。そして群司令の中村海将補であった。
「ご苦労であった。吉沢1佐」
 吉沢は中村の軍人らしかぬ温和な表情を確認できた。
「旗艦自ら出陣ですか」
 吉沢は敬礼とともにそう返した。
「ようやくな。この艦と一緒に航行したくない艦も多いようだが。何分、名前が不吉だからな。
 ともかく、ようやく本腰を入れたわけだ」
 その言葉には嘲笑が含まれていた。おそらく、自らが属する組織に向けたモノだろう。
 海保からの要請を“所詮は害獣退治”と本気で受けとめず、現場には被害が集中する海域にひたすら爆雷を投下せよ、
というあまりにも単純な命令を発した。それには“爆雷投下をすれば退治できる。できなくても驚いてどこかへ逃げ去るだろう”
という甘い認識と、その裏にある“我々の任務は敵の軍艦を撃破することだ”という旧軍からなにも変わっていない意識を見
ることができる。
「さて、敵の事を聞かせてもらおうか。今のところ敵と接触して残存している海自艦は<かや>だけだ」
 中村は自らの席に座ると、先ほどの嘲笑は消え軍人の顔となった。
「目標、クラーケンは強敵です。水中を凄まじい高速で航行可能で、おそらく現有の潜水艦では追尾は不可能です。原子力
潜水艦なら分かりませんが。しかも静粛性にも優れ、ソナーによる探知こそ可能ですが、反応は極めて微弱です。ですから
魚雷が追尾できるかは、なんとも言えません」
「なるほど。だとすれば、ソ連の原潜よりよっぽど強敵だな。こちらの水軍とは、もはや比べることもできん。だとすれば、
これが事実上の海自初の実戦と言ってもいいかもしれん」

758 :亀蜻蛉 ◆aDC37xH6dI :2007/07/28(土) 22:26:29 ID:???
 地方隊の<かや>は参加していないが、海上自衛隊護衛艦隊と大国の水軍との戦闘は一方的なものとなり、自衛隊の
完勝であったという、当然の結果であるが。手ごたえの無い敵に“実戦”という実感が伴わない者も多かった。
「司令。実戦ではありません」
 群司令に連れ添う幕僚長である。
「そうだったな。あくまでこれは訓練だった」
「まだ訓練名目で行なうのですか?」
 吉沢は素っとん狂な声をあげた。
「あぁ。目標は侵略軍ではないからな。かと言って治安問題でも無い。災害出動だと、爆雷・魚雷をボカスカ撃ちまくる、と
いうわけにはいかんからなぁ」
 中村は至極当然といった様子で答えた。勿論、その理屈は納得できる。だが、自軍(と言うといろいろと問題だが)の艦艇
を複数沈められ、その犯人の化け物との討伐しようというのに、名目が訓練でいいのか?吉沢は自問した。
「無論、士気にも影響するし、できれば討伐命令を出してほしいところだが、それは政治的な問題も絡んでくる。我々が
あーだこーだを口を出すわけにはいかんのだ」

「絶対、あのバイラス野郎を俺たちがやっつけてやるんだ」
 司令室を出た吉沢の耳にそんな言葉が聞こえてきた。若い海士たちがなにやらしゃべっている。
彼らによってクラーケンに変なあだ名が与えられた。聞いた話によれば特撮映画に登場するイカに似た怪獣の名前らしい。
「前の戦争から20年以上も経ったからな。実戦を知る者も少なくなった」
 いつの間に出てきたのか、中村が隣に立っていた。
「沈む敵水軍の船を見ても、味方の船が沈められたと知っても、それが自分たちにも降りかかってくるかもしれないという
実感が湧かんのだ。彼らには」
 中村の言葉が聞こえていないのか、吉沢は談笑を続ける若い海士たちをじっと見つめていた。

続く





370 名前: 元先。 ◆futureRZuE 2006/09/18(月) 21:58:31 ID:???

プロローグ

嘗て日本という国が在った。しかし−今はない。
なぜなら異世界に移転してしまったからである。

物語は移転から10年後の日本から始まる。

六菱商社本社ビル 5F
新人研修所と書かれた一室

「この世界では金貨・銀貨が主流だ対してわが国は信用通貨制度だ。ここからくる問題点とは―山本?」
眠たそうにしている男を指す。
「金貨・銀貨との兌換ですね。飯田部長」
ぬけぬけとまるで何もなかったように答える。
「そうだ。彼らは紙幣を信用しない−だから他国との取引には金・銀塊が使われる」
「しかし、わが国の保有量では・・」
「ふむう。だからわが国は良質の鉄鋼なども取引の補助に使っている」
「良質の武器になる鉄鋼をバーター取引や輸出し外貨となる金貨・銀貨を獲得すると」
「しかし−何れにせよ他国は金・銀本位制で成り立っており、貨幣などは含有率の問題もある」
「特に銀は対魔物の武器として広く使われており価格変動の要因になりやすいと?」
「有事の金ということでも価格変動が起こる。これ等のリスクのヘッジをしなければならない」
「わが国と他国との取引をするための市場が大陸に出来たのが去年ですね。」
「国内ではハーローが各国の貨幣の為替の取引を行い、東京では商品としての金の取引を大阪では銀の取引を行っていると」
「為替と商品としての金銀のつながりは非常に重要だ。貨幣の含有率X金銀の価格となるからだ」
「だからこそ、ヘッジの場として先物市場が重要なんですね」

371 名前: 元先。 ◆futureRZuE 2006/09/18(月) 22:01:08 ID:???

六菱商社本社ビル 7F
市場部と書かれた一室で出来事

「君島〜レイバント銀 35000枚11月限月 買いでよろしく」
「部長了解です。」
「部長、東京金、近月 2316円で全落ちしました。21億6千万利喰えました〜」
「大島よくやった!今日は帰っていいぞ。」
「部長っ!為替部から連絡です。"レイバント銀貨爆上げで大損だ!"だそうです。」
「田中、為替部に"知らんがな!糞して寝ろ 南無"と返しておけ」

そんな商社の一人の商社マンの話である。

/*稚拙ながら書かさせていただきました。
名前の通り元外務員です(苦笑
文章の書き方をもっと勉強しなければと思います。
皆様よろしくお願いします。


350 名前: 週刊カサブランカ 2006/10/21(土) 23:53:37 ID:???

小官どの率いる自衛隊の混成部隊が東方ライン皇国を救出しに、
敵地の北ミスナに突進して3回目の夜のこと。
1日中断続して続いた戦闘のあと、人を遠ざけて小官どのを慰労している今井。

「 まあ小官どの、1つ 」今井が酒を進めると、小官どのは辞退。
「 職務中ですから・・ 」それを聞いてニヤリの今井。

「 そう言うと思いまして、これを用意しました 」

と言って、今井が後ろから取り出したのは、
何ともパッとしない手製の壷らしき物。

「 城塞都市ヴォレイが滅びる前に手に入れた、たった1つの至宝なんですよ 」
「 いえ、今井殿、困ります・・・ 」
「 御安心を。酒じゃなくて薬なのですよ 」「 薬、ですか 」
「 ええ。まあミスナ神酒は、殊勲を上げた隊員の誰かに上げてください 」
「 はあ 」
「 で、これなんですが、体内生命を活性化させる妙薬なんだそうですよ 」


351 名前: 週刊カサブランカ 2006/10/21(土) 23:54:35 ID:???

「 ・・・ですが、小官は、公務員ですので・・・ 」

「 つか小官どのが3日3晩寝ていないのは、知っているんですよ 」

東方ライン皇国救出作戦、2日間。
合流直後に起きた対空戦、1日間。
そして現在は、4日目の未明であった。

その間、陣頭指揮タイプの彼が、寝れる道理が無かった。

「 無理にでも飲んでもらいますからね? 」

「 彼ら(自衛隊)の生命を預かる指揮官として、嫌でも飲んでもらいますから 」

斎藤隊員と同じく、民間の前では徹頭徹尾、自分を崩さない良き男(おのこ)。
予想外の展開に戸惑う小官氏に、

無理矢理そのパッとしない壷を押し付ける今井であった。


352 名前: 週刊カサブランカ 2006/10/21(土) 23:55:32 ID:???

・・・1時間後。

( アレ、凄い効き目ですよ! )( だしょだしょ? )
( 一体、何の成分なんです? )( 神龍クラスの生き血らしいですよ )
( ! そんな貴重なものを? )( はは、さあ皆が貴方の指揮を待っていますよ! )



612 名前: 書き捨て 2006/07/15(土) 17:11:21 ID:???

「剣を抜け! 槍を構えよ!」

 そこは、戦場。
 今まさに両軍が激突しようかという刹那、緊張に包まれし兵の前に立つは、軍馬にまたがる雄々しき騎士。

「敵は精強である。しかし、それは闇の力。魔界よりもたらされし悪しき力である! 如何に強大であろうと、神の加護を受けし我々に通用する道理はない!」

 叫びつつ、美しい装飾の施された剣を掲げ、配下の兵を鼓舞する。

「正義は我らにあり! 勝利は我らに!」

 振り返る。
 地平線に見えるは、こちらに迫る来る騎馬軍勢。
 敵。
 魔王軍と呼ばれ、強大な武力でもって大陸制覇に乗り出した闇の軍勢である。

「突撃せよ!」

 騎士の号令に湧き上がる鬨の声。
 神の為、正義の為、領地の為、槍を構え我先に馬を走らせる重装騎士たち。
 敵は少数。しかも、軽装。
 先頭を駆ける騎士はほくそ笑んだ。何が魔王軍か。神に祝福されし我が聖槍が、こんな弱卒さえ貫けぬとでも?
 事実、彼は武勇に優れる一騎当千の勇者であった。最初に接触した騎馬兵の胸を一突きし、抜き様、左側から迫る騎馬兵も柄で叩き落とした。

「魔王軍が如何なるものか! 奮い立て! 神の名において、闇に憑かれし異端者を祓うのだ!」

 重装騎士団に遅れて進んでいた歩兵団も追い付き、少数の騎馬兵で構成される魔王軍は数に圧倒される形となる。
 勝利を確信し、さらに突撃指示を出す騎士。

613 名前: 書き捨て 2006/07/15(土) 17:12:11 ID:???

 その時であった。
 彼が今までに全く聞いたことのない、大気を震わす響く重低音を耳にしたのは。
 彼だけではない。
 騎士団の他の者たちも、歩兵たちも。その天空より伝わる聞き慣れぬ音に、空気の震動に戸惑い、あたりを見回していた。
 魔王軍は対照的に、その音が合図だったかのように機敏に反転すると、騎士団の隙を突いて速やかに後退を開始する。

 その敵の動きで我に返った騎士は、急ぎ追撃指示を出そうとしたが、前方に向き直った瞬間に再び凍り付いていた。
 同じものを見た兵の中の誰かが、引きつった声を張り上げた。

「魔獣だ!」

 騎士団の視線の先にあったのは、槍さえ届かぬ空に漂う異形の存在。先ほどからの重低音は、彼の存在の咆哮であったのだ。
 魔王軍が魔王軍たる理由、それは魔界より召喚されし闇の軍勢にある。
 彼らの操る“魔界魔術”は国中の魔術師の常識を打ち破り、彼らの僕たる“魔獣”は、剣も魔法も通じぬと聞く。
 しかし、これは魔獣というよりも、怪鳥ではないか?
 そんなどうでもいい事を呆然と考えた騎士だったが、すぐさま現実に戻り、現状を理解する。

「矢を放て!」

 だがそれはもう遅すぎた。無論、早かったとしても何の効果も無かったであろうが。
 怪鳥のクチバシから、轟音とともにブレスが吐き出され、騎士団を薙ぎ払う。
 ほんの一瞬。
 怪鳥がほんの一息吹いただけで、騎士団はその存在を過去のものとされていた。

 怪鳥の名は、AH−1S“コブラ”。
 クチバシから放たれる息──20ミリ機関砲の前には、栄光ある騎士団の甲冑も、神に祝福されし聖なる盾も、全てが無意味であった。

 魔王軍。
 それは魔王と呼ばれる存在が、魔界より召喚した異質なる軍勢。
 彼らは魔界ではこう呼ばれていた。

 ──陸上自衛隊と。

369 名前: 松型駆逐艦量産マンセー派 2006/10/22(日) 03:21:20 ID:???

「 ま、そもそもですな、現職と市民が理解しあえる訳が無いんですよ 」

世にも稀な「 神龍クラスの生き血 」なる妙薬を飲み、
3日3晩を不眠不休で陣頭指揮を執っての疲労困憊も、
1時間程で全快快癒を成し遂げた小官氏を前にして、今井の話が続いている。
で、目の前の小官氏はというと、
まるで憧れのオリンピックや世界大会への出場を果たし、武者震いするスポーツマン、
そんな風であった。うむ。実に実に、嬉しき事かな。

なにせ、部隊の士気の高低は、ひとえに指揮官の個性と体調にかかっているゆえに。
良き事かな、本当に良き事かな・・・。
だがまあ、良い機会なので、市民の側から、
現場と娑婆の世界との断絶に悩める小官どの・・・に1つ、物申しておきますか・・・

と、そんな感じの話が、続いていた。

「 ほら、アレですよ。そもそも戦闘行為に特化せねばならぬ自衛官と、
  平和にして豊かな平成日本の娑婆とでは、色々と仕方が無いのですよ 」

「 勿論、よく判っていますが・・ 」
「 まあ小官どのの実際を見る機会があれば、誤解も解けますでしょうが 」


370 名前: 松型駆逐艦量産マンセー派 2006/10/22(日) 03:22:59 ID:???

「 ・・・ 」

「 なにせ小官どのときたら無茶しますからなあ。 」

「・・・ 」

「 まあ、『 混ぜるな危険! 』という奴ですよ。ハイ 」

今井も1つの軍を率いる者である。

が、しかし、

そもそも最高級の市民国家の僕(しもべ)である「 自衛隊 」の指揮官と、
その市民の期待と、国からの法規制で雁字搦めの「 自衛隊 」では適わぬ、
そんな闇と影のパートを請け負うべく設立した軍隊の指揮官である今井とでは、
背負う理不尽と無理解、そして其処から生じる憤懣のストレス差は、まるで比較にならぬ。

「 法規制で雁字搦めの組織の中間管理職 」そんな名をした悲哀と、部下達への、愛。
また逆に、場合によっては拳(コブシ)と、
命令という名の組織維持の魔法の杖とで、部下を無理矢理動かすのも、まま、可、な軍隊と、
永遠にどんな場面でも従順な下僕(!)の筈の公務員(軍隊)から、
彼らの想像を絶するトンデモな統制を食らう市民層の、ショック。
そんな、同じ舞台に立ちながら、そこから感じ取る思いの差の海溝は、

おそらく、当人達が思っている以上に深いものなのだ・・・。


372 名前: 松型駆逐艦量産マンセー派 2006/10/22(日) 03:24:40 ID:???

ましてや小官どのは、

同職の組織人からも徹底的に疎まれる程の行動派かつサービス派であった。

( 本来は、私の軍に転ずるべき人だと思うのだけどな・・・ )

守るべき市民と、愛する組織から、思いのたけと同量の憎悪を食らって苦しむ、自衛官。

この男(おのこ)を、我が軍の指揮官に迎えられたらなあ、と思う今井であった。



387 名前: 西方神権国家ミスナの破局前夜 2006/10/22(日) 08:15:33 ID:???

「 まあ、これでも飲んでください 」「 ・・・? 」

「 故国の大魔道師特製の覚醒剤ですよ。勿論、劇薬では無い良薬の。 」

「 ・・・ 」

「 まあ、飲んでみて下さい。鍛えた方なら、弓矢すら見切れるようになるかも 」

「 ・・・そんな貴重な薬品を・・・ 」

「 や、貴方様に何か合ってからでは、遅いですので、お願いしますですよ 」

・・・・・

とっとと後方に引き上げて、

ミスナの何処か宴会会場を借りきって、ささやかながらでも、彼ら全員に慰労の場を。

彼らの困苦極まる進軍の御蔭で、我々は何の苦労も無く撤退できたのだから。


388 名前: 西方神権国家ミスナの破局前夜 2006/10/22(日) 08:16:13 ID:???

その頃、西方神権国家ミスナの王都クシャでは、最悪の事態が起きようとしていた。

ミスナ派遣先遣隊と西崎司令らは、
後方居留区でたまたま勃発していた市民の暴動の慰撫、
のために着任早々の帰路と相成ったが、榊原隊長指揮の第・・中隊だけは、
北ミスナに緊急出撃していった小官氏の混成部隊が帰ってくるまで、現地残留となっていた。

王都クシャでは連日、様々な派閥のテロリストが暗躍し、
治安状況は時間の経過とともに( 坂を転げ落ちるように )悪化の一途を辿っていた。
王都クシャの治安担当の連合軍は、
連日の被害拡大に対応するための軍の再編に追われ、
「 いっその事、王都クシャの全域に戒厳令を敷いて住民を各所に隔離管理するべきではないのか? 」
なる提案が首脳部内で真剣に討議されるようになっていた。

だが連合軍首脳部内の本音は、もはやミスナの治安回復は絵空事、と見ており、
一刻も早い全軍規模の撤収を夢見るようになっていた。

1方、市内全域で跳梁するテロリスト達は、高位の魔術師が多数参加していた事により、
この連合軍首脳の討議の内容を早くも察知、
市内に戒厳令を敷かれて、各個に焙り出されて、1人1人個別に戦う状況になる前に、と、
今までのファイや・ボールや、精霊地雷の設置、といった地味な抵抗活動から、
魔界のゲートを空けて魔獣を大々的に召還、来る市街戦のXデーへの準備に血道を上げ始めていた。

そのために、時空の壁に小さな亀裂が走り始めていた事に気付かぬままに。


389 名前: 西方神権国家ミスナの破局前夜 2006/10/22(日) 08:17:19 ID:???

そのころ。

ミスナ南部の海岸では、内陸地に展開する連合軍戦闘部隊への物資陸揚げで、
ここ始まって以来とも言える空前の経済的活況、を見せていた。

各国に割り当てられた港や物資集積地には新規雇用されたミスナ人民で溢れ帰り、
少なくともこのミスナ南部だけは、戦前よりも確実に治安良好の日々であった。

のだが。

王都クシャでのXデーに、

深海から津波のように押し寄せてくる者達が、
この活気に満ちたミスナの南部海岸に破滅的な災厄をもたらそうとは。

この時、超大国の海軍と海原指揮の海上自衛隊は、大変良好な関係にあり、
その日は超大国の方から自衛隊への物資援助を3倍にする旨と、

その言葉通りの輸送船団の物資の陸揚げとで、大変な状況であった。
その物資受け渡しが完了する、直前の日に破局がやってきたのであった。


390 名前: 西方神権国家ミスナの破局前夜 2006/10/22(日) 08:19:29 ID:???

「 そう思って下さると助かりますが、・・・愚痴ですね・・・ 」

隊の内情を良く判らない民間人に誤解されないように、と、
十分に言葉を選びながら、ポツリ、ポツリと、
物静かに胸の内を語る小官氏。

当然だが、辺りには誰もいない。

たまにフクロウが飛び去ってゆき、
何かに驚いた野鳥がバタバタと飛び去ってゆく。
リー・リーと、虫達が五月蝿い位に鳴いている。

そんな夜の森の中。

遠くに歩哨に立つ部下達を見つめ続けながら語る彼の素顔は、何処までも正直であった。
心の内の言葉を総て出しきったのか、小官氏は、それっきり沈黙してしまった。


391 名前: 西方神権国家ミスナの破局前夜 2006/10/22(日) 08:20:39 ID:???

「 まあ、市民の目を気にしなきゃイカンのが自衛隊ですけえ 」

・・・そのとおりですね・・・

「 私の軍に入りませんか?そこで外人部隊を思うが侭に指揮してみませんか? 」

・・・。

「 市民に目に縛られない、思うが侭の指揮をとってみたい!そう思っていなさるのでは? 」

・・・。

「 私の軍に入りませんか?そこで外人部隊を思うが侭に指揮してみませんか? 」

・・・

・・・ 自分は、自衛官ですから ・・・




699 名前: 西方神権国家ミスナの戦い 2 北ミスナ編  2006/11/02(木) 23:40:03 ID:???

天目山の空に、自衛隊のヘリ群が舞った。

そして久しぶりに実戦出動した福島隊長の部隊が、ヘリの爆音もおどろに天目山に降り立った。
彼らは武蔵国・箱根ケ崎村(現・東京都西多摩郡瑞穂町)で北条勢から加藤丹後守の軍を救出していた。

北条家の当主も、歴代の親族・家臣たちも信長につき、勝頼は四面楚歌であった。
その勝頼が天目山まで逃げ延びれたのは、
北条の姫や彼らの献身なくしては在り得なかった。
彼らの死と全滅を賭した働きがあればこそ、彼らは・・・

そして今はここ、西方神権国家ミスナの戦いで、

東方ライン皇国・戦国大隊第2中隊と化した彼ら武田勢の面々が、
自衛隊の一斉射撃で崩れたオークの軍勢に対し、全軍に先んじて1番槍を奪取すべく、白刃を煌かせて突撃している。
勿論自衛隊(本多隊長と斎藤隊員)も、銃剣を着けた六四または八九式小銃を手に、白兵突撃に移行している。
小官どのは…ああ、いた。元は高射特科の指揮官なのに、装甲車輌を乗り回して暴れ回っとる……。

貴重な弾丸じゃけん。

最初の1発だけ打った後は、全軍で一斉突撃。なんか、日中戦争の光景と被るけど、気にしない。
重火力で反撃してきた米軍と違い、無理矢理掻き集められた民間人ばかりだった中国兵のごとく、
全軍の先頭に立って突撃してくるイキの良い連中を殲滅した後は、呆気無かった。
浮き足立った敵は、少しでも押されると、あっという間に崩壊してゆく。

そんな感じで北ミスナの5日目、6日目が過ぎていった。




665 名前: 天目山に降る雪の舞 神の鳥、飛ぶ 〜 平行世界の戦国 in 自衛隊 〜 2006/11/01(水) 05:02:56 ID:???

(あれが織田信長か)

甲斐の国・天目山麓は、雪景色であった。

何もかもが凍りつく雪の空であった。

その空の下で、武田家の総帥、武田四郎勝頼は、仇敵の姿を遠望していた。

勝頼の視線の向こうでは、戦国の覇王・織田信長が、無言のまま、勝頼を見つめていた。

信長が勝頼を見つめる視線は、何処か酷く…悲しげであった。

見つめ合う両雄。

そして…その間に、両家の武者達が、静かに展開しつつあった。

武田家は、戦国きっての名家であった。

その、新羅三郎義光の血を引く名門の家、甲斐源氏武田家が、今まさに滅びようとしていた…。


666 名前: 天目山に降る雪の舞 神の鳥、飛ぶ 〜 平行世界の戦国 in 自衛隊 〜 2006/11/01(水) 05:06:40 ID:???

……勝頼の意地、で、あった。

だが、そもそも勝頼は、父・信玄の生きている時から、意地を張り続けていたのかもしれない。
そして彼がその気になれば、武田家は、信長の配下として存続できたであろう。

だがそれは、勝頼には、歩めない道であった。

そんな勝頼の意地を知る信長は…
勝頼を目前にしながらも引導を渡せぬまま、彼を見つめ続けていた。

天目山麓に1陣の強い風が吹いた。

それは名家の最後を拒否するような、強く、悲しい風、であった。

その強い風の声が、合図だった。

武田家最後の戦士たちが、主の最後の名誉を守り通すべく、最後の戦いへの1歩を歩み出した。
そして信長の親衛隊は、彼らの思いにただ黙って答えようとしていた。

空から舞い落ちる雪が、悲しげに、美しく光っていた。


667 名前: 天目山に降る雪の舞 神の鳥、飛ぶ 〜 平行世界の戦国 in 自衛隊 〜 2006/11/01(水) 05:10:53 ID:???

「…………」

その、今まさに切り結ぼうとしている彼らの間に、進み出る者が、いた。

その者は両軍の丁度真ん中に立ち、

そして静かに信長に照準を合わせて六四式小銃を構えていた。

長島一向一揆の民の惨状を見て以来、信長の敵に回った勇者、

陸上自衛隊普通科隊員・斎藤一(はじめ)であった……。






691 名前: 天目山に降る雪の舞 神の鳥、飛ぶ 〜 平行世界の戦国 in 自衛隊 〜 2006/11/02(木) 23:09:17 ID:???

時空の嵐、または魔神の召還により、戦国時代?に飛ばされた自衛隊は、

この世界を認識したその日から、彼らの知っていた歴史に従う事を決心。
そして途中までは、信長の政権確立に手を貸していた。

しかし、信長の長島一向一揆「殲滅」を目の当たりにしたころから、雲行きが変わった。

その頃、平成市民20万人と、自衛隊の本隊は、あいかわらず堺と尾張の国にあり、
その強大な武力は堺と尾張の国の海運の保持・育成に向けられ、
まさしく飛ぶ鳥を落とす勢いで繁栄の一途を辿っていた。

20万の市民は目隠しをされたままだったが、
潤沢な食事と暖かな家、綺麗な清水と、夜明けまで家々に燈る美しい明かり、
そして何より、
安全な浜辺と森と草原を余る程得て、ドワーフニーフ皇国以来の幸福を謳歌していた。


692 名前: 天目山に降る雪の舞 神の鳥、飛ぶ 〜 平行世界の戦国 in 自衛隊 〜 2006/11/02(木) 23:10:14 ID:???

だが。

末端の隊員の中には、戦国の宗教戦争と悲惨な現実を見るにつき、
斎藤隊員の様に、まったくの民の側に立つ者もいたのであった。

そして中には福島隊長の部隊の様に、
気に食わない(平成人から見て非道な)勢力を、密かに叩き潰す部隊も出てきていたのである。

そして斎藤は、
何時の間にか「戦国の鉄砲名人・雑賀孫市」の役割を演じるようになっていた。

勿論、斎藤は、雑賀孫市なる人物なぞ、知りもしない。

歴史に興味の無い斎藤が、雑賀衆に協力している間に、
たまたま思いついた偽名が「雑賀(衆の)孫市」に被っていたのだった。


693 名前: 天目山に降る雪の舞 神の鳥、飛ぶ 〜 平行世界の戦国 in 自衛隊 〜 2006/11/02(木) 23:11:57 ID:???

風が、悲しげに1声、泣いた。

そして、冷たい風は、止んだ。

そこは、もう、悲しみのだけの、世界……。

一瞬の夢の様な時間に、終りがやってきたのだ。

素面に帰った信長が「(こやつ等を)殺せ」と命じる瞬間であった。

その時であった。

「……もうそろそろ、いいでしょう」

信長の決断を悟り、彼の背後から、3人の間に割って入る者、在り。


694 名前: 天目山に降る雪の舞 神の鳥、飛ぶ 〜 平行世界の戦国 in 自衛隊 〜 2006/11/02(木) 23:13:27 ID:???

「……商人は引っ込んでおれ」

「私は熱田神宮の神主ですが、何か?(大ウソ)」
「偽神主は引っ込んでおれ、と、言っている」

年老いた農耕馬に跨った神主姿の民間人・今井が、信長と斎藤の間に割って入ってきた。

「(宗久の出る幕ではない、下がれ)」
「(信長殿はツンデレだから困る)」

潔癖な信長の、なぜか迷惑そうな顔と、今井の憮然とした顔が、交差した。


695 名前: 天目山に降る雪の舞 神の鳥、飛ぶ 〜 平行世界の戦国 in 自衛隊 〜 2006/11/02(木) 23:16:05 ID:???

「(……素直にお前が欲しいとか言えないのかのう)」

「(ま、言えない人だから、髑髏の金杯なんぞこしらえるのだがの……)」

ワザとらしくないように1つため息をつき、
当人に聞こえれば、一刀の元に切り捨てられる危ない言葉を聞こえないように呟きながら、
そのまま、がっぽ、がっぽと馬に揺られて武田の陣に歩み寄る、今井。

そして、北条家から勝頼に嫁いできた美しい姫にニコリと笑うと、
呆気に取られた武田武者を尻目に、
これまた盛大に呆気にとられている勝頼に向かって一言。

「勝頼殿に、引き合わせたい人物がござる」

それだけ言うと、また、がっぽ、かっぽと老いた農耕馬に揺られながら、
まだ形だけは睨み合っている信長と斎藤の間に、“さりげなく”割って入った。

と、同時に、
辺りを圧する爆音と狂風を撒き散らしながら、自衛隊のヘリが舞い降りてきた。

「斎藤!」

ヘリの騒音もかくやな怒声とともに、本多隊長が駆け下りてきた。


696 名前: 天目山に降る雪の舞 神の鳥、飛ぶ 〜 平行世界の戦国 in 自衛隊 〜 2006/11/02(木) 23:24:26 ID:???

武田勢が初めて見る現代兵器「神の鳥(要は何時もの大型ヘリ)」であった。

ぽかん、と、ますます大きく口を開けて魂消ている勝頼と、
主を守ろうと、慌てて固まり出した武田武者達。
そして恐れおののき、泣き叫ぶ武田家の女房たち。
それを1人で守ろうとしている勝頼の長男、織田家の血も引く花の様な若武者・武田信勝。

で、慣れているとはいえ、流石にこの無茶苦茶な爆音と狂風には堪らず、
しかめっ面をして怒気を含みだした信長と、
仰天して逃げ出そうとする馬達を制御するのに必死な信長親衛隊。

「(図ったな)」
「(図りましたが、何か?)」
「(この腐れ神主が)」
「(五月蝿えツンデレ大将)」

「戦国の世を偵察してくる」とだけ伝えて行方を絶った斎藤隊員と、
その斎藤の点呼はバックレながらも、心配しきりであった本多隊長。

信長に六四式小銃を構えたままチラとも目をくれない斉藤隊員に、
部下への、否、親友への怒りの鉄拳をくれる本田隊長。
その憤怒の本田隊長の後ろから、勝頼に向かって駆け出してきた大勢の武者達。

信長の大軍の前に、呆気なく瓦解四散した大武田軍の中に在って、1軍だけ主家に殉じた悲劇の武者達。

悲しみの高遠城の面々……であった。


697 名前: 天目山に降る雪の舞 神の鳥、飛ぶ 〜 平行世界の戦国 in 自衛隊 〜 2006/11/02(木) 23:29:09 ID:???

そんな彼らの再会の図に信長は、「フン……」と、鼻を鳴らして、

勝手にしろと言わんばかりに馬首を転じて、滝川一益らが控える後陣へと引き揚げて行った。

戦国最悪の暴君、または狂気の王ともいい、
第六天魔王とも呼ばれた彼の、優しげな一面を知る者は・・・少ない。
まして「この世界の信長」は、本当は、恐ろしく、情の深い男であった。

世の多く者が知らぬ、魔王の、真の姿・・・。

黒いマントをバタバタバタと言わせながら、
冷たい風と雪の舞いの向こうへと霞んでゆく、信長。

甲斐の国の山々と、白と灰色の景色の向こうへと、消えて行く魔王の後姿・・・。

その後姿を、何処までも見送っていた、今井・・・。


698 名前: 天目山に降る雪の舞 神の鳥、飛ぶ 〜 平行世界の戦国 in 自衛隊 〜 2006/11/02(木) 23:31:34 ID:???

武力の信長と、宗教の顕如、そして経済の今井の戦争は、

この世界でもまた、信長の勝利となって終わろうとしている。

(自衛隊が味方についているのだから当然だ)

そして再会の喜びから、ぽかん、としている武田家の面々の前で、

本多隊長と斎藤隊員が、テッパチと呼ばれる六六式鉄帽で壮絶な殴り合いを演じていた。

斎藤隊員の行方を知っていたのは今井だけである。

この世界では「今井宗久」と言う名で呼ばれている今井は、

下手に彼らの注意を引いて、彼らの怒りの矛先が向かわないように、と、

そろそろと…勝頼の妻・北条の姫の背中に、隠れるのであった。

そしてそれを、北条の姫が不思議そうに顔を軽く傾けて、微笑んで見ていた…。




807 名前: 名無し四等水兵 2006/05/23(火) 15:08:44 ID:LKqxGB5q

〈始〉『龍ノ国(仮・一部)』
パパパパパ・・・!
軽装甲機動車に装備した軽機関銃MINIMIの発砲音が聞こえる。
ぐぅぅぅん!
軽装甲機動車が森林から出てきた。
「小銃や機関銃じゃあ、だめだ!」
機関銃をぶっ放す隊員が言った。
「奴には聞かない!」
なんだ?その奴は、と涼宮が聞こうとした時、その奴が森林から出てきた。
「ぎしゃぁぁぁ!!」
朱い皮膚に黄色い眼。
見るからに恐竜のような生物かいた。
いや、ドラゴンだ。人間なんて一瞬で踏みつぶしてしまいそうな大きさ。
そして大迫力。正直怖い。
そいつが突っ込んでくる。
翼が見えた。腕とくっついている。
「隊長、発表許可を!」
若い一士が言う。
「撃て!」
涼宮が言った。

〈終〉



494 名前: 名無し先任軍曹 2006/07/05(水) 02:47:20 ID:???

「畜生!敵だらけだ!リロードできねぇ!!」

「痛ぇよ・・・・頼む、殺してくれ・・・奴らに引き裂かれるよりはマシだ」

「オラオラオラオラこれでどうだ!おかわりなら山盛りだ!!かかってきやが・・・ぎゃぁぁぁぁぁ!!」

マヒノエ山の麓
日本列島に二番目に近い港町セレアでは
まさに血で血を洗う戦いが行われていた

帝國の雑兵であるゴブリン、オークの人海戦術に対し日本国自衛軍は圧倒的に不利だった

倒しても倒しても倒しても召喚師により作り出されるまさに使い捨ての兵士には近代装備の自衛軍兵士とて防戦が関の山であった

更に運の悪い事に敵の攻撃は奇襲であり、実戦経験のある隊員でもパニックを起こしてしまった事も損害を大きくした要因である

奇襲を受けた自衛軍は敗走し、駐留していた普通科一個中隊は負傷者46名、死者52名の大損害を被った

この奇襲により敵にセレアを制圧され、本土への上陸を可能にしてしまった事により日本は喉元に刃を突きつけられることになった

政府はこの緊急事態に対し人亜混成強襲陸戦団(通称海兵隊)を急ピッチで完成させる

日本国及びその領地内に住み訓練の結果良好とされた選りすぐりの隊員で構成された殴りこみ部隊
彼らがこの物語の主役である


495 名前: 名無し先任軍曹 2006/07/05(水) 02:47:54 ID:???





Kill them all〜海兵隊よ永遠なれ









496 名前: 名無し先任軍曹 2006/07/05(水) 02:48:28 ID:???

0500時
「起きろ起きろ起きろ!!何時までマスかいてる!!帝國は待ってはくれんぞ!!」
教官の大きな声とガンガン喧しいバケツの音で今日も訓練生の一日が始まる

「5分後に清掃開始!聖母マリアが便器の中で入浴したがるぐらい磨き上げろ!」
「蛆虫共!貴様らがここまでグズなのは生まれつきか!?それとも努力してこうなったのか!?」
「走れ豚娘!足の感覚がなくなっても走り続けろ!根性見せろ!」

ここはタフガイ気取りとアホ勇者が通う8週間学校
誰でも通う事が出来るものの・・・・・正直ここのシゴキは自衛軍でナンバー1である
然し卒業すれば混成強襲陸戦団への入隊は約束されているので入学者は後を絶たない
(特に未だ未開の地に住む亜人種にとって安定した収入は喉から手が出るほど欲しいものだそうだ)
「貴様らは後14日で訓練を満了する!その日こそ貴様らが蛆虫から海兵隊員に羽化する日である!
しかし貴様らは

             〜中略〜
                                          である!わかったか!!」

14日後彼らは無事に羽化し、大陸方面第一人亜混成強襲陸戦団としてセレア奪還の任についた


497 名前: 名無し先任軍曹 2006/07/05(水) 02:49:31 ID:???

なぜ在日米軍が動かないのか、それにはには訳がある
2008年、突如として日本列島を覆った正体不明の気象現象により、日本列島全てがこの世界に飛ばされる事となった
しかし不可解な事に飛ばされたのは日本人のみであり、在日米軍は設備だけが飛ばされてきた
1年後には飛ばされた海域に最も近いロジェク国を含む国家連合に対して不可侵条約を制定
その4ヵ月後には政府が新憲法を施行、それは自衛隊の明確な国軍化も含まれた憲法であった
しかしこれを快く思わない帝國(正しくは大ノヴィレア=セントルージュ帝國)は日本に対し属国となる事を要求
国会で満場一致でこれを反対

しかし丸く収まる筈も無く帝國はロジェク国に対し宣戦を布告、人海戦術を用い2ヶ月で首都を陥落させる
そして帝國は日本を次のターゲットとした
この大陸でもっとも大きな国がこの大陸で最も危険な国に牙をむく、それはこの世界の雌雄を決する戦いであった



498 名前: 名無し先任軍曹 2006/07/05(水) 02:50:17 ID:???

聖エアリア暦2372年5月26日
「いいか雄豚共!2ヶ月前我々は奇襲を受け戦友を失った!
しかも彼らは死して尚も裸で引きずり回される辱めをうけた!
この作戦はただの奪還作戦ではない!!
彼らの敵討ちだ!!!!」

「「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」
隊長の佐藤三佐の叫び声とともに部下は鼓舞の叫びを上げる

「貴様らに指令を下す!目標はセレア奪還!」

「俺たちの商売は何だ!」
「「「「殺しだ!殺しだ!殺しだ!」」」」
「草を育てる物はなんだ!」
「「「「血だ!血だ!血だ!」」」」

「いいか貴様ら!敵討ちだ!皆殺しにしろ!!(Kill them all!!)」
「「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」

彼らは皆叫んだ
相手に対する怒りが3割
自分に対する叱咤が7割

皆不安を隠す為に叫んだ
これから彼らは戦場へ赴き、人を殺し、仲間の誰かは帰ってはこない事から少しでも長く目を逸らしていたかったから・・・・



111 名前: 名無し先任軍曹 ◆4DvVs4108E 2006/09/08(金) 18:55:59 ID:???

8月19日
2350時
人亜混成強襲陸戦団第一大隊駐屯地作戦室

其処では今まさに火蓋が切って落とされようとしている戦いの下準備が行われていた

「あー皆も知っての通り今回の作戦では我が第一大隊から2個中隊を派遣する事になった。佐々木君、説明を」
「装備はいつも通りです、今回は米海兵隊から借り受けたAH−1Wスーパーコブラも投入する事になりました」
「鎧甲冑の連中にオーバー過ぎやしませんかねぇ?」
「まぁそうも言うな、政府のバカどもは今回は大勝利を要求してる。流石に世論がやられっ放しじゃ黙ってはいないだろうからな」
「敵兵力は推定500前後、魔道兵は50名程度ですがが敵の殆どはゴブリンや傭兵と思われます」

「で、ゼロアワーは0500時。部隊員をUH−1HやUH−1J、CH−47で現地に直接降下させます」
「ブラックシーの二の舞は避けたいですな」
「ああ、今回はUH1−Jは人員運搬より専らUH−1Hの援護に回ってもらうことにしている」
「後は、CH−47より野戦特科と155mm榴弾砲を町外れに持ってこさせます
「なお本作戦には元米海兵隊のブラックホークを投入し、ガンシップとして機能してもらいます」

「何か質問はあるか?」
「海兵隊の持ち物勝手に使って後でややこしくなりませんかね?」
「なんとかなるさ、それにそれを言ってしまえば空母を二隻も接収してるじゃないか」
「ハハハ・・・なんか元の世界に戻るのが怖いですな」
「魔道兵については?」
「今回投入できるのは一小隊に一名が限度です」
「他に質問は?」
「・・・・・・・・・」

「よし、解散!」

112 名前: 名無し先任軍曹 ◆4DvVs4108E 2006/09/08(金) 18:57:15 ID:???

同日0300時

「全く、89式が足りないからってM4やM21持たせるか普通?」
「仕方ないですよ、こっちに来るまではこの国は軍を擁した国家として機能してなかったんですから」
「こらルザ、テメェなーにウィスキー隠し持ってやがる」
「(ギクッ!)やだなぁ、俺の水筒には水しか入ってませんよ」
「(ヒソヒソ)後で飲ませろよ」
「(ヒソヒソ)ちょっとだけですよ」
「(ヒソヒソ)それやっぱ美味いのか?」
「俺の叔父貴は酒屋ですよ。美味くないわけ無いじゃないですか!」
「バカ!声がデケェ!!」

「うん、やっぱタクアンが食べたいなぁ」
「戦闘食のタクアンが好物な奴なんぞ世界中探してもお前しかいないだろうな」
「あー陸士長ひどいっす!そーゆー陸士長だってあんな苦いだけの泥水飲んでるじゃないですか!」
「テメ!コーヒーを愚弄するつもりか!?コーヒーは徹夜の友だぞ!」
「そんなの飲んでるから顔まで苦々しくなってくるんです!」
「テメーだってタクアンばっか食ってるから長細くなるんだ!」


113 名前: 名無し先任軍曹 ◆4DvVs4108E 2006/09/08(金) 18:58:11 ID:???

人、ドワーフ、エルフ、リザードリィ(半竜人)等々の人種がごったがえしている駐屯地では
続々と出撃の準備が行われていた

「あー畜生、ブタだ」
「3カード。またしてもいただきます」
「残念、俺はストレートフラッシュだった」
「かー!なんでブルは強運なんだよ!俺を干からびさせる気か!?」
「ま、俺の後ろにいりゃ弾は当たりませんて」
「何かそれはそれでそれた弾が当たりそうで怖いな」
「ハハハ・・・」
「キミタチ、隊内での賭け事は禁止の筈だが?」
「なっ!2佐!?何時からそこに!?」
「まぁ今回だけは多めに見てやる、但し帰ってきたら便所掃除3日」
「了解しました・・・木下陸士以下3名帰等後三日間の便所掃除の任に就きます・・・」

・・・・・・一部不真面目なのはお約束だが

114 名前: 名無し先任軍曹 ◆4DvVs4108E 2006/09/08(金) 18:59:14 ID:???

「ゴホンッ!栄えある海兵隊諸君。まもなく君達は60余年ぶりに日本人として実戦に行くわけだ。
『優秀な兵士は国の宝であり、その死には相応の理由がなければならない』元米中央軍司令官はそう言った。
君達は八週間の基礎訓練を受け、ある者は格闘を、ある者は砲撃を、ある者は狙撃を学んだ。
それは人殺しの技術に他ならない、世界が平和になった暁には間違いなく不要となる技術だ。
但し矛は時に盾となる、我々は国家の為の盾だ。愛する人の盾だ。親しい人の盾だ。
我々は蹂躙するだろう、敵を、敵を、敵を。
その屍の道の果てに平和があるとするのならば、我々は其処へ向かって吶喊する。
我々は海兵隊だ!どこぞの専守防衛を謳った腰抜けではない!
『我らの敵を根絶やしにせよ!』『Semper fi! Do or die! Gung ho,gung ho,gung ho!』」

115 名前: 名無し先任軍曹 ◆4DvVs4108E 2006/09/08(金) 19:00:02 ID:???

パチパチと薪の爆ぜる音がする
「ファーァァァァアアア、眠い」
「黙ってろ、ジエーグンの連中は闇夜に紛れて襲ってくる事で有名だぞ」
「もう夜が明け始めたじゃないか」
「だから逆に油断してる今来るかも知れん」
「腰抜けめ、騎士道精神のない奴らが兵隊をやる。なんて野蛮な国なんだ」
「だが彼らは未知なる力を使うというぞ」
「おいおい勘弁してくれよ、コレがか?」
そういった彼が指したモノは、大陸方面第一連隊隊員松尾正樹3曹(2階級特進)であったモノだった
彼は遺体収容が間に合わずに放置され、帝國軍によって死後磔にされる辱めを受けた上に今もなおそのままにされている
遺体を磔にして弓矢の的にした上それを見えるように放置して敵の戦力を削ぐのは帝國の常套戦術だった
彼が彼と分かるのは一応自衛軍の服装だったからだ。だが最早彼の亡骸は白骨と化し、哀れなハリネズミにしか見えなくなっていた
陸自の全部隊から抽出した部隊員を配置し、ロジェク無き今彼らが防波堤となる。それしか日本に選択はなかった


116 名前: 名無し先任軍曹 ◆4DvVs4108E 2006/09/08(金) 19:00:44 ID:???

「畜生、まだ交代の時間は来ないのか?」
「あと20シリクル(約18分)ぐら・・・・」
其処までが彼の発した最後の言葉だった
「え?え?・・・・何だコレ??」
突然自分の目が見えなくなり生暖かい物が降り注いできた
全く理解できなかった、何か赤い紅いあかいアカイ・・・・
「え?どうなっ『ビスッ!』」
彼らは海ばかり見ていた。だから町外れに人知れず静かにCH−47から空挺降下した隊員に気がつかなかった
彼らがM21SDを持っていたことも

ここに海兵隊初陣のセレア奪還作戦の火蓋が切って落とされた


530 F22 ◆QPTet5lmFk sage 2007/03/06(火) 22:34:00 ID:???
投下開始
20XX年X月1日
松島基地の第21飛行隊がいつものように訓練をおこなっていた。
山田一等空尉は熱血教官
そんなわけでF-2の後部に乗って中川空士長をしごいていた。
「ゴルァ!中川!着陸下手なんだよ!もう一回やれ!」
「解りました。空尉!」
「おめぇ、そんなんでF-15Jに乗りてえのか?100年早いわぁ!」
そのときだった。
「なんだぁ!あれは!」
まるでそれはデカイ、まるでミグのような鳥だった
「中川、脱出だ!」
「解りました!」
脱出した。間もなくF-2はデカく黒い鳥に衝突、空中分解、爆発した。
そのときだった。二人は岩手の方向に閃光をみた。
ピカァー!
間もなくU-125Aの人らによって救助されたが、二人は呆然としていた。

531 F22 ◆QPTet5lmFk sage 2007/03/06(火) 23:06:01 ID:???
松島基地
「山田!」
「なんだ葛西!」
葛西は山田の同僚で一等空尉である。
「司令がお前と中川よんでるぞ。」
「わかった!」
司令は松田空将補である。F-2一機失ったためのことだろうか?
行ってみると…
「山田に中川、大丈夫か?なんか救助されたとき呆然としていたようだが?」
「司令、すみませんでした。」
「F-2を失ったことか?まあ、ツケは高くついたよ。」
「呆然していたことですが…」
「…ふむ。
岩手方向で閃光があったのだな。
実をいうと三沢の奴らも確認してるよ。
さらにお前らがみた巨鳥、なんか変だな」
(電話がなる)
「司令、電話です。」
「わかった。
もしもし…」
1時間後…
全部隊待機命令が出された。

召喚前終了
今日はここまで。


659 F22 ◆QPTet5lmFk sage 2007/03/10(土) 21:59:30 ID:???
ご指摘ありがとうございます。
それでは
召喚編
西に夕日が沈むころ、司令が皆を呼んだ。
「防衛省から大変な情報を入手した!」
松田はこの情報を言った。
閃光の正体…それは別次元への召喚であった。
今日、山田や中川が見たものは岩手の第9戦車大隊が召喚されたものだった。
「以下、ブルーインパルスは浜松に避難されたし。」
「司令、ちょっと待ってください。」
葛西がいった。
「なぜ、百里や三沢の奴等を使わないんですか。」
葛西はかつては百里にいたことがある。
その頃はF-15Jに乗っていた。
松島はブルーインパルスを始め、アクロバットなどのパフォーマンスが得意な訓練部隊
こっちよりは、ある程度、戦術がある百里や三沢の奴等を使うべきである。
「空尉、話は解る。しかし、今の日本は外国の脅威とも戦わんといかん。
アラート待機している部隊を使うわけにはいかないのだ。」
松田は言った
「うぉぉ、気合いが入る!」
中川は大声をだした。
「まったく、お前はいつもそうなんだから…」
中川の同僚空士長は言った。
中川は高校野球をやっていて甲子園に出た程だ。大舞台では自分の気合いで乗りきる奴だ
また松田は第6師団の一部が先に人工的に召喚したと話した
さらに、7機の空きにF-2支援が配備されるとのこと・

660 F22 ◆QPTet5lmFk sage 2007/03/10(土) 22:56:04 ID:???
最後の?はいらん。
翌日
いい朝だった。
太平洋から日が昇る…
「空尉、おはようございます。」
「おう、中川か…そういや、松田司令が言っていたが石巻湾や太平洋、松島の周りを見納めとけよ。」
山田は言った。未知の世界にいくわけだから、生きて帰れないかもしれない。
松田は全隊員に戦闘機から松島を見納めてもいいと話した
中川は朝食後に訓練をすることにした。
朝食後…
ブルーインパルスと暫し別れるときがきた。
「こちらブルーインパルス、松島基地、また会おう。」
ブルーインパルスは離陸し、石巻湾方向に行って浜松に向かっていった。
その5分後に他の基地から選抜されたF-2と7人の空曹長が配備された。
中川と山田は訓練のため離陸した。
「中川、いまのうちに石巻や松島を見ておけ」
「は、はい。」
休みの時は松島の町や仙台で遊んでいた。
仙石線の電車や石巻湾、国道45号線を眺めながら
着陸時、中川は見事に着陸した。
「このぉ!お調子ものめ!」
中川は着陸を成功した。
今日の午後4時には未知の世界に行くのだ
プラズマ発生車が松島基地の周りを張り巡らした。
「現在正午、こちら松島基地、閉鎖完了しました。」
「あー、こちら松田だ。君達は間もなく未知の世界に行く。生きて帰れないかもしれない。しかし、第9戦車大隊の人命がかかっている覚悟してやっていけ」
ビャアー
4時間後松島基地は未知の世界にとばされた。



964 ◆Rz6OfYkyHs sage 2006/12/22(金) 00:36:06 ID:???
近頃闇に跋扈する者

前編 メル草原ニテ悪霊掃討ノ事

ヒースの野原に、一人の女性兵士が駆けていた。
五フィートあまりの背丈に、濃緑色の迷彩服を纏い、手にした六四式小銃には幅広の銃剣を着剣してあった。
彼女はノーグ王国近衛騎士、名をフィオナ・章子・マクリール・八塚。
以前の日本国での名前は、八塚章子という。

章子は陸上自衛隊の婦人自衛官だった。
といっても、もう三年も前のことだ。
日本国の暦で西暦二〇〇七年三月、第二次朝鮮戦争にともなう出兵でのこと、朝鮮半島釜山に築いた策源地から前線へ弾薬を運搬すべく駐屯地内で作業中、謎の光芒に包まれ、章子はこの地ティルナノーグに転移してきたのだ。

当初言葉もわからず魔物や盗賊が跋扈する土地で、手にした自動小銃と一抱えの弾薬箱を頼りに暴れていたところを、土地の王ダオ一世に見込まれ、生活手段の提供と引き換えに国王付の騎士として仕えることになった。
近衛騎士の一人として暮らすうち、日本の記憶は徐々に霞もうとしていたが、引き換えに異郷の生活にも慣れ、王や仲間の信頼も勝ち得て、王国随一の女騎士として毎日を忙しく送っていた頃のことだった。

ティルナノーグの王都ファブリルバーチではその頃、魔物の群れの出現に悩まされていた。
都の民は不安におびえ、みな顔を曇らせた。
魔物の跳梁は、ノーグ地方に広く暗躍する、妖術師モルディの仕業と目された。
かの魔導師は背丈が低く、マナを悪の気に染めて用いることに錬達し、自らの姿を幾つにも分け、それぞれの分身を思うままに使うことができるという。
分身は魑魅魍魎、もしくはワームと言われ、それぞれの分身は古の記紀にあるゴクリのごとく、小狡く、まがまがしく、実に気の滅入るようなやり口で、人々の間で悪を為した。

965 ◆Rz6OfYkyHs sage 2006/12/22(金) 00:36:53 ID:???
今、章子は王命を帯び、王都を騒がすワームの一匹を追っていた。
広大な王の荘園地区からさらに離れること七リーグ、宮廷魔術師の予言どおりの場所に、ワームは隠れていた。
牧草の広がる草原と樺の木立の境目に暗い影が揺れるのを見てとり、章子はすかさず従者のトパーズを呼び寄せた。

自由民から取り立てたトパーズは南方のハイブラゼル島にある商家の出身で、修養した司祭や魔術師ほどではないにせよ諸般の魔法に通じていた。
年は同じ二十二歳。
華奢な肩に女らしい肢体を併せ持った、可愛らしい女性だった。

「かしこまりましたですわ」

縁なしの眼鏡を直し、まるで秋の日の午後にピクニックでもするかのような笑顔でトパーズは了解する。
ワームから充分距離をとった場所まで退き、腰のポーチから色砂を出し、草原のなかに六芒の陣を描いてゆく。
簡易陣を張り終えると、真剣な瞳になって呪文を唱え出した。
詠唱が紡がれるにつれ、五体から不可視の霊気が流れ出す。
東、南、西、追難式を終え、南に向いて召喚の呪文を唱え出す。
投地した体が大きく立ち上がり、美麗な装飾を施した短杖を振りかざした。

「地の龍脈に眠る炎の精霊よ。われ大帝オーベロンの名をして汝を呼び出さん。あらゆるものを焼き尽くす冥火の荒ぶる炎もて、かの木立に潜む悪しき影を誡めよ! アパーレオ! インフラーマ!」

ワームが潜む木立の周りから、たちまちRい炎が立ち現れた。
杖の先は炎を指し、柄頭に嵌めた宝石が円を描く。
影を取り巻いて炎が集まり、ひときわ強く燃え上がった。
魔を炙りだすサラマンダーの幻火だ。
術の成功を確認し、章子は体を低くして近づいてゆく。
木立にたゆたう陰影から、苦しみの呻きがあがった。
人の肌を粟立たせるような響きだ。

966 ◆Rz6OfYkyHs sage 2006/12/22(金) 00:37:41 ID:???
「キモイ! キモイ! キモイ! キンモー!」

朧げな広がっていた影がみるみる集まり、闇の色を濃くしてゆく。
やがて黒い闇は人のかたちをなし、五フィート弱のひと形があらわれた。
頃あいだろうか。
歩伏して四十ヤードまで近づき、身を起こした。
膝射の姿勢から小銃を三点射。
射撃音が野原を払う。
立ち上がるや否や、一気に走り出た。
ヘルメットから長い黒髪が秋風に流れ、強い意志を宿した瞳は激しい力で影を睨みつける。
影の前、十ヤードと離れぬ距離に立ちはだかり、凄みをおびたアルトで繰り出した。

「お勉強はどうした? ママに叱られるぞ? この寄生虫め!」

章子は戦いになると、女性としてどうかと思えるほど口が悪くなった。

「反応早! ヒトモドキ! おまえ、あいつ、ヒトモドキ!」

背筋を逆なでするような甲声でワームは叫んだ。
小刻みに跳躍し、せせら笑うかのように目の前を動き続ける。
影特有の魔術だ。
馴れた手合いだ。
章子はさらに声を低め、叩きつける。

「人語を扱うなよ人工無能? 反吐が出るぜ!」

影を倒すためには、自らの姿をあかさねばならない。
着剣した小銃を腰だめに構え、切れ長の眼が影を刺す。
銃剣にはルーンが彫られ、銀の鍍金がほどこしてあった。
影はせせら笑う。

967 ◆Rz6OfYkyHs sage 2006/12/22(金) 00:39:19 ID:???
「もう少しおつむ使え。ヒトモドキには無理か。躁状態?」

ひとしきり小馬鹿にするように、ゆらゆらと揺れた。
たじろがずに一歩進む。

「無能がまだ吼えているな? 恥知らずとはこうも醜い!」

「ヒトモドキ、真っ赤っかみたいですよ」

ごくわずかだが呪言が弱まっていた。
いける。
好機だ。
戒めは効いていた。
間を待たず叫んだ。

「真っ赤なのは貴様だろうが! せいぜい国王への謝罪文でも練って置くのだな! 立ち去れ! このきたならしい寄生虫が!」

ひと形の黒い影は、嘲嗤うように足を踊らせた。

「モドキ。まだファビョってて気づいてないのか。やっぱ無理だな。モドキには高度すぎたな」

ぶぅんという暗い韻律が鳴り、ふと周囲の気配が暗くなった。
なに?
変化した光量に目が戸惑う。
警戒し、感覚を研ぎ澄ます。
薄暗闇に目が慣れれば、五ヤードと離れない眼前にトパーズの形をした影が現れていた。

「イイカゲン死ねよ屑が!」

柳眉が憤怒に逆巻く。

968 ◆Rz6OfYkyHs sage 2006/12/22(金) 00:42:08 ID:???
魔法陣のうえで様子を窺っていたトパーズは、濃い闇が章子を取り囲むのを見、

「いけません」

祓魔の呪文を唱え始めた。
詠唱のソプラノは草原に広がり、魔法の杖が振り上げられる。唱えながら両手を広げ、投地する。
また立ち上がり、陣内を囲繞する。
再び投地し、呪文を結んだ。
最後に立ち上がったときには、空へかざした短杖は清涼な霊気をまとっていた。
短い呟きとともにワームが作り出した偽影へ向け、美しい短杖が振られた。
翠緑色をした宝石が淡くかがやく。
精霊の風が起こり、薄闇に吹きつけて影を清める。
見る間に、章子の周りの闇が取り払われてゆく。
式を終えてトパーズは額の汗を拭った。

「いい加減わかって欲しいのですわ」

章子は背中越しにトパーズへ声をかけた。

「清掃だ。王都の繁栄のためにも灰にせねばならん!」

対峙した姿勢を崩さぬまま、そっと引き金に指をかけた。
影は構わず、哄笑を続けた。

「無理すんなよちょん。ファビョって失敗したんだろ。モドキには相互高速変換は無理だと誰かも言ってただろ。人間の忠告は聞いておくものです。阿比留文字で書いてなかったので読めなかった?」

人を誘い込むような妖気が絶え間なく放たれ、付近の空気に滲みこんでゆく。
そのたびに影は少しずつ大きさを増し、淫猥な雰囲気は章子の体の周りを取り巻く。
ひとつまたひとつと呪言を紡ぎ、次の幻を出すつもりだ。
尋常な人間なら容易く、巻き込まれて自失していることだろう。
しかし、自衛隊で鍛え、国王と魔術師から対魔戦の手ほどきを受けた章子には、影も簡単には力を及ぼすことができなかった。

969 ◆Rz6OfYkyHs sage 2006/12/22(金) 00:44:57 ID:???
整った唇の端に、女騎士は薄い笑みを浮かべた。

「自慰を覚えたての猿の様に、西都でも阿比留文字を繰り返していたのはこの低能か! 品性も知性も面白みも無いな! で、どこでそんなサル知恵付けて来た?」

影は王都に現れるまえ、二百マイル離れた西都クリスハイムでも執拗な擾乱を続けていたのである。

「よほど鬼門だったようで。みんな気づいてて口に出さなかっただけだからそんなに気にするなよ」

鼻先で笑う息が、聞こえるかのような口ぶりだった。
人の形をとった影は朧げな姿を伸び縮みさせ、しきりに襲い掛かるような仕草をした。
身をわかち人をかたり元をみえなくするのが、影の使う魔術の常套手段だ。
幾つにも姿を分け、しきりに相手の影に取り憑いた。
相手の影と入れ替わろうと策をめぐらし、気取られないためには自らの姿すら相手の影だと思わせようとした。

「クズが! 謝罪は国王に額を地面に擦り付けてやって置け。小官は要らんからな? 貴様の腐れ眼に唾でも吐いてやりたい気分だからな!」

章子は自衛官であったときの記憶を胸にとどめるため、自らのことをわざと小官と呼んでいた。
再び拡散しようと、影は蠢動をはじめた。
これ以上、時間を与えてはいけない。
身の丈を倍ほどに膨らませ、黒い影が嘯いた。

「ボケ。虚勢をはる馬鹿には付き合いきれんわ」

睚が裂け、凛と騎士の決意が響いた。

「ならば出て行くがいい。ここはテメエなんざ居ていい場所では無い!」

怒鳴りつけるなり、引き金を絞った。弾頭に銀を被覆した7.62ミリの弾が、秒速七〇〇メートルで影を襲った。

970 ◆Rz6OfYkyHs sage 2006/12/22(金) 00:45:55 ID:???
眼前の闇から苦しげな罵声が上がった。
大気の陰影がぐっと濃くなり、章子のまわりに暗黒が広がった。
内部の力を溶き放ったらしい。

「モドキ! オマエ! アイツ! ヤツ! オレ!」

忌まわしいのろいの言葉を浴びせかける。
口中にアドレナリンの刺激が、じわりと広まる。
章子の胸で獅子心が雄々しく咆哮した。
銃把を強く握りつけ、腹の底から怒号を放った。

「糞の中で蠢く寄生虫どもが!」

膝を高く掲げ、裂帛の気合をあげ刺突する。
突き出した銀の銃剣は影を貫き、施されたルーンからマナの聖気が光った。
切り裂いた暗闇から、獣のような叫びがあがった。
息つく間もなく引き戻す。
左手を支点に銃床を振り上げた。
銃尾に埋めた青水晶が闇を砕く。
そのまま右上段から、影のひときわ暗い部分をめがけ切り下げる。
聖霊の火花が星のようにほとばしり、聞くものの臓腑を怖気させる呻きが闇に満ち、空気を歪めた。
猶予を与えてはならない。
点射を放つ。
さらに踏み込み、闇の中心をめがけ、力の限りに刺し貫いた。

「イヤァ!」

握りこんだ両手に重みを感じる。
と、周囲の闇が蠕動した。
大気に悪臭が立ち篭め、呼吸を止める。

971 ◆Rz6OfYkyHs sage 2006/12/22(金) 00:47:03 ID:???
奥歯を喰いしばり、右へ左へとゆっくり銃を捻った。
肌を切るように闇が震え、影が揺らぐ。
今だ。
神速の勢いで銃を引き抜き、渾身の力を放って左袈裟に切り下げた。
十字に刻んだ影から、身の毛がよだつ絶叫があがった。

「ギャアアアアアーーー!」

聖アンデレのクロス。
影を包む魔の黒い粒子が収縮し、魔法粒子たるマナの結合が砕け散った。
聖刃に浄化されて、自らの性質をスピンさせる。
マナは中和されて性質を戻すと、幽かな光を残して大気のなかに溶け消えていった。
残った闇の一部も、蜘蛛の子を散らすごとく引いてゆく。
霧が晴れるように周囲はあかるさを取り戻してゆく。
トパーズが大きな胸を搖らして駆けてつけてきた。

「やったのでありますか!」

肩で息をしつつ、章子は吐き捨てた。

「哀しいけれど、清掃は中途で終了だ」

「え?」

呼吸が静まるにつれて我を取り戻すと、章子は女騎士らしい表情にかえって信頼すべき従者に告げた。

「身を散らし、棲み家へ戻っただけだ。縛めの時間が足らなかった。また巡察に出なくてはいけない。せっかく追い詰めたというのに。ほんとうに済まない」

残念そうに唇を引き結んだ。

972 ◆Rz6OfYkyHs sage 2006/12/22(金) 00:48:32 ID:???
「いえいえ。小官殿がいてくれればトパーズは幸せですの」

ポンと抱きついてくるさまは、子猫のように可愛らしい。
章子は豊かな黒髪を後ろに払い、澄んだ瞳でトパーズを見つめた。

「お世辞はいい。それに私は小官ではない。故郷のことを忘れぬため、言っているだけだ。今の私は、ノーグ王国近衛騎士、フィオナ・章子・マクリールだ」

乱れた髪を纏めなおす。
身に降りかかった瘴気を清めるため、ポーチから聖水を取り出し身体と銃に振りかけた。
その時、空の彼方から恐ろしげな呪言が耳元に聞こえてきた。

「この国ももう終わりだな」

二人は遠くの青空を見やった。
西空の果てに妖しげな雲がかかっていた。
その雲は周りの雲よりもひときわ暗く、忌まわしげな妖氛を帯び、風に流され遠のいていった。

973 ◆Rz6OfYkyHs sage 2006/12/22(金) 00:49:17 ID:???
章子は黒雲を見やり、肩をすくめて苦笑した。

「この調子では、すぐにでもまた現れそう」

トパーズが軽く微笑み、

「探索に苦労しなくていいですわよ」

「それもそうね」

章子はうなじの髪をふさりと払って破顔した。
それは鬢の毛も麗しい、女らしい笑顔だった。
トパーズの豊かなブロンドを撫で、章子は小さく首を傾げた。
ひと回り小さいトパーズも倣った。
足元ではヒースが白い花を咲かし、居並ぶ樺は梢の葉を赤らめていた。
日暮れにはまだ時間があった。
迷彩服にローブの奇妙な二人組は、秋の野原を後にして肩を並べて王都への道を戻っていった。

---
投下終了です。
後編は気がむいたら書きますです。



476 465ことチーズ ◆D4a4oAS7qU sage 2007/02/26(月) 14:51:40 ID:???
投下
「節子っ それおはじきやで」
テレビに写し出される兄妹。
プップッ プップッ
場違いな音。テレビにニュースの字幕が流れる。 また選挙か。憶測が期待をおおいつくす。
しかし憶測は外れた。
「行方不明の警察官山中で発見」
最近このての行方不明事件が多発している。被害者は光を見たとはなしているそうだ。

某演習場

「隊長…。あれは…」
男が目を開き右を見ている。
「ムダグチ叩いてるとケツにチーズ突っ込んで日章旗にくるんで海に放り込むぞ」
「隊長ケツが好きですね〜その気があるんじゃないですか?」
「いや。冗談では無いです。右を…」

渦まく光があった。例えがたい風景だ。三人は言葉を失った。

隊長と思わしき容姿の男は目をぱちくりしている。
次第に光は増えていき、ついには周りを包みこんだ。
まるで濁流に呑まれたとでも形容しようか。不快な感触 口の中にすっぱいものがわきだした。
ふっ
音はしなかったが音がした。
目には白とは違う青い光が差し込んだ。
空の色か… 確か今日も雨だったような…
薄れゆく意識の中、辻政武はそう思い無意識の海に身を浸した。


507 チーズ ◆D4a4oAS7qU sage 2007/02/26(月) 17:23:29 ID:???
やっと呼べた。ダリイ。」
ダルそうに話す少年。
目つき鼻つきからしてモンゴリアンにあらず耳の形からしてアーリア人にあらず未知の人種と思われる。
幾何学的図柄を描き妙な言葉を言うと彼は一瞬にして消えた。

「皆大丈夫か!?」
辻が話しかける。軽装甲車一台のみ視界に入る。
「大丈夫ですよ。俺は。」
中からいやいやそうに出てきた巨漢 宮崎。
「おい那智は?」
「名誉の戦s ぐわっ」
「ふざけるな。」 辻はテツバチを叩くと宮崎は巨大を揺らした。よくまあ入隊できたものだ。
「ここですよ隊長。」
那智が後ろから爽やかな笑顔を振り撒きながらやって来た。
「これで全員みたいだな。」
周りを見渡しそう言った。
「またまたおえらいさんから叱られますね。」
ニタニタと宮崎が皮肉る。
「誰のせいだ」
見る限り遭難したみたいだ。


508 チーズ ◆D4a4oAS7qU sage 2007/02/26(月) 17:24:17 ID:???
「あの〜」
「なんだ?」
「隊長、前から民間人がやってきます。」
那智が言っている。
そんな馬鹿な…。此処は演習場のはずだが…。
「とりあえず警告するか。」
宮崎の独り言が耳に入った。

「君っ此処は演習場だ。危ないから退避したまえ」
民間人とおもわしきモノは立ち止まらずやって来た。
「警告してるのに近づいて来ますよ。」 「君たちかね?異世界の人は。」聞き慣れぬこえが響く。
「はあ?異世界だと?」
「そうだ。此処は君たちの言う演習場ではない。早く此方へきたまえ。」
そう言うと人は走っていった。
「どうします?」
「とりあえず追え。」

投下終了
もちっとまっててね


528 チーズ ◆D4a4oAS7qU sage 2007/02/26(月) 20:18:35 ID:???
スマソ。入れ忘れ

理解しかねる・・・・と顔に書いてある。
「状況を説明する必要がありますね。」
「頼む。」

彼は深呼吸をすると話し始めた。

「われわれエルフ族は太古よりこのリトニアで生活してきました。
しかし数十年前より北の大国「スルタニヴァ帝国」と戦争状態に陥りました。
最初は優勢でしたが今となってはもう相手のほうが圧倒的です。
このままでは私たちは滅びてしまう・・・・だから貴方たちの世界に
扉を開こうと試みました。」

「まさか最近多発しているという行方不明事件は・・・・」

「そうです。間違えた人を呼び出してしまいました。無論返しましたけど。」

俄かに信じがたい話だ。
しかし現実はどうだ?目の前には妙な髪の色の耳の長い子がいる。
100の言葉より1の現実のほうが力を持つ。よく言ったものだ。

529 チーズ ◆D4a4oAS7qU sage 2007/02/26(月) 20:19:28 ID:???
お分かりいただけたでしょうか?ではあそこに見えるは首都「リトア」です。
ご同行願います。」

こうして一向はリトアに向かった。

〜リトア〜

この町は見渡す限り石でできている。
中世の町そのものだ。
ファンタジー⇒中世 とはよく言ったものだ。

「女王陛下がお待ちです。ささ。」

一行は町の中心の広場の向こうの城に案内された。
「女王か。」
辻はそうつぶやいた。まるで御伽噺のようだ。
巨大な木製の門が開くときれいな庭園が目に映った。
おくにはヴェルサイユ宮殿を想像するような宮殿。
案内のエルフに引率される。
彼らの衣服はやはり中世チックとでもたとえるべきか。
長い階段や廊下、さまざまな部屋を抜け、一段と豪華な
部屋に案内された。
中には赤いじゅうたんが敷き詰められ
おくには一段高い床と玉座があった。
その玉座には輝くやんごとなきお方・・・・まさしく女王がいた。
三人は時代劇でよく見る跪き方を行った。
「楽にしてください。 イスを・・・・」
ゆるやかな声が響いた。
すぐさまイスが準備され、一行は安心した。

530 チーズ ◆D4a4oAS7qU sage 2007/02/26(月) 20:19:59 ID:???
長旅ご苦労様です。異世界の戦士さん。」
「女王陛下にあらせましてはご機嫌麗しゅう存じ上げ奉ります。」
辻は緊張のあまりこれまた時代劇でよく聞く挨拶をした。
「そうかしこまらなくても構いません。」
そうは言われても雰囲気に押しつぶされそうだ。
「貴殿の国にぜひとも助けていただきたいのです。
これを・・・・・貴殿の国の国王に・・・・

「畏れ多くも我が日本国の国王は天皇陛下であらせられます。
陛下の御称号は国王に非ず現人神で御座います。」
突然宮崎が叫んだ。
一瞬場の空気が凍りついた。
「貴様!無礼であるぞ!陛下の御前で・・・・・・・
「いいのです。確かに国王では失礼です。
では改めてこの親書を貴殿の国家元首へ。」
流石一国王だけある。あえて国家元首という言葉を使う。
「了解しました。命に代えてもこれを運びます。」


531 チーズ ◆D4a4oAS7qU sage 2007/02/26(月) 20:21:06 ID:???
翌朝

「でよ・・・・・うちの猫がな・・・・・・」
「ネコ・・・・・?なんですかそれは?」
「こら。ちょっとは手伝え。」
辻はラルフとともに魔方陣を書いていた。
「アイサー。」
しぶしぶ参加する二人。
「しかし複雑な陣だ。」
「そうですね。なんせ時空を超えるのですから。」
小一時間後
「完成だーよ」
「おら疲れただーよ」
「おらもだ」

馬鹿三人組は座り込んだ。
「では開きます。」
ラルフはそういうとおもむろに呪文を
唱え始めた。
みるみる明るく・・・・・

なるはずだった。

「あれ?おっかしいな・・・・・・。」
ラルフは何度も試すがだめだった。
三人に焦りが生まれる。
「まさかつながらないとか・・・・・・」
「みたいですね。」
三人は凍りついた。否。凍結した。
氷は炸裂し大音声が響く。
「「「な・・・・・なんだってー!!!!!!!!!!!!!!!」」」






574 名無し三等兵 sage 2007/03/07(水) 16:18:44 ID:???
あーあ、また「作品投下できないやつは黙ってろ」のパターンかよ。
じゃあアンチスイヒーの俺が変わりに作品を投下。


西暦200X年。日本はF世界に転移され自衛隊は領土拡張の尖兵として活躍していた。
陸では原子力戦車"01式戦車"1両で王都の住民を全員虐殺し、海では原潜"くじら"が
意に従わぬ商業都市を核ミサイルで壊滅させ、空では原子力爆撃機"F-3"が古代竜の巣を
核爆弾で薙ぎ払った。
そんな中、日本人 ○○(名前未定)は帝国主義に染まった日本国との決別を決意。
大陸に渡りレジスタンスとなりその空手を使って01式戦車部隊を壊滅させ、"くじら"を
撃沈し"F-3"を撃墜していた。

続く

575 円男 sage 2007/03/07(水) 16:35:31 ID:???
あー、一応コテつけるか、めんどいが。

続き
「丸 円男(マル マルオ)よ、卿は我々この世界の希望なのです」
「俺はそんな大それた人間じゃあない…祖国に絶望し、祖国に弓を引くただの国賊さ」

円男は日本の侵略を逃れた唯一の国家、そこの女王と面会していた。
面会に当たって彼は着替えていた。
一撃でセンシャを割り、クジラを沈め、エフサンを落とす伝説の武術、カラテの正式装備たる
ドウギである。

「卿が居なければ我々はニホンの軍門に降り、民族浄化の危機に直面していたでしょう。
卿はこの世界の人間、エルフ、ドワーフ、竜、その他全ての希望なのです」

女王は手放しで褒めちぎる。
実際円男が伝えたカラテがなければこの国も日本の軍門に降っていた。
全ては円男の組織したカラテ部隊の奮戦があってこそなのである。

「それより次の戦いに備えなくては…」
「次ですか?」
「日本、いや、ニホンはまた侵略して来よう。その前にこちらから打って出るのもひとつの手だ」
「おお、なんと心強い。支援は惜しみません、どうかその力でこの世界に安寧をもたらしてください…」

続く


594 円男 sage 2007/03/07(水) 22:54:58 ID:???
>>575の続き 1/2

「ニホンとは正面から戦わない。これは絶対条件です」

最後の王国。その大会議室にて対ニホン戦の戦略を話し始める円男。
メンバーは円男の反ニ(反ニホン)レジスタンスを始め、王国軍司令官・参謀長、
ニホンの民族浄化からエクソダスしてきた各種族グループの代表者である。

「カラテさえあればニホンなぞ鎧袖一触ではないのかね?」

最近空手を学び始めたドワーフ石斧族の族長が質問する。彼は鍛えるために空気椅子だ。

「自衛隊…いえ、ニホン帝国のジエイ軍にもカラテに勝るとも劣らない武道が伝承されています」
「なんと…」「ムゥ…」「そんな…」「俺、この戦争が終わったら結婚するんだ…」「カラテと同等…」

そこにいた円男以外の面々が唸る。
なにしろカラテですら1人で一国をも制圧できるほどの技なのだ。
それほどの武道が軍隊全員に施されているとは…

「ジュウケンドー、天空を飛翔する大型爆撃機を落とすため、タケヤリなる貫通弾を
精密誘導するために我等の祖父の代に開発された武道です」
「我々は…この世界は、勝てるのだろうか?」
「勝ちます。勝たせて見せます。そのためのカラテです」
「話しを元に戻しましょう。
円男殿は正面から戦わないと仰ったが、では輸送隊等後方部隊から狙うのですか?」
「いえ、我々が先ず狙うのはそれでもなくニホン帝国の侵略を根底から支える社会基盤、
それに打撃を与えるのです。具体的には―――

彼は会議後妖精ピクシー族と王宮で祈祷の儀を行った。
護摩壇の炎の前で円男はサンバを踊り、数百人のピクシーたちが羽根を己が羽ばたかせ
風を作り出したのである。

595 円男 sage 2007/03/07(水) 22:56:11 ID:???
2/2

一週間後、帝国政府はひとつの発表を行った。
帝国各地にある桶屋の株価の上昇と、帝国の快進撃を支える三本柱のひとつ、
F-3爆撃機の多数が損傷したと言うのだ。

「――新聞社です。総理、F-3の損傷についてコメントをお願いします」
「被害は軽微。基地での簡単な小修理で全機とも作戦に支障はありません」
「週間――です。損傷の原因は『空から桶が降ってきた』とありますが、
自衛隊は桶対策はしていなかったのでしょうか?」
「それはなにぶん想定外のことでしたので。
しかし来期には全機に桶対策を講じるための追加予算を検討中です」

カメラのフラッシュを受けながら記者の質問に答えていく総理。
彼こそ円男最大のライバルにして実の父、 の兄の甥のクラスメートである
内閣総理大臣大泉純一郎であった。



985 誤爆した馬鹿 sage 2006/12/24(日) 18:34:06 ID:???
諸君もご存知だろうか。サンタクロースと呼ばれる爺がこの世に存在することを。
一般には子供にお菓子を配って歩く変わり者の爺ということに成っている。
そこだけ聞けば、どこぞの気の良い金持ち爺の道楽にも思えるが、
奴の正体はそんなかわいい物ではない。

奴の正体は異世界からきた魔法使いなのだ
その技術を使い、ロシア軍やアメリカ軍の施設から盗み出した核や試験中の軍事兵器を盗み出しては
いかなる警備も警戒システムも奴の前には無力だった
瞬間移動や空中浮揚、壁面通過などの魔法を使い、あらゆる妨害を無力化させた
そして確保した物資を敵対国やテロリスト、最近では『北』などに売りさばいて暴利をむさぼる死の商人なのだ。
奴はその暴利の一部を使い玩具等のプレゼントを子供に配り歩いて民心を得ようとしている。

この世界の軍事情勢を混乱させ、
パワーバランスを崩す原因となっている『サンタクロース』に対し安全保障理事会は撃墜を決意
世界各国の空軍、海軍、そして陸軍の高射や防空部隊などが言語や民族、そして宗教の壁すら越えて
サンタの横暴を食い止めるべく立ち上がった。

『マスターウイザードよりナイツ1』

「ナイツ1」


986 誤爆した馬鹿 sage 2006/12/24(日) 18:35:17 ID:???

『ロシア防空軍より通達のあった目標をこちらでも確認した。
現在mig-31がこちらに向かって追い込んでくれている。
方位はこのままで高度20000まで上昇し、目標を撃墜せよ』

そして、航空自衛隊もその撃墜作戦に例外なく参加していた。
今年盗まれたのはイギリス軍の戦術核。奴は之をアジアの何所かに売りつけようとしているのだ。
当然そのような横暴を許すわけにはいかない。

「ナイツ1、エンゲージ」

白星を、太陽を、対極軌を付けた100を超えるイーグルの群れが、秩序の破壊者に照準を合わせ、
一斉にフォックス1を宣言した




676 竹 ◆IBtC.MRxYY sage 2007/04/21(土) 01:39:19 ID:???

一、不正規戦、拉致、卑劣な対外脅威に今こそ立ち向かうべきである
危急の一大事に備え無くとも裸でぶつかってゆく我が同胞を称えよ
このような心意気は皆で分かち合えるはずである
神国たるわが国ならば賞賛を得て当然である
隆々たる筋骨、流麗なる外観、流浪の国士
本日は晴天なり

二、外国兵器の購入は対外折衝を伴い手間もかかるものだ
予算が折り合わず困窮する国防を見過ごしていいものか
武器の国産化は国民誰もが望むことであろう
自治の要である警察に於いても異論は無いはずである
隆々たる筋骨、流麗なる外観、流浪の国士
本日も晴天なり

1945年、第二次世界大戦終結。

ポツダム宣言の受諾により敗戦国となった我が国は、民主化の大きなうねりの中に巻き込まれ、急激な変革の只中に立つこととなる。
その統治は戦勝国である米利圏の松笠指令に委ねられた。


677 竹 ◆IBtC.MRxYY sage 2007/04/21(土) 01:43:36 ID:???
天皇人間宣言・財閥解体・基本的人権の擁護…外的支配による何もない状態からの出発。
人々はその日を生き抜くのに必死であり、国土という自分を取り巻く「全体」を落ち着いて見守る余裕などなかった…。
…時は流れた。
焦土より立ち上がった人々はやがてそれぞれの道を見出しはじめる。

発足したのは1939年、社名を帝国芝浦電気と言う。敗戦を乗り越えて憂国の志となった。後のT芝である。

そのころの我が国は、物不足や飢えの苦しみと闘いながらもどさくさに紛れた自立と過保護な金融政策と輸出入に頼りきった産業活動で復興への道のりを歩み出していた。
お金で票を買った政治家達を見本に個人の幸せをそれぞれが勝手に追求し、ぶっちぎりのGNP上昇とエンゲル係数の低下。
誰もが豊かさを味わったが恵まれているとも思わなかった。
…中流思想の芽生えである。
そのような世相の中、家電メーカーとして有名なこのT芝は、恐るべきプロジェクトを進行させていた。
このプロジェクトを実行・維持することは困難を極めた。それが一企業の活動資金のみでまかなえる可能性など断じて、無い。
しかしながら国家予算をあてにすることはできなかった。この壮大なプロジェクトによって得られる成果を理解出来る人材が政治・行政の中にいなかったためである。

唯ひとつの望みは、やはり産業界であった。

財閥はGHQにより解体された。しかし、四大財閥のひとつM井は「M資金」とよばれる莫大な隠し財産を持っていたと噂される。
そしてそのカネの一部がT芝のプロジェクトのために、動いた。



678 竹 ◆IBtC.MRxYY sage 2007/04/21(土) 01:44:54 ID:???

T芝プロジェクト、3本の柱

国内標準化計画

人型機械開発計画

海底都市計画

1946年、Fukuwokaのウオーターフロントに研究所が建設され、極秘裏に開発がスタート。
1948年、中東戦争。
1949年、試作型完成。
1950年、朝鮮戦争。
1955年、海底都市建造。
1957年、改良型完成。
1962年、キューバ危機。
1960年、ベトナム戦争。
1968年、第三殺戮兵器完成。
1969年、FwjiTVにおいて『ザサエさん』地上波発信。
1974年、キプロス紛争。
1982年、フォークランド紛争。
1989年、六四、天安門事件。
1990年、イラクがクウェートへ侵攻。
2003年、イラク戦争。
2006年、王ジャパンが世界制覇し、携帯番号ポータビリティ制開始。

世界の動乱の影に暗躍する秘密兵器がある。いや、厳密には秘密ではない。国民はそれと意識せず教育させられていた、自発的に!


679 竹 ◆IBtC.MRxYY sage 2007/04/21(土) 01:46:23 ID:???
平和ボケとまで言われ、中流思想に冒された平均点ゲッターの無気力集団。
…それが最強の兵士たちであり、最強の軍隊の理想的な姿であったとは誰も予想し得なかった。
当時このプロジェクトメンバーの教育リーダーだったマチコ氏は生前このように語った…。
「最後のジャンケンポン。あれはですね、マス・メディアを利用して国民に暗号的メッセージを伝えて解読させる訓練なんですよ。
(中略)グーは突撃、パーは待て、チョキは勝利のVサインっていうふうに。(中略)たとえばある紛争に我が国の兵器ユニットが参加している、
その指揮は主権者たる国民が行うべきだと私たちは考えます。(中略)作戦行動の指揮権を国民に託しているわけです、今は試験的にスタッフが管理・決定やっていますけどね。
あと10年もすれば一般の国民が自分でそうだとは意識せず、それでいて自発的にやっていますよ」



680 竹 ◆IBtC.MRxYY sage 2007/04/21(土) 01:47:37 ID:???
開発ナンバーと名称
0. 初代試作型自律的海洋航行可能爆弾「海兵」

1. 改良型自律思考回路搭載歩行可能爆弾「波兵」

2. 自立歩行式倫理回路搭載型情報管理提供装置「船」

3. 第三殺戮兵器「The 3rd Genocide Agent(ザサエ)」

4. 移動型スーパーコンピューター「Math王」

5. カオス型思考回路搭載遊撃戦闘システム「貫通男」

6. 人工知能搭載自律情報収集システム「和亀」

7. 戦略的行動統括支援ツール「T.A.L.A」

8. ファミリー遠隔管理ユニット「玉」

これら各兵器の実験、演習風景を我々は毎週の定時刻にお茶の間で見ることが出来る。


681 竹 ◆IBtC.MRxYY sage 2007/04/21(土) 01:48:58 ID:???
先に述べた軍事教育・作戦命令伝達を我が国民のみに理解させる方策の一環として、映像はアニメーションという形式に変換される。
内容も多少の脚色が加えられた愉快なものになっている。しかしながらその光景は実に衝撃的で示唆に富む興味深い内容ばかりだ。
さあ、今週もまた楽しい戦争が始まる。
国土の各名所を紹介するオープニングによって我々は愛国心を刺激されるだろう。
エンディングでは機関銃バースト射撃とグレネードランチャー発砲音を組み合わせた軽快な音楽に触発され明日への戦闘意欲をも昂揚させられるに違いない。
現在も、撮影は海底都市で行われている。

作者暗殺のためこのコラムは打ち切りです(編)



373 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2007/07/11(水) 02:34:02 ID:???
「部下を呪い殺してもらえませんか?」

「殺すまでに至る呪はありませんね」

「じゃあなにか、苦しみそうなやつを」

「子孫を残せなく呪はいかがでしょう? 一つの民族を絶滅させることも可能です」

「それ、ください」

呪いの粉末を買って久間3曹は急ぎ駐屯地に戻った。糧食班勤務中の後輩と
入れ替わり、食堂にやって来た日出士長に、呪粉末をたっぷりとかけた味噌汁を
よそいでやるために。。

ほぼスキンヘッドに細く薄い頭髪が寂しく茂らせる、筋骨隆々とした醜男の
日出士長は性転換願望を持っている。何度も女性自衛官の隊舎に侵入し、化粧と
女装をして留守の居室にあがりこみ、女性自衛官のように振舞うことを幸福と
していた。去らねばならない時間になると、ベッドの上で女性になりきりオナニー
をしてから立ち去るのが習慣である。何度も発覚しては女性自衛官らに取り囲まれ、
目付役の久間3曹と共に土下座をして「二度と致しません」と謝罪するのが常だった。

思い出すだけでも、久間3曹は胃の底がキリキリと痛む。
中国との戦争さえなければ、とうの昔に懲戒免職されているはずの日出士長は
紆余曲折を経て小官殿の大隊に配属された。小官殿に仕える時は一気に寿命が
縮む思いをよくするが、胸の空く爽快な気分をもたらしてくれる上司なので
気に入っていた。理不尽な暴力や命令も、今では苦にならない。しかし、日出士長
だけはどうにも我慢できなくなった。彼(彼女)の顔、声、態度、言動、行状、
思想、性癖、匂い、性格、存在そのものが久間の胃壁をじわじわと蝕むのだ。

(奴がインポになれば、少しは周囲への被害も軽減するだろうな)

374 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2007/07/11(水) 02:49:02 ID:???
 呪粉末を混ぜた味噌汁の椀を一口、久間3曹は味見してみた。自身は生まれつきの
不能者なので、インポ化の効能など恐くは無いという思いがあった。呪粉末を
溶かした味噌汁は色も変わらず、味も大して変わらない。ただ、香りだけが
随分と上品な風味に変わっていた。好みの香りなので、久間3曹は少し考えて
から味噌汁の椀を飲み干す。爽やかでいて舌に優しく旨みを残すような風味が
鼻腔をくすぐった。

 久間3曹は思案する。呪粉末は椀1杯分の水に、大さじ一杯分も溶かせば
大の男一人を不能にする効能が出ると呪師は説明した。購入した一ビン全てを、
あの日出士長に食らわせてやるのはいかがなものだろうか?

「あっ、クマランじゃねえの」
厨房から、白飯を入れた水色の箱を持って配膳場に入ってきたのはエルフ3姉妹の
末妹だった。久間3曹が手に持っていた、透明な粉末の入った瓶にすぐ目を付けた。
「ハハーン? 惚れ薬かなんかだって、買わされたんだろ?」
 末妹は頭が悪いので、見当違いのことを言ってはニヤニヤと笑っている。
久間3曹は前置き動作無しでエルフの少女と間合いを詰めた。1秒以下の時間で
末妹の首根っこに手を当て、太い血管に強く圧迫を加えた。エルフの長い耳に
唇を寄せて囁く。
「後でタバコ1カートンやるから、誰にも黙ってな」

 末妹が小刻みに、何度も何度も頭を縦に振って了承を示すと久間3曹は手を
放してやった。昼食の時間になり、食道に何百人という数の自衛官が列を連ねて
やって来る。エルフの末妹は沈黙を守り、粛々とご飯をお椀に盛り続けた。
そして日出士長がついにやって来た。味噌汁を配っているのが久間だと知ると、
作業服のジッパをみぞおちにまで下げた。日出士長は女性用のブラジャーを身に
付けていた。ブラジャーに気づいた久間にウィンクを飛ばして、呪粉末入りの
味噌汁を取って行った。心の中でだけ、久間3曹は呟く。
(Hellow インポ Woled!)