617  名前:  てさりすと(間抜けやろう  02/12/18  22:59  ID:???  

>>594のつづきいきます  

彼らが城内に入ると一人の騎士が寄ってきた  振り向くとカイルだった  
「外国の使者様。これからは私が案内します。・・・ご苦労だった君はここまでいい」  
それを聞いた指揮官は「判りました。それでは失礼します。」そう言って一礼するとゆっくりとさがっていった。  
「どうぞこちらへ  王がお待ちになっています」カイルが案内しだす。  
それに着いて行きながら班長の織田二尉に羽柴三曹が語りかける。  
「班長  すれ違う人からの視線が痛いです。・・・」  
実際すれ違う兵士や騎士に奇異の目で見られ  
通りかかったメイド達は興味深そうにこちらを眺めているが目があった瞬間に別の方向を向いてしまう。  
「気にするな。三曹  誰だって始めて見るものには警戒するさ」少し達観したように織田が答えた。  
「そうだぞ。羽柴三曹いちいち気にしていたら身が持たんぞ。  
国内でもサービスエリアとかで止まったら  大体の奴が似たような目で見てたじゃないか。」と柴田一曹が答える  
「そうなんですけどね・・なんか気になりますよ」羽柴三曹がきょろきょろしながら答えた。  
そうこうするうちに謁見の間の前に辿り着いていた。  
カイルは立ち止まり「どうぞこちらへ  王がお待ちになっています。」    
「そうか  ありがとう。」そう言ってから秋山はスーツケースを持ち直し  
ボブ船長と一緒に謁見の間に入っていく。  
それについて行こうとした織田たちに  
「私と君たちはここまでだ。その部屋かここで待っていたまえ」  
そう言って謁見の間の横にある控え室を指差す。  
「いえ  私たちはここで待機させてもらいます」そう織田が答える。  
「そうか  ところで君たちが持っているその長い鉄の塊は何かね?」  
織田が持っていた64小銃を指差し尋ねてくる。それに対し織田が説明する。  
「これは  私たちの主要装備で64小銃と言います。有効射程は大体100〜300ぐらいですね。もっとも弾はもっと飛びますが・・」  
その後もカイルが聞き  それに織田が答える。そんなやり取りが十数回続けられたあと  
一人の伝令が走ってくる。  



619  名前:  てさりすと(間抜けやろう  02/12/18  23:00  ID:???  

「カイル様  南東の街道にモンスターの出現を確認しました。」そうカイルに伝える。  
「そうか  解ったこれからそちらに向かう。魔物の数はどれぐらいだ?」  
「サーベルタイガーが8匹確認されました。」  
「わかった。私の兵を集めておいてくれ。これからそちらに向かう」  
「解りました。お待ちしております。」そう言って伝令は走り出す。  
伝令を見送った後  彼は織田に向かって言った。  
「まだまだ聞きたい事もあったのだが仕事が入ったみたいだ。これで失礼する。」  
「はっ!御武運を」そう言って一斉に敬礼する。  
カイルは彼らに軽く手をあげて答えると部下の待つ場所に向かって行った。  


「将軍  陽動作戦成功しました。200〜300人の兵士が出撃した模様です。」  
チェがカストロ将軍に報告する。  
「よくやった。で  カダフィ殿の進軍の具合はどうだ?」  
自らもグリフォンにまたがりながら尋ねてくる。  
「町から2キロぐらいの所まで到達しました。将軍の攻撃にあわせ攻撃を開始するらしいです。」  
「では、市街地の方はどうだ?」  
「キャラバンの振りをさせて部隊を入り込ませています。彼らは  兵士が少ない為大規模な衝突は避け  
本体の動きにあわせ付近の建物に対する破壊工作をおこなうように命令してあります」  
「しかも  おまけに大臣も反乱を起こす手筈だ。もはやエルフィードは落ちたも同然だな」  
全部隊が準備を終え  エルフの士官が報告をしにやってくる。  
「よし。    グリフォン騎士団出撃せよ!!」  
部隊が時の声を上げ  移動を開始した。  


620  名前:  てさりすと(間抜けやろう  02/12/18  23:00  ID:???  

「将軍  陽動作戦成功しました。200〜300人の兵士が出撃した模様です。」  
チェがカストロ将軍に報告する。  
「よくやった。で  カダフィ殿の進軍の具合はどうだ?」  
自らもグリフォンにまたがりながら尋ねてくる。  
「町から2キロぐらいの所まで到達しました。将軍の攻撃にあわせ攻撃を開始するらしいです。」  
「では、市街地の方はどうだ?」  
「キャラバンの振りをさせて部隊を入り込ませています。彼らは  兵士が少ない為大規模な衝突は避け  
本体の動きにあわせ付近の建物に対する破壊工作をおこなうように命令してあります」  
「しかも  おまけに大臣も反乱を起こす手筈だ。もはやエルフィードは落ちたも同然だな」  
全部隊が準備を終え  エルフの士官が報告をしにやってくる。  
「よし。    グリフォン騎士団出撃せよ!!」  
部隊が時の声を上げ  移動を開始した。  

エンフィール軍の最前線の砦  

「オーラン軍がきたぞ〜」見張り台に立っていた兵士が声をあげる。  
それを聞いた兵士達が慌てて弓を取り剣を取り配置についていく。  
だが  オーラン軍は陣地の上を素通りしていってしまった。  
魔術師が空に向かって  爆発魔法を使うが  1匹しか叩き落とせず全く無傷に等しい状態で通過していく。  
「奴等  直接城を狙うつもりだぞ  こちらのペガサス騎士団はどうした?」  
指揮官が叫ぶ。それに近くにいた士官が答える。  
「ペガサス騎士団は南方から飛んで来るドラゴンを食い止める為城を出ております」  
彼らが慌てて城に戻ろうとするのを一人の男が止めた。  
「今から戻ったところで徒歩の者が大半を占める我々が間に合う訳はございません。それよりも・・・・」  
それを聞いた指揮官はしぶしぶ頷く。「一矢報いるにはそれしかあるまい」  
「では  兵をお借りします」そう言って彼は兵を集め出撃した。  



643  名前:  てさりすと(間抜けやろう  02/12/19  01:58  ID:???  

>>620つづき・・  

エルフィード城  

謁見の間に一人の騎士が駆け込んできた。場がざわめく  
「謁見中  失礼します!東よりオーラン軍のグリフォン騎士団が接近中!  
さらに  北と北東の海沿いからもオーラン軍が接近  
さらに市街地において暴徒が出現  付近を荒らしまわっております」  
「なんだと・・・」大臣達がざわめきだす。  
「現在近衛兵団が反撃体制に入りましたが兵力が足りません  いかがいたしましょう?」  
そこに新たに血まみれの騎士が飛び込んでくる。  
「ギア大臣が謀反を起こしました!現在  4階と三階の半分を占拠しております」  
「何だと・・?ギアが?」さらに混乱する大臣達。  
「みなの者  しずまれい。・・・でどうなっておる」王が騎士に尋ねる  
大臣達も騎士の言葉に耳を傾ける。  
「はっ!  幸いながら  現在3階と2階階段付近において親衛隊が反撃に出ており  
ギア大臣の部隊を押しとどめております。しかしながらこのままでは  
そのうちグリフォン騎士団と挟み撃ちにされてしまいます。我々も全力を尽くして戦っておりますが時間の問題です。」  
騎士がそう言ってから再び戦闘地点に向かっていく。  

オ―ラン軍の指揮官カストロ将軍は勝利を確信していた。  
城内から煙が上がり  激しく戦闘がおこなわれているのが確認できたからだ。  
「よし  輸送隊は城近辺に強行着陸  近衛師団を城に近寄せるな。さらに余力があれば城内部に進行せよ。」  
それを聞いた輸送部隊がグリフォンの首に吊っていた兵士を乗せたかごを降ろしに地上に向かう。  
「攻撃隊のうち半分は計画どうり市街地に持ってきた油を落とせ。残りの半分は待機だ。」  
攻撃隊のグリフォンが市街地に火のついたタルやつぼを落としていく  
地上に当たると同時に付近に火災が発生し瞬く間に火の海になる。  
慌てて出てきた人たちが逃げようとするがすぐに火にまかれ倒れていった。  
「隊長、沖の方に鉄の船が浮かんでいます。いかがいたしましょう?」  
「なんだと?」カストロ将軍は沖のほうを見る。確かに大量に鉄の船が浮かんでいた。  
「どうせこけおどしだ。どうやって浮かしているのかは知らんがあとまわしだ」  
そう言って  上空からエルフィードを見下ろし  次の攻撃地点を探していた。  


644  名前:  てさりすと(間抜けやろう  02/12/19  02:00  ID:???  

ボブ船長の館からも城から上がる煙は確認できた。  
「城1よりナラ1  応答せよ。何が起きているのか報告せよ。」  
数秒間返答が無い。小林がもう一度呼びかける。  
しばらくして返答がある。  
「こちらナラ1!  現在上空を飛ぶ化け物から攻撃を受けている!  
護衛部隊はエルフィード軍とともに城内に退却」  
「現在シシャ浮上中  これより後退する。  乗員の収容は不可能です!」  
CH-47のパイロットが叫ぶように返答してくる。  
「城1  了解  これより増援を要請する。シシャは城1まで後退されたし  
ナラ一は出来る限り護衛部隊を援護せよ」  
小林はヘリとの交信を終えると81式短SAMに指示を出す。  
「ヘリに近寄る者すべて叩き落せ。遠慮は要らん。これは正当防衛だ!」  
地上部隊から発砲許可を求める無線が入る。  
「小林一佐!  北から敵地上部隊と思われるやつらが南下して来ます。」双眼鏡を覗いていた通信班の隊員が報告する。」  
カダフィ軍が4、500m前後の距離から城に向かって突撃を開始する。後方で大型投石器を組み立て始める。  
「沖の部隊と連絡が取れました。」一人の通信班の隊員が叫んでくる。  
「これより増援を上陸させる。それまで耐えてくれとのことです。」  
地上部隊から発砲許可の催促が来る。もはや猶予は無い。  
小林は決断した。  
「全部隊に連絡!責任は私が取る。発砲を許可せよ。」  
通信班の動きが一瞬止まる。  
「なにをしている。さっさと伝えんか!!」小林が怒鳴る。  
「本部より各部隊  発砲を許可する。」通信部隊がいっせいに各部隊に命令を出した。  



683  名前:  てさりすと  02/12/20  23:36  ID:???  

>>644の続き    

偵察中に敵と遭遇し全速後退中の水島小隊にオーラン軍が突撃してきていた  
「射撃許可はまだ出んのかい!!」  
屋上からこちらを見下ろしている班をにらみつけ  通信機を背負って隣を走っている三曹に叫ぶ。  
「まだ返答なし・・今出ました!発砲許可されました!」  
「許可が出たぞ!撃て!撃ちまくれぃ!」  
89小銃を構えながら水島3尉が命じる。  
背後からはオークやわけの分からない生き物が突撃を開始していた。  
彼らが振り返って  敵に照準をあわせ構えた。    
1番最初に発砲したのはボブ城の屋上にいたMINIMIを持った陸士長だった。  
一番前を走ってきていたオーク数匹が頭や胸に命中して倒れた。  
城の窓という窓から射撃が加えはじめる。  
水島小隊も一番手前のモンスターに照準を合わせ次第  発砲しだした。  
タタタッ  タタタッ  とリズム良く隊員が射撃していく。  
そのたびに一匹つつ打ち倒されてたちまち数十匹の屍を築いたがそれでも突撃してくる。  
水島3尉の弾が一番最初に切れた。他の隊員もマガジンが空になる  
ほとんど同時に発砲を開始した為  全員がほぼ同時に弾切れを起こしたのだった。  
「はっ  走れーーーーー」  
傍にいた隊員がマガジンを変えながら後退して行く。  


684  名前:  てさりすと  02/12/20  23:37  ID:???  

「はっ  走れーーーーー」  
傍にいた隊員がマガジンを変えながら後退して行く。  
水島は手榴弾を取り出すとピンを抜いて  
「いんだらんかい!」と叫び  もう4,50Mまで近づいていたオークめがけて投げつけた。  
一番前にいたオークは回避したが後ろを走っていたオークの顔面に当たりそのままひざをつき倒れこむ  
2秒後  オークの群れのほぼ真ん中で爆発が起きた。土と炎が巻き上がり円状にオークがなぎ倒される。  
それを見たオークは立ち止まったが後方にいたサイのような物はかまわず突っ込んできた。  
「ハチヨン!あいつを狙え!」  
返事もせずに84mm無反動砲を抱えた隊員が振り返えると後方も確認せずに発射した。  
弾頭がサイもどきに命中し隣にいたサイもどきを巻き込み吹き飛ぶ。  
幸い後方には誰もいなかったが弾薬手が無反動砲手に怒鳴りながらも一緒に走っていく。  
一瞬にして部隊が壊滅に等しい損害を出したサイもどきとオークが後方に引き上げてだした  
距離が離れた事を屋上から確認した観測手から中庭に展開した小隊に砲撃指示が出る  
隊員が81mm迫撃砲に砲弾を滑り込ませる  1秒後爆音を発しながら追撃砲弾が飛び出し  逃げ出したオークの中に着弾しだした。  

「1分で全滅だと・・?」投石器部隊を指揮していたゲイルは目の前で起きたことが信じられなかった。  
幾らオークとはいえ2百匹はいた部隊が一分で壊滅するとは思っていなかった。  
「おそらく優秀な魔道兵団でしょう。  あんなに連続して炸裂魔法を使えるほどの・・・」副官が自分のかんがえを示す  
ゲイルの手元にはまだ2部隊残っていたがそれを投入する気にはなれなかった。    
「やむをえん  ここは撤退する。早く投石器をかたずけろ!」  
「了解!」人間の兵士達が組み立てかけていた大型投石器をかたずけだした。  
「よもやここまで  届くまい・・」そう呟きながら望遠鏡で城をのぞきこんでいた。  
一時砲声がやむ。これをゲイルは届かなくなった為と勘違いした。  


685  名前:  てさりすと  02/12/20  23:38  ID:???  


「距離修正  目標  敵投石器  方向現在のまま  距離600m」屋上にいる観測班が距離を修正する  
追撃砲は中庭にいるため  直接的の姿が見えず絶えず屋上にいる観測班から指示を受けていた。    
「準備完了  いつでも撃てます。」そう中庭から返答があった。  
「よし      テェェーーー!!」小林が叫ぶ。隊員がいっせいに筒に砲弾を滑り込ませた。  

そのころ  89式FVは射線を確保する為に前進していた。  
正面に小さな丘があるため直接狙えず前進するしかなかったからである  
再度前進しだした水島小隊を追い抜き  丘の手前に到着する  
ヒュルルルルル  
砲弾の風きり音が響き着弾し始める。段々と目標が見えてきた。  
「1号車より2号車  射撃を開始せよ」一号車車長の杉村一尉が命令する。  
射線を確保した2機の35ミリ機関砲が火を吹いた。  


686  名前:  てさりすと  02/12/20  23:38  ID:???  


地響きのような怪しい音が丘の向こうから聞こえてくるのを訝しく思っていると  
空から風きり音とともに追撃砲弾が落下し爆発する。  
投石器の近くでゲイルが叫ぶ「投石器は放棄しろ!何とか逃げ出すんだ!」  
そう叫ぶが砲撃音で誰も聞こえていない。再び叫ぼうとしたとき至近に着弾した砲弾の爆発に巻き込まれ  
ゲイルは上半身を吹き飛ばされ  倒れこんだ。  
砲弾は整列していたオークの中にも着弾しオーク達が波打って倒ていく。  
ついに耐え切れなくなったオークたちは桟を乱し慌ててにげだした。  
そこに鉄の車が突入してきた。車の上に乗っている筒の先から火がふきだし  
いまだに作業を続けていた兵士をなぎ払い  続けてオークをばらばらにしていく。  
無我夢中でそれに向かって魔術師が魔法の矢を放つ。手前にいた鉄の車に見事に直撃し魔法の矢が爆発した。  

「うわっ!!」何かが飛んでくるのを見た操縦手の杉小路3尉が悲鳴をあげる。  
飛んできた魔法の矢が砲塔に直撃し  車体をゆさぶった。だが表面装甲に焦げ目をつけただけに終わった  
「損傷軽微!戦闘に支障は無い。引き続き攻撃せよ」  
「11時の方向にいる黒い服を着た奴が犯人だ!  打ち返せ!!」  
砲塔が旋回し魔術師にむかって集中的に射撃が加えられた。  
一瞬のうちにそこにいたはずの人間が姿を消した。  

すでに動くものが無くなったのを確認した小林がが射撃停止を命じる。  
すでにチヌークも着陸態勢に入っていた。  



709  名前:  てさりすと(間抜けやろう  02/12/22  17:16  ID:???  

すでに占拠した劇場の屋上に立ってカストロたちは街のなかで反撃をしてくる兵団を殲滅する為に作戦会議をしていた。  
戦闘開始から30分前後・・ほとんどの町と海岸線を確保したが  
いまだ近衛兵団は頑強に戦い続け、一部では攻勢を突破し逆に反撃に出てくる部隊もあり  
貴族の屋敷や教会から空に向かって放たれた魔法で弾幕がはられ近寄れずにいた。  
「なかなかやるな・・・」  
将軍は城を眺めながら呟いていた。先ほどから城から大小の爆発音が轟き付近で戦闘がはじまったことが解る。  
「カストロ将軍!!  敵が城から打って出てきました!!」  
急加速しながら一人の兵士が飛んできて  報告に来る。  
「それがどうした?  出てきたのなら叩きのめせばいいではないか?」  
カストロは怪訝な顔をして答えた。先ほど二機の鉄の箱が浮き上がって彼等を脅かしたが  
何もせずそのまま片方は逃げ  もう片方は城の上空を飛んでいるが何もせずこちらを見ているだけだったため  
ただのこけおどしだと放置していた。  
「はっ!もちろん反撃に出ております。ただ城の中から出てきた妙な服装の連中は  
 鉄で出来た連射式のボウガンのようなものを持っており、目に見えない魔法の矢を放ってきており  
 近寄れません。  
 ボウガンのようなものの先でちいさな爆発が起きたと思うと味方がばたばたと倒れていきました。」  
彼はそこで一度  深呼吸してから続けた  
「さらに先ほどから飛んでいた鉄の箱からも連射式のボウガンの強力な物が放たれています。  
 一定の間隔で赤い矢が飛び  直接それに当たらなかった兵士も見えない何かが命中しています。  
 こちらの当たったと思われる部分が消し飛ぶほど強力で鎧など何の役にも立たず、  
 さらに弓が当たらない距離から撃ちまくってきます。」  
将軍は改めて城のほうを見る。先ほどまで城の影になって見えなかったが  
確かに鉄の箱から地面にむかって赤い矢が飛んでいくのが見える。  
「よし、ならば援軍を出してやる。第1槍中隊を突入させろ。」  
「解りました。敵を蹴散らしてきます。」  
そういって指揮官が地上に降りていく。しばらくすると地上に待機していた槍歩兵達が隊列を改め城に向かって行った。  
それを見つめながらカストロ将軍は続けた。  


710  名前:  てさりすと(間抜けやろう  02/12/22  17:17  ID:???  

それを見つめながらカストロ将軍は続けた。  
「ランサー!  お前達はあの小ざかしい鉄の箱を叩き落して来い!」  
「了解。あの鉄の箱にグリフォン騎士団の戦い方を教えてやります。」  
精悍な顔をした兵士達が次々とグリフォンに乗り飛び立っていく。  
そこへ別の伝令が飛び込んできた。  
「カダフィ軍より伝令に参りました。我々は敵港の占領に成功し止まっていたリーフデ号の奪取に成功しました。  
 しかしながら貴族の城を攻撃した部隊が全滅し、さらに彼等を全滅させた部隊の一部が海岸にむかって進攻中です。  
 何とか食いとどめようとしていますが、突破されるのは時間の問題です。  
 沖にいる船からも恐ろしくスピードの速い小型艇が次々と出撃して来ております。  
 騎士団の攻撃隊をどうかお貸しください。」  
「ふむ  よかろう・・いまどれぐらい攻撃隊は残っている?」  
カストロは振り返りチェに尋ねる  
「70騎ですな。のこりはすでに油を使い切って歩兵とともに地上でたたかっております。」  
そう返答がある。  
「そうか  ならば全騎援軍に送ろう。カダフィ殿には  早く来てくれ  と伝えておいてくれ。」    
「はっ!了解しました。」  
伝令が飛び立った。色んな所から攻撃隊が飛び立ち  空中で一度  まとまってから  伝令の後を追った。  
「将軍  ランサーが突撃に入りました!!」  
近くにいた兵士が叫ぶ。  
ランサーたちは最初町の中をゆっくりと飛び300Mぐらいで突撃しだした。  
すでにUH-1はそれに気づいており容赦なくM2重機関銃を撃ちまくっていた  
数騎のグリフォンが打ち落とされ近くの民家に突っ込んでいき  
数件の家を貫通して止まった。  
だが  それでも彼らは突き進んでいく。鉄の箱が後退はし始めた。  


711  名前:  てさりすと(間抜けやろう  02/12/22  17:17  ID:???  

(殺った)だれもがそう思った。  
つぎの瞬間  6騎いたランサーが爆発し消し飛んだ。いや消し飛ばされたのだった。  
薄く白い雲の線がはるか彼方の貴族の城から騎士のいた付近まで続いていた。  
「なに・・?」誰もが目を疑った。  
この世界に一度に6騎ものグリフォンを消し飛ばす魔法はなかった。  
いやあることはあるが  馬鹿でかい魔方陣や儀式が必要で実戦で唱えられるようなものではなかった。  
「飛行中の部隊に伝えろ!!  高度を下げ街中に身を隠せと!!」  
だが  すでに攻撃部隊ははるか彼方を飛んでいた。  
伝令が慌てて低空飛行で追いかけていくが間に会わないだろう  
「将軍。一度引いて作戦を組みなおしたほうがよろしいのでは・・・」  
士官が青ざめながら提案してくる。  
「・・・そうだな。後退準備を進めておけ。敵に気づかれんようにな」  
「了解しました。  カダフィ軍にも伝えておきましょう。」  
そう言って士官が伝令を飛ばせた。  
「将軍・・やつらはもしや異世界から来た国の軍隊では?」  
チェが自分の考えを示す。  
「解らん。が  もしそうなら我々に勝利はない・・」  
そう呟いて  将軍は自分の席に座り込んでしまった  



733  名前:  てさりすと  02/12/23  17:37  ID:???  

>>511の続き行きます。  

イージス艦「むさし」艦内  

「CICよりブリッジ!敵航空隊接近中!」  
CICでレーダーを観測していた毛利三佐がブリッジに伝える。  
「方位3-4-3距離12.5キロ  高度600  相対速度200キロで本館に接近中!機影約70を確認!」    
ブリッジにいた足利一佐がスピーカーを見上げる。  
「大編隊です艦長!見方地上部隊の無線傍受によりではナパームを搭載しているのが確認されています。」  
「進路から見て本艦に向かっていることは間違いありません。」  
航海長の北条二佐が望遠鏡で確認しながら喋ってくる。  
「すでに陸上自衛隊が攻撃され戦闘状態に入っています。いまなら何とでも言い逃れが出来ます。司令」  
足利は軽く頷き決断した。  
「全艦に伝えろ!すでにサイは投げられた!全力を持って迎撃しろと!」  
「了解」艦内に向かって毛利三佐が続ける。  
「対空戦闘用意!  方位3-4-3に備え!  127mm速射砲及び後部VLS射撃用意!!」  
CICに緊張が走る。  
「敵航空隊が三手にわかれました。目標群a  20機  方位0-8-3仰角6°  距離6.5キロに接近!」  
「目標群b  40機  方位2-7-1仰角50°」  
「目標群c10機は地上にむかう味方部隊を狙っています」  
「全目標攻撃緒元入力完了!」  


734  名前:  てさりすと  02/12/23  17:37  ID:???  

「目標群c10機は地上にむかう味方部隊を狙っています」  
「全目標攻撃緒元入力完了!」  
それを聞いた砲雷長が下を向きやや震えながらしかしはっきりとした声で命じる  
「目標群bは他の艦に任せろ!!」  
「目標群aに127mm砲を照準!」  
ゆっくりと視線をレーダーにもどしつつ  続ける。  
「目標群cに対しESSM10基照準!  発射管制は主導でおこなう!」  
しばらくキーボードをたたく音が響く。  
「後部VLS開放。攻撃!」  
白煙を上げながらミサイルが次々に垂直に上昇していく  
しばらく上昇し  続けて目標に向かって向きを変えた。  
「次は目標群a!  片っ端から叩き落せ!!」  
砲塔が回転し射撃を開始する。ほぼそれと同時に周りの艦から高度を上げた目標群bにむかってミサイルが放たれていく。  
一番最初に発射した短SAM達が騎士達が油を投下しようとしたところの側面にむかって突っ込んでいく。  
地上にいた89FVに集中しすぎていたため底面からの攻撃に気がつかず次々と撃墜されていった。  
すでに攻撃態勢に入っていたグリフォンが持っていた火のついた油がその破片とともに付近に撒き散らされた  
89FVの手前に命中して、少しの間だけ射撃を止める事に成功した。  



820  名前:  てさりすと  02/12/28  16:24  ID:???  

次々と上空を飛ぶグリフォンが撃墜されていくのを見ながらホバーに乗っている上陸部隊は着実に海岸に近づいて行く。  
海岸から魔法による砲撃や不思議な形の物体から石などがばら撒かれ海岸の少し奥のほうに急に地面からレンガを積み上げたようなトーチカが次々と出現していった。  
「艦隊に連絡。現在砲撃を受けている。支援砲撃を求む」  
近藤二佐が眼鏡を直しながら淡々と通信員に告げる。  
「艦隊より通信!!了解。上陸5分前まで海岸線を掃射する。貴官の無事を祈る。以上です。」  
「わかった。  支援に感謝すると伝えてくれ」「了解」  
通信が終了するとすぐに海岸線に出現してきていたトーチカや投石器が砲撃で破壊され陸上からの反撃が次々と減っていく。  
土煙が上がり一時的に敵の部隊すら見えなくなるがそれでも着弾の炎だけは確認できた。  
砲撃がやむと同時に強襲揚陸艦やおおすみの甲板から次々とヘリが飛び立ち三機ずつ編隊を組むと即座に海岸線に向かっていく。  
しばらくすると再び陸から砲撃がおこなわれるが先ほどの4分の1ぐらいしか反撃がなくなっていた。  
後ろにいたホバーのうえで上陸する自衛官たちにむかい誰かが無線に怒鳴っている。  
「いいか!味方が敵の後方で孤立している。俺達はそれを助けに行く騎兵隊だ!!遅れるわけにはいかん!!」  
その言葉を聞いた《むさし》に乗っている司令の武田海将補が勝手に続ける。  


821  名前:  てさりすと  02/12/28  16:25  ID:???  

「そうだ。遅れるわけにはいかん。  
この海岸線を突破して水島小隊と合流。そのあと城付近にいる味方28名を救出しなくちゃならない。特に城付近の部隊は弾薬が限界に近づいているはずだ。」  
魔法が近くで爆発して水柱を上げる。  
「もし上陸作戦に失敗してみろ。すでに上陸している部隊は全滅。おまけにこの国がやられれば資源を手に入れる方法も無くなる  
国内のマスコミも馬鹿みたいに騒ぎ立てるだろう  そうなれば我々(自衛隊)は国内の笑いものだ!!」  
再び魔法が近くに着弾する。今度は数メートルの地点で爆発した  
「今一度諸君の双肩にかかる物を考えて欲しい。」  
おおすみに乗っていた最上陸将補が冷汗をながしながら呟く。  
「まさかこのノリは・・・」  
そう最上陸将補の感は当たっていた。  
現在無線にむかって演説かましている武田海将補は有名な旧軍マニアだった。その彼が続ける事など予想するにたやすい。  
「皇国の興廃はこの一戦にこそある事を!各員の奮励努力を望んでいる!!」  
すべての部隊から歓声があがる。だがその言葉を知っていた隊員は凍り付いていた  
「あ・・危ねー!連合艦隊の復活だ・・」  
最上陸将補もこめかみをゆびで押さえながら「やっぱり・・・」とつぶやいた  



822  名前:  てさりすと  02/12/28  16:26  ID:???  

ホバーが海岸まで百メートルぐらいに近づく  いっせいに長弓から矢が放たれホバーのスカート部分に突き刺さる  
だがそのまま砂浜に突っ込んでいき次々と74戦車や歩兵が上陸し攻撃を開始する。  
コブラの編隊が70mmロケット弾をばら撒きながら通り過ぎていった。数個のトーチカが消し飛び付近にいた長弓部隊を消し飛ばす  
生き残っていたトーチカの上に数センチの光の弾が大量に出現し海岸にマシンガンのように降り注いだ  
「ふせろーーー!!」誰かが叫ぶ  
土煙を上げながら光の弾の弾着が移動し74式戦車の上についていた12.7mm重機関銃を吹き飛ばし  
さらに近くにいた隊員を貫いていく。  
74式戦車がそのトーチカにむかって一斉射撃する。すぐに光の弾が消えていく。  
衛生科の隊員が負傷した隊員を後送し治療しだした  
「安心しろ!!傷は浅い助かるぞ!!」  
傷口を防ぎながら衛生科の隊員が話しかける  
「痛い!!」  
肩に光の弾が命中して裂傷をうけた隊員が悲鳴で答えた  
その横を部隊は進撃していった  



823  名前:  てさりすと  02/12/28  16:27  ID:???  

すでに部隊は砂浜に出現した壁まで進撃していた。  
施設科の隊員が壁に爆薬を取り付け再び離れる。  
「ふせろーーー!!!」  
数十M後ろまで退避して叫び  スイッチを捻る。  
壁が地面とともに吹き飛ばされあたりに散乱する。土煙が晴れない間に小隊長が叫ぶ  
「さあどうした!!前進だ!!」その言葉を合図に部隊が突き進む。  
そのとき壊れかけたトーチカもどきの中から剣を振りかざし人間の兵士が突入してくる  
隊員達が叫びながら無差別に撃ちまくり兵士は脳や内臓を撒き散らして前のめりに倒れた。  
それを見たオーク兵たちが剣をすてて降服しようとするが  
すでに恐慌状態に陥っている隊員達はみたことも無い人型の化け物の降服を許すほどの余裕は無くなっていたため  
銃剣で突き殴りつけあっという間に全員殺してしまった。  
その点では人間の兵士は幸運だった。  
武器をすて手を上げて降服すれば一箇所に集められるが殺されはしなかったからである。  
すでに海岸線からは敵の姿が見えなくなり普通化の隊員が付近を掃討していく。  
逃げ出したオークたちは森に逃げ込む前にコブラの機銃掃射によって次々と倒されていった。  




848  名前:  てさりすと(間抜けやろう  02/12/31  01:36  ID:???  

続きです  
「カストロ将軍  退却の準備が整いました」チェが将軍に対して告げる  
すでに勝敗は見えていた。  
伝令が間に合わずまともに謎の軍隊と戦闘をしたカダフィ軍の半分が壊滅  
何とかカダフィ将軍達は脱出に成功したが指揮をする人間がいなくなったため  
もって逃げれる訳でもないのに一部ではすでに略奪をする部隊もあった。  
ちょうど鉄の箱は城付近にいない。  
「そうか・・・」そう呟きながら席を立ち指揮官達に話しかけた  
「全軍に次ぐ  現在おこなわれている戦闘を放棄し速やかに駐屯地まで退却せよ」  
「了解です」指揮官達が無念そうに答える  
「・・・将軍  私に殿を務めさせて下さい」  
一人の年老いた指揮官が将軍に申し出る。  
老指揮官はカストロが将軍になった頃からの部下でともに幾つもの戦場で死線を潜った友人でもあった  
「判った。だが死ぬ事は許さん。なんとしても生還しろ・・・・武運を祈る」  
「はっ!将軍もお元気で」  
老指揮官が笑顔で返答する。それが合図だったかのように部隊が退却しだした。  
将軍はしばらく老指揮官と見詰め合っていたが身を翻しグリフォンに乗り込むと飛び立っていった  
「隊長  第一防衛線を破り敵近衛兵団が突入してきました。」  
「我々に残されたグリフォンはどれだけある?」「13頭です」  
「ふむ・・・我々の退却する時間は無いな  ならば乗せれるだけの負傷者をのせてグリフォンは後退しろ」  
「了解」怪我人を運ぶ為に兵士が走っていった  
それを見送り将軍が飛んでいった方向に向き直り部下達とともに叫んだ  
「我らが生涯に唯一の君よ!明日からの長き日々をいかに耐え忍ばなければならないことか  
長く生きる難苦  我らの忍耐を遥かに凌ぐ大きな試練  我らを待ち受けているのはただ数刻の修羅!我らは幸福なり!  
我らのみ安楽な道に進むことを許し給え!」  
すでに将軍には聞こえていない  だが彼らはそれで満足だった。  
「隊長!敵が第二防衛線を突破しました」  
負傷した兵士が飛び込んでくる  
「私がじきじきに槍をついてくれる  案内せよ!」「はっ!」  
老指揮官も自ら槍を取り前線へとむかっていった  


849  名前:  てさりすと(間抜けやろう  02/12/31  01:37  ID:???  

海岸線付近  

「水島小隊から連絡です。部隊の上陸を確認  城まで案内する我に続け。です」  
無線機を持っている隊員が近藤に報告した。  
「解った。小林一佐の陣地のほうはどうなっている?」  
「敵突入部隊の殲滅に成功し拠点付近を警戒しております。我々には出来るだけ早く来て欲しいとのことです。」  
上空を残弾を撃ち尽くしたAH-1たちが補給のために帰還していく  
すでに銃撃音は散発的になっていた。時々思い出したように発砲音が聞こえてくる。  
遠くの方では激しい戦闘が続いているがそれは自衛隊ではなく都市を死守しようとする近衛兵団と  
何とか退却しようとするオーラン軍が戦っていた。  
上陸してきたばかりの彼らにはどちらが味方かわからないため、戦闘に介入するのをためらっていた。  
『こちらa1  水島小隊を確認』最前線を警戒していた沖田2尉の小隊から通信が入る  
『こちらa2  ここからは障害物が邪魔になって人は見えない  89式は確認できる』  
「了解  彼らに続き進撃せよ」  
『了解』『了解です』  

「将軍!  城の上空で誰かが手をふっています!!」  
見てみると確かにこの国の大臣の格好をした人間が手をふっている  
「よし  近づいてみてくれ」「了解」  
城の屋上にグリフォンが降り立つ。真下で連続して何かが爆発する音がしていた  
そこに一人の男が駆け寄ってきた。  
「将軍!私も連れて行ってくれ!」大臣が将軍の前に駆け寄る  
「このとおり賢者の石も持ち出してきた」将軍はその石を受け取り言った  
「悪いが満員でな  この石だけは貰って行こう」「え?」そう言って将軍は飛び立った。  
置いていかれた大臣は「約束が違う!!」と叫んでいたが相手にされなかった  
屋上に兵士達がなだれ込んでくる。剣を持った兵士達がもつれ合っていた  
しばらくして将軍が振り返ると緑色の服と兜をつけた4人の兵士に大臣が取り押さえられていた。  



888  名前:  てさりすと  03/01/01  16:23  ID:???  

おお838さん凄い早さですな  
・・・・・・・・・・  
1だお〜氏の話の中に出てきた召還術士?萌えw  
・・・・・・・・・・  
とりあえず自分の続き行きます。>>849  

「そこを右に回ってください!」  
戦闘の高機動車に乗っているソードが言った  
中世のヨーロッパのような町並みの中を高機動車を戦闘に89式FVと74式戦車が駆け抜けていく。  
上空には弾薬を補給したUH-1と兵員を満載したUH-47が飛んでいる。  
500Mほど前  敵と勘違いした近衛兵団の兵士達が立ちはだかったがソードが詳しく説明すると  
訝しげながら「それなら自分達もついて行かせてもらいます」といって  
戦車の上や89FVに無理やりぶら下がってついて来ていた。  
途中までの舗装されていない道の間はよかったが段々と城に近づくにつれレンガで舗装された道が現れてきた。  
もちろん其処で立ち止まる訳もなくレンガの道を耕しながら戦車は前進していった。  
段々と付近の惨状がすさまじくなってくる。  
端に寄せられてはいたが大体40メートルに一度  オーラン軍の兵士の死体が積み上げられていた  
エルフィール側の兵士の遺体は丁重に運ばれて順番に並べられ胸の上に剣か槍を抱えた状態で手を組んでいた  
地面と壁には血痕とともにM2重機関銃によると思われる大きな弾痕が沢山あり  
それ以外にもいくつかの弾着が確認できた。  
城の手前まで辿り着くとまたしても兵士が立ちはだかった。  
だが先ほど立ち止まった兵士達と違い友好的な顔でなぜか自衛隊式の敬礼の真似をする。  
「ジエイタイの方々ですね。あなた方の仲間のおかげで城を守りきれました。ありがとうございます。」  
車両が止まったのを確認した兵士達が降りていく。同じ国の兵士と気軽に話し合っているのをみて少し安心したようだ。  
「それでいま彼らはどちらに?」高機動車に乗っていた坂本三佐が尋ねる。  
「一番近いのはあの教会の手前の緑の建物の中です。  
ほら  あの城の手前の」  
たしかに鎧を着た兵士が教会らしき建物の周りにちらほらと見える  
「そうか  ありがとう」そう言って敬礼をし改めて部隊を進撃させた  


889  名前:  てさりすと  03/01/01  16:46  ID:???  

『こちらアルファ0  いま君達の居場所から80mの地点にいる』  
『こちらからも確認した  出迎えにむかう』    
『あ〜  こちら織田班ここからも見えている』  
城の屋上からも返事があった。  
坂本が城に目を向けると確かに2人ほど手を振っているのが見えた  
緑色の建物の中から数人の隊員とスーツ姿の男が出てきた。屋根の向こう側からも隊員が手をふっている  
良く見ると教会の上で弓を構えた兵士達と隊員が一緒になって手を振ってきている。  
鐘楼の上にいる隊員にいたっては狙撃仕様の64小銃で鐘を思いっきりたたいて  
予想外の音のでかさに驚いて銃を落としかけていた  
それに軽く手を上げて答えてから坂本三佐は車両から降り  敬礼をする  
「良くきてくれた」秋山官房長官が敬礼を返しながら答える  
「ご無事で何よりです。」坂本が言葉を返した。  
今ごろ飛んできた教導団のF-15DJを先頭にした編隊がグリフォンを追って爆音を立てながら真上を飛んでいく  
遠方にかすかに見えるグリフォンにむかってスパローが発射され真っ直ぐに目標に向かって飛んでいく  
それを見上げながら秋山が呟いた。  
「自衛隊が出来てからはじめての戦闘・・勝利で終わったな・・・」「はい」  
もちろん被害もでた。敵もまともな武器を持っていたわけでもない。  
たしかにショックも受けた。  
しかし  それでも始めての戦闘で勝利を得たことは彼らにとって大きな自信と誇りを与えた。  




925  名前:  てさりすと  03/01/03  23:25  ID:???  

さーてぼくも続き行きます。>>902  

「将軍!!背後から何かが追って来ております。」  
グリフォンに三人のりした兵士達が慌てた様子で報告に来た  
「相手にするな!!今は全速力で離脱しる!!」  
エルフィールのペガサス相手ならスピードでも戦闘能力でも勝っていた。いつもならこちらから仕掛ける所だった。  
しかしほとんど戦力をうしなった今となってはわざわざ戦う相手でもない。  
将軍の乗っていたグリフォンが速度を上げそれに続いて報告に来た兵士達も速度を上げた  
その兵士の一番後ろに乗っていたハーフエルフの魔術師が背後を確認して叫んだ  
「将軍様!!ものすごい数の鉄の矢が雲を引きながら迫ってきます!」  
さすがに将軍が振り返り確認する。確かに何かが雲を曳いて飛んでくる。  
ふと将軍の脳裏にある光景がフラッシュバックする  

エルフィールでランサーが空を飛ぶ鉄の箱に襲い掛かりそれを見た鉄の箱が後退し  
それに追撃をかけようとしたランサーたちが一瞬で消し飛び  
後には白く細い線が遠くの貴族の城から伸びてきているのが微かに見えていた  

すぐに高度を下げて逃げるようにカストロ将軍は指示を出した。    
「まずい!!全部隊に高度を下げろと連絡し・・・・」  
最後まで言い終わらない間に一番後ろのグリフォンがばらばらになった  
もちろんそれで終わりではなく次々と後ろにいる部隊がスパローに食いつかれ撃墜されていく  
2発のスパローが将軍と報告に来たグリフォンに突っ込んでくる。  
先ほどまで後方近くに居た為  ロックオンされてしまっていたのだった。  
ハーフエルフの魔術師がとっさにほうきで魔方陣を空中に描いて  
結界を張り将軍とミサイルの間に割り込む。  
さらにその前に5、6騎の親衛隊が集まり体を張って射線を防いだ。  
一人の親衛隊の兵士が前方のミサイルに剣で切りかかる。  


926  名前:  てさりすと  03/01/03  23:26  ID:???  

もちろん当たるわけもない・・が飛び込んできた2発目のミサイルが彼に直撃した  
もう一つのミサイルも別の親衛隊のグリフォンに直撃して爆発し親衛隊を一人残らず叩き落す  
コンマ数秒後ほとんどばらばらになった兵士の肉片や鎧が爆風とともに結界に直撃した  
三人乗りのグリフォンは結界ごと吹き飛ばされバランスを無くして  
将軍の乗っていたグリフォンに体当たりしてしまいもつれあって地上に落下していった。  
その後に続き残された兵士達も森の中に降りていった。  
もちろん全員が生きて降りたわけではなかったが・・・  

F-15DJ内部  
前方で次々と爆発した  
「ヒャッホー  俺が2匹撃墜したぜ」  
前に乗っていた高部三尉が叫ぶ。それを聞いたうしろに乗っていた坂井一尉が  
すこし嬉しそうにだがそれとわからない声で前に乗っていた隊員を叱る。  
「ふざけるな。今のは当たって当たり前だ。あまり調子に乗るんじゃない。」  
『〜〜〜〜〜〜〜』他の機体も似た様な状況らしい  
隣のF-15DJのパイロットがキャノピー越しに左手の手のひらを右指3本でたたいて  
8機撃墜したと自慢している  
『敵航空部隊がレーダーからすべて消えた。仕事は終わった。全部隊帰還せよ。』  
AWACSからの指示が入る。  
『コブラ1ラジャー』「イーグル1ラジャー」『ファントム1ラジャー』  
各編隊が順番に向きを変えて今来た道を引き返していった  


927  名前:  てさりすと  03/01/03  23:28  ID:???  

1時間後  
「将軍。生き残っていた兵士達を集めてきました。」  
頭に包帯を巻いたチェが報告に来る  
「・・・どれぐらい生き残っている・・?」  
「200人と36人ばかり・・グリフォンは42匹生き残っておりますが  
使えるものとなると30匹前後ですな・・  
数人の兵士は恐怖のあまり発狂して森の奥深くに消えていきました。  
他にも生き残っているものもおるでしょうがこの状態では探すに探せません。」  
「そうか・・やむをえんな・・このまま引き上げる。10分後だ。」  
かく言う将軍も何とか地面ギリギリでバランスを直すことに成功したが  
森に突っ込みその際に片目を失い  おまけに賢者の石もどこかに消えてしまっていた  
チェが軽く礼をしてその命令を生き残っていた兵士に伝えに行く。  
数人の兵士が悲しそうに頷くと自分といままで一緒に戦ってきた瀕死のグリフォンを  
これ以上苦しめまいと剣を抜いて森の奥へと消えていった。  
数分後森のあちこちでグリフォンの悲しそうな泣き声が聞こえた。  
10分後なんともいえない空気の中で将軍を先頭にして駐屯地にむかった  

さらに1時間後駐屯地にたどりついた彼らはつかれきった顔をほころばせ駐屯地の中に着陸していった。  
グリフォンの小屋の前を歩いていた兵士達が気づいて誘導する。警備の兵士も寄ってくる  
近くのテントの中から普段は出てこない食料班の女性も  
出撃したときの10分の一もいない騎士達を気遣ったのか出てきて兵士達に話し掛けていた  
ふとチェは違和感を覚えた。何かがおかしい  
(いつもなら警備の兵士はこちらを見ることはあれどわざわざ宿舎前にまで来ないはず・・)  
そう思いながらあたりを見渡す。そこであるものを発見した。  


928  名前:  てさりすと  03/01/03  23:29  ID:???  

「将軍。グリフォンから降りないで下さい」となりのグリフォンに乗っているカストロにささやく  
「どうしたんだチェ?」カストロが振り返って尋ねてくる。  
「あたりの様子があきらかにおかしいんです。嫌な予感がします。」  
チェが料理番の女性をを指差す  
「あの料理番の下女をごらんください。服の下に防刃服を着込んでいます」  
将軍が視線を向ける。下女は兵士達にむかって水を配っていた。  
確かに下に何かを着込んでいるらしく服がごわついている。  
「それだけならまだしも腰にショートソードを下げています。」  
将軍がハッと気づいた。チェが続ける  
「下女に認められている武装は護身のためのダガーまでです。」  
「よし  確かめてみよう。・・おまえたちいつでも飛び立てるようにして置けよ」  
「わかりました。」ちかくにいた兵士たちが返事する  
そこで将軍が叫んだ。  
「そこの女!!その腰に下げているものはなんだ!!!」  


929  名前:  てさりすと  03/01/03  23:33  ID:???  

兵士の視線が一箇所に集まる。近くにいた兵士がさっと身を引く。  
女性はどうしていいのかわからずにその場に凍りついていた。  
しばらくその状態が続いた後一人の男が笑いながらテントから出てきた。  
「さすがですな将軍  なかなか勘がよろしいようだ」  
傍にいた兵士が笛をふいた。そこらかしこのテントの中からエルフィールの兵士達が次々と出て来た。  
警備兵も兜をすて槍を構える。先ほどの女性達もショートソードを抜き放った。  
「きさま〜何者だ!!」  
そう叫び男に一番近い位置にいた騎士が大剣を振りかざして現れた男に突撃した。  
男が軽く腕を振り下ろす。それを合図にした弓兵たちがいっせいに弦を鳴らした。  
放たれた矢はすでに上半身の鎧を剥がしていた騎士に次々と突き刺さり即座に騎士を絶命させた。  
「なに  ただの遊撃軍の軍師さ」  
だれに言うともなくすでに絶命した騎士の問いに答えた。  
「あらためて挨拶させてもらいましょう。将軍  
私はエルフィール第一遊撃軍の軍師  シバ・リョウと申します。  
すでにごらんのとうりですが貴方の陣地はすでに頂きました。  
ここは大人しく降服されてはいかがでしょうか?」  
静かにだが良く通る声で宣告した。  



げ  やっちまった  
>>925の三行目  
「相手にするな!!今は全速力で離脱しる!!」  
しる  じゃなくて  しろ  でした  
本能寺で焼き殺されてきます・・・  



953  名前:  てさりすと  03/01/06  13:19  ID:???  

続き>>929  

「ここは大人しく降服されてはいかがでしょうか?」  
静かにだが良く通る声で宣告した。  
「私が・・・おとなしく応じるとでも思っているのか?」  
「貴方がどう思っていようとも降服するしかないんじゃありませんか?」  
そう言って弓兵を指差し  
「これだけの弓から逃げられるとお思いですか?彼らの腕はいいですよ?  
もちろん矢にはグリフォンでも数分で殺せる毒を塗ってあります。  
貴方達が逃げ切れる確立は万に一つも無いです。」  
将軍が近くにいる兵士達に目配せする。無言で彼らは頷く。  
「本当に逃げれぬかどうか・・確かめやる!!行くぞ!!」  
そう言って将軍が真っ先に飛び立つ。チェたちもそれに続く。  
「雑魚にかまうな!!将軍だけを狙え!!」  
リョウが叫ぶ。弓兵達が一斉に矢を放つ。その矢がグリフォンにいっせいに突き刺さった。  
「くそ!!」  
グリフォンが失速し地面に投げ出される。騎手も矢を受けたのか地面に転がったまま起き上がってこない。    
将軍の周りを先ほど一気に飛び立つ時飛び立てなかった兵士達が円陣で防御体制を組む。そこに第二射が放たれる。  
次々と兵士が打ち倒され再び将軍を守るものは居なくなってしまった。  


954  名前:  てさりすと  03/01/06  13:20  ID:???  

「将軍さま!!」グリフォンの背後に乗っていた魔術師が飛び降りる。  
降下しながら  箒に魔力を込め急加速で将軍の下に向かう  
弓兵たちがそれに気づいて照準を変える。  
そこへ先ほど打ち落とされたグリフォンが激昂しながら襲い掛かった。  
弓兵たちが慌てふためき逃げ出すが運の悪い兵士がつまづき  
グリフォンに頭を食いちぎられてしまう。  
その隙に魔術師がスキーで急ブレーキをかけるような形で将軍の前に着陸し叫ぶ。  
「将軍さま!後ろに乗ってください!!」「わかった!」  
将軍が抱きつくような形で後ろにまたがる。それを確認すると  
再び魔力を込めVTOL機のようにゆっくりと高度を上げていく。  
それを見ていたリョウが弓兵に怒鳴る。  
「なにをしている!!早くうちおとさないか!!」  
弓兵が思い出したかのように照準を合わせ矢が放たれた  
矢が当たる直前  急加速し何とか回避してそのまま一気に仲間の所まで飛んでいってしまった。  
「くそ!!・・・だがまあいい」  
悔しそうにつぶやいて辺りを見渡す。大量の物資と捕虜といった戦利品が山となっていた。  
「これだけあれば十分だ  撤収するぞ  
戦利品は捕虜にもたせろ!陣地と必要の無いものは燃やし尽くせ!!」  
そう言って自らも帰還の準備を進めた。  



955  名前:  てさりすと  03/01/06  13:20  ID:???  

エルフィール市街地にて  

オーラン軍の爆撃や攻撃によって大きなダメージをうけた商店街の民間人を救出する為  
エルフィールの兵士と隊員が協力して消火と救出作業をおこなっていた。  
「そっちはどうでした?」付近を警戒していた渡辺陸士長が尋ねる。  
いちおう戦闘が終結したとはいえ  残党が残っているとまずいので  
小林一佐の指示で各班に一人づつ小銃を持って警戒に当たっていた。  
「だめだ、全滅だ酷いもんだよ・・・そこらへんに炭化した死体が転がってた・・  
一応瓦礫をどかして探してみるがおそらく誰も生きていないだろう・・  
さっき一人うろついていたのを見つけたときは嬉しかったもんだが・・・」  
水島三尉が悲しそうに首を振った。  
「ああ  さっき兵士に連行されていった奴ですね、確か火事場ドロボウしてた野郎ですね」  
「まあ  逮捕されたからな。問題は無いんだが・・・」  
そこで大きくため息をついて鬱そうに続ける。  
「さて  任務に戻るとするか・・」「そうっすね」  
そう言ってそれぞれの仕事に戻っていった。その数分後  
「おーい  いたぞ〜!!誰かタンカもってこい!!」水島が叫ぶ。  
施設科のドーザがどけた瓦礫の下から住民の顔が見えたのだった。  
すぐに兵士と隊員達によって瓦礫の下から気を失った住民が引き上げられ  
衛生班が脈を確認した後  彼らが持ってきたタンカで運ばれていく。  
その周りを家族だろうか  子供が心配そうに付きまとっていた。  
タンカごと隊員がトラックに乗り込む。  
「おい  少年!こいつの家族か?」関西出身の衛生班の隊員が話しかける。  
すこしおびえたように少年がこくりと頷く。  
「よし  んじゃあ一緒に行くか。ほら、おいで」  


956  名前:  てさりすと  03/01/06  13:21  ID:???  

「よし  んじゃあ一緒に行くか。ほら、おいで」  
そう言ってトラックに少年を担ぎ上げた。  
「準備できました!出発してください」衛生班の班長が運転手に話しかける。  
「了解!」隊員が気持ちよく返事して走り出した。  
トラックには数人の兵士と隊員が乗り込んで怪我人達の治療に当たっていた。  
衛生科の隊員が頭の出血を止めようとしてそれを嫌がる猫耳の生えた住民がもみあっていた。  
「ほら!じっとして!血が止まらないでしょうが!!」半ば隊員は切れかけている。  
「んに!私の耳を触るな」「さわらないと血が止められないんです!!」  
「じゃあ止めなくてもいいもん!!」「そういうわけにはいかないでしょうが!!」  
それを見かねた数人の兵士が彼女を取り押さえている間に隊員が無理やり包帯を巻きつけていく。  
それでも頭を振って抵抗を続けている彼女を横目で見ながら関西出身の隊員が隣の子供に話しかける。  
「なあ少年?腹減ってるか?」  
子供が頷く。それを確認した衛生班の隊員がポケットから  
もっていたチョコレートを取り出し銀色の包装を剥がして少年に握らせてやった。  
「ほら  食い」  
子供が不思議そうに手のひらにのせてもらったそれを見つめていた。  
「おそわれる〜だれか〜たすけて〜〜〜〜」「いいかげんな事を言わないで下さい!!」  
奥のほうで女性がまだ暴れているらしい。そろそろ隊員がぶち切れそうだ。  
それを無視し関西弁の隊員が続ける。  
「大丈夫やって  ほら」そう言って自分も一かじりする。  
それをみていた子供が手のひらにあるそれを強く握り締め思い切ったように口に放り込んだ。  
しばらく沈黙がある  


957  名前:  てさりすと  03/01/06  13:23  ID:???  

しばらく沈黙がある  
「おいしい・・・」ぱあっと表情を変える  
「なんや  喋れんのかい」  
「もっと頂戴」そういって手を伸ばしてくる  
「・・このばあいは先に  ありがとう  や」  
「・・ありがとうございます・・」  
「そうそう  そんな感じ」隊員が満足げに頷く。  
「もっと頂戴」また手を伸ばしてきた  
「・・ええ根性してるな少年」苦笑してもう一つにぎらせてやる  
今度は躊躇無く口にほりこむと笑顔になる。  
「どうや  上手いか?」「うん」「よし」  
そう言って頭をくしゃくしゃとなでてやっていた。  
やたら豪華なサイが曳いている馬車を追い抜き  
しばらくすると公園に仮設された救護所が見えてきた。  


そのやたら豪華な馬車=王さまの馬車内部にて  
「すみませんな  秋山殿。  
戦闘に参加していただいただけでなく住民の救出にまで付き合ってもらえるとは・・」  
そう言って王が頭をさげる。  
「いえいえ  苦しんでいる者を助けるのは当然の事です。」  
「しかし・・・数刻前の会談の時    
秋山殿の国では戦闘が禁じられていると聞いたが大丈夫なのかね?」  
「・・まあ何とかなると思います。それよりも・・なぜオーランがこの国にせめて来るのでしょうか?」  
王様がため息をはく  


958  名前:  てさりすと  03/01/06  13:30  ID:???  

王様がため息をはく  
「我が国の肥沃な土地を狙っているのでしょう。  
オーランの大地はほとんどが砂漠で  しかも北に行けば白銀の世界。  
食料を確保する為には我が国か隣のエルフの森を越えてランド皇国に向かうしかないのです。  
同情もしたくもなりますが・・  
最初は我々がある程度食料支援をしてあげていたのですがだんだんと力をつけると調子に乗って  
ポルコス地方を・・ああご存じないですな。我が国有数の穀倉地帯をよこせ。と言って来たのです。  
我々も自分達の生活があります。もちろん断った所  
「ならば  力ずくで頂く!!」といきなり奇襲をかけて来たのです。」  
秋山は  なるほど  となっとくしたように首を縦に振ると  
「失礼ながら支援をされていた・・と申しますとこの国のほうが経済力も軍事力も上だと思うのですが?」  
「お恥ずかしい話ですが我々もあれだけ支援していた国からまさか攻められるとおもってなかったもので  
北東にいた兵団は全滅。北方の兵団に至っては兵団ごと寝返る始末  なんとかボルコス地方は確保し続けておるがね」  
ちょうどそのとき赤十字マークをつけたトラックが馬車を追い抜いていく。  
「もちろん  約束していた食料はある。先刻いっておられた鉄や金もある程度までなら確保してある。  
しかし『石油』?だったかな?残念ながらそれは用意できていない。  
そう言っためずらしい物は後でボブ卿でも聞いていただきたい。」  
「判りました  そうさせていただきます」  
「それとだ。我が国から二ホンに留学生を派遣したいのだが?」  
「留学?ですか?」「うむ、貴国の技術を教えていただきたいのでな」  
「わかりました。首相に報告しておきます。」  
「うむ・・よろしく頼む」王様が満足げにうなずく  




972  名前:  てさりすと  03/01/07  21:26  ID:???  

続きいきます。  
とりあえず僕こっちのスレ埋め立てますね。  

しばらくすると自衛隊の仮説本部《劇場》にたどりついた。  
「到着いたしました。」執事らしき人がドアを開ける。  
「どうもわざわざお見送りいただき  ありがとうございました。」  
馬車から降りて王様に向き直り軽く頭をさげる。  
「なに  こっちが勝手に呼び出したんだ。これぐらいはさせて欲しい。それでは、いい報告を待っているよ。」  
「分かりました。」  
執事が一礼をしたあとドアを閉め馬車の前の自分の席に戻って行く。  
しばらくその場で馬車を見送ってそろそろ室内に入ろうと思った頃に最上陸将補がやってきた。  
「官房長官殿!!こちらに来てください。面白いものが見れますよ。」  
興奮した声で秋山に語りかける。  
「おいおい  落ち着けって。何があったんだい?」  
「ボブ船長の船の船医のシーラって人が魔法の実演をしてるんですよ。ほらあそこ!!」  
最上が隊員で出来た人だかりを指差す。  
「ふむ・・私も見てみたいな。よし行ってみよう」  
ちょうどそのときどよめきが起きた。なにか起きたらしい  
一番後ろにいた隊員達が秋山と最上に気づいて敬礼をしながら道を開ける。  
秋山がそれに軽く敬礼で返し空いた隙間からその《魔法》を覗き込んだ。  
隊員が持っている狙撃仕様のスコープに  
研究者のような白い服を着た女性が手をむけてなにやら歌のように口ずさむ。  
しばらくすると手の先にだんだんと白い塊が出来  真ん中のほうにぼんやりと人型の何かが見えてくる。  
一同が  おおっ!!  とどよめいたと思うと急に光の塊がPON!と軽い音を立てて爆発する。  
さすがに隊員たちが少し腰を引く。だれでも始めてみる物は怖がるものだ。  
銃の上に思いっきりデフォルメされた旧軍の野戦指揮官の格好をした人形が現れる。  
「上官殿に敬礼!!」そう叫ぶなりその外見からはかけ離れたようなピシッ!!と下格好で敬礼をする。  
咄嗟に秋山と最上もピシっと敬礼を返す。  
「・・これが俺の銃についてる精霊ってやつですか?」持ち主の隊員が尋ねる。  
「き〜さま〜  この私に向かって『コレ』だと!!歯を食いしばれ!!」  
そう言って何処からかミニマムの木の棒を取り出し(よく読むと精神注入棒と書いてあった)隊員を殴った。  


973  名前:  てさりすと  03/01/07  21:27  ID:???  

「どうです?面白いですか?」  
何時の間にか背後に来ていたボブ船長が話しかける。  
「おおボブ殿  魔法というものは凄いですな。」  
「いえいえ  あれは魔法じゃなくて法術という魔術です。」  
「砲術?」「そう法術です」微妙にかみ合っていない  
「どちらにしても凄い技術ですなあ」最上が心底感動したと言う風に感想を言う。  
「いやいや  それよりもあなた方の医療技術のほうが素晴らしいですよ。」  
戦車乗りの隊員が今度は90式戦車にも今の魔法をかけてくれと頼んでいる。  
「出血した怪我人に血をあたえて治療する技術など神の業にひとしい」  
「いやいや  先ほど見せていただきましたが法術というものの方が凄いじゃないですか。」  
奥のほうでシーラが「これで最後ですよ?」と言いながらも再び歌うように呪文を唱える。  
先ほどよりも大きな球体が現れる。また人型の影が見えてくる。  
「そうそう  秋山殿。王から貴方の質問に答えるようにと要請がありまして・・」  
「ああ  石油のことです。黒くて変な臭いがして粘粘している・・  
そんな液体をご存知かどうかを聞こうと思っておりました。」  
ボブ船長が首を捻って考える。  
「うーむ・・・・おもいだせんなあ・・・そういえば・・エルフの森の近くにあるハーフエルフの集落に  
重い黒い水から燃える聖水を作っているところがあると聞いたが・・・  
あそこは・・我が国と仲が悪くてなあ・・」  
「それです!!ボブ殿!!多分それに間違いないです!!」  
秋山が興奮していった。しかしボブ船長が顔を渋る。  
「実を言うと・・・前の王のときに・・30年ぐらい前でしたかな。ともかく我が国から攻め込みましてな・・・  
それ以来  我々がちかずくと魔法を何処からか打ち込まれて近づけないです」  
「なるほど・・・」  
ちょうどそのとき戦車の方でPAN!というよりはDON!!というような爆発が起きる。  
今度は戦車の上に眼帯をつけたナチの将校みたいなのがあらわれている。  
誰かが「どうして女性形の精霊じゃないんだ〜〜!!」と叫んでいる。  
「そりゃあ  どうしても持ち主とか作った国の特徴が現れたりしますよ」とシーラが返している。  
眼帯をつけた精霊が鬱陶しそうに向こうを向く。  
それを横目で見ながら秋山は今まであった事をどう説明するか考えていた。  



205  名前:  てさりすと  03/01/10  00:42  ID:???  

続きこっちに書きますね  

臨時首相官邸(九州)  

「・・・・以上が秋山官房長官からの報告です。」  
「ふむ・・鉄、石油は取り合えず何とかなりそうですな。  
自衛隊から数人とはいえ負傷者が出たということは遺憾ですが・・」  
宮井首相が感情のあまりこもらない声で感想を言う。  
「それと最上陸将補殿が石油の出ると見られる集落に偵察部隊300名の派遣許可を求めております。  
なお情報によりますとその集落の住民はエルフィール側から来るものに無差別に攻撃を加え近づけないとのことです。」  
係官が抑揚の無い声で続ける。  
「300人とはまた大規模ですな。」東郷経済産業大臣が意見する。  
「は。当初ヘリによる移動を想定しましたが付近には小型のドラゴンが現在出没するとのことと  
その集落周辺を昨年エルフィールの航空部隊が飛行したところ魔法に寄ると見られる対空砲火によって撃墜されている事  
等の問題から地上部隊による偵察に切り替えたとのことです。  
またエルフィールに設置した本部からあまりに遠い為に有事の際  救援が速やかに送れないなどの問題が想定される為  
途中にあるシークプレストと言う町に駐屯地をつくりそこから偵察部隊を派遣するとのことです。  
なお物資の集積場所や駐屯地を設置する場所はエルフィールのほうで用意されています。」  
「そんな所に自衛官を派遣するのは危険ではないのですか?」  
文部大臣が質問する。  
「危険には違いないでしょうが止むを得ないでしょう。いつ元の世界に返れるかも分かりませんし  
資源の確保・・特に石油に関しては出来る限り早い段階で輸入し始めませんと何時までもつか・・・」  
柘植防衛長官が続ける。  
「そんな事より!!」斎藤外務大臣が割り込む。  
「現地指揮官が政府の許可を待たず独断で発砲許可を出したことの方が問題でしょう。」  
「しかしそれは  やむを得ず・」  


206  名前:  てさりすと  03/01/10  00:43  ID:???  

「しかしそれは  やむを得ず・」  
「いえ!!オーランという国でしたか?・・  
ともかくオーランという国はエルフィールに攻め込んだのであって、我が国を攻撃した訳ではないのです。  
攻撃された隊員がわが身を守るのはともかくエルフィールの兵士とともに戦うということは専守防衛を逸脱おります。」  
「では大臣は目の前で殺されていく人間を見捨てろとおっしゃるのですか?」  
柘植防衛長官が言い返す  
「集団的自衛権を法律が認めていない以上、残念ながら見捨てざるを得ないでしょう」  
「まあまあ・・」文部大臣が止めに入る。  
数秒間意見が止まった。東郷経済産業大臣が意見を述べる  
「そのことはさておき・・先ほども申したとおり石油が無い事にはどうにもなりません。国内の企業も生産がストップしています。  
正確な数字はまだ出ておりませんが約30パーセントほどの会社が現在企業活動を停止しています。  
またスーパーやコンビニにおいて生活物資の買占めがおこなわれており商品が棚から消えたところも少なくありません。  
今のところ商品のストックが大量にあるため問題はありませんが・・それ程長く持たないでしょう。」  
そこでテーブルに用意されていた水を飲み改めて続ける。  
「国民は現在、今までの生活ができなくなる事を恐れてパニックをおこしています。  
もちろん今までどおり店に商品を並ばせ続けることができれば、ひとまず落ち着くでしょう。  
『衣食足りてすなわち礼節を知る』です。  
まあこちらは今のところ問題ないでしょう。関係する工場や生産施設は現在フル稼働していますし。  
問題の現在企業活動を停止している企業は、ほとんどは本州や外国に物を輸出していた企業です。  
製品を作っても購入してくれる市場が無い為に生産を停止せざるを得ないのです。  
彼らには新しい市場さえ用意してやればすぐにでも企業活動を開始するでしょう。」  


207  名前:  てさりすと  03/01/10  00:47  ID:???  

製品を作っても購入してくれる市場が無い為に生産を停止せざるを得ないのです。  
彼らには新しい市場さえ用意してやればすぐにでも企業活動を開始するでしょう。」  
そこでにぎっていたコップを一気にあおる。  
「しかし  どちらにしても電気が止まったり搬送用のトラックが動かなくなってしまったら再び生産は止まるでしょう。  
そうならないためにも石油の確保は重要です。・・私は調査部隊の派遣に賛成いたします。」  
宮井首相がうんうんと頷きまわりに尋ねる。  
「反対意見はありませんな?」返答の変わりに沈黙が帰ってくる。  
「では反対は無い見たいですので・・偵察部隊の派遣を許可します。」  

///////////////////////  
以上です。  
うう政治の部分上手くかけない・・  
だれか間違ったとことか血迷った事かいてたら  
書き直してくだされ・・・  
眠い・・お休・・み・・・Zzzzzzzzzz  




258  名前:  てさりすと  03/01/12  00:55  ID:???  

自分の奴の続き〜  

報告文  
2004年5月26日火曜日  

[09:30部隊の準備完了せり  
作戦は  
第36普通科連隊より2個普通科中隊(朝鮮半島に上陸する為九州に集まっていた第36普通科連隊より引き抜き  
第三偵察隊より一個中隊(上に同じ                
第4戦車大隊と第11戦車大隊より引き抜いて作った混成一個中隊  
その支援として  
第六後方支援連隊より2個中隊(上に同じ  
以上の編成でおこなうものとする。作戦開始時刻は12:00とする。]  

最上陸将補は本部(劇場)の前の公園の木製の机に座り日光浴のついでに書類整理をおこなっていた。  
そこに小林が封筒を携えて報告に来る  
「陸将補  航空自衛隊の偵察写真が届きました。」  
「ん  見せてくれ。」  
小林が写真を取り出し最上に手渡す  
「おそらく5〜6時間でシークプレストに辿り着けると思います。  
それとボブ卿から頂いた二年前に書かれたシークプレストまでの風景画兼地図(スケッチブック)とも一致します」  
「この森の中にあるのは?」最上が森の中に小さな砦を見つけ写真の中央を指差す。  
「さあ・・おそらくこの国の防衛拠点の一つでは?」  
「いちおう後でボブ卿に見せて確認しておいてくれ。」  
「わかりました。・・・それにしてもこの絵は凄いですね・・・」  
ボブ船長から受け取った風景画兼地図を眺める。まるで写真でとったかのように正確だった。  
「うむ・・地図の部分の精度はともかく  
説明についている風景画は額に入れて飾りたいぐらい素晴らしいからな・・」  
「たしか  当時16歳の子供が書いたらしいですね。とても信じられません。」  
「ボブ船長がその才能に気づき15歳で王立調査隊のメンバーに選ばれたらしい。」  
風景画をめくりながら最上が応じる。  


259  名前:  てさりすと  03/01/12  00:56  ID:???  

それとボブ卿から頂いた二年前に書かれたシークプレストまでの風景画兼地図(スケッチブック)とも一致します」  
「この森の中にあるのは?」最上が森の中に小さな砦を見つけ写真の中央を指差す。  
「さあ・・おそらくこの国の防衛拠点の一つでは?」  
「いちおう後でボブ卿に見せて確認しておいてくれ。」  
「わかりました。・・・それにしてもこの絵は凄いですね・・・」  
ボブ船長から受け取った風景画兼地図を眺める。まるで写真でとったかのように正確だった。  
「うむ・・地図の部分の精度はともかく  
説明についている風景画は額に入れて飾りたいぐらい素晴らしいからな・・」  
「たしか  当時16歳の子供が書いたらしいですね。とても信じられません。」  
「ボブ船長がその才能に気づき15歳で王立調査隊のメンバーに選ばれたらしい。」  
風景画をめくりながら最上が応じる。  
「ということはあそこにいる女の子のどちらかですか?」  
公園の向こうの方で集合していた王立調査隊のほうを向く。  
「右の緑色の髪の方だ。ほらスケッチブックを握ってるだろう?」  
最上は子供につき合わされて見たハリーポッターのような格好をしているクレアを指差して言う。  
「そういえば  彼らも途中まで一緒に行動するんでしたね。」  
思い出したように小林がつぶやく  
「うむ。シークプレストまでな・・」  
「陸将補  そろそろお時間です。」最上が言い終わらないうちに奈菜瀬2曹が報告にくる。  
「ん。わかった。・・小林君。」  
「了解しました。私も荷物をとって来ます」  
敬礼をして本部に戻っていく。  
「それでは師団長殿に挨拶に言ってくる」  
そう言って秋山官房長官と入れ替えに3日前に上陸してきたばかりの師団長の部屋に向かった。  



260  名前:  てさりすと  03/01/12  00:57  ID:???  



2:00  
「よ〜し  行くぞ手前ら!!俺に続け!!」  
そう言って事前偵察の為  高機動車、87式偵察警戒車が先に出撃していく  
先頭の高機動車には部隊旗と国旗が結び付けられていた。  
残りの部隊もそれに続いて出撃していく。  
この町に残る隊員たちや巡回中の兵士達が手をふってくる。  
町の人たちからも見送られ彼らもそれに応じて手をふり返す。  
「国内でもこんなふうに見送られたかったですね・・」丹羽陸士長がつぶやく。  
「かんがえるな。鬱になるぞ。」目を閉じたまま織田2尉が答える。  
この国の子供達も部隊の後ろに付いて走ってきていたが門のところで立ち止まり手をふってみおくっていた。  
羽柴三曹がクーガーの装甲板のうえに片足を乗せて手を振りかえしていたが  
子供達の姿が見えなくなると急に大人しくなって席にもどった。  
それから数時間後先頭を走っていた高機動車が焼け焦げた馬車を発見した。  
『モナー1より茶1  前方に焼け焦げた馬車を発見。これより接近する』  
『了解  警戒を厳にせよ』『了解』  
隊員達が車両から降りて付近を警戒しながら前進する。  
緑色の服の上に緑に染めた皮鎧を着たオークの死体がそこらかしこに転がっている  
それ以外にも剣士のような死体も3つ転がっていた。  
「班長・・全部死んでます・・」隊員が死体の首元に手を添えて脈が無い事を確認する。  
「そうか・・『モナー1より茶1  付近にオークと剣士らしき死体を確認』  
『了解  とりあえず遺体と馬車を脇に寄せてくれ。このままでは通れない。』  
先行していた彼らの視界に本隊が入ってくる。  
『了解  遺体はどうしますか?』  
『・・・とりあえず脇に寄せておけ  あとでこの国の兵士が確認に来るらしい。』  
『了解』馬車を87式で道から押し出せ!!死体は脇に寄せてくれ!!」  
隊員が軽く手を上げて応じる。倒れた兵士の脇で手を合わせて拝む。  
「南無・・化けてでるなよ・・」そう言って隊員が死体を脇の林に死体を引きずっていく。  
「御観苗!!後ろにだれかいるぞ!!」誰かが叫ぶ!!  
そのときだった。人影が隊員にすばやく飛びかかった。  


261  名前:  てさりすと  03/01/12  00:58  ID:???  

そのときだった。人影が隊員にすばやく飛びかかった。  
「な?!」飛び掛られた隊員  御観苗三曹が何とか突き出してきたナイフを交わし地面に無理やり引きずり倒す。  
「くっ!!」押さえつけられた小さな影が悲鳴を上げる。  
「誰か!!」先ほど叫んだ隊員が誰何しながら銃を突きつける  
数人の隊員が付近に銃を向け警戒に入る。残りの隊員が付近の索敵に向かう。  
御観苗がフードを剥ぎ取る。良く見ると女性だった。  
本隊が完全に追いつく。アイドリンク状態の90式を追い抜いて高機動車の傍まで73式トラックが前進してきた。  
「どうした!?」小林一佐が73式トラックから降りて尋ねてくる。  
「は!御観苗三曹が遺体を脇に除けていた所  背後からこの女がこのナイフを手に襲い掛かってきました!」  
先ほど叫んだ隊員が答える。御観苗が女性を後ろ手にして両手を膝で押さえ取り落としたナイフを拾い上げる。  
「危ない所でした。誰かが大声で教えてくれなかったらやられてました。」  
服の上からほかに武器を持ってないか調べながら御観苗が報告する。  
武器を持っていないことを確認すると傍にいた隊員と一緒に無理やり立たせる。  
「ふむ。貴方はいったい何者ですか?何の目的があって我々を攻撃する?」  
小林が尋ねる。顔は普通だが声が据わっている。  
「?・・お前らはエルフィールの追っ手ではないのか?」  
「我々は日本国の自衛隊だ。そもそも追っ手?なにをして追われているのだ?」  
先ほど叫んだ1曹が詰問する。そこで彼女は沈黙する。  
そこで銃声響きその後  女性の悲鳴も聞こえてくる。  
立っていた隊員たちが一斉に伏せる。御観苗は隣の隊員と一緒に女性を引きずり倒して自分達も伏せる  
64式が89式が戦車の主砲が25ミリ機関砲が一斉にそちらに向けられる  
「どうした!!何があった!!状況を報告しろ!!」  
ジープの陰に隠れ小林が無線機に怒鳴る。  
「分かりません!!」自分に言ったと勘違いした隊員から反応がある。  


262  名前:  てさりすと  03/01/12  00:59  ID:???  

『モナー1モナー1  付近を索的中隠れていた連中を確認。誰何した所抵抗してきたので発砲しました』  
無線機から興奮した声で報告が聞こえてくる  
『射殺したのか!?』  
『いえ  足を撃ち抜きました。残りの人間も確保しております』  
『よし  すぐに増援を送る現場で待機せよ。』  
『了解』  
数人の隊員が樹の後ろで64小銃を構え支援体制に入る  
1週間前の作戦ですでに敵の武器が矢や投石レベルであることを確認していた彼らは  
この前きた補給船にあるものを積んで来て貰っていた。  
隊員が高機動車に積んであった強化アクリル製の楯を取り出し前進していく。  
この楯の入手にはなかなか苦労があった。  
当初エルフィールにある楯を借りようとした所、まともな楯はあまりに重すぎたために却下  
軽い楯は幅が狭くて全身を守れない。  
やむなく機動隊から借りようとしたのだが難色を示され  
現場にいた自衛隊の指揮官がなんども頭を下げて何とか譲ってもらったものだった。  
ちなみにこの楯には魔法防御のためにエルフィールの魔術師によって呪文が描かれていた。  
隊員たちはとりあえず簡単な魔法は防げるのを目の前で実演してもらってその防御力を知っている。  
二人一組で片方が楯を持ちもう片方が小銃を構えながら前進していく。  
しばらくすると最上とボブ船長が隊員に案内されてやってくる。  
ちょうどそのとき付近を警戒していた隊員が捕虜を連れて帰ってくる。  
手を頭の上に乗せた状態で上等な服を着た女性達と楯をタンカにして一人の剣士が運ばれてきた。  
「お嬢様!!」「パティ!!」特にいい服を着た女性が駆け寄ってきてパティとよばれた女性に抱きつく。  
「あ」ボブ船長が抱きついてきた女性をみて呟く。  


263  名前:  てさりすと  03/01/12  01:01  ID:???  

「あ」ボブ船長が抱きついてきた女性をみて呟く。  
「どうしました?小林が尋ねる。  
「ギア大臣の娘さんが何故こんなところに・・・」それを聞いたパティがかばう様に前に立つ  
「ボブザック卿・・私を捕まえにきたの?」少し身構えて尋ねる。  
「いや・・わたしはこれからシークプレストに向かう予定だったんだが・・  
貴方を見つけてしまった以上  見逃す訳にはいきません。・・・最上殿」  
「何でしょうか?」最上が答える。  
「すみませんが彼らをシークプレストまで運んでもらえませんか・・?」  
少し辛そうにボブ船長が告げる。最上が頷く。  
「それでは  見張りを立ててトラックに乗っていただきましょう。小林君丁重に案内してやってくれ。」  
「わかりました。・・・どうぞこちらに」  
そう言って小林は乗っていた隊員をトラックから全員おろしそこに彼女らを誘導した。  
座席を失った隊員たちが軽く文句をいいながら座席がすいている高機動車や物資の隙間や上に何とか乗り込んで行く。  
「彼女達はどうなるんでしょうか?」小林がボブ船長に背後から尋ねる  
「本人はいいお嬢さんですが父親が国を裏切ったんですからね・・ほぼ死刑は間違いないでしょう  
連帯責任って奴であの女性たちも剣士もおそらく一緒に・・・」  
ボブ船長が辛そうに答える。  
「・・出発しましょう。」少し考えるように下ををむいたまま小林がそう告げる。  
残っていた死体や馬車の破片を道からどけた後  何事も無かったかのように部隊は再び前進しだした。