115  名前:  Mコーヒー代わり  ◆PujjQOi5D.  2006/07/28(金)  23:14:37  ID:???  


「  そうですか・・貴方方は“  良い日本  ”に生まれなされたらしい  」  

別の次元の日の丸の国の海自海将、海原一斗は、  
平成日本の流浪JSDAの生き残り達、  
本多以上の階級の幹部達、末席の本多、斎藤、市民の今井らが車座で囲むその中で、  
ただただ、深い溜息を吐くのであった。  

「  貴方方もきっとそうでしょう  」  

血を吐くような悲しみの涙を溜めた老将の背後の空は、  
老将の張り裂けそうな胸のうちそのままに、真っ赤な空であった。  
そして、夕暮れの潮騒に呼応するかのように揺れる、異界の草の海があった。  
そして、別の次元の日本海に、何十年と対峙してきただろう、  
この老将の目から、一筋の涙がこぼれて、やがて複数の流れとなって、落ちていった。  

「  貴方方がそうであるように、我々もまた、  」  
「  腹に耐えかねる事はあっても、国と国民に忠誠を誓っていました  」  
「  しかし、赤い大陸に魂を売った連中の為に、我国は崩壊してしまったのです  」  
「  陸の  御堂  元(  陸将  )は、しぶとい男でしたが・・生きてはいますまい  」  

老将は、1国の海将となる人間らしい、素晴らしい人相をした男であった。  
しかし、長年の誇りある人生=内なる精神、を刻んで出来たその顔、も、  
今は、はらはらと流れ落ちる涙の為に、すっかりぐしゃぐしゃになってしまった。  



116  名前:  Mコーヒー代わり  ◆PujjQOi5D.  2006/07/28(金)  23:18:29  ID:???  


「  そそそそそそれで、空は?空自は?どどどどどうしたのですにゃ???  」  

そんな、「  鎮痛  」を切り取った如くの絵の中で、  
お約束の素っ頓狂な声を上げる馬鹿  が1人、いた。  

ただ1人、人間の年齢や階級に遠慮をする必要も<  その気もない  >、  
『  ホビット族のリーン坊や(しかし実際年齢は人間以上!)  』であった。  

先の『  デビルズ・ウォ―  』以来、  
命の恩人である斎藤の腕っ節から離れようとしない『  この糞餓鬼  』は、  
その流浪JSDA全隊隊員から速攻で名付けられた『  糞餓鬼(注・外見だけ)』らしい無『  邪気  』さで、  
今にも傷心で自決しそうなその老将に近づいて・・肩口に取り付いてウキャキャ☆と囁いている。  
「  #######################!!!!!!!!  」  
それを、ある種の場面では、糞真面目な本多隊長以上に糞真面目な斎藤と今井が、  
(  同時に  )物凄い勢いで(  リーンの  )首根っこをひっ捕まえて後方に投げ飛ばす。  

「  ・・空自は、1部を除いて、無抵抗のままに武装解除されました  」  

斎藤、今井、そしてホビットのリーンの毎度のパターンとの初遭遇に、  
すこし、ふと泣き笑いの顔をして、  
またスグに、自身の重すぎる過去の光景に埋没していく、海原老将であった。